JP3826276B2 - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は内燃機関の排気浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
圧縮着火式の内燃機関から排出される排気ガス中の微粒子を捕集するための排気微粒子処理装置が特開昭62−99610号公報に開示されている。当該公報に開示されている排気微粒子処理装置は、その微粒子捕集率を向上させるために、直列的に2つのパティキュレートフィルタ(以下、単にフィルタと称す)を機関排気通路に具備する。
【0003】
また、微粒子捕集率を向上させるために、フィルタの排気流通路を画成する隔壁を多孔質の材料から形成すると共に、幾つかの排気流通路の下流端開口を栓によって閉鎖し、且つ、残りの排気流通路の上流端開口を栓によって閉鎖し、フィルタに流入した排気ガスが必ず隔壁を通るようにした所謂、目封じ型のパティキュレートフィルタも知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、フィルタに起因する圧力損失はその容量が大きいほど小さくなる。ところが、上記公報に記載のように、直列的に2つのフィルタを機関排気通路に配置する場合、一般的には、上流側のフィルタを配置するために確保できるスペースには限りがある。したがって、上流側のフィルタの容量は小さくせざるをえず、このため、上流側のフィルタに起因する圧力損失は大きくなってしまう。
【0005】
特に、上記公報に記載の上流側のフィルタとして目封じ型のフィルタが利用される場合、上流側のフィルタに起因する圧力損失はさらに大きくなってしまう。もちろん、排気流通路の開口が全く閉鎖されていないフィルタを上記公報に記載の上流側のフィルタとして利用すれば、上流側のフィルタに起因する圧力損失は小さくなる。しかしながら、これによれば、上流側のフィルタの微粒子捕集率が大幅に低下してしまう。
【0006】
そこで本発明の目的は、内燃機関の排気浄化装置の微粒子捕集率を大幅に低下させることなく、排気浄化装置に起因する圧力損失を低減することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、第1の発明では、機関排気通路内に排気ガス中の成分を浄化するための第一排気浄化手段を配置すると共に該第一排気浄化手段上流の機関排気通路内に第二排気浄化手段を配置した排気浄化装置において、第二排気浄化手段通路を画成する隔壁を有し、該隔壁予め定められた平均細孔径の細孔を内包する多孔質の材料から形成されており、上記隔壁はその端部分において上記通路の端部に向かって流路断面積が徐々に小さくなる錐状のテーパ壁を有し、該テーパ壁は上記通路の端部開口が隔壁の上記細孔径よりも大きいが通路の流路断面積よりも小さい流路断面積を有する小孔となるように隔壁の端部分を寄せ集めて該端部分同士を部分的に接続することにより形成される。
【0008】
第2の発明では、第1の発明において、第一排気浄化手段は流入する排気ガスの空燃比がリーンであるときにNOXを吸蔵し、流入する排気ガスの空燃比がほぼ理論空燃比またはリッチであるときに吸蔵したNOXを放出して還元させるNOX触媒を具備する。
【0009】
第3の発明では、第1または第2の発明において、第一排気浄化手段は排気ガス中の微粒子(Particulate Matter)を酸化除去することができるパティキュレートフィルタである。
【0010】
第4の発明では、第1〜第3のいずれか一つの発明において、第二排気浄化手段は排気マニホルド内に配置されるかまたは排気マニホルドの排気下流側において排気マニホルドに連結されている。すなわち、第二排気浄化手段は内燃機関の排気ポートのすぐ下流に配置される。
【0011】
第5の発明では、第1〜第4のいずれか一つの発明において、第一排気浄化手段と第二排気浄化手段との間の機関排気通路から第一排気浄化手段を迂回するバイパス通路を分岐させると共に第一排気浄化手段およびバイパス通路のいずれか一方に排気ガスを流入させるための切替弁を設け、第二排気浄化手段は第二排気浄化手段に流入する排気ガスの空燃比がリーンであるときに排気ガス中のSOXを吸蔵し且つ第二排気浄化手段に流入する排気ガスの空燃比がほぼ理論空燃比またはリッチになると共に第二排気浄化手段の温度がSOX放出温度よりも高くなると吸蔵したSOXを放出するSOX吸蔵剤を具備し、第二排気浄化手段のSOX吸蔵剤からSOXを放出しないときには第二排気浄化手段から流出した排気ガスが第一排気浄化手段に流入する位置に切替弁を保持すると共に第二排気浄化手段のSOX吸蔵剤からSOXを放出するときには第二排気浄化手段から流出した排気ガスが上記バイパス通路に流入する位置に切替弁を保持するようにした。これにより第一排気浄化触媒にSOXが流入することはほとんどなくなり、これに伴い第一排気浄化触媒にSOXが吸蔵されることもほとんどなくなる。
【0012】
第6の発明では、第5の発明において、バイパス通路に排気ガス中の成分を酸化するための触媒を配置するようにした。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の排気浄化装置を説明する。図1は本発明の排気浄化装置を備えた圧縮着火式内燃機関を示す。なお、本発明は火花点火式内燃機関にも適用可能である。
【0014】
図1を参照すると、1は機関本体、2はシリンダブロック、3はシリンダヘッド、4はピストン、5は燃焼室、6は電気制御式燃料噴射弁、7は吸気弁、8は吸気ポート、9は排気弁、10は排気ポートをそれぞれ示す。吸気ポート8は対応する吸気枝管11を介してサージタンク12に連結され、サージタンク12は吸気ダクト13を介してエアクリーナ14に連結される。吸気ダクト13内にはステップモータ15により駆動されるスロットル弁16が配置される。
【0015】
第1実施形態の排気浄化装置は第一排気浄化手段としてメインパティキュレートフィルタ(以下、単にメインフィルタと称す)18と、第二排気浄化手段としてサブパティキュレートフィルタ(以下、単にサブフィルタと称す)21とを具備する。サブフィルタ21は排気マニホルド17を介して排気ポート10に接続されるケーシング22内に配置される。一方、メインフィルタ18は排気管20を介してケーシング22の出口に接続されるケーシング19内に配置される。サブフィルタ21は排気マニホルド17の直下に配置される。
【0016】
排気マニホルド17とサージタンク12とは排気ガス再循環(以下、EGR)通路23を介して互いに連結され、EGR通路23内には電気制御式EGR制御弁24が配置される。またEGR通路23周りにはEGR通路23内を流れるEGRガスを冷却するための冷却装置25が配置される。図1に示した内燃機関では冷却装置25内に機関冷却水が導かれ、この機関冷却水によりEGRガスが冷却される。
【0017】
一方、各燃料噴射弁6は燃料供給管6aを介して燃料リザーバ、いわゆるコモンレール26に連結される。このコモンレール26内へは電気制御式の吐出量可変な燃料ポンプ27から燃料が供給され、コモンレール26内に供給された燃料は各燃料供給管6aを介して燃料噴射弁6に供給される。コモンレール26にはコモンレール26内の燃料圧を検出するための燃料圧センサ28が取り付けられ、燃料圧センサ28の出力信号に基づいてコモンレール26内の燃料圧が目標燃料圧となるように燃料ポンプ27の吐出量が制御される。
【0018】
電子制御ユニット30はデジタルコンピュータからなり、双方向性バス31により互いに接続されたROM(リードオンリメモリ)32、RAM(ランダムアクセスメモリ)33、CPU(マイクロプロセッサ)34、入力ポート35および出力ポート36を具備する。燃料圧センサ28の出力信号は対応するAD変換器37を介して入力ポート35に入力される。またメインフィルタ18の上流にはその温度を検出するための温度センサ39が取り付けられ、サブフィルタ21の上流にはその温度を検出するための温度センサ40が取り付けられる。これら温度センサ39、40の出力信号はそれぞれ対応するAD変換器37を介して入力ポート35に入力される。
【0019】
アクセルペダル41にはその踏込量に比例した出力電圧を発生する負荷センサ42が接続され、負荷センサ42の出力電圧は対応するAD変換器37を介して入力ポート35に入力される。さらに入力ポート35にはクランクシャフトが例えば30°回転する毎に出力パルスを発生するクランク角センサ43が接続される。一方、出力ポート36は対応する駆動回路38を介して燃料噴射弁6、スロットル弁駆動用ステップモータ15、EGR制御弁24、および燃料ポンプ27に接続される。
【0020】
次に、図2を参照して、メインフィルタ18について説明する。図2(A)はメインフィルタ18の端面図であり、図2(B)はメインフィルタ18の縦断面図である。図2(A)および図2(B)に示したように、メインフィルタ18はハニカム構造をなしており、互いに平行をなして延びる複数個の排気流通路18a、18bを具備する。これら排気流通路はその下流端において栓18cによって閉鎖された排気ガス流入通路18aと、その上流端において栓18dによって閉鎖された排気ガス流出通路18bとにより構成される。
【0021】
これら排気ガス流入通路18aおよび排気ガス流出通路18bは薄肉の隔壁を介して交互に配置される。云い換えると、排気ガス流入通路18aおよび排気ガス流出通路18bは、各排気ガス流出通路18bが4つの排気ガス流入通路18aにより包囲されるように配置される。すなわち、隣接する2つの排気流通路18a、18bのうち一方の排気流通路はその下流端にて栓18cによって閉鎖され、他方の排気流通路はその上流端にて栓18dによって閉鎖されている。
【0022】
メインフィルタ18は予め定められた平均径の細孔を内包するコージェライトなどのセラミックスのような多孔質材料から形成されている。したがって、排気ガス流入通路18a内に流入した排気ガスは、図2(B)において矢印で示したように、周囲の隔壁18eの細孔を通って隣接する排気ガス流出通路18b内に流入する。
【0023】
排気ガス中の微粒子は、排気ガスが排気ガス流入通路18aおよび排気ガス流出通路18b内を流れている間に、これら通路を画成する隔壁面上に捕集される。さらに、排気ガス中の微粒子は、排気ガスが隔壁18eの細孔内を流れている間に、これら細孔を画成する壁面上に捕集される。
【0024】
次に、図3を参照して、サブフィルタ21について説明する。図3(A)はサブフィルタ21の端面図であり、図3(B)はサブフィルタ21の縦断面図である。図3(A)および図3(B)に示したように、サブフィルタ21も、メインフィルタ18と同様に、ハニカム構造をなしており、互いに平行をなして延びる複数個の排気流通路50、51を具備する。
【0025】
しかしながら、これら排気流通路はテーパ壁52、53によって部分的に閉鎖されている。すなわち、排気ガス流入通路50は、当該通路50を画成する隔壁の下流端隔壁部分を寄せ集めてその一部分同志が接続されることにより形成されるテーパ壁(以下、下流側テーパ壁と称す)52によりその流路断面積がその他の領域の排気流通路の流路断面積よりも小さくされている。したがって、排気ガス流入通路50はその下流端にて下流側テーパ壁52によりその流路断面積よりも小さい開口面積を有する小孔55を有する。
【0026】
一方、排気ガス流出通路51は、当該通路51を画成する隔壁の上流端隔壁部分を寄せ集めてその一部同志が接続されることにより形成されるテーパ壁(以下、上流側テーパ壁と称す)53によりその流路断面積がその他の領域の排気流通路の流路断面積よりも小さくされている。したがって、排気ガス流出通路51はその上流端にて上流側テーパ壁53によりその流路断面積よりも小さい開口面積を有する小孔56を有する。
【0027】
なお、テーパ壁はサブフィルタ21の外側に向かって徐々に狭くなる形状であれば第1実施形態以外の形状、例えば、円錐状、四角錐状、または六角錘状であってもよい。
【0028】
小孔56、55の大きさは、サブフィルタ21に単位時間当たりに流入する微粒子の量とサブフィルタ21の微粒子捕集率とから算出されるサブフィルタ21から流出する微粒子の量が許容量以下となるように決定される。言い換えれば、目標とする微粒子捕集率に応じて小孔55、56の大きさを変えることにより、サブフィルタ21の微粒子捕集率と、サブフィルタ21に起因する圧力損失(以下、単に圧損と称す)の値とを容易に変更することができる。
【0029】
すなわち、小孔の大きさを大きくすれば、サブフィルタ21の圧損を低い値とすることができるが、サブフィルタ21の微粒子捕集率が低下する。逆に小孔の大きさを小さくすれば、サブフィルタ21の微粒子捕集率を高めることができるが、サブフィルタ21の圧損は高い値となる。したがって、小孔の大きさはサブフィルタ21の圧損と微粒子捕集率とのバランスのとれた大きさにされる。
【0030】
サブフィルタ21では、テーパ壁52、53も隔壁54と同じ材料から形成されているので、排気ガスは、図4(A)に示したように、上流側テーパ壁53の細孔を通って排気ガス流出通路51内に流入することができる。また、排気ガスは、図4(B)に示したように、下流側テーパ壁52の細孔を通って流出することができる。また、排気ガスは上流側テーパ壁53の先端に形成された小孔56を介しても排気ガス流出通路51内に流入することができる。さらに、排気ガスは、下流側テーパ壁52の先端の小孔55を介しても流出することができる。
【0031】
なお、メインフィルタ18はサブフィルタ21と同様にテーパ壁によって排気流通路の端部開口が部分的に閉鎖されている(小孔を有する)タイプであっても、テーパ壁によって排気流通路の端部開口が完全に閉鎖されている(小孔のない)タイプであっても、また、排気流通路の端部開口が全く閉鎖されていないタイプであってもよい。
【0032】
本発明の排気浄化装置の利点について説明する。サブフィルタ21として従来ではメインフィルタ18と同じ構成の目封じ型のフィルタが用いられる。目封じ型のフィルタの構成は、排気流通路が栓によって閉鎖されていることを除けば、本実施形態のサブフィルタ21の構成とほぼ同様である。しかしながら、目封じ型のフィルタに起因する圧損は本実施形態のサブフィルタ21に起因する圧損に比べて格段に大きい。
【0033】
このように圧損が異なる理由としては以下の理由が考えられる。サブフィルタ21では、上流側テーパ壁53は、4つの上流側テーパ壁53により囲まれて形成される排気ガス流入通路50の上流端が上流へ向かって円錐状に広がる形状となって排気ガス流入通路50の流路断面積が徐々に大きくなるようにように、排気ガス流出通路51の流路断面積が徐々に小さくなるように上流へ向かって狭まる形状をしている。
【0034】
これに対し、図5(A)に示した目封じ型のフィルタでは、排気ガス流出通路の上流端が栓72により閉塞される。この場合、73で示したように排気ガスの一部が栓72に衝突するので、フィルタの圧損が大きくなる。また、栓72近傍から排気ガス流入通路に流入する排気ガスは74で示したように入口近傍にて乱流となるので、これによっても排気ガスは排気ガス流入通路内に流入しづらくなる。このため、フィルタの圧損がさらに大きくなる。
【0035】
一方、サブフィルタ21では図4(A)に示したように、排気ガスは乱流となることなく排気ガス流入通路50に流入することができる。このため本発明によれば、排気ガスはサブフィルタ21に流入しやすい。したがってサブフィルタ21の圧損は低い。
【0036】
さらに、目封じ型のフィルタでは、微粒子が栓72の上流端面およびその近傍の隔壁の表面に多く堆積しやすい。これは排気ガスが栓72に衝突し、しかも栓72近傍にて排気ガスが乱流となることに起因する。
【0037】
一方、サブフィルタ21では、上流側テーパ壁53が錐状であるので排気ガスが強く衝突する上流端面が存在せず、しかも、上流端面近傍にて排気ガスは乱流とはならない。したがって、本発明によれば、微粒子がサブフィルタ21の上流端の領域に多く堆積することはなく、サブフィルタ21の圧損が高くなることはない。
【0038】
一方、下流側テーパ壁52は、4つの下流側テーパ壁52により囲まれて形成される排気ガス流出通路51の下流端が下流へ向かって円錐状に広がる形状となって排気ガス流出通路51の流路断面積が徐々に大きくなるようにように、排気ガス流入通路50の流路断面積が徐々に小さくなるように下流へ向かって狭まる形状をしている。
【0039】
これに対し、目封じ型のフィルタでは、図5(B)に示したように、排気ガス流入通路の下流端が栓70により閉塞され、排気ガス流出通路はその出口開口まで直線的に延びる。この場合、排気ガス流出通路の出口開口から流出した排気ガスの一部が栓70の下流端面に沿って流れ、したがって、排気ガス流出通路の出口開口近傍に乱流71が形成される。このように乱流が形成されると排気ガスは排気ガス流出通路から流出しづらくなる。
【0040】
一方、サブフィルタ21では、図4(B)に示したように、排気ガスは乱流となることなく、排気ガス流出通路51の端部の出口開口から流出することができる。このため本発明によれば、排気ガスはサブフィルタ21から比較的流出しやすい。したがってこれによっても、サブフィルタ21の圧損は低くなる。
【0041】
もちろん、サブフィルタ21では、排気ガスが上流側テーパ壁53の先端に形成された小孔56を介して排気ガス流出通路51内に流入することができ、さらに、排気ガスが下流側テーパ壁52の先端の小孔55を介して流出することができることからも、サブフィルタ21の圧損が低くなる。
【0042】
このため、サブフィルタ21として目封じ型のフィルタを用いる場合に圧損を小さく維持するためには、容量の大きなフィルタを用いなければならない。しかしながら、サブフィルタ21を配置するために確保できる容量は比較的小さいので、現実的には、容量の大きな目封じ型のフィルタを用いることはできない。
【0043】
したがって、メインフィルタ18上流に配置されるサブフィルタとして、本発明のような構成のフィルタを採用することによって、排気浄化装置全体の微粒子捕集率を大幅に低下させることなく、排気浄化装置全体の圧損を低減することができる。
【0044】
ところで、メインフィルタ18は、各排気ガス流入通路50および各排気ガス流出通路51を画成する隔壁54の壁面上、並びに、隔壁54の細孔を画成する壁面上に、全面に亘って、例えばアルミナからなる担体層が形成される。そして、この担体層上に、貴金属触媒と活性酸素生成剤とが担持されている。また、サブフィルタ21もメインフィルタ18と同様に、貴金属触媒と、活性酸素生成剤とを担持している。以下では、メインフィルタ18に関してのみ説明するが、サブフィルタ21に関しても同様である。
【0045】
貴金属触媒としては、白金(Pt)が用いられ、活性酸素生成剤としては、カリウム(K)、ナトリウム(Na)、リチウム(Li)、セシウム(Cs)、ルビジウム(Rb)のようなアルカリ金属、バリウム(Ba)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)のようなアルカリ土類金属、ランタン(La)、イットリウム(Y)、セリウム(Ce)のような希土類、鉄(Fe)のような遷移金属、およびスズ(Sn)のような炭素族元素から選ばれた少なくとも一つが用いられている。
【0046】
メインフィルタ18では、活性酸素生成剤によって生成される活性酸素によって微粒子を酸化除去することができる。次に、図6を参照して、メインフィルタ18の微粒子除去作用について貴金属触媒として白金(Pt)を利用し、活性酸素生成剤としてカリウム(K)を利用した場合を例にとって説明するが、他の貴金属、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類、遷移金属を用いても同様な微粒子酸化除去作用が行われる。
【0047】
図6(A)〜(C)はメインフィルタ18の隔壁の表面上および隔壁の細孔表面上に形成された担体層の表面の拡大図を模式的に表わしている。図6(A)〜(C)において60は白金(Pt)の粒子を示しており、61はカリウム(K)等の活性酸素生成剤を含む担体層を示している。
【0048】
圧縮着火式の内燃機関では、通常、過剰空気のもとで燃焼が行われるので、排気ガス中には過剰な酸素が含まれている。すなわち、吸気通路および燃焼室5内に供給された空気と燃料との比を排気ガスの空燃比と称すると、メインフィルタ18に流入する排気ガスの空燃比はリーンである。一方、燃焼室5では、NOX、特にNOおよびNO2が発生するので、排気ガス中にはNOおよびNO2が含まれている。また、燃料中には硫黄成分Sが含まれており、SOX、特にSO2が発生するので、排気ガス中にはSOXが含まれている。このように、メインフィルタ18には過剰酸素、NOXおよびSOXを含んだ排気ガスが流入する。
【0049】
排気ガスがメインフィルタ18に流入すると、図6(A)に示したように、排気ガス中の酸素はO2 -またはO2-の形で白金の表面に付着する。一方、排気ガス中のNOは白金の表面上でO2 -またはO2-と反応し、NO2となる(2NO+O2→2NO2)。次いで、斯くして生成されたNO2および排気ガス中のNO2の一部は白金上で酸化されつつ活性酸素生成剤61内に吸収され、Kと結合しながら、図6(A)に示したように、硝酸イオン(NO3 -)の形で活性酸素生成剤61内に拡散し、硝酸塩(KNO3)を生成する。すなわち、排気ガス中の酸素が硝酸イオンの形で活性酸素生成剤61に吸収される。
【0050】
一方、排気ガス中のSOXもNOXと同様なメカニズムにより活性酸素生成剤61内に吸収される。すなわち、排気ガス中のSO2は白金の表面でO2 -またはO2-と反応してSO3となる。次いで、斯くして生成されたSO3の一部は白金Pt上でさらに酸化されつつ活性酸素生成剤61内に吸収され、Kと結合しながら、硫酸イオン(SO4 2-)の形で活性酸素生成剤61内に拡散し、硫酸塩(K2SO4)を生成する。すなわち、排気ガス中の酸素が硫酸イオンの形で活性酸素生成剤61に吸収される。
【0051】
ところで、燃焼室5内では主にカーボン(C)からなる微粒子が生成され、したがって、排気ガス中にはこれら微粒子も含まれる。排気ガス中の微粒子は排気ガスがメインフィルタ18の排気ガス流入通路18a内を流れているとき、或いは隔壁18eを通過するとき、或いは、排気ガス流出通路18b内を流れているときに、図6(B)に示したように、担体層の表面、すなわち、活性酸素生成剤61の表面上に接触し、付着する。
【0052】
活性酸素生成剤上に微粒子が付着すると、活性酸素生成剤の表面とその内部との間に酸素濃度差が生じる。活性酸素生成剤内には硝酸イオンの形で酸素が吸蔵されており、この吸蔵されている酸素が微粒子と活性酸素生成剤との接触面に向かって移動しようとする。その結果、図6(B)に示したように、活性酸素生成剤61内に形成されている硝酸塩(KNO3)がKとOとNOとに分解され、Oが活性酸素生成剤61の表面に向かい、その一方でNOが活性酸素生成剤61から外部へ放出される。このように外部へ放出されたNOは上述したメカニズムで下流側の白金上において酸化され、再び活性酸素生成剤61内に硝酸イオンの形で吸収される。
【0053】
なお、活性酸素生成剤に微粒子が付着すると、硫酸イオンの形で活性酸素生成剤61に吸蔵されている酸素も活性酸素生成剤61の表面に向けて移動しようとする。このとき、硝酸塩(KNO3)の場合と同様に、活性酸素生成剤61内の硫酸塩(K2SO4)がKとOとSO2とに分解される。分解されたOは活性酸素生成剤61の表面に向かい、その一方でSO2が活性酸素生成剤61から外部へと放出される。このように外部へ放出されたSOXは上述したメカニズムで下流側の白金上において酸化され、再び活性酸素生成剤61内に硫酸イオンの形で吸収される。
【0054】
このように微粒子62と活性酸素生成剤61との接触面に向かうOは硝酸塩(KNO3)や硫酸塩(K2SO4)のような化合物から分解された酸素であるので、不対電子を有し、極めて高い反応性を有する活性酸素となっている。したがって、これら活性酸素が微粒子62に接触すると、微粒子62は短時間(数秒〜数十分)のうちに輝炎を発することなく酸化せしめられ、微粒子62は完全に消滅する。したがって、微粒子62がメインフィルタ18上に堆積することはほとんどない。
【0055】
メインフィルタ18に流入する排気ガスの空燃比が理論空燃比またはリッチとなると、活性酸素生成剤周囲の酸素濃度が一気に低下するので、このときにも上述した理由で、活性酸素生成剤から活性酸素が放出される。ここで、メインフィルタ18に流入する排気ガスの空燃比が理論空燃比またはリッチであるときに単位時間当たりに活性酸素生成剤によって生成される活性酸素の量は、メインフィルタ18に流入する排気ガスの空燃比がリーンであるときに単位時間当たりに活性酸素生成剤によって生成される活性酸素の量よりも多い。
【0056】
したがって、メインフィルタ18に微粒子が所定量を超えて堆積してしまったときに、メインフィルタ18に流入する排気ガスの空燃比を理論空燃比またはリッチとすれば、メインフィルタ18に堆積している微粒子を一気に酸化除去することができる。
【0057】
ところで、従来のように、メインフィルタ18上に積層状に堆積した微粒子が燃焼せしめられるときには、メインフィルタ18が赤熱し、火炎を伴って燃焼する。このような火炎を伴う燃焼は高温でないと持続せず、したがってこのような火炎を伴う燃焼を持続させるためには、メインフィルタ18の温度を高温に維持しなければならない。
【0058】
これに対して本発明では、微粒子62は上述したように輝炎を発することなく酸化せしめられ、このとき、メインフィルタ18の表面が赤熱することもない。すなわち本発明では、従来に比べて、かなり低い温度でもって微粒子62が酸化除去せしめられている。したがって、本発明による輝炎を発しない微粒子62の酸化による微粒子酸化除去作用は火炎を伴う従来の燃焼による微粒子酸化除去作用と全く異なっている。
【0059】
ところで、上述したように、活性酸素生成剤は、周囲の雰囲気がリーン雰囲気であるときには酸素を硝酸イオンの形で吸蔵し、周囲の雰囲気がほぼ理論空燃比またはリッチ空燃比となると硝酸イオンの形で吸蔵している酸素を放出する。見方を換えれば、活性酸素生成剤は、周囲の雰囲気がリーン雰囲気であるときにはNOXを硝酸イオンの形で吸蔵し、周囲の雰囲気がほぼ理論空燃比またはリッチ空燃比になると硝酸イオンの形で吸蔵しているNOXを放出するNOX吸蔵剤としても機能する。
【0060】
この活性酸素生成剤が吸蔵しうるNOXの量には限界があり、このNOX吸蔵量が限界値に達すると、メインフィルタ18に流入したNOXがメインフィルタ18に吸蔵されることなく、その下流へと流出してしまう。そこで、NOX吸蔵量がその限界値に達する前に、活性酸素生成剤に吸蔵されているNOXを還元浄化する必要がある。
【0061】
そこで、本実施形態では、NOX吸蔵量がその限界値に達する前に、メインフィルタ18に理論空燃比またはリッチ空燃比の排気ガスを供給することによって、メインフィルタ18内に吸蔵されているNOXを還元浄化する。すなわち、メインフィルタ18に流入する排気ガスの空燃比が理論空燃比またはリッチとなると、図6(C)に示したように活性酸素生成剤からNOXが放出され、排気ガス中のHCおよびCOによって還元浄化される。このように、メインフィルタ18はNOX吸蔵剤と貴金属触媒とからなるNOX触媒を担持していることにもなる。
【0062】
なお、排気ガスの空燃比がリッチ空燃比である場合には、排気ガス中の酸素濃度が低いので、メインフィルタ18において酸化除去されるCOおよびHCの量は少ないが、排気ガスの空燃比がリーン空燃比または理論空燃比である場合には、メインフィルタ18において酸化除去されるCOおよびHCの量は多い。
【0063】
以上、説明したように、メインフィルタ18およびサブフィルタ21は、流入する排気ガスの特性に依存して、微粒子、NOX、CO、およびHCを浄化することができる。ここで、白金および活性酸素生成剤はその温度が高くなるほど活性化する。したがって、フィルタにおける微粒子、NOX、CO、およびHCの浄化率は、そこに流入する排気ガスの温度に依存し、排気ガスの温度が高いほど高くなる。
【0064】
ここで、サブフィルタ21は排気マニホルド17の直下に配置される。したがって、機関始動時においても、サブフィルタ21には比較的高温の排気ガスが流入するので、サブフィルタ21の温度は迅速に上昇せしめられる。また、内燃機関において継続的に低負荷運転が行われ、内燃機関から排出される排気ガスの温度が低くなった場合においても、サブフィルタ21に流入する排気ガスの温度は十分高いので、サブフィルタ21の温度は比較的高温に維持される。
【0065】
このように、本実施形態によれば、機関始動時、および、低負荷運転時においても、サブフィルタ21の温度は比較的高温に維持されるので、サブフィルタ21による微粒子、NOX、CO、およびHCの浄化率は高い。
【0066】
ところで、サブフィルタ21にも微粒子酸化除去能力があるので、メインフィルタ18に流入する微粒子の量は全体として少なくなる。したがって、メインフィルタ18によって排気ガス中の全ての微粒子を確実に酸化除去することができる。或いは、メインフィルタ18で酸化除去すべき微粒子の量が少なくなっているので、メインフィルタ18を小型化してもよい。
【0067】
また、上述した活性酸素生成剤はNOXおよびSOXを吸蔵によって保持するものであるが、例えば、その表面にNOXおよびSOXを吸着または付着によって保持するものでもよい。したがって、活性酸素生成剤としては、活性酸素、NO2、またはSO3をその内部から放出するものだけでなく、その表面から解放するものでもよい。
【0068】
なお、第1実施形態では、サブフィルタ21は排気マニホルド17の直下に配置されているが、サブフィルタ21は内燃機関の排気ポート10の近くに配置されていればよいので、例えば、図7に示したように、排気マニホルド17の枝管内に配置されてもよい。
【0069】
次に、本発明の第2実施形態について説明する。初めに、図9を参照する。図9(A)は、活性酸素生成剤周囲の雰囲気(以下、単に周囲雰囲気と称す)がほぼ理論空燃比またはリッチであるときにおける活性酸素生成剤の温度(以下、単に生成剤温度と称す)Tと、活性酸素生成剤からのNOX放出率f(T)およびSOX放出率g(T)との関係を示している。また、図9(B)は、生成剤温度Tが図9(A)に示されている温度(以下、SOX放出温度と称す)To以下であるときに、周囲雰囲気がほぼ理論空燃比またはリッチとされている時間と、活性酸素生成剤からの累積NOX放出量および累積SOX放出量を示している。
【0070】
上述したように、一般的には、活性酸素生成剤に吸蔵されているSOXは、その周囲の雰囲気がほぼ理論空燃比またはリッチとなれば、活性酸素生成剤から放出される。ところが、図9(A)に示されているように、生成剤温度TがSOX放出温度To以下である場合において、周囲雰囲気がほぼ理論空燃比またはリッチになると、NOXは活性酸素生成剤から放出されるが、SOXは活性酸素生成剤からほとんど放出されない。したがって、図9(B)に示されているように、たとえ長時間、周囲雰囲気がほぼ理論空燃比またはリッチとされていたとしても、活性酸素生成剤から放出されるSOXの量は極めて少ない。
【0071】
ここで、内燃機関が通常運転を行っている場合、メインフィルタ18の温度はSOX放出温度To以下であることが多い。このため、一時的にメインフィルタ18に流入する排気ガスの空燃比がほぼ理論空燃比またはリッチとされたとしても、メインフィルタ18の活性酸素生成剤からSOXは放出されず、したがって、活性酸素生成剤に吸蔵されているSOXの量は徐々に増大する。この場合、活性酸素生成剤が吸蔵しうるNOX量が低下することになる。
【0072】
そこで、本実施形態では、メインフィルタ18にSOXが流入しないようにサブフィルタ21によってSOXを捕捉するようにする。これによれば、メインフィルタ18に流入するSOXの量が極めて少なくなる。
【0073】
なお、第2実施形態では、図8に示したように、サブフィルタ21とメインフィルタ18との間の排気管45からメインフィルタ18をバイパスするバイパス通路46が分岐せしめられる。すなわち、バイパス通路46はメインフィルタ18と平行に配置されると共にバイパス通路46の上流端においてメインフィルタ18よりも上流の排気管45に連結され且つ下流端においてメインフィルタ18よりも下流の排気管45と連結される。
【0074】
さらに、メインフィルタ18およびバイパス通路46のいずれか一方を排気ガスが流入することのないように閉鎖し、メインフィルタ18およびバイパス通路46の他方に排気ガスを流入させるための切替弁47が、メインフィルタ18よりも上流の排気管45とバイパス通路46との連結地点に設けられる。
【0075】
ところで、サブフィルタ21の活性酸素生成剤が吸蔵しうるSOXの量にも限界があるので、SOX吸蔵量が飽和する前に、サブフィルタ21の活性酸素生成剤からSOXを放出させる必要がある。そこで、本実施形態では、サブフィルタ21からSOXを放出させるべきときには、サブフィルタ21の温度Tを上記SOX放出温度To以上にまで上昇させると共にサブフィルタ21に流入する排気ガスの空燃比をリッチにするか、またはサブフィルタ21に流入する排気ガスの温度をSOXの放出を促す温度以上にまで上昇させると共に排気ガスの空燃比をリッチにする。
【0076】
これによれば、サブフィルタ21からSOXが放出される。すなわち、サブフィルタ21の活性酸素生成剤は、排気ガスの空燃比がリーンのときに排気ガス中のSOXを吸蔵し、排気ガスの空燃比がリッチとされ且つサブフィルタ21の温度TがSOX放出温度Toを越えると吸蔵したSOXを放出する。すなわちサブフィルタ21は流入する排気ガスの空燃比がリーンであるときに排気ガス中のSOxを吸蔵し且つ流入する排気ガスの空燃比がほぼ理論空燃比またはリッチになると吸蔵したSOxを放出するSOx吸蔵剤として作用する。また、サブフィルタ21は機関本体に比較的近い場所に配置されているので、サブフィルタ21の温度は比較的容易に上昇せしめられる。
【0077】
また、サブフィルタ21から放出されたSOXがメインフィルタ18に流入しないように、サブフィルタ21からSOXを放出すべきときには、サブフィルタ21から流出した排気ガスをバイパス通路46内に導くようにする。すなわち、本実施形態では、排気ガスの空燃比がリーンのときには、切換弁47は図8において実線で示すバイパス閉位置とされているが、サブフィルタ21からSOXを放出すべきときには、排気ガスの空燃比がリーンからリッチに切換えられると共に、切換弁47は図8において破線で示したバイパス開位置とされる。
【0078】
なお、上述したようにサブフィルタ21もNOXを吸蔵しているので、サブフィルタ21からSOXを放出するために排気ガスの空燃比が理論空燃比またはリッチとされたときには、NOXもサブフィルタ21から放出され、斯くして放出されたNOXは排気ガス中のHCやCOによって還元浄化される。したがって、排気ガスがメインフィルタ18をバイパスしたとしても、多量のNOX、HC、および、COが大気中に放出されることはない。
【0079】
なお、サブフィルタ21からのSOXの放出を停止すべきときには、排気ガスの空燃比がリッチからリーンに切換えられ、同時に切換弁47が図8において実線で示すバイパス閉位置に切換えられる。
【0080】
また、吸蔵したSOXが硫酸イオン(SO4 2-)の形のままで活性酸素生成剤内に存在するようにするか、或いは、硫酸塩(K2SO4)が生成されたとしても硫酸塩(K2SO4)が安定しない状態で活性酸素生成剤内に存在するようにすれば、サブフィルタ21の活性酸素生成剤からSOXが放出されやすくなる。そこで、本実施形態では、活性酸素生成剤として、アルミナからなる担体層上に銅(Cu)、鉄(Fe)、マンガン(Mn)、ニッケル(Ni)のような遷移金属、ナトリウム(Na)、チタン(Ti)およびリチウム(Li)から選ばれた少なくとも一つを担持した活性酸素生成剤が用いられる。
【0081】
また、メインフィルタ18からNOXを放出すべきときにも、排気ガスの空燃比がリーンから理論空燃比またはリッチに切換えられるが、このときに排気ガスの空燃比が理論空燃比またはリッチとされている期間は短い。したがって、サブフィルタ21の温度Tは上記SOX放出温度To以上には上昇しない。このため、このとき、サブフィルタ21からはSOXは放出されず、SOXがメインフィルタ18に流入することはない。もちろん、メインフィルタ18では、その温度がSOX放出温度To以下であっても、排気ガスの空燃比がリッチであれば、メインフィルタ18に吸蔵されていたNOXが放出されて、還元浄化される。
【0082】
次に、第3実施形態について説明する。上述したように、サブフィルタ21からSOXを放出させるために、排気ガスの空燃比がリッチとされると、サブフィルタ21から流出する排気ガス中には未燃HCやCOが含まれている。サブフィルタ21からSOXを放出させている間、サブフィルタ21から流出した排気ガスはバイパス通路46に流入する。このように、バイパス通路46に流入した未燃HCやCOも浄化すべきである。そこで、第3実施形態では、第2実施形態の排気浄化装置において、バイパス通路46内に三元触媒が配置される。
【0083】
なお、三元触媒は、排気ガスの空燃比がほぼ理論空燃比またはリーンであるときに、未燃HCやCOを除去する。したがって、バイパス通路46に三元触媒を配置した場合、サブフィルタ21におけるSOXの吸蔵は排気ガスの空燃比がリーンのときに行われ、サブフィルタ21に吸蔵されたSOXの放出は主に排気ガスの空燃比がほぼ理論空燃比のときに行われる。
【0084】
また、バイパス通路46内に配置する触媒としては、排気ガス中の成分、例えば未燃HCやCOを酸化する酸化能を有すればよいので、単なる酸化触媒でもよい。
【0085】
【発明の効果】
第1の発明によれば、排気抵抗が小さく且つ乱流が起こりにくいことから、第一排気浄化手段の上流に第二排気浄化手段を配置した場合であっても、排気浄化装置全体の圧損が低く抑えられている。すなわち、排気浄化装置の微粒子捕集率を大幅に低下させることなく、排気浄化装置に起因する圧損が低減される。
【0086】
また、第4の発明によれば、第二排気浄化手段は内燃機関の排気ポートのすぐ下流に配置されているので、第二排気浄化手段には比較的高温のままの排気ガスが流入する。したがって、例えば、機関始動時であっても第二排気浄化手段は迅速に昇温せしめられ、また、内燃機関が低負荷運転を行っているときであっても、第二排気浄化手段の温度が低下してしまうことが防止される。
【0087】
第5の発明によれば、第一排気浄化手段にSOXが吸蔵されることがほとんどなくなるので、第一排気浄化手段のNOX吸蔵能力がほぼ一定のまま維持される。
【0088】
第6の発明によれば、バイパス通路に流入する排気ガス中のHCおよびCOが酸化除去される。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の排気浄化装置を備えた内燃機関全体の図である。
【図2】本発明のメインフィルタを示す図である。
【図3】本発明のサブフィルタを示す図である。
【図4】本発明のサブフィルタの一部を拡大して示す図である。
【図5】従来の目封じ型のフィルタの一部を拡大して示す図である。
【図6】NOX吸蔵・放出作用および微粒子酸化除去作用を説明するための図である。
【図7】第1実施形態の変形例にかかる排気浄化装置を備えた内燃機関全体の図である。
【図8】第2実施形態の排気浄化装置を備えた内燃機関全体の図である。
【図9】(A)はNOX放出率およびSOX放出率を示す線図であり、(B)はNOXおよびSOXの累積放出量を示す線図である。
【符号の説明】
17…排気マニホルド
18…メインフィルタ
19…ケーシング
20…排気管
21…サブフィルタ
22…ケーシング
50…排気ガス流入通路
51…排気ガス流出通路
52…下流側テーパ壁
53…上流側テーパ壁
54…隔壁
55、56…小孔

Claims (6)

  1. 機関排気通路内に排気ガス中の成分を浄化するための第一排気浄化手段を配置すると共に該第一排気浄化手段上流の機関排気通路内に第二排気浄化手段を配置した排気浄化装置において、第二排気浄化手段通路を画成する隔壁を有し、該隔壁予め定められた平均細孔径の細孔を内包する多孔質の材料から形成されており、上記隔壁はその端部分において上記通路の端部に向かって流路断面積が徐々に小さくなる錐状のテーパ壁を有し、該テーパ壁は上記通路の端部開口が隔壁の上記細孔径よりも大きいが通路の流路断面積よりも小さい流路断面積を有する小孔となるように隔壁の端部分を寄せ集めて該端部分同士を部分的に接続することにより形成されることを特徴とする排気浄化装置。
  2. 上記第一排気浄化手段は流入する排気ガスの空燃比がリーンであるときにNOXを吸蔵し、流入する排気ガスの空燃比がほぼ理論空燃比またはリッチであるときに吸蔵したNOXを放出して還元させるNOX触媒を具備する請求項1に記載の排気浄化装置。
  3. 上記第一排気浄化手段は排気ガス中の微粒子を酸化除去することができるパティキュレートフィルタである請求項1または2に記載の排気浄化装置。
  4. 上記第二排気浄化手段は排気マニホルド内に配置されるかまたは排気マニホルドの排気下流側において排気マニホルドに連結されている請求項1〜3のいずれか一つに記載の排気浄化装置。
  5. 上記第一排気浄化手段と第二排気浄化手段との間の機関排気通路から第一排気浄化手段を迂回するバイパス通路を分岐させると共に第一排気浄化手段およびバイパス通路のいずれか一方に排気ガスを流入させるための切替弁を設け、上記第二排気浄化手段は該第二排気浄化手段に流入する排気ガスの空燃比がリーンであるときに排気ガス中のSOXを吸蔵し且つ第二排気浄化手段に流入する排気ガスの空燃比がほぼ理論空燃比またはリッチになると共に第二排気浄化手段の温度がSOX放出温度よりも高くなると吸蔵したSOXを放出するSOX吸蔵剤を具備し、上記第二排気浄化手段のSOX吸蔵剤からSOXを放出しないときには第二排気浄化手段から流出した排気ガスが第一排気浄化手段に流入する位置に切替弁を保持すると共に第二排気浄化手段のSOX吸蔵剤からSOXを放出するときには第二排気浄化手段から流出した排気ガスが上記バイパス通路に流入する位置に切替弁を保持するようにした請求項1〜4のいずれか一つに記載の排気浄化装置。
  6. 上記バイパス通路に排気ガス中の成分を酸化するための触媒を配置するようにした請求項5に記載の排気浄化装置。
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