JP3825667B2

JP3825667B2 - 減速機

Info

Publication number: JP3825667B2
Application number: JP2001309828A
Authority: JP
Inventors: 一成才木
Original assignee: Sumitomo Heavy Industries Ltd
Current assignee: Sumitomo Heavy Industries Ltd
Priority date: 2001-10-05
Filing date: 2001-10-05
Publication date: 2006-09-27
Anticipated expiration: 2021-10-05
Also published as: JP2003113906A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば先端にファン、スクリュウ等の回転体を取り付ける目的で出力軸を鉛直方向に延ばして備え、且つ出力軸と軸線方向が平行な前段軸の下端端側にオイルポンプを備えるタイプの減速機に関する。
【０００２】
【従来の技術】
この種の減速機の一例であるクーリングファン用減速機と、これを用いたクーリングタワーを図５に示す。
【０００３】
図示のクーリングタワー１は、空調用の冷凍機などで使用される冷却水や、原油の精製時などのプロセス流体などを冷却するための開放型冷却塔と称されるものであり、配管２を通してタワー部３内に温められた冷却水４を導き入れ、散水装置５で充填材６の表面に散布し、滴下する水７にファン装置２０で取り入れた外気８を当て、一部を蒸発させ、残りの水を冷却し、タワー部３の底部に溜まった冷却水９を配管１０を通して図示せぬポンプで再び空調装置等に循環させるようになっている。
【０００４】
タワー部３の上部には、蒸発した水分を外気に放出するためのファン装置２０が設けられている。このファン装置２０は、ファン２１、減速機２２、モータ２３、連結軸２４及びこれらを搭載する据え付けベース２５から構成されている。
【０００５】
図６はファン装置２０の側面図、図７は減速機の断面図（Ａ）、正面図（Ｂ）及び底面図（Ｃ）である。
【０００６】
減速機２２は、鉛直方向に軸線方向を向けた出力軸３０、これと軸線方向が平行な前段軸３１、水平方向に軸線方向を向けた入力軸３２、前段軸３１の基端側（下端側）に配置したオイルポンプ３３等を歯車箱３４に収納し、又は歯車箱３４の外面側に取り付けてある。
【０００７】
入力軸３２は、モータ２３のモータ軸と連結軸２４を介して連結され、モータ軸と一体的に回転する。この入力軸３２に一体的に成形されたベベルピニオン３５を前段軸３１に取り付けたベベルギヤ３６と噛み合わせ、前段軸３１に取り付けた中間ギヤ３７と出力軸３０に取り付けた出力ギヤ３８を噛み合わせ、モータ軸の回転を減速させて出力軸３０に伝達し、ファン２１を回転駆動する。これらの各軸は、歯車箱３４に取り付けた軸受３９〜４４により軸支されている。
【０００８】
この種の減速機２２は、ファン２１から発生する外部荷重によるギヤの歯当たりへの影響を小さくするため、出力軸３０の軸受３９、４０の間隔、すなわち軸受スパンは長いほうが望ましいとされている。
【０００９】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、出力軸３０の長い軸受スパンを得るため、図８に示すように、歯車箱３４の上側に軸受３９を収めるための架台４５を取り付けるか、歯車箱３４自体に軸受３９を収納する張り出し部分を設けるように設計することがある。
【００１０】
またこの種の減速機における潤滑方式は、歯車箱３４の下面に取り付けたオイルポンプ３３により上部側の軸受３９、４１を潤滑する方式がとられる。もちろん、下部側の軸受４０、４２及び入力軸３２の軸受４３、４４は、歯車箱３４内に溜まっている潤滑油により潤滑されるように歯車箱３４内の油面レベルが設定されている。すなわちオイルポンプ３３は、油の吸い込み条件が良い歯車箱３４の下側に取り付けられるので、歯車箱３４の据え付け面（図６の例では据え付けベース２５）の上面よりも下側へ出っ張ることになる。
【００１１】
このオイルポンプ３３の出っ張りが運搬の邪魔になったり、据え付けベース２５への据え付け時に干渉したりすることを避け、据え付け作業を容易にするため、やはり図８に示すように、歯車箱３４の下面に据え付け部４６を取り付けることもある。
【００１２】
しかし、上述のような設計をすれば、減速機２２は当然コンパクトさに欠ける。
【００１３】
さらに、このような減速機２２の据え付け穴４７は、図７（Ｃ）に示すように、出力軸３０の中心３０ｃから均等な位置には配置されておらず、したがって据え付け面の投影面積が大きくなっている。また、出力軸３０から各々の据え付け穴４７までの距離が異なるため、ファン２１から発生する外部荷重が据え付け穴４７に捩じ込んだボルトに掛ける荷重が各ボルト毎に異なることから、バランスが悪くなり、不均一な荷重をベース２５へ伝達する。そのため、ベース２５の強度を高める必要があり、高コストになってしまう。
【００１４】
本発明は、このような従来の問題を解消するためになされたものであって、長い出力軸軸受スパンを得ることができるだけでなく、歯車箱やオイルポンプ等が減速機としての据え付け面から出っ張ることなく、据え付けしやすい減速機を提供することを目的とする。また、取り付け面の投影面積が小さくて、出力軸の中心と据え付け位置とがバランスよく配置されたコンパクトな減速機を提供することをも目的とする。
【００１５】
【課題を解決するための手段】
本発明は、歯車箱中に、鉛直方向に配置された出力軸と該出力軸と軸線方向が平行な少なくとも１本の前段軸とを備えると共に、該前段軸の下端側に該前段軸の回転によって駆動されるオイルポンプを備えた減速機において、前記歯車箱の前記出力軸の下端部周辺部位を、該歯車箱の前記オイルポンプを配置した部位よりも少なくとも該オイルポンプの収容スペース分以上の長さだけ軸線方向下側に延在し、該延在部位に、該出力軸の下端部を軸支する軸受を配置するとともに、該延在部位に他の機器への据え付け部を設けたことにより、上記課題を解決したものである。
【００１６】
本発明においては、出力軸の下部周辺の歯車箱を下方、即ちポンプのある側に延在し、延在した先に出力軸の軸受を配置するようにしている。この結果、ポンプがあってもその出っ張りが歯車箱全体からの出っ張りとはならないようにできる。また、出っ張りがないことから据付に際して別途の据付ブロックを必要としない。
【００１７】
更に、出力軸は、延在させた分、軸受スパンを長く取ることができ、その分外部のラジアル負荷に対する強度を向上させることができる。
【００１８】
本発明の好ましい実施形態は、前記据え付け部に設ける据付ボルトの平面視における取り付け位置を、前記出力軸の軸心から等距離の位置とすることである。
【００１９】
本発明では、出力軸の下部周辺の歯車箱の延在部位に据え付け部を設けるようにしてあるため、該据え付け部に設ける据付ボルトの位置は、（ポンプ等の干渉物がないため）基本的に自由に設計することできる。従って、このように据付ボルトの平面視における取り付け位置を出力軸の軸心から等距離の位置、例えば正方形の頂点相当位置とすることにより、各据え付けボルトの荷重負担を均等化でき、歯車箱の一部のみに過大な負担をかけることなく、出力軸を安定して支持することができる。
【００２０】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。なお、以下の説明においては、図５〜図７に示す従来公知例の構成と同一または類似の部分については、従来の部分の符号に１００を加えて、下１桁あるいは下２桁については同一となる番号を付して説明する。
【００２１】
また図示した実施形態はクーリングファン用の物であるが、本発明はこれに限定されず、減速機の出力軸にファンやスクリューが取り付けられる、送風機、攪拌機等々の種々の機械、装置に適用され得る。また図示の減速機はベベルギヤタイプのものであるが、本発明はハイポイドギヤを用いるものであっても実施可能であり、さらに図示のような２段ギヤタイプのものだけでなく、１段あるいは３段以上のタイプのものでもよく、種々の直交軸タイプの減速機について実施可能である。
【００２２】
図１は本発明の実施形態に係る減速機の拡大断面図、図２は図１の減速機の正面図（Ａ）及び底面図（Ｂ）である。なお図２は、図示の都合上、図１よりも若干縮小して示してある。図３は当該減速機を用いたファン装置の側面図、図４はその断面図である。
【００２３】
本実施形態の減速機１００もクーリングファン用減速機で、ファン１２１を回転させるものである。減速機１００の基本的な構造、動作は図４に示す従来のものと略同一であり、歯車箱１３４中に鉛直方向に配置された出力軸１３０、これと軸線方向が平行な前段軸１３１、水平方向に配置された入力軸１３２を備える。前段軸１３１の下端側にはオイルポンプ１３３が配置されている。
【００２４】
入力軸１３２は、モータ（図示略）のモータ軸と連結軸を介して連結され、モータ軸と一体的に回転する。この入力軸１３２に一体的に成形されたベベルピニオン１３５を前段軸１３１に取り付けたベベルギヤ１３６と噛み合わせ、前段軸１３１に取り付けた中間ギヤ１３７と出力軸１３０に取り付けた出力ギヤ１３８を噛み合わせ、モータ軸の回転を減速させて出力軸１３０に伝達し、ファン１２１を回転駆動する。これらの各軸は、歯車箱１３４に取り付けた軸受１３９〜１４４により軸支されている。
【００２５】
本実施形態においては、減速機１００の出力軸１３０について、長い軸受スパンを得るため、歯車箱１３４を上側、すなわち出力軸１３０の先端側へ延長するのではなく、図示のように、出力軸１３０の下端が位置する部位である下ケース１３４ｂの軸受１４０の周囲部分のみを下側に延長させてある。以下、この部位を延在部（延在部位）１３４ｃと言う。
【００２６】
またオイルポンプ１３３は、下ケース１３４ｂの延長しない部位（以下、不延在部と言う。）１３４ｄに取り付けられている。すなわち、下ケース１３４ｂの延在部１３４ｃと、前段軸１３１の下側の軸受１４２周りに位置する不延在部１３４ｄは、いわゆる段付き形状となっている。
【００２７】
このような構造とすることにより、出力軸１３０の軸受１３９、１４０の間隔である軸受スパンは、出力軸１３０の軸線方向での延在部１３４ｃの寸法分だけ長くなる。
【００２８】
さらに、据え付け部は減速機下ケース１３４ｂのこの延在部１３４ｃに設ける。又、その据え付け穴１４７は、延在部１３４ｃの底面形状を図２（Ｂ）に示すように略正方形として据え付け面をコンパクト化するとともに、その四隅に設けることによって出力軸１３０の中心１３０ｃの周りに均等に配置してある。これにより、出力軸１３０のラジアル荷重を各ボルト（図示略）がほぼ均等に受けることができる。
【００２９】
【発明の効果】
本発明によれば、長い出力軸軸受スパンを得ることができるだけでなく、歯車箱やオイルポンプ等が減速機としての据え付け面から出っ張ることなく、据え付けしやすい減速機を得ることができる。また、取り付け面の投影面積が小さくて、出力軸の中心と据え付け位置とがバランスよく配置されたコンパクトな減速機を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施形態に係る減速機の拡大断面図
【図２】図１の減速機の正面図（Ａ）及び底面図（Ｂ）
【図３】上記減速機を用いたファン装置の側面図
【図４】図３ファン装置の断面図
【図５】従来の減速機をクーリングファンの駆動に用いたクーリングタワー断面図
【図６】図５のファン装置の側面図
【図７】図５の減速機の断面図（Ａ）、正面図（Ｂ）及び底面図（Ｃ）
【図８】図５の減速機の変形例の断面図
【符号の説明】
１００…減速機
１２１…ファン
１３０…出力軸
１３１…前段軸
１３２…入力軸
１３３…オイルポンプ
１３４…歯車箱
１３５…ベベルピニオン
１３６…ベベルギヤ
１３７…中間ギヤ
１３８…出力ギヤ
１３９〜１４４…軸受
１３４ａ…上ケース
１３４ｂ…下ケース
１３４ｃ…延在部
１３４ｄ…不延在部
１４７…据え付け穴
１３０ｃ…出力軸の中心
１５０…開口部
１５１…上カバー

Claims

歯車箱中に、鉛直方向に配置された出力軸と該出力軸と軸線方向が平行な少なくとも１本の前段軸とを備えると共に、該前段軸の下端側に該前段軸の回転によって駆動されるオイルポンプを備えた減速機において、
前記歯車箱の前記出力軸の下端部周辺部位を、該歯車箱の前記オイルポンプを配置した部位よりも少なくとも該オイルポンプの収容スペース分以上の長さだけ軸線方向下側に延在し、
該延在部位に、該出力軸の下端部を軸支する軸受を配置するとともに、
該延在部位に他の機器への据え付け部を設けたことを特徴とする減速機。
請求項１において、
前記据え付け部に設ける据え付けボルトの平面視における取り付け位置を、前記出力軸の軸心から等距離の位置としたことを特徴とする減速機。