JP3827628B2 - 簾 - Google Patents

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JP3827628B2
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ワタナベ工業株式会社
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、簾に関し、より詳細には、所望の丈に自由に切断して用いることができる簾に関する。
【0002】
【従来の技術】
簾は、竹、葦、樹脂製パイプ、木製の棒等のような複数本の棒状部材を互いに略平行に配置し、この複数本の棒状部材を紐や糸等のような線材によって編み連ねて形成され、日よけや目かくしの目的に用いられる。
図9は、従来の簾101を示す正面図であり、図10は図9のC−C断面図である。図9及び図10を参照して、従来の簾101について簡単に説明する。従来の簾101は、平面(ここでは図9の面に略平行な面であり、図10に面109として示した。)に略沿うように互いに略平行に配設された複数本の棒状部材103(ここでは葦を用いている。)と、複数本の棒状部材103を連結する連結手段たる線材105(ここでは複数本の紐を撚って形成されている。)と、を備えてなる簾である。線材105は、2本の紐105aと紐105bとからなっており(図9中には、左右一対の線材105が図示されているが、そのいずれも図10に示すように2本の紐105aと紐105bとからなっている。)、複数本の棒状部材103を表面側(図10中、P側)と裏面側(図10中、Q側。もっとも、いずれを表面側、裏面側としてもよく、表面側をQ側、裏面側をP側としてもよい。)とから当接し支持している。
この簾101は、複数本の棒状部材103のうち最も端に位置する棒状部材103aを把持すること等によって垂下され、上述のように日よけや目かくし等の目的に用いられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の簾101は、それを配設する場所や状況に応じて所望の丈(図9中、矢印A方向に沿った寸法)に自由に切断して用いることができなかった。
即ち、従来の簾101を所望の丈に切断しようとすると、例えば、図9中の切断線107に沿って簾101を切断することになり、複数本の棒状部材103を連結している線材105を切断する必要がある。この線材105を構成する2本の紐105aと紐105bとは、複数本の棒状部材103に対して互い違いに編まれて複数本の棒状部材103を表面側と裏面側とから当接し支持しているので、切断されると切断された箇所からほつれて最終的には簾101が分解してしまう。なお、ここに説明したように「所望の丈」とは、簾101を構成する互いに略平行に配置された複数本の棒状部材103が連なる方向に沿った寸法(図9中、矢印A方向に沿った寸法)をいう。
また、意図的に線材105(紐105a又は紐105b)を切断しようとせず、不意に線材105(紐105a又は紐105b)が切断された場合も、同様に線材105(紐105a又は紐105b)が切断された箇所からほつれて最終的には簾101が分解してしまう。
【0004】
そこで、本発明では、所望の丈に自由に切断して用いることができると共に、不意に複数本の棒状部材を連結しているものが切断されても分解しない簾を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
(第1の簾)
第1の本発明の簾(以下、「第1の簾」という。)は、平面に略沿うように互いに略平行に配設される複数本の棒状部材と、該複数本の棒状部材を連結する連結手段と、を備えてなる簾であって、該連結手段が、該複数本の棒状部材を表面側と裏面側とから当接し支持する線材であって、該表面側を支持するものと該裏面側を支持するものとが該複数本の棒状部材同士の間において結合された線材である、簾である。
【0006】
こうすることで複数本の棒状部材を連結する連結手段が、複数本の棒状部材を表面側と裏面側とから当接し支持する線材であり、そしてその線材のうち該表面側を支持するものと該裏面側を支持するものとが複数本の棒状部材同士の間において結合される。このため連結手段たる線材が切断されても、表面側を支持するものと裏面側を支持するものとが複数本の棒状部材同士の間において結合されているので、表面側を支持するものと裏面側を支持するものとにばらけることがない。即ち、第1の簾は、所望の丈に自由に切断して用いることができると共に、不意に複数本の棒状部材を連結しているものが切断されても分解しない簾である。
なお、本発明にいう「棒状部材」とは、直線に略沿ってのびる長手方向を有する部材を広く包含するものであり、該長手方向に対して垂直な断面形状は問わない。
また、「表面側」と「裏面側」とは、複数本の棒状部材が平面に略沿うように第1の簾が配設された際、該平面の両面のうち一方側と他方側とをそれぞれいう。また、「表面側を支持するものと裏面側を支持するものとが複数本の棒状部材同士の間において結合された」とは、ある棒状部材(以下、「基準棒状部材」という。)を表面側から支持するものと、基準棒状部材を裏面側から支持するものと、が、基準棒状部材に隣接する棒状部材である隣接棒状部材と基準棒状部材との間で結合されていることをいう(即ち、各棒状部材について、それに隣接する棒状部材との間で、表面側を支持するものと裏面側を支持するものとが結合されていればよい。)。従って、線材が複数の紐や糸で形成される場合、これら紐や糸のうち表面側を支持するものと裏面側を支持するものとは、各棒状部材において異なっても同一でもよい(例えば、線材が複数の紐A、B、C、Dによって構成される場合、棒状部材イにおいては紐Aと紐Bとが表面側を支持し、紐Cと紐Dとが裏面側を支持し、さらに棒状部材ロにおいては紐Aと紐Dとが表面側を支持し、紐Bと紐Dとが裏面側を支持するような場合であってもよい。このときには紐A又は/及び紐Bと、紐C又は/及び紐Dと、が棒状部材イの両側で結合されると共に、紐A又は/及び紐Dと、紐B又は/及び紐Dと、が棒状部材ロの両側で結合されればよい。)。
【0007】
表面側を支持するものと裏面側を支持するものとの前記結合は、表面側を支持するものと裏面側を支持するものとが結合されるものであればいかなる方法によってなされてもよく何ら制限されるものではないが、一例を挙げるとすれば、前記表面側を支持するものと前記裏面側を支持するものとを互いに接着することによって行われるもの、前記表面側を支持するものと前記裏面側を支持するものとを互いに融着することによって行われるもの、前記表面側を支持するものと前記裏面側を支持するものとを互いに結ぶことによって行われるもの、前記表面側を支持するものと前記裏面側を支持するものとを互いに緊締し結合させる緊締具を用いて行われるもの等を例示することができる。
とりわけ前記結合が、前記表面側を支持するものと前記裏面側を支持するものとが互いに接着されることによるものであれば、表面側を支持するものと裏面側を支持するものとを容易かつ確実に結合することができる。
また、前記結合が、前記表面側を支持するものと前記裏面側を支持するものとが互いに融着されることによるものであれば、表面側を支持するものと裏面側を支持するものとを、接着剤や緊締具等のような他のものを用いることなく容易かつ確実に結合することができる。
【0008】
前記結合が、前記表面側を支持するものと前記裏面側を支持するものとが互いに接着されることによるものである場合、前記表面側を支持するものと前記裏面側を支持するものとが、硬化した後も粘着性を有する接着剤によって接着されるものであり、該接着剤が前記棒状部材が形成する表面の少なくとも一部にも塗布されているもの(以下、「捕獲簾」という。)であってもよい。
ここに硬化した後も該接着剤が有する「粘着性」とは、ハエがとまった際にそのハエを粘着し捕獲することができる程度の粘着性をいう。
このような捕獲簾は、表面側を支持するものと裏面側を支持するものとを互いに接着する部分と、棒状部材が形成する表面の少なくとも一部と、を含む部分に、かかる接着剤を付着させれば、表面側を支持するものと裏面側を支持するものとを結合させることができると共に、捕獲簾の表面に塗布された該接着剤(殆どは棒状部材が形成する表面に付着されたもの)によってハエを捕獲することができる(即ち、捕獲簾は、ハエ等の駆除を行うことができる。)。
【0009】
捕獲簾は、様々な方法によって製造することができるが、次のような製造方法によって製造されてもよい。即ち、該製造方法は、捕獲簾の製造方法であって、前記複数本の棒状部材を前記線材により表面側と裏面側とから挟持することで簾基礎物を形成する基礎物形成ステップと、前記表面側を支持するものと前記裏面側を支持するものとを互いに接着する部分と、前記棒状部材が形成する表面の少なくとも一部と、を含む部分に、前記硬化した後も粘着性を有する接着剤を付着させる接着剤付着ステップと、を備えてなる、簾の製造方法である。こうすることで基礎物形成ステップによって形成した簾基礎物に、表面側を支持するものと裏面側を支持するものとを主として結合させるための接着剤と、棒状部材が形成する表面の少なくとも一部に付着されるハエの捕獲用の接着剤と、を一度に付着させることができ、効率的に捕獲簾を製造することができる。
【0010】
前記結合が、前記表面側を支持するものと前記裏面側を支持するものとが互いに融着されることによるものである場合、前記線材が、少なくとも表面の一部が熱融着可能な材質によって形成される紐又は糸である熱融着線材と、該熱融着可能な材質よりも融点が高い材質によって形成される紐又は糸である基礎線材と、を含んでなるものであってもよい。
熱融着可能な材質は、融点が低い材質が用いられることから、通常、物性(例えば、引っ張り強度)も低い場合が多い。従って、前記線材は、熱融着可能な材質によって形成された部分を含む熱融着線材とは別に、熱融着可能な材質よりも融点が高い材質によって形成される基礎線材を有する方が物性に優れ、第1の簾の耐久性や強度を向上させることができる。
【0011】
前記結合が、前記表面側を支持するものと前記裏面側を支持するものとが互いに融着されることによるものである場合の第1の簾(以下、「融着第1の簾」という。)は、様々な方法によって製造することができるが、次のような製造方法によって製造されてもよい。即ち、該製造方法は、融着第1の簾の製造方法であって、前記複数本の棒状部材を、前記線材を形成する線材形成材により表面側と裏面側とから挟持することで簾基礎物を形成する基礎物形成ステップと、該基礎物形成ステップによって形成された該簾基礎物を熱処理して該線材形成材を前記棒状部材同士の間において互いに融着される熱処理ステップと、を備えてなる、簾の製造方法である。こうすることで基礎物形成ステップによって形成した簾基礎物を、熱処理ステップによって熱処理して線材形成材を棒状部材同士の間において互いに融着することで融着第1の簾を製造することができる。ここに基礎物形成ステップは、従来の簾を製造する装置をそのまま用いて行うこともできるので、融着第1の簾を従来の簾製造装置を活用しつつ製造することができ、融着第1の簾を安価に製造することができる。
【0012】
第1の簾においては、前記線材の少なくとも一部が、前記棒状部材に固定されるものであってもよい。
こうすることで、表面側を支持するものと裏面側を支持するものとが複数本の棒状部材同士の間において結合されていることに加え、線材の少なくとも一部が棒状部材に固定されていることから、線材がばらけることを一層効果的に防止することができる。即ち、こうすることで所望の丈に自由に切断し一層安全に使用することができると共に、不意に複数本の棒状部材を連結しているものが切断されても分解することを一層効果的に防止することができる。
【0013】
(第2の簾)
第2の本発明の簾(以下、「第2の簾」という。)は、平面に略沿うように互いに略平行に配設される複数本の棒状部材と、該複数本の棒状部材を連結する連結手段と、を備えてなる簾であって、該連結手段が、該複数本の棒状部材に跨るように配設され該複数本の棒状部材とその表面とが一体に結合したものである、簾である。
なお、ここに「棒状部材」とは、直線に略沿ってのびる長手方向を有する部材を広く包含するものであり、該長手方向に対して垂直な断面形状は問わない。
こうすることで連結手段が、複数本の棒状部材に跨るように配設され複数本の棒状部材とその(連結手段の)表面とが一体に結合しており、連結手段が、複数本の棒状部材同士の間で切断されても、連結手段の表面と棒状部材とが一体に結合しているので、連結手段と棒状部材とがばらけることがない。即ち、第2の簾は、所望の丈に自由に切断して用いることができると共に、不意に複数本の棒状部材を連結しているものが切断されても分解しない簾である。
【0014】
前記連結手段の前記表面と、前記複数本の棒状部材と、を一体に結合させるには様々な方法が用いられてよく何ら限定されるものではないが、一例を挙げるとすれば接着、融着又は粘着により行われるものであってもよい。こうすることで、前記連結手段の前記表面と前記複数本の棒状部材とを容易かつ確実に一体に結合させることができる。
また、前記連結手段が、ホットメルト接着剤を前記複数本の棒状部材に跨るように押し出して形成されるものであってもよく、かかる場合であればホットメルト接着剤を所定位置に押し出すことで、前記連結手段の前記表面と前記複数本の棒状部材とを迅速かつ確実に接着することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。しかしながら、これらによって本発明は何ら制限されるものではない。
【0016】
図1は、第1実施形態の第1の本発明の簾(第1の簾)11の正面図であり、図2は図1のB−B断面図である。図1及び図2を参照して、第1実施形態の第1の簾11について説明する。
第1実施形態の第1の簾11は、図9及び図10にて説明した従来の簾101と同様、平面(ここでは図1の面に略平行な面。図2中、点線にて示した面109)に略沿うように互いに略平行に配設された複数本の棒状部材13(ここでは葦を用いている。)と、複数本の棒状部材13を連結する連結手段たる線材15(ここでは複数本の紐を撚って形成されている。)と、を備えてなる簾である。複数本の棒状部材13(葦)は、それぞれの長手方向に沿った軸が平面(ここでは図1の面に略平行な面。図2中、点線にて示した面109)に略沿うように(即ち、棒状部材13が該平面に略沿っている。)、かつそれぞれの長手方向が互いに略平行に(即ち、棒状部材13が互いに略平行になっている。)なるように配設されている。
線材15は、図2に示されるように、2本の紐15aと紐15bとからなっており(図1中には、左右一対の線材15が図示されているが、そのいずれも図2に示すように2本の紐15aと紐15bとからなっている。)、複数本の棒状部材13に対して互い違いに編まれて複数本の棒状部材13を表面側(図2中、P側)と裏面側(図2中、Q側。もっとも、いずれを表面側、裏面側としてもよく、表面側をQ側、裏面側をP側としてもよい。)とから当接し支持している。
【0017】
そして、ここでは図2に示すように、2本の紐15aと紐15bとが、複数本の棒状部材13同士の間において接着剤18によって互いに接着されている。
この接着剤18は、2本の紐15aと紐15bを形成している素材である綿を好適に接着できるものを用いており、具体的には、コニシ株式会社製の商品名「高性能耐水紙管用水性接着剤 ボンドCN250」を用いている。なお、図2のように2本の紐15aと紐15bとを接着するようにこの接着剤18を2本の紐15aと紐15bとに付着させる方法はいかなる方法を用いてもよく何ら制限されるものではないが、一例を挙げるとすれば、線材15(紐15aと紐15b)を用いて通常の簾を形成した後、紐15aと紐15bとが交差している部分に接着剤18を塗布する方法や、複数本の棒状部材13を線材15(紐15aと紐15b)によって編みつつ紐15aと紐15bとが交差している部分に接着剤18を塗布する方法等を例示することができる。
【0018】
以上説明したように、第1実施形態の第1の簾11においては、線材15のうち表面側を支持するものと裏面側を支持するものとが複数本の棒状部材13同士の間において接着により結合されているので、線材15(紐15aと紐15b)が切断されても、表面側を支持するものと裏面側を支持するものとにばらけることがない。即ち、第1実施形態の第1の簾11は、所望の丈(図1中、矢印A方向の寸法)に自由に切断して用いることができる(例えば、図1中、点線17に沿って切断して用いることができる。)と共に、不意に複数本の棒状部材13を連結しているもの(線材15(紐15aと紐15b))が切断されても分解しない簾である。
この第1実施形態の第1の簾11は、図9にて説明した従来の簾101と同様、複数本の棒状部材13のうち最も端に位置する棒状部材13aを把持すること等によって垂下され日よけや目かくし等の目的に用いられる。
なお、第1実施形態の第1の簾11は、線材15(紐15aと紐15b)の少なくとも一部が、棒状部材13に固定されるようにしてもよい。
【0019】
図3は、第2実施形態の第1の本発明の簾(第1の簾)21の正面図であり、図4は図3のB−B断面図である。図3及び図4を参照して、第2実施形態の第1の簾21について説明する。
第2実施形態の第1の簾21は、図9及び図10にて説明した従来の簾101と同様、平面(ここでは図3の面に略平行な面。図4中、点線にて示した面109)に略沿うように互いに略平行に配設された複数本の棒状部材23(ここでは葦を用いている。)と、複数本の棒状部材23を連結する連結手段たる線材25(ここでは複数本の紐を撚って形成されている。)と、を備えてなる簾である。複数本の棒状部材23(葦)は、それぞれの長手方向に沿った軸が平面(ここでは図3の面に略平行な面。図4中、点線にて示した面109)に略沿うように(即ち、棒状部材23が該平面に略沿っている。)、かつそれぞれの長手方向が互いに略平行に(即ち、棒状部材23が互いに略平行になっている。)なるように配設されている。
線材25は、図4に示されるように、2本の紐25aと紐25bとからなっており(図3中には、左右一対の線材25が図示されているが、そのいずれも図4に示すように2本の紐25aと紐25bとからなっている。)、複数本の棒状部材23に対して互い違いに編まれて複数本の棒状部材23を表面側(図4中、P側)と裏面側(図4中、Q側。もっとも、いずれを表面側、裏面側としてもよく、表面側をQ側、裏面側をP側としてもよい。)とから当接し支持している。
【0020】
そして、ここでは図4に示すように、2本の紐25aと紐25bとが、複数本の棒状部材23同士の間において接着剤28によって互いに接着されていると共に、接着剤28が棒状部材23が形成する表面の一部にも付着されている。
即ち、ここでは第2実施形態の第1の簾21の表面側(図4中、P側)と中心部とに接着剤28が付着しており、これによって2本の紐25aと紐25bとが複数本の棒状部材23同士の間において接着され、さらに接着剤28が棒状部材23が形成する表面の表面側(図4中、P側)に付着されている。また、この接着剤28によって、線材25(紐25aと紐25b)は棒状部材23に接着され固定されている。
この接着剤28は、硬化した後もハエがとまった際にそのハエを粘着し捕獲することができる程度の粘着性を有し、かつ2本の紐25aと紐25bを形成している素材である綿を好適に接着できる接着剤であり、ここでは具体的には、サイデン化学株式会社製の商品名「サイビノールACF−11」を用いている。
【0021】
また、第2実施形態の第1の簾21は、いかなる方法により製造されてもよく何ら制限されるものではないが、一例を挙げるとすれば、複数本の棒状部材23を線材25(紐25aと紐25b)により表面側(図4中、P側)と裏面側(図4中、Q側)とから挟持することで簾基礎物(図3及び図4に示された簾21から接着剤28を除いたもの。即ち、図9及び図10にて説明した従来の簾101と同様のもの)を形成し(基礎物形成ステップ)、表面側を支持するものと裏面側を支持するものとを互いに接着する部分(ここでは紐25aと紐25bとが交差している部分)と、棒状部材23が形成する表面の少なくとも一部(ここでは表面側(図4中、P側))と、を含む部分に、接着剤28を付着させる(接着剤付着ステップ)ことによって製造されてもよい。なお、この接着剤付着ステップにおいて接着剤28を付着させる方法は、様々な方法によって行われることができ何ら制限されるものではないが、一例を挙げるとすれば、接着剤28を刷毛やローラ等によって塗布する方法、接着剤28をスプレー等によって噴霧する方法、そして接着剤28に前記簾基礎物を浸す方法等を例示することができる。
【0022】
以上説明したように、第2実施形態の第1の簾21においては、線材25のうち表面側を支持するものと裏面側を支持するものとが複数本の棒状部材23同士の間において結合されているので、線材25(紐25aと紐25b)が切断されても、表面側を支持するものと裏面側を支持するものとにばらけることがない。さらに、接着剤28によって、線材25(紐25aと紐25b)は棒状部材23に接着され固定されている。即ち、第2実施形態の第1の簾21は、所望の丈(図3中、矢印A方向の寸法)に自由に切断して用いることができる(例えば、図3中、点線17に沿って切断して用いることができる。)と共に、不意に複数本の棒状部材23を連結しているもの(線材25(紐25aと紐25b))が切断されても分解しない簾である。
加えて、第2実施形態の第1の簾21は捕獲簾を構成し、簾21の表面に塗布された接着剤28によってハエを捕獲することができる(即ち、簾21は、ハエ等の駆除を行うことができる。)。
この第2実施形態の第1の簾21は、従来の簾101と同様、複数本の棒状部材23のうち最も端に位置する棒状部材23aを把持すること等によって垂下され日よけや目かくし等の目的に用いられる。
【0023】
図5は、第3実施形態の第1の本発明の簾(第1の簾)31の正面図であり、図6は図5のB−B断面図である。図5及び図6を参照して、第3実施形態の第1の簾31について説明する。
第3実施形態の第1の簾31は、図9及び図10にて説明した従来の簾101と同様、平面(ここでは図5の面に略平行な面。図6中、点線にて示した面109)に略沿うように互いに略平行に配設された複数本の棒状部材33(ここでは葦を用いている。)と、複数本の棒状部材33を連結する連結手段たる線材35と、を備えてなる簾である。複数本の棒状部材33(葦)は、それぞれの長手方向に沿った軸が平面(ここでは図5の面に略平行な面。図6中、点線にて示した面109)に略沿うように(即ち、棒状部材33が該平面に略沿っている。)、かつそれぞれの長手方向が互いに略平行に(即ち、棒状部材33が互いに略平行になっている。)なるように配設されている。
線材35は、図6に示されるように、2本の紐35aと紐35bとからなっており(図5中には、左右一対の線材35が図示されているが、そのいずれも図6に示すように2本の紐35aと紐35bとからなっている。)、複数本の棒状部材33に対して互い違いに編まれて複数本の棒状部材33を表面側(図6中、P側)と裏面側(図6中、Q側。もっとも、いずれを表面側、裏面側としてもよく、表面側をQ側、裏面側をP側としてもよい。)とから当接し支持している。
【0024】
そして、ここでは図6に示すように、2本の紐35aと紐35bとが、複数本の棒状部材13同士の間において互いに融着されている。
このように2本の紐35aと紐35bとが複数本の棒状部材13同士の間において互いに融着された第3実施形態の第1の簾31は、いかなる方法により製造されてもよく何ら制限されるものではないが、一例を挙げるとすれば、次のようにしてもよい。即ち、複数本の棒状部材33を、線材35(紐35aと紐35b)を形成する線材形成材(即ち、まだ融着されていない紐35aと紐35b)により表面側と裏面側とから挟持することで簾基礎物(図5及び図6に示された簾31の紐35aと紐35bとが融着されていないもの。即ち、後述するように熱処理されることで融着可能な紐35aと紐35bとを用いて作成した図9及び図10にて説明した従来の簾101と同様のもの)を形成する(基礎物形成ステップ)。そして、基礎物形成ステップによって形成された該簾基礎物を熱処理して線材形成材(まだ融着されていない紐35aと紐35b)を棒状部材33同士の間において互いに融着される(熱処理ステップ)。なお、ここでは線材形成材(即ち、まだ融着されていない紐35aと紐35b)として、株式会社クラレ社製の熱融着糸である商品名「N720」(糸の中心部分はポリエステルによって形成され、該中心部分を覆う外側部分は変性ポリエステル(接着温度:110℃)によって形成されている。)とポリエステル糸とを70:30(重量割合)にて混紡したものを用い、熱処理ステップの熱処理は120〜150℃にて2〜5分行った。即ち、ここでは線材35(紐35aと紐35b)が、少なくとも表面の一部が熱融着可能な材質(前記変性ポリエステル)によって形成される紐又は糸である熱融着線材(ここでは株式会社クラレ社製の熱融着糸である商品名「N720」)と、熱融着可能な材質よりも融点が高い材質によって形成される紐又は糸である基礎線材(ここではポリエステル糸)と、を含んでなる。また、熱融着線材又は線材形成材としては、ユニチカ株式会社製の熱融着糸である商品名「BX−40 メルティ」(品番E100M10、E100MR)、「BX−70 キャスベン」(品番E100M10T、E100M5T)、「エスポラン」、「コルネッタ」等を用いることもできる。
【0025】
以上説明したように、第3実施形態の第1の簾31においては、線材35のうち表面側を支持するものと裏面側を支持するものとが複数本の棒状部材33同士の間において融着により結合されているので、線材35(紐35aと紐35b)が切断されても、表面側を支持するものと裏面側を支持するものとにばらけることがない。即ち、第3実施形態の第1の簾31は、所望の丈(図5中、矢印A方向の寸法)に自由に切断して用いることができる(例えば、図5中、点線17に沿って切断して用いることができる。)と共に、不意に複数本の棒状部材33を連結しているもの(線材35(紐35aと紐35b))が切断されても分解しない簾である。
この第3実施形態の第1の簾31は、従来の簾101と同様、複数本の棒状部材33のうち最も端に位置する棒状部材33aを把持すること等によって垂下され日よけや目かくし等の目的に用いられる。
なお、第3実施形態の第1の簾31は、線材35(紐35aと紐35b)の少なくとも一部が、棒状部材33に固定されるようにしてもよい。
【0026】
図7は、一実施形態の第2の本発明の簾(第2の簾)の正面図であり、図8は図7のG−G断面図である。図7及び図8を参照して、一実施形態の第2の簾51について説明する。
第2の簾51は、平面(ここでは図7の面に略平行な面。図8中、点線にて示した面109)に略沿うように互いに略平行に配設された複数本の棒状部材53(ここでは葦を用いている。)と、複数本の棒状部材53を連結する連結手段たる接着剤硬化物55(ここでは後述するようにホットメルト接着剤を複数本の棒状部材53に跨るように押し出して形成されている。)と、を備えてなる簾である。複数本の棒状部材53(葦)は、それぞれの長手方向に沿った軸が平面(ここでは図7の面に略平行な面。図8中、点線にて示した面109)に略沿うように(即ち、棒状部材53が該平面に略沿っている。)、かつそれぞれの長手方向が互いに略平行に(即ち、棒状部材53が互いに略平行になっている。)なるように配設されている。
【0027】
このような第2の簾51を製造するには、まず、複数本の棒状部材53(葦)を、それぞれの長手方向に沿った軸が平面(ここでは図7の面に略平行な面。図8中、点線にて示した面109)に略沿うように(即ち、棒状部材53が該平面に略沿っている。)、かつそれぞれの長手方向が互いに略平行に(即ち、棒状部材53が互いに略平行になっている。)なるように配置する。
次いで、複数本の棒状部材53(ここでは葦)を接着することができるホットメルト接着剤を準備し、その適量を加熱し融解させる。なお、ここではホットメルト接着剤として、コニシ株式会社製の商品名「メルターボールNO.42」を用いるが、同社製の商品名「メルターボールNO.45」を用いるようにしてもよい。
そして、融解したホットメルト接着剤を、図7及び図8に示すよう複数本の棒状部材13(葦)に跨るように押し出した後(例えば、コニシ株式会社製の商品名「ボンドメルグルーダー」等を用いてもよい。)、室温下にて冷却して、融解したホットメルト接着剤を接着剤硬化物55とし、第2の簾51が完成される。
【0028】
このような第2の簾51では、連結手段たる接着剤硬化物55が複数本の棒状部材53(葦)に跨るように配設されると共に、連結手段たる接着剤硬化物55の表面と、複数本の棒状部材53(葦)と、が接着により一体に結合されているので、連結手段たる接着剤硬化物55が、複数本の棒状部材53同士の間(例えば、図7の点線17)で切断されても、連結手段たる接着剤硬化物55の表面と棒状部材53とが一体に結合しているので、連結手段たる接着剤硬化物55と棒状部材53とがばらけることがない。即ち、第2の簾51も、所望の丈に自由に切断して用いることができると共に、不意に複数本の棒状部材を連結しているものが切断されても分解しない簾である。
また、第2の簾51も、従来の簾101と同様、複数本の棒状部材53のうち最も端に位置する棒状部材53aを把持すること等によって垂下され日よけや目かくし等の目的に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の第1の本発明の簾(第1の簾)の正面図である。
【図2】図1のB−B断面図である。
【図3】第2実施形態の第1の本発明の簾(第1の簾)の正面図である。
【図4】図3のB−B断面図である。
【図5】第3実施形態の第1の本発明の簾(第1の簾)の正面図である。
【図6】図5のB−B断面図である。
【図7】一実施形態の第2の本発明の簾(第2の簾)の正面図である。
【図8】図7のG−G断面図である。
【図9】従来の簾を示す正面図である。
【図10】図9のC−C断面図である。
【符号の説明】
11 第1実施形態の第1の簾
13 棒状部材
15 線材
15a、15b 紐
18 接着剤
21 第2実施形態の第1の簾
23 棒状部材
25 線材
25a、25b 紐
28 接着剤
31 第3実施形態の第1の簾
33 棒状部材
35 線材
35a、35b 紐
51 第2の簾
53 棒状部材
55 接着剤硬化物
101 従来の簾
103 棒状部材
105 線材
105a、105b 紐
109 面

Claims (3)

  1. 平面に略沿うように互いに略平行に配設される複数本の棒状部材と、該複数本の棒状部材を連結する連結手段と、を備えてなる簾であって、
    該連結手段が、該複数本の棒状部材を表面側と裏面側とから当接し支持する線材であって、該表面側を支持するものと該裏面側を支持するものとが該複数本の棒状部材同士の間において結合された線材であり、
    該線材が、少なくとも表面の一部が熱融着可能な材質によって形成される紐又は糸である熱融着線材と、該熱融着可能な材質よりも融点が高い材質によって形成される紐又は糸である基礎線材と、を含んでなり、
    該結合が、該表面側を支持するものと該裏面側を支持するものとが互いに融着されることによるものである、
    簾。
  2. 前記線材の少なくとも一部が、前記棒状部材に固定されるものである、請求項1に記載の簾。
  3. 請求項1又は2に記載の簾の製造方法であって、
    前記複数本の棒状部材を、前記線材を形成する線材形成材により表面側と裏面側とから挟持することで簾基礎物を形成する基礎物形成ステップと、
    該基礎物形成ステップによって形成された該簾基礎物を熱処理して該線材形成材を前記棒状部材同士の間において互いに融着される熱処理ステップと、
    を備えてなる、簾の製造方法。
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