JP3824770B2 - 錫−銀合金電気めっき浴 - Google Patents

錫−銀合金電気めっき浴 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、錫−銀合金めっき用の溶液組成物、それによるめっき方法及びそれにより形成しためっき体に関する。特に、錫−銀の合金めっき用の錫−銀合金電気めっき浴に関する。即ち、特に、電子部品の接合、実装におけるハンダ接合のための部品、リードフレーム−プリント配線基板の表面処理としての錫−銀合金被膜を作製するためのめっき浴とその利用方法と利用して形成しためっき体に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子工業において、錫、鉛を基本成分とするはんだを用いる部品の接合は、不可欠の処理工程である。はんだ付けを迅速かつ確実に行うためには、はんだ接合箇所に予めはんだ付け性の良好な皮膜、即ち、はんだ付け温度で溶融する金属、合金皮膜を施しておく処理が一般的に行われる。そのための皮膜としては、接合に用いるはんだ材料と同一組成の合金が最適であり、錫−鉛合金電気めっき皮膜が一般的に広く使用されている。然し乍ら、近年、重金属の鉛の環境への影響が問題視され、有害な鉛を含む錫−鉛合金はんだを無鉛はんだに変更しようとする動きが強まっている。それに対応して、はんだ接合箇所の表面処理としても、はんだ材料と同一組成の無鉛合金の電気めっきの開発に対する要望が強くなっている。
【0003】
また、錫−銀合金めっきは、現在プリント配線基板に用いられるワイヤーボンデイング法に替わる接続法として期待されているバンプ上へのめっき合金として注目されている合金めっきである。然し乍ら、この合金めっきの用途が非常に明るいにもかかわらず、本格的な工業化には至っていない。
【0004】
錫と銀とは、析出電位が、標準酸化還元電位の比較で900mV以上離れているため、銀が優先的に析出し、錫を共析させるのが困難である。従来の技術としては、(1)銀イオンを安定化させる錯化剤としてシアン化物を用い、錫源として4価の錫酸カリウムを用い強アルカリ液からめっきする方法(田辺等、金属表面技術、34巻9号452頁(1983))があり、また、特開昭60−2661号に記載されるように、ピロリン酸を錫の錯化剤として用いためっき浴に、シアン化銀を添加し、アンチモンを光沢剤として使用しためっき液であった。そのために、そのめっき浴中には、極めて毒性の強いシアン化化合物、アンチモンを含有しており、取扱に十分な注意が必要である。また、このめっき液はアルカリ性であるために、錫−銀合金めっきの新規な用途であるプリント配線基板では、そのプリント基板を劣化させる恐れがある。
(2)そのために、シアン化合物の有毒性を克服し、更に、弱酸性浴を提案している。然し乍ら、このめっき浴では高価なメタンスルホン酸錫、メタンスルホン酸銀を使用しているために、工業的には高コストになる。更に、特開平7−252684号では、シアン化物が存在しないで且つ広い範囲のpHで安定して運転できる銀−錫合金めっき沈着浴を提案している。然し乍ら、ここでは、メルカプトアルカンカルボン酸またはメルカプトアルカンスルホン酸を安定剤として用いているものである。即ち、メルカプトアルカン基の活性が、緩衝的な役目をして、シアン化物が存在しない広い範囲のpHで安定性を確保でき、室温から高温までで電解処理が可能にしたものである。更に、シアン化物を使用しないで、2価錫イオンを安定化させる錯化剤としてピロリン酸塩を、銀イオンを安定化させる錯化剤として、沃素化合物を用いた液からめっきする方法(特開平9−296274号)がある。
【0005】
更に、特開平9−302498号は、錫イオンの錯化剤として、脂肪族ジカルボン酸等の種々の有機化合物及び銀イオンの錯化剤として、チオ尿素、チオ硫酸、沃素化合物または臭素化合物を用い、更に、海面活性剤を添加した錫−銀合金電気めっき浴を提案している。銀イオンの強力な錯化剤により、銀の析出電位を錫に近接させて錫−銀合金めっき物を得ようとするものであるが、銀の析出電位が錫より貴であることは避けられない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、問題点を解決するためになされたもので、特殊なめっき用溶液組成物を提供することで、即ち、錫塩、銀塩の種類にこだわらない、毒性の極めて低くても、錫−銀の合金めっき皮膜を得ることが課題である。即ち、貴な成分=銀は、低電流密度で優先して析出するので、電流密度が低い箇所では銀含有量が急増し、制御できない。この現象により、凹凸のある被めっき面では電流密度が不均一になるため、めっき皮膜の合金組成が不均一になり、はんだ付け性などの皮膜の物性を制御することが困難になる。
【0007】
即ち、従来技術の錫−銀合金電気めっき浴では、いずれも、電流密度とともに電解めっき物の組成が大きく変化する。例えば、2A/dm2以上の電流密度では 、銀含有率が3〜5重量%のものになるが、それ以下の電流密度では、銀含有率が急増し、数倍以上、15〜25重量%にもなる(表面技術協会第94回講演大会要旨集、p.81;1996、参照)。
【0008】
めっき浴中に、銀イオンに強力に配位し安定化する錯化剤を加えていても、
【化1】
Figure 0003824770
の酸化還元反応による金属銀の生成は避けられない。
銀イオンが安定であるために、この反応は緩やかに進行する。
すなわち、溶液中での銀粒子の生成、電解槽壁への銀粉末の付着が生じる。これは、めっき浴の分解である。また、次式による金属銀の生成も生じる。
【化2】
Figure 0003824770
これにより、錫含有率の大きいめっき皮膜自体の上に、密着性のない銀粒子が析出し、めっき皮膜の外観、物性を悪化させる。
【0009】
また、アノードとして不溶性の材料;白金、白金めっきチタン、貴金属酸化物被覆チタン、カーボンなどを使用した場合には、次のような課題がある。
(1)2価の錫イオンがアノード上で酸化され、4価の錫イオンが浴中に蓄積する。
(2)これらのめっき浴において、銀イオンに対する錯化剤としては沃化物が用いられることが多いが、沃化物イオンはアノード上で酸化され、沃素酸イオンがめっき浴中に蓄積する。即ち、不溶性アノードを用いた場合には、めっき浴組成を一定に維持することは不可能である。また、溶性アノードを使用した場合には、錫電極表面に銀が置換析出する問題もある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明によると、上記の課題は、次のようにして、解決される。
(1)錫−銀合金めっき用の電気めっき浴であって、少なくとも、2価の錫化合物、1価の銀化合物および、(a)蓚酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸から選ばれる脂肪族ジカルボン酸、(b)グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、グルコン酸、グルコヘプトン酸から選ばれる脂肪族オキシカルボン酸、(c)縮合リン酸および(d)エチレンジアミン四酢酸、イミノジ酢酸、ニトリロトリ酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸から選ばれるアミンカルボン酸からなる群から選択される化合物またはその塩の1種または2種以上の共析安定助剤を基本組成とし、前記1価の銀化合物の銀が、当該1価の銀化合物からの銀イオンと前記2価の錫化合物からの錫イオンとの反応によって生成された金属銀微粒子として、めっき浴中に存在することを特徴とする錫−銀合金電気めっき浴を提供する。そして、そのめっき浴によりめっきする方法であり、それで形成された錫−銀の合金薄膜自体を提供する。
(2)(1)の基本組成に更に、アミン系化合物またはその塩を添加した錫−銀合金電気めっき浴を用いる。
(3)(1)、(2)の基本組成に更に、表面調整剤として、ポリエチレングルコール、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルから選択される少なくとも1種を添加した錫−銀合金電気めっき浴を用いる。
(4)前記の2価の錫の化合物として、塩化第1錫、硝酸第1錫、硫酸第1錫、ヨウ化第1錫、クエン酸錫、メタンスルホン酸錫、酸化第1錫あるいはスズ酸ナトリウムを使用する。
(5)前記の銀化合物として、酸化銀、硝酸銀、硫酸銀、塩化銀、ヨウ化銀、クエン酸銀あるいはメタンスルホン酸銀を使用する。
【0011】
即ち、析出電位が非常に異なる錫と銀を、電流密度の低い場合にも、大きな含有率の変化なしに、電解めっきできるように、従来の技術とは、まったく異なる考えから、本発明を為したものである。
即ち、本発明者は、本発明の錫−銀合金電気めっき浴中では、次のような現象が生じていると考えた。
【0012】
即ち、本発明の錫−銀合金電気めっき浴中では、前記のように、金属銀が生じるが、その銀微粒子は、めっき浴中によく分散されて存在し、電解めっき処理するときに、析出する錫と一緒に、錫−銀合金中に混入して、組成の制御された錫−銀合金皮膜が形成される。
【0013】
即ち、めっき浴中では分解反応である次式の反応により、自然に金属銀微粒子が生成する。
【化3】
Figure 0003824770
然し乍ら、強酸性の2価の錫イオン、1価銀イオン共存溶液を用いた場合には、この反応は緩やかに進行し、粗大な銀粒子の沈降、凝集が認められるが、このような進行を防ぐために、本発明においては、アミン系化合物を更に、含有させる。
【0014】
これは、錫イオンのための錯化剤(安定剤)を含有しているめっき浴のためもあり、pH2からpH14の範囲にわたり、制御された含有率割合で、錫−銀合金の皮膜を形成することができる。即ち、本発明の錫−銀合金電気めっき浴では、粒径約5ナノメーターのオーダーの金属銀微粒子が生成され、凝集、沈降することなく、めっき浴中に分散し、安定に存在していることが、本発明者により確認された。
【0015】
本発明者は、粗大な金属銀粒子では、めっき形成された錫−銀合金皮膜への銀混入が困難であるが、本発明の錫−銀合金電気めっき浴では、pH2〜pH14の広い範囲にわたり、自然生成した金属銀は、超微粒子であるために、電解処理で形成するめっき皮膜にも混入し、分散して錫と合金化して、良好な錫−銀合金皮膜が得られることを見出した。
【0016】
即ち、本発明の錫−銀合金電気めっき浴では、錫イオンと銀イオンをカソード上で同時に還元して合金化するという従来の錫−銀合金皮膜めっき法とは本質的に異なる。本発明のめっき浴では、前記で説明したように、銀イオンを含んでいないために、錫と銀との析出電位は大きく離れていることに起因する従来の問題をすべて解決することができる。従って、低電流密度で貴な成分である銀が優先的に析出してめっき皮膜の合金組成が不均一になるという欠点はまったくなくなった。すなわち、非常に広い電流密度範囲にわたり、合金組成の均一なめっき皮膜が得られる。
即ち、金属銀は超微粒子として、既にめっき浴中に存在しており、また、銀イオンはまったく浴中に存在していない。従って、金属銀の生成によるめっき浴の分解という問題は、本質的に無関係であり、起こらない。
【0017】
更に、本発明の錫−銀合金電気めっき浴中では、銀イオンはまったく浴中に存在していないために、金属銀がアノード上で生成することもなく、溶性錫アノードの使用が可能である。
また、沃化物イオンのような易酸化性物質を銀イオンの安定剤として含むことがないので、不溶性アノードの使用も可能である。従って、従来の錫−銀合金電気めっき浴では、2価の錫イオンがアノード上で酸化される可能性があったが、白金、白金めっきチタン、貴金属酸化物被覆チタンアノード上では、その析出速度はきわめて遅く、浴中に4価の錫イオンは蓄積しないですむ。
【0018】
本発明の錫−銀合金電気めっき浴には、更に、アミン系化合物を添加することができる。このアミン系化合物の添加は、めっき浴が酸性のときも、銀粒子が生成がしても、析出しないで、即ち、反応が進行せずに、置くことができる。即ち、めっき皮膜の銀含有率が、電流密度が低い場合でも、増大しない。
【0019】
更に、本発明の錫−銀合金電気めっき浴から電解で得た錫−銀合金の皮膜の表面に、光沢を与えるための表面調整剤としては、ポリエチレングルコール、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルから選択される少なくとも1種を、本発明の錫−銀合金電気めっき浴に添加する。
なお、本発明の錫−銀合金電気めっき浴には、当然にシアン化物、鉛塩のような有害物質をまったく含まない。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明による、錫−銀合金メッキのための錫−銀合金電気めっき浴の調製方法は、例えば、次のようなものである。
【0021】
2価の錫化合物としては、例えば、硫酸錫、塩化錫、臭化錫、酸化錫、硼フッ化錫、珪フッ化錫、スルファミン酸錫、蓚酸錫、酒石酸錫、グルコン酸錫、ピロリン酸錫、メタンスルホン酸錫、アルカノールスルホン酸錫等の有機酸塩、無機酸塩を使用できる。
【0022】
錫化合物の添加量は、錫分として、5〜100g/Lが適当であり、好適には、10〜20g/Lである。そして、上記の錫化合物は、2種以上を併用してもよい。
【0023】
添加した錫化合物を水溶液中に安定に保持するために必要な量の化合物としては、次の群から選択する。
(a)アルキル基の炭素数が0〜4の脂肪族ジカルボン酸としては、蓚酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸。
(b)脂肪族オキシカルボン酸としては、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、グルコン酸、グルコヘプトン酸。
(c)縮合リン酸としては、ピロリン酸およびトリポリリン酸。
(d)アミンカルボン酸としては、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、イミノジ酢酸、ニトリロトリ酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸がある。
【0024】
これらの錯化剤化合物の使用量は、使用する添加化合物の種類によって適宜選択できるが、2価の錫化合物を水溶液中に安定に保持するために、錫−銀合金電気めっき浴中の錫分1モルに対して1モル以上を必要とする。好適には、2〜5モルである。また、以上の化合物は、2種以上を併用してもよい。
【0025】
本発明の錫−銀合金電気めっき浴中に使用する1価の銀化合物としては、公知の非シアン化物がいずれも使用でき、例えば、酸化銀、硝酸銀、硫酸銀、塩化銀、スルファミン酸銀、クエン酸銀、乳酸銀、ピロリン酸銀、メタンスルホン酸銀、アルカノールスルホン酸銀等を使用できる。
【0026】
それらの銀化合物の使用量は、2〜50g/Lが好適であり、より好適には、2〜10g/Lであり、錫化合物の添加量に対してモル数で錫分の1/2以下が好適である。そして、銀化合物としては、以上の化合物を2種以上を併用してもよい。
【0027】
本発明の錫−銀合金電気めっき浴には、めっき被膜の銀含有量を制御するために、酸性のめっき浴で、銀の共析量を増大させる作用を有するアミン系化合物またはその塩の少なくとも1種を添加する。
アミン系化合物としては、公知のいずれも使用できる。例えば、(モノ、ジ、トリ)メチルアミン、(モノ、ジ、トリ)エチルアミン、(モノ、ジ、トリ)ブチルアミン、エチレンジアミン、トリエチルテトラアミン、(モノ、ジ、トリ)エタノールアミン、イミダゾール、オキシン、ビピリジル、フェナンスロリン、コハク酸イミド等を添加する。その添加量は、使用した化合物の種類により異なるが、1〜100g/Lが好適であり、また、2〜50g/Lが、より好適である。
これらの化合物は、2種以上を併用してもよい。
【0028】
表面調整剤として添加すべきポリエチレングルコールとしては、いずれの分子量のものも使用できる。例えば、平均分子量200のものから、平均分子量4,000,000のものまでの使用ができる。そして、その使用量は、0.1〜50g/Lが適当であり、より好適には、0.2〜5g/Lである。また、表面調整剤として、、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルから選択される少なくとも1種を用いることができる。これらの表面調整剤も、めっき浴に、0.2〜10g/Lの範囲で用いる。
【0029】
本発明のめっき電解溶液組成物に用いる各成分について説明する。
錫イオンの原料としては、2価錫の化合物が入手し易く、すべての2価錫の化合物を使用でき、特に、塩化第1錫、硫酸第1錫、クエン酸錫、ピロリン酸錫、メタンスルホン酸錫などが利用でき、さらに、酸化錫のような酸化物も利用可能である。酸化第1錫、錫酸ナトリウムなどの固体物は、一旦、強酸で、酸に溶解させ、これを中和することにより、めっき溶液中に存在させることができる。
【0030】
銀の原料としては、酸化銀、硝酸銀、クエン酸銀、硫酸銀、塩化銀、ヨウ化銀、メタンスルフォン酸銀などを用いることができる。そのうち、硫酸銀、塩化銀は溶解度が著しく低いので一旦希硝酸に溶解した後、めっき浴の調製自体は困難なことではない。また、酸化銀、硫化銀の形でめっき液中に投入することも可能である。ヨウ化銀のpHは注意深く調整することが重要であり、pHはめっき浴として使用する範囲に予め調整しておく必要がある。
【0031】
錫イオンの錯化剤としては、(a)アルキル基の炭素数が0〜4の脂肪族ジカルボン酸としては、蓚酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸。
(b)脂肪族オキシカルボン酸としては、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、グルコン酸、グルコヘプトン酸。
(c)縮合リン酸としては、ピロリン酸およびトリポリリン酸。
(d)アミンカルボン酸としては、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、イミノジ酢酸、ニトリロトリ酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸がある。
特にクエン酸あるいはクエン酸塩が好適である。特に、クエン酸3ナトリウムが良いが、クエン酸あるいはクエン酸アルカリ金属塩を用いる。その他のオキシカルボン酸およびその塩、例えば、コハク酸およびコハク酸塩、リンゴ酸及びリンゴ酸塩、あるいはグルコン酸およびグルコン酸塩、シュウ酸およびシュウ酸塩等を用いることができる。また、ピロリン酸塩、グルコン酸、ピロリン酸カリウム、ジエチレントリアミン5酢酸が好適である。
【0032】
更に、めっき浴が酸性の場合、添加すべきアミン系化合物としては、トリエタノールアミン、コハク酸イミドが好適であるが、その他のアンモニア、二級アミン、三級アミン、アミノ酸およびその塩などでも代用できる。一般的に云えば、分子量の大きいものはめっき中に電極近傍で分解して皮膜中にある程度分解生成物を持ち込む傾向があるので、分子量の小さい方が望ましい。このアミン系化合物は、めっき溶液中に存在しなくともめっき液の安定性およびめっき液の本質を変えることはない。
【0033】
本発明による表面調整剤は、カソード付近での、めっき皮膜の異常析出を抑制するために添加される。例えば、ポリエチレングルコール、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルから選択される少なくとも1種を用いる。特に、好適には、ポリエチレングルコールを用いる。
表面調整剤は、めっき皮膜を緻密にするために添加されるものである。即ち、皮膜表面に粉めっきが発生することを抑制するためである。
【0034】
そして、本発明の錫−銀合金のめっき溶液のpHは、浴の安定性の面から見ると、pH2〜14の広い範囲で安定である。より好適には、pH5.0〜12.0程度が望ましい。然し乍ら、めっき処理により良好な皮膜を得るためには、アルカリ性のpH範囲が望ましい。酸性領域では、前記のようにアミン系化合物を添加すると、電流密度が低い場合でも、銀含有率を制御された錫−銀合金の皮膜が形成される。
【0035】
本発明の錫−銀合金のめっき溶液を使用するときに、その電解めっき方法は、つぎのようなものが好適である。
本発明のめっき浴は、20℃〜70℃の温度範囲で、好適には、30℃〜60℃であり、カソード電流密度は、0.1〜10A/dm2、より好適には、0.1 〜5.0A/dm2の電流密度の程度のめっき条件で運転できる。
【0036】
また、本発明の錫−銀合金めっき用の電解溶液即ち、めっき浴は、無撹拌で、あるいは機械撹拌若しくは空気撹拌下で電気めっきを行うことができる。
そして、被めっき体には、電気めっきを行う前に通常の方法により、通常の前処理を行ってことも好適である。また、ニッケルめっき等の下地めっきを行ってもよい。また、めっき後には、水洗、湯洗、乾燥等の通常行われている操作を必要に従って、行う。
【0037】
また、アノードとしては、溶性の錫アノードも使用できるが、不溶性電極、例えば、不溶性の白金、白金めっきチタン、貴金属酸化物被覆チタンのいずれも使用できる。
本発明の錫−銀合金電気めっき浴で電気めっきするにおいては、被めっき体は特に制限されない。通常、錫−銀合金電気めっきを施されている電子部品、リードフレーム、プリント配線基板等に使用できる。即ち、あらゆる金属素地、プラグ素地、セラミックス素地の上に、各々の素地に応じて、通常の方法により、前処理、下地めっきを施すことも好適である。これにより、本発明の錫−銀合金電気めっき浴を用いて、電解めっきで、錫−銀合金皮膜を形成することができる。
【0038】
電解めっき処理の条件は、使用可能温度が常温から約60℃までである。温度が高いほど好適であるが、めっき浴の標準使用温度は40〜50℃としている。例えば、約25℃でめっき処理した場合、良好な皮膜が得られる電流密度範囲が狭くなる傾向がある。また、処理温度が高温になると、めっき浴の蒸発が頻繁になるので、めっき浴を同条件に保持することが困難になる。
【0039】
めっき処理中には、撹拌を継続すべきである。機械撹拌でよい。本発明の錫−銀合金電気めっき浴の濃度が低い場合には、濃度限界が生じやすいものであるので、カソードロッカーのようなカソード自体を振動させる工法が最も効果的である。また、めっき浴そのものの撹拌も効果的である。濃度限界を向上させるには、カソードにめっき浴を対流させるノズルのようなものを装着し、絶えずカソードが新しいめっき液に触れるようにめっき槽を設計するのが良い。
【0040】
本発明の錫−銀合金のめっき溶液は、半導体回路の電極製造に、電線のめっきのために使用することができ、銀含有量を抑制して、錫の含有量を、高くすることができる。
【0041】
本発明によるめっき方法では、例えば、被めっき物上に樹脂膜を形成し、該樹脂膜を所要パターンに形成し、該パターンの樹脂膜をマスクとして、被めっき物上に、少なくとも、2価の錫化合物、1価の銀化合物および(a)アルキル基の炭素数が0〜4の脂肪族ジカルボン酸、(b)アルキル基の炭素数が0〜4の脂肪族オキシカルボン酸、(c)縮合リン酸および(d)アルキル基の炭素数が0〜4のアミンカルボン酸からなる群から選択される化合物またはその塩の1種または2種以上の安定助剤を基本組成として含有し、前記1価の銀化合物の銀が、当該1価の銀化合物からの銀イオンと前記2価の錫化合物からの錫イオンとの反応によって生成された金属銀微粒子として、めっき浴中に存在する錫−銀合金電気めっき浴により電解めっきを施し、錫−銀合金部を形成する。また、前記の樹脂膜に感光性樹脂膜を用い、該感光性樹脂をフォトリソグラフにより所要パターンに形成することができる。
【0042】
本発明の錫−銀の合金めっき浴で形成される錫−銀合金薄膜は、半導体回路の電極において、はんだ付けのための基体を形成するだけでなく、例えば、防食用薄膜、即ち、鉄鋼材の防食用表面処理の従来ブリキと称される薄い錫めっきに、本発明の錫−銀合金めっきを使用すると、銀含有により単なる錫めっきよりもめっき被膜自体の耐食性が向上する。また、装飾用として、銀めっきは、装身具や日用雑貨品用の外観を美しい銀白色に仕上げるが、本発明の錫−銀合金めっきで、銀含有量を低めて、銀めっきに等しい美しい銀白色を得ることができる。銀めっきには、有毒なシアン化物が必要であるが、本発明のめっき浴では、毒性物質は、まったく含まない。
【0043】
次に、本発明の錫−銀合金電気めっき浴を具体的に実施例により説明するが、本発明はそれらによって限定されるものではない。
【0044】
【実施例】
表1に示す錫−銀合金電気めっき浴組成で、電解条件でめっき処理を行うが、表2に示すように電流密度を変化させてめっき処理を行った。その結果は、表2に示される。即ち、各々の場合で得られる外観、めっき皮膜の銀含有率を測定し、更に、熱分析法により、めっき皮膜の融点即ち、融解開始温度を速度した。それらの測定結果を表2に示す。
【0045】
以上のような実施例1〜7の各組成に対して各々電流密度を0.2〜2.0A/cm2に変えて測定したものである。これに対して、めっき浴に金属銀粉末を添 加した場合を比較例として、表1、2に示す。この比較例では、表1、2に示されるように、析出銀は、めっき皮膜中に混入せずに、錫のみのめっき皮膜のようであり、そのために、めっき皮膜の融点は、錫の理論融点である232℃であった。これに対して、実施例1〜7では、いずれもめっき皮膜に銀が含有し、これに対応して、めっき皮膜の融解開始温度は、すべてのめっき皮膜で、錫−銀合金の共晶温度である221℃を示した。即ち、表面処理めっき皮膜の融点が低いと、それにより、はんだ接合する場合に有利であることは明らかである。また、各々の皮膜の含有率を測定し、表2に示される。
【0046】
【表1】
Figure 0003824770
【0047】
【表2】
Figure 0003824770
【0048】
そして、めっき皮膜の銀含有率は、2価の錫化合物を溶液中で保持するためにめっき浴に添加した錯化剤化合物の種類により異なるが、従来技術の合金めっきにおいて見られるような、低い電流密度で銀が優先的に析出して、銀含有率が大きくなる傾向は、まったく見られず、広い電流密度範囲で、銀含有率の変化は小さいものであった。
【0049】
本発明の錫−銀合金電気めっき浴を利用する錫−銀合金めっき皮膜の形成処理には、ポリエチレングルコールの添加なしでも、低い電流密度では、白色の光沢または無光沢の緻密なめっき皮膜が得られるが、ポリエチレングルコールを、本発明のめっき浴に添加することにより、白色の良好な外観のめっき皮膜が得られる電流密度範囲は、明らかに広くなったものである。
【0050】
また、本発明の錫−銀合金電気めっき浴では、アミン系化合物の添加により、めっき皮膜の銀含有率は、増大している。
【0051】
以上に説明したように、本発明の錫−銀合金電気めっき浴を用いて、錫−銀合金めっき皮膜を形成すると、電流密度によらずに、均一な合金組成を有する錫−銀合金めっき皮膜が得られ、その合金組成は、めっき浴への添加物により、制御可能であり、さらに、めっき皮膜の外観は、ポリエチレングルコールの添加により、制御可能であることが分かる。
【0052】
[本発明の錫−銀合金電気めっき浴中で自然生成している金属銀微粒子の確認試験]
本発明の錫−銀合金電気めっき浴では、自然生成する金属銀微粒子が均一に分散している。そのことを確認するために、次の試験を行った。
SnSO4 0.1MとAgNO3 0.05Mとピロ燐酸カリウム0.2Mとポリエチレングルコール(PEG#6000)1g/Lを含有する溶液を作製したが、それは、濃い黒褐色を呈したが、沈殿は生成せず数週間以上安定であった。この黒色成分を調べるために、(1)限外ロ過及び(2)セルロースチューブにより透析を行った。
【0053】
透析外液のICP発光分光分析およびチューブ内部液の乾燥残査のSEM−EDXによる分析とX線回折(CuKα)を行った。めっき浴の黒色成分は、分画分子量10000限外ロカ膜(開口径:約5nm)によりロ過されなかった。セルロースチューブによる透析では純水相にまったく漏出しなかった。セルロースチューブを純水中に24時間浸漬し、チューブ内外の電解質濃度を平衡させて外液の分析を行った。Snイオン濃度は平衡に達したが、Agはまったくチューブを透過しなかった。純粋相で交換透析を行い、電解質を完全に除いた後、チューブをPEG#6000粉末中に浸漬してチューブ内容物を濃縮し、真空乾燥し、精製した。この精製チューブ内容物は、EDX分析の結果、Agが主成分であり、K、P、Oが含有していた。Snは検出されなかった。チューブ内容物をX線回折したが、その回折パターンからは、金属Agであることが示された。
以上の結果から、黒色成分は、めっき浴内に分散した金属銀超微粒子であると結論された。
【0054】
【発明の効果】
本発明の錫−銀合金電気めっき浴組成物により、次のごとき技術的効果があった。即ち、
第1に、本発明のめっき浴では、浴中で金属銀微粒子が自然生成しており、それが、電解処理によりめっき皮膜を形成させると、めっき皮膜の中に混入することにより、銀含有率の制御された錫−銀合金めっき皮膜が得られる。
第2に、本発明により得られる錫−銀合金めっき皮膜は、従来の錫−銀合金電気めっき浴に見られた、浴中に錫イオンと銀イオンが共存することによる欠点をすべて克服する。即ち、錫−銀合金電気めっき浴は、安定しており、電流密度によらず均一な合金組成のめっき皮膜が得られ、溶性錫アノード及び不溶性貴金属、貴金属酸化物被覆アノードのいずれも使用できる。
第3に、また、このめっき浴より析出された合金薄膜は、平滑な表面と良好な密着性を有する。更に、シアン化物のような有毒物質を含まない錫−銀合金電気めっき浴である。
【0055】
第4に、請求項2に記載の本発明のめっき浴は、めっき浴が酸性にあっても、生成した金属銀微粒子が、析出することなく、反応が進行させずに、安定に保持でき、安定に制御されて、錫−銀合金電気めっき皮膜が形成される。
第5に、請求項3に記載の本発明のめっき浴は、電解めっきで得られる錫−銀合金めっき皮膜の表面が、すぐれた特性で得られる。
第6に、請求項4に記載のものでは、非シアン化物のすべての錫化合物を利用できるめっき浴となる。
第7に、請求項5に記載の発明では、非シアン化物のすべての銀化合物を利用できるめっき浴となる。
第8に、請求項6〜10の発明により、はんだ特性等の特性のすぐれためっき皮膜を製造する方法を提供できた。
第9に、請求項11〜12の発明により、はんだ特性のすぐれためっき皮膜が提供された。

Claims (13)

  1. 錫−銀合金めっき用の電気めっき浴であって、少なくとも、2価の錫化合物、1価の銀化合物および、(1)蓚酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸から選ばれる脂肪族ジカルボン酸、(2)グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、グルコン酸、グルコヘプトン酸から選ばれる脂肪族オキシカルボン酸、(3)縮合リン酸および(4)エチレンジアミン四酢酸、イミノジ酢酸、ニトリロトリ酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸から選ばれるアミンカルボン酸からなる群から選択される化合物またはその塩の1種または2種以上の共析安定助剤を基本組成とし、前記1価の銀化合物の銀が、当該1価の銀化合物からの銀イオンと前記2価の錫化合物からの錫イオンとの反応によって生成された金属銀微粒子として、めっき浴中に存在することを特徴とする錫−銀合金電気めっき浴。
  2. 前記の基本組成に更に、アミン系化合物またはその塩を添加したことを特徴とする請求項1記載の錫−銀合金電気めっき浴。
  3. 前記の基本組成に更に、表面調整剤として、ポリエチレングルコール、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルから選択される少なくとも1種を添加したことを特徴とする請求項1あるいは2記載の錫−銀合金電気めっき浴。
  4. 前記の2価の錫の化合物として、塩化第1錫、硝酸第1錫、硫酸第1錫、ヨウ化第1錫、クエン酸錫、メタンスルホン酸錫、酸化第1錫あるいはスズ酸ナトリウムを使用する請求項1〜3のいずれかに記載の錫−銀合金電気めっき浴。
  5. 前記の銀化合物として、酸化銀、硝酸銀、硫酸銀、塩化銀、ヨウ化銀、クエン酸銀あるいはメタンスルホン酸銀を使用する請求項1〜4のいずれかに記載の錫−銀合金電気めっき浴。
  6. 被めっき物の上に、少なくとも、2価の錫化合物、1価の銀化合物および、(1)蓚酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸から選ばれる脂肪族ジカルボン酸、(2)グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、グルコン酸、グルコヘプトン酸から選ばれる脂肪族オキシカルボン酸、(3)縮合リン酸および(4)エチレンジアミン四酢酸、イミノジ酢酸、ニトリロトリ酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸から選ばれるアミンカルボン酸からなる群から選択される化合物またはその塩の1種または2種以上の共析安定助剤を基本組成とし、前記1価の銀化合物の銀が、当該1価の銀化合物からの銀イオンと前記2価の錫化合物からの錫イオンとの反応によって生成された金属銀微粒子として存在する錫−銀合金電気めっき液による電解めっきを施し、錫−銀合金めっき部分を形成することを特徴とするめっき物の製造方法。
  7. 前記の錫−銀合金電気めっき液の基本組成に更に、アミン系化合物またはその塩を添加して、電解めっきを施すことを特徴とする請求項7記載のめっき物の製造方法。
  8. 前記の錫−銀合金電気めっき液の基本組成に更に、表面調整剤として、ポリエチレングルコール、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルから選択される少なくとも1種を添加した電解めっき液で電解めっきを施すことを特徴とする請求項6あるいは7記載のめっき物の製造方法。
  9. 前記の2価の錫化合物として、塩化第1錫、硝酸第1錫、硫酸第1錫、ヨウ化第1錫、クエン酸錫、メタンスルホン酸錫、酸化第1錫あるいはスズ酸ナトリウムを使用して、電解めっきを施すことを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載のめっき物の製造方法。
  10. 前記の銀化合物として、酸化銀、硝酸銀、硫酸銀、塩化銀、ヨウ化銀、クエン酸銀あるいはメタンスルホン酸銀を使用して、電解めっきを施すことを特徴とする請求項6〜9のいずれかに記載のめっき物の製造方法。
  11. 被めっき物の上に、少なくとも、2価の錫化合物、1価の銀化合物および、(1)蓚酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸から選ばれる脂肪族ジカルボン酸、(2)グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、グルコン酸、グルコヘプトン酸から選ばれる脂肪族オキシカルボン酸、(3)縮合リン酸および(4)エチレンジアミン四酢酸、イミノジ酢酸、ニトリロトリ酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸から選ばれるアミンカルボン酸からなる群から選択される化合物またはその塩の1種または2種以上の共析安定助剤を基本組成とし、前記1価の銀化合物の銀が、当該1価の銀化合物からの銀イオンと前記2価の錫化合物からの錫イオンとの反応によって生成された金属銀微粒子として存在する錫−銀合金電気めっき液による電解めっきを施し、錫−銀合めっき部分を形成したことにより得られたことを特徴とする錫−銀合金めっき体。
  12. 前記の錫−銀合金電気めっき液の基本組成に更に、アミン系化合物またはその塩を添加して、電解めっきを施すことにより得られたことを特徴とする請求項11記載の錫−銀合金めっき体。
  13. 前記の錫−銀合金電気めっき液の基本組成に更に、表面調整剤として、ポリエチレングルコール、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルから選択される少なくとも1種を添加した電解めっき液で電解めっきを施すことことにより得られたことを特徴とする請求項11あるいは12記載の錫−銀合金めっき体。
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