JP3663725B2 - 加圧流動層ボイラのベッド材処理装置 - Google Patents

加圧流動層ボイラのベッド材処理装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、加圧流動層ボイラのベッド材処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
加圧流動層ボイラの一例を図2によって説明すると、内部が加圧雰囲気になっている圧力容器1の中に流動層ボイラ本体2が設けられており、流動層ボイラ本体2内の下部には図中左右方向に延びている散気管3が前後に複数個並設されており、該散気管3は、圧力容器1内の加圧空気4を下部取入口3aから取り入れて上方に噴出するようになっている。
【0003】
散気管3の上部には、石炭スラリ等の燃料を供給する燃料供給管5が配設されていると共に、流動層6を形成するための石灰石等の脱硫材、砂等を混合したベッド材7がベッド材貯蔵容器24から供給されており、コンプレッサ8から圧力容器1内に供給された加圧空気4が下部取入口3aから散気管3に供給されて上方に噴射されることにより流動層6が形成され、前記燃料供給管5から供給された燃料が流動層6の中で撹拌されて効率よく燃焼されることにより、流動層6の形成部に配設された伝熱管9により水を加熱して蒸気を発生させるようになっている。
【0004】
前記流動層6の層高は、ボイラ負荷指令に応じて制御されるようになっており、負荷の上昇に伴って流動層6の層高を高くする際には、ベッド材貯蔵容器24の底部に接続されたL字状のベッド材注入配管25に対し、圧力容器1内の加圧空気4を注入弁26の開度調節によって供給することにより、ベッド材貯蔵容器24内のベッド材7をベッド材注入配管25を介して流動層ボイラ本体2内へ注入する一方、負荷の低下に伴って流動層6の層高を低くする際には、ベッド材貯蔵容器24の内圧を抜出弁27の開度調節によって減圧することにより、流動層ボイラ本体2内のベッド材7を、流動層ボイラ本体2の側部から突設されたベッド材抜出配管28からベッド材貯蔵容器24へ抜き出すようになっている。
【0005】
又、燃焼によって生じた灰等により流動層ボイラ本体2内のベッド材7の量が増え、現在の負荷に対して流動層6の層高が上昇した場合には、前記灰及びベッド材7の一部はトータル的に見た余剰分として、散気管3の間から、下側に設けられている灰出しホッパ10に落下し、下部の灰切出管11からLバルブ29を介して、ロックホッパ30に取り出された後、ロータリーバルブ31によって所要量ずつ排出ライン32へ切り出され、ブロワ23の作動による吸引により排出ライン32からベッド材サイロ33へ導入されるようになっており、該ベッド材サイロ33に貯留された前記灰及びベッド材7は、適宜ロータリーバルブ34から切り出され、トラック35等で搬出されるようになっている。
【0006】
流動層ボイラ本体2の上部には、伝熱管9内の水を加熱した後の高温で高圧の排ガス12が分岐ダクト13を介して導かれる複数(例えば六個)のサイクロン14が配設されて、前記排ガス12中の灰を分離するようになっており、サイクロン14で灰が分離された排ガス12は、排ガス管15を介して圧力容器1外部に設けられたガスタービン16に供給されて該ガスタービン16を駆動し、ガスタービン16は前述したコンプレッサ8を駆動すると共に、余剰動力でガスタービン発電機17を駆動するようになっている。
【0007】
前記サイクロン14にて分離した分離灰18は灰クーラ19で加圧空気4により冷却された後、灰輸送管20で圧力容器1の外部に輸送されるようになっている。
【0008】
尚、前記ベッド材貯蔵容器24は、通常、複数個設けられており、そのトータルの容量は、流動層ボイラ本体2内において100%の負荷で運転が行われる場合に必要となるベッド材7を貯められるだけの容量となるようにしてある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
前述の如き従来の加圧流動層ボイラでは、何等かの原因によりガスタービン16等がトリップした場合、燃料や加圧空気4の供給が停止され、流動層6が形成できなくなり、流動層ボイラ本体2内底部に多量のベッド材7が堆積してしまい、その状態から運転を再開しようとしても、バブリングが困難となって流動層6を形成できないため、トリップ発生時には、前記流動層ボイラ本体2内底部に堆積したベッド材7を一旦ベッド材サイロ33へ抜き出す必要がある。
【0010】
前記ベッド材7の抜き出し完了後、運転を再開する際には、ベッド材7を貯留した充填用ホッパ36’から延びる充填ライン37と、ベッド材貯蔵容器24から突設された充填ノズル38とを配管39によって接続し、充填用ホッパ36’内のベッド材7をコンプレッサ40からの圧縮空気によりLバルブ41から充填ライン37と配管39と充填ノズル38を介してベッド材貯蔵容器24内へ供給し、前記配管39を外して充填ノズル38を閉鎖した後、散気管3から加圧空気4を噴射しつつ、ベッド材貯蔵容器24から流動層ボイラ本体2へベッド材7を徐々に供給するようになっている。
【0011】
しかしながら、前述の如く、トリップ発生時にベッド材7を一旦ベッド材サイロ33へ抜き出してから、配管39をつないで充填用ホッパ36’からベッド材貯蔵容器24へベッド材7を充填するのでは、非常に手間と時間がかかる一方、圧縮空気にベッド材7をのせて搬送を行う、いわゆる低濃度輸送では、ベッド材7が破砕されてその粒度が細かくなりやすく、該ベッド材7の粒度が細かくなると、ベッド材貯蔵容器24から流動層ボイラ本体2へのベッド材7の供給速度を速くしようとした場合、散気管3から噴射される加圧空気4と一緒に吹き上げられてサイクロン14で分離され外部へ排出されるベッド材7の量が増え、該ベッド材7によって灰輸送管20等が目詰りを起こしやすくなるため、前記ベッド材7の供給速度が制限され、ボイラの起動時間も長くなるという欠点を有していた。しかも、前記ベッド材7の粒度が細かくなると、ボイラの起動後の運転時においても、排ガス12と一緒に吹き上げられてサイクロン14で分離され外部へ排出されるベッド材7の量が増えると共に、該ベッド材7によって灰輸送管20等が目詰りを起こしやすくなるという欠点を有していた。
【0012】
又、前述の如き従来の加圧流動層ボイラでは、現在の負荷に対して一定に保持されるべき流動層6の層高が下降し、ベッド材貯蔵容器24内並びに流動層ボイラ本体2内に存在するベッド材7の絶対量が減少したような場合、ボイラの運転を一旦停止した後、前述と同様、充填ライン37と充填ノズル38とを配管39によって接続し、充填用ホッパ36’内のベッド材7をコンプレッサ40からの圧縮空気によりLバルブ41から充填ライン37と配管39と充填ノズル38を介してベッド材貯蔵容器24内へ補充しなければならなかった。
【0013】
本発明は、斯かる実情に鑑み、トリップ発生時にベッド材7を直接ベッド材貯蔵容器24へ戻すことができ、起動時間の短縮化を図り得ると共に、ベッド材7が減少した場合、運転中にベッド材貯蔵容器24へベッド材7を補充でき、その都度ボイラの運転を停止することを不要とし得、又、ベッド材7のベッド材貯蔵容器24への充填時並びに補充時における破砕を最小限に抑えることができ、この点からも起動時間の短縮化並びに運転の安定化に貢献し得る加圧流動層ボイラのベッド材処理装置を提供しようとするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、圧力容器1内に流動層ボイラ本体2とベッド材貯蔵容器24とを配設し、負荷上昇時には、ベッド材貯蔵容器24内のベッド材7をベッド材注入配管25から流動層ボイラ本体2内へ注入して流動層6の層高を高くする一方、負荷低下時には、流動層ボイラ本体2内のベッド材7をベッド材抜出配管28からベッド材貯蔵容器24へ抜き出して流動層6の層高を低くするよう構成した加圧流動層ボイラのベッド材処理装置であって、
トリップ発生時には、流動層ボイラ本体2内から抜き出されるベッド材7を循環ライン42を介してベッド材貯蔵容器24へ送給する一方、
通常運転時には、流動層ボイラ本体2内から抜き出される余剰のベッド材7を、前記循環ライン42と、該循環ライン42途中から分岐する余剰ベッド材導入ライン51とを介して、ベッド材中間ホッパ36へ導入し前記ベッド材貯蔵容器24への補充用として貯留し、且つベッド材中間ホッパ36に貯留したベッド材7を必要に応じて、前記循環ライン42途中に接続される補充ベッド材ライン52と、前記循環ライン42とを介してベッド材貯蔵容器24へ供給するよう構成したことを特徴とする加圧流動層ボイラのベッド材処理装置にかかるものである。
【0015】
前記加圧流動層ボイラのベッド材処理装置においては、間欠開閉により圧縮空気のパルスを発生させて循環ライン42へ供給可能なパルス発生バルブ46と、間欠開閉により圧縮空気のパルスを発生させて補充ベッド材ライン52へ供給可能なパルス発生バルブ53とを備え、
トリップ発生時に流動層ボイラ本体2内から抜き出されるベッド材7の循環ライン42を介したベッド材貯蔵容器24への送給、並びに通常運転時に流動層ボイラ本体2内から抜き出される余剰のベッド材7の循環ライン42と余剰ベッド材導入ライン51とを介したベッド材中間ホッパ36への導入をそれぞれ、前記パルス発生バルブ46の間欠開閉による圧縮空気のパルスを用いた高濃度輸送とすると共に、通常運転時にベッド材中間ホッパ36から補充ベッド材ライン52と循環ライン42とを介したベッド材貯蔵容器24へのベッド材7の補充を、前記パルス発生バルブ53の間欠開閉による圧縮空気のパルスを用いた高濃度輸送とするよう構成することが望ましい。
【0016】
上記手段によれば、以下のような作用が得られる。
【0017】
通常の運転時においては、流動層ボイラ本体2内から抜き出される余剰のベッド材7が循環ライン42と、該循環ライン42途中から分岐する余剰ベッド材導入ライン51とを介してベッド材中間ホッパ36へ導入され、ベッド材貯蔵容器24への補充用として貯留される一方、現在の負荷に対して一定に保持されるべき流動層6の層高が下降し、ベッド材貯蔵容器24内並びに流動層ボイラ本体2内に存在するベッド材7の絶対量が減少したような場合には、ボイラの運転はそのまま継続した状態で、前記ベッド材中間ホッパ36に貯留したベッド材7が前記循環ライン42途中に接続される補充ベッド材ライン52と、前記循環ライン42とを介してベッド材貯蔵容器24へ供給され、補充が行われる。
【0018】
又、万一、トリップが発生した場合には、流動層ボイラ本体2内底部に堆積したベッド材7は、循環ライン42を介してベッド材貯蔵容器24へ戻され、再起動の準備がなされる。
【0019】
一方、間欠開閉により圧縮空気のパルスを発生させて循環ライン42へ供給可能なパルス発生バルブ46と、間欠開閉により圧縮空気のパルスを発生させて補充ベッド材ライン52へ供給可能なパルス発生バルブ53とを備え、
トリップ発生時に流動層ボイラ本体2内から抜き出されるベッド材7の循環ライン42を介したベッド材貯蔵容器24への送給、並びに通常運転時に流動層ボイラ本体2内から抜き出される余剰のベッド材7の循環ライン42と余剰ベッド材導入ライン51とを介したベッド材中間ホッパ36への導入をそれぞれ、前記パルス発生バルブ46の間欠開閉による圧縮空気のパルスを用いた高濃度輸送とすると共に、通常運転時にベッド材中間ホッパ36から補充ベッド材ライン52と循環ライン42とを介したベッド材貯蔵容器24へのベッド材7の補充を、前記パルス発生バルブ53の間欠開閉による圧縮空気のパルスを用いた高濃度輸送とするよう構成すると、ベッド材7が破砕されにくくその粒度が細かくなりにくくなり、ベッド材貯蔵容器24から流動層ボイラ本体2へのベッド材7の供給速度を速くしても、散気管から噴射される加圧空気と一緒に吹き上げられてサイクロンで分離され外部へ排出されるベッド材7の量が増えることはなく、該ベッド材7によって灰輸送管等が目詰りを起こす心配もなく、前記ベッド材7の供給速度が制限されず、ボイラの起動時間も長くならない。しかも、前記ベッド材7の粒度が細かくなりにくいため、ボイラの起動後の運転時においても、排ガスと一緒に吹き上げられてサイクロンで分離され外部へ排出されるベッド材7の量が増えることはなく、該ベッド材7によって灰輸送管等が目詰りを起こす心配もない。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
【0021】
図1は本発明を実施する形態の一例であって、図中、図2と同一の符号を付した部分は同一物を表わしており、基本的な構成は図2に示す従来のものと同様であるが、本図示例の特徴とするところは、図1に示す如く、トリップ発生時に流動層ボイラ本体2内から抜き出されるベッド材7をベッド材貯蔵容器24へ送給可能な循環ライン42と、通常運転時に流動層ボイラ本体2内から抜き出される余剰のベッド材7を循環ライン42を介して導入し前記ベッド材貯蔵容器24への補充用として貯留可能で且つ貯留したベッド材7を必要に応じて循環ライン42からベッド材貯蔵容器24へ供給可能なベッド材中間ホッパ36とを具備した点にある。
【0022】
本図示例の場合、前記循環ライン42には、その上流側から順次、コンプレッサ43と、該コンプレッサ43からの圧縮空気を蓄えるレシーバ44と、該レシーバ44からの圧縮空気を乾燥させるドライヤ45と、間欠開閉により圧縮空気のパルスを発生可能なパルス発生バルブ46と、三方弁47,48とを設けてあり、前記パルス発生バルブ46の下流側の循環ライン42に、切換弁49の切り換えによりロックホッパ30内のベッド材7を供給可能な分岐ライン50を接続する一方、前記循環ライン42途中に設けた三方弁48の一つのポートに、循環ライン42から分岐してベッド材中間ホッパ36へ延びる余剰ベッド材導入ライン51を接続し、ベッド材中間ホッパ36からベッド材7がLバルブ41によって切り出される補充ベッド材ライン52を、前記循環ライン42途中に設けた三方弁47の一つのポートに接続し、前記ドライヤ45とパルス発生バルブ46との間の循環ライン42から分岐し且つ途中にパルス発生バルブ53が設けられた圧縮空気供給ライン54を前記Lバルブ41に接続してある。
【0023】
次に、上記図示例の作動を説明する。
【0024】
通常の運転時においては、燃焼によって生じた灰等により流動層ボイラ本体2内のベッド材7の量が増え、現在の負荷に対して流動層6の層高が上昇した場合には、切換弁49を分岐ライン50側へ切り換えると共に、三方弁47を循環ライン42を連通させるポジションに切り換え且つ三方弁48を循環ライン42から余剰ベッド材導入ライン51へベッド材7を導くポジションに切り換えた状態で、前記灰及びベッド材7の一部をトータル的に見た余剰分として、散気管3の間から、下側に設けられている灰出しホッパ10に落下させ、下部の灰切出管11からLバルブ29を介して、ロックホッパ30に取り出した後、分岐ライン50から循環ライン42へ導入する。
【0025】
この状態で、コンプレッサ43の駆動によりレシーバ44に蓄えられた圧縮空気をドライヤ45で乾燥させた後、パルス発生バルブ46の間欠開閉により、パルスとして循環ライン42へ供給すると、前記循環ライン42へ導入されたベッド材7は、前記圧縮空気のパルスにより循環ライン42内にある程度詰った状態、即ち高濃度な状態で搬送され、三方弁47,48を経て余剰ベッド材導入ライン51からベッド材中間ホッパ36へ導入され、補充用として貯留される。
【0026】
尚、前記ベッド材中間ホッパ36に補充用として必要となるだけの量のベッド材7が貯留された後は、前記切換弁49の切り換えにより、流動層ボイラ本体2内におけるベッド材7の余剰分は、従来と同様、ロックホッパ30から切換弁49を経てロータリーバルブ31によって所要量ずつ排出ライン32へ切り出され、ブロワ23の作動による吸引により排出ライン32からベッド材サイロ33へ導入され、該ベッド材サイロ33に貯留された前記灰及びベッド材7は、適宜ロータリーバルブ34から切り出され、トラック35等で搬出される。
【0027】
一方、現在の負荷に対して一定に保持されるべき流動層6の層高が下降し、ベッド材貯蔵容器24内並びに流動層ボイラ本体2内に存在するベッド材7の絶対量が減少したような場合には、ボイラの運転はそのまま継続した状態で、三方弁47を補充ベッド材ライン52から循環ライン42の下流側へベッド材7を導くポジションに切り換え且つ三方弁48を循環ライン42を連通させるポジションに切り換え、コンプレッサ43の駆動によりレシーバ44に蓄えられた圧縮空気をドライヤ45で乾燥させた後、パルス発生バルブ53の間欠開閉により、パルスとして圧縮空気供給ライン54へ供給すると、前記ベッド材中間ホッパ36内のベッド材7は、前記圧縮空気のパルスによりLバルブ41から補充ベッド材ライン52を経て循環ライン42内にある程度詰った状態、即ち高濃度な状態でベッド材貯蔵容器24へ搬送され、補充が行われる。
【0028】
又、万一、ガスタービン16等でトリップが発生した場合には、切換弁49を分岐ライン50側へ切り換えると共に、三方弁47,48を循環ライン42を連通させるポジションに切り換えた状態で、流動層ボイラ本体2内底部に堆積したベッド材7を、前述と同様、分岐ライン50から循環ライン42へ導入し、この状態で、コンプレッサ43の駆動によりレシーバ44に蓄えられた圧縮空気をドライヤ45で乾燥させた後、パルス発生バルブ46の間欠開閉により、パルスとして循環ライン42へ供給すると、前記循環ライン42へ導入されたベッド材7は、前記圧縮空気のパルスにより循環ライン42内にある程度詰った状態、即ち高濃度な状態で搬送され、三方弁47,48を経てベッド材貯蔵容器24へ戻される。
【0029】
この結果、従来のようにトリップ発生時にベッド材7を一旦ベッド材サイロ33へ抜き出してから、配管39をつないで充填用ホッパ36’からベッド材貯蔵容器24へベッド材7を充填する必要がなくなる一方、圧縮空気にベッド材7をのせて搬送を行う、いわゆる低濃度輸送ではなく、圧縮空気のパルスを用いてベッド材7を高濃度輸送するため、ベッド材7が破砕されにくくその粒度が細かくなりにくくなり、ベッド材貯蔵容器24から流動層ボイラ本体2へのベッド材7の供給速度を速くしても、散気管3から噴射される加圧空気4と一緒に吹き上げられてサイクロン14で分離され外部へ排出されるベッド材7の量が増えることはなく、該ベッド材7によって灰輸送管20等が目詰りを起こす心配もなく、前記ベッド材7の供給速度が制限されず、ボイラの起動時間も長くならない。しかも、前記ベッド材7の粒度が細かくなりにくいため、ボイラの起動後の運転時においても、排ガス12と一緒に吹き上げられてサイクロン14で分離され外部へ排出されるベッド材7の量が増えることはなく、該ベッド材7によって灰輸送管20等が目詰りを起こす心配もない。
【0030】
尚、前記ベッド材中間ホッパ36に補充用として必要となるだけの量のベッド材7が貯留された後に、流動層ボイラ本体2内のベッド材7の余剰分をベッド材サイロ33へ排出する系統については、従来と同様、ブロワ23の作動による吸引を利用した、いわゆる低濃度輸送としてあるが、排出されるベッド材7は、破砕されてその粒度が細かくなってもボイラの運転には支障がないためである。
【0031】
こうして、トリップ発生時にベッド材7を直接ベッド材貯蔵容器24へ戻すことができ、起動時間の短縮化を図り得ると共に、ベッド材7が減少した場合、運転中にベッド材貯蔵容器24へベッド材7を補充でき、その都度ボイラの運転を停止することを不要とし得、又、ベッド材7のベッド材貯蔵容器24への充填時並びに補充時における破砕を最小限に抑えることができ、この点からも起動時間の短縮化並びに運転の安定化に貢献し得る。
【0032】
尚、本発明の加圧流動層ボイラのベッド材処理装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0033】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明の請求項1記載の加圧流動層ボイラのベッド材処理装置によれば、トリップ発生時にベッド材7を直接ベッド材貯蔵容器24へ戻すことができ、起動時間の短縮化を図り得ると共に、ベッド材7が減少した場合、運転中にベッド材貯蔵容器24へベッド材7を補充でき、その都度ボイラの運転を停止することを不要とし得るという優れた効果を奏し得、又、本発明の請求項2記載の加圧流動層ボイラのベッド材処理装置によれば、上記効果に加え更に、ベッド材7のベッド材貯蔵容器24への充填時並びに補充時における破砕を最小限に抑えることができ、この点からも起動時間の短縮化並びに運転の安定化に貢献し得るという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する形態の一例の全体概要構成図である。
【図2】従来例の全体概要構成図である。
【符号の説明】
1 圧力容器
2 流動層ボイラ本体
6 流動層
7 ベッド材
24 ベッド材貯蔵容器
25 ベッド材注入配管
28 ベッド材抜出配管
36 ベッド材中間ホッパ
42 循環ライン
46 パルス発生バルブ
53 パルス発生バルブ

Claims (2)

  1. 圧力容器(1)内に流動層ボイラ本体(2)とベッド材貯蔵容器(24)とを配設し、負荷上昇時には、ベッド材貯蔵容器(24)内のベッド材(7)をベッド材注入配管(25)から流動層ボイラ本体(2)内へ注入して流動層(6)の層高を高くする一方、負荷低下時には、流動層ボイラ本体(2)内のベッド材(7)をベッド材抜出配管(28)からベッド材貯蔵容器(24)へ抜き出して流動層(6)の層高を低くするよう構成した加圧流動層ボイラのベッド材処理装置であって、
    トリップ発生時には、流動層ボイラ本体(2)内から抜き出されるベッド材(7)を循環ライン(42)を介してベッド材貯蔵容器(24)へ送給する一方、
    通常運転時には、流動層ボイラ本体(2)内から抜き出される余剰のベッド材(7)を、前記循環ライン(42)と、該循環ライン(42)途中から分岐する余剰ベッド材導入ライン(51)とを介して、ベッド材中間ホッパ(36)へ導入し前記ベッド材貯蔵容器(24)への補充用として貯留し、且つベッド材中間ホッパ(36)に貯留したベッド材(7)を必要に応じて、前記循環ライン(42)途中に接続される補充ベッド材ライン(52)と、前記循環ライン(42)とを介してベッド材貯蔵容器(24)へ供給するよう構成したことを特徴とする加圧流動層ボイラのベッド材処理装置。
  2. 間欠開閉により圧縮空気のパルスを発生させて循環ライン(42)へ供給可能なパルス発生バルブ(46)と、間欠開閉により圧縮空気のパルスを発生させて補充ベッド材ライン(52)へ供給可能なパルス発生バルブ(53)とを備え、
    トリップ発生時に流動層ボイラ本体(2)内から抜き出されるベッド材(7)の循環ライン(42)を介したベッド材貯蔵容器(24)への送給、並びに通常運転時に流動層ボイラ本体(2)内から抜き出される余剰のベッド材(7)の循環ライン(42)と余剰ベッド材導入ライン(51)とを介したベッド材中間ホッパ(36)への導入をそれぞれ、前記パルス発生バルブ(46)の間欠開閉による圧縮空気のパルスを用いた高濃度輸送とすると共に、通常運転時にベッド材中間ホッパ(36)から補充ベッド材ライン(52)と循環ライン(42)とを介したベッド材貯蔵容器(24)へのベッド材(7)の補充を、前記パルス発生バルブ(53)の間欠開閉による圧縮空気のパルスを用いた高濃度輸送とするよう構成した請求項1記載の加圧流動層ボイラのベッド材処理装置。
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