JP3829540B2 - 電気光学装置および投射型表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気光学装置とその製造方法および投射型表示装置に関し、特に、電気光学装置を一つだけ用いる投射型表示装置に適した電気光学装置の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
投射型液晶表示装置は、赤、緑、青の3原色に対応させて液晶パネルを3枚使用する3板式のものと、1枚の液晶パネルと色生成手段とから構成される単板式のものとに大別される。単板式の投射型液晶表示装置は、構成が複雑かつ高価であるという3板式の欠点を克服することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、単板式投射型液晶表示装置用のTFTアレイ基板と3板式投射型液晶表示装置用のTFTアレイ基板とを比較した場合、単板式の場合、3板式に比べて画素数が3倍になることで開口率が低下する、という問題を抱えている。つまり、3板式用のTFTアレイ基板であれば、図15に示した3つの画素は1つの画素となり、この領域で1つの開口領域を形成することができるが、単板式の場合、この図の通り、3原色に対応する各画素毎に画素電極225r、225g、225bに隣接してデータ線222が設けられ、この領域に遮光領域が形成されるために開口率が低下するのである。ここで画素の開口領域とは隣接する2本のデータ線と隣接する2本の走査線とで囲まれた矩形状の領域であり、逆にデータ線や走査線が配置された領域は遮光領域となる。
【0004】
さらに、開口領域が小さくなることに起因して、光が透過する際に光の回折が生じるようになる。この影響により、光の透過率(光の利用効率)がさらに低下するという問題も生じる。
【0005】
また、3原色に対応する3つの画素を合わせて正方形状の画素とする関係から、各色毎の画素は長方形状となる。一方、上述したように、液晶ライトバルブにマイクロレンズアレイを備える場合、各マイクロレンズは円形であるため、図15に示すように、3原色に対応する3つの画素R、G、Bを含むように1個のマイクロレンズ226が配置される(マイクロレンズの外形を2点鎖線で示す)。ところが、このような構成であると、図16に示す配置の場合、中央にある「G」の画素に多く、その両側の「R」および「B」の画素に少ない光が入射されることになり、各色毎の透過光量が不均等になる。この問題を解決するためには、各色毎の画素形状に対応させて縦長楕円形のマイクロレンズ227(その外形を破線で示す)を設けることも考えられるが、このような形状のマイクロレンズでは集光効率が低く、光の利用効率をあまり上げることが出来ない。
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、従来構造の装置に比べて開口率の向上および光の利用効率の向上を図ることができ、例えば単板式の投射型表示装置等に用いて好適な電気光学装置とその製造方法、およびこれを用いた投射型表示装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の電気光学装置は、一対の基板間に電気光学材料が挟持されてなり、前記一対の基板のうちの一方の基板上に、互いに交差する複数の走査線配置領域と複数のデータ線配置領域と、前記走査線配置領域と前記データ線配置領域とに囲まれ且つマトリクス状に配置された複数の正方形の画素開口領域とを有し、入射光を前記各画素開口領域に向けて集光する複数のマイクロレンズが設けられた電気光学装置であって、前記各画素開口領域内に設けられ、赤、緑、青の色にそれぞれ対応する3つの画素電極と、前記画素電極の各々にそれぞれ接続された3つのスイッチング素子とを具備し、前記各走査線配置領域内に1本以上の走査線が配置されると共に、前記画素開口領域を間に挟む走査線配置領域内の2本の走査線により、前記3つのスイッチング素子が駆動され、前記各データ線配置領域内に2本または3本のデータ線が配置されると共に、前記3つの画素電極それぞれに対して、前記画素開口領域の両側に隣接するデータ線配置領域内の2本または3本のデータ線のいずれかから前記スイッチング素子を介して画像信号が供給され、前記画素開口領域が、円形を120°ずつに3等分した扇形に近い形状に3等分され、該3等分した領域がそれぞれ前記赤、緑、青の色光に対応しており、前記各画素電極は、前記赤、緑、青の色光に対応する3等分された領域のそれぞれに対応して設けられると共に、前記画素開口領域の中心から放射状に延びる線分で分割された形状を一部有するように形成されており、前記マイクロレンズの中心が前記画素開口領域の中心の位置に一致するように、前記マイクロレンズが設けられていることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、マトリクス状に配置された画素開口領域それぞれに複数の画素電極を配置するようにしたものである。このようにすることにより、遮光領域を小さくすることができるため、従来に比べて開口率を向上させることができる。例えば、データ線配置領域と走査線配置領域において、走査線配置領域には1本以上の走査線を、データ線配置領域には2本または3本等のデータ線をまとめて配置し、これらのデータ線から当該画素開口領域内の複数の画素電極に画像信号を供給できるようにすれば良い。
【0009】
本発明の電気光学装置は、一対の基板間に電気光学材料が挟持されてなり、前記一対の基板のうちの一方の基板上に、互いに交差する複数の走査線配置領域と複数のデータ線配置領域と、前記走査線配置領域と前記データ線配置領域とに囲まれた領域であって基板上にマトリクス状に配置された複数の画素開口領域とを有し、各画素開口領域内に、3つの異なる色光にそれぞれ対応する3つの画素電極と、これら画素電極の各々にそれぞれ接続された3つのスイッチング素子とが設けられた構成となっていることとすることができる。
【0010】
さらに前記各走査線配置領域内に1本以上の走査線が配置されるとともに前記各データ線配置領域内に2本または3本のデータ線が配置され、前記3つの画素電極それぞれに対して、これら画素電極を含む画素開口領域の両側に隣接する前記データ線配置領域内の2本または3本のデータ線のいずれかから前記スイッチング素子を介して画像信号が供給される構成となっていることが好ましい。
【0011】
従来の電気光学装置においては、例えば単板式投射型表示装置用として「発明が解決しようとする課題」の項に提示したように、3つの異なる色光に対応する各画素毎に画素電極に隣接してデータ線が設けられており、3つの異なる色光に対応する3つの画素を1つの単位と見たときに1単位内が遮光領域で分割された3つの開口領域となっていた。これに対して、本発明の電気光学装置は、マトリクス状に配置された画素開口領域それぞれに3つの画素電極を配置するようにしたものである。このようにすることにより、遮光領域を小さくすることができるため、従来に比べて開口率を向上させることができる。
【0012】
上記のような画素電極の配置を可能にするためには、データ線配置領域と走査線配置領域において、走査線配置領域には1本以上の走査線を、データ線配置領域には2本または3本のデータ線をまとめて配置し、これらのデータ線から当該画素開口領域内の3つの画素電極に画像信号を供給できるようにすれば良い。
【0013】
また上記データ線配置領域内に2本または3本のデータ線をまとめて配置する点に関して、1つの画素開口領域内に3つの画素電極が存在するわけであるから、3本のデータ線をまとめて配置するのは考えやすいが、1つのデータ線配置領域内に2本のデータ線をまとめる構成でもよい。すなわち、1つの画素開口領域に注目すれば、その周囲には2本のデータ線と2本の走査線が配置されている。よって、1つの画素開口領域に隣接して4つのスイッチング素子を設けることができるが、そのうちの3つを用いれば、3つの画素電極に対して問題なく画像信号を供給することができる。
【0014】
1つのデータ線配置領域内に設ける2本または3本のデータ線は、同一の配線層上に並列させるように形成してもよいが、データ線間を互いに短絡させることなく、配線を引き回して同一の配線層上に配置するのが困難な場合もある。その場合は、上記各データ線配置領域内に配置するデータ線の数を2本とし、層間絶縁膜を間に挟む2層の配線層からなる2本のデータ線(上層側データ線、下層側データ線)としてもよい。
【0015】
この構成によれば、2本のデータ線を同一の配線層で形成するのではなく、異なる2層の配線層を用いて形成するため、データ線間を短絡させないための配線の引き回しが容易になり、配線の設計を容易に行うことができる。
【0016】
異なる2層の配線層を用いて2本のデータ線を形成する場合、前記上層側データ線、下層側データ線の各々を、平面視した際にこれらデータ線の少なくとも一部が重なるように配置することが望ましい。
【0017】
この構成によれば、上層側データ線と下層側データ線が重なる部分を多くすればする程、平面視した際のデータ線の占有面積を小さくできるため、遮光領域を狭くすることができ、開口率を向上することができる。
【0018】
また、電気光学装置を構成する基板は、データ線と走査線の2層の配線層を元来有しているので、本発明における電気光学装置の上層側データ線、下層側データ線となる配線層にはこの配線層を用いるとよい。例えば、スイッチング素子がTFTである場合、通常は層間絶縁膜を挟んで走査線が下層側、データ線が上層側にあることになる。そこで、前記下層側データ線は走査線と同一配線層で形成することができる。ただし、ここで言う「同一配線層」とは、同じ層上に位置する配線層という意味であって、材料までが全く同一の配線層という意味ではない。ところが、ただ単に下層側データ線を走査線と同一配線層で形成すると、データ線と走査線の交差点では下層側データ線と走査線とが短絡してしまう。したがって、下層側データ線と走査線との交差点では、下層側データ線を上に持ち上げて上層側データ線と同一配線層上に形成し、走査線と立体交差する構成とすればよい。その時、上層側データ線と下層側データ線はあくまでも別の画像信号を供給する配線であるから、下層側データ線の持ち上げた部分を上層側データ線と接触しないように配置することは勿論である。
【0019】
また、下層側データ線と走査線との交差点のより具体的な構成としては、下層側データ線を隣接する2本の走査線間で分断し、その端部を、層間絶縁膜を貫通するコンタクトホールを介して、上層側データ線と同一配線層上に形成するとともに上層側データ線と接触しないように配置した他の上層側データ線と接続すればよい。すなわち、ここで言う他の上層側データ線が、走査線と同一の層で形成した下層側データ線の走査線との交差点において、走査線をよけるためのバイパス配線となる。この構造を形成するにあたって特に工程を増やす必要はない。
【0020】
以上、データ線側の構成について説明したが、走査線側の構成に関しては、1つの画素開口領域内にある3つの画素電極に対応する3つのスイッチング素子が、当該画素開口領域を間に挟む2つの走査線配置領域内の2本の走査線により駆動される構成とすればよい。例えば、1つの画素開口領域内の3つのスイッチング素子に対し、平面視した際にその画素開口領域の上側を通る1本の走査線に2つのスイッチング素子を接続し、下側を通る1本の走査線に残りの1つのスイッチング素子を接続すればよい。つまり、基板全体で見ると、1つの画素開口領域内の3つの画素を1.5本の走査線に割り当てることになる。
【0021】
また、本発明の電気光学装置を構成する一方の基板上に、各画素開口領域内の3つの画素電極にそれぞれ3つの異なる色素層を対応させたカラーフィルターを設けることもできる。この構成によれば、高い開口率を有するカラー対応の電気光学装置を実現することができる。
【0022】
1つの画素開口領域内に3つの画素電極を設ける場合、通常、従来通りの矩形状の画素電極を単に並置することが考えられるが、この構成に代えて、3つの画素電極が、画素開口領域に対して、略中心対称な配置になるようにすることが望ましい。さらに、画素開口領域全体の形状を略正方形とすることが望ましい。
【0023】
また、上記構成において、本発明の電気光学装置を構成する一対の基板のうち少なくとも一方の基板上に、入射光を各画素開口領域に向けて集光するマイクロレンズアレイを設けることが望ましい。そしてこの際、マイクロレンズアレイを構成する各マイクロレンズを各画素開口領域に対応して設け、各マイクロレンズの中心を各画素開口領域の中心に一致するように配置することが望ましい。
【0024】
電気光学装置に入射する光の利用効率を高めるために、マイクロレンズを備える場合がある。マイクロレンズ付きの電気光学装置の従来の考え方では、画素形状の方が先に規定され、それに合わせてマイクロレンズが配置されていた。このため、上述したような光の利用効率の低下の問題が発生していた。これに対して、本願発明者は、最も集光効率の良いマイクロレンズの形状は円形であるから、このマイクロレンズ形状に画素形状の方を合致させることによりマイクロレンズの集光効率の良さを生かす、という従来と逆の発想をするに至った。すなわち、1つの画素開口領域内に3つの画素電極を設ける場合、例えば円形を120°ずつに3等分した扇形に近い形状に正方形の画素開口領域を3等分し、これを3つの色光に対応する各画素とすれば、各画素の透過率を略均等化することができ、従来に比べて光の利用効率を向上することができる。
【0025】
本発明の電気光学装置がノーマリーブラックモードであることが望ましい。
【0026】
それにより、同じ開口領域内に設けられた3つの画素電極間にある液晶部分を遮光層と同等に扱うことができ、表示コントラストを高くすることができる。これは画素間部分の液晶には電界が印加されず、初期配向状態を保つことによる。ノーマリーホワイト型液晶を用いる場合、画素間は光が透過する状態になるので、表示コントラストを高くするに、この部分にも遮光層を設ける必要が生じる。
【0027】
また、本発明の電気光学装置の製造方法は、一対の基板間に電気光学材料が挟持されてなり、前記一対の基板のうちの一方の基板上に、互いに交差する複数の走査線配置領域と複数のデータ線配置領域と、前記走査線配置領域と前記データ線配置領域とに囲まれた領域であって基板上にマトリクス状に配置された画素開口領域とを有してなる電気光学装置の製造方法であって、前記一方の基板上に薄膜トランジスタを構成する半導体層を形成する工程と、該半導体層を覆うゲート絶縁膜を形成する工程と、該ゲート絶縁膜上の前記走査線配置領域内に前記半導体層の上方を横断する走査線を形成する工程と、前記ゲート絶縁膜を貫通して前記半導体層に達する第1のコンタクトホールを形成する工程と、前記ゲート絶縁膜上の前記データ線配置領域内に、前記走査線と接触しないように前記第1のコンタクトホールを介して前記半導体層に接続される下層側データ線を形成する工程と、前記走査線および前記下層側データ線を覆う第1の層間絶縁膜を形成する工程と、該第1の層間絶縁膜を貫通して前記下層側データ線に達する第2のコンタクトホールを形成する工程と、前記第1の層間絶縁膜上の前記データ線配置領域内に、下層側データ線の延在方向において1画素おきに配置された下層側データ線同士を前記第2のコンタクトホールを介して接続する上層側データ線を形成する工程と、前記上層側データ線を覆う第2の層間絶縁膜を形成する工程と、前記第2の層間絶縁膜上の前記画素開口領域内に前記半導体層に電気的に接続される画素電極を形成する工程とを有することを特徴とするものとすることができる。
【0028】
本発明の電気光学装置の製造方法によれば、それ程大きなプロセス変更を伴うことなく、データ線配置領域に2層の配線層を用いて2本のデータ線を形成したTFTアレイ基板を得ることができる。
【0029】
また、前記半導体層と前記画素電極とを電気的に接続するにあたって、これらを前記第1の層間絶縁膜上に形成した導電層を介して電気的に接続することができる。この構成によれば、導電層の一部を例えば蓄積容量電極とする等、導電層を様々な用途に利用することができる。
【0030】
また、前記画素電極形成工程においては、画素開口領域内に3つの画素電極を画素開口領域の中心から放射状に延びる3本の線分で分割された形状を一部有するように形成することが望ましい。
【0031】
本発明の投射型表示装置は、上記本発明の電気光学装置を備えた投射型表示装置であって、光源と、光源から出射された光を変調する電気光学装置と、電気光学装置により変調された光を投射面に拡大投影する拡大投影光学系とを有することを特徴とするものである。
【0032】
本発明の投射型表示装置によれば、上記本発明の電気光学装置の使用により、光の利用効率が高く、明るい投射型表示装置を実現することができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0034】
[電気光学装置の実施形態]
本発明による電気光学装置の一実施形態である液晶装置の構成について、図1から図3を参照して説明する。図1は、液晶装置を構成する一対の基板のうち、データ線、走査線、画素電極等が形成されたTFTアレイ基板の一画素を示す平面図であり、図2は、図1のA−A’断面図である。図3は、図1のB−B’断面図である。なお、図2および図3においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめてある。
【0035】
図1に示すように、本実施の形態の液晶装置のTFTアレイ基板10上には、複数の走査線配置領域40と複数のデータ線配置領域41とが互いに交差するように設けられ、走査線配置領域40とデータ線配置領域41とに囲まれた領域が画素開口領域42となり、この画素開口領域42が基板上に複数、マトリクス状に配置されている。そして、各画素開口領域42内には、R(赤)、G(緑)、B(青)の3つの異なる色光にそれぞれ対応する3つの画素電極9r、9g、9bと、各画素電極9r、9g、9bをそれぞれスイッチング制御する3つのTFT30(スイッチング素子)が設けられている。前記各走査線配置領域40内に1本の走査線3が配置される一方、前記各データ線配置領域41内にはそれぞれ2本のデータ線6a、6bなどが配置されている。これら2本のデータ線6a、6bは、異なる2層の配線層からなる上層側データ線、下層側データ線で構成されているが、これらデータ線の構成に関しては、断面図を参照しながら後で説明する。
【0036】
各画素開口領域42は略正方形状であり、この中に配置された3つの画素電極9r、9g、9bは、画素開口領域42に対し略中心対称になるように配置されており、この例では図1における左上の画素電極9rがR用、右上の画素電極9gがG用、下の画素電極9bがB用に割り当てられている。また、各TFT30においては、基板上に形成されたポリシリコン膜等からなる平面視L字状の半導体層1のソース領域に対してコンタクトホールを介してデータ線が接続され、半導体層1のドレイン領域に対してコンタクトホール8を介して各画素電極9r、9g、9bが接続されている。そして、ゲート絶縁膜を介して半導体層1のチャネル領域上を走査線3が横断し、TFT30を構成している。すなわち、TFT30の箇所では走査線3がそのままゲート電極として機能している。なお、実際には、画素電極9r、9g、9bはバッファとして機能するバリア層(導電層、図示略)を中継し、第1コンタクトホールおよび第2コンタクトホールを介して半導体層1のドレイン領域に電気的に接続されているが、図示を省略する。各画素電極9r、9g、9b毎に見ると、R用画素電極9rの左上に設けられたTFT30は、図1中、画素上側の走査線3によって駆動されるとともに左側の下層側データ線から画像信号が供給され、G用画素電極9gの右上に設けられたTFT30は、画素上側の走査線3によって駆動されるとともに右側の下層側データ線から画像信号が供給され、B用画素電極9bの右下に設けられたTFT30は、画素下側の走査線3によって駆動されるとともに右側の下層側データ線から画像信号が供給されるようになっている。
【0037】
その他、TFTアレイ基板10には、画素電極9r、9g、9bに供給される電荷を保持するための蓄積容量を構成する容量線や、各種配線やTFT30が形成された領域を覆う遮光膜等が設けられるが、図示を省略する。
【0038】
次に、図2および図3の断面図を用いて、本実施の形態の液晶装置の断面構造を説明する。図2は、図1においてR用画素電極9rとG用画素電極9gとを横断する線(A−A’線)で切断した状態を示す断面図であり、図3は、図1において上層側データ線と下層側データ線を接続するコンタクトホール5を結ぶ線(B−B’線)で切断した状態を示す断面図である。本実施の形態の液晶装置は、一方の透明基板を構成するTFTアレイ基板10と、これに対向配置された他方の透明基板を構成する対向基板20とを備えている。TFTアレイ基板10と対向基板20との間には、後述するシール材(図10および図11参照)により囲まれた空間に電気光学物質の一例である液晶が封入され、液晶層50が形成されている。液晶層50は、画素電極9r、9g、9bからの電界が印加されていない状態で配向膜16、22により所定の配向状態をとる。液晶層50は、例えば一種または数種類のネマティック液晶を混合した液晶からなる。シール材は、TFTアレイ基板10および対向基板20をそれらの周辺で貼り合わせるための、例えば光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂からなる接着剤であり、両基板間の距離を所定値とするためのグラスファイバーあるいはガラスビーズ等のギャップ材(スペーサ)が混入されている。
【0039】
図2に示すように、TFTアレイ基板10は例えば石英基板からなり、各画素電極9r、9g、9bに隣接する位置に各画素電極9r、9g、9bをスイッチング制御するTFT30が設けられている。さらに、TFT30に各々対向する位置においてTFTアレイ基板10と各TFT30との間には、第1遮光膜(図示略)が設けられている。第1遮光膜は、好ましくは不透明な高融点金属であるTi、Cr、W、Ta、MoおよびPdのうちの少なくとも一つを含む、金属単体、合金、金属シリサイド等から構成される。このような材料から構成すれば、TFTアレイ基板10上の第1遮光膜の形成工程後に行われるTFT形成工程における高温処理により、第1遮光膜が破壊されたり溶融しないようにできる。特に投射型表示装置などに本液晶装置を用いる場合、第1遮光膜を形成することにより、TFTアレイ基板10の側からの反射光(戻り光)等が光に対して励起しやすいTFT30のチャネル領域やソース側LDD領域、ドレイン側LDD領域に入射する事態を未然に防ぐことができ、これに起因した光電流の発生によりTFTの特性が劣化することはない。
【0040】
さらに、第1遮光膜と複数のTFT30との間には、下地絶縁膜(図示略)が設けられている。下地絶縁膜は、TFT30を構成する半導体層1を第1遮光膜から電気的に絶縁するために設けられるものである。さらに、下地絶縁膜は、TFTアレイ基板10の全面に形成されることにより、TFT30のための下地膜としての機能をも有する。すなわち、TFTアレイ基板10の表面の研磨時における荒れや、洗浄後に残る汚れ等でTFT30の特性の劣化を防止する機能を有する。下地絶縁膜は、例えば、NSG(ノンドープトシリケートガラス)、PSG(リンシリケートガラス)、BSG(ボロンシリケートガラス)、BPSG(ボロンリンシリケートガラス)などの高絶縁性ガラス、または酸化シリコン膜、窒化シリコン膜等からなる。下地絶縁膜により、第1遮光膜がTFT30等を汚染する事態を未然に防ぐこともできる。
【0041】
図3に示すように、下地絶縁膜上にTFT30を構成する半導体層1が形成されている。本実施の形態のTFT30は、LDD構造を有しており、走査線3、当該走査線3からの電界によりチャネルが形成される半導体層1のチャネル領域、走査線3と半導体層1とを絶縁する2層のゲート絶縁膜2a、2b、データ線6a、6b、半導体層1の低濃度ソース領域(ソース側LDD領域)および低濃度ドレイン領域(ドレイン側LDD領域)、半導体層1の高濃度ソース領域および高濃度ドレイン領域を備えている。走査線3は、例えば導電性を付与したポリシリコン膜から形成される。高濃度ドレイン領域には、画素電極9r、9g、9bがバリア層(図示略)を中継して接続されている。ソース領域およびドレイン領域は、後述のように、半導体層1に対して、n型またはp型のいずれのチャネルを形成するかに応じて所定濃度のn型用またはp型用のドーパントをドープすることにより形成されている。n型チャネルのTFTは、動作速度が速いという利点があり、画素のスイッチング素子である画素スイッチング用TFTとして用いられることが多い。さらに、図示を略すが半導体層1の一部は蓄積容量電極を構成することも可能である。
【0042】
本実施の形態では、特に図3に示すように、データ線6a、6bは上層側データ線6c、下層側データ線6dから構成されている。これらデータ線6c、6dは、ともにAl等の低抵抗な金属膜や金属シリサイド等の合金膜などの遮光性と導電性を持つ薄膜から形成されている。つまり、下層側データ線6dは位置的には走査線3と同一レイヤーにはあるが、材料は異なっており、走査線3はポリシリコン膜、下層側データ線6dは金属膜で形成されている。この下層側データ線6dは走査線3の両側で分断されるとともに、分断された各下層側データ線6dの一方の端部が2層のゲート絶縁膜2a、2bを貫通するコンタクトホール5aを介して半導体層1の高濃度ソース領域に接続されている。また、走査線3および下層データ線6dは第1層間絶縁膜81、第2層間絶縁膜4で順次覆われ、半導体層1の高濃度ソース領域に接続された下層側データ線6dの一端部と半導体層1の高濃度ソース領域に接続されない下層側データ線6dの他端部とが、第1層間絶縁膜81および第2層間絶縁膜4を貫通するコンタクトホール5を介して上層側データ線6cにより電気的に接続されている。なお、第1層間絶縁膜81と第2層間絶縁膜4との間には半導体層1の高濃度ドレイン領域と画素電極9r、9g、9bとを電気的に接続する介在体となるバリア層が設けられている。
【0043】
図1に示すように、下層側データ線6dは直線的に延在し、上層側データ線6cはコ字状の屈曲部を有している。すなわち、本実施の形態の場合、下層側データ線6dを走査線3と同一レイヤーで形成しているため、下層側データ線6dと走査線3の交差点では下層側データ線6dと走査線3とが短絡しないような構成とする必要がある。そこで、下層側データ線6dと走査線3との交差点においては、走査線3の両側に位置する下層側データ線6dの端部を、他の上層側データ線6aと接触しないように配置した上層側データ線6bによって接続したわけである。したがって、データ線6a、6bが走査線3を跨ぐ箇所では、上層側データ線が2本並置された状態となる。
【0044】
図2に示すように、第2層間絶縁膜4上の画素開口領域42には、カラーフィルターをなす各色の色素層が形成されている。図2においては、R用色素層43rとG用色素層43gが図示されている。そして、これら上層側データ線6c、カラーフィルターの色素層43r、43gを覆うように第2層間絶縁膜4上に第3層間絶縁膜7が設けられている。第3層間絶縁膜7にはバリア層に達するコンタクトホールが形成されており、このコンタクトホールを介して、インジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide, 以下、ITOと記す)からなる画素電極9r、9g、9bがバリア層に電気的に接続されており、さらにバリア層を中継してコンタクトホールを介して半導体層1の高濃度ドレイン領域に電気的に接続されている。前述の画素電極9r、9g、9bは、このように構成された第3層間絶縁膜7の上面に設けられている。
【0045】
なお、TFT30は、好ましくは上述のようにLDD構造を持つが、低濃度ソース領域および低濃度ドレイン領域に不純物イオンの打ち込みを行わないオフセット構造を持っていてもよいし、ゲート電極をマスクとして高濃度で不純物イオンを打ち込み、自己整合的に高濃度ソースおよびドレイン領域を形成するセルフアライン型のTFTであってもよい。
【0046】
また、本実施の形態では、TFT30のゲート電極を高濃度ソース領域および高濃度ドレイン領域間に1個のみ配置したシングルゲート構造としたが、これらの間に2個以上のゲート電極を配置してもよい。この際、各々のゲート電極には同一の信号が印加されるようにする。このように、デュアルゲートあるいはトリプルゲート以上でTFTを構成すれば、チャネルとソース−ドレイン領域接合部のリーク電流を防止でき、オフ時の電流を低減することができる。これらのゲート電極の少なくとも1個をLDD構造あるいはオフセット構造にすれば、さらにオフ電流を低減でき、安定したスイッチング素子を得ることができる。
【0047】
本実施の形態の液晶装置では、バリア層は半導体層1と画素電極9r、9g、9bとの間に介在しており、高濃度ドレイン領域と画素電極9r、9g、9bとを第1および第2コンタクトホールを経由して電気的に接続する。このため、画素電極9r、9g、9bから半導体層1のドレイン領域まで一つのコンタクトホールを開孔する場合と比較して、第1および第2コンタクトホールの径を夫々小さくできる。すなわち、一つのコンタクトホールを開孔する場合には、エッチング時の選択比が低いとコンタクトホールを深く開孔する程エッチング精度は落ちるため、例えば50nm程度の非常に薄い半導体層1における突き抜けを防止するためには、コンタクトホールの径を小さくできるドライエッチングを途中で停止して、最終的にウエットエッチングで半導体層1まで開孔するように工程を組まねばならない。あるいは、ドライエッチングによる突き抜け防止用のポリシリコン膜を別途設けたりする必要が生じてしまうのである。
【0048】
これに対して、本実施の形態では、画素電極9r、9g、9bおよび高濃度ドレイン領域を2つの直列な第1および第2コンタクトホールにより接続すればよいので、これら第1および第2コンタクトホールを夫々、ドライエッチングにより開孔することが可能となるのである。あるいは、少なくともウエットエッチングにより開孔する距離を短くすることが可能となるのである。ただし、第1および第2コンタクトホールに夫々若干のテーパを付けるために、ドライエッチング後に敢えて比較的短時間のウエットエッチングを行うようにしてもよい。
【0049】
他方、液晶装置の対向基板20は、例えばガラス基板や石英基板からなり、図2に示すように、対向基板20には、対向基板20の側から入射される入射光をTFTアレイ基板10側の画素電極9r、9g、9bに集光するマトリクス状に配置された複数のマイクロレンズ44からなるマイクロレンズアレイ45が設けられている。マイクロレンズアレイ45を構成する各マイクロレンズ44は平面視円形であって、各画素開口領域42に対応して設けられ、各マイクロレンズ44の中心が各画素開口領域42の中心に一致するように配置されている。そして、複数のマイクロレンズ44相互の境界にそれぞれ対向する位置に第2遮光膜23が形成されている。マイクロレンズアレイ45の表面全体には、接着剤46によりカバーガラス47が貼り付けられており、この上(図中下側)に第2遮光膜23およびITO膜などの透明導電性薄膜からなる対向電極21が形成されている。マイクロレンズ44は感光性樹脂からなり、接着剤46は空気に近い屈折率を有するアクリル系の接着剤からなり、両者間の屈折率の違いにより、マイクロレンズ44は集光レンズとしての機能を果たす。第2遮光膜23の存在により、対向基板20の側から入射光がTFT30の半導体層1のチャネル領域やソース側LDD領域およびドレイン側LDD領域に侵入することはない。さらに、第2遮光膜23は、コントラストの向上、カラーフィルタを形成した場合における色材の混色防止などの機能も有している。さらに、対向電極21(共通電極)の下側にはラビング処理等の所定の配向処理が施されたポリイミド薄膜などの有機薄膜からなる配向膜22が設けられている。
【0050】
本実施の形態の液晶装置においては、データ線配置領域41内に上下2層のデータ線6c、6dを配置するとともにデータ線配置領域41と走査線配置領域40とで区画される画素開口領域42内に3つの画素電極9r、9g、9bを配置したことにより、従来に比べて開口率を向上することができる。すなわち、従来の液晶装置の場合は、例えば図17に示すように、R、G、Bの色光に対応する各画素毎に画素電極216に隣接してデータ線222が設けられているため、この3画素を1つの単位(破線で示す)と見たときに1単位内を2本のデータ線222が横断し、遮光領域で分割された3つの開口領域となっていた。したがって、遮光領域が占める面積が大きく、開口率が大きく低下していた。これに対して、本実施の形態の電気光学装置は、データ線配置領域41内に2層のデータ線6c、6dをまとめて配置し、これらデータ線6c、6dから当該画素開口領域42内の3つの画素電極9r、9g、9bに画像信号を供給する構成とした。その結果、従来の構成のように画素開口領域内に各画素電極に隣接させてデータ線を配置する必要がなくなるため、従来に比べて開口率を向上させることができる。
【0051】
本実施の形態の場合、1つのデータ線配置領域41内に2本のデータ線6a、6bを設けているが、2本のデータ線6a、6bを同一の配線層上に並列させるのではなく、第1、第2層間絶縁膜81、4を間に挟む上層側データ線6c、下層側データ線6dで構成しているので、データ線間を短絡させないための配線の引き回しが容易になり、配線の設計を容易に行うことができる。さらに、上層側データ線6c、下層側データ線6dの各々を、平面視した際にこれらデータ線6c、6dの少なくとも一部が重なるように配置しているため、その分データ線の占有面積が小さくなり、遮光領域を狭くすることができ、開口率をより向上することができる。
【0052】
また、本実施の形態の場合、略正方形状の画素開口領域42内に配置した3つの画素電極9r、9g、9bの形状を、その輪郭の一部が画素開口領域42の中心から放射状に延びる3本の線分で分割したような形状となっている。すなわち画素開口領域に対して画素電極が略中心対称になるように配置されている。そして、対向基板20側には入射光集光用のマイクロレンズアレイ45が設けられ、各マイクロレンズ44の中心が各画素開口領域42の中心に一致するように配置されている。この構成により、R、G、Bの各色光に対応する各画素の透過率を略均等化することができ、従来に比べて光の利用効率を向上することができる。
【0053】
また画素開口領域が大きくなるので、光の回折の影響も低減でき、光の利用効率をさらに高めることができる。
【0054】
[電気光学装置の一実施形態における製造プロセス]
次に、上記構成を有する本実施形態の液晶装置の製造プロセスについて、図4ないし図9を参照して説明する。なお、図4ないし図9は途中工程におけるTFTアレイ基板10を平面視したパターンを示す工程図である。
【0055】
まず、石英基板、ハードガラス、シリコン基板等のTFTアレイ基板10を用意する。ここで、好ましくは、N2(窒素)等の不活性ガス雰囲気かつ約900〜1300℃の高温でアニール処理し、後に実施される高温プロセスにおけるTFTアレイ基板10に生じる歪みが少なくなるように前処理しておく。すなわち、製造プロセスにおける最高温で高温処理される温度に合わせて、事前にTFTアレイ基板10を同じ温度かそれ以上の温度で熱処理しておく。そして、このように処理されたTFTアレイ基板10の全面に、Ti、Cr、W、Ta、MoおよびPd等の金属や金属シリサイド等の金属合金膜を、スパッタリングにより100〜500nm程度の膜厚、好ましくは約200nmの膜厚の遮光膜として形成する。なお、遮光膜上には、表面反射を緩和するためにポリシリコン膜等の反射防止膜を形成しても良い。
【0056】
次に、形成された遮光膜上にフォトリソグラフィにより第1遮光膜のパターンに対応するレジストマスクを形成し、レジストマスクを介して遮光膜に対しエッチングを行うことにより、第1遮光膜を形成する。
【0057】
次に、第1遮光膜の上に、例えば、常圧または減圧CVD法等によりTEOS(テトラ・エチル・オルソ・シリケート)ガス、TEB(テトラ・エチル・ボートレート)ガス、TMOP(テトラ・メチル・オキシ・フォスレート)ガス等を用いて、NSG、PSG、BSG、BPSGなどのシリケートガラス膜、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等からなる下地絶縁膜を形成する。この下地絶縁膜の膜厚は、例えば、約500〜2000nmとする。なお、TFTアレイ基板10裏面からの戻り光が問題にならない場合は、第1遮光膜を形成する必要はない。
【0058】
次に、下地絶縁膜の上に、約450〜550℃、好ましくは約500℃の比較的低温環境中で、流量約400〜600cc/minのモノシランガス、ジシランガス等を用いた減圧CVD(例えば、圧力約20〜40PaのCVD)により、アモルファスシリコン膜を形成する。その後、窒素雰囲気中で、約600〜700℃にて約1〜10時間、好ましくは、4〜6時間のアニール処理を施することにより、ポリシリコン膜を約50〜200nmの厚さ、好ましくは約100nmの厚さとなるまで固相成長させる。固相成長させる方法としては、RTA(Rapid Thermal Anneal)を使ったアニール処理でも良いし、エキシマレーザー等を用いたレーザーアニールでも良い。
【0059】
この際、図1に示したTFT30として、nチャネル型のTFTを作成する場合には、当該チャネル領域にSb(アンチモン)、As(砒素)、P(リン)などのV族元素のドーパントを僅かにイオン注入等によりドープしても良い。また、TFTをpチャネル型とする場合には、B(ボロン)、Ga(ガリウム)、In(インジウム)などのIII族元素のドーパントを僅かにイオン注入等によりドープしても良い。なお、アモルファスシリコン膜を経ないで、減圧CVD法等によりポリシリコン膜を直接形成しても良い。あるいは、減圧CVD法等により堆積したポリシリコン膜にシリコンイオンを打ち込んで一旦非晶質化(アモルファス化)し、その後アニール処理等により再結晶化させてポリシリコン膜を形成しても良い。
【0060】
次に、フォトリソグラフィ工程、エッチング工程等により上記ポリシリコン膜をパターニングすることにより、所定パターンを有する半導体層1を形成する(図4参照)。ここでは図示しないが、画素に保持容量を設ける場合は、同パターンにて蓄積容量電極を同時に形成する。
【0061】
次に、TFT30を構成する半導体層1を約900〜1300℃の温度、好ましくは約1000℃の温度で熱酸化することにより、約30nmの比較的薄い厚さの熱酸化シリコン膜を形成し、さらに、減圧CVD法等により高温酸化シリコン膜(HTO膜)や窒化シリコン膜からなる絶縁膜を約50nmの比較的薄い厚さに堆積し、熱酸化シリコン膜(第1ゲート絶縁膜2a)および絶縁膜(第2ゲート絶縁膜2b)を含む多層構造を持つTFT30のゲート絶縁膜を形成する。この結果、ゲート絶縁膜の厚さは、約20〜150nmの厚さ、好ましくは約30〜100nmの厚さとなる。このように、高温熱酸化時間を短くすることにより、特に8インチ程度の大型基板を使用する場合に熱による反りを防止することができる。ただし、ポリシリコン膜を熱酸化することのみにより、単一層構造を持つゲート絶縁膜を形成してもよい。
【0062】
蓄積容量電極を設けている場合、ここで、フォトリソグラフィ工程、エッチング工程等によりレジスト層を蓄積容量電極となる部分を除く半導体層1上に形成した後、例えばPイオンをドーズ量約3×1012/cm2でドープして、蓄積容量電極を低抵抗化しても良い。その後レジスト層は除去しておく。
【0063】
次に、減圧CVD法等によりポリシリコン膜を堆積し、さらにリン(P)を熱拡散し、ポリシリコン膜を導電化する。または、Pイオンをポリシリコン膜の成膜と同時に導入したドープトシリコン膜を用いてもよい。ポリシリコン膜の膜厚は、約100〜500nmの厚さ、好ましくは約300nmに堆積する。
【0064】
次に、レジストマスクを用いたフォトリソグラフィ工程、エッチング工程等によりポリシリコン膜のパターニングを行い、図1に示したような所定パターンの走査線3を形成する(図5参照)。保持容量を設ける場合は、同時に容量線(図示略)も形成する。走査線3および容量線は、高融点金属や金属シリサイド等の金属合金膜で形成しても良いし、ポリシリコン膜等と組み合わせた多層配線としても良い。
【0065】
次に、図1に示したTFT30をLDD構造を持つnチャネル型のTFTとする場合、半導体層1に、先ず低濃度ソース領域および低濃度ドレイン領域を形成するために、走査線3(ゲート電極)をマスクとして、PなどのV族元素のドーパントを低濃度で(例えば、Pイオンを1〜3×1013/cm2のドーズ量にて)ドープする。これにより走査線3下の半導体層1はチャネル領域となる。この不純物のドープにより走査線3も低抵抗化される。
【0066】
次に、TFT30を構成する高濃度ソース領域および高濃度ドレイン領域を形成するために、走査線3よりも幅の広いマスクでレジスト層を走査線3上に形成した後、同じくPなどのV族元素のドーパントを高濃度で(例えば、Pイオンを1〜3×1015/cm2のドーズ量にて)ドープする。また、TFT30をpチャネル型とする場合、半導体層1に、低濃度ソース領域および低濃度ドレイン領域並びに高濃度ソース領域および高濃度ドレイン領域を形成するために、BなどのIII族元素のドーパントを用いてドープする。なお、例えば、低濃度のドープを行わずに、オフセット構造のTFTとしてもよく、走査線3をマスクとして、Pイオン、Bイオン等を用いたイオン注入技術によりセルフアライン型のTFTとしてもよい。この不純物のドープにより走査線3もさらに低抵抗化される。
【0067】
次に、多層構造を持つゲート絶縁膜2a、2bを貫通して半導体層1表面にまで達し、次工程で形成する下層側データ線6dと高濃度ソース領域とを電気的接続するためのコンタクトホール5aを、反応性イオンエッチング、反応性イオンビームエッチング等のドライエッチングにより形成する。このようなドライエッチングは、指向性が高いため、小さな径のコンタクトホール5aを開孔可能である。あるいは、コンタクトホール5aが半導体層1を突き抜けるのを防止するのに有利なウエットエッチングを併用してもよい。このウエットエッチングは、コンタクトホール5aに対し、より良好なコンタクトをとるためのテーパを付与する観点からも有効である。
【0068】
次に、ゲート絶縁膜2a、2b上に、スパッタリング等により遮光性のAl等の低抵抗金属や金属シリサイド等を金属膜として、約100〜500nmの厚さ、好ましくは約300nmに堆積する。
【0069】
次に、フォトリソグラフィ工程、エッチング工程等により金属膜のパターニングを行い、下層側データ線6dを形成する(図6参照)。
【0070】
なお、これらのTFT30の素子形成工程と並行して、nチャネル型TFTおよびpチャネル型TFTから構成される相補型構造を持つデータ線駆動回路、走査線駆動回路等の周辺回路をTFTアレイ基板10上の周辺部に形成してもよい。このように、本実施形態において、画素スイッチング用TFT30を構成する半導体層1をポリシリコンで形成すれば、画素スイッチング用TFT30の形成時にほぼ同一工程で周辺回路を形成することができ、製造上有利である。
【0071】
次に、レジスト層を除去した後、走査線3上、およびゲート絶縁膜2a、2b上に、減圧CVD法、プラズマCVD法等により高温酸化シリコン膜(HTO膜)や窒化シリコン膜からなる第1層間絶縁膜81を10nm以上、200nm以下の比較的薄い厚さに堆積する。ただし、前述のように、第1層間絶縁膜81は、多層膜から構成してもよいし、一般にTFTのゲート絶縁膜を形成するのに用いられる各種の公知技術により、第1層間絶縁膜81を形成可能である。第1層間絶縁膜81の場合には、第2層間絶縁膜4の場合のように比較的薄くするとデータ線および走査線3間の寄生容量が大きくなってしまうことはなく、また、TFT30におけるゲート絶縁膜2a、2bのように比較的薄く構成するとトンネル効果等の特異現象が発生することもない。
【0072】
次に、後で形成するバリア層と高濃度ドレイン領域とを電気的接続するためのコンタクトホールを、反応性イオンエッチング、反応性イオンビームエッチング等のドライエッチングにより形成する。このようなドライエッチングは、指向性が高いため、小さな径のコンタクトホールを開孔可能である。あるいは、コンタクトホールが半導体層1を突き抜けるのを防止するのに有利なウエットエッチングを併用してもよい。このウエットエッチングは、コンタクトホールに対し、より良好なコンタクトをとるためのテーパを付与する観点からも有効である。
【0073】
次に、第1層間絶縁膜81およびコンタクトホールを介して覗く高濃度ドレイン領域の全面に、Ti、Cr、W、Ta、MoおよびPd等の金属や金属シリサイド等の金属合金膜をスパッタ処理により堆積して、50〜500nm程度の膜厚の導電膜を形成する。50nm程度の厚みがあれば、後に第2コンタクトホールを開孔する時に突き抜ける可能性は殆どない。なお、この導電膜上には、表面反射を緩和するためにポリシリコン膜等の反射防止膜を形成しても良い。また、導電膜は応力緩和のためにドープトポリシリコン膜等を用いても良い。
【0074】
次に、形成された導電膜上にフォトリソグラフィによりバリア層のパターンに対応するレジストマスクを形成し、レジストマスクを介して導電膜に対しエッチングを行うことにより、バリア層を形成する。
【0075】
次に、第1層間絶縁膜81およびバリア層を覆うように、例えば、常圧または減圧CVD法やTEOSガス等を用いて、NSG、PSG、BSG、BPSGなどのシリケートガラス膜、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等からなる第2層間絶縁膜4を形成する。第2層間絶縁膜4の膜厚は、約500〜1500nmが好ましい。第2層間絶縁膜4の膜厚が500nm以上あれば、データ線および走査線3間における寄生容量はあまり問題とならない。
【0076】
次に、高濃度ソース領域および高濃度ドレイン領域を活性化するために約1000℃のアニール処理を20分程度行った後、上層側データ線6cに対するコンタクトホール5を開孔する。この上層側データ線6cに対するコンタクトホール5は第2層間絶縁膜4および第1層間絶縁膜81を貫通して下層側データ線6dの表面に達するものである。また、走査線3や容量線を基板周辺領域において図示しない配線と接続するためのコンタクトホールも、コンタクトホール5と同一の工程により第2層間絶縁膜4に開孔することができる。
【0077】
次に、第2層間絶縁膜4の上に、スパッタリング等により、遮光性のAl等の低抵抗金属や金属シリサイド等を金属膜として、約100〜500nmの厚さ、好ましくは約300nmの厚さに堆積する。
【0078】
次に、フォトリソグラフィ工程、エッチング工程等により上記金属膜をパターニングすることにより、上層側データ線6cを形成する(図7参照)。ここで、図2に示すように、TFTアレイ基板上にカラーフィルタを形成する場合、上層側データ線6cを形成後、まず感光性材料に赤色顔料を分散させた有機材料を基板面にスピンコート法等を用いて塗布する。その後、Rの画素形状になるように、フォトリソグラフィ工程を用いてパターニングを行う。以降、青色、緑色について同様の工程を繰り返すことににより、第2層間絶縁膜上にカラーフィルター層が形成される。
【0079】
次に、上層側データ線6cまたは図示しないカラーフィルター層上を覆うように、例えば、常圧または減圧CVD法やTEOSガス等を用いて、NSG、PSG、BSG、BPSGなどのシリケートガラス膜、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等からなる第3層間絶縁膜7を形成する。第3層間絶縁膜7の膜厚は、約500〜1500nmが好ましい。
【0080】
次に、第3層間絶縁膜7を貫通して次に形成する画素電極9r、9g、9bとバリア層とを電気的接続するためのコンタクトホール8を、反応性イオンエッチング、反応性イオンビームエッチング等のドライエッチングにより形成する。また、テーパ状にするためにウェットエッチングを用いても良い。
【0081】
次に、第3層間絶縁膜7の上に、スパッタ処理等により、ITO膜等の透明導電性薄膜を、約50〜200nmの厚さに堆積し、更に、フォトリソグラフィ工程、エッチング工程等により透明導電性薄膜をパターニングし、画素電極9r、9g、9bを形成する(図8参照)。なお、当該液晶装置を反射型の液晶装置に用いる場合には、Al等の反射率の高い不透明な材料から画素電極9r、9g、9bを形成してもよい。続いて、画素電極9r、9g、9bの上にポリイミド系の配向膜の塗布液を塗布した後、所定のプレティルト角を持つように且つ所定方向でラビング処理を施すこと等により、配向膜16(図2および図3参照)が形成される。
【0082】
他方、図2および図3に示した対向基板20については、まず、ネオセラム等からなる基板を用意し、この基板上に感光性樹脂を塗布する。次に、各マイクロレンズとなる部分に対応する凸部が残るように所定パターンを有するマスクを介して、感光性樹脂をマスク露光し、その後、ウエットまたはドライエッチングにより現像する。次に、熱フローを印加し、感光性樹脂の熱変形および表面張力により、滑らかな各マイクロレンズの凸面形状を感光性樹脂からなる、図2に示したような複数のマイクロレンズ44を形成する。この際、特に熱フローを基板面上で制御することにより、所定の集光能力を有するように複数のマイクロレンズ44を形成する。次に、マイクロレンズ44の表面にアクリル系接着剤を塗布してネオセラム等からなるカバーガラスを接着する。次に、カバーガラスを研磨して、所定の厚みを有するカバーガラス47とする。
【0083】
次に、カバーガラス47上に、第2遮光膜23を、例えば金属クロムをスパッタした後、フォトリソグラフィ工程、エッチング工程を経て形成する。なお、この第2遮光膜23は、Cr、Ni、Al等の金属材料の他、カーボンやTiをフォトレジストに分散した樹脂ブラック等の材料から形成してもよい。なお、TFTアレイ基板10上で、データ線6a、6b、バリア層、第1遮光膜等で遮光領域を規定すれば、対向基板20上の第2遮光膜23を省くこともできる。
【0084】
その後、対向基板20の全面にスパッタ処理等により、ITO等の透明導電性薄膜を、約50〜200nmの厚さに堆積することにより、対向電極21を形成する。さらに、対向電極21の全面にポリイミド系の配向膜の塗布液を塗布した後、所定のプレティルト角を持つように且つ所定方向でラビング処理を施すこと等により、配向膜22(図2および図3参照)が形成される。
【0085】
最後に、上述のように各層が形成されたTFTアレイ基板10と対向基板20とは、配向膜16および22が対面するようにシール材(図10および図11参照)により貼り合わされ、真空吸引等により、両基板間の空間に、例えば複数種類のネマティック液晶を混合してなる液晶が吸引されて、所定層厚の液晶層50が形成される。この際、対向基板20上の各マイクロレンズ44の中心が、TFTアレイ基板10上の各画素開口領域42の中心に一致するように各基板同士を位置合わせする(図9参照。この図においてはマイクロレンズ44の輪郭を2点鎖線で示す)。
【0086】
[電気光学装置の全体構成]
以上のように構成された各実施形態における液晶装置の全体構成を図10および図11を参照して説明する。なお、図10は、TFTアレイ基板10をその上に形成された各構成要素とともに対向基板20の側から見た平面図であり、図11は、図10のH−H断面図である。
【0087】
図10において、TFTアレイ基板10の上には、シール材52がその縁に沿って設けられており、その内側に並行して、例えば第2遮光膜23と同じあるいは異なる材料からなる画像表示領域の周辺を規定する額縁としての第3遮光膜53が設けられている。シール材52の外側の領域には、データ線6aに画像信号を所定タイミングで供給することによりデータ線6aを駆動するデータ線駆動回路101および実装端子102がTFTアレイ基板10の一辺に沿って設けられており、走査線3aに走査信号を所定タイミングで供給することにより走査線3aを駆動する走査線駆動回路104が、この一辺に隣接する2辺に沿って設けられている。走査線3aに供給される走査信号遅延が問題にならないのならば、走査線駆動回路104は片側だけでも良いことは言うまでもない。また、データ線駆動回路101を画像表示領域の辺に沿って両側に配列してもよい。例えば上層側のデータ線は画像表示領域の一方の辺に沿って配設されたデータ線駆動回路から画像信号を供給し、下層側のデータ線は前記画像表示領域の反対側の辺に沿って配設されたデータ線駆動回路から画像信号を供給するようにしてもよい。この様にデータ線を櫛歯状に駆動するようにすれば、データ線駆動回路の占有面積を拡張することができるため、複雑な回路を構成することが可能となる。
【0088】
さらに、TFTアレイ基板10の残る一辺には、画像表示領域の両側に設けられた走査線駆動回路104間をつなぐための複数の配線105が設けられている。また、対向基板20のコーナー部の少なくとも1箇所においては、TFTアレイ基板10と対向基板20との間で電気的導通をとるための導通材106が設けられている。そして、図11に示すように、図10に示したシール材52とほぼ同じ輪郭を持つ対向基板20が当該シール材52によりTFTアレイ基板10に固着されている。なお、TFTアレイ基板10上には、これらのデータ線駆動回路101、走査線駆動回路104等に加えて、複数のデータ線6aに画像信号を所定のタイミングで印加するサンプリング回路、複数のデータ線6aに所定電圧レベルのプリチャージ信号を画像信号に先行して各々供給するプリチャージ回路、製造途中や出荷時の当該液晶装置の品質、欠陥等を検査するための検査回路等を形成してもよい。なお、本実施の形態によれば、対向基板20上の第2遮光膜23はTFTアレイ基板10の遮光領域よりも小さく形成すれば良い。また、液晶装置の用途により、第2遮光膜23は容易に取り除くことができる。
【0089】
以上、図1から図11を参照して説明した本実施の形態では、データ線駆動回路101および走査線駆動回路104をTFTアレイ基板10の上に設ける代わりに、例えばTAB(Tape Automated Bonding)基板上に実装された駆動用LSIに、TFTアレイ基板10の周辺部に設けられた異方性導電フィルムを介して電気的および機械的に接続するようにしてもよい。また、対向基板20の投射光が入射する側およびTFTアレイ基板10の出射光が出射する側には各々、例えば、TN(Twisted Nematic)モード、VA(Vertically Aligned)モード、PDLC(Polymer Dispersed Liquid Crystal)モード等の動作モードや、ノーマリーホワイトモード/ノーマリーブラックモードの別に応じて、偏光フィルム、位相差フィルム、偏光板などが所定の方向で配置される。
【0090】
以上説明した本実施形態における液晶装置は、図14に示すような単板式の液晶プロジェクタに適用される。単板式の液晶プロジェクタは、図14に示されるように、光源202から出射された非偏光な光がインテグレータ光学系300を構成する第1の光学要素320の複数の微小レンズ321及び第2の光学要素330に含まれる集光レンズ340の複数の微小レンズ341によって複数の部分光束に分割されて偏光変換素子361の近傍で集光される。偏光変換素子361に入射された複数の部分光束は、1種の直線偏光光に変換され、液晶ライトバルブ207に均一な光を入射する。そして、液晶ライトバルブ207に入射された光は与えられた画像情報に従って変調され、液晶ライトバルブ207から出射された変調光は投射レンズ208に出射し、投射レンズ208は変調光を投射スクリーン209上に投射する。このようにプロジェクタの単板化によって必要な部品点数を少なくすることができるので、光学系の小型化と、低コスト化を図ることができる。また本実施形態にある効果により、3板方式に比べて見劣りしない明るい表示を得ることができる。
【0091】
また、以上のような用途だけではなく、カラーフィルタ層を有しているため、液晶プロジェクタ以外の直視型や反射型のカラー液晶テレビなどのカラー液晶装置に本実施の形態における液晶装置を適用することもできる。さらに、TFTアレイ基板上にカラーフィルター層を設ける代わりに、対向基板20上に、何層もの屈折率の相違する干渉層を堆積することで、光の干渉を利用してRGBの各色を作り出すダイクロイックフィルタを画素の形状に対応させて形成してもよい。このダイクロイックフィルタ付き対向基板によれば、より明るいカラー液晶装置が実現できる。
【0092】
以上、説明した各実施形態における液晶装置では、従来と同様に入射光を対向基板20の側から入射することとしたが、第1遮光膜11aを設けているので、TFTアレイ基板10の側から入射光を入射し、対向基板20の側から出射するようにしても良い。すなわち、このように液晶装置を液晶プロジェクタに取り付けても、半導体層1aのチャネル領域1a’およびソース側LDD領域1b、ドレイン側LDD領域1cに光が入射することを防ぐことができ、高画質の画像を表示することが可能である。この場合、TFTアレイ基板側にマイクロレンズを装着してもよい。
【0093】
また、各画素に設けられるスイッチング素子としては、正スタガ型またはコプラナー型のポリシリコンTFTであるとして説明したが、逆スタガ型のTFTやアモルファスシリコンTFT等の他の形式のTFTに対しても、本実施の形態は有効である。
【0094】
[電子機器]
次に、以上詳細に説明した液晶装置100を備えた電子機器の実施の形態について図12および図13を参照して説明する。
【0095】
まず、図12に、このように液晶装置100を備えた電子機器の概略構成を示す。図12において、電子機器は、表示情報出力源1000、表示情報処理回路1002、駆動回路1004、液晶装置100、クロック発生回路1008並びに電源回路1010を備えて構成されている。表示情報出力源1000は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、光ディスク装置などのメモリ、画像信号を同調して出力する同調回路等を含み、クロック発生回路1008からのクロック信号に基づいて、所定フォーマットの画像信号などの表示情報を表示情報処理回路1002に出力する。表示情報処理回路1002は、増幅・極性反転回路、シリアル−パラレル変換回路、ローテーション回路、ガンマ補正回路、クランプ回路等の周知の各種処理回路を含んで構成されており、クロック信号に基づいて入力された表示情報からデジタル信号を順次生成し、クロック信号CLKとともに駆動回路1004に出力する。駆動回路1004は、液晶装置100を駆動する。電源回路1010は、上述の各回路に所定電源を供給する。なお、液晶装置100を構成するTFTアレイ基板の上に、駆動回路1004を搭載してもよく、これに加えて表示情報処理回路1002を搭載してもよい。
【0096】
次に、図13にこのように構成された電子機器の具体例を示す。
【0097】
図13において、電子機器の他の例たるマルチメディア対応のラップトップ型のパーソナルコンピュータ(PC)1200は、上述した液晶装置100がトップカバーケース内に設けられており、さらに、CPU、メモリ、モデム等を収容するとともにキーボード1202が組み込まれた本体1204を備えている。
【0098】
以上、図13を参照して説明した電子機器の他にも、液晶テレビ、ビューファインダ型またはモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、エンジニアリング・ワークステーション(EWS)、携帯電話、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた装置等などが図12に示した電子機器の例として挙げられる。
【0099】
以上説明したように、本実施の形態によれば、製造効率が高く高品位の画像表示が可能な液晶装置を備えた各種の電子機器を実現できる。
【0100】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、特にデータ線配置領域内に複数本のデータ線をまとめて配置し、これらのデータ線から当該画素開口領域内の3つの画素電極に画像信号を供給する構成により、従来の構成のように画素開口領域内にデータ線を配置する必要がなくなるため、従来に比べて開口率を向上させることができる。さらに、略正方形の画素開口領域を中心点を通るように3等分し、これを3つの色光に対応する各画素としてこれに対応するマイクロレンズを設けた場合、各画素を透過する光の透過率を略均等化することができ、従来に比べて光の利用効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態である液晶装置を構成するTFTアレイ基板の一画素を示す平面図である。
【図2】 図1のA−A’線に沿う断面図である。
【図3】 図1のB−B’線に沿う断面図である。
【図4】 同、液晶装置の製造方法を順を追って示す工程断面図である。
【図5】 同、工程断面図の続きである。
【図6】 同、工程断面図の続きである。
【図7】 同、工程断面図の続きである。
【図8】 同、工程断面図の続きである。
【図9】 同、工程断面図の続きである。
【図10】 本実施の形態のTFTアレイ基板をその上に形成された各構成要素とともに対向基板の側から見た平面図である。
【図11】 図10のH−H線に沿う断面図である。
【図12】 本発明による電子機器の実施の形態の概略構成を示すブロック図である。
【図13】 電子機器の一例としてパーソナルコンピュータを示す正面図である。
【図14】 本発明による単板式の液晶プロジェクタの一例の概略構成を示す図である。
【図15】 液晶ライトバルブを構成するTFTアレイ基板の平面図である。
【図16】 従来のTFTアレイ基板の平面図であって、従来の問題点を説明するための図である。
【符号の説明】
1…半導体層
2a,2b…ゲート絶縁膜
3…走査線
4…第2層間絶縁膜
5,8…コンタクトホール
6a,6b…データ線
6c…上層側データ線
6d…下層側データ線
7…第3層間絶縁膜
9r,9g,9b…画素電極
10…TFTアレイ基板
16,22…配向膜
20…対向基板
21…対向電極
23…第2遮光膜
30…TFT(薄膜トランジスタ、スイッチング素子)
40…走査線配置領域
41…データ線配置領域
42…画素開口領域
43r,43g…色素層(カラーフィルター)
44…マイクロレンズ
45…マイクロレンズアレイ
46…接着剤
47…カバーガラス
50…液晶層(電気光学材料)
81…第1層間絶縁膜
100…液晶装置
Claims (9)
- 一対の基板間に電気光学材料が挟持されてなり、前記一対の基板のうちの一方の基板上に、互いに交差する複数の走査線配置領域と複数のデータ線配置領域と、前記走査線配置領域と前記データ線配置領域とに囲まれ且つマトリクス状に配置された複数の正方形の画素開口領域とを有し、入射光を前記各画素開口領域に向けて集光する複数のマイクロレンズが設けられた電気光学装置であって、
前記各画素開口領域内に設けられ、赤、緑、青の色にそれぞれ対応する3つの画素電極と、
前記画素電極の各々にそれぞれ接続された3つのスイッチング素子とを具備し、
前記各走査線配置領域内に1本以上の走査線が配置されると共に、前記画素開口領域を間に挟む走査線配置領域内の2本の走査線により、前記3つのスイッチング素子が駆動され、
前記各データ線配置領域内に2本または3本のデータ線が配置されると共に、前記3つの画素電極それぞれに対して、前記画素開口領域の両側に隣接するデータ線配置領域内の2本または3本のデータ線のいずれかから前記スイッチング素子を介して画像信号が供給され、
前記画素開口領域が、円形を120°ずつに3等分した扇形に近い形状に3等分され、該3等分した領域がそれぞれ前記赤、緑、青の色光に対応しており、
前記各画素電極は、前記赤、緑、青の色光に対応する3等分された領域のそれぞれに対応して設けられると共に、前記画素開口領域の中心から放射状に延びる線分で分割された形状を一部有するように形成されており、
前記マイクロレンズの中心が前記画素開口領域の中心の位置に一致するように、前記マイクロレンズが設けられていることを特徴とする電気光学装置。 - 前記各データ線配置領域内に配置されるデータ線が層間絶縁膜を間に挟む2層の配線層からなる2本のデータ線であり、これら2本のデータ線をなす上層側データ線又は下層側データ線から前記3つの画素電極に対して画像信号が供給されることを特徴とする請求項1記載の電気光学装置。
- 平面視した際に前記上層側データ線と前記下層側データ線の少なくとも一部が重なるように配置されたことを特徴とする請求項2記載の電気光学装置。
- 前記下層側データ線の少なくとも一部が前記走査線と同一配線層で形成され、
前記下層側データ線が前記走査線と交差する箇所では、前記下層側データ線が前記上層側データ線と同一配線層上に形成され且つ該上層側データ線と接触しない位置に配置されたことを特徴とする請求項2または3記載の電気光学装置。 - 前記下層側データ線が前記走査線配置領域間で分断され、
前記下層側データ線の端部が、前記層間絶縁膜を貫通するコンタクトホールを介して、前記上層側データ線と同一配線層上に形成され且つ該上層側データ線と接触しないように配置された他の上層側データ線と接続されたことを特徴とする請求項4記載の電気光学装置。 - 前記各画素開口領域内の3つの画素電極に対応する3つの異なる色素層を備えたカラーフィルターが設けられたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の電気光学装置。
- 前記画素開口領域の形状が略正方形であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の電気光学装置。
- 前記電気光学装置がノーマリーブラックモードであることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の電気光学装置。
- 請求項1ないし8のいずれかに記載の電気光学装置を備えた投射型表示装置であって、光源と、該光源から出射された光を変調する前記電気光学装置と、該電気光学装置により変調された光を投射面に拡大投影する拡大投影光学系とを有することを特徴とする投射型表示装置。
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