JP2004339631A - 組紐および該組紐の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造した組紐の切断部位を限定することなく、また、生産設備も簡素化する。
【解決手段】1本の糸または2本以上の糸束からなる複数本の組紐材6を交差するように筒状に縒って形成する組紐2Aにおいて、組紐材6のうち少なくとも1/4に所定温度で溶融する熱溶融糸7を加え、または、組紐材6の少なくとも1/8を所定温度で溶融する熱溶融糸7で構成し、熱溶融糸7を加熱溶融することにより各糸を接着する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、髪を結んだり、弁当箱の蓋を閉じた状態に保持するための組紐リングを形成するためのゴム芯を備えた組紐や、靴紐などに使用するゴム芯の無い組紐、および、その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の組紐は、製紐機によって1本の糸または2本以上の糸束からなる複数本の組紐材を交差するように筒状に縒って形成される。そして、形成する筒の内部にゴム芯を配設したゴム芯を備えた組紐は、連続した長尺のゴム芯を長手方向に所定の張力で引っ張った状態で製紐機の中心(形成する組紐の軸心)に配置した状態で製紐工程を実行し、ゴム芯の外周部に外皮組紐層を設ける点でのみ相違している。
【0003】
ゴム芯を備えた組紐に関連する先行技術文献情報としては次のものがある。
【0004】
【特許文献1】
特許第2936091号公報
【0005】
この特許文献1では、前記と同様の手順でゴム芯を備えた伸縮可能な組紐を製紐する。その後、連続した長尺の組紐において、組紐リングを形成するのに必要な寸法と対応する部位に接着剤を含浸させ、前記外皮組紐層を構成する各糸同士を接着して硬化させる。その後、その硬化部分を切断し、平坦な状態をなす両端の切断端面を突当てて接着することによりリング状に形成する。
【0006】
このように、この特許文献1では、切断する部分の外皮組紐層を構成する糸を接着して硬化することにより、内部のゴム芯が外皮組紐層により締め付けられた状態とする。そのため、組紐を所定長さに切断した際には、外皮組紐層の各糸が解けることはないうえ、内部のゴム芯の弾性的な収縮を防止できるため、両端を互いに接着する処理が困難になることを防止できる。また、両端を互いに接着した状態で、その接着部分が解けた外皮組紐層の影響により盛り上がって美観を損ねたり、頭髪を結束するために使用した際の使用感などに悪影響が及ぶことを防止している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1の組紐では、形成する組紐リングの直径を予め決定し、その直径に対応する部位に接着剤を含浸させる必要があるため、寸法設定の柔軟性に欠けるという問題がある。言い換えれば、予め設定された所定の部位を切断しなければ、組紐を構成する各組紐材の糸が解けるという問題を解消することはできない。
【0008】
また、設定された所定部位に接着剤を含浸するとともに、その部位を確実に切断する必要があるため、生産設備に要求される精度が高く、コスト高になるという問題がある。
【0009】
そこで、本発明では、製造した組紐の切断部位を限定することなく、また、生産設備も簡素化できる組紐およびその製造方法を提供することを課題とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明の第1の組紐は、1本の糸または2本以上の糸束からなる複数本の組紐材を交差するように筒状に縒って形成する組紐において、前記組紐材のうち少なくとも1/4に所定温度で溶融する熱溶融糸を加え、前記熱溶融糸を加熱溶融することにより前記各糸を接着する構成としている。
【0011】
また、本発明の第2の組紐は、1本の糸または2本以上の糸束からなる複数本の組紐材を交差するように筒状に縒って形成する組紐において、前記組紐材の少なくとも1/8を所定温度で溶融する熱溶融糸で構成し、前記熱溶融糸を加熱溶融することにより前記各糸を接着する構成としている。
【0012】
これらの組紐では、形成した筒内にゴム芯を備えていることが好ましい。
または、形成した筒を扁平させて内周部を密着させた状態で加熱することにより、前記内周部の対向する糸を加熱溶融した熱溶融糸により接着することが好ましい。
【0013】
具体的に、本発明の第1の組紐の製造方法は、1本の糸または2本以上の糸束からなる複数本の組紐材の少なくとも1/4に所定温度で溶融する熱溶融糸を加え、該熱溶融糸と一緒に各組紐材を交差するように筒状に縒り、加熱することにより前記熱溶融糸を溶融させて前記各糸の間に浸透させ、冷却して前記溶融させた熱溶融糸を硬化させることにより、前記各糸を互いに接着するものである。
【0014】
また、本発明の第2の組紐の製造方法は、1本の糸または2本以上の糸束からなる複数本の組紐材と、少なくとも組紐材の1/7本の所定温度で溶融する熱溶融糸とを、交差するように筒状に縒り、加熱することにより前記熱溶融糸を溶融させて前記各糸の間に浸透させ、冷却して前記溶融させた熱溶融糸を硬化させることにより、前記各糸を互いに接着するものである。
【0015】
これらの製造方法では、前記組紐材および熱溶融糸を、連続したゴム芯の外周部に縒り、該ゴム芯の外周部に筒状の外皮組紐層を形成することが好ましい。
または、形成した筒を加熱する工程では、前記筒を扁平させて内周部を密着させて行い、前記内周部の対向する糸を加熱溶融した熱溶融糸により接着することが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
図1から図3は、本発明の第1実施形態に係る組紐2Aによって形成したゴム芯4を備えた組紐リング1の製造方法を示す。
【0017】
図1(D)および図3(A),(B),(C)に示すように、組紐リング1は、ゴム芯4と、該ゴム芯4の外周部に形成した外皮組紐層5Aとからなる伸縮可能な組紐2Aを所定長さに切断し、切断した組紐2Cの両端を接着して接着層3を形成したものである。
【0018】
前記ゴム芯4は、後述する熱溶融糸7の融点より高いゴム材料からなる。
【0019】
前記外皮組紐層5Aは、それぞれ1本の糸からなる複数の組紐材6を縒ったものである。この組紐材6は、後述する熱溶融糸7の融点より高いものであり、例えば、ナイロン、テトロン、スフ糸、人絹、合成糸、木綿、絹などが使用可能である。この外皮組紐層5Aは、組紐材6を構成する各糸が樹脂層8により互いに接着されている。
【0020】
本実施形態では、組紐材6の各糸を接着する材料として、図2(A)に示す熱溶融糸7を使用している。この熱溶融糸7は、約100℃の熱を加えることにより溶融し、冷却することにより硬化するもので、例えば、東レ株式会社製のエルダー(登録商標)、ユニチカ株式会社製のフロール(登録商標)、富士紡績株式会社製のジョイナー(登録商標)などが使用可能である。なお、熱溶融糸7は前記に限られず、加熱溶融した後に冷却することにより硬化するものであれば希望に応じて変更可能である。また、熱溶融糸7は、融点が約100℃のものに限定されず、例えば80℃のものであってもよい。
【0021】
次に、前記組紐リング1を形成するための組紐2Aの製造方法について具体的に説明する。
【0022】
図1(A)および図2(A)に示すように、連続した長尺のゴム芯4の外周部に、16本の組紐材6と熱溶融糸7とを一対として一緒に、各組紐材6および熱溶融糸7が互いに交差するように筒状に縒って外皮組紐層5Bを形成する。ここで、この外皮組紐層5Bを形成する処理は、例えば、複数本の糸からなる組紐材6を進出可能に保持し、その保持部10aを制御装置により規則的に駆動させることにより自動製紐を行う製紐機10を使用する。また、前記ゴム芯4は、長手方向に所定の張力を加えて伸ばした状態とする。なお、図面には、組紐材6と熱溶融糸7は8本しか記載していないが、背面側に重なった状態で同様に8本の組紐材6と熱溶融糸7とが存在する。また、前記熱溶融糸7を含む組紐材6の本数は希望に応じて変更が可能であり、組紐材6および熱溶融糸7をそれぞれ8本としてもよい。
【0023】
このようにして外皮組紐層5Bを形成し、ゴム芯4に対する張力を解除すると図2(B)に示すように、ゴム芯4が自身の弾性力で収縮し、これにより外周部に形成した外皮組紐層5Bを構成する各組紐材6および熱溶融糸7が間隔を狭めるとともに、傾斜角度が鋭角になるように収束する。即ち、図2(A)に示す外皮組紐層5Bを縒った直後では、ゴム芯4に対する組紐材6の傾斜角度はαであるのに対し、ゴム芯4が収縮した状態での組紐材6および熱溶融糸7の傾斜角度はβとなる。また、この状態では、ゴム芯4が収縮することにより直径が大きくなる。そのため、このゴム芯4は、該ゴム芯4より伸縮力が小さい組紐材6および熱溶融糸7により締め付けられた状態をなす。
【0024】
ついで、図1(B)に示すように、製紐した組紐2Bを加熱手段11によって沸騰させた熱湯を貯留している加熱槽12に通す。そうすると、この組紐2Bの外皮組紐層5Bを構成する熱溶融糸7が熱湯により融点まで加熱され、溶融する。その結果、溶融した熱溶融糸7の樹脂材料が各組紐材6同士の間に浸透する。その後、組紐2Bを前記加熱槽12から取り出して冷却し、溶融した熱溶融糸7が硬化すると、組紐2Aの製造が完了する。なお、この冷却処理は、常温による自然冷却および周知の冷却手段による強制冷却のいずれでも可能である。
【0025】
このように形成した組紐2Aは、図2(C)に示すように、外皮組紐層5Aには熱溶融糸7はなく、組紐材6を構成する1本の糸のみを縒った状態と略同一になる。また、この状態では、全長にわたって隣接する組紐材6同士が樹脂層8によって接着された状態をなす。なお、図2(C)および図3(A)では、隣接する組紐材(糸)6,6の間に隙間が存在した状態で記載しているが、実際には、内部のゴム芯4が露出するような隙間は目視では確認できない大きさである。
【0026】
次に、前記組紐2Aを用いた組紐リング1の製造方法を説明する。
【0027】
図1(C)に示すように、まず、連続した長尺の組紐2Aを切断し、リングを形成するために必要な長さの組紐2Cを形成する。この切断処理は、作業者の手作業によって希望に応じた寸法で切断してもよく、また、組紐2Aが所定長さ進出すると位置決めしてカッターにより自動的に切断する切断装置により行ってもよい。
【0028】
ここで、本実施形態では、切断前の組紐2Aは、前述のように全長にわたって隣接する組紐材6の糸同士が接着された状態をなしているため、切断した組紐2Cは、図3(A),(B)に示すように、切断端面で外皮組紐層5Aを構成する組紐材6が解けることはなく、平坦(面一)な状態が保持される。また、ゴム芯4は、その硬化した外皮組紐層5Aにより締め付けられた状態をなすため、自身の弾性力によって収縮し、外皮組紐層5Aの切断端面より内側に後退することはない。
【0029】
最後に、切断した組紐2Cの少なくとも一端に接着剤を塗布し、図1(D)および図3(C)に示すように、組紐2Cの両端を突き合わせ、切断されたゴム芯4の端部同士および外皮組紐層5Aの端部同士を接着層3を介して互いに接着する。
【0030】
このように、本実施形態の組紐2Aは、組紐材6を構成する糸が全長にわたって接着されているため、どの部位を切断しても外皮組紐層5Aが解けることはない。これにより、切断部位が制限されることはないため、形成する組紐リング1の直径を予め決定する必要はない。また、予め決定しても、寸法変更することが非常に容易であり、寸法設定に係る柔軟性を高くすることができる。即ち、従来例では組紐の製造前に組紐リング1の寸法設定を行う必要があるのに対し、本実施形態では、組紐2Aの製造後に希望に応じて自由に組紐リング1の寸法設定(変更)を行うことができる。
【0031】
また、前記組紐2Aは、ゴム芯4の外周部に組紐材6と熱溶融糸7とを一対として一緒に縒って外皮組紐層5Bを形成した組紐2Bを製紐する。その後、加熱するだけで熱溶融糸7を溶融させ、全長にわたって組紐材6およびゴム芯4を接着した組紐2Aを製紐できる。そのため、切断部分に対応する所定部位にのみ接着剤を塗布する従来例や、製紐後に全体にわたって接着剤を塗布する場合と比較して製造設備を非常に簡素化できるうえ、高い精度を要求されることもない。そのため、生産設備に係る費用を大幅に削減することができる。その結果、購入者に対してゴム芯4を備えた組紐2Aを安価に提供できるとともに、前記組紐2Aを使用した組紐リング1を安価に提供することができる。
【0032】
図4(A),(B),(C)は、第2実施形態の組紐2Aの製造方法を示す。この第2実施形態では、組紐材6を複数本(図示では5本)の糸束により構成し、この組紐材6に対してそれぞれ熱溶融糸7を加えて組紐2Bを製紐した後、第1実施形態と同様に加熱することにより熱溶融糸7を溶融させて硬化させることにより製造するようにした点でのみ、第1実施形態と相違している。このように構成して製造した組紐2Aは、第1実施形態と同様の作用および効果を得ることができ、同様にして組紐リング1を製造することができる。
【0033】
図5(A),(B),(C)は、第3実施形態の組紐2Aの製造方法を示す。この第3実施形態では、加熱前の組紐2Bを製紐する際に、製紐に必要な本数のうち7/8本を組紐材6で構成し、1/8本を前記熱溶融糸7で構成した点で、前記各実施形態と相違している。即ち、第1実施形態に示す16本の組紐材6のうち、1/8の2本を前記熱溶融糸7で構成している。言い換えれば、複数本(14本)の組紐材6と、組紐材6の1/7本(2本)の熱溶融糸7とを、交差するように筒状に縒って組紐2Bを形成するものである。
【0034】
このように製紐した組紐2Bは、第1実施形態と同様に加熱することにより前記熱溶融糸7を溶融させると、同様に各組紐材6の糸の間に浸透する。そして、冷却することにより硬化させると、硬化して形成される樹脂層8により糸同士が互いに接着される。
【0035】
このように製造した組紐2Aは、第1実施形態と同様の作用および効果を得ることができる。また、この組紐2Aは、図5(C)に示すように、熱溶融糸7を縒った部分が解けて無くなった状態になる。しかし、前記と同様に、その部分の隙間は、目視では確認できない大きさである。
【0036】
なお、本発明の組紐2Aおよびその製造方法は、前記実施形態の構成に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
【0037】
例えば、前記実施形態では、組紐2Bを加熱する際に熱湯の中を通すことにより熱溶融糸7を加熱したが、遠赤外線ヒータなどの加熱手段によって加熱してもよく、製造設備を構成する手段は希望に応じて変更可能である。
【0038】
また、前記第1実施形態および第2実施形態では、全ての組紐材6に対して熱溶融糸7を加え、これらを一対として筒状に縒るようにしたが、少なくとも1/4(4分の1)の組紐材6に熱溶融糸7を加えればよい。即ち、16本縒の組紐2Aを形成する場合には16本の組紐材6のうち4本を熱溶融糸7と一緒に、8本縒の組紐2Aを形成する場合には8本の組紐材6のうち2本を熱溶融糸7と一緒に縒って組紐2Bを形成し、加熱することにより熱溶融糸7を溶融させて組紐材6の糸を接着して組紐2Aを形成してもよい。因みに、前記実施形態のように、各組紐材6と熱溶融糸7とを一対としてゴム芯4を備えた組紐2Bを製造すれば、加熱後の組紐2Aの組紐材6の各糸は確実に樹脂層8によって接着することができる。しかし、直径が小さい糸からなる組紐材6を使用する場合には、1/4、即ち、16本の組紐材6に対して4本の熱溶融糸7を等間隔で位置するように加えても、組紐材6の各糸を接着することが可能であり、また、1/2、即ち、16本の組紐材6に対して8本の熱溶融糸7を等間隔で位置するように加えると、組紐材6の各糸を十分に接着することが可能である。そのため、複数の組紐材6に加える熱溶融糸7の数は、使用する糸の直径に応じて設定すればよい。逆に、1本の組紐材6に対して2本以上の熱溶融糸7を加えて組紐2Bを縒るようにしてもよい。
【0039】
さらに、第3実施形態のように、組紐材6に熱溶融糸7を加えて縒るのではなく、組紐材6の代わりに熱溶融糸7を縒る場合には、最小では(少なくとも)前記実施形態のように1/8を熱溶融糸で構成し、最大では1/2、即ち、同数までとすることが好ましい。即ち、少なくとも1/8を熱溶融糸7で構成することにより、組紐材6の各糸は接着することができる。逆に、確実に組紐材6の糸を接着した組紐2Aを製造する場合には、最大である1/2を熱溶融糸7で構成し、言い換えれば、組紐材6と、その同数の熱溶融糸7とを縒って組紐2Aを製造することにより、組紐材6を構成する各糸を確実に接着することができる。
【0040】
さらにまた、前記各実施形態では、それぞれゴム芯4を備えた組紐2Aを製造し、この組紐2Aにより組紐リング1を形成する場合について説明したが、図6(A),(B)に示すように、ゴム芯4が無い組紐2Aを形成する場合でも同様に適用できる。この場合でも、前記と同様の製紐機10によって製造でき、同様の製造方法で製造することにより、任意の部分を切断しても組紐2Aを構成する組紐材6の各糸が解けることを防止できる。また、この組紐2Aは、熱溶融糸7を使用しない場合と比較して延びが少ないため、靴紐として使用する場合に好適である。
【0041】
また、使用する熱溶融糸7として直径が大きいものを使用し、または、第1および第2実施形態では使用する熱溶融糸7の数を多くし、図7(A),(B)に示すように、製紐した筒状の組紐2Aを扁平させ、内周部を密着させた状態で加熱することにより、前記内周部の対向する糸を加熱溶融した熱溶融糸7による樹脂層8で接着し、扁平した長楕円形状の組紐2Aを形成してもよい。
【0042】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の組紐では、1本の糸または2本以上の糸束からなる複数本の組紐材を熱溶融糸と一緒に縒って加熱することにより、組紐材を構成する糸を全長にわたって接着できるため、どの部位を切断しても切断端部の糸が解けることを防止でき、切断部位が制限されることはない。
【0043】
そのため、この組紐の内部にゴム芯を備えさせた場合、そのゴム芯を備えた組紐を用いて組紐リングを製造する場合には、寸法設定に係る柔軟性を高くすることができる。勿論、ゴム芯が無い組紐の場合でも、その切断端部に解れの防止対策を施す必要がないため、目的に応じた広い分野で使用することができる。
【0044】
また、組紐は、組紐材を熱溶融糸と一緒に筒状に縒った後、加熱するだけで熱溶融糸を溶融させて糸のみからなる組紐を製紐できるため、製造設備を非常に簡素化できるうえ、高い精度を要求されることもない。そのため、生産設備に係る費用を大幅に削減することができ、その結果、購入者に対して組紐、および、ゴム芯を備えさせた組紐リングを安価に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A),(B),(C),(D)は本発明の第1実施形態に係る組紐および組紐リングの製造方法を示す概略図である。
【図2】(A)は図1(A)の工程での状態、(B)は図1(B)の工程を行う前の状態、(C)は図1(B)の工程を行った後の状態を示す正面図である。
【図3】(A)は図1(C)の部分拡大図、(B)は図1(C)の端面を示す側面図、(C)は図1(D)の接着部分を示す断面図である。
【図4】第2実施形態の組紐を示し、(A)は図1(A)の工程での状態、(B)は図1(B)の工程を行う前の状態、(C)は図1(B)の工程を行った後の状態を示す正面図である。
【図5】第2実施形態の組紐を示し、(A)は図1(A)の工程での状態、(B)は図1(B)の工程を行う前の状態、(C)は図1(B)の工程を行った後の状態を示す正面図である。
【図6】組紐の変形例を示し、(A)は部分拡大図、(B)は端面図である。
【図7】組紐の他の変形例を示し、(A)は部分拡大図、(B)は端面図である。
【符号の説明】
1…組紐リング 2A〜2C…組紐
3…接着層 4…ゴム芯
5A,5B…外皮組紐層 6…組紐材
7…熱溶融糸 8…樹脂層
10…製紐機 10a…保持部
11…加熱手段 12…加熱槽

Claims (8)

  1. 1本の糸または2本以上の糸束からなる複数本の組紐材を交差するように筒状に縒って形成する組紐において、
    前記組紐材のうち少なくとも1/4に所定温度で溶融する熱溶融糸を加え、前記熱溶融糸を加熱溶融することにより前記各糸を接着していることを特徴とする組紐。
  2. 1本の糸または2本以上の糸束からなる複数本の組紐材を交差するように筒状に縒って形成する組紐において、
    前記組紐材の少なくとも1/8を所定温度で溶融する熱溶融糸で構成し、前記熱溶融糸を加熱溶融することにより前記各糸を接着していることを特徴とする組紐。
  3. 形成した筒内にゴム芯を備えていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の組紐。
  4. 形成した筒を扁平させて内周部を密着させた状態で加熱することにより、前記内周部の対向する糸を加熱溶融した熱溶融糸により接着していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の組紐。
  5. 1本の糸または2本以上の糸束からなる複数本の組紐材の少なくとも1/4に所定温度で溶融する熱溶融糸を加え、該熱溶融糸と一緒に各組紐材を交差するように筒状に縒り、
    加熱することにより前記熱溶融糸を溶融させて前記各糸の間に浸透させ、
    冷却して前記溶融させた熱溶融糸を硬化させることにより、前記各糸を互いに接着する
    ことを特徴とする組紐の製造方法。
  6. 1本の糸または2本以上の糸束からなる複数本の組紐材と、少なくとも組紐材の1/7本の所定温度で溶融する熱溶融糸とを、交差するように筒状に縒り、
    加熱することにより前記熱溶融糸を溶融させて前記各糸の間に浸透させ、
    冷却して前記溶融させた熱溶融糸を硬化させることにより、前記各糸を互いに接着する
    ことを特徴とする組紐の製造方法。
  7. 前記組紐材および熱溶融糸を、連続したゴム芯の外周部に縒り、該ゴム芯の外周部に筒状の外皮組紐層を形成することを特徴とする請求項5または請求項6に記載の組紐の製造方法。
  8. 形成した筒を加熱する工程では、前記筒を扁平させて内周部を密着させて行い、前記内周部の対向する糸を加熱溶融した熱溶融糸により接着することを特徴とする請求項5または請求項6に記載の組紐の製造方法。
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