JP3826117B2 - 内燃機関用点火コイル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車エンジン等の内燃機関を点火駆動する内燃機関用点火コイルに関するものである。特に、本発明は、過酷な熱サイクルに対しても、充填物に対するクラックの発生をなくし、組み立てが容易で品質の高い内燃機関用点火コイルを提供することを目的とする。
【0002】
【従来の技術】
従来の内燃機関用点火コイルは、サイド鉄心内周部が熱可塑性樹脂、たとえば、ゴム、エラストマー、あるいはプラストマー等で形成されたカバーで覆われている。内燃機関用点火コイルは、自動車等のエンジンルーム内に装着されているため、運転していない放置時に、外気温度と同じになり、運転している時に、エンジンの温度上昇および内燃機関用点火コイルの自己発熱による温度となる。また、前記内燃機関用点火コイルは、運転している時においても、走行およびアイドリングによって温度が変化する。
【0003】
前記内燃機関用点火コイルは、自動車の停車時および運転時の運転態様によって温度変化の繰り返しが行われる。前記温度サイクルは、前記内燃機関用点火コイルのケース内に収容されている鉄心部と充填部の材質の違いに基づく熱膨張係数の差から前記鉄心と前記充填部の境界部において、大きな応力が発生する。前記発生した応力は、前記充填物の破断強度以下であれば、前記内燃機関用点火コイルに何等影響を与えない。
【0004】
しかし、前記応力は、自動車の放置時でマイナス40度、運転時でプラス130度という温度差を考えると、エポキシ樹脂等の充填物に対して破断以上のものとなる。その結果、前記充填物は、応力が集中する鉄心のエッジ部において、亀裂が発生する。
【0005】
また、温度変化の繰り返し回数の増大は、前記充填物の強度劣化につながり、前記同様に、前記応力の集中する鉄心のエッジ部において、前記充填物の亀裂を大きくする。前記原因によって生じた亀裂が高電圧を発生している二次コイルに達すると、二次コイルの高電電流は、鉄心に流れてしまい、点火プラグに高電圧を供給することができなくなり、エンジン不調やエンジン停止といった不具合が発生する。
【0006】
前記課題を解決するための従来例を以下に説明する。図5(イ)および(ロ)は従来例の内燃機関用点火コイルにおける一次コイル、二次コイル、センタ鉄心、およびサイド鉄心の組立体を説明するための概念図で、(イ)は上面図、(ロ)は正面図である。図5において、組立体は、センタ鉄心51および互いに対抗するサイド鉄心52、52′と、前記センタ鉄心51と同軸である図示されていない、ボビンに巻回された一次コイル53および二次コイル54とから構成されている。
【0007】
センタ鉄心51の先端部とサイド鉄心52との間には、間隙55が設けられている。したがって、前記センタ鉄心51の先端部とサイド鉄心52によって形成される間隙55は、鉄心が露出されており、磁束に急激な変化を与え、内燃機関用点火コイルの性能を向上させている。
【0008】
図6(イ)および(ロ)は従来例の内燃機関用点火コイルにおける鉄心カバーを説明するための図で、(イ)は上面図、(ロ)は(イ)のA−A断面図である。図6に示された鉄心カバー61は、サイド鉄心52、52′を覆う上部611とサイド鉄心52、52′の内側を覆う内側部612、およびセンタ鉄心51の部分を避けるための切欠き部613とから構成されている。すなわち、前記鉄心カバー61は、図6(ロ)に示すように(イ)のA−A断面がL字状になっている。
【0009】
図7(イ)および(ロ)は従来例の内燃機関用点火コイルで、一次コイル、二次コイル、センタ鉄心、およびサイド鉄心からなる組立体をケースに収納した状態を示す概念図で、(イ)は上面図、(ロ)は断面図である。図7において、ケース71は、サイド鉄心52、52′を載置する鉄心載置部72および下部に点火部73が設けられている。
【0010】
前記センタ鉄心51、一次コイル53、および二次コイル54からなる組立体は、ケース71に収納された後、サイド鉄心52、52′が前記鉄心載置部72の上に載置される。その後、熱可塑性樹脂、ゴム、エラストマー、あるいはプラストマー等からなる鉄心カバー61は、前記サイド鉄心52、52′と二次コイル54との間に挿入される。そして、充填物74は、ケース71に充填される。前記充填物74は、鉄心カバー61と二次コイル54の間を通り、前記組立体の下部にも充填される。
【0011】
前記従来の内燃機関用点火コイルは、サイド鉄心52、52′と二次コイル54との間に熱可塑性樹脂、ゴム、エラストマー、あるいはプラストマー等からなる鉄心カバー61が挿入されることで、サイド鉄心52、52′を覆い、この部分における応力の集中を緩和させて、亀裂を防止している。また、センタ鉄心51は、図示されていないボビンの形状によって、鉄心のエッジ部を覆う構造とすることで、この部分における応力の集中を緩和させている。
【0012】
図8は他の従来例でサイド鉄心を覆うカバーを説明するための図である。図8において、センタ鉄心51を一体に備えたサイド鉄心52′は、他方のサイド鉄心52と対抗する位置に配置されるとともに、センタ鉄心51に一次ボビン81が嵌合されている。また、センタ鉄心51の一方の端部には、磁石82が配置されており、この部分において、磁束に急激な変化を与え、内燃機関用点火コイルの性能を向上させている。
【0013】
図9は他の従来例でサイド鉄心を覆うカバーを説明するための図である。図9において、サイド鉄心52およびサイド鉄心52′は、予めゴム、エラストマー、あるいはプラストマー等樹脂で全面が覆われている。しかし、前記サイド鉄心52、52′の対抗する端部92、92′、およびサイド鉄心52とセンタ鉄心51との接触部91は、磁束に急激な変化を与えるために、前記樹脂によって覆われていない。また、前記サイド鉄心52、52′を覆う樹脂は、図9に示すように、たとえば、インサート成型によって形成されている。さらに、別の従来例として、本出願人の提案した特公平5−52436号公報がある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図5ないし図7の例において、熱可塑性樹脂等でサイド鉄心52、52′を鉄心カバー61で覆う構造は、ケース71、サイド鉄心52、52′および鉄心カバー61の部品組立時の寸法バラツキによる部品どうしの干渉を避けるため、製品が大きくなるという欠点がある。また、前記鉄心カバー61は、鉄心の全面を覆うことができず、サイド鉄心52、52′の一部が露出してしまい、この部分から充填物74に亀裂が発生してしまうという欠点がある。さらに、前記鉄心カバー61を複数個にすると、前記欠点を除去することができるが、内燃機関用点火コイルは、形状がさらに大きくなるという欠点を有する。
【0015】
図8および図9の例において、サイド鉄心52、52′をインサート成型して樹脂等で覆った場合は、インサート成型の金型が高価であり、そのための工程が増加する。また、前記インサート成型の金型は、寸法が鉄心寸法より大きくする必要があるが、もし、鉄心寸法が小さすぎると、金型との隙間が大きくなり、ここにゴム、エラストマー、あるいはプラストマー等が成型バリとして入ってしまう。
【0016】
前記成型バリは、センタ鉄心51との接触部において、磁気回路上ギャップが増加したことと同じになり、二次コイル54に発生する高電圧およびエネルギーが低下してしまうという欠点や、バリ取りの工程を追加しなくてはならないという欠点を有する。このような余分の工程は、内燃機関用点火コイルの生産性の低下と価格の上昇という欠点につながる。
【0017】
【課題を解決するための手段】
(第1発明)
第1発明の内燃機関用点火コイルは、両端部の周囲に嵌合凹部が成形されたコイルボビンに巻回されている一次コイルおよび二次コイルと、前記一次コイルおよび二次コイルを貫通するセンタ鉄心と、前記一次コイルおよび二次コイルの外側に形成されたサイド鉄心と、前記一次コイルおよび二次コイルと、センタ鉄心を収納するとともに、内部に熱硬化性充填物を充填した熱可塑性樹脂からなるケースとから構成される内燃機関用点火コイルにおいて、前記ケースは、前記熱硬化性充填物を充填する上部壁と前記上部壁に連設され、前記一次コイルおよび二次コイル、センタ鉄心、熱硬化性充填物を収納する下部壁と、前記サイド鉄心の厚さよりも高く、前記上部壁から垂下された外壁と、前記外壁と下部壁とで前記サイド鉄心の外周、内周、および上部を覆うように成形され、前記サイド鉄心とともに、前記熱硬化性充填物より伸びが大きく柔らかいシリコーン樹脂またはゴム系樹脂からなる充填物を収納する収納と、前記下部壁の側方および下方に連続して成形され、前記コイルボビンに成形された嵌合凹部と嵌合する凸部とから構成されていることを特徴とする。
【0018】
(第2発明)
第2発明の内燃機関用点火コイルにおいて、第1発明の収納における外壁の内周側には、複数の突起が設けられていることを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】
発明の内燃機関用点火コイルは、両端部の周囲に嵌合凹部が成形されたコイルボビンに巻回されている一次コイルおよび二次コイルと、前記一次コイルおよび二次コイルを貫通するセンタ鉄心と、前記一次コイルおよび二次コイルの外側に形成されたサイド鉄心とから構成される。前記内燃機関用点火コイルのケース内部には、前記一次コイルおよび二次コイルとセンタ鉄心からなる鉄心組立体を収納するとともに、熱硬化性充填物が充填された熱可塑性樹脂からなるケースとからなっている。なお、本明細書において、前記コイルが組み立てられたものをコイル組立体と記載し、前記コイルおよびセンタ鉄心が組み立てられたものを鉄心組立体と記載する。
【0024】
前記ケースは、前記熱硬化性充填物を収納する上部壁と、前記上部壁に連設され、前記一次コイルおよび二次コイル、センタ鉄心、熱硬化性充填物を収納する下部壁と、前記サイド鉄心の厚さよりも高く、前記上部壁から垂下された外壁と、充填物を収納する収納と、前記コイルボビンに成形された嵌合凹部と嵌合する凸部とから構成されている
【0025】
前記外壁と下部壁とで前記サイド鉄心の外周、内周、および上部を覆うように成形され、前記下方向を向いた溝には、サイド鉄心と前記熱硬化性充填物より伸びが大きく柔らかいシリコーン樹脂またはゴム系樹脂からなる異なる充填物が充填されている。その結果、前記サイド鉄心は、その三方が前記熱硬化性充填物と異なる充填物によって覆われるとともに、前記下部壁によって、一次コイルおよび二次コイルおよび前記センタ鉄心と完全に隔離されている。なお、前記センタ鉄心およびコイルからなる鉄心組立体の装着と前記熱硬化性充填物と異なる充填物の充填は、前記ケースを逆さまにして行われる。
【0026】
発明の内燃機関用点火コイルにおいて、下部壁と外壁とによって形成される溝の外壁側の周囲には複数の突起が設けられている。前記複数の突起は、たとえば、分割されたサイド鉄心の接触を互いに良好にするとともに、センタ鉄心側に押し付けることになる。その結果、前記内燃機関用点火コイルの性能が向上する。
【0027】
発明の内燃機関用点火コイルにおいて、熱硬化性充填物と異なる充填物は、前記熱硬化性充填物より伸びが大きくかつ柔らかい樹脂、たとえば、ゴム、エラストマー、あるいはプラストマー等とすることで、熱による応力がサイド鉄心にかかっても、この部分において、熱硬化性充填物に対する亀裂等が発生しない。
【0028】
発明の内燃機関用点火コイルにおいて、熱硬化性充填物と異なる充填物は、シリコーン樹脂とすることで、ゴム、エラストマー、あるいはプラストマー等より、サイド鉄心のすみずみまで、充填されるため、品質の高い内燃機関用点火コイルを得ることができる。前記シリコーン樹脂は、耐熱性、撥水性、電気絶縁性、耐薬品性、耐老化性に優れているため、内燃機関用点火コイルに使用することで、より性能を向上させることができる。
【0029】
発明の内燃機関用点火コイルにおいて、一次コイルおよび二次コイルを巻回するコイルボビンの両端部の周囲には、前記ケースと係合する嵌合凹部を有するため、前記組立体を容易にケースに固定することができる。
【0030】
発明の内燃機関用点火コイルにおいて、ケースの内壁には、一次コイルおよび二次コイルを巻回するコイルボビンに形成された嵌合凹部と係合する凸部を有するため、前記嵌合凹部と共に組み立てを容易にする。したがって、前記一次コイルおよび二次コイルとセンタ鉄心からなる組立体は、ケースに圧入するだけの簡単な組み立て作業になる。
【0031】
【実施例】
図1(イ)および(ロ)は本発明の実施例を説明するための概略図で、(イ)はコイル組立体の上面図、(ロ)はコイル組立体の正面図である。図1(イ)および(ロ)において、コイル組立体11は、一次ボビン111に巻回された一次コイル12、二次ボビン112に巻回された二次コイル13から構成されている。前記一次ボビン111の両端には、ボビン端部113があり、その一方に磁石または空隙14が設けられている。
【0032】
前記磁石または空隙14は、磁束に急激な変化を与えるため、内燃機関用点火コイルの性能を向上させることができる。前記ボビン端部113の根元には、後述するケースの凸部に嵌合する凹部114および114′が設けられている。
【0033】
図2(イ)および(ロ)は本発明の実施例を説明するための概念図で、(イ)はケースの上面図、(ロ)はケースの断面図である。図2(イ)および(ロ)において、ケース21は、充填物を挿入する上部壁211と、前記コイル組立体を圧入する下部壁212と、後述するサイド鉄心の厚さより高い前記上部壁211に連設する外壁214と、前記外壁214と下部壁212とによって構成される溝213が形成されている。すなわち、前記溝213は、一次コイルおよび二次コイルとセンタ鉄心の組立体を装着する際と反対側に開口部を有する。
【0034】
前記ケース21には、前記下部壁212の対抗した位置にボビン端部挿入部215が設けられている。また、前記ボビン端部挿入部215には、図1に示す前記コイル組立体11の凹部114、114′と嵌合する凸部216が設けられている。前記凹部114、114′は、一次ボビン111の両端に設けられているとともに、図1(ロ)から判るように、三方に形成されており、ケース21の上方からコイル組立体11を圧入し易い構造をしている。なお、点火部22は、図2(ロ)に示すように、ケース21の下部に設けられている。
【0035】
図3(イ)および(ロ)は本発明の実施例である内燃機関用点火コイルを説明するための概念図で、(イ)は内燃機関用点火コイルの上面図、(ロ)は内燃機関用点火コイルの断面図である。図3(イ)および(ロ)において、前記コイル組立体11は、センタ鉄心31が組み立てられた後、ケース21に装着される。前記コイル組立体11のケース21への装着は、前述の一次ボビン111に設けられた凹部114、114′をケース21の三方に設けられた凸部216に圧入することによって達成される。その後、ケース21には、熱硬化性充填物34が充填され、硬化される。
【0036】
前記ケース21内の熱硬化性充填物34が硬化した後、前記ケース21を逆さにして、溝213にサイド鉄心32が装着される。前記ケース21の溝213に装着されたサイド鉄心32は、その両側に隙間が残されている。前記隙間には、たとえば、シリコーン樹脂、ゴム、エラストマー、あるいはプラストマー33等の伸びが大きく柔らかい部材を注入した後、硬化させる。すなわち、外壁214は、サイド鉄心32の厚さより高くなっているため、前記サイド鉄心32の三方が樹脂等によって覆われる。
【0037】
本実施例の内燃機関用点火コイルは、一次コイル12および二次コイル13とセンタ鉄心31との組立体とサイド鉄心32とを前記ケース21の下部壁212によって隔離される。そして、前記ケース21の下部壁212によって隔離された空間は、熱硬化性充填物等からなる充填物よりも伸びが大きく柔らかい樹脂、たとえば、シリコーン樹脂等が注型され、硬化される。
【0038】
予め注型、硬化する伸びが大きい柔らかい樹脂は、ケース21に設けられた溝213に注入しても、外壁214の高さがサイド鉄心32の高さよりも高くなっており、また、前記一次ボビン111の凹部114、114′およびケース21の凸部216が三方に形成されているため、一次コイル12および二次コイル13を隔離して、コイル側に流れ込むことがない。
【0039】
また、本実施例の内燃機関用点火コイルは、熱硬化性充填物34とサイド鉄心32が下部壁212および伸びが大きい柔らかいシリコーン樹脂33等で完全に隔離された構造であるため、熱硬化性充填物34とサイド鉄心32とが直接接触することがない。また、熱硬化性充填物34とサイド鉄心32の熱膨張係数差による大きな集中応力が発生しないため、熱硬化性充填物であるエポキシ樹脂の充填物は、亀裂の発生がなくなり、プラグに高電圧を安定に供給することができる。
【0040】
前述のように、一次コイル12および二次コイル13とセンタ鉄心31が収納された空間と、サイド鉄心32が収納された空間は、ケース21の下壁部212で完全に隔離された構造となっており、かつ、注型、硬化する製造工程も異なるため、エポキシ樹脂等の熱硬化性充填物からなる充填物が注入時にサイド鉄心32に飛沫として付着することがない。
【0041】
また、前記熱硬化性充填物等からなる充填物より伸びが大きく柔らかいシリコーン樹脂の充填物は、前記同様に、注型時に一次コイルおよび二次コイルに前記充填物の飛沫が付着することがないため、一次コイルおよび二次コイルにシリコーン樹脂の付着による絶縁性の低下や、サイド鉄心にエポキシ樹脂等の付着による亀裂の発生がなく、プラグに充分な高電圧を供給することができる。
【0042】
図4は本発明の他の実施例である内燃機関用点火コイルのケースを説明するための下面図である。図4において、サイド鉄心32を装着する溝213の外壁側には、複数個の突起41が設けられている。前記溝213に設けられた複数の突起41は、サイド鉄心32を二分割した場合、サイド鉄心32を組み合わせる際に隙間を生じさせないようにするとともに、コイル組立体11側に押しつけることができる。
【0043】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではない。そして、本発明は、特許請求の範囲に記載された事項を逸脱することがなければ、種々の設計変更を行うことが可能である。本発明のサイド鉄心は、二分割となっているが、一体または三分割等にすることができる。
【0044】
また、本発明のケースに充填する熱硬化性充填物と異なる充填物は、ゴムやシリコーン樹脂と同等な性質のものであれば、これに限定されない。さらに、本発明のコイルおよび鉄心の形状は、周知または公知のものとすることができ、これに伴い、ケースの形状も前記コイルおよび鉄心等が収納できる形状となることはいうまでもないことである。
【0045】
【発明の効果】
本発明によれば、内燃機関用点火コイルの一次コイル、二次コイル、センタ鉄心と、サイド鉄心とをケースによって完全に隔離し、また、それぞれ異なる樹脂が互いに付着することがないようにしたため、鉄心のエッジによってできる応力集中が激減して、熱硬化性充填物に亀裂がなくなり、絶縁性が向上した。
【0046】
本発明によれば、前記内燃機関用点火コイルのケースは、一次コイル、二次コイル、およびセンタ鉄心、サイド鉄心組立体の組み立てが容易でかつ簡単であるため、作製効率を向上させることができた。
【0047】
本発明によれば、形状を小型にし、かつ組み立てを容易にしたにもかかわらず、一次コイル、二次コイル、センタ鉄心とサイド鉄心とをケースの構造により分離して、サイド鉄心の露出部を最低限に抑え、品質の優れた内燃機関用点火コイルを得ることができた。
【0048】
本発明によれば、熱可塑性樹脂から構成されているケースの形状、前記ケース内のコイル組立体とセンタ鉄心との間に充填された熱硬化性充填物、サイド鉄心の三方または四方を覆った伸びが大きくかつ柔らかい樹脂、がそれぞれ共同して品質の優れた内燃機関用点火コイルを得ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】(イ)および(ロ)は本発明の実施例を説明するための概略図で、(イ)はコイル組立体の上面図、(ロ)はコイル組立体の正面図である。
【図2】(イ)および(ロ)は本発明の実施例を説明するための概念図で、(イ)はケースの上面図、(ロ)はケースの断面図である。
【図3】(イ)および(ロ)は本発明の実施例である内燃機関用点火コイルを説明するための概念図で、(イ)は内燃機関用点火コイルの上面図、(ロ)は内燃機関用点火コイルの断面図である。
【図4】本発明の他の実施例である内燃機関用点火コイルのケースを説明するための下面図である。
【図5】(イ)および(ロ)は従来例の内燃機関用点火コイルにおける一次コイル、二次コイル、センタ鉄心、およびサイド鉄心の組立体を説明するための図で、(イ)は上面図、(ロ)は正面図である。
【図6】(イ)および(ロ)は従来例の内燃機関用点火コイルにおける鉄心カバーを説明するための図で、(イ)は上面図、(ロ)は(イ)のA−A断面図である。
【図7】(イ)および(ロ)は従来例の内燃機関用点火コイルで、一次コイル、二次コイル、センタ鉄心、およびサイド鉄心からなる組立体をケースに収納した状態を示す図で、(イ)は上面図、(ロ)は断面図である。
【図8】他の従来例でサイド鉄心を覆うカバーを説明するための図である。
【図9】他の従来例でサイド鉄心を覆うカバーを説明するための図である。
【符号の説明】
11・・・コイル組立体
111・・・一次ボビン
112・・・二次ボビン
12・・・一次コイル
13・・・二次コイル
113・・・ボビン端部
114、114′・・・凹部
14・・・磁石または空隙
21・・・ケース
211・・・上部壁
212・・・下部壁
213・・・溝
214・・・外壁
215・・・ボビン端部挿入部
216・・・凸部
22・・・点火部
31・・・センタ鉄心
32、32′・・・サイド鉄心
33・・・シリコーン樹脂
34・・・熱硬化性充填物
41・・・突起

Claims (2)

  1. 両端部の周囲に嵌合凹部が成形されたコイルボビンに巻回されている一次コイルおよび二次コイルと、
    前記一次コイルおよび二次コイルを貫通するセンタ鉄心と、
    前記一次コイルおよび二次コイルの外側に形成されたサイド鉄心と、
    前記一次コイルおよび二次コイルと、センタ鉄心を収納するとともに、内部に熱硬化性充填物を充填した熱可塑性樹脂からなるケースと、
    から構成される内燃機関用点火コイルにおいて、
    前記ケースは、
    前記熱硬化性充填物を充填する上部壁と
    前記上部壁に連設され、前記一次コイルおよび二次コイル、センタ鉄心、熱硬化性充填物を収納する下部壁と、
    前記サイド鉄心の厚さよりも高く、前記上部壁から垂下された外壁と、
    前記外壁と下部壁とで前記サイド鉄心の外周、内周、および上部を覆うように成形され、前記サイド鉄心とともに、前記熱硬化性充填物より伸びが大きく柔らかいシリコーン樹脂またはゴム系樹脂からなる充填物を収納する収納と、
    前記下部壁の側方および下方に連続して成形され、前記コイルボビンに成形された嵌合凹部と嵌合する凸部と、
    から構成されていることを特徴とする内燃機関用点火コイル。
  2. 前記収納における外壁の内周側には、複数の突起が設けられていることを特徴とする請求項1に記載された内燃機関用点火コイル。
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