JP3828723B2 - 接着剤組成物 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に撥水加工紙用の接着剤として好適な接着剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、例えば酢酸ビニル樹脂エマルジョンやエチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン等を主成分とするエマルジョン系接着剤が紙用接着剤として広く用いられている。しかし、エマルジョン系接着剤は水を含有するので、例えばワックス等で表面に撥水処理が施された撥水加工紙のような被着体に適用すると、エマルジョン系接着剤が被着体の撥水処理面に十分に濡れず、馴染まないため、界面剥離が起こって、実用的な常態接着力を得られないという問題点がある。
【0003】
このような問題点に対応するため、例えば、特開昭59−91166号公報では、酢酸ビニル系エマルジョン及び灯油を含有してなる撥水性紙用接着剤が開示されている。
【0004】
しかし、上記開示にある接着剤は、初期接着力が乏しいため、接着の初期において被着体同士が接着部でズレを起こし、所望の接合体を得られ難いという問題点がある。
【0005】
また、湿気に敏感な物体や搬送時や保管時に水濡れが避けられない物体等を包装するための紙容器用の原料紙として、従来は紙容器の内面となる面に例えばポリエチレン樹脂フィルム層が積層された耐湿加工紙が一般的に使用されてきたが、ポリエチレン樹脂フィルム層が紙資源の再利用(リサイクル)の障害となるため、最近では例えばパラフィンワックスとアクリル樹脂との混合物からなるワックス等で片面もしくは両面に撥水処理が施された撥水加工紙を使用することが検討されている。
【0006】
しかし、前記開示にある接着剤の場合、低度な撥水処理が施された撥水加工紙の接着はなんとか可能なものの、高度な撥水処理が施された撥水加工紙の接着は困難であるという問題点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、高度な撥水処理が施された被着体表面に対しても優れた濡れ性や接着性を発揮し、初期接着力や常態接着力、耐水性や耐熱性等の諸性能を優れたバランスで発現し得る、特に撥水加工紙用の接着剤として好適に用いられる接着剤組成物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明(以下、「本発明1」と記す)による接着剤組成物は、(メタ)アクリル酸エステル共重合体及びエチレン−酢酸ビニル共重合体の合計量100重量部に対して、ウレタン樹脂5重量部以上及びリモネンまたは水添リモネン25重量部以上が含有されてなるエマルジョンであることを特徴とする。
【0009】
また、請求項2に記載の発明(以下、「本発明2」と記す)による接着剤組成物は、(メタ)アクリル酸エステル共重合体及びエチレン−酢酸ビニル共重合体の合計量100重量部に対して、ウレタン樹脂5重量部以上、リモネンまたは水添リモネン25重量部以上及びジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩が含有されてなるエマルジョンであることを特徴とする。
【0010】
本発明(本発明1及び本発明2)で用いられる(メタ)アクリル酸エステル共重合体とは、(メタ)アクリル酸アルキルエステル同士または(メタ)アクリル酸アルキルエステルと該(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能な重合性モノマーとの共重合体である。
【0011】
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、特に限定されるものではないが、アルキル基の炭素数が2〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく、例えば、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸ヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸デシルエステル、(メタ)アクリル酸ドデシルエステル等が挙げられる。これらの(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。尚、ここで言う(メタ)アクリル酸とはアクリル酸またはメタクリル酸を意味する。
【0012】
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルのアルキル基の炭素数が2未満であると、得られる接着剤組成物の被着体に対する密着性や初期接着力が不十分となることがあり、逆に(メタ)アクリル酸アルキルエステルのアルキル基の炭素数が12を超えると、得られる接着剤組成物の乾燥皮膜の凝集力が低くなって、接着力や耐熱性が不十分となることがある。
【0013】
また、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能な重合性モノマーとしては、特に限定されるものではないが、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルエステル等が挙げられる。これらの重合性モノマーは、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0014】
本発明で用いられるエチレン−酢酸ビニル共重合体におけるエチレン含有量は、特に限定されるものではないが、20〜35重量%であることが好ましい。また、上記エチレン−酢酸ビニル共重合体には、さらにエチレンや酢酸ビニルと共重合可能な重合性モノマーが共重合されていても良い。
【0015】
本発明の接着剤組成物においては、上記(メタ)アクリル酸エステル共重合体は、通常、(メタ)アクリル酸エステル共重合体エマルジョンの形態で用いられ、上記エチレン−酢酸ビニル共重合体は、通常、エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョンの形態で用いられる。
【0016】
上記(メタ)アクリル酸エステル共重合体エマルジョンは、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル同士または(メタ)アクリル酸アルキルエステルと該(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能な重合性モノマーとを通常の乳化重合により共重合して得られる。
【0017】
また、上記エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョンは、例えば、ポリビニルアルコールなどを保護コロイドとし、界面活性剤やヒドロキシエチルセルロースのようなセルロース系誘導体などを乳化分散剤として、エチレンと酢酸ビニルとを通常の乳化重合により共重合して得られる。
【0018】
本発明の接着剤組成物の主成分として用いられる上記(メタ)アクリル酸エステル共重合体及び上記エチレン−酢酸ビニル共重合体は、両共重合体の合計量に対し、好ましくは、(メタ)アクリル酸エステル共重合体30〜70重量%及びエチレン−酢酸ビニル共重合体70〜30重量%の割合で用いられる。
【0019】
本発明の接着剤組成物においては、上記(メタ)アクリル酸エステル共重合体及びエチレン−酢酸ビニル共重合体の合計量100重量部に対して、ウレタン樹脂5重量部以上が含有され、好ましくは10〜30重量部含有される。5重量部未満であると、得られる接着剤組成物の高度な撥水処理が施された被着体表面に対する接着性や初期接着力が十分に向上しなくなるからである。
【0020】
ウレタン樹脂も、通常、ウレタン樹脂エマルジョンの形態で用いられ、(メタ)アクリル酸エステル共重合体及びエチレン−酢酸ビニル共重合体の合計量100重量部に対して5重量部以上とは、各樹脂分を基準として、即ち、各樹脂の乾燥重量を基準としての値を意味するのは勿論である。
【0021】
上記ウレタン樹脂エマルジョンは、例えば、ポリオールとポリイソシアネート化合物とを所定の割合で有機溶剤に溶解し、沸点重合法等によりウレタンプレポリマーを合成し、次いで、ホモミキサーやディスパー等の高速攪拌機で激しく攪拌しながら、イソシアネート基と反応し得る官能基を有する化合物と水を添加してウレタン化反応を行いつつエマルジョン化し、最後に減圧下で脱溶剤を行って得ることが出来る。
【0022】
ポリオールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリエーテルポリオール;アジピン酸、セバチン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、オルトフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等のジカルボン酸とエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、トリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール等のグリコールとを反応させて得られるポリエステルポリオール;ポリカプロラクトンポリオール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリブタジエンポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリチオエーテルポリオール等が挙げられる。これらのポリオールは、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0023】
上記ポリオールの分子量は、特に限定されるものではないが、数平均分子量で1000〜5000であることが好ましい。ポリオールの数平均分子量が1000未満であると、ウレタン樹脂エマルジョンの乾燥皮膜が硬くなり過ぎて、得られる接着剤組成物の初期接着力が低下することがあり、逆にポリオールの数平均分子量が5000を超えると、ウレタン樹脂エマルジョンの乾燥皮膜が柔らかくなり過ぎて、得られる接着剤組成物の常態接着力や耐熱性が低下することがある。
【0024】
また、ポリイソシアネート化合物としては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、メチルシクロヘキシルジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ビス(イソシアネート)メチルシクロヘキサン、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、トランスシクロヘキサンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;トルイレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフテンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、ジフェニルメチルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、ジベンジルジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;リジンジイソシアネート、リジンエステルトリイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ウンデカントリイソシアネート、ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート等のトリイソシアネート類等が挙げられる。これらのポリイソシアネート化合物は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0025】
さらに、イソシアネート基と反応し得る官能基を有する化合物とは、いわゆる鎖長延長剤のことであり、分子中に2個以上の1級アミノ基もしくは2級アミノ基を有するポリアミンや分子中に2個以上の水酸基を有するポリオール等が挙げられる。これらのイソシアネート基と反応し得る官能基を有する化合物は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0026】
分子中に2個以上の1級アミノ基もしくは2級アミノ基を有するポリアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、アミノメチルトリメチルシクロヘキシルアミン等のジアミン;ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン;ピペリジン、モルホリン、ピペラジン等の複素環式アミン等が挙げられる。これらのポリアミンは、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0027】
また、分子中に2個以上の水酸基を有するポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン等が挙げられる。これらのポリオールは、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0028】
エマルジョン中にウレタン樹脂を含有させることにより、得られる接着剤組成物は、高度な撥水処理が施された被着体表面に対しても優れた接着性を有するものとなり、また、優れた初期接着力を発現し得るものとなる。
【0029】
本発明の接着剤組成物には、リモネンまたは水添リモネンが含有される。
【0030】
上記リモネンは、下記式(1)で表される常温で液体状の炭化水素であり、また、上記水添リモネンは、リモネンの水素添加物である。上記リモネン及び水添リモネンは、それぞれ単独で用いられても良いし、両者が併用されても良い。
【化1】
【0031】
本発明の接着剤組成物においては、上記(メタ)アクリル酸エステル共重合体及びエチレン−酢酸ビニル共重合体の合計量100重量部に対して、上記リモネンまたは水添リモネン25重量部以上が含有されていることが必要である。
【0032】
エマルジョン中にリモネンまたは水添リモネンを含有させることにより、得られる接着剤組成物は、高度な撥水処理が施された被着体表面に対しても優れた接着性を有するものとなり、また、優れた耐水性を発現し得るものとなる。
【0033】
エマルジョン中の上記(メタ)アクリル酸エステル共重合体及びエチレン−酢酸ビニル共重合体の合計量100重量部に対するリモネンまたは水添リモネンの含有量が25重量部未満であると、得られる接着剤組成物の高度な撥水処理が施された被着体表面に対する接着性や耐水性が十分に向上しなくなる。尚、本発明の接着剤組成物においては、エマルジョン中の上記(メタ)アクリル酸エステル共重合体及びエチレン−酢酸ビニル共重合体の合計量100重量部に対するリモネンまたは水添リモネンの含有量の上限は特定されないが、多量に添加するとリモネンまたは水添リモネンに起因する臭気が強まるので、25重量部以上のなかで必要最小限の含有量であることが好ましい。
【0034】
次に、本発明2の接着剤組成物においては、本発明1のエマルジョンである接着剤組成物において、さらにジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩が含有されてなる構成とされている。
【0035】
上記ジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩は、分子の中心部にスルホ琥珀酸の原子団が存在し、このスルホ琥珀酸が種々のアルコールによりエステル化されたもののカルシウム塩もしくはナトリウム塩であり、いわゆる陰イオン(アニオン)型界面活性剤である。これらのジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0036】
本発明1の接着剤組成物に対してジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩を含有させることにより、得られる接着剤組成物は、高度な撥水処理が施された被着体表面に対しても著しく優れた濡れ性や接着性を有するものとなる。
【0037】
ジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩の含有量は、特に限定されるものではないが、(メタ)アクリル酸エステル共重合体及びエチレン−酢酸ビニル共重合体の合計量100重量部に対して、ジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩1重量部以上であることが好ましい。
【0038】
上記(メタ)アクリル酸エステル共重合体及びエチレン−酢酸ビニル共重合体の合計量100重量部に対するジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩の含有量が1重量部未満であると、得られる接着剤組成物の高度な撥水処理が施された被着体表面に対する濡れ性や接着性が十分に向上しなくなることがある。尚、ジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩を多量に含有させても高度な撥水処理が施された被着体表面に対する濡れ性や接着性の向上効果は特別に変わらないので、1重量部以上のなかで必要最小限の含有量であることが好ましい。
【0039】
本発明の接着剤組成物には、本発明の課題達成を阻害しない範囲で必要に応じて、粘着性付与樹脂、カップリング剤、ジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩以外の界面活性剤、軟化剤、可塑剤、充填剤、顔料、染料、酸化防止剤(老化防止剤)、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、消泡剤、防腐剤、防黴剤、香料、有機溶剤等の各種添加剤の1種もしくは2種以上が添加されていても良い。
【0040】
本発明の接着剤組成物の製造方法は、特別なものではなく、例えば、通常の攪拌混合機を用いて、必須成分である(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びウレタン樹脂の、例えば、各エマルジョンの所定量及びリモネンまたは水添リモネンの所定量(本発明1)と、または、必須成分である(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びウレタン樹脂の、例えば、各エマルジョンの所定量、リモネンまたは水添リモネンの所定量及びジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩(本発明2)と、必要に応じて添加される上記各種添加剤の1種もしくは2種以上の各所定量とを、均一に攪拌混合することにより、所望の接着剤組成物を得ることが出来る。
【0041】
上記(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びウレタン樹脂、並びに、リモネンまたは水添リモネンやジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩が良好に分散したエマルジョンであれば、各樹脂や他の成分の添加・形成順序は特に限定されるものではない。
【0042】
(作用)
本発明の接着剤組成物は、(メタ)アクリル酸エステル共重合体及びエチレン−酢酸ビニル共重合体を主成分としてなるエマルジョンであるので、優れた初期接着力を有すると共に、乾燥皮膜の凝集力が高く、優れた常態接着力や耐熱性を発現する。また、上記エマルジョンの上記樹脂分の特定量に対して、ウレタン樹脂の特定量が含有されているので、高度な撥水処理が施された被着体表面に対しても優れた接着性を発揮すると共に、初期接着力が一段と向上する。さらに、上記エマルジョンの上記樹脂分の特定量に対して、リモネンまたは水添リモネンの特定量が含有されているので、高度な撥水処理が施された被着体表面に対する接着性が一段と向上すると共に、乾燥皮膜は優れた耐水性を発現する。
【0043】
また、本発明2の接着剤組成物は、上記(メタ)アクリル酸エステル共重合体及びエチレン−酢酸ビニル共重合体の特定量に対して、ウレタン樹脂の特定量及びリモネンまたは水添リモネンの特定量に加うるに、ジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩が含有されているので、上記優れた諸性能に加うるに、高度な撥水処理が施された被着体表面に対しても著しく優れた濡れ性や接着性を有するものとなる。
【0044】
【実施例】
本発明をさらに詳しく説明するため以下に実施例を挙げるが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。尚、実施例中の「重量部」は「樹脂分の重量部」を意味する。
【0045】
本実施例においては下記の原材料を使用した。
1.合成樹脂エマルジョン
(A)(メタ)アクリル酸エステル共重合体エマルジョン:アクリル酸ブチルエステル−アクリル酸2−エチルヘキシルエステル−アクリル酸の三元共重合体エマルジョン
(B)エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン:商品名「SF−950」(エチレン−酢酸ビニル−ベオバの三元共重合体エマルジョン、エチレン含有量
20重量%、住友化学工業社製)
(C)エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン:商品名「OM−4000」(クラレ社製)
(D)ウレタン樹脂エマルジョン:商品名「ユープレン3004」(三洋化成工業社製)
2.添加剤
(a)リモネン:商品名「D−リモネン」(ヤスハラケミカル社製)
(b)水添リモネン:商品名「ウッディリバー#10」(ヤスハラケミカル社製)
(c)ジアルキルスルホ琥珀酸エステルナトリウム塩:商品名「サンモリンOT−70」(三洋化成工業社製)
(d)酢酸エチル
(e)灯油
【0046】
(実施例1)
(1)接着剤組成物の作製
(メタ)アクリル酸エステル共重合体エマルジョン及びエチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン「SF−950」からなる混合エマルジョン100重量部(樹脂分換算)に対して、ウレタン樹脂エマルジョン「ユープレン3004」20重量部(樹脂分換算)、リモネン「D−リモネン」30重量部及び増粘剤等の粘度調整剤を添加し、均一に攪拌混合して、粘度(30℃)800mPa・s、不揮発分42重量%の接着剤組成物を作製した。
【0047】
(2)性能評価
上記で得られた接着剤組成物の性能{▲1▼初期剪断接着力、▲2▼常態剪断接着力、▲3▼耐水性(落下時間)}を以下の方法で評価した。その結果は表1に示すとおりであった。尚、上記性能評価は20℃−65%RHの雰囲気下で行った。
【0048】
▲1▼初期剪断接着力:被着体として、幅40mm×長さ100mmと幅50mm×長さ100mmに裁断した撥水加工紙(ワックス等により表面に高度な撥水処理が施されたライナー紙、撥水度:10)を準備し、この撥水加工紙の撥水処理面同士を接着剤組成物で互い違い(剪断接着形式)に接着して、接着試験片を作製した。次いで、初期接着力測定装置(JTトーシ社製)を用いて、初期剪断接着力(N/cm2 )を測定した。この時の接着条件及び測定条件は以下のとおりであった。
〔接着条件〕接着面積:40mm×40mm、塗布量(wet):50g/m2 、塗布スピード:0.6m/秒、オープンタイム:5秒、圧締圧:294kPa、圧締時間:10秒間、20秒間、30秒間の3条件
〔測定条件〕解圧後放置時間:3秒、引張速度:100mm/分
【0049】
▲2▼常態剪断接着力:被着体として、幅25mm×長さ50mmに裁断した▲1▼の場合と同様の撥水加工紙2枚を準備し、一方の撥水加工紙の撥水処理面に接着面積が25mm×25mm、塗布量(wet)が50g/m2 となるように接着剤組成物を塗布した後、この接着剤組成物上に他方の撥水加工紙の撥水処理面を互い違い(剪断接着形式)に貼り合わせ、圧締圧14.7kPaで圧着して、接着試験片を作製した。この接着試験片を20℃−65%RHの雰囲気下で72時間養生した後、引張試験機(商品名「インストロン1195」、インストロン社製)を用いて、引張速度100mm/分で引張試験を行い、常態剪断接着力(N/cm2 )を測定した。また、同時に接着部分の撥水加工紙の材料破壊率(面積%)を測定した。
【0050】
▲3▼耐水性(落下時間):▲2▼の場合と同様にして作製した接着試験片を20℃−65%RHの雰囲気下で72時間養生した後、この接着試験片の一方の撥水加工紙(被着体)の下端に100gの分銅を吊り下げた状態で20℃の水中に垂直に浸漬し、撥水加工紙(被着体)が接着面で剥離して落下するまでの時間(落下時間:時間)を測定した。
【0051】
(実施例2〜実施例6)及び(比較例1〜比較例8)
接着剤組成物を表1に示す組成としたこと以外は実施例1の場合と同様にして、接着剤組成物を作製した。
【0052】
実施例2〜実施例6、及び、比較例1〜比較例8で得られた接着剤組成物の性能{▲1▼初期剪断接着力、▲2▼常態剪断接着力、▲3▼耐水性(落下時間)}を実施例1の場合と同様にして評価した。その結果は表1に示すとおりであった。
【0053】
【表1】
【0054】
表1から明らかなように、本発明による実施例1〜実施例6の接着剤組成物は、いずれも初期剪断接着力、常態剪断接着力及び耐水性の全てについて優れており、優れたバランスの性能を発現した。
【0055】
これに対し、(メタ)アクリル酸エステル共重合体エマルジョン及びエチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョンからなる混合エマルジョンの代わりに、エマルジョンとしてエチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョンのみを用いた比較例1、比較例5及び比較例6の接着剤組成物は、初期剪断接着力、常態剪断接着力及び耐水性の全てが劣っていた。また、混合エマルジョンの樹脂分100重量部に対するリモネンまたは水添リモネンの添加量が25重量部未満であった比較例2及び比較例7の接着剤組成物、及び、混合エマルジョンの樹脂分100重量部に対するウレタン樹脂エマルジョンの樹脂分の添加量が5重量部未満であった比較例4及び比較例8の接着剤組成物は、初期剪断接着力、常態剪断接着力及び耐水性の全てが悪かった。さらに、リモネンまたは水添リモネンを添加することなく、酢酸エチルを添加した比較例3の接着剤組成物は、初期剪断接着力、常態剪断接着力及び耐水性の全てが極端に悪かった。
【0056】
(実施例7)
(メタ)アクリル酸エステル共重合体エマルジョン及びエチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン「SF−950」からなる混合エマルジョン100重量部(樹脂分換算)に対して、ウレタン樹脂エマルジョン「ユープレン3004」20重量部(樹脂分換算)、リモネン「D−リモネン」30重量部、ジアルキルスルホ琥珀酸エステルナトリウム塩「サンモリンOT−70」1.5重量部及び増粘剤等の粘度調整剤を添加し、均一に攪拌混合して、粘度(30℃)800mPa・s、不揮発分43重量%の接着剤組成物を作製した。
【0057】
(実施例8〜実施例12)及び(比較例9〜比較例13)
接着剤組成物を表2に示す組成としたこと以外は実施例1の場合と同様にして、接着剤組成物を作製した。
【0058】
実施例7〜実施例12、及び、比較例9〜比較例13で得られた接着剤組成物の▲1▼初期剪断接着力、▲2▼常態剪断接着力及び▲3▼耐水性(落下時間)を実施例1の場合と同様にして評価し、▲4▼濡れ性を以下の方法で評価した。その結果は表2に示すとおりであった。
【0059】
▲4▼濡れ性:25μmのドクターブレードを用いて、接着剤組成物を撥水加工紙の撥水処理面に塗布し、撥水処理面に対する接着剤組成物の濡れ状態を目視で観察して、5点法で濡れ性を評価した。濡れ状態が最も優れているのが5点であり、濡れ状態が最も劣っているのが1点である。
【0060】
【表2】
【0061】
表2から明らかなように、本発明による実施例7〜実施例12の接着剤組成物は、いずれも初期剪断接着力、常態剪断接着力、耐水性及び濡れ性の全てについて優れており、優れたバランスの性能を発現した。
【0062】
これに対し、(メタ)アクリル酸エステル共重合体エマルジョン及びエチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョンからなる混合エマルジョンの代わりに、エマルジョンとしてエチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョンのみを用いた比較例9及び比較例13の接着剤組成物は、初期剪断接着力、常態剪断接着力及び耐水性の全てが劣っていた。また、混合エマルジョンの樹脂分100重量部に対するリモネンの添加量が25重量部未満であった比較例10の接着剤組成物、及び、混合エマルジョンの樹脂分100重量部に対するウレタン樹脂エマルジョンの樹脂分の添加量が5重量部未満であった比較例12の接着剤組成物は、初期剪断接着力、常態剪断接着力及び耐水性の全てが悪かった。さらに、リモネンまたは水添リモネンを添加することなく、酢酸エチルを添加した比較例11の接着剤組成物は、初期剪断接着力、常態剪断接着力及び耐水性の全てが極端に悪かった。
【0063】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明による接着剤組成物は、高度な撥水処理が施された被着体表面に対しても優れた濡れ性や接着性を発揮し、初期接着力や常態接着力、耐水性や耐熱性等の諸性能を優れたバランスで発現し得るので、特に撥水加工紙用の接着剤として好適に用いられる。
【0064】
また、本発明による接着剤組成物がジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩を含有するものである場合は、上記効果に加えて、高度な撥水処理が施された被着体表面に対して、より一層優れた接着性を発現し得る。
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に撥水加工紙用の接着剤として好適な接着剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、例えば酢酸ビニル樹脂エマルジョンやエチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン等を主成分とするエマルジョン系接着剤が紙用接着剤として広く用いられている。しかし、エマルジョン系接着剤は水を含有するので、例えばワックス等で表面に撥水処理が施された撥水加工紙のような被着体に適用すると、エマルジョン系接着剤が被着体の撥水処理面に十分に濡れず、馴染まないため、界面剥離が起こって、実用的な常態接着力を得られないという問題点がある。
【0003】
このような問題点に対応するため、例えば、特開昭59−91166号公報では、酢酸ビニル系エマルジョン及び灯油を含有してなる撥水性紙用接着剤が開示されている。
【0004】
しかし、上記開示にある接着剤は、初期接着力が乏しいため、接着の初期において被着体同士が接着部でズレを起こし、所望の接合体を得られ難いという問題点がある。
【0005】
また、湿気に敏感な物体や搬送時や保管時に水濡れが避けられない物体等を包装するための紙容器用の原料紙として、従来は紙容器の内面となる面に例えばポリエチレン樹脂フィルム層が積層された耐湿加工紙が一般的に使用されてきたが、ポリエチレン樹脂フィルム層が紙資源の再利用(リサイクル)の障害となるため、最近では例えばパラフィンワックスとアクリル樹脂との混合物からなるワックス等で片面もしくは両面に撥水処理が施された撥水加工紙を使用することが検討されている。
【0006】
しかし、前記開示にある接着剤の場合、低度な撥水処理が施された撥水加工紙の接着はなんとか可能なものの、高度な撥水処理が施された撥水加工紙の接着は困難であるという問題点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、高度な撥水処理が施された被着体表面に対しても優れた濡れ性や接着性を発揮し、初期接着力や常態接着力、耐水性や耐熱性等の諸性能を優れたバランスで発現し得る、特に撥水加工紙用の接着剤として好適に用いられる接着剤組成物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明(以下、「本発明1」と記す)による接着剤組成物は、(メタ)アクリル酸エステル共重合体及びエチレン−酢酸ビニル共重合体の合計量100重量部に対して、ウレタン樹脂5重量部以上及びリモネンまたは水添リモネン25重量部以上が含有されてなるエマルジョンであることを特徴とする。
【0009】
また、請求項2に記載の発明(以下、「本発明2」と記す)による接着剤組成物は、(メタ)アクリル酸エステル共重合体及びエチレン−酢酸ビニル共重合体の合計量100重量部に対して、ウレタン樹脂5重量部以上、リモネンまたは水添リモネン25重量部以上及びジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩が含有されてなるエマルジョンであることを特徴とする。
【0010】
本発明(本発明1及び本発明2)で用いられる(メタ)アクリル酸エステル共重合体とは、(メタ)アクリル酸アルキルエステル同士または(メタ)アクリル酸アルキルエステルと該(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能な重合性モノマーとの共重合体である。
【0011】
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、特に限定されるものではないが、アルキル基の炭素数が2〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく、例えば、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸ヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸デシルエステル、(メタ)アクリル酸ドデシルエステル等が挙げられる。これらの(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。尚、ここで言う(メタ)アクリル酸とはアクリル酸またはメタクリル酸を意味する。
【0012】
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルのアルキル基の炭素数が2未満であると、得られる接着剤組成物の被着体に対する密着性や初期接着力が不十分となることがあり、逆に(メタ)アクリル酸アルキルエステルのアルキル基の炭素数が12を超えると、得られる接着剤組成物の乾燥皮膜の凝集力が低くなって、接着力や耐熱性が不十分となることがある。
【0013】
また、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能な重合性モノマーとしては、特に限定されるものではないが、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルエステル等が挙げられる。これらの重合性モノマーは、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0014】
本発明で用いられるエチレン−酢酸ビニル共重合体におけるエチレン含有量は、特に限定されるものではないが、20〜35重量%であることが好ましい。また、上記エチレン−酢酸ビニル共重合体には、さらにエチレンや酢酸ビニルと共重合可能な重合性モノマーが共重合されていても良い。
【0015】
本発明の接着剤組成物においては、上記(メタ)アクリル酸エステル共重合体は、通常、(メタ)アクリル酸エステル共重合体エマルジョンの形態で用いられ、上記エチレン−酢酸ビニル共重合体は、通常、エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョンの形態で用いられる。
【0016】
上記(メタ)アクリル酸エステル共重合体エマルジョンは、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル同士または(メタ)アクリル酸アルキルエステルと該(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能な重合性モノマーとを通常の乳化重合により共重合して得られる。
【0017】
また、上記エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョンは、例えば、ポリビニルアルコールなどを保護コロイドとし、界面活性剤やヒドロキシエチルセルロースのようなセルロース系誘導体などを乳化分散剤として、エチレンと酢酸ビニルとを通常の乳化重合により共重合して得られる。
【0018】
本発明の接着剤組成物の主成分として用いられる上記(メタ)アクリル酸エステル共重合体及び上記エチレン−酢酸ビニル共重合体は、両共重合体の合計量に対し、好ましくは、(メタ)アクリル酸エステル共重合体30〜70重量%及びエチレン−酢酸ビニル共重合体70〜30重量%の割合で用いられる。
【0019】
本発明の接着剤組成物においては、上記(メタ)アクリル酸エステル共重合体及びエチレン−酢酸ビニル共重合体の合計量100重量部に対して、ウレタン樹脂5重量部以上が含有され、好ましくは10〜30重量部含有される。5重量部未満であると、得られる接着剤組成物の高度な撥水処理が施された被着体表面に対する接着性や初期接着力が十分に向上しなくなるからである。
【0020】
ウレタン樹脂も、通常、ウレタン樹脂エマルジョンの形態で用いられ、(メタ)アクリル酸エステル共重合体及びエチレン−酢酸ビニル共重合体の合計量100重量部に対して5重量部以上とは、各樹脂分を基準として、即ち、各樹脂の乾燥重量を基準としての値を意味するのは勿論である。
【0021】
上記ウレタン樹脂エマルジョンは、例えば、ポリオールとポリイソシアネート化合物とを所定の割合で有機溶剤に溶解し、沸点重合法等によりウレタンプレポリマーを合成し、次いで、ホモミキサーやディスパー等の高速攪拌機で激しく攪拌しながら、イソシアネート基と反応し得る官能基を有する化合物と水を添加してウレタン化反応を行いつつエマルジョン化し、最後に減圧下で脱溶剤を行って得ることが出来る。
【0022】
ポリオールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリエーテルポリオール;アジピン酸、セバチン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、オルトフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等のジカルボン酸とエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、トリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール等のグリコールとを反応させて得られるポリエステルポリオール;ポリカプロラクトンポリオール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリブタジエンポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリチオエーテルポリオール等が挙げられる。これらのポリオールは、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0023】
上記ポリオールの分子量は、特に限定されるものではないが、数平均分子量で1000〜5000であることが好ましい。ポリオールの数平均分子量が1000未満であると、ウレタン樹脂エマルジョンの乾燥皮膜が硬くなり過ぎて、得られる接着剤組成物の初期接着力が低下することがあり、逆にポリオールの数平均分子量が5000を超えると、ウレタン樹脂エマルジョンの乾燥皮膜が柔らかくなり過ぎて、得られる接着剤組成物の常態接着力や耐熱性が低下することがある。
【0024】
また、ポリイソシアネート化合物としては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、メチルシクロヘキシルジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ビス(イソシアネート)メチルシクロヘキサン、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、トランスシクロヘキサンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;トルイレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフテンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、ジフェニルメチルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、ジベンジルジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;リジンジイソシアネート、リジンエステルトリイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ウンデカントリイソシアネート、ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート等のトリイソシアネート類等が挙げられる。これらのポリイソシアネート化合物は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0025】
さらに、イソシアネート基と反応し得る官能基を有する化合物とは、いわゆる鎖長延長剤のことであり、分子中に2個以上の1級アミノ基もしくは2級アミノ基を有するポリアミンや分子中に2個以上の水酸基を有するポリオール等が挙げられる。これらのイソシアネート基と反応し得る官能基を有する化合物は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0026】
分子中に2個以上の1級アミノ基もしくは2級アミノ基を有するポリアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、アミノメチルトリメチルシクロヘキシルアミン等のジアミン;ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン;ピペリジン、モルホリン、ピペラジン等の複素環式アミン等が挙げられる。これらのポリアミンは、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0027】
また、分子中に2個以上の水酸基を有するポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン等が挙げられる。これらのポリオールは、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0028】
エマルジョン中にウレタン樹脂を含有させることにより、得られる接着剤組成物は、高度な撥水処理が施された被着体表面に対しても優れた接着性を有するものとなり、また、優れた初期接着力を発現し得るものとなる。
【0029】
本発明の接着剤組成物には、リモネンまたは水添リモネンが含有される。
【0030】
上記リモネンは、下記式(1)で表される常温で液体状の炭化水素であり、また、上記水添リモネンは、リモネンの水素添加物である。上記リモネン及び水添リモネンは、それぞれ単独で用いられても良いし、両者が併用されても良い。
【化1】
【0031】
本発明の接着剤組成物においては、上記(メタ)アクリル酸エステル共重合体及びエチレン−酢酸ビニル共重合体の合計量100重量部に対して、上記リモネンまたは水添リモネン25重量部以上が含有されていることが必要である。
【0032】
エマルジョン中にリモネンまたは水添リモネンを含有させることにより、得られる接着剤組成物は、高度な撥水処理が施された被着体表面に対しても優れた接着性を有するものとなり、また、優れた耐水性を発現し得るものとなる。
【0033】
エマルジョン中の上記(メタ)アクリル酸エステル共重合体及びエチレン−酢酸ビニル共重合体の合計量100重量部に対するリモネンまたは水添リモネンの含有量が25重量部未満であると、得られる接着剤組成物の高度な撥水処理が施された被着体表面に対する接着性や耐水性が十分に向上しなくなる。尚、本発明の接着剤組成物においては、エマルジョン中の上記(メタ)アクリル酸エステル共重合体及びエチレン−酢酸ビニル共重合体の合計量100重量部に対するリモネンまたは水添リモネンの含有量の上限は特定されないが、多量に添加するとリモネンまたは水添リモネンに起因する臭気が強まるので、25重量部以上のなかで必要最小限の含有量であることが好ましい。
【0034】
次に、本発明2の接着剤組成物においては、本発明1のエマルジョンである接着剤組成物において、さらにジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩が含有されてなる構成とされている。
【0035】
上記ジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩は、分子の中心部にスルホ琥珀酸の原子団が存在し、このスルホ琥珀酸が種々のアルコールによりエステル化されたもののカルシウム塩もしくはナトリウム塩であり、いわゆる陰イオン(アニオン)型界面活性剤である。これらのジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0036】
本発明1の接着剤組成物に対してジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩を含有させることにより、得られる接着剤組成物は、高度な撥水処理が施された被着体表面に対しても著しく優れた濡れ性や接着性を有するものとなる。
【0037】
ジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩の含有量は、特に限定されるものではないが、(メタ)アクリル酸エステル共重合体及びエチレン−酢酸ビニル共重合体の合計量100重量部に対して、ジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩1重量部以上であることが好ましい。
【0038】
上記(メタ)アクリル酸エステル共重合体及びエチレン−酢酸ビニル共重合体の合計量100重量部に対するジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩の含有量が1重量部未満であると、得られる接着剤組成物の高度な撥水処理が施された被着体表面に対する濡れ性や接着性が十分に向上しなくなることがある。尚、ジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩を多量に含有させても高度な撥水処理が施された被着体表面に対する濡れ性や接着性の向上効果は特別に変わらないので、1重量部以上のなかで必要最小限の含有量であることが好ましい。
【0039】
本発明の接着剤組成物には、本発明の課題達成を阻害しない範囲で必要に応じて、粘着性付与樹脂、カップリング剤、ジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩以外の界面活性剤、軟化剤、可塑剤、充填剤、顔料、染料、酸化防止剤(老化防止剤)、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、消泡剤、防腐剤、防黴剤、香料、有機溶剤等の各種添加剤の1種もしくは2種以上が添加されていても良い。
【0040】
本発明の接着剤組成物の製造方法は、特別なものではなく、例えば、通常の攪拌混合機を用いて、必須成分である(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びウレタン樹脂の、例えば、各エマルジョンの所定量及びリモネンまたは水添リモネンの所定量(本発明1)と、または、必須成分である(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びウレタン樹脂の、例えば、各エマルジョンの所定量、リモネンまたは水添リモネンの所定量及びジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩(本発明2)と、必要に応じて添加される上記各種添加剤の1種もしくは2種以上の各所定量とを、均一に攪拌混合することにより、所望の接着剤組成物を得ることが出来る。
【0041】
上記(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体及びウレタン樹脂、並びに、リモネンまたは水添リモネンやジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩が良好に分散したエマルジョンであれば、各樹脂や他の成分の添加・形成順序は特に限定されるものではない。
【0042】
(作用)
本発明の接着剤組成物は、(メタ)アクリル酸エステル共重合体及びエチレン−酢酸ビニル共重合体を主成分としてなるエマルジョンであるので、優れた初期接着力を有すると共に、乾燥皮膜の凝集力が高く、優れた常態接着力や耐熱性を発現する。また、上記エマルジョンの上記樹脂分の特定量に対して、ウレタン樹脂の特定量が含有されているので、高度な撥水処理が施された被着体表面に対しても優れた接着性を発揮すると共に、初期接着力が一段と向上する。さらに、上記エマルジョンの上記樹脂分の特定量に対して、リモネンまたは水添リモネンの特定量が含有されているので、高度な撥水処理が施された被着体表面に対する接着性が一段と向上すると共に、乾燥皮膜は優れた耐水性を発現する。
【0043】
また、本発明2の接着剤組成物は、上記(メタ)アクリル酸エステル共重合体及びエチレン−酢酸ビニル共重合体の特定量に対して、ウレタン樹脂の特定量及びリモネンまたは水添リモネンの特定量に加うるに、ジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩が含有されているので、上記優れた諸性能に加うるに、高度な撥水処理が施された被着体表面に対しても著しく優れた濡れ性や接着性を有するものとなる。
【0044】
【実施例】
本発明をさらに詳しく説明するため以下に実施例を挙げるが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。尚、実施例中の「重量部」は「樹脂分の重量部」を意味する。
【0045】
本実施例においては下記の原材料を使用した。
1.合成樹脂エマルジョン
(A)(メタ)アクリル酸エステル共重合体エマルジョン:アクリル酸ブチルエステル−アクリル酸2−エチルヘキシルエステル−アクリル酸の三元共重合体エマルジョン
(B)エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン:商品名「SF−950」(エチレン−酢酸ビニル−ベオバの三元共重合体エマルジョン、エチレン含有量
20重量%、住友化学工業社製)
(C)エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン:商品名「OM−4000」(クラレ社製)
(D)ウレタン樹脂エマルジョン:商品名「ユープレン3004」(三洋化成工業社製)
2.添加剤
(a)リモネン:商品名「D−リモネン」(ヤスハラケミカル社製)
(b)水添リモネン:商品名「ウッディリバー#10」(ヤスハラケミカル社製)
(c)ジアルキルスルホ琥珀酸エステルナトリウム塩:商品名「サンモリンOT−70」(三洋化成工業社製)
(d)酢酸エチル
(e)灯油
【0046】
(実施例1)
(1)接着剤組成物の作製
(メタ)アクリル酸エステル共重合体エマルジョン及びエチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン「SF−950」からなる混合エマルジョン100重量部(樹脂分換算)に対して、ウレタン樹脂エマルジョン「ユープレン3004」20重量部(樹脂分換算)、リモネン「D−リモネン」30重量部及び増粘剤等の粘度調整剤を添加し、均一に攪拌混合して、粘度(30℃)800mPa・s、不揮発分42重量%の接着剤組成物を作製した。
【0047】
(2)性能評価
上記で得られた接着剤組成物の性能{▲1▼初期剪断接着力、▲2▼常態剪断接着力、▲3▼耐水性(落下時間)}を以下の方法で評価した。その結果は表1に示すとおりであった。尚、上記性能評価は20℃−65%RHの雰囲気下で行った。
【0048】
▲1▼初期剪断接着力:被着体として、幅40mm×長さ100mmと幅50mm×長さ100mmに裁断した撥水加工紙(ワックス等により表面に高度な撥水処理が施されたライナー紙、撥水度:10)を準備し、この撥水加工紙の撥水処理面同士を接着剤組成物で互い違い(剪断接着形式)に接着して、接着試験片を作製した。次いで、初期接着力測定装置(JTトーシ社製)を用いて、初期剪断接着力(N/cm2 )を測定した。この時の接着条件及び測定条件は以下のとおりであった。
〔接着条件〕接着面積:40mm×40mm、塗布量(wet):50g/m2 、塗布スピード:0.6m/秒、オープンタイム:5秒、圧締圧:294kPa、圧締時間:10秒間、20秒間、30秒間の3条件
〔測定条件〕解圧後放置時間:3秒、引張速度:100mm/分
【0049】
▲2▼常態剪断接着力:被着体として、幅25mm×長さ50mmに裁断した▲1▼の場合と同様の撥水加工紙2枚を準備し、一方の撥水加工紙の撥水処理面に接着面積が25mm×25mm、塗布量(wet)が50g/m2 となるように接着剤組成物を塗布した後、この接着剤組成物上に他方の撥水加工紙の撥水処理面を互い違い(剪断接着形式)に貼り合わせ、圧締圧14.7kPaで圧着して、接着試験片を作製した。この接着試験片を20℃−65%RHの雰囲気下で72時間養生した後、引張試験機(商品名「インストロン1195」、インストロン社製)を用いて、引張速度100mm/分で引張試験を行い、常態剪断接着力(N/cm2 )を測定した。また、同時に接着部分の撥水加工紙の材料破壊率(面積%)を測定した。
【0050】
▲3▼耐水性(落下時間):▲2▼の場合と同様にして作製した接着試験片を20℃−65%RHの雰囲気下で72時間養生した後、この接着試験片の一方の撥水加工紙(被着体)の下端に100gの分銅を吊り下げた状態で20℃の水中に垂直に浸漬し、撥水加工紙(被着体)が接着面で剥離して落下するまでの時間(落下時間:時間)を測定した。
【0051】
(実施例2〜実施例6)及び(比較例1〜比較例8)
接着剤組成物を表1に示す組成としたこと以外は実施例1の場合と同様にして、接着剤組成物を作製した。
【0052】
実施例2〜実施例6、及び、比較例1〜比較例8で得られた接着剤組成物の性能{▲1▼初期剪断接着力、▲2▼常態剪断接着力、▲3▼耐水性(落下時間)}を実施例1の場合と同様にして評価した。その結果は表1に示すとおりであった。
【0053】
【表1】
【0054】
表1から明らかなように、本発明による実施例1〜実施例6の接着剤組成物は、いずれも初期剪断接着力、常態剪断接着力及び耐水性の全てについて優れており、優れたバランスの性能を発現した。
【0055】
これに対し、(メタ)アクリル酸エステル共重合体エマルジョン及びエチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョンからなる混合エマルジョンの代わりに、エマルジョンとしてエチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョンのみを用いた比較例1、比較例5及び比較例6の接着剤組成物は、初期剪断接着力、常態剪断接着力及び耐水性の全てが劣っていた。また、混合エマルジョンの樹脂分100重量部に対するリモネンまたは水添リモネンの添加量が25重量部未満であった比較例2及び比較例7の接着剤組成物、及び、混合エマルジョンの樹脂分100重量部に対するウレタン樹脂エマルジョンの樹脂分の添加量が5重量部未満であった比較例4及び比較例8の接着剤組成物は、初期剪断接着力、常態剪断接着力及び耐水性の全てが悪かった。さらに、リモネンまたは水添リモネンを添加することなく、酢酸エチルを添加した比較例3の接着剤組成物は、初期剪断接着力、常態剪断接着力及び耐水性の全てが極端に悪かった。
【0056】
(実施例7)
(メタ)アクリル酸エステル共重合体エマルジョン及びエチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン「SF−950」からなる混合エマルジョン100重量部(樹脂分換算)に対して、ウレタン樹脂エマルジョン「ユープレン3004」20重量部(樹脂分換算)、リモネン「D−リモネン」30重量部、ジアルキルスルホ琥珀酸エステルナトリウム塩「サンモリンOT−70」1.5重量部及び増粘剤等の粘度調整剤を添加し、均一に攪拌混合して、粘度(30℃)800mPa・s、不揮発分43重量%の接着剤組成物を作製した。
【0057】
(実施例8〜実施例12)及び(比較例9〜比較例13)
接着剤組成物を表2に示す組成としたこと以外は実施例1の場合と同様にして、接着剤組成物を作製した。
【0058】
実施例7〜実施例12、及び、比較例9〜比較例13で得られた接着剤組成物の▲1▼初期剪断接着力、▲2▼常態剪断接着力及び▲3▼耐水性(落下時間)を実施例1の場合と同様にして評価し、▲4▼濡れ性を以下の方法で評価した。その結果は表2に示すとおりであった。
【0059】
▲4▼濡れ性:25μmのドクターブレードを用いて、接着剤組成物を撥水加工紙の撥水処理面に塗布し、撥水処理面に対する接着剤組成物の濡れ状態を目視で観察して、5点法で濡れ性を評価した。濡れ状態が最も優れているのが5点であり、濡れ状態が最も劣っているのが1点である。
【0060】
【表2】
【0061】
表2から明らかなように、本発明による実施例7〜実施例12の接着剤組成物は、いずれも初期剪断接着力、常態剪断接着力、耐水性及び濡れ性の全てについて優れており、優れたバランスの性能を発現した。
【0062】
これに対し、(メタ)アクリル酸エステル共重合体エマルジョン及びエチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョンからなる混合エマルジョンの代わりに、エマルジョンとしてエチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョンのみを用いた比較例9及び比較例13の接着剤組成物は、初期剪断接着力、常態剪断接着力及び耐水性の全てが劣っていた。また、混合エマルジョンの樹脂分100重量部に対するリモネンの添加量が25重量部未満であった比較例10の接着剤組成物、及び、混合エマルジョンの樹脂分100重量部に対するウレタン樹脂エマルジョンの樹脂分の添加量が5重量部未満であった比較例12の接着剤組成物は、初期剪断接着力、常態剪断接着力及び耐水性の全てが悪かった。さらに、リモネンまたは水添リモネンを添加することなく、酢酸エチルを添加した比較例11の接着剤組成物は、初期剪断接着力、常態剪断接着力及び耐水性の全てが極端に悪かった。
【0063】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明による接着剤組成物は、高度な撥水処理が施された被着体表面に対しても優れた濡れ性や接着性を発揮し、初期接着力や常態接着力、耐水性や耐熱性等の諸性能を優れたバランスで発現し得るので、特に撥水加工紙用の接着剤として好適に用いられる。
【0064】
また、本発明による接着剤組成物がジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩を含有するものである場合は、上記効果に加えて、高度な撥水処理が施された被着体表面に対して、より一層優れた接着性を発現し得る。
Claims (2)
- (メタ)アクリル酸エステル共重合体及びエチレン−酢酸ビニル共重合体の合計量100重量部に対して、ウレタン樹脂5重量部以上及びリモネンまたは水添リモネン25重量部以上が含有されてなるエマルジョンであることを特徴とする接着剤組成物。
- (メタ)アクリル酸エステル共重合体及びエチレン−酢酸ビニル共重合体の合計量100重量部に対して、ウレタン樹脂5重量部以上、リモネンまたは水添リモネン25重量部以上及びジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩が含有されてなるエマルジョンであることを特徴とする接着剤組成物。
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