JP3827651B2 - 構内交換機におけるネットワーキング接続時の外線着信転送制御方法及びシステム - Google Patents
構内交換機におけるネットワーキング接続時の外線着信転送制御方法及びシステム Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、構内交換機におけるネットワーキング接続時の外線着信転送制御方法及びシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、構内交換機は、会社、工場、官庁、学校などの構内に設置され、収容している複数の内線端末間および該内線端末と外部の端末(一般電話機)との交換接続等を制御するシステムで、構内に限り内線着信その他自システムでのサービスを提供できるようになっている。
【0003】
このように複数の内線端末を収容している構内交換機には、複数の構内交換機(以下、必要に応じて構内交換機の各々を単に「システム」と略称する場合がある)を互いに例えばISDN(Integrated Service Information Network)回線等のネットワーク経由で通信可能にネットワーキング接続(システム間接続)することにより、これら複数のシステムをあたかも1つのシステムのように動作させる機能を有するものが知られている。
【0004】
このようなネットワーキング接続された複数の構内交換機からなるシステムでは、通常、ネットワーキング接続されている他システムの内線端末(発信端末)から自システムの内線端末に着信したとき、該着信端末で外線への着信転送が設定されていれば、該着信端末(転送元端末)で設定されている転送先への外線着信転送時に用いる発信外線として、発信端末を収容している他システムから該転送先へ発信させる機能が設けられている。
【0005】
例えば、システムAとシステムBがネットワーキングで接続されている場合、システムBの発信端末からシステムAの外線への着信転送が設定されている転送元端末に着信した場合、システムBから転送元端末で設定されている転送先への外線番号(電話番号)を自動で発信させ、システムBの発信端末と転送先との間で転送元端末の外線着信転送による外線通話が行えるようになっている。
【0006】
ところで一方、従来、構内交換機に収容されている内線端末を用いた転送着信に関しては、例えば以下の技術が知られている。
【0007】
例えば、着信回線毎に選択的に転送可能で、かつ呼転送に必要な転送先情報の検索処理に要する時間の短縮化及び電話取り次ぎ業務の向上を図る呼転送システムとその交換装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。これは、内線端末が、構内交換機に対し転送先の内線端末を示す情報を自装置の内線番号もしくは回線に対応付けて転送先テーブルに登録しておき、構内交換機が、転送先リスト表示要求した内線端末の内線番号を検出し、この内線番号に対応する転送先リスト情報を転送先テーブルから読み出し、該転送先リスト情報を要求した内線端末に通知するように構成されている。
【0008】
また、無駄な転送や効率の悪い取り次ぎを少なくするようにした構内交換機および構内自動転送方法も開示されている(例えば、特許文献2参照)。これは、メモリ部が内線毎のテーブルに発信者番号でグルーピングされた転送先電話番号を記憶し、モデム信号受信用回路が局線から通知される発信者番号を受信し、中央制御部が自動転送動作を制御し、この制御をメモリ部が記憶しているテーブルデータを基に受信した発信者番号が記憶されている発信者番号に対応する転送先番号を選択して実行する構成で、この構成により、着信内線端末が不在時等の場合に、発信者に応じた最適な転送先へ着信を振り分けるものである。
【0009】
また、着信呼の種別に応じて転送先を別々に指定し、それに従い別々に転送できる電話交換装置及び呼転送方法も知られている(例えば、特許文献3参照)。これは、複数の内線端末と1以上の外線とを収容し、内線同士間及び内線と外線と間の発着呼接続制御を行う電話交換装置であって、ある内線電話機から入力する転送先登録要求が、内線着呼用と外線着呼用の双方の登録要求であるとき、内線着呼用及び外線着呼用の転送先電話番号をそれぞれ取得し、当該登録要求に係る電話番号と関連付けてそれぞれ登録する転送先登録手段と、ある内線電話機への着信があったとき登録内容を参照しその着呼が内線着呼であるか外線着呼であるかに応じてそれぞれの転送着信処理を行う呼処理手段とを設けている。
【0010】
さらに、容易且つ手間をかけずに目的の転送先に呼を転送できるようにした構内交換システムも開示されている(例えば、特許文献4参照)。これは、複数の内線及び外線を収容し、内線及び外線の交換接続を行うと共に、着信呼を転送機能により内線間で転送可能な交換システムにおいて、少なくとも内線からの発信に際して得られる発信元と着信先の関係を情報として蓄積する蓄積機能、内線や外線からの着信に応答した内線より別内線に該着信を転送する際、蓄積機能による蓄積情報を元に着信呼の発信元に関係ある内線の情報を求めこれを応答内線に対し表示制御する制御機能と、応答内線からの選択情報を元に該選択情報対応の内線に該着信を転送可能にすべく制御する転送機能とを有する制御手段を設け、内線には、制御手段からの表示情報を表示する手段と、該表示情報の一つを選択操作する操作手段と、該操作手段による選択情報を制御手段に与える端末制御手段とを有する電話端末を接続して構成されている。
【0011】
【特許文献1】
特開2000−92215号公報
【特許文献2】
特開2000−125017号公報
【特許文献3】
特開2001−197211号公報
【特許文献4】
特開平7−307802号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の複数の構内交換機をネットワーキング接続したシステムでは、自システムの外線着信転送が設定されている転送元端末に着信した際、発信端末を収容している他システムから転送先である外線へ発信させる構成であったため、転送元端末の外線発信ルートが適用されず、次のような問題があった。
【0013】
例えば、システムAとシステムBがネットワーキングで接続されている場合、システムAが日本に設置され、システムBがアメリカに設置されていたとする。このとき、システムAに収容されている内線端末の外線転送先には、日本国内にアクセスする電話番号が登録されていたとした場合、アメリカ側のシステムBから日本側のシステムAへの外線転送設定されている端末に着信した場合、アメリカ側のシステムBから日本国内にアクセスする電話番号で発信してしまい、転送先の電話番号をアメリカ側の局に送出しても、局の地域が異なるため、誤ダイヤルとなってしまう問題があった。
【0014】
これに関し、上述した特許文献1〜4の従来技術は、複数の構内交換機をネットワーキング接続した場合の外線着信転送を特に意図したものではないため、上記問題を解消することはできない。
【0015】
本発明は、このような従来の事情を考慮してなされたもので、複数の構内交換機をネットワーキング接続したシステムにおいて、他構内交換機の発信端末から自構内交換機の外線着信転送が設定されている転送元端末への着信時に、転送元端末の外線発信ルートを適用できる外線着信転送制御方法及びシステムを提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明による構内交換機におけるネットワーキング接続時の外線着信転送制御方法及びシステムは、複数の構内交換機があたかも1つのシステムとなるようにシステム同士がネットワーキング接続されている構成のときに、ネットワーキング経由で外線着信転送設定されている内線端末に着信した場合、外線着信転送時に着信端末の外線発信ルートを考慮して着信端末の通常時の発信外線と転送時の発信外線を同一の外線にするように転送ルーティングする方式を提供するものである。
【0017】
本発明は、このような着想をもとに完成されたものである。
【0018】
すなわち、本発明に係る構内交換機におけるネットワーキング接続時の外線着信転送制御方法は、ネットワーク経由でネットワーキング接続した複数の構内交換機のうち、互いに異なる2つの構内交換機の一方に収容されている発信端末から、該2つの構内交換機の他方に収容され且つ外線への着信転送が設定されている転送元端末への着信時に、該転送元端末の転送先の外線への着信転送を制御する外線着信転送制御方法であって、前記発信端末から前記転送元端末への着信時に、前記転送元端末を収容している構内交換機から、該発信端末を収容している構内交換機に対し、該転送元端末の転送先の外線を収容している構内交換機を特定可能な転送情報を含む転送指示信号を前記ネットワーク経由で送信するステップと、前記発信端末を収容している構内交換機以外の構内交換機が前記転送指示信号を受信したときに、該転送指示信号を通過し前記ネットワーク経由で他の構内交換機に送信するステップと、前記発信端末を収容している構内交換機が前記転送指示信号を受信したときに、前記転送情報を解析し、該解析情報に基づいて前記転送先の外線を収容している構内交換機を特定するステップと、特定された前記転送先の外線を収容している構内交換機に対し、前記発信端末を収容している構内交換機から、前記転送先の外線への転送発信信号を前記ネットワーク経由で送信するステップと、前記転送先の外線を収容している構内交換機が、前記転送発信信号を受信したときに、該転送発信信号に基づいて該転送先の外線への外線発信を行なうステップとを備えたことを特徴とする。
【0019】
好適には、前記転送情報は、少なくとも前記転送指示信号を通過した構内交換機数に対応する第1データと、前記転送指示信号の送信方向の経路と前記転送元端末の外線発信方向の経路とが互いに異なるときの前記転送指示信号を通過した構内交換機数に対応する第2データと含み、前記発信端末を収容している構内交換機以外の構内交換機が前記転送指示信号を通過し他の構内交換機に送信するステップは、該転送指示信号の受信時に前記第1データの数値を1増加させると共に、所定の経路情報に基づき前記転送指示信号の送信方向の経路と前記転送元端末の外線発信方向の経路とが互いに異なるか否かを判断し、両経路が異なると判断されたときに前記第1データの数値を前記第2データの数値として設定し、前記発信端末を収容している構内交換機が前記転送先の外線を収容している構内交換機を特定するステップは、前記転送指示信号の受信時に前記第1データの数値を1増加させると共に、前記第1データ及び前記第2データの両数値の差を計算し該差に相当する数分、該転送指示信号の受信方向の逆方向に位置する構内交換機を前記転送先の外線を収容している構内交換機として特定してもよい。
【0020】
さらに好適には、前記経路情報は、前記転送指示信号の送信方向の経路と前記転送元端末の外線発信方向の経路とを前記複数の構内交換機毎に処理可能に予め設定されてもよい。また、前記複数の構内交換機は、前記ネットワーク経由で直列状に接続されていてもよい。
【0021】
本発明に係る構内交換機におけるネットワーキング接続時の外線着信転送制御システムは、ネットワーク経由でネットワーキング接続した複数の構内交換機のうち、互いに異なる2つの構内交換機の一方に収容されている発信端末から、該2つの構内交換機の他方に収容され且つ外線への着信転送が設定されている転送元端末に着信時に、該転送元端末の転送先の外線への着信転送を制御する構成であって、前記発信端末から前記転送元端末への着信時に、前記転送元端末を収容している構内交換機から、該発信端末を収容している構内交換機に対し、該転送元端末の転送先の外線を収容している構内交換機を特定可能な転送情報を含む転送指示信号を前記ネットワーク経由で送信する手段と、前記発信端末を収容している構内交換機以外の構内交換機が前記転送指示信号を受信したときに、該転送指示信号を通過し前記ネットワーク経由で他の構内交換機に送信する手段と、前記発信端末を収容している構内交換機が前記転送指示信号を受信したときに、前記転送情報を解析し、該解析情報に基づいて前記転送先の外線を収容している構内交換機を特定する手段と、特定された前記転送先の外線を収容している構内交換機に対し、前記発信端末を収容している構内交換機から、前記転送先の外線への転送発信信号を前記ネットワーク経由で送信する手段と、前記転送先の外線を収容している構内交換機が、前記転送発信信号を受信したときに、該転送発信信号に基づいて該転送先の外線への外線発信を行なう手段とを備えたことを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る構内交換機におけるネットワーキング接続時の外線着信転送制御方法及びシステムの実施の形態を図1〜図5を参照して説明する。
【0023】
図1は、本実施形態によるネットワーキング接続時の外線着信転送制御方法及びシステムの一実施形態を示す構成ブロック図である。
【0024】
図1において、本実施形態による構内交換機におけるネットワーキング接続時の外線着信転送制御システムでは、複数個(図中の例では4個)の構内交換機1〜4(以下、交換機番号(番号)1〜4の構内交換機10〜40)が互いにネットワーク(例えば、ISDN回線、IP(Internet Protocol)ネットワーク(IP−VPN(Virtual Private Network))等)経由でネットワーキング接続されている。これら各構内交換機10〜40は、図示のように、直列状に接続され、そのうち、番号1、2の構内交換機10、20が日本国内に設置され、番号3、4の構内交換機30、40が他国に設置されている。
【0025】
各構内交換機10〜40には、複数の内線端末(内線電話機)及び外線が収容され、各内線端末間、内線端末と外線間の交換接続等を行なうため、内線端末に接続されるインターフェース(内線回路)、公衆網22などの外線(局線など)に接続されるインターフェース(局線回路等)、両インターフェース間を交換接続する交換スイッチ(交換回路)、他の構内交換機とのネットワーキング接続用の通信インターフェース(例えば、ISDNインターフェース等)(図示していない)のほか、これら交換接続や収容している内線端末に対する各種サービス(例えば、本実施形態では内線端末の外線への着信転送等)の処理実行などの制御を担う制御部11〜41が搭載されている。
【0026】
各制御部11〜41は、例えばマイクロコンピュータ等で構成され、予め設定された制御プログラムに従って装置全体を制御するCPU、そのCPUのプログラム実行時の作業領域を成し制御データ等を記憶するRAM、予め制御プログラム及び各種テーブル等を記憶するROM、設定された時間を計時して割り込み信号を発生しCPUに出力するタイマ等が含まれる。
【0027】
次に、本実施形態の動作を説明する。
【0028】
まず、初期設定を説明する。図1に示す例において、国内側に設置された番号1の構内交換機10に収容されている内線番号「200」の内線端末A(以下、転送元端末12)は、外線への着信転送が設定されている。転送先の電話番号は「0448111111」である。この転送元端末12の通常の外線発信ルートに対応する「経路S1」は、番号1の構内交換機10から番号2の構内交換機20経由でその構内交換機20に収容されている外線に繋がる公衆網22から発信するように設定されている。この転送端末12に対し、他国側に設置された番号4の構内交換機40に収容されている内線番号「300」の内線端末B(以下、発信端末42)から番号4〜1の構内交換機40〜10経由で着信させ、これに応答して、転送元端末12からの転送指示を番号1〜4の構内交換機10〜40経由で発信端末42に送信する場合を考える。
【0029】
図2は、この場合の各構内交換機10〜40(図中では構内交換機1〜4)のシーケンスチャートを示す。図2に示すシーケンスチャートの処理は、各構内交換機10〜40の制御部11〜41によるプログラム制御で実行される。
【0030】
まず、発信端末42から転送元端末12への着信に際し、発信端末41を収納している番号4の構内交換機40から転送元端末12への着信信号S2を送信する(ステップSt11)。この着信信号S2は、途中にある番号3、2の構内交換機30、20を通過し、転送元端末12を収容している番号1の構内交換機10に送られる。
【0031】
そこで、構内交換機10は、着信信号S2を受信すると(ステップSt12)、転送元端末12には、外線への着信転送が設定されているので、発信端末42に転送情報を含む転送指示信号をその送信方向ルートの「経路S3」に従い送信する(ステップSt13)。この転送指示信号は、途中にある番号2、3の構内交換機20、30を通過して発信端末42を収納している構内交換機40に送られる。
【0032】
ここで、本実施形態では、構内交換機10〜40間で設定されるルートに関し、端末Aの通常の外線発信ルートに相当する「経路S1」と、上記転送指示信号の送信方向ルートに相当する「経路S3」とに関する経路情報が以下のように定義される。
【0033】
[経路S1]:{R11、R12}
[経路S3]:{R31、R32、R33、R34}
R11:端末A(ルート元:転送元端末12)→番号2の構内交換機20(ルート先)
R12:番号2の構内交換機20(ルート元)→外線(ルート先:公衆網22)
R31:端末A(ルート元:転送元端末12)→番号2の構内交換機20(ルート先)
R32:番号2の構内交換機20(ルート元)→番号3の構内交換機30(ルート先)
R33:番号3の構内交換機30(ルート元)→番号4の構内交換機40(ルート先)
R34:番号4の構内交換機40(ルート元)→端末B(ルート先:発信端末42)
上記経路情報、すなわち端末Aの通常の外線発信ルートに相当する「経路S1」と、転送指示の送信方向ルートに相当する「経路S3」は、予め各構内交換機10〜40の制御部11〜41内のメモリに設定され、転送指示信号の受信時に各構内交換機10〜40で処理可能となっている。
【0034】
図3は、上記転送指示信号の転送情報を説明するものである。この転送情報には、次のデータ1〜4が含まれる。
【0035】
データ1は、転送元端末の内線ダイヤル(内線電話番号)を表し、転送元端末が収容されている構内交換機でセットされる。上記の例では、転送元端末12の内線番号「200」が番号1の構内交換機10にて設定される。
【0036】
データ2は、転送指示信号が通過した構内交換機の数を表し、転送元端末が収納されている構内交換機で初期値「0」に設定され、各構内交換機が転送指示を受信するたびに+1される。上記の例では、データ2の値は、転送元端末12が収納されている構内交換機10で初期値「0」に設定され、発信端末42に到着するまでに通過する番号2〜4の構内交換機20〜40でそれぞれ+1される。従って、構内交換機40の受信時には、データ2の値は+3、すなわち「3」となる。
【0037】
データ3は、転送元端末の発信ルートの通過システム数(通過構内交換機数)を表し、転送指示信号S3が送信されるときに、各構内交換機で転送元端末の外線発信ルートS1も同時に検索していき、転送指示信号の送信方向ルートの経路と外線発信ルートの経路が同じ構内交換機の場合は初期値「0」のまま通過させ、両経路が異なる構内交換機を発見できた場合は、その時点のデータ2の値をデータ3の値として代入してセットし、以後その値のまま通過させる。上記の例では、番号2の構内交換機20において、転送元端末12の外線発信ルートに相当する「経路S1」と、転送指示信号の送信方向ルートに相当する「経路S3」とが異なるので、この時点のデータ2の値、すなわち「1」がデータ3の値としてセットされる。
【0038】
データ4は、転送元端末に設定されている転送先外線電話番号を表し、転送元端末が収容されている構内交換機でセットする。上記の例では、転送元端末12の転送先外線電話番号「0448111111」が番号1の構内交換機10にて設定される。
【0039】
次いで、図2に戻り、発信端末42を収容している番号4の構内交換機40が、上記転送情報を含む転送指示信号を受信すると(ステップSt14)、番号4の構内交換機40は、上記転送情報のデータをもとに転送発信ルートを解析、サーチし、その結果、転送先への外線が収容されている構内交換機を特定する処理を行なう(ステップSt15)。
【0040】
図4に示す制御フローチャートは、転送指示信号を受け取った構内交換機の動作を示す。図4に示す制御フローチャートの処理は、本実施形態の図1に示す例では、番号1〜4の構内交換機10〜40における各制御部11〜41の制御プログラム実行により行われる。
【0041】
まず、構内交換機は、転送情報を含む転送指示信号を受信すると(手順A1)、転送情報のデータ2の値を+1する(手順A2)。そして、上記経路情報で定義された経路S3と自交換機番号に基づいて、「R3i」(ただし、iは転送指示を受信した交換機番号)のルート先が端末であるかどうかを判断する(手順A3)。
【0042】
上記手順A3にて、「R3i」のルート先が端末でないと判断された場合(NOの場合)、発信端末を収容している構内交換機(システム)でないと判定され、手順A8〜A12の処理に移行する。上記の例では、番号1〜3の構内交換機10〜30がこれに該当する。これは、R31〜R33のルート先は端末ではないためである。
【0043】
この場合、まず、データ3の値が初期値「0」以外かどうかを判断し(手順A8)、データ3の値が「0」以外であると判断された場合(YESの場合)、転送指示方向の構内交換機(システム)に転送指示信号を送信する(手順A9)。上記の例では、番号3の構内交換機30がこれに該当する。これは、後述のように転送指示信号が番号2の構内交換機20を通過時にデータ2の値がデータ3に代入されるためである。
【0044】
一方、上記手順A8にて、データ3の値が「0」以外でなければ(NOの場合)、手順A10〜A13の処理に移行する。上記の例では、番号1、2の構内交換機10、20がこれに該当する。この処理では、経路情報で定義された経路S1、S3と自交換機番号の基づいて、ルート「R1i」が「R3i」と等しくないかどうかを判断する(手順A10)。
【0045】
上記手順A10にて、「R1i」が「R3i」と等しくないと判断された場合(YESの場合)、転送指示信号の送信方向ルートと転送元端末の発信ルートが異なると判定され、データ2の値をデータ3に代入し(手順A11)、転送指示方向の構内交換機(システム)に転送情報を送信する(手順A12)。上記の例では、番号2の構内交換機20がこれに該当する。これは、R12がR32に等しくないためである。
【0046】
一方、上記手順A10にて、「R1i」が「R3i」と等しいと判断された場合(NOの場合)、転送指示信号の送信方向ルートと転送元端末の発信ルートが異ならないと判定され、転送指示方向の構内交換機(システム)に転送情報を送信する(手順A13)。上記の例ではでは、番号1の構内交換機10がこれに該当する。これは、R11がR31に等しいためである。
【0047】
一方、上記手順A3にて、「R3i」のルート先が端末であると判断された場合(YESの場合)、発信端末を収容している構内交換機(システム)であると判定され、手順A4〜A7の処理に移行する。上記の例では、構内交換機40がこれに該当する。
【0048】
この場合、まず、データ2の値からデータ3の値を減算してインデックス(Index)を計算する(Index=[データ2]-[データ3])(手順A4)。そして、このインデックスの計算値が「0」かどうかを判定し(手順A5)、計算値が「0」ならば(YESの場合)、発信端末を収容している構内交換機から転送発信する処理を行なう(手順A6)。また、計算値が「0」でなければ(NOの場合)、そのインデックスの計算値分だけ先の転送元端末方向の構内交換機へ転送発信信号S3を送信する(手順A7)。
【0049】
例えば、図1の例では、転送指示信号S3が発信端末42に到達したときの転送情報の値は、データ1が「200」、データ2が「3」、データ3が「1」、データ4が「0448111111」が伝えられることになる。このときの図4中の手順A4で計算されるインデックスの値は「2」となるので、この値から転送先の外線が収容されている構内交換機は、番号4の構内交換機40から見て2つ先の構内交換機、すなわち番号2の構内交換機20と特定できる。
【0050】
そこで、図2に示すように、発信端末42を収容している番号4の構内交換機40から転送先への外線が収容されている番号2の構内交換機20に対し転送先外線電話番号を含む転送発信信号を送信する(ステップSt16)。これにより、転送外線が収容されている番号2の構内交換機20が、転送発信信号を受信すると(ステップSt17)、転送先外線電話番号をもとに転送先に発信する(ステップSt18)。
【0051】
従って、本実施形態によれば、複数の構内交換機のネットワーキング接続(システム間接続)において、転送元端末の外線発信ルートが適用されるため、転送元端末の発信外線と同じ外線で発信できる。
【0052】
例えば、ネットワーキングで接続された複数の構内交換機のうち、システムAが日本に設置され、システムBがアメリカに設置されていた場合を考える。このとき、システムAに収容されている転送元端末の外線転送先には、日本国内にアクセスする電話番号が登録されていた場合、アメリカ側のシステムBから日本側のシステムAへの外線転送設定されている端末に着信させると、従来例ではアメリカ側のシステムBから日本国内にアクセスする電話番号で発信するために誤ダイヤルが生じてしまう。これに対し、本実施形態では、転送元端末の外線発信ルートが適用されるため、こういった外線着信転送時の誤ダイヤル発生を確実に回避できる。これによりシステムの信頼性を大幅に向上させることもできる。
【0053】
次に、本発明の他の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0054】
上記の実施形態では、4個の構内交換機をネットワーキング接続した場合を説明しているが、本実施形態では、図5に示すように、N個の構内交換機をネットワーキング接続している。図5に示す例では、番号1の構内交換機10、番号2の構内交換機20、番号N−1の構内交換機50、番号Nの構内交換機60がそれぞれ直列状に接続されている。
【0055】
本実施形態でも、番号Nの構内交換機60に収容されている発信端末62から、上記と同様の番号1の構内交換機10に収容されている転送元端末12に着信があった場合を考える。この場合、図3に示す転送情報は、データ2=N−1、データ3=P、ただしP≦N−1と表現される。このときの図4中の手順A4で計算されるインデックス(Index)は、Index=[データ2]-[データ3]=N−1−Pとなる。従って、N個の構内交換機をネットワーキング接続した場合には、このインデックスの値を元に転送先の外線を特定することができる。
【0056】
なお、本発明は、代表的に例示した上述の実施形態に限定されるものではなく、当業者であれば、特許請求の範囲の記載内容に基づき、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の態様に変形、変更することができる。これらの変更例や変形例も本発明の権利範囲に属するものである。
【0057】
例えば、上記の実施形態では、複数の構内交換機を直列状に接続したルートに適用した場合を説明しているが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではなく、複数ルートに分岐したり或いは複数ルートから合流したりする等、複数の構内交換機を接続するルートの接続形態はいずれであっても適用可能である。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、複数の構内交換機をネットワーキング接続したシステムにおいて、他構内交換機の発信端末から自構内交換機の外線着信転送が設定されている転送元端末への着信時に、転送元端末の外線発信ルートを適用できる外線着信転送制御方法及びシステムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る構内交換機における外線着信転送制御システムの実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】複数の構内交換機間の信号の流れ及びその動作を示すシーケンスチャートである。
【図3】転送指示送信時の転送情報を説明する図である。
【図4】転送指示を受けたときに構内交換機の動作手順を示す制御フローチャートである。
【図5】N個の構内交換機をネットワーキング接続した場合の実施形態を示すブロック図である。
【符号の説明】
10、20、30、40、50、60 構内交換機
11、21、31、41、51、61 制御部
12 転送元端末
22 公衆網
42、62 発信端末
Claims (8)
- ネットワーク経由でネットワーキング接続した複数の構内交換機のうち、互いに異なる2つの構内交換機の一方に収容されている発信端末から、該2つの構内交換機の他方に収容され且つ外線への着信転送が設定されている転送元端末への着信時に、該転送元端末の転送先の外線への着信転送を制御する外線着信転送制御方法であって、
前記発信端末から前記転送元端末への着信時に、前記転送元端末を収容している構内交換機から、該発信端末を収容している構内交換機に対し、該転送元端末の転送先の外線を収容している構内交換機を特定可能な転送情報を含む転送指示信号を前記ネットワーク経由で送信するステップと、
前記発信端末を収容している構内交換機以外の構内交換機が前記転送指示信号を受信したときに、該転送指示信号を通過し前記ネットワーク経由で他の構内交換機に送信するステップと、
前記発信端末を収容している構内交換機が前記転送指示信号を受信したときに、前記転送情報を解析し、該解析情報に基づいて前記転送先の外線を収容している構内交換機を特定するステップと、
特定された前記転送先の外線を収容している構内交換機に対し、前記発信端末を収容している構内交換機から、前記転送先の外線への転送発信信号を前記ネットワーク経由で送信するステップと、
前記転送先の外線を収容している構内交換機が、前記転送発信信号を受信したときに、該転送発信信号に基づいて該転送先の外線への外線発信を行なうステップとを備えたことを特徴とする構内交換機におけるネットワーキング接続時の外線着信転送制御方法。 - 前記転送情報は、少なくとも前記転送指示信号を通過した構内交換機数に対応する第1データと、前記転送指示信号の送信方向の経路と前記転送元端末の外線発信方向の経路とが互いに異なるときの前記転送指示信号を通過した構内交換機数に対応する第2データと含み、
前記発信端末を収容している構内交換機以外の構内交換機が前記転送指示信号を通過し他の構内交換機に送信するステップは、該転送指示信号の受信時に前記第1データの数値を1増加させると共に、所定の経路情報に基づき前記転送指示信号の送信方向の経路と前記転送元端末の外線発信方向の経路とが互いに異なるか否かを判断し、両経路が異なると判断されたときに前記第1データの数値を前記第2データの数値として設定し、
前記発信端末を収容している構内交換機が前記転送先の外線を収容している構内交換機を特定するステップは、前記転送指示信号の受信時に前記第1データの数値を1増加させると共に、前記第1データ及び前記第2データの両数値の差を計算し該差に相当する数分、該転送指示信号の受信方向の逆方向に位置する構内交換機を前記転送先の外線を収容している構内交換機として特定することを特徴とする請求項1記載のネットワーキング接続時の外線着信転送制御方法。 - 前記経路情報は、前記転送指示信号の送信方向の経路と前記転送元端末の外線発信方向の経路とを前記複数の構内交換機毎に処理可能に予め設定されることを特徴とする請求項2記載の構内交換機におけるネットワーキング接続時の外線着信転送制御方法。
- 前記複数の構内交換機は、前記ネットワーク経由で直列状に接続されていることを特徴とする請求項2又は3記載の構内交換機におけるネットワーキング接続時の外線着信転送制御方法。
- ネットワーク経由でネットワーキング接続した複数の構内交換機のうち、互いに異なる2つの構内交換機の一方に収容されている発信端末から、該2つの構内交換機の他方に収容され且つ外線への着信転送が設定されている転送元端末に着信時に、該転送元端末の転送先の外線への着信転送を制御する外線着信転送制御システムであって、
前記発信端末から前記転送元端末への着信時に、前記転送元端末を収容している構内交換機から、該発信端末を収容している構内交換機に対し、該転送元端末の転送先の外線を収容している構内交換機を特定可能な転送情報を含む転送指示信号を前記ネットワーク経由で送信する手段と、
前記発信端末を収容している構内交換機以外の構内交換機が前記転送指示信号を受信したときに、該転送指示信号を通過し前記ネットワーク経由で他の構内交換機に送信する手段と、
前記発信端末を収容している構内交換機が前記転送指示信号を受信したときに、前記転送情報を解析し、該解析情報に基づいて前記転送先の外線を収容している構内交換機を特定する手段と、
特定された前記転送先の外線を収容している構内交換機に対し、前記発信端末を収容している構内交換機から、前記転送先の外線への転送発信信号を前記ネットワーク経由で送信する手段と、
前記転送先の外線を収容している構内交換機が、前記転送発信信号を受信したときに、該転送発信信号に基づいて該転送先の外線への外線発信を行なう手段とを備えたことを特徴とする構内交換機におけるネットワーキング接続時の外線着信転送制御システム。 - 前記転送情報は、少なくとも前記転送指示信号を通過した構内交換機数に対応する第1データと、前記転送指示信号の送信方向の経路と前記転送元端末の外線発信方向の経路とが互いに異なるときの前記転送指示信号を通過した構内交換機数に対応する第2データと含み、
前記転送指示信号を通過し他の構内交換機に送信する手段は、該転送指示信号の受信時に前記第1データの数値を1増加させると共に、所定の経路情報に基づき前記転送指示信号の送信方向の経路と前記転送元端末の外線発信方向の経路とが互いに異なるか否かを判断し、両経路が異なると判断されたときに前記第1データの数値を前記第2データの数値として設定し、
前記転送先の外線を収容している構内交換機を特定する手段は、前記転送指示信号の受信時に前記第1データの数値を1増加させると共に、前記第1データ及び前記第2データの両数値の差を計算し該差に相当する数分、該転送指示信号の受信方向の逆方向に位置する構内交換機を前記転送先の外線を収容している構内交換機として特定することを特徴とする請求項1記載のネットワーキング接続時の外線着信転送制御方法。 - 前記経路情報は、前記転送指示信号の送信方向の経路と前記転送元端末の外線発信方向の経路とを前記複数の構内交換機毎に処理可能に予め設定されることを特徴とする請求項2記載の構内交換機におけるネットワーキング接続時の外線着信転送制御システム。
- 前記複数の構内交換機は、前記ネットワーク経由で直列状に接続されていることを特徴とする請求項2又は3記載の構内交換機におけるネットワーキング接続時の外線着信転送制御システム。
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