JP3824919B2 - 超音波モータの制御装置、及び超音波モータの制御方法 - Google Patents

超音波モータの制御装置、及び超音波モータの制御方法 Download PDF

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    • H02N2/10Electric machines in general using piezoelectric effect, electrostriction or magnetostriction producing rotary motion, e.g. rotary motors
    • H02N2/14Drive circuits; Control arrangements or methods
    • H02N2/142Small signal circuits; Means for controlling position or derived quantities, e.g. speed, torque, starting, stopping, reversing

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  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波モータの制御装置、及び超音波モータの制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、超音波モータとしては、定在波型のものがある。この定在波型の超音波モータとしては、所謂ボルト締めランジュバン型のものがある。この超音波モータは、圧電素子が金属ブロックに挟まれた状態でボルトにて締結されてなるステータと、そのステータに圧接されたロータとを備える。このステータの金属ブロックの外周には、縦振動が励起されると捩り振動を発生するスリットが形成されている。
【0003】
このような超音波モータでは、圧電素子に密着された電極板に、図10に示すようなステータの共振周波数f1(f2)の高周波駆動電圧が印加されると、ステータ(ロータとの接触面)が振動し、該振動によってロータが一方に回転(他方に回転)する。
【0004】
詳述すると、共振周波数f1の高周波駆動電圧が印加されると、ステータ(ロータとの接触面)には、ロータを一方に回転させるための捩り振動と縦振動とが合成された複合振動が生じる。よって、ステータの縦振動成分による浮力と、ステータの捩り振動成分による推進力でロータが一方に回転する。
【0005】
一方、共振周波数f2の高周波駆動電圧が印加されると、ステータ(ロータとの接触面)には、ロータを他方に回転させるための小さな捩り振動と縦振動とが合成された複合振動が生じる。ここで、前記ロータの共振周波数は前記共振周波数f2と一致するように設定されている。そして、ロータでは、ステータの縦振動に基づいて自身(ロータ)を他方に回転させるための捩り振動が発生される。よって、ステータの縦振動成分による浮力と、ステータの捩り振動成分及びロータの捩り振動成分による推進力でロータが他方に回転する。
【0006】
ところで、このように超音波モータを駆動制御する制御装置には、2つの共振周波数f1,f2が予め設定される。そして、制御装置は、例えば操作者にてロータを正回転させるスイッチが操作されると、前記電極板(圧電素子)に予め設定された共振周波数f1の高周波駆動電圧を印加する。又、制御装置は、例えば操作者にてロータを逆回転させるスイッチが操作されると、前記電極板(圧電素子)に予め設定された共振周波数f2の高周波駆動電圧を印加する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような超音波モータでは、その製造時、共振周波数f1,f2を常に一定に製造することが難しく、又、環境の変化(経過した時間や行った処理等に応じて生じる環境の変化)等により共振周波数f1,f2が上下に移動(シフト)してしまう。よって、上記のように予め共振周波数f1,f2が設定された制御装置では、実際の超音波モータ(ステータ)の共振周波数f1,f2とのズレにより該超音波モータを良好に駆動することができないという問題がある。特に上記のような超音波モータでは、2つの共振周波数f1,f2が近い周波数にあり、予め設定された共振周波数f1,f2と実際の共振周波数f1,f2のズレにより操作した方向に対して逆方向に回転してしまうといった可能性がある。
【0008】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、超音波モータを良好に駆動することができる超音波モータの制御装置、及び超音波モータの制御方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明では、ステータの圧電素子に高周波駆動電圧を印加し、該圧電素子の駆動力により該ステータを振動させ、該振動により該ステータに圧接されたロータを回転駆動する超音波モータの制御装置であって、前記高周波駆動電圧より電圧が低い検索用高周波電圧の周波数を変化させて超音波モータの共振周波数を測定するための共振周波数測定手段を備え、前記超音波モータは、第1の共振周波数で前記ロータが逆回転となるように駆動されるとともに、第2の共振周波数で前記ロータが正回転となるように駆動されるものであり、前記共振周波数測定手段は、最初に、前記第1及び第2の共振周波数の両方を含む広範囲に設定された範囲で前記検索用高周波電圧の周波数を変化させて前記第1及び第2の共振周波数の両方を測定し、2度目以降に前記第1の共振周波数を測定する場合には、前回測定の第1の共振周波数に基づき最初の測定時の前記範囲よりも狭く設定された範囲で、前記検索用高周波電圧の周波数を変化させて前記第1の共振周波数を測定するとともに、2度目以降に前記第2の共振周波数を測定する場合には、前回測定した第2の共振周波数に基づき最初の測定時の前記範囲よりも狭く設定された範囲で、前記検索用高周波電圧の周波数を変化させて前記第2の共振周波数を測定する
【0011】
請求項に記載の発明では、請求項1に記載の超音波モータの制御装置において、前記共振周波数測定手段は、前記検索用高周波電圧に応じた電圧値の検索用定電圧を発生するための検索用定電圧発生回路と、前記検索用定電圧を前記検索用高周波電圧とするとともに、その周波数を変化させるための周波数発生回路と、前記検索用高周波電圧の周波数を変化させた際に変化する共振時可変データを検出するための検出回路と、前記共振時可変データに基づいた前記共振周波数を記憶するための記憶回路とを備えた。
【0013】
請求項に記載の発明では、請求項1又は2に記載の超音波モータの制御装置において、2度目以降の前記第1及び第2の共振周波数を測定する際、前記検索用高周波電圧の周波数を変化させる範囲は、前回測定してから経過した時間に応じた範囲に設定される。
【0014】
請求項に記載の発明では、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の超音波モータの制御装置において、前記第1及び第2の共振周波数を測定する際、測定する第1及び第2の共振周波数が検知されたことに基づいて、前記予め設定された周波数を変化させる範囲に関わらず、測定を終了する。
【0016】
請求項に記載の発明では、請求項1乃至のいずれか1項に記載の超音波モータの制御装置において、前記検索用高周波電圧の周波数を変化させた際に変化する共振時可変データは、電流値、電力値、抵抗値、位相角、フィードバック電圧の少なくとも1つであり、該共振時可変データに基づいて前記第1及び第2の共振周波数を得る。
【0017】
請求項に記載の発明では、請求項1乃至のいずれか1項に記載の超音波モータの制御装置において、前記超音波モータの起動時、測定した前記共振周波数より所定量大きい又は所定量小さい周波数の高周波駆動電圧を供給し、その周波数を測定した前記共振周波数側に移行させる。
【0018】
請求項に記載の発明では、請求項に記載の超音波モータの制御装置において、前記ロータの回転数を任意の回転数とする場合、任意の回転数となるまで、前記高周波駆動電圧の周波数を測定した前記共振周波数側に移行させる。
【0019】
請求項に記載の発明では、請求項又はに記載の超音波モータの制御装置において、前記高周波駆動電圧の周波数を移行させるための回路を、前記検索用高周波電圧の周波数を変化させるための周波数発生回路と兼用とした。
【0020】
請求項に記載の発明では、ステータの圧電素子に高周波駆動電圧を印加し、該圧電素子の駆動力により該ステータを振動させ、該振動により該ステータに圧接されたロータを回転駆動する超音波モータの制御方法であって、前記超音波モータは、第1の共振周波数で前記ロータが逆回転となるように駆動されるとともに、第2の共振周波数で前記ロータが正回転となるように駆動されるものであり、最初に、前記第1及び第2の共振周波数の両方を含む広範囲に設定された範囲で前記検索用高周波電圧の周波数を変化させて前記第1及び第2の共振周波数の両方を測定し、2度目以降に前記第1の共振周波数を測定する場合には、前回測定の第1の共振周波数に基づき最初の測定時の前記範囲よりも狭く設定された範囲で、前記検索用高周波電圧の周波数を変化させて前記第1の共振周波数を測定するとともに、2度目以降に前記第2の共振周波数を測定する場合には、前回測定した第2の共振周波数に基づき最初の測定時の前記範囲よりも狭く設定された範囲で、前記検索用高周波電圧の周波数を変化させて前記第2の共振周波数を測定する
【0023】
請求項1に記載の発明では、請求項に記載の超音波モータの制御方法において、2度目以降の前記第1及び第2の共振周波数を測定する際、前記検索用高周波電圧の周波数を変化させる範囲を、前回測定してから経過した時間に応じた範囲に設定する。
【0024】
請求項1に記載の発明では、請求項又は1に記載の超音波モータの制御方法において、前記第1及び第2の共振周波数を測定する際、測定する第1及び第2の共振周波数が検知されたことに基づいて、前記予め設定された周波数を変化させる範囲に関わらず、測定を終了する。
【0026】
請求項1に記載の発明では、請求項乃至1のいずれか1項に記載の超音波モータの制御方法において、前記検索用高周波電圧の周波数を変化させた際に変化する共振時可変データは、電流値、電力値、抵抗値、位相角、フィードバック電圧の少なくとも1つであり、該共振時可変データに基づいて前記第1及び第2の共振周波数を得る。
【0027】
請求項1に記載の発明では、請求項乃至1のいずれか1項に記載の超音波モータの制御方法において、前記超音波モータの起動時、測定した前記共振周波数より所定量大きい又は所定量小さい周波数の高周波駆動電圧を供給し、その周波数を測定した前記共振周波数側に移行させる。
【0028】
請求項14に記載の発明では、請求項1に記載の超音波モータの制御方法において、前記ロータの回転数を任意の回転数とする場合、任意の回転数となるまで、前記高周波駆動電圧の周波数を測定した前記共振周波数側に移行させる。
【0029】
(作用)
請求項1に記載の発明によれば、共振周波数測定手段にて高周波駆動電圧より電圧が低い検索用高周波電圧の周波数が変化されて超音波モータの共振周波数が測定されるため、駆動前に測定した共振周波数に基づいて高周波駆動電圧を制御することで、該超音波モータを良好に駆動することができる。
【0030】
また、共振周波数毎に異なる回転特性で駆動される超音波モータを良好に駆動することができる。さらに、2度目以降の第1(第2)の共振周波数を測定する際、前記検索用高周波電圧の周波数を変化させる範囲は、前回測定した第1(第2)の共振周波数に基づいた狭範囲に設定されるため、その測定時間が短くなる。
【0031】
請求項に記載の発明によれば、検索用定電圧発生回路にて前記検索用高周波電圧に応じた電圧値の検索用定電圧が発生され、周波数発生回路にて検索用定電圧が検索用高周波電圧とされるとともに、その周波数が変化される。又、検出回路にて検索用高周波電圧の周波数を変化させた際に変化する共振時可変データが検出され、記憶回路にて共振時可変データに基づいた前記共振周波数が記憶される。
【0033】
請求項に記載の発明によれば、2度目以降の前記第1及び第2の共振周波数を測定する際、前記検索用高周波電圧の周波数を変化させる範囲は、前回測定してから経過した時間に応じた範囲に設定されるため、共振周波数が変位する確立に応じた範囲で測定することができる。よって、周波数を変化させる範囲を小さくしながら、即ち測定時間を短くしながら、第1及び第2の共振周波数を確実に測定することができる。
【0034】
請求項に記載の発明によれば、第1及び第2の共振周波数を測定する際、測定する第1及び第2の共振周波数が検知されたことに基づいて、前記予め設定された周波数を変化させる範囲に関わらず、測定が終了されるため、その測定時間が更に短くなる。
【0036】
請求項に記載の発明によれば、前記検索用高周波電圧の周波数を変化させた際に変化する共振時可変データは、電流値、電力値、抵抗値、位相角、フィードバック電圧の少なくとも1つであり、該共振時可変データに基づいて前記第1及び第2の共振周波数が得られる。よって、容易に共振周波数を測定することができる。
【0037】
請求項に記載の発明によれば、前記超音波モータの起動時、測定した前記共振周波数より所定量大きい又は所定量小さい周波数の高周波駆動電圧が供給され、その周波数が測定した前記共振周波数側に移行される。よって、確実且つ緩やかに超音波モータを起動することができる。
【0038】
請求項に記載の発明によれば、前記ロータの回転数を任意の回転数とする場合、任意の回転数となるまで、前記高周波駆動電圧の周波数が測定した前記共振周波数側に移行される。よって、確実且つ緩やかにロータを任意の回転数とすることができる。
【0039】
請求項に記載の発明によれば、前記高周波駆動電圧の周波数を移行させるための回路は、前記検索用高周波電圧の周波数を変化させるための周波数発生回路と兼用とされる。よって、超音波モータの制御装置を簡略化することができ、ひいてはそのコストを低減することができる。
【0040】
請求項に記載の発明によれば、高周波駆動電圧より電圧が低い検索用高周波電圧の周波数が変化されて超音波モータの共振周波数が測定されるため、駆動前に測定した共振周波数に基づいて高周波駆動電圧を制御することで、該超音波モータを良好に駆動することができる。
【0041】
また、共振周波数毎に異なる回転特性で駆動される超音波モータを良好に駆動することができる。
【0042】
さらに、2度目以降の前記第1及び第2の共振周波数を測定する際、前記検索用高周波電圧の周波数を変化させる範囲は、前回測定した第1及び第2の共振周波数に基づいた狭範囲に設定されるため、その測定時間が短くなる。
【0043】
請求項1に記載の発明によれば、2度目以降の前記第1及び第2の共振周波数を測定する際、前記検索用高周波電圧の周波数を変化させる範囲は、前回測定してから経過した時間に応じた範囲に設定されるため、共振周波数が変位する確立に応じた範囲で測定することができる。よって、周波数を変化させる範囲を小さくしながら、即ち測定時間を短くしながら、第1及び第2の共振周波数を確実に測定することができる。
【0044】
請求項1に記載の発明によれば、第1及び第2の共振周波数を測定する際、測定する第1及び第2の共振周波数が検知されたことに基づいて、前記予め設定された周波数を変化させる範囲に関わらず、測定が終了されるため、その測定時間が更に短くなる。
【0046】
請求項1に記載の発明によれば、前記検索用高周波電圧の周波数を変化させた際に変化する共振時可変データは、電流値、電力値、抵抗値、位相角、フィードバック電圧の少なくとも1つであり、該共振時可変データに基づいて前記第1及び第2の共振周波数が得られる。よって、容易に共振周波数を測定することができる。
【0047】
請求項1に記載の発明によれば、前記超音波モータの起動時、測定した前記共振周波数より所定量大きい又は所定量小さい周波数の高周波駆動電圧が供給され、その周波数が測定した前記共振周波数側に移行される。よって、確実且つ緩やかに超音波モータを起動することができる。
【0048】
請求項14に記載の発明によれば、前記ロータの回転数を任意の回転数とする場合、任意の回転数となるまで、前記高周波駆動電圧の周波数が測定した前記共振周波数側に移行される。よって、確実且つ緩やかにロータを任意の回転数とすることができる。
【0049】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を超音波モータを有する車両用アクチュエータの制御装置に具体化した一実施の形態を図1〜図5に従って説明する。図2に示すように、超音波モータMは、ステータ1とロータ2とを備えている。ステータ1は、上側金属ブロック3、下側金属ブロック4、第1及び第2圧電素子5,6、第1及び第2電極板7,8、ボルト9、及び絶縁カラー10を備えている。
【0050】
上側及び下側金属ブロック3,4は、導電性金属よりなり、本実施形態ではアルミ合金にて形成されている。上側金属ブロック3は、略円筒状に形成されている。上側金属ブロック3の上部には、その内径が大きくされることで、上端面に発生する振動を増幅するためのホーン部3aが形成されている。又、上側金属ブロック3のホーン部3aを除く内周面には、雌ネジ3bが形成されている。尚、上側金属ブロック3の上端面には薄肉の摩擦材3cが貼付されている。
【0051】
下側金属ブロック4は、内外径が上側金属ブロック3と同じ略円筒状に形成されている。下側金属ブロック4の上部(回転軸線方向上側)外周には、励起される縦振動に基づいて捩り振動を発生する振動変換部としてのスリット(凹部)4aが形成されている。このスリット4aは、周方向に複数形成され、それぞれ回転軸線方向に対して傾斜している。
【0052】
又、下側金属ブロック4の中央部(回転軸線方向中央部)外周には、外部(図示しないモータケース等)に固定するための固定用凸部4bが周方向に複数形成されている。
【0053】
又、下側金属ブロック4の内周面(図2中、破線で示す)には、雌ネジ4cが形成されている。
第1及び第2圧電素子5,6は円板状に形成され、その中心部に貫通孔がそれぞれ形成されている。この第1及び第2圧電素子5,6の内径は、上側及び下側金属ブロック3,4の内径より大きく設定されている。
【0054】
第1及び第2電極板7,8は円板状に形成され、その中心部には貫通孔がそれぞれ形成されている。この第1及び第2電極板7,8の内径は、第1及び第2圧電素子5,6の内径と同じに設定されている。
【0055】
ボルト9は、その外周に雄ネジ9aが形成された略円柱形状のものであって、前記雌ネジ3b,4cに螺合可能とされている。
絶縁カラー10は、絶縁性樹脂にて円筒状に形成されている。この絶縁カラー10は、その外径が前記第1及び第2圧電素子5,6、第1及び第2電極板7,8の内径と同じに設定され、その内径がボルト9の雄ネジ9aの外径と同じ(ボルト9を内嵌可能)に設定されている。
【0056】
そして、第1及び第2圧電素子5,6と第1及び第2電極板7,8とを挟んだ上側及び下側金属ブロック3,4は、その内部を軸線方向に挿通するボルト9により締結される。詳述すると、下側金属ブロック4、第2電極板8、第2圧電素子6、第1電極板7、第1圧電素子5、上側金属ブロック3は、この順で積層され、その内部に挿通されるボルト9(雄ネジ9a)が上側及び下側金属ブロック3,4の雌ネジ3b,4cに螺合されることで締結されている。尚、このとき、第1及び第2圧電素子5,6は、分極方向がそれぞれ互いに上下逆になるように積層される。又、このとき、第1及び第2圧電素子5,6、第1及び第2電極板7,8の内周面と、ボルト9の雄ネジ9aの外周面との間には、絶縁カラー10が介在される。従って、第1及び第2圧電素子5,6、第1及び第2電極板7,8の内周面と、ボルト9の外周面とは電気的に絶縁状態とされる。又、このとき、第2電極板8は、下側金属ブロック4及びボルト9を介して上側金属ブロック3と電気的に接続状態となる。
【0057】
ロータ2は、前記上側及び下側金属ブロック3,4と外径が同じの略円筒状に形成され、図示しない加圧機構によりステータ1の上面、即ち上側金属ブロック3(摩擦材3c)の上端面に摺動回転可能に加圧接触されている。このロータ2の外周には、励起される縦振動に基づいて捩り振動を発生するスリット(凹部)2aが周方向に複数形成されている。このスリット2aは、それぞれ回転軸線方向に対して傾斜している。
【0058】
このように構成された超音波モータMでは、第1及び第2電極板7,8間に、図4(周波数−回転数特性図)に示すように、第1の共振周波数f1(約56.6kHz)の高周波駆動電圧V1が印加されると、第1及び第2圧電素子5,6にて縦振動が発生される。すると、該縦振動に基づいてステータ1のスリット4aにて捩じり振動が発生される。このとき、ステータ1の上面、即ち上側金属ブロック3(摩擦材3c)の上端面の振動は、ロータ2を逆方向(図4中、マイナス方向)に回転させるための捩り振動と縦振動とが合成された複合振動となっている。すると、ステータ1の縦振動成分による浮力と、ステータ1の捩り振動成分による推進力にてロータ2が逆方向に回転数約700[rpm]で回転する(ステータ主体モード)。又、第1及び第2電極板7,8間に、図4(周波数−回転数特性図)に示すように、第1の共振周波数f1近辺(周波数、約56.3kHz〜約59.0kHz)の高周波駆動電圧V1が印加されると、その周波数に応じた回転数でロータ2が逆方向に回転する。
【0059】
一方、第1及び第2電極板7,8間に、図4(周波数−回転数特性図)に示すように、第2の共振周波数f2(約59.6kHz)の高周波駆動電圧V1が印加されると、第1及び第2圧電素子5,6にて縦振動が発生される。すると、該縦振動に基づいてステータ1のスリット4aにて捩じり振動が発生される。このとき、ステータ1の上面、即ち上側金属ブロック3(摩擦材3c)の上端面の振動は、ロータ2を正方向(図4中、プラス方向)に回転させるための小さな捩り振動と縦振動とが合成された複合振動となっている。ここで、前記ロータ2の共振周波数は前記第2の共振周波数f2と一致するように設定されている。そして、ロータ2では、ステータ1の縦振動に基づいて自身(ロータ2)を正方向に回転させるための捩り振動が発生される。よって、ステータ1の縦振動成分による浮力と、ステータ1の捩り振動成分及びロータ2自身の捩り振動成分による推進力にてロータ2が正方向に回転数約600[rpm]で回転する(ロータ主体モード)。又、第1及び第2電極板7,8間に、図4(周波数−回転数特性図)に示すように、第2の共振周波数f2近辺(周波数、約59.3kHz〜約62.7kHz)の高周波駆動電圧V1が印加されると、その周波数に応じた回転数でロータ2が正方向に回転する。
【0060】
上記超音波モータMを有する車両用アクチュエータの制御装置(超音波モータMの制御装置)11は、図1に示すように、マイコン12、高定電圧回路13、低定電圧回路14、昇圧回路15、周波数発生回路16、検出回路17、記憶回路18、及びパルス回路19を備える。尚、本実施の形態の車両用アクチュエータの制御装置(超音波モータMの制御装置)11は、車両イグニッションキーのオン操作に基づいて電源が投入され、オフ操作に基づいて電源が遮断される。又、本実施の形態では、低定電圧回路14、及び昇圧回路15が検索用定電圧発生回路を構成し、マイコン12、低定電圧回路14、昇圧回路15、周波数発生回路16、検出回路17、及び記憶回路18が共振周波数測定手段を構成する。
【0061】
制御装置11は、電源投入時やスイッチ21の操作に基づいて、図3に示すように、ステップS1〜S9の処理を行う。
電源が投入されると、ステップS1において、マイコン12は、低定電圧回路14、昇圧回路15及び周波数発生回路16に制御信号C1を出力する。すると、低定電圧回路14は、制御信号C1に基づいて昇圧回路15に定電圧を出力し、該昇圧回路15は、制御信号C1及び低定電圧回路14からの定電圧に基づいて後述する検索用高周波電圧V2に応じた電圧値の検索用定電圧を発生する。一方、周波数発生回路16は、制御信号C1に基づいて前記検索用定電圧を検索用高周波電圧V2とするとともに、その周波数を範囲W1(図4参照)内で変化させ、該検索用高周波電圧V2を超音波モータMに供給させる。尚、前記検索用高周波電圧V2とは、前記超音波モータMのロータ2を回転駆動するための高周波駆動電圧V1より電圧が低く設定され、ロータ2を回転駆動できない程度の電圧である。又、範囲W1とは、前記超音波モータMの第1及び第2の共振周波数f1,f2を十分含むように予め設定された広範囲であって、本実施の形態では、図4に示すように、55.0kHz〜62.5kHzに設定されている。そして、周波数発生回路16は、検索用高周波電圧V2の周波数を55.0kHzから62.5kHzに向けて徐々に移行(スイープ)させていく。
【0062】
ここで、前記検出回路17は、検索用高周波電圧V2の周波数を変化させた際に変化する共振時可変データとしての前記超音波モータMの電流値(図5参照)を検出するためのものであって、その検出結果をマイコン12に出力する。よって、マイコン12には、図5に示すように、検索用高周波電圧V2の周波数を変化させた際に変化する電流値が入力される。すると、マイコン12は、前記電流値に基づいて第1及び第2の共振周波数f1,f2を測定する。尚、超音波モータMの電流値は、その共振時に増加の極値(増加から減少に変わる点)となるため、図5に示すように、該極値が第1及び第2の共振周波数f1,f2(約56.6kHz,約59.6kHz)として検知される。又、本実施の形態では、第1及び第2の共振周波数f1,f2が検知されたことに基づいて、前記予め設定された範囲W1に関わらず(62.5kHz側に変化させる途中であっても)、該測定を終了する。
【0063】
すると、ステップS2において、マイコン12は、測定した前記第1及び第2の共振周波数f1,f2を記憶回路18に記憶させる。
次に、ステップS3において、マイコン12は、スイッチ21の操作に基づく起動信号K1,K2が入力されたか否かを判断する。尚、本実施の形態の起動信号K1は、前記ロータ2を逆方向(図4中、マイナス方向)に所定量回転させるための信号であって、起動信号K2は、前記ロータ2を正方向(図4中、プラス方向)に所定量回転させるための信号である。
【0064】
ここで、スイッチ21の操作に基づく起動信号K1,K2が入力されていないと判断されると、該ステップS3を繰り返し、所謂起動待ち状態となる。
又、ここで、スイッチ21の操作に基づく起動信号K1が入力されたと判断されると、ステップS4に移行する。
【0065】
ステップS4において、マイコン12は、低定電圧回路14、昇圧回路15及び周波数発生回路16に制御信号C2を出力する。すると、低定電圧回路14は、制御信号C2に基づいて昇圧回路15に定電圧を出力し、該昇圧回路15は、制御信号C2及び低定電圧回路14からの定電圧に基づいて前記検索用高周波電圧V2に応じた電圧値の検索用定電圧を発生する。一方、周波数発生回路16は、制御信号C2に基づいて前記検索用定電圧を検索用高周波電圧V2とするとともに、その周波数を範囲W2a(図4参照)内で変化させ、該検索用高周波電圧V2を超音波モータMに供給させる。又、範囲W2aとは、前回測定した第1の共振周波数f1に基づいた狭範囲であって、本実施の形態では、図4に示すように、記憶回路18に記憶された前記第1の共振周波数f1の前後1kHzの範囲(約55.6kHz〜約57.6kHz)に設定される。そして、周波数発生回路16は、検索用高周波電圧V2の周波数を55.6kHzから57.6kHzに向けて徐々に移行(スイープ)させていく。
【0066】
ここで、前記検出回路17は、前記ステップS1と同様に超音波モータMの電流値(図5参照)を検出し、その検出結果をマイコン12に出力する。よって、マイコン12には、図5に示すように、検索用高周波電圧V2の周波数を変化させた際に変化する電流値が入力される。すると、マイコン12は、前記電流値に基づいて第1の共振周波数f1を測定する。尚、超音波モータMの電流値は、その共振時に増加の極値(増加から減少に変わる点)となるため、図5に示すように、該極値が第1の共振周波数f1(約56.6kHz)として検知される。又、本実施の形態では、第1の共振周波数f1が検知されたことに基づいて、前記予め設定された範囲W2aに関わらず(57.6kHz側に変化させる途中であっても)、該測定を終了する。又、本実施の形態では、前記ステップS1の終了後からこのステップS4までの間に、環境の変化(経過した時間や行った処理等に応じて生じる環境の変化)等により第1の共振周波数f1が上下に移動(シフト)してしまう場合があるが、移動(シフト)しなかったものとし、同様の図4を用いて説明する。
【0067】
すると、ステップS5において、マイコン12は、測定した前記第1の共振周波数f1を記憶回路18に記憶させる。
次に、ステップS6において、マイコン12は、高定電圧回路13、昇圧回路15及び周波数発生回路16に制御信号C3を出力する。すると、高定電圧回路13は、制御信号C3に基づいて昇圧回路15に前記低定電圧回路14から出力される定電圧より高い定電圧を出力し、該昇圧回路15は、制御信号C3及び高定電圧回路13からの定電圧に基づいて前記高周波駆動電圧V1に応じた電圧値の駆動用定電圧を発生する。一方、周波数発生回路16は、制御信号C3及び前記測定した(記憶回路18に記憶した)第1の共振周波数f1に基づいて前記駆動用定電圧を高周波駆動電圧V1とし、該高周波駆動電圧V1を超音波モータMに供給させ、超音波モータMを駆動させる。
【0068】
ここで、超音波モータMの起動時、本実施の形態の周波数発生回路16は、前記測定した第1の共振周波数f1より所定量(例えば1.5kHz)大きい周波数の高周波駆動電圧V1を供給し、その周波数を前記第1の共振周波数f1側に移行させる。詳しくは、本実施の形態では、図4に示すように、第1の共振周波数f1である約56.6kHzより1.5kHz大きい約58.1kHzの高周波駆動電圧V1を供給し、その周波数を約56.6kHz側に移行させて超音波モータMを起動させる。よって、起動時の初期状態から後期状態に渡って回転数が徐々に増加(マイナス方向に増加)するように制御され、初期状態から第1の共振周波数f1(約56.6kHz)の高周波駆動電圧V1を供給する場合に比べて、緩やかに超音波モータMが起動される。
【0069】
そして、パルス回路19は、例えばロータ2に固着された図示しないセンサマグネットの通過を検出するホールICであって、ロータ2の回転速度(回転数)に応じたパルス信号をマイコン12に出力する。そして、マイコン12は、パルス信号に基づいて、ロータ2が逆方向(図4中、マイナス方向)に所定量回転されたと判断すると、超音波モータMの駆動を終了し、前記ステップS3に移行する。
【0070】
一方、ステップS3において、スイッチ21の操作に基づく起動信号K2が入力されたと判断されると、ステップS7に移行する。
ステップS7において、マイコン12は、低定電圧回路14、昇圧回路15及び周波数発生回路16に制御信号C4を出力する。すると、低定電圧回路14は、制御信号C4に基づいて昇圧回路15に定電圧を出力し、該昇圧回路15は、制御信号C4及び低定電圧回路14からの定電圧に基づいて前記検索用高周波電圧V2に応じた電圧値の検索用定電圧を発生する。一方、周波数発生回路16は、制御信号C4に基づいて前記検索用定電圧を検索用高周波電圧V2とするとともに、その周波数を範囲W2b(図4参照)内で変化させ、該検索用高周波電圧V2を超音波モータMに供給させる。又、範囲W2bとは、前回測定した第2の共振周波数f2に基づいた狭範囲であって、本実施の形態では、図4に示すように、記憶回路18に記憶された前記第2の共振周波数f2の前後1kHzの範囲(約58.6kHz〜約60.6kHz)に設定される。そして、周波数発生回路16は、検索用高周波電圧V2の周波数を58.6kHzから60.6kHzに向けて徐々に移行(スイープ)させていく。
【0071】
ここで、前記検出回路17は、前記ステップS1と同様に超音波モータMの電流値(図5参照)を検出し、その検出結果をマイコン12に出力する。よって、マイコン12には、図5に示すように、検索用高周波電圧V2の周波数を変化させた際に変化する電流値が入力される。すると、マイコン12は、前記電流値に基づいて第2の共振周波数f2を測定する。尚、超音波モータMの電流値は、その共振時に増加の極値(増加から減少に変わる点)となるため、図5に示すように、該極値が第2の共振周波数f2(約59.6kHz)として検知される。又、本実施の形態では、第2の共振周波数f2が検知されたことに基づいて、前記予め設定された範囲W2bに関わらず(60.6kHz側に変化させる途中であっても)、該測定を終了する。又、本実施の形態では、前記ステップS1の終了後からこのステップS7までの間に、環境の変化(経過した時間や行った処理等に応じて生じる環境の変化)等により第2の共振周波数f2が上下に移動(シフト)してしまう場合があるが、移動(シフト)しなかったものとし、同様の図4を用いて説明する。
【0072】
すると、ステップS8において、マイコン12は、測定した前記第2の共振周波数f2を記憶回路18に記憶させる。
次に、ステップS9において、マイコン12は、高定電圧回路13、昇圧回路15及び周波数発生回路16に制御信号C5を出力する。すると、高定電圧回路13は、制御信号C5に基づいて昇圧回路15に前記低定電圧回路14から出力される定電圧より高い定電圧を出力し、該昇圧回路15は、制御信号C5及び高定電圧回路13からの定電圧に基づいて前記高周波駆動電圧V1に応じた電圧値の駆動用定電圧を発生する。一方、周波数発生回路16は、制御信号C5及び前記測定した(記憶回路18に記憶した)第2の共振周波数f2に基づいて前記駆動用定電圧を高周波駆動電圧V1とし、該高周波駆動電圧V1を超音波モータMに供給させ、超音波モータMを駆動させる。
【0073】
ここで、超音波モータMの起動時、本実施の形態の周波数発生回路16は、前記測定した第2の共振周波数f2より所定量(例えば1.5kHz)大きい周波数の高周波駆動電圧V1を供給し、その周波数を前記第2の共振周波数f2側に移行させる。詳しくは、本実施の形態では、図4に示すように、第2の共振周波数f2である約59.6kHzより1.5kHz大きい約61.1kHzの高周波駆動電圧V1を供給し、その周波数を約59.6kHz側に移行させて超音波モータMを起動させる。よって、起動時の初期状態から後期状態に渡って回転数が徐々に増加(プラス方向に増加)するように制御され、初期状態から第2の共振周波数f2(約59.6kHz)の高周波駆動電圧V1を供給する場合に比べて、緩やかに超音波モータMが起動される。
【0074】
そして、パルス回路19は、例えばロータ2に固着された図示しないセンサマグネットの通過を検出するホールICであって、ロータ2の回転速度(回転数)に応じたパルス信号をマイコン12に出力する。そして、マイコン12は、パルス信号に基づいて、ロータ2が正方向(図4中、プラス方向)に所定量回転されたと判断すると、超音波モータMの駆動を終了し、前記ステップS3に移行する。
【0075】
次に、上記実施の形態の特徴的な作用効果を以下に記載する。
(1)超音波モータM(ロータ2)を回転駆動するための高周波駆動電圧V1より電圧が低く設定された検索用高周波電圧V2にて超音波モータMの第1及び第2の共振周波数f1,f2が測定されるため、駆動前に測定した該第1及び第2の共振周波数f1,f2に基づいて高周波駆動電圧V1を制御することで、超音波モータMを良好に駆動することが可能となる。
【0076】
(2)2度目以降の前記第1(第2)の共振周波数f1(f2)を測定する際、検索用高周波電圧V2の周波数を変化させる範囲W2a(W2b)は、前回測定した第1(第2)の共振周波数f1(f2)に基づいた狭範囲(範囲W1が55.0kHz〜62.5kHzの7.5kHzであるのに対し範囲W2a,W2bはそれぞれ2kHz)に設定されるため、その測定時間が短くなる。
【0077】
(3)ステップS1において、第1及び第2の共振周波数f1,f2が検知されたことに基づいて、前記予め設定された範囲W1に関わらず(62.5kHz側に変化させる途中であっても)、該測定は終了される。又、ステップS4において、第1の共振周波数f1が検知されたことに基づいて、前記予め設定された範囲W2aに関わらず(57.6kHz側に変化させる途中であっても)、該測定は終了される。又、ステップS7において、第2の共振周波数f2が検知されたことに基づいて、前記予め設定された範囲W2bに関わらず(60.6kHz側に変化させる途中であっても)、該測定は終了される。よって、各ステップS1,S4,S7の測定時間が更に短くなる。
【0078】
(4)車両イグニッションキーのオン操作に基づいた電源投入時、超音波モータMの起動に関わらず、予め最初の第1及び第2の共振周波数f1,f2の測定が行われ、所謂起動待ち状態となる。そして、スイッチ21の操作に基づく起動信号K1(K2)入力時、起動時の第1(第2)の共振周波数f1(f2)の測定が行われ、該測定した第1(第2)の共振周波数f1(f2)に基づいて起動される。そして、2度目以降の前記第1(第2)の共振周波数f1(f2)を測定する時間は短いため、最初の第1及び第2の共振周波数f1,f2の測定が行われた後、例えば、操作者によるスイッチ21の操作に基づいて起動信号K1,K2が出力された場合(特に電源投入時からスイッチ21の操作までに時間が空く場合)、該スイッチ21の操作から測定が終了するまでの時間が短くなる。よって、スイッチ21の操作から超音波モータMが起動するまでの時間が短くなる。
【0079】
(5)検索用高周波電圧V2の周波数を変化させた際に変化する共振時可変データは電流値(図5参照)であり、該電流値に基づいて第1及び第2の共振周波数f1,f2が得られる。よって、容易に第1及び第2の共振周波数f1,f2を測定することができる。
【0080】
(6)超音波モータMの起動時、本実施の形態の周波数発生回路16は、前記測定した第1(第2)の共振周波数f1(f2)より所定量(例えば1.5kHz)大きい周波数の高周波駆動電圧V1を供給し、その周波数を前記第1(第2)の共振周波数f1(f2)側に移行させる。よって、起動時の初期状態から後期状態に渡って回転数が徐々に増加するように制御され、初期状態から第1(第2)の共振周波数f1(f2)の高周波駆動電圧V1を供給する場合に比べて、確実且つ緩やかに超音波モータMを起動させることができる。
【0081】
(7)高周波駆動電圧V1の周波数を移行させるための回路を、検索用高周波電圧V2の周波数を変化させるための周波数発生回路16と兼用としたため、制御装置11を簡略化することができ、ひいてはそのコストを低減することができる。
【0082】
(8)第1及び第2の共振周波数f1,f2で、該共振周波数f1,f2毎に異なる回転特性(正逆回転する特性)で駆動される超音波モータMにおいても、駆動前に測定した該第1及び第2の共振周波数f1,f2に基づいて高周波駆動電圧V1を制御することで、スイッチ21の操作の方向に対して逆方向に回転してしまうことなく、超音波モータMを良好に駆動することが可能となる。
【0083】
上記実施の形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・上記実施の形態では、検出回路17を、検索用高周波電圧V2の周波数を変化させた際に変化する共振時可変データとしての超音波モータMの電流値(図5参照)を検出するものとしたが、検索用高周波電圧V2の周波数を変化させた際に変化する他の共振時可変データを検出するものに変更してもよい。例えば、図6に示すように、インピーダンスや、電力や、位相角を検出するものとしてもよいし、超音波モータMの振動から得られるフィードバック電圧を検出するものとしてもよい。又、前記電流値や、インピーダンスや、電力や、位相角や、フィードバック電圧のいずれか2つ以上検出するものとしてもよい(2つ以上の検出回路を有するようにしてもよい)。尚、この場合、マイコン12における共振時可変データから第1及び第2の共振周波数f1,f2を判断する基準等を適宜変更する必要がある。このようにしても、上記実施の形態の効果と同様の効果を得ることができる。
【0084】
・上記実施の形態では、スイッチ21の操作に基づく起動信号K1(K2)の入力時、常に範囲W2a(W2b)で検索用高周波電圧V2の周波数を変化させて第1(第2)の共振周波数f1(f2)の測定が行われるとしたが、このような2度目以降(ステップS1の測定が1度目)の第1(第2)の共振周波数f1(f2)を測定する際、検索用高周波電圧V2の周波数を変化させる範囲を、前回測定してから経過した時間又は行った処理に応じた範囲に設定してもよい。このようにすると、第1(第2)の共振周波数f1,f2が変位する確立に応じた範囲で測定することができる。よって、測定する範囲を小さくしながら、即ち測定時間を短くしながら、第1(第2)の共振周波数f1,f2を確実に測定することができる。
【0085】
・例えば、図7に示すように、変更してもよい。尚、この例では、上記実施の形態(図3参照)と同様の処理を行うステップに関して同様の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0086】
前記ステップS3において、スイッチ21の操作に基づく起動信号K1が入力されたと判断されると、ステップS21に移行する。
ステップS21において、マイコンは、前回測定してから経過した時間(待機時間)が予め設定された所定時間より短い(小)か、長い(大)かを判断する。
【0087】
そして、ステップS21において、所定時間より短い(小)と判断すると、前記ステップS4に移行する。
又、ステップS21において、所定時間より長い(大)と判断すると、ステップS22に移行し、前記ステップS4における範囲W2aが範囲W3aであることのみ異なる処理を行い、ステップS5に移行する。この範囲W3aとは、前記範囲W1より狭く前記範囲W2aより大きく、前回測定した第1の共振周波数f1に基づいた範囲であって、本実施の形態では、図4に示すように、記憶回路18に記憶された前記第1の共振周波数f1の前後2kHzの範囲(約54.6kHz〜約58.6kHz)に設定される。
【0088】
一方、前記ステップS3において、スイッチ21の操作に基づく起動信号K2が入力されたと判断されると、ステップS23に移行する。
ステップS23において、マイコンは、前回測定してから経過した時間(待機時間)が前記所定時間より短い(小)か、長い(大)かを判断する。
【0089】
そして、ステップS23において、所定時間より短い(小)と判断すると、前記ステップS7に移行する。
又、ステップS23において、所定時間より長い(大)と判断すると、ステップS24に移行し、前記ステップS7における範囲W2bが範囲W3bであることのみ異なる処理を行い、ステップS8に移行する。この範囲W3bとは、前記範囲W1より狭く前記範囲W2bより大きく、前回測定した第2の共振周波数f2に基づいた範囲であって、本実施の形態では、図4に示すように、記憶回路18に記憶された前記第2の共振周波数f2の前後2kHzの範囲(約57.6kHz〜約61.6kHz)に設定される。
【0090】
即ち、前回測定してから経過した時間が所定時間より短いと、検索用高周波電圧V2の周波数を変化させる範囲が小さな範囲W2a(W2b)に設定され、前回測定してから経過した時間が所定時間より長いと、検索用高周波電圧V2の周波数を変化させる範囲が前記範囲W1より狭く前記範囲W2a(W2b)より大きな範囲W3a(W3b)に設定される。これにより、第1(第2)の共振周波数f1,f2が変位する確立に応じた範囲で測定することができ、測定する範囲を小さくしながら、即ち測定時間(その平均)を短くしながら第1及び第2の共振周波数f1,f2を確実に測定することができる。
【0091】
・又、例えば、図8に示すように、変更してもよい。尚、この例では、上記実施の形態(図3参照)及び上記別例(図7参照)と同様の処理を行うステップに関して同様の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0092】
前記ステップS3において、スイッチ21の操作に基づく起動信号K1が入力されたと判断されると、ステップS31に移行する。
ステップS31において、マイコンは、前回測定してから経過した時間(待機時間)が予め設定された第1所定時間より短い(小)か、第1所定時間より長く予め設定された第2所定時間より短い(中)か、第2所定時間より長い(大)かを判断する。
【0093】
そして、ステップS31において、第1所定時間より短い(小)と判断すると、前記ステップS6に移行する。
又、ステップS31において、第1所定時間より長く予め設定された第2所定時間より短い(中)と判断すると、前記ステップS4に移行する。
【0094】
又、ステップS31において、第2所定時間より長い(大)と判断すると、前記ステップS22に移行し、次に前記ステップS5に移行する。
一方、前記ステップS3において、スイッチ21の操作に基づく起動信号K2が入力されたと判断されると、ステップS32に移行する。
【0095】
ステップS32において、マイコンは、前回測定してから経過した時間(待機時間)が予め設定された第1所定時間より短い(小)か、第1所定時間より長く予め設定された第2所定時間より短い(中)か、第2所定時間より長い(大)かを判断する。
【0096】
そして、ステップS32において、第1所定時間より短い(小)と判断すると、前記ステップS9に移行する。
又、ステップS32において、第1所定時間より長く予め設定された第2所定時間より短い(中)と判断すると、前記ステップS7に移行する。
【0097】
又、ステップS32において、第2所定時間より長い(大)と判断すると、前記ステップS24に移行し、次に前記ステップS8に移行する。
即ち、前回測定してから経過した時間(待機時間)が第1所定時間より短い(小)場合、前回測定した(記憶回路18に記憶した)第1(第2)の共振周波数f1(f2)がそのまま測定結果とされ、該第1(第2)の共振周波数f1(f2)に基づいて前記超音波モータMを駆動させる。これにより、前回測定してから経過した時間(待機時間)が極短い場合等、その測定時間が更に短くなる(実際の測定は行わないため0となる)。又、前回測定してから経過した時間が第1所定時間より長く予め設定された第2所定時間より短い(中)と、検索用高周波電圧V2の周波数を変化させる範囲が小さな範囲W2a(W2b)に設定され、前回測定してから経過した時間が第2所定時間より長い(大)と、検索用高周波電圧V2の周波数を変化させる範囲が前記範囲W1より狭く前記範囲W2a(W2b)より大きな範囲W3a(W3b)に設定される。よって、前回測定してから経過した時間(待機時間)が第1所定時間より長い場合、第1(第2)の共振周波数f1,f2が変位する確立に応じた範囲で測定することができ、測定する範囲を小さくしながら、即ち測定時間(その平均)を短くしながら第1及び第2の共振周波数f1,f2を確実に測定することができる。
【0098】
・又、例えば、図9に示すように、変更してもよい。尚、この例では、上記実施の形態(図3参照)及び上記別例(図7及び図8参照)と同様の処理を行うステップに関して同様の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0099】
前記ステップS2が終了すると、ステップS41に移行する。ステップS41において、前記制御装置11は、前記ステップS6と略同様に、前記測定した(記憶回路18に記憶した)第1及び第2の共振周波数f1,f2に基づいて前記駆動用定電圧を高周波駆動電圧V1とし、該高周波駆動電圧V1を超音波モータMに供給させ、超音波モータMをイニシャル駆動する。尚、ここで言うイニシャル駆動とは、ロータ2を予め設定された設定値に基づいて回転駆動することであって、例えば、超音波モータを車両ステアリングのチルト装置やテレスコ装置等に利用した場合、該ステアリング等を予め設定された位置に予め設定された速度(この例の場合、ロータ2を回転数300[rpm])で制御することである。
【0100】
又、ステップS41において、前記パルス回路19は、ロータ2の回転速度(回転数)に応じたパルス信号をマイコン12に出力する。そして、マイコン12は、前記パルス信号に基づき予め設定された(任意の)回転数(この例では−300(+300)[rpm])となった時の周波数である第1(及び第2)の駆動時周波数f1D(f2D)を測定する。尚、この例では、第1(及び第2)の駆動時周波数f1D(f2D)は、約57.9kHz(約60.9kHz)である(図4参照)。又、この例では、マイコン12、高定電圧回路13、昇圧回路15、周波数発生回路16、記憶回路18、及びパルス回路19が駆動時周波数測定手段を構成する。
【0101】
すると、ステップS42において、マイコン12は、測定した前記第1及び第2の駆動時周波数f1D,f2Dを記憶回路18に記憶させ、前記ステップS3に移行する。尚、この例における記憶回路18は、前記第1及び第2の共振周波数f1,f2と、前記第1及び第2の駆動時周波数f1D,f2Dとをそれぞれ記憶するための記憶領域を有し、ステップS42では前記第1及び第2の共振周波数f1,f2を記憶したまま、前記第1及び第2の駆動時周波数f1D,f2Dを記憶する。
【0102】
前記ステップS3において、スイッチ21の操作に基づく起動信号K1が入力されたと判断されると、ステップS31に移行する。
ステップS31において、マイコンは、前回測定してから経過した時間(待機時間)が予め設定された第1所定時間より短い(小)か、第1所定時間より長く予め設定された第2所定時間より短い(中)か、第2所定時間より長い(大)かを判断する。
【0103】
そして、ステップS31において、第1所定時間より短い(小)と判断すると、ステップS43に移行する。
ステップS43において、前記制御装置11は、前記ステップS6と略同様に、前記測定した(記憶回路18に記憶した)第1の駆動時周波数f1Dに基づいて前記駆動用定電圧を高周波駆動電圧V1とし、該高周波駆動電圧V1を超音波モータMに供給させ、超音波モータMを駆動し、ロータ2を所定量回転させる。尚、この例において、超音波モータMの起動時、周波数発生回路16は、第1の駆動時周波数f1D(約57.9kHz)より所定量(例えば0.5kHz)大きい周波数(58.4kHz)の高周波駆動電圧V1を供給し、その周波数を第1の駆動時周波数f1D側に移行させて超音波モータMを駆動する。
【0104】
又、ステップS43において、前記マイコン12は、前記ステップS41と略同様に、第1の駆動時周波数f1Dを測定する。
すると、ステップS44において、マイコン12は、測定した前記第1の駆動時周波数f1Dを記憶回路18に記憶させ、前記ステップS3に移行する。
【0105】
又、ステップS31において、第1所定時間より長く予め設定された第2所定時間より短い(中)と判断すると、前記ステップS4に移行し、次に前記ステップS5に移行する。
【0106】
又、ステップS31において、第2所定時間より長い(大)と判断すると、前記ステップS22に移行し、次に前記ステップS5に移行する。
そして、前記ステップS6において、ロータ2を所定量回転させると、超音波モータMの駆動を終了し、前記ステップS44に移行する。
【0107】
尚、この別例におけるステップS6は、前記ステップS43の一部の処理と同様に、第1の駆動時周波数f1Dを測定する処理を含む。よって、ステップS44において、マイコン12は、前記ステップS6にて測定した前記第1の駆動時周波数f1Dを記憶回路18に記憶させ、前記ステップS3に移行する。
【0108】
一方、前記ステップS3において、スイッチ21の操作に基づく起動信号K2が入力されたと判断されると、ステップS32に移行する。
ステップS32において、マイコンは、前回測定してから経過した時間(待機時間)が予め設定された第1所定時間より短い(小)か、第1所定時間より長く予め設定された第2所定時間より短い(中)か、第2所定時間より長い(大)かを判断する。
【0109】
そして、ステップS32において、第1所定時間より短い(小)と判断すると、ステップS45に移行する。
ステップS45において、前記制御装置11は、前記ステップS9と略同様に、前記測定した(記憶回路18に記憶した)第2の駆動時周波数f2Dに基づいて前記駆動用定電圧を高周波駆動電圧V1とし、該高周波駆動電圧V1を超音波モータMに供給させ、超音波モータMを駆動し、ロータ2を所定量回転させる。尚、この例において、超音波モータMの起動時、周波数発生回路16は、第2の駆動時周波数f2D(約60.9kHz)より所定量(例えば0.5kHz)大きい周波数(61.4kHz)の高周波駆動電圧V1を供給し、その周波数を第2の駆動時周波数f2D側に移行させて超音波モータMを駆動する。
【0110】
又、ステップS45において、前記マイコン12は、前記ステップS41と略同様に、第2の駆動時周波数f2Dを測定する。
すると、ステップS46において、マイコン12は、測定した前記第2の駆動時周波数f2Dを記憶回路18に記憶させ、前記ステップS3に移行する。
【0111】
又、ステップS32において、第1所定時間より長く予め設定された第2所定時間より短い(中)と判断すると、前記ステップS7に移行し、次に前記ステップS8に移行する。
【0112】
又、ステップS32において、第2所定時間より長い(大)と判断すると、前記ステップS24に移行し、次に前記ステップS8に移行する。
そして、前記ステップS9において、ロータ2を所定量回転させると、超音波モータMの駆動を終了し、前記ステップS46に移行する。
【0113】
尚、この別例におけるステップS9は、前記ステップS45の一部の処理と同様に、第2の駆動時周波数f2Dを測定する処理を含む。よって、ステップS46において、マイコン12は、前記ステップS9にて測定した前記第2の駆動時周波数f2Dを記憶回路18に記憶させ、前記ステップS3に移行する。
【0114】
即ち、この別例では、前回測定(駆動)してから経過した時間(待機時間)が第1所定時間より短い(小)場合、前回測定した(記憶回路18に記憶した)第1(第2)の駆動時周波数f1D(f2D)がそのまま測定結果とされ、該第1(第2)の駆動時周波数f1(f2)に基づいて前記超音波モータMを駆動させる。これにより、前回測定(駆動)してから経過した時間(待機時間)が極短い場合等、その測定時間が更に短くなる(実際の測定は行わないため0となる)。しかも、実際の駆動時に測定した駆動時周波数f1D(f2D)は、検索用高周波電圧V2の周波数を変化させて測定した共振周波数f1(f2)より信頼度の高いデータ(超音波モータMを駆動する上でより確実なデータ)となるため、超音波モータMを更に良好に駆動することができる。
【0115】
又、前回測定してから経過した時間が第1所定時間より長く予め設定された第2所定時間より短い(中)と、検索用高周波電圧V2の周波数を変化させる範囲が小さな範囲W2a(W2b)に設定され、前回測定してから経過した時間が第2所定時間より長い(大)と、検索用高周波電圧V2の周波数を変化させる範囲が前記範囲W1より狭く前記範囲W2a(W2b)より大きな範囲W3a(W3b)に設定される。よって、前回測定してから経過した時間(待機時間)が第1所定時間より長い場合、第1(第2)の共振周波数f1,f2が変位する確立に応じた範囲で測定することができ、測定する範囲を小さくしながら、即ち測定時間(その平均)を短くしながら第1及び第2の共振周波数f1,f2を確実に測定することができる。
【0116】
・上記実施の形態では、2度目以降の第1(第2)の共振周波数f1(f2)を測定する際、検索用高周波電圧V2の周波数を変化させる範囲W2a(W2b)は、前回測定した第1(第2)の共振周波数f1(f2)に基づいた狭範囲に設定されるとしたが、最初(ステップS1)に測定した第1(第2)の共振周波数f1(f2)に基づいた狭範囲(例えば、最初に測定した第1(第2)の共振周波数f1(f2)の前後1kHzの範囲)に設定されるようにしてもよい。このようにしても、その測定時間が短くなる。
【0117】
・上記実施の形態では、2度目以降の第1(第2)の共振周波数f1(f2)を測定する際、検索用高周波電圧V2の周波数を変化させる範囲W2a(W2b)は、前回測定した第1(第2)の共振周波数f1(f2)に基づいた狭範囲に設定されるとしたが、過去に測定した第1(第2)の共振周波数f1,f2の平均値に基づいた狭範囲(例えば、平均値の前後1kHzの範囲)に設定されるようにしてもよい。このようにしても、その測定時間が短くなる。
【0118】
・上記実施の形態では、ステップS1において、第1及び第2の共振周波数f1,f2を電流値に基づいてそれぞれ測定(計測)するとしたが、一方の共振周波数から他方の共振周波数が算出可能であれば、即ち一方の共振周波数と他方の共振周波数が一定の式の関係にあるならば、一方の共振周波数を測定(計測)し、他方の共振周波数を計測した共振周波数から算出して得るようにしてもよい。このようにすると、周波数を変化させる範囲を小さく、即ち測定時間を短くすることができる。
【0119】
・上記実施の形態では、超音波モータMの起動時、前記測定した第1(第2)の共振周波数f1(f2)より所定量(例えば1.5kHz)大きい周波数の高周波駆動電圧V1を供給し、その周波数を前記第1(第2)の共振周波数f1(f2)側に移行させるとしたが、測定した第1(第2)の共振周波数f1(f2)より所定量(例えば0.3kHz)小さい周波数の高周波駆動電圧V1を供給し、その周波数を前記第1(第2)の共振周波数f1(f2)側に移行させるようにしてもよい。このようにしても、上記実施の形態の効果と同様の効果を得ることができる。
【0120】
・上記実施の形態では、超音波モータMの起動時、前記測定した第1(第2)の共振周波数f1(f2)より所定量(例えば1.5kHz)大きい周波数の高周波駆動電圧V1を供給し、その周波数を測定した第1(第2)の共振周波数f1(f2)側に移行させるとしたが、ロータ2の回転数を任意の回転数とする場合、任意の回転数となるまで、前記周波数を測定した第1(第2)の共振周波数f1(f2)側に移行させればよい。このようにすると、確実且つ緩やかにロータ2を任意の回転数とすることができる。尚、勿論、前記測定した第1(第2)の共振周波数f1(f2)より所定量(例えば0.3kHz)小さい周波数の高周波駆動電圧V1を供給し、任意の回転数となるまで、その周波数を測定した第1(第2)の共振周波数f1(f2)側に移行させるようにしてもよい。
【0121】
・上記実施の形態では、超音波モータMの起動時、前記測定した第1(第2)の共振周波数f1(f2)より所定量(例えば1.5kHz)大きい周波数の高周波駆動電圧V1を供給し、その周波数を測定した第1(第2)の共振周波数f1(f2)側に移行させるとしたが、最初から第1(第2)の共振周波数f1(f2)の高周波駆動電圧V1を供給して起動するようにしてもよい。このようにしても、上記実施の形態の効果(1)〜(5)、(7)、(8)と同様の効果を得ることができる。
【0122】
・上記実施の形態では、第1及び第2の共振周波数f1,f2で、該共振周波数f1,f2毎に異なる回転特性(正逆回転する特性)で駆動される超音波モータMとしたが、一方の回転のみの超音波モータに変更してもよい。又、3つ以上の回転特性で駆動される超音波モータに変更してもよい。尚、この場合、共振周波数や、起動信号等の数が異なるため、各処理を適宜変更する必要がある。このようにしても、駆動前に測定した共振周波数に基づいて高周波駆動電圧を制御することで、超音波モータを良好に駆動することが可能となる。
【0123】
・上記実施の形態では、各ステップS1,S4,S7において、第1(第2)の共振周波数f1(f2)を測定する際、第1(第2)の共振周波数f1(f2)が検知されたことに基づいて、予め設定された範囲W1,W2a,W2bに関わらず、該測定を終了するとしたが、予め設定された範囲W1,W2a,W2bで周波数を変化させた後、該測定を終了するようにしてもよい。このようにしても、上記実施の形態の効果(1),(2),(4)〜(8)と同様の効果を得ることができる。尚、勿論、前記ステップS22,S24(図8及び図9参照)においても、予め設定された範囲W3a,W3bで周波数を変化させた後、該測定を終了するようにしてもよい。
【0124】
・上記実施の形態では、電源投入時、超音波モータMの起動に関わらず、予め最初の第1及び第2の共振周波数f1,f2の測定を行い、起動信号K1(K2)入力時、起動時の第1(第2)の共振周波数f1(f2)の測定を行い、該測定した第1(第2)の共振周波数f1(f2)に基づいて起動するとしたが、少なくとも1回、高周波駆動電圧より電圧が低く設定された検索用高周波電圧にて超音波モータの共振周波数を測定し、測定した共振周波数に基づいて高周波駆動電圧を制御するようにすれば、測定するタイミングを適宜変更してもよい。このようにしても、超音波モータを良好に駆動することが可能となる。
【0125】
・上記実施の形態では、高周波駆動電圧V1の周波数を移行させるための回路を、検索用高周波電圧V2の周波数を変化させるための周波数発生回路16と兼用としたが、別々の回路を用いて実施してもよい。このようにしても、上記実施の形態の効果(1)〜(6)、(8)と同様の効果を得ることができる。
【0126】
・上記実施の形態では、本発明を超音波モータを有する車両用アクチュエータの制御装置に具体化したが、超音波モータを駆動する制御装置であれば、車両用以外の制御装置に具体化してもよい。
【0127】
上記各実施の形態から把握できる技術的思想について、以下にその効果とともに記載する
(イ)最初に前記共振周波数を測定する際、前記検索用高周波電圧の周波数を変化させる範囲は、測定する共振周波数を含む広範囲に設定され、2度目以降の前記共振周波数を測定する際、前記検索用高周波電圧の周波数を変化させる範囲は、最初に測定した共振周波数に基づいた狭範囲に設定される。このようにすると、2度目以降の前記共振周波数を測定する際、前記検索用高周波電圧の周波数を変化させる範囲は、最初に測定した共振周波数に基づいた狭範囲に設定されるため、その測定時間が短くなる。
【0128】
(ロ)最初に前記共振周波数を測定する際、前記検索用高周波電圧の周波数を変化させる範囲は、測定する共振周波数を含む広範囲に設定され、2度目以降の前記共振周波数を測定する際、前記検索用高周波電圧の周波数を変化させる範囲は、過去に測定した共振周波数の平均値に基づいた狭範囲に設定される。このようにすると、2度目以降の前記共振周波数を測定する際、前記検索用高周波電圧の周波数を変化させる範囲は、過去に測定した共振周波数の平均値に基づいた狭範囲に設定されるため、その測定時間が短くなる。
【0129】
(ハ)前記2度目以降の前記共振周波数を測定する際、前記検索用高周波電圧の周波数を変化させる範囲は、前回測定してから経過した時間が長くなるほど大きな範囲に設定される。このようにすると、2度目以降の前記共振周波数を測定する際、前記検索用高周波電圧の周波数を変化させる範囲は、前回測定してから経過した時間が長くなるほど大きな範囲に設定される。言い換えると、前回測定してから経過した時間が短くなるほど小さな範囲に設定される。これにより、共振周波数が変位する確立に応じた範囲で測定することができ、周波数を変化させる範囲を小さくしながら、即ち測定時間を短くしながら共振周波数を確実に測定することができる。
【0130】
(ニ)前記2度目以降の前記共振周波数を測定する際で、前回測定してから経過した時間が極短い場合、前回測定した共振周波数をそのまま測定結果とする。このようにすると、前記2度目以降の前記共振周波数を測定する際で、前回測定してから経過した時間が極短い場合、前回測定した共振周波数がそのまま測定結果とされるため、その測定時間が更に短くなる。
【0131】
(ホ)前記高周波駆動電圧を印加して駆動する際、該駆動時における駆動時周波数(f1D,f2D)を測定する駆動時周波数測定手段を備え、前記2度目以降の前記共振周波数を測定する際で、前回駆動してから経過した時間が極短い場合、前回の駆動時に測定した駆動時周波数(f1D,f2D)をそのまま測定結果とする。
【0132】
このようにすると、駆動時周波数測定手段にて前記高周波駆動電圧を印加して駆動する際、該駆動時における駆動時周波数が測定され、前記2度目以降の前記共振周波数を測定する際で、前回駆動してから経過した時間が極短い場合、前回の駆動時に測定した駆動時周波数がそのまま測定結果とされるため、その測定時間が短くなる。しかも、駆動時に測定した駆動時周波数は、検索用高周波電圧の周波数を変化させて測定した共振周波数より信頼度の高いデータとなるため、超音波モータを更に良好に駆動することができる。
【0133】
(ヘ)電源投入時、前記超音波モータの起動に関わらず、最初の前記共振周波数の測定を行い、前記超音波モータの起動信号入力時、前記最初の共振周波数の測定に関わらず、起動時の共振周波数の測定を行い、該測定した共振周波数に基づいて起動する。このようにすると、電源投入後、前記超音波モータの起動に関わらず、予め最初の前記共振周波数の測定が行われる。そして、前記超音波モータの起動信号入力時、前記最初の前記共振周波数の測定に関わらず、起動時の前記共振周波数の測定が行われ、該測定した共振周波数に基づいて超音波モータが起動される。そして、2度目以降の前記共振周波数を測定する時間は短いため、最初の共振周波数の測定が行われた後、例えば、操作者によるスイッチの操作に基づいて起動信号が出力された場合、該スイッチの操作から測定が終了するまでの時間が短くなる。
【0134】
(ト)電源投入時、最初の前記共振周波数の測定を行い、該共振周波数に基づいた高周波駆動電圧を供給し、前記ロータを予め設定された設定値に基づいて回転駆動する。
【0135】
このようにすると、電源投入後、最初の前記共振周波数の測定が行われ、測定した共振周波数に基づいた高周波駆動電圧が供給され、前記ロータが予め設定された設定値に基づいて回転駆動される。よって、例えば、超音波モータを車両ステアリングのチルト装置やテレスコ装置等に利用した場合、車両イグニッションキーのオン操作に基づいて該ステアリング等を予め設定された位置に予め設定された速度(回転速度)で制御することができる。
【0136】
(チ)最初に前記共振周波数を測定する際、前記検索用高周波電圧の周波数を変化させる範囲を、測定する共振周波数を含む広範囲に設定し、2度目以降の前記共振周波数を測定する際、前記検索用高周波電圧の周波数を変化させる範囲を、最初に測定した共振周波数に基づいた狭範囲に設定する。このようにすると、2度目以降の前記共振周波数を測定する際、前記検索用高周波電圧の周波数を変化させる範囲は、最初に測定した共振周波数に基づいた狭範囲に設定されるため、その測定時間が短くなる。
【0137】
(リ)最初に前記共振周波数を測定する際、前記検索用高周波電圧の周波数を変化させる範囲を、測定する共振周波数を含む広範囲に設定し、2度目以降の前記共振周波数を測定する際、前記検索用高周波電圧の周波数を変化させる範囲を、過去に測定した共振周波数の平均値に基づいた狭範囲に設定する。このようにすると、2度目以降の前記共振周波数を測定する際、前記検索用高周波電圧の周波数を変化させる範囲は、過去に測定した共振周波数の平均値に基づいた狭範囲に設定されるため、その測定時間が短くなる。
【0138】
(ヌ)前記2度目以降の前記共振周波数を測定する際、前記検索用高周波電圧の周波数を変化させる範囲を、前回測定してから経過した時間が長くなるほど大きな範囲に設定する。このようにすると、2度目以降の前記共振周波数を測定する際、前記検索用高周波電圧の周波数を変化させる範囲は、前回測定してから経過した時間が長くなるほど大きな範囲に設定される。言い換えると、前回測定してから経過した時間が短くなるほど小さな範囲に設定される。これにより、共振周波数が変位する確立に応じた範囲で測定することができ、周波数を変化させる範囲を小さくしながら、即ち測定時間を短くしながら共振周波数を確実に測定することができる。
【0139】
(ル)前記2度目以降の前記共振周波数を測定する際で、前回測定してから経過した時間が極短い場合、前回測定した共振周波数をそのまま測定結果とする。このようにすると、前記2度目以降の前記共振周波数を測定する際で、前回測定してから経過した時間が極短い場合、前回測定した共振周波数がそのまま測定結果とされるため、その測定時間が更に短くなる。
【0140】
(ヲ)前記高周波駆動電圧を印加して駆動する際、該駆動時における駆動時周波数(f1D,f2D)を測定する工程を備え、前記2度目以降の前記共振周波数を測定する際で、前回駆動してから経過した時間が極短い場合、前回の駆動時に測定した駆動時周波数(f1D,f2D)をそのまま測定結果とする。
【0141】
このようにすると、前記高周波駆動電圧を印加して駆動する際、該駆動時における駆動時周波数が測定され、前記2度目以降の前記共振周波数を測定する際で、前回駆動してから経過した時間が極短い場合、前回の駆動時に測定した駆動時周波数がそのまま測定結果とされるため、その測定時間が短くなる。しかも、駆動時に測定した駆動時周波数は、検索用高周波電圧の周波数を変化させて測定した共振周波数より信頼度の高いデータとなるため、超音波モータを更に良好に駆動することができる。
【0142】
(ワ)電源投入時、前記超音波モータの起動に関わらず、最初の前記共振周波数の測定を行い、前記超音波モータの起動信号入力時、前記最初の共振周波数の測定に関わらず、起動時の共振周波数の測定を行い、該測定した共振周波数に基づいて起動する。このようにすると、電源投入後、前記超音波モータの起動に関わらず、予め最初の前記共振周波数の測定が行われる。そして、前記超音波モータの起動信号入力時、前記最初の前記共振周波数の測定に関わらず、起動時の前記共振周波数の測定が行われ、該測定した共振周波数に基づいて超音波モータが起動される。そして、2度目以降の前記共振周波数を測定する時間は短いため、最初の共振周波数の測定が行われた後、例えば、操作者によるスイッチの操作に基づいて起動信号が出力された場合、該スイッチの操作から測定が終了するまでの時間が短くなる。
【0143】
(カ)電源投入時、最初の前記共振周波数の測定を行い、該共振周波数に基づいた高周波駆動電圧を供給し、前記ロータを予め設定された設定値に基づいて回転駆動する。
【0144】
このようにすると、電源投入後、最初の前記共振周波数の測定が行われ、測定した共振周波数に基づいた高周波駆動電圧が供給され、前記ロータが予め設定された設定値に基づいて回転駆動される。よって、例えば、超音波モータを車両ステアリングのチルト装置やテレスコ装置等に利用した場合、車両イグニッションキーのオン操作に基づいて該ステアリング等を予め設定された位置に予め設定された速度(回転速度)で制御することができる。
【0145】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1〜に記載の発明によれば、超音波モータを良好に駆動することができる超音波モータの制御装置を提供することができる。
【0146】
又、請求項14に記載の発明によれば、超音波モータを良好に駆動することができる超音波モータの制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態における制御装置のブロック図。
【図2】本実施の形態における超音波モータの要部断面図。
【図3】本実施の形態における制御装置の処理を説明するためのフロー図。
【図4】本実施の形態における超音波モータの周波数−回転数特性図。
【図5】本実施の形態における超音波モータの周波数−電流特性図。
【図6】本実施の形態における超音波モータの周波数−インピーダンス・電力・位相角特性図。
【図7】別例における制御装置の処理を説明するためのフロー図。
【図8】別例における制御装置の処理を説明するためのフロー図。
【図9】別例における制御装置の処理を説明するためのフロー図。
【図10】従来技術における超音波モータの周波数−インピーダンス特性図。
【符号の説明】
1…ステータ、2…ロータ、5,6…第1及び第2圧電素子(圧電素子)、12…マイコン、14…低定電圧回路、15…昇圧回路、16…周波数発生回路、17…検出回路、18…記憶回路、M…超音波モータ、V1…高周波駆動電圧、V2…検索用高周波電圧、W1,W2a,W2b,W3a,W3b…範囲、f1…第1の共振周波数、f2…第2の共振周波数。

Claims (14)

  1. ステータ(1)の圧電素子(5,6)に高周波駆動電圧(V1)を印加し、該圧電素子(5,6)の駆動力により該ステータ(1)を振動させ、該振動により該ステータ(1)に圧接されたロータ(2)を回転駆動する超音波モータの制御装置であって、
    前記高周波駆動電圧(V1)より電圧が低い検索用高周波電圧(V2)の周波数を変化させて超音波モータ(M)の共振周波数(f1,f2)を測定するための共振周波数測定手段(12,14〜18)を備え
    前記超音波モータ(M)は、第1の共振周波数(f1)で前記ロータ(2)が逆回転となるように駆動されるとともに、第2の共振周波数(f2)で前記ロータ(2)が正回転となるように駆動されるものであり、
    前記共振周波数測定手段(12,14〜18)は、
    最初に、前記第1及び第2の共振周波数(f1,f2)の両方を含む広範囲に設定された範囲(W1)で前記検索用高周波電圧(V2)の周波数を変化させて前記第1及び第2の共振周波数(f1,f2)の両方を測定し、
    2度目以降に前記第1の共振周波数(f1)を測定する場合には、前回測定の第1の共振周波数(f1)に基づき最初の測定時の前記範囲(W1)よりも狭く設定された範囲(W2a)で、前記検索用高周波電圧(V2)の周波数を変化させて前記第1の共振周波数(f1)を測定するとともに、2度目以降に前記第2の共振周波数(f2)を測定する場合には、前回測定した第2の共振周波数(f2)に基づき最初の測定時の前記範囲(W1)よりも狭く設定された範囲(W2b)で、前記検索用高周波電圧(V2)の周波数を変化させて前記第2の共振周波数(f2)を測定することを特徴とする超音波モータの制御装置。
  2. 請求項1に記載の超音波モータの制御装置において、
    前記共振周波数測定手段(12,14〜18)は、
    前記検索用高周波電圧(V2)に応じた電圧値の検索用定電圧を発生するための検索用定電圧発生回路(14,15)と、
    前記検索用定電圧を前記検索用高周波電圧(V2)とするとともに、その周波数を変化させるための周波数発生回路(16)と、
    前記検索用高周波電圧(V2)の周波数を変化させた際に変化する共振時可変データを検出するための検出回路(17)と、
    前記共振時可変データに基づいた前記共振周波数(f1,f2)を記憶するための記憶回路(18)とを備えたことを特徴とする超音波モータの制御装置。
  3. 請求項1又は2に記載の超音波モータの制御装置において、
    2度目以降の前記第1及び第2の共振周波数(f1,f2)を測定する際、前記検索用高周波電圧(V2)の周波数を変化させる範囲(W2a,W2b,W3a,W3b)は、前回測定してから経過した時間に応じた範囲に設定されることを特徴とする超音波モータの制御装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の超音波モータの制御装置において、
    前記第1及び第2の共振周波数(f1,f2)を測定する際、測定する第1及び第2の共振周波数(f1,f2)が検知されたことに基づいて、前記予め設定された周波数を変化させる範囲(W1,W2a,W2b,W3a,W3b)に関わらず、測定を終了することを特徴とする超音波モータの制御装置。
  5. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の超音波モータの制御装置において、
    前記検索用高周波電圧(V2)の周波数を変化させた際に変化する共振時可変データは、電流値、電力値、抵抗値、位相角、フィードバック電圧の少なくとも1つであり、該共振時可変データに基づいて前記第1及び第2の共振周波数(f1,f2)を得ることを特徴とする超音波モータの制御装置。
  6. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の超音波モータの制御装置において、
    前記超音波モータ(M)の起動時、測定した前記共振周波数(f1,f2)より所定量大きい又は所定量小さい周波数の高周波駆動電圧(V1)を供給し、その周波数を測定した前記共振周波数(f1,f2)側に移行させることを特徴とする超音波モータの制御装置。
  7. 請求項に記載の超音波モータの制御装置において、
    前記ロータ(2)の回転数を任意の回転数とする場合、任意の回転数となるまで、前記高周波駆動電圧(V1)の周波数を測定した前記共振周波数(f1,f2)側に移行させることを特徴とする超音波モータの制御装置。
  8. 請求項6又は7に記載の超音波モータの制御装置において、
    前記高周波駆動電圧(V1)の周波数を移行させるための回路を、前記検索用高周波電圧(V2)の周波数を変化させるための周波数発生回路(16)と兼用としたことを特徴とする超音波モータの制御装置。
  9. ステータ(1)の圧電素子(5,6)に高周波駆動電圧(V1)を印加し、該圧電素子(5,6)の駆動力により該ステータ(1)を振動させ、該振動により該ステータ(1)に圧接されたロータ(2)を回転駆動する超音波モータの制御方法であって、
    超音波モータ(M)は、第1の共振周波数(f1)で前記ロータ(2)が逆回転となるように駆動されるとともに、第2の共振周波数(f2)で前記ロータ(2)が正回転となるように駆動されるものであり、
    最初に、前記第1及び第2の共振周波数(f1,f2)の両方を含む広範囲に設定された範囲(W1)で前記検索用高周波電圧(V2)の周波数を変化させて前記第1及び第2の共振周波数(f1,f2)の両方を測定し、
    2度目以降に前記第1の共振周波数(f1)を測定する場合には、前回測定の第1の共振周波数(f1)に基づき最初の測定時の前記範囲(W1)よりも狭く設定された範囲(W2a)で、前記検索用高周波電圧(V2)の周波数を変化させて前記第1の共振周波数(f1)を測定するとともに、2度目以降に前記第2の共振周波数(f2)を測定する場合には、前回測定した第2の共振周波数(f2)に基づき最初の測定時の前記範囲(W1)よりも狭く設定された範囲(W2b)で、前記検索用高周波電圧(V2)の周波数を変化させて前記第2の共振周波数(f2)を測定することを特徴とする超音波モータの制御方法
  10. 請求項9に記載の超音波モータの制御方法において、
    2度目以降の前記第1及び第2の共振周波数(f1,f2)を測定する際、前記検索用高周波電圧(V2)の周波数を変化させる範囲(W2a,W2b,W3a,W3b)を、前回測定してから経過した時間に応じた範囲に設定することを特徴とする超音波モータの制御方法
  11. 請求項9又は請求項10に記載の超音波モータの制御方法において、
    前記第1及び第2の共振周波数(f1,f2)を測定する際、測定する第1及び第2の共振周波数(f1,f2)が検知されたことに基づいて、前記予め設定された周波数を変化させる範囲(W1,W2a,W2b,W3a,W3b)に関わらず、測定を終了することを特徴とする超音波モータの制御装置。
  12. 請求項9乃至11のいずれか1項に記載の超音波モータの制御方法において、
    前記検索用高周波電圧(V2)の周波数を変化させた際に変化する共振時可変データは、電流値、電力値、抵抗値、位相角、フィードバック電圧の少なくとも1つであり、該共振時可変データに基づいて前記第1及び第2の共振周波数(f1,f2)を得ることを特徴とする超音波モータの制御方法。
  13. 請求項9乃至12のいずれか1項に記載の超音波モータの制御方法において、
    前記超音波モータ(M)の起動時、測定した前記共振周波数(f1,f2)より所定量大きい又は所定量小さい周波数の高周波駆動電圧(V1)を供給し、その周波数を測定した前記共振周波数(f1,f2)側に移行させることを特徴とする超音波モータの制御方法。
  14. 請求項13に記載の超音波モータの制御方法において、
    前記ロータ(2)の回転数を任意の回転数とする場合、任意の回転数となるまで、前記高周波駆動電圧(V1)の周波数を測定した前記共振周波数(f1,f2)側に移行させることを特徴とする超音波モータの制御方法。
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