JP3831919B2 - マイクロアクチュエータ及びその製造方法 - Google Patents

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博之 藤田
大 小林
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Description

技術分野
本発明はマイクロアクチュエータ、特に、静電インパクト機構を用いたマイクロアクチュエータ及びその製造方法に関する。
技術背景
現今、微細加工や微小変位の操作を行うため、精密位置決め技術は極めて重要な技術として位置付けられており、高精度化が必要になってきている。
位置決めデバイスの作製にマイクロマシン技術を利用すれば、バッチプロセスにより一括して大量に作製でき、個別に組み立てる必要がなく小型かつ安価で個体差の少ないデバイスを作製することができるメリットがある。そのため、近年、多数の位置決め用のマイクロアクチュエータやマイクロシステムが研究されている(M.Steven Rodgers,et.al,“Intricate Mechanisms−on−a−chip Enabled by 5−Level Surface Micro Machining” Digest of Transducers ’99, Sendai, Japan, Jun 1999, pp.990−993)。
しかしながら、従来のマイクロアクチュエータでは、発生する力が小さかったり、可動距離が短いといった重要な問題に直面しており、応用範囲に制限があった。例えば、圧電素子を用いたインパクト駆動機構(樋口俊郎、渡辺正浩、工藤謙一、“圧電素子の急速変形を利用した超精密位置決め機構”精密工学会誌、54−11,2107(1998))では、摩擦力と圧電素子を利用してナノメートル領域の微小変位と原理的に無制限の可動距離を兼ね備えているが、個別に組み立てが必要であり、小型化に限界があった。
また、従来のマイクロアクチュエータは、塵埃の侵入防止、空気中の水分の侵入防止等の信頼性対策が乏しく、環境信頼性に劣るものであった。
そこで、本発明は、個別に組み立てる必要がなく、極めて小型にできるマイクロアクチュエータ、とくに静電駆動される可動マスを駆動源に持つ環境信頼性の高い自走型インパクトアクチュエータを提供することを第1の目的とする。
さらに本発明は、バルクマイクロマシニングを利用して上記アクチュエータを製造する方法を提供することを第2の目的とする。
発明の開示
上記第1の目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の静電インパクト機構を用いたマイクロアクチュエータは、外枠と台座部と蓋部とからなる密閉容器を有し、弾性支持梁と、弾性支持梁の一端を固定し且つ台座部に固定された固定部と、弾性支持梁の他端に固定した可動マスと、台座部に固定し且つ可動マスと間隔をおいて配設する駆動電極及びストッパーと、密閉容器の内部又は外部に配置され、可動マスと駆動電極との間に電圧を印加する電源回路とを含み、電源回路をONにして、駆動電極と可動マスとの間に静電引力を発生させて可動マスをストッパーに衝突させ、その時の運動エネルギーを密閉容器に伝え、その後の電源回路のOFFにより静電引力を消滅させて可動マスを弾性支持梁の弾力により元の位置に戻し、その時発生する反作用力を密閉容器に伝え、部材全体を所定方向に運動せしめるようにしたことを特徴とする。
この構成でなる静電インパクト機構を用いたマイクロアクチュエータは、集積回路作製技術により作製し得る構造であるので、構成要素を同一デバイスに集積化でき、個別に組み立てる必要がなく、極めて小型に形成することができる。
請求項2に記載の静電インパクト機構を用いたマイクロアクチュエータは、弾性支持梁が、4枚の弾性薄板と、この4枚の弾性薄板のそれぞれの一端を固定してこれらの弾性薄板を平行に支持する弾性薄板とからなり、平行に支持された4枚の弾性薄板のうちの外側の2枚の弾性薄板の他端は前記可動マスに固定され、内側の2枚の弾性薄板の他端は固定部の固定端に固定され、該構成の弾性支持梁と固定部とを一対有し、外枠は弾性支持梁を介して可動マスに電気的に接続され、外枠と駆動電極との間に電圧を印加することによって、可動マスと駆動電極との間に電圧が印加されることを特徴とする。
この構成によれば、電圧を印加する駆動電極を選択することにより、前または後に運動する。
請求項3に記載の静電インパクト機構を用いたマイクロアクチュエータは、弾性支持梁がT字形に形成され、また、外枠内の四隅にはそれぞれ前記固定部が設けられており、T字形弾性支持梁のT字形の水平な線分の二つの端がそれぞれ二つの固定部に固定され、T字形の垂直な線分の下方の端が可動マス固定されこの構成の弾性支持梁と固定部とを一対有しさらに、駆動電極及びストッパーを可動マスの前後及び左右に配設しことを特徴とする。
この構成によれば、平面内の2座標軸方向の駆動が可能になり、任意の方向に駆動できる。
請求項4に記載の静電インパクト機構を用いたマイクロアクチュエータは、可動マスが扇形であり、扇形可動マスを弾性支持梁の他端で固定し、弾性支持梁の一端を固定部に固定し、可動マスが台座部面に沿って固定部の周りに揺動可能に固定部を配設し、扇形の駆動電極とストッパーを配設し、駆動電極と可動マスとの間に電圧を印加することを特徴とする。
この構成は、回転駆動型であり、モータ等に利用できる。
請求項5に記載の静電インパクト機構を用いたマイクロアクチュエータは、可動マスを斜めの弾性支持梁で吊り下げ支持し、駆動電極を可動マスの下方に配設し、ストッパーを可動マスの前後に配設し、外枠は該弾性支持梁を介して可動マスに電気的に接続され、外枠と駆動電極との間に電圧を印加することによって、可動マスと駆動電極との間に電圧が印加されることを特徴とする。
この構成によれば、重力による位置エネルギーも利用するから、駆動力が大きい。
請求項6に記載の静電インパクト機構を用いたマイクロアクチュエータは、弾性支持梁が、4枚の弾性薄板と、この4枚の弾性薄板のそれぞれの一端を固定してこれらの弾性薄板を平行に支持する弾性薄板とからなり、平行に支持された4枚の弾性薄板のうちの外側の2枚の弾性薄板の他端は固定部の固定端に固定され、内側の2枚の弾性薄板の他端は可動マスに固定され、該構成の弾性支持梁と固定部とを一対有し、外枠は該弾性支持梁を介して可動マスに電気的に接続され、外枠と駆動電極との間に電圧を印加することによって、可動マスと駆動電極との間に電圧が印加されることを特徴とする。
請求項7に記載の静電インパクト機構を用いたマイクロアクチュエータは二つの固定部が外枠と一体物であることを特徴とする。
この構成によれば、二つの固定部で弾性支持梁を固定するので、弾性支持梁が強固に外枠に固定され、信頼性が向上する。さらに、固定部がストッパーを兼ねており、固定部は外枠と一体物であるので、可動マスがストッパー(固定部)に衝突した際に可動マスからストッパー(固定部)に移動する電荷が、外枠を介して電源に吸収されることから、ストッパーに電荷が蓄積されることが無くなり、従って動作が安定する。
請求項8に記載の静電インパクト機構を用いたマイクロアクチュエータは、可動マスが一対の弾性支持梁に固定され、これらの弾性支持梁が一対の固定部にそれぞれ固定されることを特徴とする。
この構成によれば、可動マスがバランスよく支持されるから、可動マスが安定に、かつ、スムーズに揺動する。
請求項9に記載の静電インパクト機構を用いたマイクロアクチュエータは、個々の駆動電極が2分割され、この分割したそれぞれの駆動電極を独立に駆動することを特徴とする。
この構成によれば、所望の駆動電極のみに電圧を印加することによって、弾性支持梁のねじれ効果が生じ、進行方向を所望の方向に変えることができる。
請求項10に記載の静電インパクト機構を用いたマイクロアクチュエータは、外枠がSi単結晶から構成され、台座部又は蓋部の部材は、マイクロアクチュエータの自走する台と該台座部又は蓋部との間の静止摩擦力が、静電引力により可動マスが加速される際の反作用力を越える所定の摩擦係数を有する部材で構成されることを特徴とする
請求項11に記載の静電インパクト機構を用いたマイクロアクチュエータは、所定の摩擦係数を有する部材がパイレックスガラス(登録商標)であることを特徴とする。
請求項12に記載の静電インパクト機構を用いたマイクロアクチュエータは、外枠、弾性支持梁、可動マス、駆動電極及びストッパーがSi単結晶基板から一体物で形成されることを特徴とする。
請求項13に記載のリニア駆動ステージは、固定台と、固定台上に摺動可能に載置された移動台と、移動台上に固着された、請求項第1〜3、5〜12項のいずれかに記載の静電インパクト機構を用いたマイクロアクチュエータとからなることを特徴とする。
請求項14に記載のリニアXY駆動ステージは、固定台と、固定台上に摺動可能に載置された第1移動台と、第1移動台上にその移動方向と直交する方向に摺動可能に載置された第2移動台と、第2移動台上に固着された、請求項第1〜3、5〜12項の何れかに記載の静電インパクト機構を用いたマイクロアクチュエータとからなる。
請求項15に記載の駆動装置は、請求項第1〜3、5〜12項のいずれかに記載の静電インパクト機構を用いたマイクロアクチュエータを複数個移動体に組み込んでなることを特徴とする。
本発明の第2の目的を達成するために、請求項16に記載のマイクロアクチュエータの製造方法は、請求項1に記載したマイクロアクチュエータを製造する方法であって、外枠、弾性支持梁、可動マス、駆動電極及びストッパーをSi単結晶基板から一体物で形成する工程と、マイクロアクチュエータの自走する台と台座部及び蓋部との間の静止摩擦力が、静電引力により可動マスが加速される際の反作用力を越える所定の摩擦係数を有する部材からなる台座部及び蓋部を取り付ける工程とからなり、上記工程は、
(a)Si基板の表面に前駆動電極を形成する工程と、
(b)弾性支持梁及び前記可動マスを空中に浮いた状態にするためSi基板の裏面をエッチングする工程と、
(c)Si基板裏面に所定の摩擦係数を有する台座部を取り付ける工程と、
(d)外枠、弾性支持梁、可動マス、駆動電極の形成部及びストッパーを一体物に形成するためSi基板の表面からエッチングする工程と、
(e)弾性支持梁及び前記可動マスを空中に浮いた状態にするためSi基板の表面をエッチングする工程と、
(f)Si基板表面に前記所定の摩擦係数を有する蓋部を取り付ける工程と、を含むことを特徴とする。
請求項17に記載のマイクロアクチュエータの製造方法は、(b)のエッチング工程、(d)のエッチング工程及び(e)のエッチング工程を、誘導性結合プラズマ反応性イオンエッチングで行うことを特徴とする。
請求項18に記載のマイクロアクチュエータの製造方法は、(c)のSi基板裏面に所定の摩擦係数を有する部材を取り付ける工程及び(f)のSi基板表面に所定の摩擦係数を有する部材を取り付ける工程が、パイレックスガラス(登録商標)を部材とした陽極接合によることを特徴とする。
図面の簡単な説明
本発明は、以下の詳細な説明及び本発明の実施例を示す添付図面に基づいて、より良く理解されるものとなろう。なお、添付図面に示す種々の実施例は本発明を特定又は限定することを意図するものではなく、単に本発明の説明及び理解を容易とするためのものである。
図1は本発明の第1実施例である静電インパクト機構を用いたマイクロアクチュエータの構成を示す平面図である。
図2は図1のA−A線に沿う断面図である。
図3は本発明の第1実施例である、静電インパクト機構を用いたマイクロアクチュエータの作動原理を説明するための構成模式図である。
図4は図3において電源回路をONにした状態を示す図である。
図5は図3において可動マスがストッパーに衝突にした状態を示す図である。
図6は図3において電源回路をOFFにした状態を示す図である。
図7は本発明のマイクロアクチュエータの製造方法(前半)を示す図である。
図8は本発明のマイクロアクチュエータの製造方法(後半)を示す図である。
図9は本発明の第2の実施例を示す図である。
図10は本発明の第2の実施例に用いる静電インパクト機構を用いたマイクロアクチュエータの構成を示す平面図である。
図11は図10のA−A線に沿う断面図である。
図12は本発明の第3の実施例を示す図である。
図13は本発明の第3の実施例に用いる静電インパクト機構を用いたマイクロアクチュエータの構成を示す平面図である。
図14は図13のA−A線に沿う断面図である。
図15は第2及び第3の実施例に用いる溝及び突条の変形例を示す断面図である。
図16は第2及び第3の実施例の応用例を示す斜視図である。
図17は本発明の第4の実施例である静電インパクト機構を用いたマイクロアクチュエータの構成を示す平面図である。
図18は本発明の第5の実施例である静電インパクト機構を用いたマイクロアクチュエータの構成を示す平面図である。
図19は本発明の第5の実施例である静電インパクト機構を用いたマイクロアクチュエータの作動原理を示す図である。
図20は本発明の第6の実施例である静電インパクト機構を用いたマイクロアクチュエータの構成を示す平面図である。
図21は図20のA−A線に沿う断面図である。
図22は本発明の第7の実施例である静電インパクト機構を用いたマイクロアクチュエータの構成を示す平面図である。
図23は本発明の第1実施例である静電インパクト機構を用いたマイクロアクチュエータの電子顕微鏡写真である。
発明を実施するための最良の形態
次に、本発明のマイクロアクチュエータ及びその製造方法における第1の実施の形態を図面を用いて詳細に説明する。
図1は本発明の第1実施例である、静電インパクト機構を用いた一次元駆動型マイクロアクチュエータの平面図であり、図2は図1のA−A線に沿う断面図である。なお、図1は、マイクロアクチュエータの内部の構成を示しており、蓋部は図示していないが、図2に示すように蓋部16は外枠6の上面を覆って外枠6に固定されている。
この静電インパクト機構を用いたマイクロアクチュエータMは、一対の固定部1に一対の弾性支持梁2によって支えられた可動マス3と、可動マス3の前後に間隔をおいて配置された一対の駆動電極4と、各駆動電極4の両側に配設された各一対のストッパー5と、固定部1,駆動電極4、ストッパー5及び上記部材を密封する密封容器とから構成されている。
密封容器はSi単結晶基板から形成した外枠6の上下面に台座部14と蓋部16とを固定して構成されている。
また、各々の弾性支持梁2は、4枚の弾性薄板2a,2b,2c,2dと、これらの弾性薄板の一端を固定してこれらの弾性薄板を平行に支持する弾性薄板2eとからなり、外側の弾性薄板2a,2dの他端が可動マス3に固定され、内側の弾性薄板2b,2cの他端が固定部1の固定端1a,1’aでそれぞれ固定されている。
なお、弾性支持梁2の弾性は弱くて良い。さらに、可動マス3と一方の駆動電極4との間に、電源7とスイッチ8からなる電源回路9が接続されている。この電源回路9は、密閉容器の外部又は内部に配置することができる。また、可動マス3と他方の駆動電極4との間にも、電源7’とスイッチ8’からなる電源回路9’が接続されている。そして、アクチュエータM全体が台10上に載せられて、台10上を自走する。
ここで、密閉容器の台座部14と蓋部16は、好ましくは、パイレックスガラス(登録商標)で形成することができる。
次に、第1の実施例の静電インパクト機構を用いたマイクロアクチュエータの作動原理を説明する。
図3から図6は、本発明のマイクロアクチュエータMの作動原理を説明するための概念図である。なお、説明し易くするために、上記第1実施例の他方の駆動電極4,ストッパー5及び電源回路9’の図示を省略し、弾性支持梁2をばねで略示してある。また、電源回路9の一端は、外枠6及び弾性支持梁(ばね)2を介して可動マス3に接続されている。
まず、図4に示したように、外枠6の外部に配置した電源回路9のスイッチ8をONにして駆動電極4と可動マス3との間に電源7からの電圧を印加する。すると、可動マス3と駆動電極4との間に生じた静電引力で可動マス3が駆動電極4の方へ移動し始めゆっくりと加速される。なお、この時発生する加速方向と反対向きの反作用力、すなわち、アクチュエータMが台10から受ける反作用力がアクチュエータMと台10との間の静止摩擦力を越えないようにしてある。
すると、可動マス3はストッパー5に衝突するまで加速され、図5に示したように、衝突と同時に可動マス3の運動エネルギーがアクチュエータM全体に伝えられ、アクチュエータMが台10との静止摩擦力を越えると同時に動く。そして、アクチュエータMは、ここで得た運動エネルギーがアクチュエータMと台10との間の動摩擦力によって失われるまで移動して停止する。
次に、図6に示したように、電源回路9のスイッチ8をOFFにして印加電圧をゼロにすると、弾性支持枠2の力により可動マス3が最初の位置に戻る。この可動マス3が戻る時に発生する反作用力、すなわち、アクチュエータMが台10から受ける反作用力の方向は、アクチュエータMの進行方向であるので、アクチュエータMの進行方向の運動に寄与する。以上のサイクルを繰り返すことにより、このアクチュエータMは台10上を一方向に自走する。なお、図3から図6で省略されている電源回路9’により他方の駆動電極4と可動マス3との間で電圧印加のON−OFFを繰り返せば、アクチュエータMが台10上を逆方向に自走することはいうまでもない。なお、電源回路9,9’は密閉容器の内部に配置するようにしてもよい。
また、上記実施例において、台座部14又は蓋部16に静電気や磁気で吸い付ける機構を付加すれば、垂直な壁や天井を移動することも可能になる。さらに、アクチュエータMと台10との間に発生する摩擦は、アクチュエータMの自重によるものではなく、バイアスばねの荷重によるものでも良い。
次に、本発明のアクチュエータの製造方法について、第1の実施例の静電インパクト機構を用いたマイクロアクチュエータの製造方法を例にとって説明する。なお、この例は、図1に示したマイクロアクチュエータの構成と較べるとストッパーが無い構成であるが、作製プロセスとしては同等である。
図7は本発明の第1の実施例における作製プロセスの前半を示し、図8はその後半を示している。なお、図7の左側の各図は図1のA−A線に沿う断面に相当し、右側の各図は図1のB−B線に沿う断面に相当している。この作製されるアクチュエータは、可動マス3の質量をより大きくするために、Si(シリコン)基板をマイクロマシンニングすることにより裏面までエッチングして可動マス3と固定部1を形成し、固定部1及び駆動電極4を台座部14となるパイレックスガラス(登録商標)と接合した構造になっている。
最初に、図7の(a)に示したように、厚さ225μmの導電性の高いSi基板11の表面にAl(アルミニウム)層12を堆積し、図示しない第1フォトマスクを用いてAl層12を電極形成のためのパターンニングを行う。次に、図7(b)に示したように、基板11の裏面にレジスト層13を塗布し、図示しない第2フォトマスクを用いてレジスト層13を可動マスが空中に浮いた状態にするためのパターンニングを行う。そして、可動マスを空中に浮いた状態にするために図7(c)に示したように、このレジスト層13をマスクにして1回目のICP−RIE(誘導性結合プラズマ−反応性イオンエッチング)を裏側から行う。このとき、外枠6となるSi基板11の部分にはレジストが残してあるのでエッチングされない。
そして、図7(d)に示すようにレジスト層13を除去した後に、図7(e)に示すように、陽極接合によって台座部14となるパイレックスガラスを(登録商標)Si基板11に接合し、基板11とAl層12の表面にレジスト層15を塗布して外枠となるSi基板11、弾性支持梁2、可動マス3を一体物として形成するためのパターンニングを行う。
次に、図8(a)に示すように、このパターンニングされたレジスト層12をマスクにして2回目のICP−RIEを表側から行う。続いて、図8(b)に示すようにこのパターンニングされたレジスト層15を除去し、図8(c)に示したように3回目のICP−RIEを表側から行い掘り下げて、弾性支持梁2、可動マス3が蓋部16に接触しないようにする、すなわち、空中に浮いた状態にする。このとき、Si基板11及び固定部1上にはAlが残してあるのでこれらの部分はエッチングされない。最後に、図8(d)に示すように、陽極接合または接着剤により蓋部16となるパイレックスガラス(登録商標)をAl層12に接合する。このようにして、静電インパクト機構を用いたマイクロアクチュエータが完成する。上記の陽極接合とは、パイレックスガラス(登録商標)とSiを接触させ、パイレックスガラス(登録商標)とSi基板の間に高電界を印加して接合する方法である。
なお、通常は複数個のマイクロアクチュエータを同時に作製し、ダイシングソーによりチップにカットして一つのマイクロアクチュエータにする。
この製造方法によれば、高度に発達したSi集積回路作製技術を用いているので、可動マス,弾性支持梁及び駆動電極などの構成要素を精密に一体化して大量に一括作製することができ、従って安価でアクチュエータを作製し得て、しかもアクチュエータ間の差が小さくて信頼性が高い。
また、この製造方法によれば、個別に組み立てる必要も、個別に調整する必要もなく、極めて小型にできる。
さらに、この製造方法によれば、マイクロアクチュエータの上下面がパイレックスガラス(登録商標)で、左右面がSi結晶で密閉された構造となるので塵埃や水分の侵入がなく、環境信頼性が高くまた寿命が長い。
この方法を用いて作製したマイクロアクチュエータは、弾性支持梁2の長さが500μm,600μmの時、可動マス3がストッパーに衝突するのに要する駆動電圧はそれぞれ70V,20Vであり、共振周波数はそれぞれ368Hz,100Hzという結果を得た。この測定に用いたマイクロアクチュエーターの電子顕微鏡写真を図22(a)及び(b)に示す。
次に、第2の実施例について説明する。
図9は本発明の第2の実施例を示す分解斜視図であり、下面に異方性エッチングによるV字型溝17aが形成された移動台17を、上面に異方性エッチングによるV字型突条18aが形成された固定台18上に、V字型溝17aとV字型突条18aが摺動可能に符合するように載置してリニア駆動ステージ19を構成し、移動台17の上面に一次元駆動型インパクトマイクロアクチュエータMを固着してある。このアクチュエータMにより移動台17は固定台18上を矢印方向に動く。なお、このアクチュエータMの基本構造は、図10及びそのA−A線断面図である図11に示すように上記第1の実施例と同じであるので、その詳細な説明は省略する。ただし、蓋部16に配線用貫通孔20を設けて、駆動電極4,可動マス3の固定部1及び外枠6などに電圧を加えたり接地したりすることができるようにしてある。
次に、第3の実施例について説明する。
図12は本発明の第3の実施例を示す分解斜視図であり、下面に異方性エッチングによるV字型溝21aが形成されたX方向移動台21と、上面に異方性エッチングによるV字型突条22aが形成され且つ下面にV字型突条22aと直角な方向の異方性エッチングによるV字型溝22bが形成されたY方向移動台22と、上面に異方性エッチングによるV字型突条23aが形成された固定台23とを、溝21aとV字型突条22a、V字型溝22bとV字型突条23aがそれぞれ摺動可能に符合するように組み合わせてリニアXY駆動ステージ24を構成し、X方向移動台21の上面に二次元駆動型インパクトマイクロアクチュエータM1を固着している。アクチュエータM1により、X方向移動台21はY方向移動台22上を矢印X方向に動き、Y方向移動台22は固定台23上を矢印Y方向に動く。
このアクチュエータM1の基本構成は、図13及びそのA−A線断面図である図14に示されている。マイクロアクチュエータM1は、四隅の固定部1に一対のT字形弾性支持梁2によって支えられた可動マス3と、可動マス3の前後及び左右に間隔をおいて配置された二対の駆動電極4と、各駆動電極4の両側に配設された各一対のストッパー5,固定部1,駆動電極4及びストッパー5を支え且つ上記部材の外側を囲んでいるSi基板で形成した外枠6の側壁と、によって構成されている。また、各駆動電極4と可動マス3との間にそれぞれ電源回路が接続されていて、それらのスイッチをON−OFFすることによりアクチュエータM1をXY方向に動かす運動エネルギーが発生する。また、例えば、前後一方の駆動電極4と可動マス3との間及び左右一方の駆動電極4と可動マス3との間に同時に電圧の印加及び消去を行えば、アクチュエータM1を斜め方向に動かす運動エネルギーが発生する。すなわち、アクチュエータM1は、単一デバイスで二次元面内で任意の方向に駆動することが可能である。ただし、蓋部16または台座部14に配線用貫通孔20を設けて、駆動電極4,可動マス3の固定部1及び外枠6の側壁などに電圧を加えたり接地したりできるようにしている。
なお、上記第2及び第3実施例における移動台17,21に設ける溝と固定台18(22)に設ける突部は、図15に示したようにアリ溝17c(21c)とアリ18c(22c)でも良い。
また、図16に示したように、移動体25内に複数のアクチュエータMまたはM1を固定して、より大型の駆動装置を構成しても良い。また、上記複数の一次元駆動アクチュエータMの駆動方向を3次元に設定して移動体25内に組み込めば、3次元の駆動が可能になる。また、上記一次元アクチュエータMと二次元アクチュエータM1とを組み合わせて移動体25に組み込むことによっても、3次元の駆動が可能になる。さらに、ステージの変位を検出するために、変位センサを集積化する、例えば摺動する面に静電容量式のセンサを作りこんだり、あるいは光エンコーダ用の刻みを入れても良い。
次に、第4の実施例を説明する。
図17は本発明の第4の実施例である、回転駆動型の静電インパクト機構を用いたマイクロアクチュエータの構成を示す平面図である。
この静電インパクト機構を用いたマイクロアクチュエータM2は、中心に位置する固定部1に弾性支持梁2によってそれぞれ支えられた一対の扇形の可動マス3と、可動マス3の円周方向前後に間隔をおいて配置された一対の駆動電極4と、各駆動電極4と可動マス3との間に配設された各ストッパー5と、固定部1,駆動電極4及びストッパー5を支え且つ上記部材の外側を囲んでいる外枠6とによって構成されている。なお、弾性支持梁2の弾性は弱くて良い。さらに、各可動マス3と駆動電極4との間にそれぞれ図示しない電源回路が接続されている。また、アクチュエータM2全体が図示しない台に枢支されている。そして、各電源回路のスイッチをON−OFFすることにより可動マス3が時計方向または反時計方向に回動してストッパー5に衝突し、アクチュエータM2を回転方向に動かす運動エネルギーが発生する。
次に、本発明の第5の実施例を説明する。
図18は本発明の第5実施例である、鐘突き駆動型の静電インパクト機構を用いたマイクロアクチュエータの構成を示す図である。
この静電インパクト機構を用いたマイクロアクチュエータM3は、外枠6と、外枠6に通常斜めの平行ばねからなる弾性支持梁2によって吊り下げ支えられた可動マス3と、可動マス3の下方に間隔をおいて配置された駆動電極4と、可動マス3の前方に間隔をおいて配設されたストッパー5とから構成され、弾性支持梁2,可動マス3,駆動電極4及びストッパー5は外枠6内に収納されている。なお、弾性支持梁2の弾性は弱くて良いが、斜めの状態で可動マス3を支持する強さを持っている。さらに、外枠6及び弾性支持梁2を介して可動マス3と駆動電極4との間に、電源7とスイッチ8からなる電源回路9が接続されている。また、アクチュエータM3全体が台10に載せられている。そして、図19に示したように、電源回路9のスイッチ8をON−OFFすることにより可動マス3が駆動電極4に引き寄せられ、その引力の水平方向の分力によりストッパー5に向かって運動し、ストッパー5に衝突して、アクチュエータM3を台10上を水平方向に動かす運動エネルギーが発生する。
次に、本発明の第6の実施例を説明する。
図20は第6の実施例である、固定部がストッパーを兼ねる、静電インパクト機構を用いた一次元駆動型マイクロアクチュエータの平面図であり、図21は図20のA−A線に沿う断面図である。
この静電インパクト機構を用いたマイクロアクチュエータM4は、一対の弾性支持梁2を有し、各々の弾性支持梁2は、4枚の弾性薄板2a,2b,2c,2dと、これらの弾性薄板の一端を固定してこれらの弾性薄板を平行に支持する弾性薄板2eとからなり、これらの弾性薄板の外側の弾性薄板2a,2dの他端が2つの固定部1,1’の固定端1a,1’aでそれぞれ固定され、内側の弾性薄板2b,2cの他端が可動マス3に固定されている。固定部1,1’は、外枠6と一体物であり、固定部1,1’の腕部1b,1’bが可動マス3の一辺と平行に延伸し外枠6と接続した形状を有している。他の構成は第1の実施例と同様である。
この構成によれば、弾性支持梁2が2個の固定部1,1’で支持されるから機械的強度が増し、信頼性が向上する。また、固定部1,1’がストッパーを兼ねている。可動マス固定部(ストッパー)に衝突した際に、可動マス3の電荷が固定部1,1’に移動し、この電荷が外枠6を介して電源に吸収されるから、ストッパーに電荷が蓄積されることが無くなり、動作が安定する。
次に、本発明の第7の実施例を説明する。
図22は第7の実施例である、駆動電極4が分割された静電インパクト機構を用いた一次元駆動型マイクロアクチュエータの平面図である。
この静電インパクト機構を用いたマイクロアクチュエータM5は、独立な4個の電源部9a,9b,9c,9dを有し、それぞれ独立に4個の駆動電極4a,4b,4c,4dを駆動できるようになっており、他の構成は他の実施例と同様である。
この構成によれば、任意の一個の電極を駆動することにより、弾性支持梁のねじれ効果によって進行方向を所望の方向に変えることができる。
なお本発明は例示的な実施例について説明したものであり、本発明の要旨及び範囲を逸脱することなく、実施例での種々の変更、省略、追加が可能である。従って本発明は実施例に限定されるものでなく、特許請求項に記載された要素によって規定される範囲及びその均等範囲を包含するものとして理解されなければならない。
産業上の利用可能性
以上のように、本発明のマイクロアクチュエータによれば、極めて小型のマイクロアクチュエータを提供できる。特に、静電駆動される可動マスを駆動源に持つ環境信頼性の高い自走型インパクトアクチュエータを提供することができる。 また、本発明の製造方法によれば、バルクマイクロマシニングを利用して製造するので、極めて精度良く、かつ、個別に組み立てる必要がないので極めて低コストで提供することができる。
【図面の簡単な説明】
本発明は、以下の詳細な説明及び本発明の実施例を示す添付図面に基づいて、より良く理解されるものとなろう。なお、添付図面に示す種々の実施例は本発明を特定又は限定することを意図するものではなく、単に本発明の説明及び理解を容易とするためのものである。
図中、
図1は本発明の第1実施例である静電インパクト機構を用いたマイクロアクチュエータの構成を示す平面図である。
図2は図1のA−A線に沿う断面図である。
図3は本発明の第1実施例である、静電インパクト機構を用いたマイクロアクチュエータの作動原理を説明するための構成模式図である。
図4は図3において電源回路をONにした状態を示す図である。
図5は図3において可動マスがストッパーに衝突にした状態を示す図である。
図6は図3において電源回路をOFFにした状態を示す図である。
図7は本発明のマイクロアクチュエータの製造方法(前半)を示す図である。
図8は本発明のマイクロアクチュエータの製造方法(後半)を示す図である。
図9は本発明の第2の実施例を示す図である。
図10は本発明の第2の実施例に用いる静電インパクト機構を用いたマイクロアクチュエータの構成を示す平面図である。
図11は図10のA−A線に沿う断面図である。
図12は本発明の第3の実施例を示す図である。
図13は本発明の第3の実施例に用いる静電インパクト機構を用いたマイクロアクチュエータの構成を示す平面図である。
図14は図13のA−A線に沿う断面図である。
図15は第2及び第3の実施例に用いる溝及び突条の変形例を示す断面図である。
図16は第2及び第3の実施例の応用例を示す斜視図である。
図17は本発明の第4の実施例である静電インパクト機構を用いたマイクロアクチュエータの構成を示す平面図である。
図18は本発明の第5の実施例である静電インパクト機構を用いたマイクロアクチュエータの構成を示す平面図である。
図19は本発明の第5の実施例である静電インパクト機構を用いたマイクロアクチュエータの作動原理を示す図である。
図20は本発明の第6の実施例である静電インパクト機構を用いたマイクロアクチュエータの構成を示す平面図である。
図21は図20のA−A線に沿う断面図である。
図22は本発明の第7の実施例である静電インパクト機構を用いたマイクロアクチュエータの構成を示す平面図である。
図23は本発明の第1実施例である静電インパクト機構を用いたマイクロアクチュエータの電子顕微鏡写真である。

Claims (18)

  1. 外枠と台座部と蓋部とからなる密閉容器を有し、この密閉容器中に、弾性支持梁と、この弾性支持梁の一端を固定し且つ前記台座部に固定された固定部と、前記弾性支持梁の他端に固定した可動マスと、前記台座部に固定し且つ前記可動マスと間隔をおいて配設する駆動電極及びストッパーとを有し、前記密閉容器の内部又は外部に配置され前記可動マスと前記駆動電極との間に電圧を印加する電源回路とを有し、
    前記電源回路をONにして、前記駆動電極と前記可動マスとの間に静電引力を発生させて可動マスを前記ストッパーに衝突させ、その時の運動エネルギーを前記密閉容器に伝え、その後の前記電源回路のOFFにより該静電引力を消滅させて可動マスを前記弾性支持梁の弾力により元の位置に戻し、その時発生する反作用力を前記密閉容器に伝え、前記部材全体を所定方向に運動せしめるようにした、静電インパクト機構を用いたマイクロアクチュエータ。
  2. 前記弾性支持梁は、4枚の弾性薄板と、この4枚の弾性薄板のそれぞれの一端を固定してこれらの弾性薄板を平行に支持する弾性薄板とからなり、平行に支持された4枚の弾性薄板のうちの外側の2枚の弾性薄板の他端は前記可動マスに固定され、内側の2枚の弾性薄板の他端は前記固定部の固定端に固定され、該構成の弾性支持梁と固定部とを一対有し、
    前記外枠は該弾性支持梁を介して可動マスに電気的に接続され、該外枠と前記駆動電極との間に電圧を印加することによって、前記可動マスと駆動電極との間に電圧が印加されることを特徴とする、請求項1に記載の静電インパクト機構を用いたマイクロアクチュエータ。
  3. 前記弾性支持梁はT字形に形成され、また、外枠内の四隅にはそれぞれ前記固定部が設けられており、該弾性支持梁のT字形の水平な線分の二つの端がそれぞれ二つの固定部に固定され、また垂直な線分の下方の端が前記可動マスに固定され、該構成のT字形弾性支持梁と固定部とを一対有し、さらに、前記駆動電極及び前記ストッパーを可動マスの前後及び左右に配設したことを特徴とする、請求項1に記載の静電インパクト機構を用いたマイクロアクチュエータ。
  4. 前記可動マスが扇形であり、この扇形可動マスを前記弾性支持梁の前記他端で固定し、この弾性支持梁の前記一端を前記固定部に固定し、前記可動マスが前記台座部面に沿って前記固定部の周りに揺動可能に前記固定部を配設し、扇形の前記駆動電極と前記ストッパーを配設しことを特徴とする、請求項1に記載の静電インパクト機構を用いたマイクロアクチュエータ。
  5. 斜めに支持する前記弾性支持梁で前記可動マスを吊り下げ支持し、前記駆動電極を可動マスの下方に配設し、前記ストッパーを可動マスの前後に配設し、前記外枠は該弾性支持梁を介して可動マスに電気的に接続され、該外枠と前記駆動電極との間に電圧を印加することによって、可動マスと駆動電極との間に電圧が印加されることを特徴とする、請求項1に記載の静電インパクト機構を用いたマイクロアクチュエータ。
  6. 前記弾性支持梁は、4枚の弾性薄板と、この4枚の弾性薄板のそれぞれの一端を固定してこれらの弾性薄板を平行に支持する弾性薄板とからなり、平行に支持された4枚の弾性薄板のうちの外側の2枚の弾性薄板の他端は前記固定部の固定端に固定され、内側の2枚の弾性薄板の他端は前記可動マスに固定され、該構成の弾性支持梁と固定部とを一対有し、
    前記外枠は該弾性支持梁を介して可動マスに電気的に接続され、該外枠と前記駆動電極との間に電圧を印加することによって、可動マスと駆動電極との間に電圧が印加されることを特徴とする、請求項1に記載の静電インパクト機構を用いたマイクロアクチュエータ。
  7. 前記二つの固定部は前記外枠と一体物であることを特徴とする、請求項6に記載の静電インパクト機構を用いたマイクロアクチュエータ。
  8. 前記可動マスが、一対の前記弾性支持梁に固定され、これらの弾性支持梁が一対の前記固定部にそれぞれ固定されることを特徴とする、請求項1〜7の何れかに記載の静電インパクト機構を用いたマイクロアクチュエータ。
  9. 前記駆動電極が2分割され、この分割したそれぞれの駆動電極を独立に駆動することを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の静電インパクト機構を用いたマイクロアクチュエータ。
  10. 前記外枠がSi単結晶から構成され、前記台座部又は蓋部の部材は、前記マイクロアクチュエータの自走する台と該台座部又は蓋部との間の静止摩擦力が、前記静電引力により可動マスが加速される際の反作用力を越える所定の摩擦係数を有する部材で構成されることを特徴とする、請求項1〜9の何れかに記載の静電インパクト機構を用いたマイクロアクチュエータ。
  11. 前記所定の摩擦係数を有する部材がパイレックスガラス(登録商標)であることを特徴とする、請求項10に記載の静電インパクト機構を用いたマイクロアクチュエータ。
  12. 前記外枠、弾性支持梁、可動マス、駆動電極及びストッパーがSi単結晶基板から一体物で形成されことを特徴とする、請求項1〜11の何れかに記載の静電インパクト機構を用いたマイクロアクチュエータ。
  13. 固定台と、該固定台上に摺動可能に載置された移動台と、該移動台上に固着された請求項1〜3、5〜12の何れかに記載の静電インパクト機構を用いたマイクロアクチュエータとからなる、リニア駆動ステージ。
  14. 固定台と、該固定台上に摺動可能に載置された第1移動台と、該第1移動台上にその移動方向と直交する方向に摺動可能に載置された第2移動台と、該第2移動台上に固着された請求項3に記載の静電インパクト機構を用いたマイクロアクチュエータとからなる、リニアXY駆動ステージ。
  15. 請求項1〜3、5〜12のいずれかに記載の静電インパクト機構を用いたマイクロアクチュエータを複数個移動体に組み込んでなる駆動装置。
  16. 外枠と台座部と蓋部とからなる密閉容器を有し、この密閉容器中に、弾性支持梁と、この弾性支持梁の一端を固定し且つ前記台座部に固定された固定部と、前記弾性支持梁の他端に固定した可動マスと、前記台座部に固定し且つ前記可動マスと間隔をおいて配設する駆動電極及びストッパーとを有し、前記密閉容器の内部又は外部に配置され、前記可動マスと前記駆動電極との間に電圧を印加する電源回路とを有し、前記電源回路をONにして、前記駆動電極と前記可動マスとの間に静電引力を発生させて可動マスを前記ストッパーに衝突させ、その時の運動エネルギーを前記密閉容器に伝え、その後の前記電源回路のOFFにより該静電引力を消滅させて可動マスを前記弾性支持梁の弾力により元の位置に戻し、その時発生する反作用力を前記密閉容器に伝え、前記部材全体を所定方向に運動せしめるようにした、静電インパクト機構を用いたマイクロアクチュエータの製造方法であって、
    前記外枠、弾性支持梁、可動マス、駆動電極及びストッパーをSi単結晶基板から一体物で形成する工程と、マイクロアクチュエータの自走する台と台座部及び蓋部との間の静止摩擦力が、静電引力により可動マスが加速される際の反作用力を越える所定の摩擦係数を有する部材からなる台座部及び蓋部を取り付ける工程とからなり、上記工程は、
    (a)前記Si基板の表面に前駆動電極を形成する工程と、
    (b)前記弾性支持梁及び前記可動マスを空中に浮いた状態にするため前記Si基板の裏面をエッチングする工程と、
    (c)前記Si基板裏面に前記所定の摩擦係数を有する台座部を取り付ける工程と、
    (d)前記外枠、弾性支持梁、可動マス、駆動電極の形成部及びストッパーを一体物に形成するため前記Si基板の表面からエッチングする工程と、
    (e)前記弾性支持梁及び前記可動マスを空中に浮いた状態にするため前記Si基板の表面をエッチングする工程と、
    (f)前記Si基板表面に前記所定の摩擦係数を有する蓋部を取り付ける工程と、を含むことを特徴とするマイクロアクチュエータの製造方法。
  17. 前記(b)のエッチング工程、前記(d)のエッチング工程及び前記(e)のエッチング工程を、誘導性結合プラズマー反応性イオンエッチングで行うことを特徴とする、請求項16に記載の静電インパクト機構を用いるマイクロアクチュエータの製造方法。
  18. 前記(c)のSi基板裏面に前記所定の摩擦係数を有する部材を取り付ける工程及び前記(f)のSi基板表面に前記所定の摩擦係数を有する部材を取り付ける工程が、パイレックスガラス(登録商標)を部材とした陽極接合によることを特徴とする、請求項16に記載のマイクロアクチュエータの製造方法。
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