JP3824292B2 - 高粘度材料の印刷装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ソルダペースト、導電ペースト、接着剤のような高粘度材料を微小箇所に塗布する方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に高粘度材料を塗布する方法としては、吐出法、転写法、印刷法がある。
【0003】
吐出法とは、注射器のようなシリンジ内に高粘度材料を充填しておき、該高粘度材料の上に載置したプランジャー側に圧縮空気を送ってプランジャーに圧力をかけ、シリンジの先端から高粘度材料を少量吐出させる。そしてシリンジ先端から吐出された高粘度材料をワークの塗布部に接触させて塗布するものである。この吐出法は、塗布箇所が少なかったりワークに凹凸や曲面があったりするような場合に適している。
【0004】
しかしながら、この吐出法は、圧縮空気でプランジャーを押圧して高粘度材料を吐出させるものであるため、高粘度材料の粘度が少しでも変わるとシリンジ先端から一定量の高粘度材料を吐出できなくなるものである。また吐出法では、吐出形状が円形となるためワークの塗布部全域に塗布できないという問題もあった。つまりワークの塗布部が正方形や長方形のような四角形であると、塗布部全域に塗布するためには塗布部をはみ出して塗布しなければならず、また高粘度材料がはみ出さないように塗布するためには四角形の四隅を残して塗布しなければならなかった。このように高粘度材料を塗布部からはみ出した状態で塗布すると、はみ出した高粘度材料が隣接した塗布部と合流してブリッジを形成し、また四隅が残った状態で塗布するとソルダペーストでは、はんだの付かない赤目となり、接着剤では接合強度不足となってしまう。また吐出法では高粘度材料の粘度をあまり高くすると細いシリンジ先端から吐出できなくなり、しかるに粘度を低くすると吐出後に塗布形状が崩れて隣接した塗布部と合流してブリッジを形成してしまう。
【0005】
転写法とは、ワークの塗布部と同一箇所に転写ピンが植設された治具を用いるものである。この転写法は、先ず平らな面に高粘度材料を一定厚さに塗布しておき、該高粘度材料に転写ピンの先端を接触させて転写ピンに高粘度材料を付着させる。次に治具をワーク上に移動させ、ワークの塗布部と転写ピンの位置を一致させてから治具を降ろして転写ピンの先端に付着させた高粘度材料を塗布部に接触させて塗布するものである。
【0006】
この転写法は、ダイボンドのような大きな塗布部に一定量塗布する場合に適している。この場合は、大きな塗布部一箇所に相当する部分に多数の転写ピンが植設された治具を用い、高粘度材料の付着した転写ピンを塗布部に接触させた後、治具を四方に少し移動させて塗布部全域に高粘度材料を均一に広がらせる。
【0007】
しかしながら転写法は、微小面積の塗布部や隣接した塗布部間が狭いワークの塗布には適していない。なぜならば如何に転写ピンを細くしても転写ピンの先端に高粘度材料を付着させてからワークの塗布部に高粘度材料を接触させると、高粘度材料が押しつぶされて転写ピンよりも広い面積となって微小面積の塗布部では高粘度材料がはみ出してしまい、また狭い塗布部間では押しつぶされて広がった高粘度材料が隣接した塗布部と合流してしまうからである。
【0008】
印刷法は、ワークの塗布部と同一箇所に穴が穿設されたマスクを用いて印刷塗布するものである。印刷法による高粘度材料の塗布は、先ずワークの塗布部とマスクの穴を一致させてワーク上にマスクを載置する。そしてマスク上に適量の高粘度材料を置き、該高粘度材料を板状のスキージやローラーで掻きならすことにより高粘度材料をマスクの穴に充填する。その後、マスクとワークを離すと、マスクの穴に充填されていた高粘度材料がワークの塗布部に付着して塗布がなされる。
【0009】
この印刷法は、塗布形状がマスクの形状により円形、三角形、四角形等如何なる形状に塗布することもできる。さらに印刷法は、前述吐出法や転写法に比べて微小面積の塗布が行なえるという他の塗布法に比べて優れた特長を有している。
【0010】
印刷法では板状のスキージを用いる方法(スキージ法)、ローラーを用いる方法(ローラー圧入法)、さらにはスキージとローラ―を用いる方法(ローラー供給法)がある。
【0011】
スキージ法は、マスク上に高粘度材料を置き、該高粘度材料をスキージで掻きならすため、高粘度材料は常に空気に触れている状態となっている。従って、ソルダペーストのように表面積の大きいはんだ粉末が混入されたものでは、はんだ粉末が酸化されてリフロー時にはんだ付け性が悪くなったり、はんだ付け部周辺に残ったりすることがあった。またスキージー法は、幅の広いスキージ全体にわたって押圧力を均一にかけることができないため、マスクの穴に高粘度材料を完全に充填することができず、未塗布となることもあった。
【0012】
ローラー圧入法とは、スキージの代わりにローラーを用い、該ローラーで高粘度材料をマスクの穴に充填する方法である(参照:特開昭63−119977号、特開平2−177496号、同2−180091号、同4−130696号)。このローラー圧入法は、ローラーがマスク上を転がるため、マスクに対して比較的均一に圧力をかけられる。しかしながらローラー圧入法は、マスク上に置いた高粘度材料がローラーの回転でローラーの進行方向に逃げてしまうため、高粘度材料に強い重点圧力がかからない。従ってローラー圧入法は、スキージ法よりも微小面積の塗布は行えないものである。
【0013】
ローラー供給法とは、高粘度材料が充填された収容部内でローラーを回転させ、ローラーの回転により高粘度材料を練りながらワーク上に供給し、該高粘度材料をローラーの後方に設置されたスキージで掻いてマスクの穴に充填するものである(参照:特開平4−242993号、同7−1706号、同10−6470号)。ローラー供給法は、高粘度材料の供給を常に一定にすることができるものであるが、マスクの穴への高粘度材料の充填をスキージで行なうため、スキージやマスクを傷つけることがあった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
ところで近時の電子機器は軽薄短小の傾向から電子機器に用いられている電子部品は非常に小さくなっており、しかも高密度に実装することから隣接する電子部品間の間隔も非常に狭くなってきている。例えば「0603」と呼ばれるチップ部品は、長さが0.6mm、幅が0.3mmであり、その電極は0.15mm×0.15mmという非常に微小なものである。このチップ部品を実装するプリント基板のはんだ付け部もチップ部品の電極と同一の大きさの0.15mm×0.15mmである。
【0015】
一般にチップ部品をプリント基板にはんだ付けするにはソルダペーストを用いるが、この微小なはんだ付け部にソルダペーストを塗布するには吐出法や転写方では全く不可能であり印刷法によらなければならない。しかしながら従来の印刷法では「0603」のチップ部品をはんだ付けするためのソルダペーストを微小なはんだ付け部に印刷塗布ができなかった。つまりスキージ法、ローラー圧入法等の従来の印刷法では「1005」のチップ部品(長さ1mm、幅0.5mm)をはんだ付けするためのはんだ付け部(0.2mm×0.2mm)にソルダペーストを塗布するのが限度であった。
【0016】
スキージ法で高粘度材料を微小な穴に完全に充填させるためには高粘度材料の粘度を下げて充分に柔らかい状態にすればよいことは分かっている。しかしながら高粘度材料の粘度を下げると、塗布後に高粘度材料の塗布形状が崩れて必要箇所以外に広がり、それが隣接した塗布部の高粘度材料と合流してブリッジ形成してしまう。さらに高粘度材料の粘度が低いと高粘度材料をマスクで印刷したときにマスクの裏側に高粘度材料が滲み出てしまい、続いて塗布を行なうワークの不必要箇所に付着してワークを汚してしまうものであった。
【0017】
本発明は、従来の印刷法や印刷装置では高粘度材料の塗布が不可能であった微小面積に対しても、完全に高粘度材料を塗布でき、しかも塗布部が狭い間隔であってもブリッジを形成することなく塗布できる印刷方法および印刷装置を提供することにある。
【0018】
【問題を解決するための手段】
本発明者らは、従来の印刷法や装置では微小面積の塗布ができない原因について鋭意研究を重ねた結果、従来の印刷方法や装置はマスク上の高粘度材料に強い押圧力がかけられなかったために高粘度材料を微小面積のマスクの穴に充填できないことが判明した。つまり従来のスキージ法では、移動するスキージに押されている高粘度材料がローリングしながら移動する。このときの高粘度材料のローリングによる下方への押圧力で高粘度材料がマスクの穴に侵入するが、該圧力はスキージの傾斜や移動速度を調整しても限度があり、その限度以上に高めることはできなかった。そこで本発明者らは、高粘度材料にかける圧力を如何にすれば大きくして微小穴に充填できるかについて検討を行った。その結果、回転するローラーに高粘度材料を付着させ、ローラーを回転させたときに高粘度材料が四方に逃げないように拘束するとともに、ローラーとマスク間を高粘度材料の収容部の下部とローラー間の間隙よりも狭くして高粘度材料をローラーで押圧すれば高粘度材料の圧力がより高まることに着目して本発明を完成させた。
【0019】
本発明の第1発明は、高粘度材料が収容された収容部と該収容部下部の圧入部に設置された長尺のローラー間の間隙から高粘度材料を圧入部に供給し、ローラーを前記間隙よりもマスクに接近させた状態で圧入部の下部をマスクに接触させるとともに、印刷装置をローラーの回転方向に走行させて圧入部内の高粘度材料をマスクの穴に充填することを特徴とする高粘度材料の印刷方法である。
【0020】
また本発明の第2発明は、ワーク上に載置したマスクの穴に高粘度材料を充填した後、マスクとワークを離して高粘度材料をワークに付着させる印刷法に用いられ、前記マスクに高粘度材料を充填する印刷装置において、高粘度材料を収容する収容部は、一対の壁面と一対の側壁から構成されており、一対の壁面の内側下部は断面が上方に凹んだ略1/4の円弧の流動部となっていて、該一対の流動部には一対の壁面の間隔よりも大径のローラーが設置されており、また一対の流動部には下部をローラー方向に近接させて垂直面に対して略45度の傾斜となったスクレーパーが取り付けられていて、さらに流動部の下部にはローラーの長手方向に直交した両側の側壁と一対のスクレーパーで圧入部が形成されており、しかも圧入部の下端はローラーの下端よりも下方に突出しているとともに、圧入部の下端とローラー下端の距離は流動部とローラー間で形成される間隙よりも狭くなっており、前記ローラーは側壁から外部に突出した部分に歯車が固定されていて、該歯車が直接、或いは間接的に印刷装置の両側に敷設されたラック上を走行することによりローラーを走行方向と同一方向に回転させ、回転するローラーに収容部内の高粘度材料を付着させて圧入部に送り、該圧入部で圧力を高めてマスクの穴に侵入させるようになっていることを特徴とする高粘度材料の印刷装置である。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の印刷方法では、圧入部でのローラーの周速度は、ローラーがマスクに接して移動しながら回転する周速度と同じでもよいが、このマスクに接しての周速度よりもローラーの周速度を早くすると圧入部への高粘度材料がより多く供給されるため高粘度材料にかける圧力をさらに大きくすることができる。またこのとき四方が囲まれた圧入部は下部がマスクと接していて、高粘度材料が囲いの中から逃げることができないため高粘度材料の圧力が高まる。
【0022】
また本発明の第2発明は、高粘度材料を収容する収容部は、一対の壁面と一対の側壁から構成されており、一対の壁面の下部の内側は略1/4の円弧の流動部となっていて、該一対の流動部間には一対の壁面の間隔よりも大径のローラーが設置されており、また一対の流動部にはスクレーパーが略45度の傾斜で取り付けられていて、さらにローラーの長手方向に直交した両側の側壁と一対のスクレーパーで圧入部が形成されており、しかも圧入部の下端はローラーの下端よりも下方に突出しているとともに、圧入部の下端とローラー下端の距離は流動部とローラー間で形成される間隙よりも狭くなっており、前記ローラーは側壁から外部に突出した部分に歯車が固定されていて、該歯車が直接、或いは間接的に印刷装置の両側に敷設されたラック上を走行することによりローラーを走行方向と同一方向に回転させ、回転するローラーに収容部内の高粘度材料を付着させて圧入部に送り、該圧入部で圧力を高めてマスクの穴に侵入させるようになっていることを特徴とする高粘度材料の印刷装置である。
【0023】
本発明では装置を走行させるとともに圧入部内のローラーを装置の走行方向に回転させるものであるが、この回転はローラーの軸に取り付けられた歯車とラックを噛み合わせることにより行なうことができる。このときローラーの軸に取り付けた歯車(軸歯車という)とラックとを直接噛み合わせてもよいが、ローラーの周速度を装置の走行速度よりも早めるためには軸歯車を直接ラックに噛み合わせず、ラックには軸歯車よりも大径の歯車(走行歯車という)を噛み合わせるとよい。このとき軸歯車と走行歯車間に軸歯車と同一径で同一歯数の歯車(伝達歯車という)を介在させると軸歯車と走行歯車の回転方向を同じにできる。このように軸歯車と走行歯車間に伝達歯車を介在させると、複数の歯車間で遊びができるため、印刷装置をマスクに押し付けるときの力が多少変化しても印刷装置をマスクから離すことなく走行させることができる。
【0024】
以下、図面に基づいて本発明の印刷装置を説明する。図1は本発明の印刷装置の正面断面図、図2は同底面図、図3は同正面図、図4は同平面図である。
【0025】
本発明の印刷装置は、一対の壁面1、1が間隔Wをもって立設され、該壁面の両側に一対の側壁2、2が設置されている。これら壁面と側壁の上部には蓋部材3が密閉して設置されている。一対の壁面1、1と一対の側壁2、2と蓋部材3からなる内側は高粘度材料4を収容しておく収容部5である。
【0026】
一方の壁面1には外部に通じた穴6が穿設されており、該穴にはチー7を介してシリンジ8が接続されている。シリンジ8内には高粘度材料4が予め充填されており、該高粘度材料の上にはプランジャー9が載置され、またシリンジの上部はキャップ10で密封されている。キャップ10は図示しない圧縮空気供給源と接続されており、圧縮空気をキャップ10からシリンジ8内に導入すると、圧縮空気はプランジャー9を押圧し、シリンジ8内の高粘度材料4を壁面1の穴6から収容部5に供給するようになっている。
【0027】
壁面1、1の下部は内側に向いた略1/4の円弧の流動部11、11となっている。
【0028】
収容部5の下方には一対の壁面1、1の間隔Wよりも大径のローラー12が設置されている。ローラー12は壁面1、1とほぼ同一長さの長尺であり、ローラー12と収容部5の下部との間隙Sは一定となっている。ローラー12の軸13は両方の側壁2、2から外部に突出しており、この突出した部分に軸歯車14が固定されている。軸歯車14の上には伝達歯車15を介して動力歯車16が噛み合っている。また図2に示すように動力歯車16と同軸には走行歯車17が固定されている。軸歯車14、伝達歯車15、動力歯車16は同一径で同一歯数であるが、走行歯車17は、これらの歯車よりも大径で歯数が多くなっている。走行歯車17は、両側に敷設されたラック18、18上に置かれ、該ラックと噛み合っている。
【0029】
壁面1、1の流動部11、11の反対側は略45度の傾斜が付され、ここには一対のスクレーパー19、19が保持片20、20で取り付けられている。スクレーパーは適度な硬度を有する樹脂製であり、それぞれ内側に傾斜して設置されている。一対のスクレーパー19、19と側壁2、2で囲まれた部分が圧入部21である。
【0030】
圧入部を形成するスクレーパー19、19と側壁2、2の下端は同一レベルにあり、該レベルとローラー12の下端との距離Kは、収容部5の下部とローラー12の間隙Sよりも狭くなっている。
【0031】
次に上記構成から成る印刷装置を用いてソルダペーストをプリント基板に印刷する方法について説明する。プリント基板は、「0603」のチップ部品を実装するためのラウンドが形成されており、ラウンドのはんだ付け部は0.15mm×0.15mmという微小面積である。一般の表面実装部品をはんだ付けするために用いるソルダペーストの粘度は170~180Pa・sであるが、ここでは230Pa・sという高粘度のソルダペーストを使用した。またマスクも一般の表面実装部品のはんだ付けに用いるマスクは厚さが150μmであるが、微小面積に対する版抜け性を良好にするため、ここでは厚さ100μmのマスクを用いた。
【0032】
先ずプリント基板のはんだ付け部とマスクの穴とを一致させてプリント基板の上にマスクを載置する。そして印刷装置の収容部5内にシリンジ8から高粘度材料であるソルダペースト4を流入させておき、また収容部にソルダペーストを流入させた後もシリンジには圧縮空気をかけた状態にしておく。この印刷装置をマスクMの一側に置くとともに、走行歯車17、17を印刷装置の両側に敷設されたラック18、18に噛み合わせる。その後、印刷装置を図示しない走行装置により矢印A方向に走行させると、ラック18と噛み合っている走行歯車17は印刷装置の走行方向と同一の矢印B方向に回転する。すると該走行歯車と同軸に取り付けられた動力歯車16と噛み合っている伝達歯車15を介して設置された軸歯車14も回転する。
【0033】
このとき走行歯車17は、図2に示すように印刷装置の走行方向(矢印A)と同一方向(矢印B)に回転するが、動力歯車16と軸歯車14間には伝達歯車15が介在されているため、軸歯車14は走行歯車17と同一回転(矢印C)、即ち印刷装置の走行方向(矢印A)と同一方向に回転する。この軸歯車14は走行歯車17よりも小径で歯数が少ないため、走行歯車よりも回転数が多くなり、該軸歯車と同軸のローラー12はローラーがマスクに接して走行する周速度よりも早い周速度となる。従って、ローラー12に付着して圧入部21に供給されるソルダペーストは圧力が高まるようになる。
【0034】
ローラー12に付着したソルダペーストは、ローラーの回転にともなって圧入部21に入り、ここでローラーの回転により圧力が高められる。このときソルダペーストは、スクレーパー19、19と側壁2、2で囲まれた狭いところで圧力がかけられるとともに、回転するローラーの下部にあるソルダペーストは高粘度であるにもかかわらず、ローラーに押圧されるため、従来の印刷装置では侵入できないような微小なマスクの穴に侵入していく。
【0035】
狭い圧入部21内のソルダペーストは、ローラー12で圧力をかけられても四方をスクレーパー19、19と側壁2、2で囲まれているため圧入部21から外方に出ることがない。しかも印刷装置の進行方向後方に設置されたスクレーパーが圧入部内のソルダペーストを掻き取るためマスク上にはソルダペーストが決して残るようなことがなく、常にマスク表面を清浄状態に保つものである。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば高粘度材料を微小面積に印刷塗布できることから、最近の「0603」のような微小チップ部品をプリント基板に実装する際に、決して未塗布がない。また本発明では粘度の高い材料を使用できるため塗布後の形状が崩れることがなく印刷形状を保っていられる。従って、本発明はソルダペーストを用いたはんだ付けではブリッジの発生や未はんだ等の不良が皆無となるという従来にない優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の印刷装置の正面断面図
【図2】本発明の印刷装置の底面図
【図3】本発明の印刷装置の正面図
【図4】本発明の印刷装置の平面図
【符号の説明】
1 壁面
2 側壁
4 高粘度材料
5 収容部
8 シリンジ
11 流動部
12 ローラー
13 軸
14 軸歯車
17 走行歯車
18 ラック
19 スクレーパー
Claims (1)
- ワーク上に載置したマスクの穴に高粘度材料を充填した後、マスクとワークを離して高粘度材料をワークに付着させる印刷法に用いられ、前記マスクに高粘度材料を充填する印刷装置において、高粘度材料を収容する収容部は、一対の壁面と一対の側壁から構成されており、一対の壁面の内側下部は断面が上方に凹んだ略1/4の円弧の流動部となっていて、該一対の流動部には一対の壁面の間隔よりも大径のローラーが設置されており、また一対の流動部には下部をローラー方向に近接させて垂直面に対して略45度の傾斜となったスクレーパーが取り付けられていて、さらに流動部の下部にはローラーの長手方向に直交した両側の側壁と一対のスクレーパーで圧入部が形成されており、しかも圧入部の下端はローラーの下端よりも下方に突出しているとともに、圧入部の下端とローラー下端の距離は流動部とローラー間で形成される間隙よりも狭くなっており、前記ローラーは側壁から外部に突出した部分に歯車が固定されていて、該歯車が直接、或いは間接的に印刷装置の両側に敷設されたラック上を走行することによりローラーを走行方向と同一方向に回転させ、回転するローラーに収容部内の高粘度材料を付着させて圧入部に送り、該圧入部で圧力を高めてマスクの穴に侵入させるようになっていることを特徴とする高粘度材料の印刷装置。
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