JP3824886B2 - 載物台用送り機構 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、載物台を送るための載物台用送り機構に関する。
【0002】
【背景技術】
測定顕微鏡には、測定対象物の測定部位を観察位置まで移動させるために、固定部材に対して、測定対象物が載置される載物台を移動させる載物台用送り機構が備えられている。
従来の載物台用送り機構は、図6,7に示すように、載物台100にフレーム101を介して回転可能かつ載物台100の移動方向に対して平行に支持された送りねじ軸120と、送りねじ軸120を回転させる送りハンドル130と、固定部材110側にブラケット111を介して設けられ送りねじ軸120に噛合可能なナット部材としてのハーフナット140とを備えて構成されている。
【0003】
これにより、一方の手(右手)で送りハンドル130を操作すると、送りねじ軸120が回転するので、送りねじ軸120に噛合されたハーフナット140との協働により、載物台100が、固定部材110に対して送りねじ軸120に沿った方向へと移動(微動)される。
しかし、載物台100を大きく移動(粗動)させたい場合に、送りねじ軸120の回転で載物台100を移動させるこのような機構では、送りハンドル130の操作回数を増加させなければならず、非常に効率が悪い。
【0004】
そこで、この点を改善するために、送りねじ軸120の軸方向に直交する方向(上下方向)へハーフナット140を移動させて、送りねじ軸120とハーフナット140との噛合および離脱を可能にするフローティングレバー150を設けある。
これにより、他方の手(左手)でフローティングレバー150を操作すると、ハーフナット140と送りねじ軸120とが離脱して、載物台100がフリー状態となるので、このフリー状態としたままで送りハンドル130を動かせば、載物台100を粗動させることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように載物台100の粗動および微動の切換をフローティングレバー150の操作により行っているが、微動のための送りハンドル130と粗動のためのフローティングレバー150とが離れているため、測定顕微鏡による測定時には、観察または測定のために覗いていた接眼レンズから一度目を離して、フローティングレバー150の位置を確認しなければならず、操作性が悪く、測定作業が繁雑であるという問題があった。
なお、このような問題は、測定顕微鏡に限らず、測定投影機等の載物台用送り機構を有するその他の測定機器においても同様であった。
【0006】
本発明の目的は、操作性を向上して測定作業を簡単にできる載物台用送り機構を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の載物台用送り機構は、固定部材に対して、測定対象物が載置される載物台を移動させる載物台用送り機構であって、前記載物台に回転可能かつ前記載物台の移動方向に対して平行に支持された送りねじ軸と、この送りねじ軸を回転させる送りハンドルと、前記固定部材に設けられ前記送りねじ軸に噛合可能なナット部材と、このナット部材を前記送りねじ軸に対して噛合および離脱させる噛合離脱手段とを備え、前記噛合離脱手段は、前記載物台に前記送りねじ軸と平行に配置される切換軸と、この切換軸を回転させる操作部と、前記切換軸および前記送りねじ軸を挟んで前記固定部材に支持され、それぞれ前記ナット部材を有する2枚の板ばねと、前記切換軸に設けられ当該切換軸の回転に応じて、前記ナット部材が前記送りねじ軸に対して噛合および離脱する方向へ前記2枚の板ばねを変形させるカムとを備え、前記噛合離脱手段の操作部は、前記送りハンドルの近傍に配置されるとともに、前記送りハンドル近傍の前記送りねじ軸に回転可能に設けられ、かつその送りねじ軸を中心とする歯車部を有する切換ハンドルと、前記切換軸に取り付けられるとともに、前記歯車部に噛合する歯車とを備え、前記切換ハンドルの操作により、前記歯車を介して、前記切換軸が回転可能に構成されていることを特徴とするものである。
【0008】
このような本発明において、例えば、載物台に送りねじ軸が設けられるとともに、固定部材側にナット部材が設けられ、かつ載物台の上方に接眼レンズが設けられている場合には、一方の手(右手)で噛合離脱手段を操作して、送りねじ軸とナット部材とを噛合させた後に、接眼レンズを覗き、その覗いた状態のまま、右手で送りハンドルを操作すると、送りねじ軸が回転するから、この送りねじ軸に噛合されたナット部材との協働により、載物台を送りねじ軸に沿った方向へ微動させることができる。
また、このように接眼レンズを覗いた状態のままで、右手を少しずらして送りハンドル近傍に配置された噛合離脱手段の操作部を操作し、送りねじ軸とナット部材とを離脱させると、載物台がフリー状態となるため、そのまま右手で送りねじ軸に沿った方向へ載物台を粗動させることができる。
さらに、載物台がフリー状態の場合において、右手で噛合離脱手段を操作して、送りねじ軸とナット部材とを噛合させた後に、右手を少しずらして送りハンドルを操作すると、前述と同様にして、載物台を微動させることができる。
このようにして、接眼レンズを覗いた状態のまま右手(片手)だけで、載物台の微動,粗動に加えて、微動,粗動の切り替え操作ができるので、操作性を向上できて測定作業を簡単にできる。
【0009】
また、噛合離脱手段の操作部が操作されると、切換軸が回転し、この切換軸の回転に応じてカムが動き、ナット部材と送りねじ軸とが噛合および離脱する方向に2枚の板ばねが変形する。このように噛合離脱手段の操作部を操作するだけで、ナット部材と送りねじ軸との噛合,離脱を簡単に切り替えることができる。
【0010】
また、切換ハンドルを回転させると、切換ハンドルの歯車部と歯車との噛合を介して切換軸が回転する。このため、比較的簡単な構造でありながら、確実に切換軸を回転できる。
また、送りハンドルに加えて切換ハンドルも送りねじ軸に対して回転可能としたので、各ハンドルが同軸を中心として回転することになる。このため、例えば、接眼レンズを覗きながらでも、これらのハンドルに掛ける手をスムーズに行き来させることができて、載物台の粗動と微動との切換操作をすばやくかつ確実に行うことができる。
【0011】
さらに、前記ナット部材のピッチは、前記送りねじ軸のピッチよりも小さく形成されていることが好ましい。この際、前記ナット部材のピッチは、前記送りねじ軸のピッチの半分であることがより好ましい。
ここで、送りねじ軸とナット部材とが噛み合う場合には、送りねじ軸およびナット部材におけるねじ山の頂点同士がぶつかった状態から、そのねじ山の頂点同士が僅かずれると、ナット部材のピッチ分だけ載物台がずれることになる。これにより、載物台上の測定対象物にも衝撃が加えられ、その衝撃が強いと測定対象物が位置ずれを起こすとになる。
しかしながら、本発明では、ナット部材のピッチを送りねじ軸のピッチよりも小さく形成したので、載物台のずれ幅が小さくなることにより前述の衝撃が小さくなるから、測定対象物の位置ずれを防止できる。このため、再度の位置決め作業等を行って測定をやり直す必要もないから、測定作業を能率的にできる。
【0012】
また、前記ナット部材の内径は、前記送りねじ軸の外径よりも大きく形成されていることが好ましい。
このような構成によれば、送りねじ軸およびナット部材において、摺動する歯面同士の接触部分が小さくなるので、載物台の移動方向と送りねじ軸の方向との平行がずれたとしても2枚の板ばねが変形してこのずれを吸収するため、送りねじ軸と送りナットとを確実に噛合させることができる。
即ち、送りねじ軸の外径に対してナット部材の内径の方を大きくした理由は、同一径にした場合載物台の移動に対し送りねじ軸の平行を出さないと、送りねじ軸とナット部材との噛み合いが悪くなり、微動送りに支障が起こる。本発明では、送りねじ軸の外径に対してナット部材の内径の方を大きくしたので、載物台の移動と、ナット部材の平行が若干狂っても、例えば上下方向には板ばねが変形して対応でき、また、前後方向は送りねじ軸に対しナット部材で噛み合わされているので、これも板ばねの変形で対応が可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る載物台用送り機構を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態の測定顕微鏡1の一部を上方から見た断面図であり、図2は、図1のII-II線縦断面図であり、図3は、図1のIII-III線縦断面図であり、図4は、測定顕微鏡1の要部を左側から見た断面図であり、図5は、操作部4の要部を拡大して前方から見た断面図である。
【0014】
図1に示すように、測定顕微鏡1は、固定部材2と、この固定部材2の上側に配置され、かつ測定対象物(図示略)が載置される略直方体状の載物台3と、この載物台3の前面に取り付けられ、かつ固定部材2に対して載物台3を移動させる操作部4とを備える。
【0015】
操作部4は、載物台3の前面にねじ止めされ、かつ内部が中空で略直方体状の操作部本体20と、この操作部本体20の右側に配置される操作ハンドル30とを備える。
【0016】
操作部本体20の内部側には、この操作部本体20に回転可能に支持された2本の軸が配置される。これらの2本の軸は、操作部本体20の左右側面20L,20Rに渡って前後に平行に配置されており、前側の軸が送りねじ軸21であり、後側の軸が切換軸22である。
【0017】
送りねじ軸21は、外径が10mmでピッチが1mmとなるように外周側がねじ切りされた送りねじ軸本体23と、この送りねじ軸本体23の左端に設けられるとともに、操作部本体20の左側面20Lに対して回転可能に軸受けされた左側軸部材24と、送りねじ軸本体23の右端に設けられるとともに、操作部本体20の右側面20Rに対して回転可能に軸受けされ、かつ右側面20Rを貫通して操作ハンドル30側へと突出する右側軸部材25とを備える。
【0018】
切換軸22は、図4にも示すように、その中間部分から左端側にかけて軸22に沿って、切換軸22の中心軸を挟んで対称となる位置に、切欠き22A,22Bが形成されている。
ここで、切換軸22の外周において、切欠き22A,22Bを有する部分には、図3,4に示すように、粗動切換スリーブ40が取り付けられる。
【0019】
粗動切換スリーブ40は、図3に示すように、内部側に切換軸22を通すための空間が設けられた円筒状の樹脂製部材であって、円筒状の内部側において円の中心を挟んで対称の位置には、切欠き22A,22Bに係合する突起40A,40B(図4)が形成されている。つまり、突起40A,40Bと切欠き22A,22Bとを係合させて、粗動切換スリーブ40を切換軸22に取付けることにより、粗動切換スリーブ40が切換軸22に対して回転規制された状態で軸方向へスライドできるようになっている。
また、粗動切換スリーブ40において、図3中の左側部分は外側へ膨出しており、この膨出部分がカム41である。ここで、カム41は、図4に示すように、断面が滑らかな曲面を有する略楕円形状とされている。
なお、粗動切換スリーブ40において送りナットホルダ11に挿通される部分は、円筒部分42である。
【0020】
操作ハンドル30は、図5に拡大して示すように、載物台3を所定位置まで移動させるために使用者の手が置かれて操作される部分であり、操作部本体20の右側面20Rの右側に設けられた噛合離脱手段の操作部としての粗動切換ハンドル31と、この粗動切換ハンドル31の右側に設けられた微動送りハンドル32とを備えて構成される。
【0021】
粗動切換ハンドル31は、右側軸部材25の外側のスリーブ25Aを回転軸として、換言すれば右側軸部材25を回転中心として回転可能に設けられ、かつその右側軸部材25を中心とする歯車部33Aを有する略円柱状の粗動切換ハンドル本体33と、切換軸22の右端に取り付けられて切換軸22と同軸上で回転し、かつ歯車部33Aに噛合する平歯車34とを備える。
【0022】
ここで、粗動切換ハンドル本体33が回転すると、粗動切換ハンドル本体33の歯車部33Aと平歯車34との噛合を介して、平歯車34が粗動切換ハンドル本体33の回転とは反対の方向へと回転し、平歯車34に固定された切換軸22が回転することになる。
【0023】
微動送りハンドル32には、つまみ部32Aが回転可能に設けられている。微動送りハンドル32は、その中央部分が右側軸部材25の右端部にビス止めされた略円柱状のハンドルであり、右側軸部材25を回転軸として回転可能となっている。つまり、つまみ部32Aを介して、微動送りハンドル32を回転させると、送りねじ軸21が回転することになる。
なお、微動送りハンドル32および粗動切換ハンドル本体33は、略同じ大きさの円柱状に形成されており、それぞれの上下端面の高さ位置が略等しくなっている。
【0024】
固定部材2は、載物台3の下側に配置された略直方体状の固定台10と、ブラケット10Aを介して、固定台10の前面に取り付けられる送りナットホルダ11とを備える。
【0025】
送りナットホルダ11は、図1に示すように、下方へと突出するブラケット10Aの上面にビス止めされている。この送りナットホルダ11の上面および下面には、略長方形状の2枚の板ばね12(12A,12B)がそれぞれ固定されている。また、2枚の板ばね12の対向面(内側面)には、ナット部材としてのハーフナット状の送りナット13(13A,13B)がそれぞれビス止めされている。
【0026】
また、送りナットホルダ11は、図1〜4に示すように、厚さ寸法(図4で上下寸法)がカム41における断面楕円の短軸部分の寸法と略同じとされ、かつ左右方向の長さ(幅)寸法が粗動切換スリーブ40における円筒部分42の左右方向の長さ寸法と略同じとされた略直方体状の部材であって、その左右方向には、送りねじ軸21と、粗動切換スリーブ40が取付けられた切換軸22とをそれぞれ挿通させるための挿通孔14,15(図2,3)が前後に形成されている。
また、送りナットホルダ11は、その上面から上方へ逆L字状に膨出(突出)する膨出部11Aと、その下面から下方へ同様に逆L字状に膨出する膨出部11Bとを有する(図2,3参照)。
【0027】
図3に示すように、挿通孔14には、切換軸22に取付けられた粗動切換スリーブ40のうち、カム41ではない円筒部分42だけが挿通される。このため、円筒部分42よりも断面積が大きいカム41は、挿通孔14には挿通されずに、送りナットホルダ11の左側に位置することとなる。
【0028】
2枚の板ばね12は、送りねじ軸21および切換軸22を挟んで対向配置されるとともに、その左右方向の長さ寸法は、粗動切換スリーブ40の左右方向の長さ寸法と略同じとされている。
【0029】
また、2枚の板ばね12のうちの上側の板ばね12Aは、その内側面の図1中の右端側が膨出部11Aに当接しており、板ばね12Aの右端側と膨出部11Aとが3つのビスで固定されている。また、下側の板ばね12Bも同様に、板ばね12Bの右端側と膨出部11Bとが3つのビスで固定されている。
【0030】
また、2枚の板ばね12(12A,12B)の内側面の図1中の左前側には、送りねじ軸21の外周側のねじに噛合可能で、かつ内径が12mmでピッチが0.5mmの送りナット13(13A,13B)が2つのビスでそれぞれ固定されている。
【0031】
以上のことから、送りナットホルダ11と2枚の板ばね12とは、2枚の板ばね12の右端側においてビス止めされている(固定端)ものの、2枚の板ばね12の左端側においては固定されていない。このため、2枚の板ばね12の左端側(自由端)は、上下方向へと変形可能となっている。また、粗動切換スリーブ40のカム41の外周面は、2枚の板ばね12の内側面の左端上側(自由端上側)で当接している。
【0032】
従って、粗動切換ハンドル本体33を操作すると、平歯車34を介して切換軸22が回転し、この切換軸22の回転に伴って粗動切換スリーブ40が回転する。すると、2枚の板ばね12の左側部分において、2枚の板ばね12間の寸法は、カム41の短軸部分の寸法から長軸部分の寸法へと拡げられることになる。
このように2枚の板ばね12間の寸法が大きくなると、送りねじ軸21と送りナット13との噛合が解除され、載物台3および操作部4は、固定部材2に対して、軸21,22に沿った方向へと自由に移動可能なフリー状態となる。
なお、通常時には、粗動切換ハンドル本体33は、送りねじ軸21と送りナット13とが噛合する位置で設定されている。
【0033】
ここで、本発明に係る載物台用送り機構は、送りねじ軸21と、微動送りハンドル32と、送りナット13と、噛合離脱手段とで構成される。この噛合離脱手段は、粗動切換ハンドル31と、切換軸22と、2枚の板ばね12と、粗動切換スリーブ40のカム41とで構成されている。
【0034】
このような測定顕微鏡1において、載物台3の所定位置に測定対象物を固定し、接眼レンズ(図示略)を覗きながら、載物台3つまり測定対象物を位置決め固定する際の操作について説明する。
まず、接眼レンズを覗いた状態で、片手、例えば右手(指)で微動送りハンドル32を操作すると、送りねじ軸21が回転するから、送りねじ軸21に噛合された送りナット13との協働により、載物台3が送りねじ軸21に沿って微動する。この際、所定の位置で微動送りハンドル32の操作を止めれば、載物台3がその位置で位置決めされる。
【0035】
ここで、接眼レンズを覗いた状態のままで、載物台3を粗動させたい場合には、まず、微動送りハンドル32に掛けた右手を左側の粗動切換ハンドル本体33へと移動し、粗動切換ハンドル本体33の回転操作を行う。このような回転操作を行うと、粗動切換スリーブ40のカム41によって、送りねじ軸21と送りナット13とが離脱し、載物台3がフリー状態となる。そして、ハンドル上の右手で載物台3を粗動できる。つまり、片手操作のままで、微動送りと粗動送りとを切換できる。
【0036】
また、載物台3がフリー状態で、載物台3を微動させたい場合には、まず、右手で前述とは反対の方向へと粗動切換ハンドル本体33を回転操作して、送りねじ軸21と送りナット13とを噛合させ、載物台3をフリー状態から噛合状態へと変更する。その後、右手を右側に少しずらして、微動送りハンドル32を操作すると、前述と同様にして、載物台3が微動する。
【0037】
ここで、載物台3がフリー状態から固定状態へと変更されると、送りねじ軸21と送りナット13とが、離脱した状態から噛合した状態へと変化する。この際、送りねじ軸21のねじ山の頂点と送りナット13の山の頂点が当たる場合ががあり、この状態から送りナット13のピッチ分だけ載物台3がずれることになる。この際にも、ずれ量が従来の2分の一であるから、載物台3上の測定対象物に加えられる衝撃も小さく、従って、測定対象物の位置ずれを抑えることができる。
以上のような操作により、載物台3つまり測定対象物が位置決め固定される。
【0038】
本実施形態によれば、以下に示すような効果がある。
(1)粗動切換ハンドル31と微動送りハンドル32とが隣接して配置されているため、接眼レンズを覗いたままの状態でも、右手だけで、載物台3の微動粗動の操作に加えて、微動と粗動との切り替え操作ができるので、測定顕微鏡1における操作性を向上できて測定作業を簡単にできる。
【0039】
(2)微動送りハンドル32と粗動切換ハンドル本体33とが同軸を中心として回転し、しかも、微動送りハンドル31および粗動切換ハンドル本体33における上下面の高さ位置が同じとなるようにしたので、微動送りハンドル31および粗動切換ハンドル本体33に掛ける手をスムーズに移動させることができる。このため、接眼レンズを覗きながらでも、粗動と微動との切換操作をすばやく、かつ確実に行うことができる。
【0040】
(3)粗動切換ハンドル本体33が操作されると、粗動切換ハンドル本体33の歯車部33Aと平歯車34との噛合を介して切換軸22が回転し、この切換軸22の回転に応じてカム41が動き、送りナット13と送りねじ軸21とが噛合および離脱する方向に2枚の板ばね12が変形する。このように粗動切換ハンドル本体33を操作するだけで、送りナット13と送りねじ軸21との噛合,離脱を簡単に切り替えることができる。また、このように比較的簡単な構造でありながらも、確実に切換軸22を回転できる。
【0041】
(4)送りナット13のピッチを、送りねじ軸21のピッチの半分としたので、従来のように送りナット13のピッチと送りねじ軸21のピッチとを等しくする場合に比べて、送りねじ軸21および送りナット13をフリー状態から噛合状態に移行させた際における載物台3のずれ幅が小さくなるので、このようなずれが生じた時に発生する載物台3への衝撃が小さくなる。このため、載物台3に対する測定対象物の位置ずれを防止でき、測定作業をより一層簡単にできる。
【0042】
(5)ここで、送りナット13の内径と送りねじ軸21の外径とを同一とした場合には、載物台3の移動方向と送りねじ軸21の方向とを正確に平行としておかないと、送りねじ軸21と送りナット13との噛み合いが悪くなり、載物台3の微動に支障が起こりやすくなる。そこで、本実施形態においては、送りナット13の内径(12mm)を、送りねじ軸21の外径(10mm)よりも大きくしたので、送りねじ軸21および送りナット13において、摺動する歯面同士の接触部分が小さくなるから、載物台3の移動方向と送りねじ軸21の方向との平行がずれたとしても、このずれを2枚の板ばね12が変形して吸収するため、送りねじ軸21と送りナット13とを確実に噛合させることができる。
即ち、送りねじ軸21の外径(10mm)に対して送りナット13の内径(12mm)の方を大きくした理由は、同一径にした場合載物台3の移動に対し送りねじ軸21の平行を出さないと、送りねじ軸21と送りナット13との噛み合いが悪くなり、微動送りに支障が起こる。本実施形態では、送りねじ軸21の外径に対して送りナット13の内径の方を大きくしたので、載物台3の移動と、送りナット13の平行が若干狂っても、上下方向には板ばね12が変形して対応でき、また、前後方向は送りねじ軸21に対し送りナット13で噛み合わされているので、これも板ばね12の変形で対応が可能となる。
【0043】
(6)粗動切換スリーブ40を樹脂製としたので、突起40A,40B等も一体的に形成することができ、金属製とする場合のように後加工が要らないから、簡単に製造できて、製造コストを抑えることができる。また、載物台3を移動させると、切換軸22と粗動切換スリーブ40との間には、滑り運動が生じるが、このように粗動切換スリーブ40に樹脂を採用したので、滑らかな滑りとすることができる。
【0044】
(7)また、粗動切換スリーブ40のカム41を滑らかな曲面を有する楕円形状としたので、カム41の外周面が2枚の板ばね12に沿って滑らかに摺動する。このため、小さな力で簡単に切換軸22を回転させることができる。換言すれば、一定の力で切換軸22を回転させることにより、切換軸22の回転角度に従って2枚の板ばね12をスムーズに広げることができる。このため、載物台3への衝撃を小さくできるので、測定時の操作性をより一層向上できる。
【0045】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。
例えば、前記実施形態において、送りナット13のピッチを送りねじ軸21のピッチの半分としたが、これに限らず、1/3や1/4等のその他の割合としてもよいし、送りねじ軸21と送りナット13との噛合を確実にできれば、各ピッチを等しくしてもよい。
ただし、送りナット13のピッチを送りねじ軸21のピッチの半分よりも小さくすると、送りナット13と送りねじ軸21との噛合具合が低下する不具合が生じ易くなり、一方、送りナット13のピッチを送りねじ軸21のピッチの半分よりも大きくすると、載物台3のずれが大きくなるという不具合が生じ易くなる。しかしながら、前記実施形態の場合には、これらの2点がそれぞれ許容できる範囲となり、これら2点を十分に満足できるという利点がある。
なお、送りナット13のピッチを送りねじ軸21のピッチよりも大きくしてもよいが、載物台3の位置がずれやすくなるため、送りナット13のピッチを送りねじ軸21のピッチよりも小さくする方がよい。
【0046】
前記実施形態において、送りナット13の内径を12mmとし、送りねじ軸21の外径を10mmとしたが、送りナット13および送りねじ軸21が噛合できて、載物台3が確実に移動できれば、送りナット13および送りねじ軸21の寸法は特に限定されない。
【0047】
また、前記実施形態において、送りナット13には、めねじを施していたが、これに限らず、平行なセレーションとして形成してもよい。ただし、前記実施形態の方が、送りナット13および送りねじ軸21の噛合が確実となり、動力の伝達がスムーズにできるという利点がある。
【0048】
また、前記実施形態において、2枚の板ばね12の間に、カム41を有する粗動切換スリーブ40が設けられた切換軸22を配置し、この切換軸22が回転する際のカム41によって、2枚の板ばね12を変形させる機械的な構造としたが、これに限らず、例えば、2枚の板ばね12に対して、磁気的な反発作用や吸引作用が生じるように磁石等を設置して、2枚の板ばね12を変形させてもよい。要するに、送りナット13および送りねじ軸21の噛合、離脱の切換えが確実に行えるのであれば、その構造は、機械的なものや、磁気的なもの、さらには、電気的なものでもよく、任意にできるということである。
【0050】
前記実施形態において、測定顕微鏡1を測定顕微鏡用としたが、これに限らず、例えば、測定投影機等のその他の測定機器に用いてもよい。
【0051】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明の載物台用送り機構によれば、操作性を向上できて、測定作業を簡単にできるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る測定顕微鏡の一部を上方から見た断面図である。
【図2】図1におけるII-II線縦断面図である。
【図3】図1におけるIII-III線縦断面図である。
【図4】前記実施形態における測定顕微鏡の要部を左側から見た断面図である。
【図5】前記実施形態における操作部の要部を拡大して前方から見た断面図である。
【図6】従来の測定顕微鏡の一部を上方から見た断面図である。
【図7】前記従来の測定顕微鏡の要部を右側から見た断面図である。
【符号の説明】
1 測定顕微鏡
2 固定部材
3 載物台
4 操作部4
10 固定台
10A ブラケット
11 送りナットホルダ
12(12A,12B) 2枚の板ばね
13(13A,13B) ナット部材としての送りナット
21 送りねじ軸
22 切換軸
31 噛合離脱手段の操作部としての粗動切換ハンドル
32 送りハンドルとしての微動送りハンドル
33 粗動切換ハンドル本体
33A 歯車部
34 歯車としての平歯車
40 粗動切換スリーブ
41 カム
100 載物台
110 固定部材
120 送りねじ軸
130 回転ハンドル
140 ハーフナット
150 フローティングレバー

Claims (4)

  1. 固定部材に対して、測定対象物が載置される載物台を移動させる載物台用送り機構であって、
    前記載物台に回転可能かつ前記載物台の移動方向に対して平行に支持された送りねじ軸と、この送りねじ軸を回転させる送りハンドルと、前記固定部材に設けられ前記送りねじ軸に噛合可能なナット部材と、このナット部材を前記送りねじ軸に対して噛合および離脱させる噛合離脱手段とを備え、
    前記噛合離脱手段は、前記載物台に前記送りねじ軸と平行に配置される切換軸と、この切換軸を回転させる操作部と、前記切換軸および前記送りねじ軸を挟んで前記固定部材に支持され、それぞれ前記ナット部材を有する2枚の板ばねと、前記切換軸に設けられ当該切換軸の回転に応じて、前記ナット部材が前記送りねじ軸に対して噛合および離脱する方向へ前記2枚の板ばねを変形させるカムとを備え、
    前記噛合離脱手段の操作部は、前記送りハンドルの近傍に配置されるとともに、前記送りハンドル近傍の前記送りねじ軸に回転可能に設けられ、かつその送りねじ軸を中心とする歯車部を有する切換ハンドルと、前記切換軸に取り付けられるとともに、前記歯車部に噛合する歯車とを備え、前記切換ハンドルの操作により、前記歯車を介して、前記切換軸が回転可能に構成されていることを特徴とする載物台用送り機構。
  2. 請求項1に記載の載物台用送り機構において、前記ナット部材のピッチは、前記送りねじ軸のピッチよりも小さく形成されていることを特徴とする載物台用送り機構。
  3. 請求項に記載の載物台用送り機構において、前記ナット部材のピッチは、前記送りねじ軸のピッチの半分であることを特徴とする載物台用送り機構。
  4. 請求項1に記載の載物台用送り機構において、前記ナット部材の内径は、前記送りねじ軸の外径よりも大きく形成されていることを特徴とする載物台用送り機構。
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