JP3831028B2 - 液晶表示装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は液晶表示装置の構造に関し、薄く、軽く、しかも割れにくい液晶表示装置に関するものである。また、割れにくい基板として金属基板を利用し、さらに、金属基板上に設ける絶縁膜として金属基板の陽極酸化膜を利用するものである。さらに、金属基板上に、スイッチング素子として、金属−非線形抵抗層−金属構造、あるいは、金属−半導体層−金属構造からなる二端子型スイッチング素子、あるいは、ゲート電極とゲート絶縁膜と半導体層と不純物イオンを含む半導体層とソース電極とデーター電極とを有する三端子型スイッチング素子を有するアクティブマトリクス型液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、液晶パネルを用いた液晶表示装置の表示容量は、大容量化の一途をたどっている。その液晶表示装置の構造は、第1の基板上に設ける信号電極に液晶画素の表示電極を直接に接続するパッシブマトリクス型と、信号電極と表示電極の間にスイッチング素子を有するアクティブマトリクス型がある。さらに、第1の基板上の表示電極と対向するように液晶を介して対向電極を設け、複数の信号電極と複数の対向電極をマトリクス状に配置し、信号電極と、対向電極に接続するデーター電極に外部回路より所定の信号を印加する構造からなる。
【0003】
そして、単純マトリクス構成(パッシブマトリクス型)の液晶表示装置にマルチプレクス駆動を用いる手段は、高時分割化するに従ってコントラストの低下あるいは応答速度の低下が生じ、200本程度の走査線を有する場合では、充分なコントラストを得ることが難しくなる。
【0004】
そこで、このような欠点を除去するために、個々の画素にスイッチング素子を設けるアクティブマトリクスの液晶表示パネルが採用されている。
【0005】
このアクティブマトリクスの液晶表示パネルには、大別すると薄膜トランジスタを用いる三端子型スイッチング素子と、非線系抵抗素子を用いる二端子型スイッチング素子とがある。これらのうち構造や製造方法が簡単な点と低温工程にて比較的製造可能な点では、二端子型スイッチング素子が優れている。
【0006】
この二端子型スイッチング素子としては、ダイオード型や、バリスタ型や、TFD型などが開発されている。
【0007】
このうちTFD型は、とくに構造が簡単で、そのうえ製造工程が短いという特徴を備えている。
【0008】
また、液晶表示装置は自己発光型の表示装置ではないため、外部の光源を利用し液晶の光学変化により外部の光の変化を利用し表示を行う。そのため、観察者と液晶表示装置と光源の位置関係には、大きく分けると2種類ある。一つ目は、光源と観察者が液晶表示装置に対して同一面にある、いわゆる反射型液晶表示装置であり、2つ目は観察者−液晶表示装置−光源の配置をとる、いわゆる透過型液晶表示装置である。液晶表示装置の長所である低消費電力化を目的とする場合には、特に光源を必要とせず液晶表示装置の周囲の光源を利用する反射型液晶表示装置が有効である。
【0009】
以下に、信号電極と表示電極の間にスイッチング素子として二端子型スイッチング素子を有する液晶表示装置の従来例を図面に基づいて説明する。
【0010】
図15は二端子型スイッチング素子を用いた従来技術における液晶表示装置の構成を示す平面図である。さらに図16は、図15の平面図におけるA−A線での断面を示す断面図である。以下、図15と図16とを交互に用いて従来技術を説明する。
【0011】
プラスチック基板からなる第1の基板1上には、いずれもタンタル(Ta)膜からなる信号電極3と信号電極3と一体構造からなる下部電極4を有する。信号電極3と下部電極上には、酸化タンタル(Ta2 O5 )からなる非線形抵抗層5を有する。
【0012】
さらに、前記下部電極4上の非線形抵抗層5と重なり合う上部電極6と上部電極6と一体構造の表示電極9とを酸化インジウムスズ(ITO)膜にて設ける。この上部電極9と非線形抵抗層5と下部電極4とにより二端子型スイッチング素子を構成する。
【0013】
以上に記載する第1の基板1を液晶表示装置として使用する場合には、第1の基板1に対向するようにプラスチック基板からなる第2の基板22を設ける。この第2の基板22上には、表示電極9と対向するように透明導電性膜からなる酸化インジウムスズ(ITO)膜で構成する対向電極15を有する。さらに対向電極15には、外部回路の信号を印加するためのデーター電極(図示せず)を接続している。
【0014】
さらに第1の基板1上と第2の基板22上には、液晶17の分子を規則的に並べるための処理層として、それぞれ配向膜16、16を有する。さらにスペーサー(図示せず)によって、第1の基板1と第2の基板22とを所定の間隙寸法をもって対向させ、第1の基板1と第2の基板22との間には、液晶17を封入している。
【0015】
さらに、第1の基板1あるいは、第2の基板22のいずれか一方の液晶17と反対の面に反射板25を有する。液晶表示装置の表示モード、例えば、相転移型ゲストホスト(pc−GH)モード、あるいは、ツイストネマティック(TN)モード等の種類により必要な場合と不要な場合とがある。液晶表示装置は自己発光しないため、信号電極3とデーター電極に外部回路より駆動波形を印加し、スイッチング素子11を介して、表示電極9と対向電極15との間の領域の液晶17の電圧と光学特性変化を利用し、さらに、反射板25の反射特性と外光とを利用し反射型の液晶表示装置は所定の画像表示を行う。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、従来の液晶表示装置では、プラスチック基板の熱安定性、あるいは、プラスチック基板を透過して液晶を劣化させる不純物イオンの防止膜、あるいは、膜の応力による反り、熱伝導性等により、プラスチック基板上に設ける膜の形成温度、あるいは、膜の種類を非常に限定するとともに、従来のガラス基板を利用する製造方法がほとんど使用できない状況である。
【0017】
さらに、二端子型スイッチング素子あるいは、三端子型スイッチング素子をプラスチック基板上に形成する場合には、各膜の性能、あるいは、多層による応力の発生等により、さらに複雑な工程が必要となり、さらに、スイッチング素子の特性の維持も難しい。
【0018】
また、カラーフイルターを有する場合においても、低コストで良質のカラーフイルターがガラス基板上で形成可能な現在、プラスチック基板上にカラーフイルターは、密着力の低下、製造工程の複雑さの点で大きく遅れている。さらに、カラーフイルターの露光時間が長時間かかるとの欠点および、パターンエッジが逆テーパーになるとの問題もある。
【0019】
また、基板上に設ける信号電極、あるいは/と対向電極の配線、あるいは非線形抵抗素子に欠陥が発生した場合に、従来の基板では、基板と欠陥部との接続を行い、欠陥部を目立たなくすることができなかった。
【0020】
本発明の目的は、上記課題を解決して、薄型かつ軽量で壊れにくい液晶表示装置を形成するための液晶表示装置の構造を提供することである。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の液晶表示装置においては、下記記載の構成を採用する。
【0022】
本発明の液晶表示装置は、第1の基板と第2の基板とを所定の間隔をもって対向し、
1の基板と第2の基板との間に封入する液晶とを備えた液晶表示装置において、第1の基板が、その表面に絶縁膜が被覆された金属基板であり、絶縁膜の表面には、第1の基板と離間して設けた信号電極と、その信号電極に接続するスイッチング素子と、当該スイッチング素子に接続する表示電極とが形成されており、表示電極を透光性とし、金属基板をグランド電位に接地して、この金属基板を表示電極の反射板として用いる構成を採用する。
【0023】
本発明の液晶表示装置は、第1の基板上の電極を形成する面の材料が、陽極酸化処理が可能な金属材料により構成された金属基板であり、この絶縁膜が陽極酸化膜である構成を採用する。
【0024】
本発明の液晶表示装置は、スイッチング素子を構成する金属膜の一部が、第1の基板に用いる材質と主成分が同一である構成を採用する。
【0025】
本発明の液晶表示装置は、スイッチング素子が、信号電極または表示電極のいずれかに接続する下部電極と、下部電極上に設ける非線形抵抗層と、この非線形抵抗層上に設ける上部電極からなる二端子型スイッチング素子である構成を採用する。
【0026】
本発明の液晶表示装置は、スイッチング素子が、信号電極に接続するゲート電極と、ゲート絶縁膜と、半導体層と、不純物イオンを含む半導体層と、データー電極に接続するソース電極と、表示電極に接続するドレイン電極とを有する三端子型スイッチング素子である構成を採用する
【0027】
【作用】
液晶表示装置を構成する第1の基板あるいは、第2の基板のいずれかに金属基板を利用する。さらに、金属基板は延伸してるため、薄型である。また、軽量でさらに割れにくい特徴を有する。しかし、金属基板上に直接信号電極、あるいは、データー電極を複数本設ける場合には、各電極間で電気的に短絡してしまう。そのため、金属基板上にまず絶縁膜を設ける。この絶縁膜はピンホール等の欠陥がないことが要求されるため、金属基板に陽極酸化性金属を採用する。さらに絶縁膜には陽極酸化膜を採用することにより、金属基板上には非常にピンホールの少ない絶縁膜を設けることができる。さらに、金属基板上に陽極酸化膜を設けた後に、さらに絶縁膜を設けてもよい。あるいは、ステンレス基板等に陽極酸化性金属膜を設け、この金属膜を陽極酸化処理により絶縁膜とすることにより金属基板の材質を広範囲に利用できる。
【0028】
さらに、金属基板を利用することにより、反射型液晶表示装置の反射板として利用できる。さらに、純度の優れる金属基板を利用することにより、従来のプラスチック基板に利用していた液晶への不純物イオンの透過防止用の膜を設ける必要がない。さらに、金属基板からの液晶への不純物イオンの混入を厳しくする場合においても、陽極酸化膜、あるいは、絶縁膜を形成することにより問題がなくなる。
【0029】
また、金属基板はプラスチック基板にように、低温において化学変化を起こすことがないため、安定である。そのため、金属基板上の絶縁膜上にスイッチング素子を形成することが可能となり、特性も向上できる。
【0030】
さらに、カラーフイルターを設ける場合においても、適度な温度での焼成が可能なため金属基板は有効である。さらに、カラーフイルターのパターン形成の露光工程の際に金属基板の反射特性を利用しカラーフイルターの裏面反射を利用し短時間でカラーフイルターを露光でき、さらに、均熱性がよく、裏面からの反射があるため、エッジでの逆テーパーが抑えられる。さらに、金属基板側に高温の必要な膜あるいは、応力の発生する膜を形成し、対向する基板にプラスチック基板を利用することにより、従来のプラスチック基板のみを利用する場合に比較し良好な液晶表示装置が可能となる。
【0031】
さらに、非線形抵抗素子の欠陥等が発生した場合に、金属基板と例えば表示電極とをレーザー溶融処理を行い、絶縁膜を除去し、金属基板と表示電極とを直接接続することにより、非線形抵抗素子の欠陥部の表示内容を金属基板により制御し、欠陥を目立たなくすることができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の液晶表示装置を実施するための最良の形態における液晶表示装置の構成を、図面を使用して説明する。
【0033】
はじめに本発明の第1の実施形態における二端子型スイッチング素子と二端子型スイッチング素子を用いる液晶表示装置の構成を、図1と図2を用いて説明する。図1は本発明の第1の実施形態における液晶表示装置の一部を拡大する平面図である。図2は図1の平面図のB−B線における断面を示す断面図である。以下、図1と図2を交互に用いて本発明の第1の実施形態を説明する。
【0034】
タンタル基板からなる第1の基板1上には、タンタルの陽極酸化膜である酸化タンタル(Ta2O5)からなる絶縁膜2を有する。酸化タンタル膜は、第1の基板1の表裏両面に設けてある。前記絶縁膜2上の一方には、タンタル膜からなる信号電極3と信号電極と一体構造の下部電極4とを設ける。さらに信号電極3上と下部電極4上には、非線形抵抗層5としてタンタル膜(Ta)の陽極酸化膜からなる酸化タンタル膜(Ta2 O5 )を設ける。ここで、タンタル基板1上の酸化タンタル2上にタンタル膜3、4を設けることにより、非常に密着力の良好な構成となる。また、タンタル基板1上の陽極酸化膜2と非線形抵抗層5との絶縁性は、陽極酸化処理の際の電圧を変更することにより達成することができる。
【0035】
さらに、前記下部電極4上の非線形抵抗層5を重なり合う上部電極6と上部電極6と一体構造からなる表示電極9を酸化インジウムスズ膜にて設ける。下部電極4と非線形抵抗層5と上部電極6によりスイッチング素子11を構成する。また、非線形抵抗層5と絶縁膜2がほぼ同一組成の膜のため、酸化インジウムスズ膜の密着力の差を防止でき、スイッチング素子11の近傍の上部電極6のパターン精度を向上することができる。
【0036】
さらに、絶縁膜2とスイッチング素子11と表示電極9上には、カラーフイルター40を設ける。カラーフイルター40は、感光性樹脂に顔料を含む材料をパターン形成する方法より形成する。
【0037】
さらに、以上の第1の基板1を液晶表示装置に利用する場合には、第1の基板1と対向する非常に薄いマイクロガラスシートからなる第2の基板22を設ける。この第2の基板22上には、第1の基板1上に設ける表示電極9と対向するように酸化インジウムスズ(ITO)膜からなる対向電極15を設ける。さらに対向電極15は、外部回路の信号を印加するためのデーター電極(図示せず)と接続する。
【0038】
さらに第1の基板1と第2の基板22とは、液晶17の分子を規則的に並べるための処理層として、それぞれ配向膜16、16を有する。さらにスペーサー(図示せず)によって、第1の基板1と第2の基板22とを所定の間隙寸法をもって対向させ、第1の基板1と第2の基板22との間に液晶17を封入する。さらに、第2の基板22上に偏光板24を有する。
【0039】
また、信号電極3とデーター電極に外部回路より駆動波形を印加し、スイッチング素子11を介して、表示電極9と対向電極15との間の液晶17に光学特性変化を発生させることにより液晶表示装置は所定の画像表示を行う。表示電極9と対向電極15により液晶画素を構成する。また、液晶表示装置は自己発光しないため、金属基板1の反射特性と外光とを利用し、観察者へ表示情報を提示する。
【0040】
表示電極9と対向電極15の間には、カラーフイルター40を有するため、表示電極9と対向電極15の間にごみ等の異物が混入した場合でも、表示電極9と対向電極15が電気的に短絡することが防止できる。また、反射型液晶表示装置の場合には、透過型液晶表示装置に比較して暗い表示のため、カラーフイルターの彩度を重視するより明るいカラーフイルター40の特性が重要なため、カラーフイルター40を薄くすることが可能となり、表示電極9と対向電極15間にカラーフイルター40を挿入しても表示品質を劣化させることがほとんどない。
【0041】
さらに、金属基板1を利用することにより、金属基板1をグランド電位に接地することにより、液晶表示装置の回路のノイズを外部に漏らすことの防止と、外部のノイズを回路へ進入することを防止できる。
【0042】
さらに、実験の結果、従来のプラスチック基板の場合には、工程中の最高温度を120℃までとしたが、本実施形態を利用することにより、200℃から250℃まで使用可能となったため、二端子型スイッチング素子の電流−電圧特性の向上とバラツキの低減が可能となり、良好な品質の液晶表示装置が可能となった。
【0043】
つぎに、本発明の第2の実施形態における液晶表示装置の構成を、図3と図4とを用いて説明する。本発明の第2の実施形態においては、信号電極と対向電極をスイッチング素子を介さずに設けるパッシブマトリクス型の液晶表示装置への本発明の応用例を示す。図3は本発明の第2の実施形態における液晶表示装置の一部を拡大する平面図である。図4は図3の平面図のC−C線における断面を示す断面図である。以下、図3と図4とを交互に用いて本発明の第2の実施形態を説明する。
【0044】
アルミニウム基板からなる第1の基板1上には、アルミニウム(Al)の陽極酸化膜である酸化アルミニウム(Al2O3)からなる絶縁膜2を有する。陽極酸化よりにより、酸化アルミニウム膜は第1の基板1の表裏両面に設けてある。前記絶縁膜2上には、酸化インジウムスズ膜からなる信号電極3を設ける。この信号電極は表示電極9を兼用するためストライプ形状をしている。アルミニウム基板を利用するため、反射効率を良好にすることができる。さらに、アルミニウム基板は延伸処理を行い、薄箔に加工後に電界エッチング処理により鏡面加工してある。そのため陽極酸化膜の平坦性も非常に良好である。
【0045】
さらに、以上の第1の基板1を液晶表示装置に利用する場合には、第1の基板1と対向するプラスチック基板からなる第2の基板22を設ける。この第2の基板22上には、第1の基板1上に設ける表示電極9と対向するように酸化インジウムスズ(ITO)膜からなる対向電極15を設ける。さらに対向電極15は、外部回路の信号を印加するためのデーター電極(図示せず)と接続する。
【0046】
さらに第1の基板1と第2の基板22とは、液晶17の分子を規則的に並べるための処理層として、それぞれ配向膜16、16を有する。さらにスペーサー(図示せず)によって、第1の基板1と第2の基板22とを所定の間隙寸法をもって対向させ、第1の基板1と第2の基板22との間に液晶17を封入する。さらに、第2の基板22上に偏光板24を有する。
【0047】
また、信号電極3とデーター電極に外部回路より駆動波形を印加し、スイッチング素子11を介して、表示電極9と対向電極15との間の液晶17に光学特性変化を発生させることにより液晶表示装置は所定の画像表示を行う。表示電極9と対向電極15により液晶画素を構成する。また、液晶表示装置は自己発光しないため、金属基板1の反射特性と外光とを利用し、観察者へ表示情報を提示する。
【0048】
さらに、金属基板1を利用することにより、金属基板1をグランド電位に接地することにより、液晶表示装置の回路のノイズを外部に漏らすことの防止と、外部のノイズを回路へ進入することを防止できる。
【0049】
また、第1の基板1上に偏光板が必要な場合には、例えば、金属基板1上に配向膜を形成し、ポリマー液晶を紫外線にて硬化処理を行う方法がある。さらに、液晶17と配向膜16のプレチルト角を大きくする場合には、金属基板1の表面に指向性を持たせて凹凸を形成し、陽極酸化処理を行うことにより配向性を有する絶縁膜を設けることができる。
【0050】
つぎに、本発明の第3の実施形態における三端子型スイッチング素子と三端子型スイッチング素子を用いる液晶表示装置の構成を、図5と図6を用いて説明する。図5は本発明の第3の実施形態における液晶表示装置の一部を拡大する平面図である。図6は図5の平面図のD−D線における断面を示す断面図である。以下、図5と図6を交互に用いて本発明の第3の実施形態を説明する。
【0051】
アルミニウムに高融点金属を含む金属基板としてアルミニウムにタンタルを含む基板からなる第1の基板1上には、アルミニウムとタンタルの複合膜の陽極酸化膜である酸化アルミニウムと酸化タンタルの複合酸化膜(Al2O3:Ta2O5)からなる絶縁膜2を有する。合金基板を利用することにより、アルミニウムの反射率に近い反射効率と熱処理による劣化の防止を同時に達成することができる。また、陽極酸化処理により、複合酸化膜は第1の基板1の表裏両面に設けてある。前記絶縁膜2上には、タンタル膜からなる信号電極3と信号電極と一体構造のゲート電極35とを設ける。さらに信号電極3上とゲート電極35上には、タンタル膜の陽極酸化膜からなるゲート絶縁膜34を設ける。ここで、アルミニウムとタンタルからなる金属基板1上の複合酸化膜2上にタンタル膜3、35を設けることにより、非常に密着力の良好な構成となる。
【0052】
ゲート絶縁膜34とその周囲には半導体層36を設ける。ゲート電極35と重なる半導体層36上には、データー電極30に接続するソース電極31と表示電極9に接続するドレイン電極32を設ける。また、半導体層36とソース電極およびドレイン電極との間には不純物イオンを含むn型半導体層37を設ける。ささらに、ソース電極31とドレイン電極32との間の半導体層36上には、薄膜トランジスターのチャネル部分の特性の劣化防止のために保護用絶縁膜38を設ける。以上により三端子型スイッチング素子である薄膜トランジスター41となる。ここで、特に薄膜トランジスター41の特性上重要であるゲート絶縁膜34と半導体層33とは300℃程度の温度が必要なため、特に金属基板1が有効となる。さらに、金属基板1は熱伝導が良好であること、さらに金属基板1に引っ張り応力を掛けておくことにより金属基板1の反りを減少することが可能となる。
【0053】
さらに、以上の第1の基板1を液晶表示装置に利用する場合には、第1の基板1と対向するプラスチック基板からなる第2の基板22を設ける。この第2の基板22上には、全面に酸化インジウムスズ(ITO)膜からなる対向電極15を設ける。酸化インジウムスズ膜のパターン形成を必要としないため、プラスチック基板22においても、使用に耐え、さらに酸化インジウムスズ膜がプラスチック基板22を透過し、液晶17へ混入する不純物イオンを防止する。
【0054】
さらに第1の基板1と第2の基板22とは、液晶17の分子を規則的に並べるための処理層として、それぞれ配向膜16、16を有する。さらにスペーサー(図示せず)によって、第1の基板1と第2の基板22とを所定の間隙寸法をもって対向させ、第1の基板1と第2の基板22との間に液晶17を封入する。本実施形態においては、相転移型ゲストホスト(pc−GH)モードを利用しているため、偏光板は必要としない。
【0055】
また、信号電極3とデーター電極に外部回路より駆動波形を印加し、薄膜トランジスター36を介して、表示電極9と対向電極15との間の液晶17に光学特性変化を発生させることにより液晶表示装置は所定の画像表示を行う。表示電極9と対向電極15により液晶画素を構成する。また、液晶表示装置は自己発光しないため、金属基板1の反射特性と外光とを利用し、観察者へ表示情報を提示する。
【0056】
つぎに本発明の第4の実施形態における二端子型スイッチング素子と二端子型スイッチング素子を用いる液晶表示装置の構成を、図7と図8を用いて説明する。図7は本発明の第4の実施形態における液晶表示装置の一部を拡大する平面図である。図8は図7の平面図のE−E線における断面を示す断面図である。以下、図7と図8を交互に用いて本発明の第4の実施形態を説明する。
【0057】
アルミニウムにシリコンを含む金属基板からなる第1の基板1の表面には可視光の波長(400ナノメートルから800ナノメートル)の凹凸を設ける。また凹部凸部の傾斜角度は45゜以内とし、散乱面とする。金属基板1の反りを防止する方法として裏面にも同様に凹凸を設けている。さらに、第1の基板1上には、シリコンとアルミニウムの陽極酸化膜である酸化アルミニウムと酸化シリコンからなる複合酸化膜(Al2O3:SiO2)からなる絶縁膜2を有する。陽極酸化により、複合酸化膜は第1の基板1の表裏両面に設けてある。前記絶縁膜2上には、アルミニウム膜からなる信号電極3と信号電極と一体構造の下部電極4とを設ける。さらに信号電極3上と下部電極4上と絶縁膜2上とには、非線形抵抗層5として炭素(C)と水素(H)合金膜を設ける。信号電極3あるいは下部電極4にアルミニウム膜を用いることにより金属基板1への応力を非常に低減でき、金属基板1の反りを防止できる。さらに、合金膜からなる非線形抵抗層5を全面に設けることにより金属基板1から液晶17への不純物イオンの混入のバリヤー層となる。さらに、金属基板1の表面に凹凸を有するため、表示電極9と金属基板1との電気的短絡の防止にも兼用できる。
【0058】
さらに、前記下部電極4上の非線形抵抗層5と重なり合う上部電極6と上部電極6と一体構造からなる表示電極9を酸化インジウムスズ膜にて設ける。下部電極4と非線形抵抗層5と上部電極6によりスイッチング素子11を構成する。ここで、金属基板1を溶液中において再度電圧を印加し、金属基板1と表示電極9とが電気的短絡を起こしている部分の酸化インジウムスズ膜を電界エッチングする。これにより、図7に示すように、短絡部52の周囲にエッチング孔51を設けることが可能となり、金属基板1と表示電極9の電位的短絡が修正でき、表示電極9は表示可能となる。
【0059】
さらに、以上の第1の基板1を液晶表示装置に利用する場合には、第1の基板1と対向するプラスチック基板からなる第2の基板22を設ける。この第2の基板22上には、第1の基板1上に設ける表示電極9と対向するように酸化インジウムスズ(ITO)膜からなる対向電極15を設ける。さらに対向電極15は、外部回路の信号を印加するためのデーター電極(図示せず)と接続する。
【0060】
さらに第1の基板1と第2の基板22とは、液晶17の分子を規則的に並べるための処理層として、それぞれ配向膜16、16を有する。さらにスペーサー(図示せず)によって、第1の基板1と第2の基板22とを所定の間隙寸法をもって対向させ、第1の基板1と第2の基板22との間に液晶17を封入する。本実施形態においては、相転移型ゲストホスト(pc−GH)モードを利用しているため、偏光板は必要としない。
【0061】
また、信号電極3とデーター電極に外部回路より駆動波形を印加し、スイッチング素子11を介して、表示電極9と対向電極15との間の液晶17に光学特性変化を発生させることにより液晶表示装置は所定の画像表示を行う。表示電極9と対向電極15により液晶画素を構成する。また、液晶表示装置は自己発光しないため、金属基板1の反射特性と外光とを利用し、観察者へ表示情報を提示する。
【0062】
本実施形態を利用することにより、散乱面を有する反射板として金属基板1を利用する場合においても、金属基板1上の絶縁膜2の被服性と非線形抵抗層5のほぼ全面に形成する方式と、表示電極9を形成後に再度電圧を印加し、表示電極9と金属基板1との電気的短絡部を電界エッチング処理により除去する方式を利用することにより欠陥の少ない、明るく、破壊しにくい液晶表示装置を得ることができる。
【0063】
つぎに本発明の第5の実施形態における二端子型スイッチング素子と二端子型スイッチング素子を用いる液晶表示装置の構成を、図9と図10を用いて説明する。図9は本発明の第5の実施形態における液晶表示装置の一部を拡大する平面図である。図10は図9の平面図のF−F線における断面を示す断面図である。以下、図9と図10を交互に用いて本発明の第5の実施形態を説明する。
【0064】
アルミニウムにシリコンを含む金属基板からなる第1の基板1の表面にはシリコンとアルミニウムの陽極酸化膜である酸化アルミニウムと酸化シリコンからなる複合酸化膜(Al2O3:SiO2)からなる絶縁膜2を有する。陽極酸化により絶縁膜2を設けるため、絶縁膜2は、第1の基板1の表裏両面に設けてある。前記絶縁膜2の片面には絶縁膜2の形成されていない複数の開口部53を有する。また、金属基板1の主成分であるアルミニウと同様のアルミニウム(Al)膜からなる下部電極4を第1の基板2の表面に設ける開口部53と接続部54で接続し、さらに絶縁膜2上に張り出す形状にて設ける。図9には、最終的に下部電極4と一体構造の接続部54は除去されるため、破線にて示してある。下部電極4と接続部54上とには、非線形抵抗層5としてアルミニウム膜の陽極酸化膜である酸化アルミニウム(Al2O3)を設ける。ここで、信号電極3あるいは下部電極4にアルミニウム膜を用いることにより金属基板1への応力を非常に低減でき、金属基板1の反りを防止できる。また、下部電極4上に非線形抵抗層5を下部電極4の一部を陽極酸化処理するための電極として金属基板1と金属基板上の開口部53と接続部54とを利用する方法を採用する。金属基板1を陽極酸化処理の電極として利用するため、非常に低抵抗であり、また、断線の心配がないため、大きな欠陥となることがなくなる。
【0065】
さらに、前記下部電極4上の非線形抵抗層5と重なり合いう上部電極とした2種類の上部電極を設ける。まず、アルミニウム(Al)膜からなる信号電極3と信号電極3と一体構造の信号電極用上部電極54を設ける。さらに、アルミニウム(Al)膜からなる表示電極9と表示電極9と一体構造の表示電極用上部電極55を設ける。信号電極3と表示電極9との間には2個の非線形抵抗素子56、57とを有する。第1の非線形抵抗素子56は、信号電極3に接続する信号電極用上部電極54と非線形抵抗層5下部電極4とにより構成し、第2の非線形抵抗層57は、表示電極9と接続する表示電極用上部電極55と非線形抵抗層5と下部電極4とにより構成する。また、下部電極4と金属基板1との接続を行う接続部54の一部を除去することにより、信号電極3と表示電極9との間には2個の非線形抵抗素子56、57が有効となる。
【0066】
また、金属基板1と下部電極4と上部電極6とをアルミニウムあういは、アルミニウムを主成分とする合金膜より形成形成することにより、熱膨張を同一にすることができるため、温度の上下による膜の歪等を非常に小さくすることができる。さらに、膜の応力を小さくできるため、非線形抵抗素子56、57の特性の向上と、低温での膜の密着力の向上になる。
【0067】
さらに、以上の第1の基板1を液晶表示装置に利用する場合には、第1の基板1と対向するプラスチック基板からなる第2の基板22を設ける。この第2の基板22上には、第1の基板1上に設ける表示電極9と対向するように酸化インジウムスズ(ITO)膜からなる対向電極15を設ける。さらに対向電極15は、外部回路の信号を印加するためのデーター電極(図示せず)と接続する。
【0068】
さらに第1の基板1と第2の基板22とは、液晶17の分子を規則的に並べるための処理層として、それぞれ配向膜16、16を有する。さらにスペーサー(図示せず)によって、第1の基板1と第2の基板22とを所定の間隙寸法をもって対向させ、第1の基板1と第2の基板22との間に液晶17を封入する。本実施形態においては、相転移型ゲストホスト(pc−GH)モードを利用しているため、偏光板は必要としない。
【0069】
また、信号電極3とデーター電極に外部回路より駆動波形を印加し、スイッチング素子11を介して、表示電極9と対向電極15との間の液晶17に光学特性変化を発生させることにより液晶表示装置は所定の画像表示を行う。表示電極9と対向電極15により液晶画素を構成する。また、液晶表示装置は自己発光しないため、金属基板1の反射特性と外光とを利用し、観察者へ表示情報を提示する。
【0070】
本実施形態を利用することにより、反射板として金属基板1上の絶縁膜2上に反射効率の良好な表示電極9を有するため、明るく、破壊しにくい液晶表示装置を得ることができる。
【0071】
つぎに本発明の第6の実施形態における二端子型スイッチング素子と二端子型スイッチング素子を用いる液晶表示装置の構成を、図11と図12を用いて説明する。第6の実施形態は、第5の実施形態における二端子型スイッチング素子の非線形抵抗素子に欠陥が発生した際の欠陥救済後の構成を示す。図11は本発明の第6の実施形態における液晶表示装置の一部を拡大する平面図である。図12は図11の平面図のG−G線における断面を示す断面図である。以下、図11と図12を交互に用いて本発明の第6の実施形態を説明する。
【0072】
アルミニウムにシリコンを含む金属基板からなる第1の基板1の表面にはシリコンとアルミニウムの陽極酸化膜である酸化アルミニウムと酸化シリコンからなる複合酸化膜(Al2O3:SiO2)からなる絶縁膜2を有する。陽極酸化により絶縁膜2を設けるため、絶縁膜2は、第1の基板1の表裏両面に設けてある。前記絶縁膜2の片面には絶縁膜2の形成されていない複数の開口部53を有する。また、金属基板1の主成分であるアルミニウと同様のアルミニウム(Al)膜からなる下部電極4を第1の基板2の表面に設ける開口部53と接続部54で接続し、さらに絶縁膜2上に張り出す形状にて設ける。図11には、最終的に下部電極4と一体構造の接続部54は除去されるため、破線にて示してある。下部電極4と接続部54上とには、非線形抵抗層5としてアルミニウム膜の陽極酸化膜である酸化アルミニウム(Al2O3)を設ける。ここで、信号電極3あるいは下部電極4にアルミニウム膜を用いることにより金属基板1への応力を非常に低減でき、金属基板1の反りを防止できる。また、下部電極4上に非線形抵抗層5を下部電極4の一部を陽極酸化処理するための電極として金属基板1と金属基板上の開口部53と接続部54とを利用する方法を採用する。金属基板1を陽極酸化処理の電極として利用するため、非常に低抵抗であり、また、断線の心配がないため、大きな欠陥となることがなくなる。
【0073】
さらに、前記下部電極4上の非線形抵抗層5と重なり合いう上部電極とした2種類の上部電極を設ける。まず、アルミニウム(Al)膜からなる信号電極3と信号電極3と一体構造の信号電極用上部電極54を設ける。さらに、アルミニウム(Al)膜からなる表示電極9と表示電極9と一体構造の表示電極用上部電極55を設ける。信号電極3と表示電極9との間には2個の非線形抵抗素子56、57とを有する。第1の非線形抵抗素子56は、信号電極3に接続する信号電極用上部電極54と非線形抵抗層5下部電極4とにより構成し、第2の非線形抵抗層57は、表示電極9と接続する表示電極用上部電極55と非線形抵抗層5と下部電極4とにより構成する。また、下部電極4と金属基板1との接続を行う接続部54の一部を除去することにより、信号電極3と表示電極9との間には2個の非線形抵抗素子56、57が有効となる。
【0074】
また、金属基板1と下部電極4と上部電極6とをアルミニウムあういは、アルミニウムを主成分とする合金膜より形成形成することにより、熱膨張を同一にすることができるため、温度の上下による膜の歪等を非常に小さくすることができる。さらに、膜の応力を小さくできるため、非線形抵抗素子56、57の特性の向上と、低温での膜の密着力の向上になる。
【0075】
さらに、本実施形態においては、非線形抵抗素子56の箇所に断線が発生し、表示電極9に信号電極3の信号が印加できないため、金属基板1と表示電極9とをレーザーにより溶着し、絶縁膜2を介することなく金属基板1と表示電極9とを接続する部分として表示電極接続部58と、下部電極4と金属基板1とを同様にレーザーにより溶着し、絶縁膜2を介することなく金属基板1と下部電極4とを接続する部分として下部電極接続部59とを設けている。どちらか一方を設けることにより金属基板1と表示電極9とを接続することができる。以上により、表示電極9に金属基板1を介して信号を印加することが可能となるため、欠陥部を認識し難くできる。
【0076】
さらに、以上の第1の基板1を液晶表示装置に利用する場合には、第1の基板1と対向するプラスチック基板からなる第2の基板22を設ける。この第2の基板22上には、第1の基板1上に設ける表示電極9と対向するように酸化インジウムスズ(ITO)膜からなる対向電極15を設ける。さらに対向電極15は、外部回路の信号を印加するためのデーター電極(図示せず)と接続する。
【0077】
さらに第1の基板1と第2の基板22とは、液晶17の分子を規則的に並べるための処理層として、それぞれ配向膜16、16を有する。さらにスペーサー(図示せず)によって、第1の基板1と第2の基板22とを所定の間隙寸法をもって対向させ、第1の基板1と第2の基板22との間に液晶17を封入する。本実施形態においては、相転移型ゲストホスト(pc−GH)モードを利用しているため、偏光板は必要としない。
【0078】
また、信号電極3とデーター電極に外部回路より駆動波形を印加し、スイッチング素子11を介して、表示電極9と対向電極15との間の液晶17に光学特性変化を発生させることにより液晶表示装置は所定の画像表示を行う。表示電極9と対向電極15により液晶画素を構成する。また、液晶表示装置は自己発光しないため、金属基板1の反射特性と外光とを利用し、観察者へ表示情報を提示する。
【0079】
本実施形態を利用することにより、反射板として金属基板1上の絶縁膜2上に反射効率の良好な表示電極9を有するため、明るく、破壊しにくい液晶表示装置を得ることができる。
【0080】
つぎに、本発明の第7の実施形態における三端子型スイッチング素子と三端子型スイッチング素子を用いる液晶表示装置の構成を、図13と図14を用いて説明する。図13は本発明の第7の実施形態における液晶表示装置の一部を拡大する平面図である。図14は図13の平面図のH−H線における断面を示す断面図である。以下、図13と図14とを交互に用いて本発明の第7の実施形態を説明する。
【0081】
タンタルからなる第1の基板1上には、タンタルの陽極酸化膜である酸化タンタル膜(Ta2O5)からなる絶縁膜2を有する。また、陽極酸化処理により、絶縁膜2は第1の基板1の表裏両面に設けてある。前記絶縁膜2上には、タンタル膜からなる信号電極3と信号電極と一体構造のゲート電極35と、信号電極3と一定の間隔を有して設ける共通電極41と共通電極41と一体構造の櫛歯型電極42とを設ける。さらに信号電極3上とゲート電極35上と共通電極41と櫛歯型電極42とには、タンタル膜の陽極酸化膜からなるゲート絶縁膜34を設ける。ここで、タンタルからなる金属基板1上の酸化タンタル2上にタンタル膜3、35を設けることにより、非常に密着力の良好な構成となる。
【0082】
ゲート絶縁膜34とその周囲には半導体層36を設ける。ゲート電極35と重なる半導体層36上には、データー電極30に接続するソース電極31と櫛歯型電極42と一定の間隙を有して設ける表示電極9と、表示電極9に接続するドレイン電極32を設ける。また、半導体層36とソース電極およびドレイン電極との間には不純物イオンを含むn型半導体層37を設ける。ささらに、ソース電極31とドレイン電極32との間の半導体層36上には、薄膜トランジスターのチャネル部分の特性の劣化防止のために保護用絶縁膜38を設ける。以上により三端子型スイッチング素子である薄膜トランジスター41となる。
【0083】
さらに、以上の第1の基板1を液晶表示装置に利用する場合には、液晶17に電圧を印加するための電極は、表示電極9と櫛歯型電極42により形成されているため、液晶17を第1の基板1と所定の間隙を有する基板により密閉するだけでよい。そのため、高分子フィルムを第1の基板1上に熱圧着により張り付ける方式でもよい。
【0084】
そのため、本実施形態を利用することにより第1の基板1に対向する基板の材質等の利用範囲を拡大することができる。また、信号電極3とデーター電極に外部回路より駆動波形を印加し、薄膜トランジスター36を介して、表示電極9と櫛歯型電極42との間の液晶17に光学特性変化を発生させることにより液晶表示装置は所定の画像表示を行う。また、液晶表示装置は自己発光しないため、金属基板1の反射特性と外光とを利用し、観察者へ表示情報を提示する。
【0085】
【発明の効果】
以上の説明から明かなように、以上の説明から明かなように、第1の基板1に金属基板を利用し、第1の基板1上に絶縁膜を有する構造を利用することにより熱的に安定で、かつ薄型で壊れない基板を構成できる。さらに、絶縁膜2として金属基板を陽極酸化処理することにより形成する陽極酸化膜を利用することにより、絶縁膜の形成が極めて簡単で、かつピンホールのない膜が得られる。また、金属基板の反射特性を利用し、反射型液晶表示装置の反射板とすることができる。
【0086】
また、金属基板と二端子型スイッチング素子の構造、および三端子型スイッチング素子の構造と組み合わせることにより、ガラス基板では達成することのできない強度と、プラスチック基板では達成することのできないスイッチング素子の電流−電圧特性を得ることができる。
【0087】
さらに、カラーフイルターを金属基板上に設けることにより、金属基板の反射を利用しカラーフイルターの露光時間の短縮が可能となる。さらに、透明基板で発生する基板裏面からの戻り光によるパターンズレも完全に防止することができる。
【0088】
さらに、表示電極を形成後に、再度金属基板を陽極酸化処理することにより表示電極と金属基板との電気的短絡部分の電界エッチング処理が可能となり、欠陥救済が可能となる。そのため、金属基板を利用することによる弊害を防止できる。
【0089】
さらに、金属基板と表示電極を絶縁膜を介することなく接続することにより、金属基板を介して信号を表示電極に印加することが可能となり、欠陥部を認識し難くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における液晶表示装置の平面構造を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態における液晶表示装置の断面構造を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施形態における液晶表示装置の平面構造を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施形態における液晶表示装置の断面構造を示す図である。
【図5】本発明の第3の実施形態における液晶表示装置の平面構造を示す図である。
【図6】本発明の第3の実施形態における液晶表示装置の断面構造を示す図である。
【図7】本発明の第4の実施形態における液晶表示装置の平面構造を示す図である。
【図8】本発明の第4の実施形態における液晶表示装置の断面構造を示す図である。
【図9】本発明の第5の実施形態における液晶表示装置の平面構造を示す図である。
【図10】本発明の第5の実施形態における液晶表示装置の断面構造を示す図である。
【図11】本発明の第6の実施形態における液晶表示装置の平面構造を示す図である。
【図12】本発明の第6の実施形態における液晶表示装置の断面構造を示す図である。
【図13】本発明の第7の実施形態における液晶表示装置の平面構造を示す図である。
【図14】本発明の第7の実施形態における液晶表示装置の断面構造を示す図である。
【図15】従来例における液晶表示装置の平面構造を示す図である。
【図16】従来例における液晶表示装置の断面構造を示す図である。
【符号の説明】
1 第1の基板(金属基板)
2 絶縁膜
3 信号電極
4 下部電極
5 非線形抵抗層
6 上部電極
9 表示電極
11 スイッチング素子
15 対向電極
16 配向膜
17 液晶
22 第2の基板
24 偏向板
31 ソース電極
32 ドレイン電極
33 半導体層
34 ゲート絶縁膜
35 ゲート電極
42 櫛歯型電極
51 エッチング孔

Claims (4)

  1. 第1の基板と第2の基板とを所定の間隔をもって対向し、前記第1の基板と第2の基板との間に封入する液晶とを備えた液晶表示装置において、
    前記第1の基板は、その基板の表裏両面に凹凸が形成された金属基板であり、
    前記金属基板の表裏両面に形成された前記凹凸は、ともに絶縁膜被覆されており、
    前記金属基板の表裏両面に形成された前記凹凸の内、液晶側に位置する前記絶縁膜の表面には、前記第1の基板と離間して設けた信号電極と、その信号電極に接続するスイッチング素子と、当該スイッチング素子に接続する表示電極と、が形成されており、
    前記表示電極を透光性とし、前記金属基板をグランド電位に接地して、この金属基板を前記表示電極の反射板として用いることを特徴とする液晶表示装置。
  2. 前記第1の基板の電極を形成する面の材料は、陽極酸化処理が可能な金属材料により構成された金属基板であり、前記絶縁膜は陽極酸化膜であることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
  3. 前記スイッチング素子を構成する金属膜の一部は、前記第1の基板に用いる材質と主成分が同一であることを特徴とする請求項1または2に記載の液晶表示装置。
  4. 前記スイッチング素子は、前記信号電極または前記表示電極のいずれかに接続する下部電極と、当該下部電極上に設ける非線形抵抗層と、当該非線形抵抗層上に設ける上部電極とを有する二端子型スイッチング素子であり、
    前記スイッチング素子を構成する前記金属膜の一部は、前記非線形抵抗層であり、
    前記非線形抵抗層は、前記下部電極とともに露出する前記絶縁膜を被覆するように、前記第1の基板の全面に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の液晶表示装置。
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