JPH05137352A - 駆動機構 - Google Patents

駆動機構

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Publication number
JPH05137352A
JPH05137352A JP3300353A JP30035391A JPH05137352A JP H05137352 A JPH05137352 A JP H05137352A JP 3300353 A JP3300353 A JP 3300353A JP 30035391 A JP30035391 A JP 30035391A JP H05137352 A JPH05137352 A JP H05137352A
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JP
Japan
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vibrating
electrostatic force
drive mechanism
vibrating body
mechanism according
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Application number
JP3300353A
Other languages
English (en)
Inventor
Mitsuru Shingyouchi
充 新行内
Takeshi Takemoto
武 竹本
Tomoki Kato
知己 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH05137352A publication Critical patent/JPH05137352A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 小型で高出力、さらには、安定した駆動を行
うことが可能な駆動機構を提供する。 【構成】 複数個の振動体3a,3bを設け、これら振
動体3a,3bの面に対向して移動体4を配設し、振動
体3a,3bと移動体4との間に静電力を発生させる静
電力発生手段を設け、個々の振動体3a,3bに連結さ
れた電気機械変換素子2a,2bを設け、振動体3a,
3bの振動と静電力発生手段の静電力とを適宜な位相を
もって同期駆動する振動静電力同期駆動制御手段を設け
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紙送り、カード送り、
小型モータ等において超音波振動を利用した駆動機構に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、超音波振動を利用した超音波モー
タの基本的な原理は、超音波振動子が発生した超音波振
動を摩擦力を介して一方向の運動に変換するというもの
である。このような運動変換は、通常、楕円軌跡の振動
によって行われる。この場合、一方向の運動を行わせる
楕円運動は、通常、「進行波」を発生させるか、又は、
「2種の振動子」を用いるかによって楕円運動を発生さ
せている。前者の例としては、例えば、特開昭58−1
48682号公報に開示されているものがある。これ
は、複数個の圧電素子(電気機械変換素子)を弾性体内
に組込むことにより超音波振動子を作り、各圧電素子を
互いに位相をずらして駆動させることにより、その超音
波振動子の一端に横波と縦波とを合成した進行波を発生
させ、この進行波の発生した表面に移動体を接触させる
ことにより一方向の運動に変換して取り出すというもの
である。また、後者の例としては、例えば、特開昭61
−121777号公報に開示されているものがある。こ
れは、シアーモード(スベリ又はズレモード)の圧電素
子と厚みモードの圧電素子とよりなる超音波振動体にお
いて、それら圧電素子を各々独立して駆動させることに
より楕円運動を発生させるというものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これら両方の従来例に
共通する問題点としては、駆動力を効率良く取り出すた
めに、複数個の圧電素子の駆動をする位相を、形状、材
質、圧接力等によって合わせる必要があり、そのような
位相がずれると、効率の良い楕円運動を形成することが
できず、速度、トルクが低下し、さらには、動作しなく
なってしまう。従って、位相検出器等により常に検出
し、ズレをフィードバックするような検出回路が必要と
なるため、装置全体の構成が複雑化し、コスト高になる
恐れがある。
【0004】これまで述べてきたような圧電素子を主体
とした超音波モータとは別に、一方では、静電力を利用
した静電モータ(静電アクチュエータとも呼ばれてい
る)の開発も盛んに行われている。その一例として、
「小型、軽量を目指す新アクチュータ」として、日経メ
カニカル、1989、3/20号に記載されているもの
がある。この中に、直径約100μmの回転モータや円
筒電極をとろがす直動型の静電アクチュエータが記載さ
れている。このような静電アクチュエータに共通するこ
とは、非常に小さく構成することは可能となるが、しか
し、依然としてその出力は小さく実用面においては今一
歩というのが現状である。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明で
は、複数個の振動体を設け、これら振動体の面に対向し
て移動体を配設し、前記振動体と前記移動体との間に静
電力を発生させる静電力発生手段を設け、前記個々の振
動体に電気機械変換素子を連結し、前記振動体の振動と
前記静電力発生手段の静電力とを適宜な位相をもって同
期駆動する振動静電力同期駆動制御手段を設けた。
【0006】請求項2記載の発明では、請求項1記載の
発明において、移動体は、複数個の振動体の少なくとも
1個の振動体の面で静電力により吸着するようにした。
【0007】請求項3記載の発明では、請求項1記載の
発明において、振動静電力同期駆動制御手段は、振動体
の振動と静電力発生手段の静電力との位相関係を制御す
ることにより、前記移動体の移動方向を制御するように
した。
【0008】請求項4記載の発明では、請求項1記載の
発明において、振動体は、これら個々の振動体の厚さ方
向と直交する方向に接続された電気機械変換素子により
振動を発生するようにした。
【0009】請求項5記載の発明では、請求項1記載の
発明において、振動体は、これら個々の振動体を振動さ
せる電気機械変換素子を覆う傘型の面形状に形成され、
この傘型とされた互いに隣り合う振動体間の距離は少な
くとも前記電気機械変換素子の長さよりも短く形成し
た。
【0010】請求項6記載の発明では、請求項1記載の
発明において、電気機械変換素子の伸縮する延在方向に
沿って振動体にバネ部材を取り付けた。
【0011】請求項7記載の発明では、請求項1記載の
発明において、振動体は、ヒンジを介して一体化形成し
た。
【0012】請求項8記載の発明では、請求項1記載の
発明において、振動体は、樹脂の射出成形により一体化
形成した。
【0013】請求項9記載の発明では、請求項1記載の
発明において、振動体は、移動体をその両面側から挾み
込んで形成した。
【0014】請求項10記載の発明では、請求項1記載
の発明において、静電力発生手段は、振動体の全面を絶
縁処理することにより、又は、振動体の表面に絶縁層で
覆われた金属層を設けることにより形成した。
【0015】
【作用】請求項1記載の発明においては、移動体を複数
の振動体の面上で送っているため、駆動速度の領域を広
く、移動方向の制御を容易にすることが可能となる。
【0016】請求項2記載の発明においては、移動体は
少なくとも1個の振動体の面で静電力により吸着保持さ
れているため、駆動速度の領域を広く、着実な駆動を行
うことが可能となる。
【0017】請求項3記載の発明においては、単に駆動
信号の位相を変えるだけで移動方向を変えることが可能
となる。
【0018】請求項4記載の発明においては、振動体の
振動方向を厚さ方向と直角な方向に設定しているため、
その振動体の面で作用する静電力を十分に活用すること
が可能となる。
【0019】請求項5記載の発明においては、振動体間
の距離を狭くすることにより移動体のたわみを防止する
ことができ、これにより移動体として薄い金属ベルトの
ようなものを使用することが可能となる。
【0020】請求項6記載の発明においては、バネ部材
を用いることにより電気機械変換素子を与圧することが
できるため、電気機械変換素子の自己破壊を防止するこ
とが可能となる。
【0021】請求項7記載の発明においては、振動体は
ヒンジを介して一体化形成することにより、組立てが容
易となる。
【0022】請求項8記載の発明においては、振動体は
樹脂による射出成形を利用しているため、量産性を図る
ことが可能となる。
【0023】請求項9記載の発明においては、移動体の
両面を駆動源として利用できるため、より着実な駆動を
回転型として取り出すことが可能となる。
【0024】請求項10記載の発明においては、静電力
発生手段における絶縁構造を具現化することができ、回
り込み放電防止に対しても配慮された構造とすることが
可能となる。
【0025】
【実施例】本発明の第一の実施例を図1〜図3に基づい
て説明する。まず、図1に基づいて駆動機構の構成につ
いて述べる。底面には基台1が設けられており、この基
台1の両側端部には電気機械変換素子としての圧電素子
2a,2b(積層型であり、その大きさは、例えば、9
×2×3mm)が基台底面に平行な方向に取付けられて
いる。前記圧電素子2a,2bの他端には、平板状をし
た振動体3a,3bがそれぞれ固着されている。このよ
うにして設けられた振動体3a,3bの上面側に対向し
た位置には、薄板状(例えば、厚さ0.3mm)の一枚
の移動体4が電気的に接地された形で配置されている。
【0026】前記振動体3a,3bは、アルミニウムか
らなり、電極取出部を除いて全面に渡って9〜30μm
のアルマイト処理が施されており、これにより基台1と
移動体4との間で電気的な絶縁を保った状態となってい
る。このように振動体3a,3bは電気的な絶縁状態を
保つことができることにより、前記振動体3a,3bと
前記移動体4との間に静電力を発生させる図示しない静
電力発生手段の役目も担った形となっている。また、前
記静電力発生手段の静電力と前記振動体3a,3bの振
動とを適宜な位相をもって同期駆動する、図示しない振
動静電力同期駆動制御手段が設けられている。
【0027】このような構成において、振動静電力同期
駆動制御手段の働きについて述べる。図2において、
(a)は圧電素子2aの駆動電圧を示し、(b)は圧電
素子2bの駆動電圧を示し、(c)は振動体3aと移動
体4との間に印加する静電力発生用の電圧を示し、
(d)は振動体3bと移動体4との間に印加する静電力
発生用の電圧を示すものである。この場合、(a)
(b)の駆動電圧はオフセット15V、振幅30Vp−
pの逆位相の正弦波を示し、(c)(d)の静電力発生
用の電圧は、圧電素子2a,2bが伸縮方向に変位して
いる間に300Vが印加される。
【0028】具体的には、時刻t1 からt2 の間では、
(b)の波形により圧電素子2bは伸びて振動体3bを
図1のXa方向に変位させるが、その一方で、(a)の
波形により圧電素子2aは逆に縮んで振動体3aをXb
方向に変位させる。また、この時刻の間、(d)の波形
により振動体3bと移動体4との間には電圧が印加され
静電力が働くが、その一方で、(c)の波形により振動
体3aと移動体4との間には電圧は印加されずこれによ
り静電力は作用しない。従って、このような一連の動作
から、振動体3bと移動体4との間での静電力による摩
擦力の増加により、移動体4は振動体3bと同方向に変
位し、振動体3a上に位置する移動体4はその振動体3
aの表面上をすべる。また、時刻t2 からt3 の間で
は、上述した場合とは逆に、振動体3aはXa方向に変
位し、振動体3bはXb方向に変位し、さらに、振動体
3aの側に静電力が作用するため、移動体4は振動体3
aと共にXa方向に変位する。
【0029】このようにして振動体3a,3bのXa,
Xb方向への往復運動を静電力の切換えにより1方向の
運動に変換することができる。また、振動体3a,3b
を複数個設けていることにより、常にいずれかの振動体
3a,3bが移動体4との間で静電力により吸着した状
態となっているため、搬送の動作が安定し、高トルクを
実現することができる。さらに、振動体3aの電圧波形
を図2(d)とし、振動体3bの電圧波形を図2(c)
とすることにより、移動体4を逆方向に移動させること
ができるため、振動静電力同期駆動制御手段による位相
制御を適宜調整することにより、移動体4の運動方向を
コントロールすることができる。従って、このようなこ
とから、駆動速度の領域を広くとることができ、移動方
向の制御が容易で、高出力、高信頼性のモータを実現す
ることができる。
【0030】また、本実施例では、振動体3a,3bに
圧電素子2a,2bの厚さ2mmと同程度の厚さ(2.
5mm程度)の薄板を用い、振動体3a,3bの振動方
向が厚さ方向と直角方向になるように構成しているた
め、基台1及び移動体4を含めても全体として6mm以
下の薄型の駆動機構を実現することが可能となる。
【0031】なお、本実施例における振動体3a,3b
の駆動方法としては、図2の方法に限るものではなく、
例えば、静電力発生用の図2(c)(d)に代わるもの
として、図3(a)(b)に示すような波形を用いるこ
ともできる。
【0032】次に、本発明の第二の実施例を図4に基づ
いて説明する。図4は全体構成を示すものであり、各部
の基本的な構成は図1の場合とほぼ同じであるが、ここ
では振動体3a,3bの形状を変えたものである。すな
わち、振動体3a,3bは、これら振動体3a,3bを
振動させる圧電素子2a,2bを覆う傘型の面形状に形
成されており、しかも、移動体4との対向面での傘型と
された互いに隣り合う振動体3a,3b間の距離は少な
くとも圧電素子2a,2bの長さよりも短く形成されて
いる。
【0033】このように振動体3a,3bを傘型の面形
状に形成することにより接触面積を一段と広くとること
ができるため、駆動時における移動体4のたわみを防止
することが可能となる。また、移動体4に厚さ0.1m
mの金属ベルトを使用した場合にはそのようなたわみの
防止効果が顕著となり、より正確で安定した搬送動作を
行わせることが可能となり、信頼性を高め、用途を広げ
ることができる。
【0034】次に、本発明の第三の実施例を図5に基づ
いて説明する。ここでは、圧電素子2a,2bの伸縮す
る延在方向に沿って振動体3a,3bにバネ部材5a,
5bを取り付けたものである。そこで、今、このような
バネ部材5a,5bを設けた理由について述べる。押し
圧力は大きな力を出せるが、引力は2桁位弱く、それ以
上の力が加わると、圧電素子2a,2bが破壊してしま
う。従って、前述した2つの実施例において、振動体3
a,3bが重い場合、或いは、圧電素子2a,2bの収
縮時に大きな負荷が加わる場合、或いは、駆動周波数が
大きな場合は、慣性力により圧電素子2a,2bに大き
な引力が働き、自己破壊する可能性がある。このような
理由から、バネ部材5a,5bを設けて圧電素子2a,
2bに予圧を与えることにより、圧電素子2a,2bを
保護すると共に、変位の拡大を実現して駆動機構の信頼
性を向上させるようにした。
【0035】次に、本発明の第四の実施例を図6に基づ
いて説明する。ここでは、電気的に絶縁された8個の振
動体3a〜3hを用いて、X−Y方向の2次元に移動可
能な薄型のステージ(例えば、X−Yステージ等の微調
整変位機構として用いられる)を作成したものである。
また、これに伴い、圧電素子2a〜2hと、バネ部材5
a〜5hとが設けられている。
【0036】この場合、X方向にステージを移動させる
場合には、圧電素子2a,2b,2c,2dを同一信号
で駆動させる。これにより、振動体3a,3cが同位
相、振動体3b,3dが同位相、しかも、振動体3a,
3cの位相に対する振動体3b,3dの位相は逆位相と
なる。従って、本実施例の場合にも、図1及び図2で説
明した場合と同様に、Xの正負(Xa,Xb)のどちら
の方向にステージを移動させるかによって、振動体3
a,3cの組と、振動体3b,3dの組に対して静電力
の位相を制御するようにすればよい。これと同様にY方
向についても、圧電素子2e,2f,2g,2hを同一
信号で駆動し、振動体3e,3gの組と、振動体3f,
3hの組に対して静電力を制御することによりステージ
の移動を実現させることができる。
【0037】次に、本発明の第五の実施例を図7に基づ
いて説明する。ここでは、金属(例えば、SK3)を切
削加工することにより、振動体3a,3bは、ヒンジ6
を介して基台1と一体化形成するようにしたものであ
る。これまでの第一〜第四の実施例では、振動体3a〜
3hを圧電素子2a〜2hを介して基台1に固定するこ
とが難しく、その組立て精度を高めるためにかなり高度
な技術を必要としていた。そこで、本実施例では、振動
体3a,3bをヒンジ6を介して基台1と一体化して形
成することにより、高精度な組立てを容易に実現するこ
とが可能となり、これにより歩留りやコストの面で有利
なモータを実現することが可能となる。
【0038】図7(c)は、振動体3a,3bの移動体
4と対向する側の面の断面形状を示すものであり、基台
1との絶縁層7と、静電力発生手段としての金属層8
と、移動体4との絶縁層9を形成している。この場合、
金属層8は振動体3a,3bの対向面の大きさよりもわ
ずかに小さく形成しているため、金属層8の断面は露出
しておらず、高電圧をその金属層8に印加した場合に回
り込み放電するのを防止している。
【0039】この場合、絶縁層7としては、十分な絶縁
抵抗をもつ材質が望まれ、ここでは0.5μm厚のアク
リル板を接着したものを用いた。金属層8は、通常の電
極材料の多くを有効に使用でき、ここでは0.1μmの
銅板を用いた。絶縁層9は、絶縁抵抗が大きく、十分な
静電力を得る目的から薄く、比誘電率が大きい材料が好
ましい。その一例として、ガラス、酸化チタン、テフロ
ン、ネオプレンゴム等がよく、ここでは20μmのポリ
イミドフィルムを接着して使用した。
【0040】次に、本発明の第六の実施例について説明
する。前述した第五の実施例では、金属ブロックを切削
加工することにより振動体3a,3bを基台1と一体化
成形したが、ここでは、そのような金属を用いずアクリ
ル樹脂の射出成形を行うことにより、振動体を一体化成
形するようにしたものである。金属ブロックを切削加工
するのは、コスト、量産性の面から言えば非常に不利で
あるのに対して、本実施例のように樹脂を用いて射出成
形することにより、コスト、量産性の面を大きく改善す
ることができる。また、この場合、基台1は樹脂材料に
より形成されているため、図7(c)に示したような絶
縁層7が不要となる。従って、これにより、部品点数を
削減させ、組立て工程の簡略化を実現することができ
る。
【0041】次に、本発明の第七の実施例を図8に基づ
いて説明する。ここでは、上下2つの振動機構を設けた
ものである。すなわち、上下方向には、上部基台10と
下部基台11とが対向して配設されており、その両端部
でネジ12により固定されている。中心部には出力軸1
3がベアリング14に支持されて取付けられており、そ
の出力軸13からは円板状をしたロータ15が形成され
ている。このロータ15の上側には振動体としての上部
ステータ16が設けられ、前記ロータ15の下側には振
動体としての下部ステータ17が設けられている。上部
ステータ16の中心部には凸部18が形成され、この凸
部18には積層型の圧電素子19a,19bの一端が取
付けられている。これら圧電素子19a,19bの他端
側は、上部基台10に固着されている。これと同様に、
下部ステータ17の中心部には凸部19が形成され、こ
の凸部19には積層型の圧電素子20a,20bの一端
が取付けられている。これら圧電素子20a,20bの
他端側は、下部基台11に固着されている。この場合、
上部ステータ16、下部ステータ17は、アルミニウム
により成形され、電極取出部以外の個所は全面に渡って
絶縁処理(アルマイト処理)が施されている。これによ
り、それら上下のステータ16,17は、前述したよう
な静電力発生手段を構成していることになる。また、こ
の他に、前述したような(図2参照)振動静電力同期駆
動制御手段を備えており、以下、この本機構の動作原理
を説明する。
【0042】このような構成において、圧電素子19
a,19b,20a,20bを同期させた正弦波信号で
駆動すると、上部ステータ16と下部ステータ17と
は、逆位相のねじれ運動を行う。例えば、今、ステータ
の運動方向に位相を合わせて、上部ステータ16、或い
は、下部ステータ17のいずれかに電圧を印加してロー
タ15との間に静電力を発生させると、この発生した静
電力によりロータ15は上部ステータ16若しくは下部
ステータ17のうちのどちらか一方に吸着されることに
なり、これによりロータ15と連設された出力軸13を
一方向に回転させることが可能となる。
【0043】このようにして本駆動機構は、ロータ15
を上部ステータ16若しくは下部ステータ17のどちら
か一方の側に静電力により吸着させておくことができる
ため、超扁平で高トルク、しかも、低速駆動が可能な回
転型モータを実現することができる。なお、一つの振動
体(ここでは、上部ステータ16又は下部ステータ1
7)を駆動する圧電素子は一つに限るものでなく、本実
施例のように2つ(或いは、2つ以上)の圧電素子が駆
動するようにしてもよい。
【0044】
【発明の効果】請求項1記載の発明は、複数個の振動体
を設け、これら振動体の面に対向して移動体を配設し、
前記振動体と前記移動体との間に静電力を発生させる静
電力発生手段を設け、前記個々の振動体に電気機械変換
素子を連結し、前記振動体の振動と前記静電力発生手段
の静電力とを適宜な位相をもって同期駆動する振動静電
力同期駆動制御手段を設けたので、移動体を複数の振動
体の面上で送っているため、駆動速度の領域を広く、移
動方向の制御を容易にすることが可能となり、これによ
り高信頼性のモータを実現することができるものであ
る。
【0045】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、移動体は、複数個の振動体の少なくとも1
個の振動体の面で静電力により吸着するようにしたの
で、駆動速度の領域を広く、着実な駆動を行うことが可
能となり、信頼性の高い駆動を行うことができるもので
ある。
【0046】請求項3記載の発明は、請求項1記載の発
明において、振動静電力同期駆動制御手段は、振動体の
振動と静電力発生手段の静電力との位相関係を制御する
ことにより、前記移動体の移動方向を制御するようにし
たので、単に駆動信号の位相を変えるだけで移動方向を
変えることが可能となり、駆動機構の応用範囲を広げる
ことができるものである。
【0047】請求項4記載の発明は、請求項1記載の発
明において、振動体は、これら個々の振動体の厚さ方向
と直交する方向に接続された電気機械変換素子により振
動をを発生するようにしたので、振動体の面で作用する
静電力を十分に活用することが可能となり、これにより
超扁平なモータを実現することができるものである。
【0048】請求項5記載の発明は、請求項1記載の発
明において、振動体は、これら個々の振動体を振動させ
る電気機械変換素子を覆う傘型の面形状に形成され、こ
の傘型とされた互いに隣り合う振動体間の距離は少なく
とも前記電気機械変換素子の長さよりも短く形成したの
で、振動体間の距離を狭くして移動体のたわみを防止し
ているため、移動体として薄い金属ベルトのようなもの
を使用することが可能となり、これにより一段と用途を
広げることができると共に、信頼性の高いモータを実現
することができるものである。
【0049】請求項6記載の発明は、請求項1記載の発
明において、電気機械変換素子の伸縮する延在方向に沿
って振動体にバネ部材を取り付けたので、そのバネ部材
を用いて電気機械変換素子を与圧することにより、電気
機械変換素子の自己破壊を防止することが可能となり、
これにより信頼性を一段と高めることができるものであ
る。
【0050】請求項7記載の発明は、請求項1記載の発
明において、振動体は、ヒンジを介して一体化形成した
ので、組立てが容易となり、これにより歩留りを向上さ
せて安価なモータを提供することができるものである。
【0051】請求項8記載の発明は、請求項1記載の発
明において、振動体は、樹脂の射出成形により一体化形
成したので、量産性を図ることが可能となり、これによ
り歩留りを向上させて安価なモータを提供することがで
きるものである。
【0052】請求項9記載の発明は、請求項1記載の発
明において、振動体は、移動体をその両面側から挾み込
んで形成したので、移動体の両面を駆動源として利用す
ることにより回転型のモータを容易に実現することがで
きるものである。
【0053】請求項10記載の発明は、請求項1記載の
発明において、静電力発生手段は、振動体の全面を絶縁
処理することにより、又は、振動体の表面に絶縁層で覆
われた金属層を設けることにより形成したので、静電力
発生手段における絶縁構造を具現化することができ、回
り込み放電防止に対しても配慮された構造とすることが
可能となり、これにより安全性を一段と向上させること
ができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例である駆動機構の様子を
示す断面図である。
【図2】駆動用及び静電力発生用の電圧波形の様子を示
す波形図である。
【図3】駆動用電圧波形の変形例を示す波形図である。
【図4】(a)は本発明の第二の実施例である駆動機構
の様子を示す平面図、(b)はその断面図である。
【図5】(a)は本発明の第三の実施例である駆動機構
の様子を示す平面図、(b)はその断面図である。
【図6】(a)は本発明の第四の実施例である駆動機構
の様子を示す平面図、(b)はそのA−A断面図であ
る。
【図7】(a)は本発明の第五の実施例である駆動機構
の様子を示す平面図、(b)はその断面図、(c)は振
動体の移動体と対向する側の面の断面形状を示す断面図
である。
【図8】(a)は本発明の第七の実施例である駆動機構
の上部ステータの様子を示す平面図、(b)はその駆動
機構の断面図である。
【符号の説明】
2a〜2h 電気機械変換素子 3a〜3h 振動体 4 移動体 5a〜5h バネ部材 6 ヒンジ 15 移動体 16,17 振動体 19a,19b,20a,20b 電気機械変換素子

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数個の振動体と、これら振動体の面に
    対向して配設された移動体と、前記振動体と前記移動体
    との間に静電力を発生させる静電力発生手段と、前記個
    々の振動体に連結された電気機械変換素子と、前記振動
    体の振動と前記静電力発生手段の静電力とを適宜な位相
    をもって同期駆動する振動静電力同期駆動制御手段とよ
    りなることを特徴とする駆動機構。
  2. 【請求項2】 移動体は、複数個の振動体の少なくとも
    1個の振動体の面と静電力により吸着されていることを
    特徴とする請求項1記載の駆動機構。
  3. 【請求項3】 振動静電力同期駆動制御手段は、振動体
    の振動と静電力発生手段の静電力との位相関係を制御す
    ることにより、前記移動体の移動方向を制御することを
    特徴とする請求項1記載の駆動機構。
  4. 【請求項4】 振動体は、これら個々の振動体の厚さ方
    向と直交する方向に接続された電気機械変換素子により
    振動を発生することを特徴とする請求項1記載の駆動機
    構。
  5. 【請求項5】 振動体は、これら個々の振動体を振動さ
    せる電気機械変換素子を覆う傘型の面形状に形成され、
    この傘型とされた互いに隣り合う振動体間の距離は少な
    くとも前記電気機械変換素子の長さよりも短く形成され
    ていることを特徴とする請求項1記載の駆動機構。
  6. 【請求項6】 電気機械変換素子の伸縮する延在方向に
    沿って振動体にバネ部材を取り付けたことを特徴とする
    請求項1記載の駆動機構。
  7. 【請求項7】 振動体は、ヒンジを介して一体化形成さ
    れていることを特徴とする請求項1記載の駆動機構。
  8. 【請求項8】 振動体は、樹脂の射出成形により一体化
    形成されていることを特徴とする請求項1記載の駆動機
    構。
  9. 【請求項9】 振動体は、移動体をその両面側から挾み
    込んで形成したことを特徴とする請求項1記載の駆動機
    構。
  10. 【請求項10】 静電力発生手段は、振動体の全面を絶
    縁処理することにより、又は、振動体の表面に絶縁層で
    覆われた金属層を設けることにより形成したことを特徴
    とする請求項1記載の駆動機構。
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