JP3827031B2 - 制振性水性塗料組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は制振性水性塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車室内の制振は、厚さ2〜4mmのアスファルトシートを自動車塗装工程の途中で自動車車体室内床上面に敷き、焼き付け、融着させることによってなされてきた。
【0003】
例えば、特公昭47−13324号公報に記載してあるように、アスファルト/フィラー/アスファルト変性剤を熱溶融しカレンダーによりシート化、所定の形状に切断し、床面にシートを敷き焼き付け、融着する方法が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし上記技術では、得られる制振用シートは、各車種ごとの形状に併せて切断する必要があり、複雑な型どり作業、各車種ごとの分類、車種変更時の対応等作業時の複雑な問題があった。
【0005】
また型どりした制振シートは貯蔵中積み重ねておかれるが、シート同士のブロッキング防止のため、通常シートとシートの間に炭酸カルシウム等の粉末を散布されている。このためシート設置作業時にこの粉末が微粉塵として空中に飛散し、塗装時に塗膜に付着混入し、塗膜欠陥の原因となるという問題が発生しており、種々の対策が必要とされていた。
【0006】
またシートの設置作業はロボット化ができず、人手に頼っており、作業姿勢、作業環境等にも問題が多い。
さらにシートを設置して融着する従来の方法では、車体床面の凹凸に対応しきれず、床面とシートとの密着不良の部分ができやすく、十分な防振性が得られないという問題があった。
【0007】
また水平部分には対応できても、垂直部分や天井部分には対応できないという決定的な欠陥があった。
本発明は、制振用シートを用いず、複雑な型どり作業等が不要で、垂直部分や天井部分にも適用できる制振性塗料組成物を提供することを目的とする。
【0008】
上述の欠点を解決するために、例えば、特開平6−1128492号公報にみられるような発泡性の水性エマルジョン系塗料が提案され、特開昭62−227966号公報や特開平6−200196号公報にはアスファルトや水硬性無機充填剤を用いた制振性水性塗料が提案されているが、発泡条件のコントロールの問題や安定性の問題がある。
【0009】
本発明は、防振用シートを用いず、複雑な型どり作業等が不要で、垂直部分や天井部分にも適用できる制振性水性塗料組成物を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を鋭意検討した結果、制振塗料を塗装、乾燥することにより、上述のごとき従来のシート状成形物による防振方法の諸欠点あるいは問題点を解決または改善することができることを発見し、本発明を完成させるにいたった。
【0011】
すなわち、本発明は、酢酸ビニル系樹脂エマルジョンと充填剤とを必須成分として含んでなる制振性水性塗料組成物において、酢酸ビニル系樹脂が、Tgが10〜50℃であり、メタノール溶媒で測定したゲル分率が0〜30%であり、および損失角正接(tanδ)が1.5以上であることを特徴とする制振性水性塗料組成物に関する。
【0012】
好ましくは、本発明は酢酸ビニル系樹脂エマルジョンが、酢酸ビニルと(メタ)アクリル酸エステル類とを主要成分として、乳化剤の存在下、水性媒体中で乳化重合して得られる共重合体エマルジョンであり、好ましくは酢酸ビニル系樹脂エマルジョンの樹脂粒子が、平均粒子径150〜1000nmであり、好ましくは充填剤の使用量が、組成物固形分中の容量分率で20〜70%である制振性水性塗料組成物に関する。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明は、酢酸ビニル系樹脂エマルジョンと充填剤とを必須成分として含んでなる制振性水性塗料組成物において、動的粘弾性測定(以下DMAという)の損失角正接(以下tanδという)が最大となる温度(以下Tgという)が10〜50℃であり、メタノール溶媒で測定したゲル分率が0〜30%であり、DMAのtanδの最大値(以下tanδmaxという)が1.5以上である酢酸ビニル系樹脂を用いることを特徴とする制振性水性塗料組成物に関する。
【0014】
本発明の酢酸ビニル系樹脂エマルジョンにおけるゲル分率とは、2cm(縦)×2cm(横)×0.5mm(厚み)の乾燥樹脂フィルムを、メタノール溶媒中に25℃で24時間浸漬し、フィルムの不溶分を乾燥させたときの重量を不溶分重量とすると、(不溶分重量)/(元のフィルム重量)×100の(%)値をいう。
【0015】
ゲル分率は樹脂の分子構造を反映するものであり、本発明の酢酸ビニル系樹脂エマルジョンのゲル分率が30%を越えると樹脂フィルムのDMAのtanδmax値は目標とする1.5以上が得られない。
【0016】
また制振性は、現在使われている2mm厚のアスファルトシートを施した鋼板の損失係数は0.1程度であり、その数値以上の値が一般的に要求されている。制振性即ち損失係数は用いる塗料皮膜のDMAのtanδ値に相関し、tanδ値が高いほど損失係数が高く制振性に優れると言われている。塗料皮膜のtanδ値は、当該塗料に用いる樹脂のtanδ値に相関することは本発明を完成する過程でも確認された。制振塗料皮膜が制振効果を発揮する温度域は当該皮膜のTgに関わり、当該皮膜のTgは樹脂フィルムのTg即ちDMAのtanδmaxの温度に深く関わることが確認されている。
【0017】
本発明の酢酸ビニル系樹脂エマルジョンは、tanδmaxの値が1.5以上であり、2.0以上であることが好ましい。
本発明の酢酸ビニル系樹脂は、Tgが10〜50℃であるが、これは一般的に自動車車体室内床の制振材に要求される温度域での制振性を維持するために必要であるからであり、このうち20〜40℃であることが好ましい。
【0018】
本発明の酢酸ビニル系樹脂エマルジョンの製造方法は、特に限定されず、酢酸ビニル単独又はこれ以外の単量体類をラジカル重合して得られる酢酸ビニル系樹脂のエマルジョンであれば、どのような種類であっても用いることができる。このうち、耐加水分解性の点で酢酸ビニルと(メタ)アクリル酸エステル類とを主要成分として、乳化剤の存在下で乳化重合して得られるものが好ましい。
【0019】
(メタ)アクリル酸エステル類としては、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸オクタデシル等の(メタ)アクリル酸エステル、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル等の如きエチレン性不飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステル、(メタ)アクリル酸グリシジル等の如きエチレン性不飽和カルボン酸のグリシジルエステル、及び(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル等の不飽和ニトリル等の化合物が挙げられる。
【0020】
またその他酢酸ビニルと共重合しうるエチレン性不飽和単量体を単量体として使用することができる。
その他の酢酸ビニルと共重合しうるエチレン性不飽和単量体としては、例えばプロピオン酸ビニル、バーサティック酸ビニルエステル等の如きビニルエステル、塩化ビニリデン、臭化ビニリデン等の如きビニリデンハライド等、またエチレン等が挙げられる。
【0021】
乳化剤としては、アニオン性乳化剤、ノニオン性乳化剤、カチオン性乳化剤のいずれの乳化剤も使用することができる。これらの乳化剤のうち、乳化重合安定性の点でノニオン性乳化剤、又はノニオンアニオン性乳化剤が好ましく、ノニオン性乳化剤とノニオンアニオン性乳化剤とを併用するのがより好ましい。
【0022】
アニオン性乳化剤としては、例えば脂肪酸石鹸、ロジン酸石鹸、アルキルスルホン酸塩、ジアルキルアリールスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩等が挙げられ、ノニオン性乳化剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー等が挙げられる。
【0023】
酢酸ビニル系樹脂エマルジョン、特に乳化剤を使用して製造した酢酸ビニル系樹脂エマルジョン共重合体が、単一のtanδmaxを示し、tanδmax値の高い共重合体を得やすいので、好ましい。乳化剤を用いず、酢酸ビニル系樹脂エマルジョンによく用いられる保護コロイドを用いた場合には、得られる共重合体は複数のtanδmax値を示し、必然的にtanδmax値を低くするので好ましくない。
【0024】
酢酸ビニル系樹脂エマルジョンの酢酸ビニル系樹脂粒子の平均粒子径は、特に制限されないが、150nm〜1000nmが好ましく、このうち200nm〜800nmがより好ましい。本発明の塗料樹脂組成物を厚塗りした場合、150nm未満ではブリスターの発生が著しく、1000nmを越えるとクラックの発生が著しく、制振効果を得るのに必要な膜厚が得られない。
【0025】
本発明の酢酸ビニル系樹脂エマルジョンは、酢酸ビニルあるいは酢酸ビニルと酢酸ビニルと共重合しうるエチレン性不飽和単量体の混合物を、50〜80℃に加熱した乳化剤含有の水溶液中に重合開始剤と共に滴下し、乳化重合することにより得ることができる。
【0026】
本発明の充填剤としては、特に限定するものではないが、例えば重質炭酸カルシュウム、軽質炭酸カルシュウム、タルク、クレー、シリカ、マイカ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシュウム、炭酸マグネシュウム、硫酸バリウム、カーボンブラック、酸化チタン、セピオライト等が挙げられる。
【0027】
充填剤の使用量は、特に制限されるものではないが、制振性は共重合体と充填材の体積比に左右される場合が多いので、制振性を良くするため、組成物固形分中の容量分率(以下PVCという)20%〜70%であることが好ましい。20%未満では塗料の乾燥成膜性に問題があり、制振効果を得るのに必要な膜厚が得られない。即ち厚塗りした場合に垂れやすく、ブリスターの発生、クラックの発生の問題がある。PVCは充填剤の使用量が、塗料固形分中の体積分率で表される。70%を越えると制振性を低下させることになるので好ましくない。
【0028】
本発明の制振性水性塗料組成物には、その他必要に応じて添加剤を加えることができる。例えば、無機顔料、有機顔料等の着色剤、増粘剤、分散剤、消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、界面活性剤、殺菌剤、防腐剤、湿潤剤、架橋剤、キレート剤、感熱ゲル化剤、起泡剤、整泡剤、浸透剤、撥水・撥油剤・ブロッキング防止剤、難燃剤等を挙げることができる。かかる添加剤の選択、添加量、添加順序等は、制振性水性塗料組成物の製造条件、作業性、安定性、更に加工適性、塗布量等を考慮して、適宜に決定されれば良い。
【0029】
本発明の制振性水性塗料組成物の塗装方法は特に限定されるものではなく、必要に応じた方法をとることができるが、エアレススプレー、スリットノズル押しだし等が好ましい。
【0030】
本発明の制振性水性塗料組成物の乾燥・硬化方法は特に限定されるものではないが、自動車塗装焼き付け工程の中、中塗り及び上塗りの焼き付け工程を利用するのが経済的で好ましい。
【0031】
本発明の制振性水性塗料組成物は、自動車車室内の制振塗料以外に各種制振塗料、即ち金属、木材、合板等建築、土木関連等の制振塗料にも用いられる他、自動車の床裏等に塗装する制振塗料、床裏、ガソリンタンク等に塗装する耐チッピング塗料にも使うことができる。
【0032】
【実施例】
以下実施例、比較例をあげて本発明を説明する。なお実施例中の部及び%はすべて重量基準とする。
【0033】
合成例1〜4(樹脂エマルジョンの合成)
攪拌機を設置した500mlの4口フラスコにイオン交換水100部に乳化剤(表1に記載のとおりの部数)及びポバール(表1に記載のとおりの部数)を溶解し、50℃〜80℃に加熱して、酢酸ビニルあるいは酢酸ビニルと共重合しうるエチレン性不飽和単量体の混合物(表1記載のとおり)を重合開始剤と共に攪拌しながら4時間かけて滴下し、重合させ、本発明の酢酸ビニル系樹脂エマルジョンを得た。
【0034】
合成例5(樹脂エマルジョンの合成)
攪拌機を設置した500mlの4口フラスコにイオン交換水100部に乳化剤(表2の比較例1記載の部数)及びポバール(表2の比較例1記載の部数)を溶解し、50℃〜80℃に加熱して、酢酸ビニル(表2の比較例1記載の部数)を重合開始剤と共に攪拌しながら4時間かけて滴下し、重合させ、酢酸ビニル系樹脂エマルジョンを得た。
【0035】
合成例6(樹脂エマルジョンの合成)
攪拌機を設置した500mlの4口フラスコにイオン交換水100部に乳化剤(表2の比較例2記載の部数)を溶解し、80℃に加熱して、エチレン性不飽和単量体の混合物(表2の比較例2記載の配合部数)を重合開始剤と共に攪拌しながら4時間かけて滴下し、重合させ、合成樹脂エマルジョンを得た。
【0036】
合成例7(樹脂エマルジョンの合成)
合成例6において、乳化剤及びエチレン性不飽和単量体混合物を表2の比較例3のとおりに変更した以外は、合成例6と同様に処理し、合成樹脂エマルジョンを得た。
【0037】
合成例8(樹脂エマルジョンの合成)
攪拌機を設置した500mlの4口フラスコにイオン交換水100部に乳化剤(表2の比較例4記載の部数)及びポバール(表2の比較例1記載の部数)を溶解し、50℃〜80℃に加熱して、酢酸ビニル及び酢酸ビニルと共重合しうるエチレン性不飽和単量体(表2の比較例4記載の部数)を重合開始剤と共に攪拌しながら4時間かけて滴下し、重合させ、酢酸ビニル系樹脂エマルジョンを得た。
【0038】
合成例9(樹脂エマルジョンの合成)
合成例6において、エチレン性不飽和単量体混合物を表2の比較例4のとおりに変更した以外は、合成例6と同様に処理し、合成樹脂エマルジョンを得た。
【0039】
実施例1
上記合成例1で得られた酢酸ビニル系樹脂エマルジョンを下記のとおり配合し、本発明の制振性水性塗料組成物を得た。
【0040】
合成例1の酢酸ビニル系樹脂エマルジョン 100部
重質炭酸カルシウム 85部
ノプコ 44C 1部
アロン A−30 3部
ノプコ 8034L 0.5部
水 少量
ノプコ 44C;サンノプコ(株)製分散剤
アロン A−30;東亜合成(株)製増粘剤
ノプコ 8034L;サンノプコ(株)製消泡剤
実施例2
上記合成例2で得られた酢酸ビニル系樹脂エマルジョンを下記のとおり配合し、本発明の制振性水性塗料組成物を得た。
【0041】
合成例2の酢酸ビニル系樹脂エマルジョン 100部
重質炭酸カルシウム 150部
軽質炭酸カルシウム 100部
ノプコ 44C 1部
アロン A−30 3部
ノプコ 8034L 0.5部
水 少量
実施例3及び実施例4
上記合成例3及び4で得られた酢酸ビニル系樹脂エマルジョンを下記のとおり配合し、本発明の制振性水性塗料組成物を得た。
【0042】
合成例3又は4の酢酸ビニル系樹脂エマルジョン100部
重質炭酸カルシウム 50部
タルク 100部
ノプコ 44C 1部
アロン A−30 3部
ノプコ 8034L 0.5部
水 少量
比較例1
上記合成例5で得られた樹脂エマルジョンを下記のとおり配合し、制振性水性塗料組成物を得た。
【0043】
合成例5の樹脂エマルジョン 100部
重質炭酸カルシウム 50部
タルク 100部
ノプコ 44C 1部
アロン A−30 3部
ノプコ 8034L 0.5部
水 少量
比較例2
上記合成例6で得られた樹脂エマルジョンを下記のとおり配合し、制振性水性塗料組成物を得た。
【0044】
合成例6の樹脂エマルジョン 100部
重質炭酸カルシウム 85部
ノプコ 44C 1部
アロン A−30 3部
ノプコ 8034L 0.5部
水 少量
比較例3
上記合成例7で得られた樹脂エマルジョンを下記のとおり配合し、制振性水性塗料組成物を得た。
【0045】
合成例7の樹脂エマルジョン 100部
重質炭酸カルシウム 150部
軽質炭酸カルシウム 100部
ノプコ 44C 1部
アロン A−30 3部
ノプコ 8034L 0.5部
水 少量
比較例4
上記合成例8で得られた樹脂エマルジョンを下記のとおり配合し、制振性水性塗料組成物を得た。
【0046】
合成例8の樹脂エマルジョン 100部
重質炭酸カルシウム 300部
ノプコ 44C 1部
アロン A−30 3部
ノプコ 8034L 0.5部
水 少量
比較例5
上記合成例9で得られた樹脂エマルジョンを下記のとおり配合し、制振性水性塗料組成物を得た。
【0047】
合成例9の樹脂エマルジョン 100部
重質炭酸カルシウム 85部
ノプコ 44C 1部
アロン A−30 3部
ノプコ 8034L 0.5部
水 少量
[試験方法]
<クリアフィルムの作成>
ガラス板上に乾燥膜厚が0.5mmになるようにエマルジョンを流延し、室温にて72時間乾燥後、フィルムをガラス板から剥離し、120℃×20分乾燥してクリアフィルムを得た。
【0048】
<塗膜の作成>
上記の配合で得られた制振性水性塗料組成物をガラス板上に乾燥膜厚が0.8mmになるように塗布し、室温にて72時間乾燥後、ガラス板から剥離し、140℃×20分乾燥して塗膜を得た。
【0049】
<塗装鋼板の製造>
0.8mmの市販カチオン電着塗装鋼板に乾燥膜厚が2mmになるように塗料を塗布し、常温乾燥後、140℃×20分の焼き付けを2回行った。
【0050】
【表1】
表中、tanδmax温度は、樹脂のTgを表す。
表中の略号はそれぞれ、下記のとおりの内容である。
【0051】
VAC:酢酸ビニル 2EHA:2エチルヘキシルアクリレート
BA:ブチルアクリレート MMA:メチルメタアクリレート
F68 :プルロニックF68(旭電化製オキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー)
N−08:ハイテノールN−08(第一工業製薬製ポリオキシエチレンアルキル硫酸アンモニウム)
PVA−217:ポバール(株式会社クラレ製)
【0052】
【表2】
【0053】
【発明の効果】
本発明の制振性水性塗料組成物は、塗装、乾燥することにより、優れた制振性材料を自動車車体室内に施工でき、従来のシート状成形物による防振方法の諸欠点あるいは問題点を解決または改善することができる。
Claims (4)
- 酢酸ビニル系樹脂エマルジョンと充填剤とを必須成分として含んでなる制振性水性塗料組成物において、酢酸ビニル系樹脂が、動的粘弾性測定の損失角正接(tanδ)が最大となる温度が10〜50℃であり、メタノール溶媒で測定したゲル分率が0〜30%であり、損失角正接(tanδ)の最大値が1.5以上であることを特徴とする制振性水性塗料組成物。
- 酢酸ビニル系樹脂エマルジョンが、酢酸ビニルと(メタ)アクリル酸エステル類とを主要成分として、乳化剤の存在下、水性媒体中で乳化重合して得られる共重合体エマルジョンである請求項1記載の組成物。
- 酢酸ビニル系樹脂エマルジョンの樹脂粒子が、平均粒子径150〜1000nmであることを特徴とする請求項1又は2記載の組成物。
- 充填剤の使用量が、組成物固形分中の容量分率で20〜70%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の組成物。
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