JP3829434B2 - 加圧流動層ボイラのサイクロンレグ部詰り防止装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、加圧流動層ボイラのサイクロンレグ部詰り防止装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
加圧流動層ボイラの一例を図5によって説明すると、内部が加圧雰囲気になっている圧力容器1の中に流動層ボイラ本体2が設けられており、流動層ボイラ本体2内の下部には複数本の散気管3が配設されており、該散気管3は、圧力容器1内の加圧空気4を、途中に後述する灰クーラ19が設けられた取入管36から風箱37へ取り入れて上方に噴出するようになっている。
【0003】
前記散気管3の上部には、石炭スラリ等の燃料を供給する燃料供給管5が配設されていると共に、流動層6を形成するための石灰石等の脱硫材、石炭灰等を混合したベッド材7がベッド材貯蔵容器24から供給されるようになっており、コンプレッサ8から圧力容器1内に供給された加圧空気4が前記取入管36から風箱37を介して散気管3に供給され上方に噴出されることにより流動層6が形成され、前記燃料供給管5から供給された燃料が流動層6の中で撹拌されて効率よく燃焼されることにより、流動層6の形成部に配設された伝熱管9により水を加熱して蒸気を発生させるようになっている。
【0004】
前記流動層6の層高は、ボイラ負荷指令に応じて制御されるようになっており、負荷の上昇に伴って流動層6の層高を高くする際には、ベッド材貯蔵容器24の底部に接続されたL字状のベッド材注入配管25に対し、圧力容器1内の加圧空気4を注入弁26の開度調節によって供給することにより、ベッド材貯蔵容器24内のベッド材7をベッド材注入配管25を介して流動層ボイラ本体2内へ注入する一方、負荷の低下に伴って流動層6の層高を低くする際には、ベッド材貯蔵容器24の内圧を抜出弁27の開度調節によって減圧することにより、流動層ボイラ本体2内のベッド材7を、流動層ボイラ本体2の側部から突設されたベッド材抜出配管28からベッド材貯蔵容器24へ抜き出すようになっている。
【0005】
又、燃焼によって生じた灰等により流動層ボイラ本体2内のベッド材7の量が増え、現在の負荷に対して流動層6の層高が上昇した場合には、前記灰及びベッド材7の一部はトータル的に見た余剰分として、散気管3の間から、下側に設けられている灰出しホッパ10に落下し、下部の灰切出管11からLバルブ29を介して、ロックホッパ30に取り出された後、ロータリーバルブ31によって所要量ずつ排出ライン32へ切り出され、ブロワ23の作動による吸引により排出ライン32からベッド材サイロ33へ導入されるようになっており、該ベッド材サイロ33に貯留された前記灰及びベッド材7は、適宜ロータリーバルブ34から切り出され、トラック35等で搬出されるようになっている。
【0006】
前記流動層ボイラ本体2の上部には、伝熱管9内の水を加熱した後の高温で高圧の排ガス12が分岐ダクト13を介して導かれる一次サイクロン14と二次サイクロン14’が複数系統(例えば七系統あるが図5にはそのうちの一系統のみを示す)配設されて、前記排ガス12中の灰を分離するようになっており、一次サイクロン14と二次サイクロン14’で大部分の灰が分離された排ガス12は、排ガス管15を介して圧力容器1外部に設けられたガスタービン16に供給されて該ガスタービン16を駆動し、ガスタービン16は前述したコンプレッサ8を駆動すると共に、余剰動力でガスタービン発電機17を駆動するようになっており、前記ガスタービン16を駆動した後の排ガス12は脱硝装置39で脱硝され、煙道ダクト40を経て煙突41から大気へ放出されるようになっている。
【0007】
前記一次サイクロン14で分離された分離灰18は、灰クーラ19において前記取入管36から風箱37を介して散気管3へ供給される加圧空気4により冷却された後、灰輸送管20で圧力容器1の外部の灰処理装置(図示せず)に輸送されるようになっており、又、前記取入管36から風箱37を介して散気管3へ供給される加圧空気4は、前記灰クーラ19において分離灰18から熱を奪って加熱された後、上方に噴射され流動層6を形成するようになっている。
【0008】
前記二次サイクロン14’で分離された分離灰18’は、二次サイクロン14’のレグ部44に接続された二次灰輸送管42から減圧オリフィス装置43を介して前記煙道ダクト40へ導入され、前記脱硝装置39で脱硝された排ガス12と一緒に煙突41から大気へ放出されるようになっている。
【0009】
尚、図5中、38は起動時に取入管36から風箱37を介して散気管3へ供給される加圧空気4を加熱するための起動バーナである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記二次サイクロン14’のレグ部44に対する二次灰輸送管42の接続部は、図6に示される如く、二次サイクロン14’のレグ部44所要位置から略水平方向へ延びるよう管台45を突設し、該管台45のフランジ部46に対して、二次灰輸送管42を貫通させた台座47のフランジ部48を、ボルト・ナット等の締付部材49により締付固定してなる構造を有しており、二次灰輸送管42の基端部には、管台45との間の空間に分離灰18’が入り込むことを防ぐためのプレート50を嵌着してある。
【0011】
前述の如き加圧流動層ボイラにおいては、運転中のように排ガス12の温度が高ければ二次サイクロン14’のレグ部44内に分離灰18’が付着することはないが、停缶後に排ガス12の温度が下がって二次サイクロン14’のレグ部44内の温度が低下すると、レグ部44内に残存した分離灰18’が結露等によりレグ部44の内壁に付着してフレーク状の塊となり、運転再開時に二次灰輸送管42の詰りを発生させるという欠点を有していた。
【0012】
本発明は、斯かる実情に鑑み、停缶時にサイクロンのレグ部内に残存した分離灰を抜き出すことができ、運転再開時に灰輸送管の詰りが発生することを防止し得る加圧流動層ボイラのサイクロンレグ部詰り防止装置を提供しようとするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、圧力容器内の流動層ボイラ本体から排出される排ガス中の灰捕集用のサイクロンにおいて捕集された分離灰を煙道ダクトへ導く灰輸送管が接続された加圧流動層ボイラのサイクロンレグ部詰り防止装置であって、
サイクロンのレグ部に、先端側が圧力容器を貫通して外部へ延び且つ途中に停缶時に開かれる開閉弁が設けられた灰抜出用配管の基端を接続し、該灰抜出用配管の先端に灰分離器を接続したことを特徴とする加圧流動層ボイラのサイクロンレグ部詰り防止装置にかかるものである。
【0014】
前記加圧流動層ボイラのサイクロンレグ部詰り防止装置においては、サイクロンのレグ部における灰抜出用配管近傍所要位置に、レグ部内へパージ媒体を噴射するパージ配管を接続することができる。
【0015】
上記手段によれば、以下のような作用が得られる。
【0016】
加圧流動層ボイラの停缶時には、開閉弁が開かれ、サイクロンのレグ部内に残存した分離灰が、圧力容器内の圧力と灰分離器内の圧力との差により、灰抜出用配管に吸い込まれ、該灰抜出用配管から灰分離器へ導かれ、分離灰が分離されて捕集される。
【0017】
この結果、停缶後に排ガスの温度が下がってサイクロンのレグ部内の温度が低下しても、分離灰が結露等によりレグ部の内壁に付着してフレーク状の塊となるようなことが回避され、運転再開時に二次灰輸送管の詰りが発生するようなことがなくなる。
【0018】
前記加圧流動層ボイラのサイクロンレグ部詰り防止装置において、サイクロンのレグ部における灰抜出用配管近傍所要位置に、レグ部内へパージ媒体を噴射するパージ配管を接続すると、加圧流動層ボイラの停缶時に開閉弁が開かれた後、パージ配管からパージ媒体をサイクロンのレグ部内へ噴射すると、サイクロンのレグ部内に残存した分離灰が吹き上げられ、より確実に灰抜出用配管を介して灰分離器へ抜き出されることとなる。
【0019】
又、加圧流動層ボイラの運転中に、開閉弁を開くと、サイクロンで分離された分離灰を灰分離器へ抜き出して採取することができ、灰の成分調査が可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
【0021】
図1〜図4は本発明を実施する形態の一例であって、図中、図5及び図6と同一の符号を付した部分は同一物を表わしており、基本的な構成は図5及び図6に示す従来のものと同様であるが、本図示例の特徴とするところは、図1〜図4に示す如く、二次サイクロン14’のレグ部44に、先端側が圧力容器1を貫通して外部へ延び且つ途中に停缶時に開かれる開閉弁51が設けられた灰抜出用配管52の基端を接続し、該灰抜出用配管52の先端に灰分離器53を接続した点にある。
【0022】
本図示例においては、図2に示す如く、二次サイクロン14’のレグ部44に接続される灰抜出用配管52の基端部外周を覆う外管54を、二次サイクロン14’のレグ部44内に開口するよう配設すると共に、外管54に窒素ガス等のパージ媒体Pの供給管55を接続することにより、外管54と灰抜出用配管52との間の隙間からレグ部44内へパージ媒体Pを噴射するパージ配管56を構成するようにしてある。
【0023】
又、前記灰分離器53は、図3及び図4に示す如く、円筒状の分離器本体57に対してその接線方向に延びる導入管58を突設し、該導入管58に前記灰抜出用配管52の先端をフランジ接続してなり、加圧流動層ボイラの停缶時における二次サイクロン14’のレグ部44からの分離灰18’の抜出時には、該分離灰18’を分離器本体57の接線方向へ導き、遠心力を利用して分離灰18’を捕集する一方、分離灰18’を搬送してきたガスGは分離器本体57上部に接続した配管59,60から図示していない排ガスクーラ出口ダクト等へ排出するようにしてある。尚、図3中、61は灰分離器53において捕集した分離灰18’を排出するための排出弁である。
【0024】
次に、上記図示例の作動を説明する。
【0025】
加圧流動層ボイラの通常の運転時には、開閉弁51は閉じており、二次サイクロン14’で分離された分離灰18’は、従来と同様、二次サイクロン14’のレグ部44に接続された二次灰輸送管42から減圧オリフィス装置43を介して煙道ダクト40へ導入され、脱硝装置39で脱硝された排ガス12と一緒に煙突41から大気へ放出される。
【0026】
加圧流動層ボイラの停缶時には、開閉弁51が開かれ、二次サイクロン14’のレグ部44内に残存した分離灰18’が、圧力容器1内の圧力(運転停止直後はおよそ10[kgf/cm2]程度)と灰分離器53内の圧力(略大気圧)との差により、灰抜出用配管52に吸い込まれ、該灰抜出用配管52から灰分離器53の導入管58を経て分離器本体57の接線方向へ導かれ、遠心力により分離灰18’が分離されて分離器本体57内に捕集される一方、分離灰18’を搬送してきたガスGは分離器本体57上部に接続した配管59,60から図示していない排ガスクーラ出口ダクト等へ排出される。
【0027】
この結果、停缶後に排ガス12の温度が下がって二次サイクロン14’のレグ部44内の温度が低下しても、分離灰18’が結露等によりレグ部44の内壁に付着してフレーク状の塊となるようなことが回避され、運転再開時に二次灰輸送管42の詰りが発生するようなことがなくなる。
【0028】
尚、加圧流動層ボイラの停缶時に開閉弁51が開かれた後、パージ配管56の供給管55から外管54を介して窒素ガス等のパージ媒体Pを二次サイクロン14’のレグ部44内へ噴射すると、二次サイクロン14’のレグ部44内に残存した分離灰18’が吹き上げられ、より確実に灰抜出用配管52を介して灰分離器53へ抜き出されることとなる。
【0029】
又、加圧流動層ボイラの運転中に、開閉弁51を開くと、二次サイクロン14’で分離された分離灰18’を灰分離器53へ抜き出して採取することができ、灰の成分調査が可能となる。
【0030】
こうして、停缶時に二次サイクロン14’のレグ部44内に残存した分離灰18’を抜き出すことができ、運転再開時に二次灰輸送管42の詰りが発生することを防止し得る一方、運転中にも二次サイクロン14’で分離された分離灰18’を灰分離器53へ抜き出して採取することができ、灰の成分調査が可能となるため、運転状況の把握にも大いに役立つこととなる。
【0031】
尚、本発明の加圧流動層ボイラのサイクロンレグ部詰り防止装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0032】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明の加圧流動層ボイラのサイクロンレグ部詰り防止装置によれば、停缶時にサイクロンのレグ部内に残存した分離灰を抜き出すことができ、運転再開時に灰輸送管の詰りが発生することを防止し得る一方、運転中にもサイクロンで分離された分離灰を灰分離器へ抜き出して採取することができ、灰の成分調査が可能となるため、運転状況の把握にも大いに役立つという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する形態の一例の全体概要構成図である。
【図2】図1のII部拡大断面図である。
【図3】図1のIII部拡大断面図である。
【図4】図3のIV−IV断面図である。
【図5】従来例の全体概要構成図である。
【図6】図5のVI部拡大断面図である。
【符号の説明】
1 圧力容器
2 流動層ボイラ本体
12 排ガス
14’ 二次サイクロン(サイクロン)
18’ 分離灰
40 煙道ダクト
42 二次灰輸送管(灰輸送管)
44 レグ部
51 開閉弁
52 灰抜出用配管
53 灰分離器
56 パージ配管
P パージ媒体
Claims (2)
- 圧力容器内の流動層ボイラ本体から排出される排ガス中の灰捕集用のサイクロンにおいて捕集された分離灰を煙道ダクトへ導く灰輸送管が接続された加圧流動層ボイラのサイクロンレグ部詰り防止装置であって、
サイクロンのレグ部に、先端側が圧力容器を貫通して外部へ延び且つ途中に停缶時に開かれる開閉弁が設けられた灰抜出用配管の基端を接続し、該灰抜出用配管の先端に灰分離器を接続したことを特徴とする加圧流動層ボイラのサイクロンレグ部詰り防止装置。 - サイクロンのレグ部における灰抜出用配管近傍所要位置に、レグ部内へパージ媒体を噴射するパージ配管を接続した請求項1記載の加圧流動層ボイラのサイクロンレグ部詰り防止装置。
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JP27114397A JP3829434B2 (ja) | 1997-10-03 | 1997-10-03 | 加圧流動層ボイラのサイクロンレグ部詰り防止装置 |
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JPH11108310A JPH11108310A (ja) | 1999-04-23 |
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