JP3831801B2 - 芳香族フッ素化合物の製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、芳香族フッ素化合物の製造方法に関し、より詳しくは、芳香族ジアゾニウム塩の光分解により芳香族フッ素化合物を製造する方法において、光照射時間が短く、しかも収率の高い製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】
芳香族フッ素化合物は、医薬品、農薬、液晶などの中間体として有用である。この芳香族フッ素化合物を製造する方法としては、芳香族アミン化合物をジアゾ化し、生成した芳香族ジアゾニウム塩を加熱分解ないし光分解する方法がかなり以前から実施されており、反応効率を高めるために、上記ジアゾ化反応とジアゾニウム塩の分解をフッ酸溶液中で一段階で行う方法や、ジアゾ化反応およびジアゾニウム塩の分解の際にピリジンなどの塩基を併用する方法(特願昭 63-188631号)、光分解させるジアゾニウム塩として芳香族ジアゾニウムハロゲノボレートを生成させる方法(特開昭64-71824号)などが知られている。
また光分解効率を高めるために、フッ素系ルイス酸の存在下で芳香族ジアゾニウム塩を分解する方法も知られている(特開平 5-39233号)。
【0003】
【発明の解決課題】
従来の上記製造方法において、ジアゾ化ないしジアゾニウム塩の分解を塩基の存在下に行うものは反応効率が優れ、目的化合物の収率が向上するが、反応液中に存在する塩基によって反応液への光吸収が増加し、反応時間が長くなる問題がある。また反応液に光を通じる光透過材の汚れが増し、次第に反応効率が低下する。さらに、塩基の使用によるコスト増加や廃液処理の問題があり、これらが工業的な実施の制約になっている。
【0004】
本発明は、従来の光分解を行う製造方法における上記問題を解決したものであって、光照射時間が短く、かつ光透過材の汚れが少ないので光反応装置の連続的な長期使用が可能であり、しかも収率が高く、工業的に有利な製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題解決の手段】
すなわち、本発明によれば、以下の構成からなる芳香族フッ素化合物の製造方法が提供される。
(1)芳香族アミノ化合物に、亜硝酸付与剤とフッ化水素を加えてジアゾ化し、生成したジアゾニウム塩を光分解して芳香族フッ素化合物を製造する方法において、芳香族アミノ化合物を10〜50倍モル量のフッ化水素液に溶解し、亜硝酸付与剤を添加してジアゾ化した後に、該ジアゾ化反応液にフッ化水素液を加えてジアゾニウム塩濃度が芳香族アミノ化合物基準で0 . 1〜1 mmol/g になるように該反応液を希釈した後に、光照射を行うことを特徴とする芳香族フッ素化合物の製造方法。
(2)上記(1)の製造方法において、芳香族アミノ化合物に、5〜90重量%の塩基を含むフッ化水素液と、亜硝酸付与剤を加えてジアゾ化し後に、該ジアゾ化反応液にフッ化水素液を加えてジアゾニウム塩濃度が芳香族アミノ化合物基準で0 . 1〜1 mmol/g になるように希釈した後に、光照射を行う芳香族フッ素化合物の製造方法。
【0006】
(3)上記(1)または上記(2)の製造方法において、ジアゾ化反応液よりも塩基濃度の低い塩基含有フッ化水素液をジアゾ化反応液に加えてジアゾニウム塩濃度が芳香族アミノ化合物基準で0.1〜1mmol/gになるように希釈した後に、光照射を行う芳香族フッ素化合物の製造方法。
(4)5〜90重量%の塩基を含むフッ化水素液に芳香族アミノ化合物を0.1〜5mmol/gの濃度になるように加えて溶解し、亜硝酸付与剤を添加してジアゾ化した後に、該ジアゾ化反応液よりも塩基濃度の低い塩基含有フッ化水素液を加えてジアゾニウム塩濃度が芳香族アミノ化合物基準で0.1〜1mmol/gになるように該反応液を希釈した後に光照射を行う上記(3)に記載する芳香族フッ素化合物の製造方法。
【0007】
【具体的な説明】
本発明の製造方法は、芳香族アミノ化合物に、亜硝酸付与剤とフッ化水素を加えてジアゾ化し、生成したジアゾニウム塩を光分解して芳香族フッ素化合物を製造する方法であって、亜硝酸付与剤とフッ化水素と共に塩基を併用する場合を含む。
原料となる芳香族アミノ化合物は、置換または非置換の芳香族アミン化合物であり、芳香族の環にアミノ基が直接結合しており、この他にどのような置換基が結合していても良い。またここで、芳香族とは芳香族炭化水素、およびヘテロ環式化合物で、ヘテロ環中の炭素−炭素結合は多重結合であり、炭素−ヘテロ環状化合物の結合が多重結合であるものを含む。
【0008】
具体的には、芳香族炭化水素の例としては、ベンゼン、ナフタレン、アントラセンなどが挙げられる。複素環の例としては、ピリジン、ピリミジン、ピラゾリン、トリアジン、キノリン、フラン、ベンゾフラン、ピロール、チオフェン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、トリゾール、インドール、ナフチジンなどが挙げられる。
【0009】
また、置換基としては、(1) メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert- ブチル、ペンチル、ヘキシルなどの直鎖もしくは分枝鎖のアルキル基またはシクロアルキル基などのアルキル基;(2) メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、tert- ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等のアルコキシ基;(3) メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、tert- ブトキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニルなどのアルコキシカルボニル基;(4) 前記の複素環などから誘導される残基;(5) フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン;(6) 水酸基;(7) ニトロ基などが挙げられる。(1) 〜(4) の置換基は相互に、および/または(5) 〜(7) に挙げた置換基により置換されていてもよい。
【0010】
ジアゾ化のために用いられる亜硝酸付与剤としては通常のジアゾ化剤で良く、無水亜硝酸、亜硝酸ソーダ、亜硝酸カリなどが好適である。亜硝酸付与剤の濃度は亜硝酸が芳香族アミン化合物に対して少なくとも当量必要である。
【0011】
本発明で用いる塩基はフッ化水素と錯体を形成する塩基、すなわち、酸素、イオウ、窒素、リンを含む化合物が使用できる。具体的には、エチルエーテルなどのエーテル化合物、ケトン化合物、アルデヒド化合物、エステル化合物、およびアルコール、カルボン酸、水、スルホキシド、スルホンアミン化合物、例えばピリジン、アミド化合物、ニトリル、イソニトリル、ホスフィン、ホスフアイト、ホスフェイト化合物などが使用できる。これらのなかで、アミン化合物およびエーテル化合物が好適である。
【0012】
ジアゾ化は通常の条件下に行うことができる。すなわち、芳香族アミン化合物をフッ化水素液に溶解し、亜硝酸付与剤を加えてジアゾ化する。この溶液温度は約−150〜150℃、好ましくは−100〜100℃である。また、芳香族アミノ化合物を10〜50倍モル量のフッ化水素液に溶解してジアゾ化するとよい。
【0013】
フッ化水素と塩基の割合は、塩基がフッ化水素と塩基の合計量に対して5〜90重量%、好ましくは5〜45重量%の範囲が適当である。この範囲を外れると収率が低下する。
フッ化水素液中の芳香族アミン化合物の濃度は、0.1〜5mmol/gが適当である。この濃度よりも低いと生産性が低下し、経済的に不利である。また濃度はこれより高いと、未溶解のアミンが増し、亜硝酸付与剤の溶解も困難になるので、収率が大幅に低下し、副生成物が増加する。
なお、本発明の方法は溶媒中で行うこともでき、溶媒としては目的とする芳香族フッ素化合物を溶解し、フッ化水素と分離できるものであれば良い。
【0014】
本発明の製造方法は、上記ジアゾ化によって得た芳香族ジアゾニウム塩が溶解している反応液にフッ化水素液または塩素含有フッ化水素液を加え、該反応液を希釈した後に光分解を行わせることが重要である。塩素含有フッ化水素液としてはジアゾ化反応液の塩基濃度よりも低い塩基濃度のフッ化水素液が用いられる。希釈の態様としては、(イ) 塩基を併用せずにジアゾ化を行った場合には、このジアゾ化反応液にフッ化水素液を加え、(ロ) 塩基存在下でジアゾ化を行った場合には、フッ化水素単独の液を加え、あるいは反応液の塩基濃度よりも低い塩基濃度の塩基含有フッ化水素液を加える。
【0015】
ジアゾ化反応は、亜硝酸付与剤およびフッ化水素と共に塩基を加え、塩基存在下で行うのが好ましいが、生成したジアゾニウム塩の光分解は必ずしも塩基は必要としない。従って、塩基を含有しないフッ化水素液を用いて反応液を希釈しても良い。但し、アミンの種類によっては生成したジアゾニウム塩が希釈時の僅かな発熱によっても熱分解を生じ、目的外の化合物が生じるものもあるので、薄い塩基濃度のフッ化水素液によって反応液を希釈すれば、急激な濃度変化が緩和されるので好ましい。
【0016】
希釈用のフッ化水素液に含まれる塩基の種類はジアゾ化時の塩基と同種のものに限らない。例えば、塩基としてアルコールやエーテル、あるいはピリジンを用いてジアゾ化した反応液をフッ化水素酸で希釈液してもよく、またフッ酸液中でジアゾ化した反応液にアルコールやエーテルなどの塩基を含有するフッ化水素酸を加えて希釈しても良い。
【0017】
希釈のために反応液に加えるフッ化水素液中の塩基濃度は、反応液中の塩基濃度よりも低くなければならない。光分解を行う前に、ジアゾニウム塩を含む反応液を希釈して含有塩基濃度を低くすることにより、光分解の際に、塩基による光の吸収が少なくなり、従って光照射時間を短縮することができる。また塩基に起因する光透過材表面の汚れが大幅に減少するので、長期間の連続反応が可能になる。さらに、この希釈により、ジアゾニウム塩濃度も相対的に低下し、より収率の高い濃度範囲に調整される。
【0018】
希釈用フッ化水素液中の塩基濃度は概ね低いほうが有利であるが、アミンの他に置換基としてエステル(Ar-COOCH3 など)を含む場合には、ピリジン濃度で5重量%未満になるとAr−COFが一部生成するため目的物の収率が低下するので好ましくない。
【0019】
希釈後の反応液中の芳香族ジアゾニウム塩の濃度は、原料の芳香族アミノ化合物基準で、0.1〜1mmmol/g が好ましい。一般に、ジアゾニウム塩の光分解はそのジアゾニウム塩濃度に強く影響され、上記濃度範囲を外れると分解速度が低下し、副反応のために収率が低下する。
【0020】
光分解反応は通常の条件下に行うことができる。すなわち、光源は高圧水銀ランプ等が好適に用いられ、照射時間約5〜14時間が適当である。また溶液温度は−100〜200℃、好ましくは−50〜100℃が適当である。
なお、ジアゾニウム塩の光分解速度は他の置換基の存在によって影響されるので、具体的にはジアゾニウム塩の種類によって適宜定められる。
【0021】
なお、以上のように光分解の際に反応液を希釈して塩基濃度を低くするが、塩基の種類として、ある種のエーテル化合物を用いることにより、収率を高めることができる。すなわち、R2 R3 OとHFの混合液中またはBF3 −OR2 R3 (R2 およびR3 は同一もしくは異なるアルキル基)とHFの混合液中で行わせることにより、水素置換体の生成が抑制され良好な収率で目的の芳香族フッ素化合物を得ることができる。溶媒としては、HFとBF3 −OR2 R3 とからなる混合液が好ましく、なかでもR2 およびR3 がいずれもエチル基であるHFとBF3 −OEt2 からなる系がより好ましい。HFとR2 R3 OまたはBF3 −OR2 R3 との混合比は、好ましくは1:1〜30:1(モル比)、より好ましくは2:1〜20:1である。これらの範囲を外れると収率が低下する。
【0022】
反応混合物は氷水でクエンチしてから適当な有機溶媒を用いて目的化合物を抽出する。なお本発明は、例えば、導管内に原料混合物を流しつつ光照射を行なうなどの方法で行なうこともできる。
【0023】
【実施例および比較例】
本発明の実施例を比較例と共に以下に示す。なお、本実施例は例示であり、発明の範囲を限定するものではない。
【0024】
実施例1
フッ素樹脂製250mlボトルを反応器として用い、−60℃の温度下でフッ化水素0.85mol に2−フルオロアニリン40mmolを溶解させ、亜硝酸ソーダ48mmolを加えた後、室温で熟成させてジアゾ化反応を行なった。次いでフッ化水素9.15mol を加えて希釈し、温度10℃で400w 高圧水銀ランプを用いて光照射を行なった。その後、氷中に反応液を移して希釈し、CH2 Cl2 等を用いて抽出を行ない、1,2−ジフルオロベンゼンを得た。この結果を表1に示した。本例では85%の高収率で目的の1,2−ジフルオロベンゼンが得られた。
【0025】
実験例
フッ素樹脂製100mlボトルを反応器として用い、希釈フッ化水素量を4.15mol (半量)とした以外は実施例1と同様にして1,2−ジフルオロベンゼンを得た。この結果を表1に示した。本例では目的物の収率が実施例1よりもやや低かった。
【0026】
比較例1
−60℃の温度下でフッ化水素0.85mol に2−フルオロアニリン40mmolを溶解させ、亜硝酸ソーダ48mmolを加えた後、室温で熟成させてジアゾ化反応を行なった。次いで、反応液を希釈することなくそのままフッ素樹脂製チューブに移し、光照射面積を実施例1と同面積にして光照射を行なった。なお、これらの操作以外は実施例1と同一の反応条件である。この結果を表1に示した。
【0027】
比較例2
−60℃の温度下でフッ化水素10mol に2−フルオロアニリン40mmolを溶解させ、亜硝酸ソーダ48mmolを加えた後、室温で熟成させるジアゾ化反応を行なった。次いで反応液を希釈することなく光照射を行なった。なお、これらの操作以外は実施例1と同一の反応条件である。この結果を表1に示した。表1から明らかなように比較例1、2における目的物の収率は極めて低い。
【0028】
【表1】
【0029】
実施例2
フッ素樹脂製250mlボトルを反応器として用い、−60℃の温度下でフッ化水素2.35mol 、ビリジン0.25mol からなる反応液に2−フルオロアニリン40mmolを溶解させ、亜硝酸ソーダ48mmolを加えた後、室温で熟成させてジアゾ化反応を行なった。次いでフッ化水素6.65mol を加えて希釈し、温度10℃で400W 高圧水銀ランプを用い光照射を行なった。その後、氷中に反応液を移して希釈し、CH2 Cl2 等を用いて抽出を行ない、1,2−ジフルオロベンゼンを得た。この結果を表2に示した。
【0030】
比較例4、5
フッ化水素7mol 、ピリジン0.759mol からなる反応液を用いた他は実施例2と同様にジアゾ化し、反応液を希釈することなく、そのまま光照射を行なった。この結果を表2に示した。
比較例6
フッ化水素9mol 、ピリジン0.253mol からなる反応液を用いた他は実施例2と同様にジアゾ化し、反応液を希釈することなく、そのまま光照射を行なった。この結果を表2に示した。
【0031】
【表2】
【0032】
表2に示すように、本例における1,2−ジフルオロベンゼンの収率は89%と高いが、光照射時間が同じ比較例4の収率は64%と低く、比較例6では1%であって極めて低く、ほとんど目的物が得られない。また比較例5の収率は87%であるが、光照射時間が実施例2より5割程度長い。
【0033】
実施例3
実施例2の反応容器をそのまま繰り返し使用し、実施例2と同様の反応操作を行なった。繰返し使用回数ごとの収率と光照射面の汚れを表3に示した。表3のから明らかなように、本例では使用回数が増しても高い収率が維持される。
比較例7
比較例5の反応容器をそのまま繰り返し使用し、比較例2と同様の反応操作を行なった。繰返し使用回数ごとの収率と光照射面の汚れを表3に示した。本例においては使用回数に比例して収率が大幅に低下している。
【0034】
【表3】
【0035】
実施例4〜5および比較例8〜9
芳香族アミン化合物として2−フルオロアニリン40mmolを用い、表4に示す塩基を用い、同表の条件下で反応を行わせた。この結果を表4に示した。
実施例4、5では85〜80%の高収率が達成され、光照射面の汚れも生じないか又は微小であるが、比較例8、9の収率は実施例4に比べて概ね半減している。
【0036】
【表4】
【0037】
実施例6〜7及び比較例10〜11
芳香族アミン化合物として2,6−ジフルオロ−4−ブロモアニリンを用い、表5に示す条件下で反応させ、1−ブロモ−3,4,5−トリフルオロベンゼンを得た。この結果を表5に示した。
【0038】
【表5】
【0039】
実施例8〜12及び比較例12〜17
各芳香族アミン40mmolについて表6に示す条件下で反応させ、フッ素化合物を得た。この結果を表6に示した。
【0040】
【表6】
【0041】
表5および表6に示すように、本発明の製法によれば76%〜90%に及ぶ高い収率が達成されるが、比較例では格段に収率が低く、対応する各グループにおいて目的物が全く得られない場合がある。
【0042】
【発明の効果】
本発明の製造方法によれば、光分解時に塩基濃度が低いので、塩基による光吸収が少なく、従って従来よりも光照射時間を短縮できる。また塩基に起因する光透過材表面の汚れが格段に少ないので、長期間の連続反応が可能であり、保守作業が大幅に軽減されると共に生産性に優れる。さらに目的化合物の収率が高く、塩基の使用量が少ないので製造費を低減できる。また従来のジアゾ化反応液より原料濃度が高いので、原料の保存スペースが節約できるなどの利点があり、工業的実施に有利である。
Claims (4)
- 芳香族アミノ化合物に、亜硝酸付与剤とフッ化水素を加えてジアゾ化し、生成したジアゾニウム塩を光分解して芳香族フッ素化合物を製造する方法において、芳香族アミノ化合物を10〜50倍モル量のフッ化水素液に溶解し、亜硝酸付与剤を添加してジアゾ化した後に、該ジアゾ化反応液にフッ化水素液を加えてジアゾニウム塩濃度が芳香族アミノ化合物基準で0 . 1〜1 mmol/g になるように該反応液を希釈した後に、光照射を行うことを特徴とする芳香族フッ素化合物の製造方法。
- 請求項1の製造方法において、芳香族アミノ化合物に、5〜90重量%の塩基を含むフッ化水素液と、亜硝酸付与剤を加えてジアゾ化し後に、該ジアゾ化反応液にフッ化水素液を加えてジアゾニウム塩濃度が芳香族アミノ化合物基準で0 . 1〜1 mmol/g になるように希釈した後に、光照射を行う芳香族フッ素化合物の製造方法。
- 請求項1または2の製造方法において、ジアゾ化反応液よりも塩基濃度の低い塩基含有フッ化水素液をジアゾ化反応液に加えてジアゾニウム塩濃度が芳香族アミノ化合物基準で0.1〜1mmol/gになるように希釈した後に、光照射を行う芳香族フッ素化合物の製造方法。
- 5〜90重量%の塩基を含むフッ化水素液に芳香族アミノ化合物を0.1〜5mmol/gの濃度になるように加えて溶解し、亜硝酸付与剤を添加してジアゾ化した後に、該ジアゾ化反応液よりも塩基濃度の低い塩基含有フッ化水素液を加えてジアゾニウム塩濃度が芳香族アミノ化合物基準で0.1〜1mmol/gになるように該反応液を希釈した後に光照射を行う請求項3に記載する芳香族フッ素化合物の製造方法。
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