JP3823689B2 - 波形信号生成方法、波形信号生成装置および記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子楽器、携帯電話、アミューズメント機器等、楽音信号を発生する装置に用いられる波形信号生成方法、波形信号生成装置および記録媒体に関し、特にこれらのうち小型の機器に用いて好適な波形信号生成方法、波形信号生成装置および記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子楽器、携帯電話、アミューズメント機器等においては、内蔵または外付けの電気音響変換器(スピーカ等)を介して楽音信号が発音される。ここで、変換できる音の範囲には所定の限界がある。特に、低音に関しては、該電気音響変換器の最低共振周波数によって規定される最低周波数(以下、「最低周波数」ないし「再生できる最低周波数」と呼ぶ)までの音しか発音することができない。
【0003】
これを解決するため、「疑似低音」を発生させる技術が知られている。これは、ある2つの周波数の音声信号を発生させると、両者の最大公約数に相当する信号が聞こえる、という人間の錯覚を利用した技術である。例えば、100Hzの音声信号を出力できないスピーカによって100Hzの「疑似低音」を発生させるには、「200Hzと300Hz」、「300Hzと400Hz」等、最大公約数が100Hzになる2つの周波数を発生させるとよい。
【0004】
例えば、米国特許5930373号においては、その技術の詳細が開示されている。この技術においては、逐次供給されるデジタル音声信号のうち、スピーカで再生不可能な成分にフィルタリング処理が施され、これら成分の2倍、3倍、……の周波数成分が生成される。このように生成された周波数成分と元の音声信号とが加算され、スピーカを介して発音される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記米国特許の技術においては、逐次供給されるデジタル音声信号に対して、各サンプリング周期毎に乗算等の処理を行う必要があるため、疑似低音を発生させるために多大な演算が必要になる。電子楽器等においては、疑似低音の発生以外にも様々な処理を行う必要があるため、疑似低音の発生のために割り当てられる処理能力には自ずと限界がある。
この発明は上述した事情に鑑みてなされたものであり、疑似低音の発生に必要な処理負荷を低減する波形信号生成方法、波形信号生成装置および記録媒体を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明にあっては、下記構成を具備することを特徴とする。なお、括弧内は例示である。
請求項1記載の波形信号生成方法にあっては、電気音響変換器を介して楽音を発生するために、複数発音チャンネルの波形信号を生成する波形信号生成方法において、指定音高を伴う発音指示情報(ノートオンイベント)を受けとる過程(ステップSP2)と、該指定音高が、前記電気音響変換器に関連して予め定められた境界音高以下であるか否かを判定する判定過程(ステップSP8)と、該判定過程において前記指定音高が前記境界音高以下でない旨が判定されたことを条件として、第1の波形信号を生成する第1の波形信号生成過程(ステップSP10,SP22〜SP26)と、該判定過程において前記指定音高が前記境界音高以下である旨が判定されたことを条件として、前記指定音高の倍音であって周波数の最大公約数が前記指定音高になる前記境界音高以上の複数の倍音を疑似低音信号として含む第2の波形信号を生成する第2の波形信号生成過程(ステップSP12、SP32〜SP38)とを有することを特徴とする。
さらに、請求項2記載の構成にあっては、請求項1記載の波形信号生成方法において、前記第1の波形信号生成過程は、通常の楽音信号である第1の波形信号が第1の発音チャンネルにおいて生成される(ステップSP24)ものであり、前記第2の波形信号生成過程は、第1の発音チャンネルを用いて通常の楽音信号を生成する(ステップSP34)とともに、前記第1の発音チャンネルとは異なる第2の発音チャンネルにおいて前記複数の倍音から成る疑似低音信号を生成する(ステップSP36)ものであり、前記第1の波形信号と前記第2の波形信号とを混合した波形信号を出力することを特徴とする。
さらに、請求項3記載の構成にあっては、請求項1記載の波形信号生成方法において、前記第1の波形信号生成過程は、予め記憶された第1の波形データ(通常楽音波形データ38)を読み出すことによって前記第1の波形信号を生成するものであり、前記第2の波形信号生成過程は、前記第1の波形データ(通常楽音波形データ38)と、予め記憶された前記疑似低音信号に係る第2の波形データ(疑似低音波形データ52)とを読み出して混合することによって前記第2の波形信号を生成するものであることを特徴とする。
さらに、請求項4記載の構成にあっては、請求項1記載の波形信号生成方法において、前記第1の波形信号生成過程は、予め記憶された第1の波形データ(通常楽音波形データ38)を読み出すことによって前記第1の波形信号を生成するものであり、前記第2の波形信号生成過程は、予め記憶され前記第1の波形データ(通常楽音波形データ38)と前記疑似低音信号に係る波形データ(疑似低音波形データ52)とを混合して成る第2の波形データ(疑似低音込み波形データ78)を読み出すことによって前記第2の波形信号を生成するものである(変形例(8))ことを特徴とする。
さらに、請求項5記載の構成にあっては、請求項1記載の波形信号生成方法において、前記第1および第2の波形信号生成過程は、複数のオペレータを組み合わせたアルゴリズムによって、各々前記第1および第2の波形信号を生成するものであり、前記第2の波形信号生成過程においては、各々が少なくとも一つのオペレータを有し、これら各オペレータの出力信号の周波数の最大公約数が前記指定音高になるようにした複数の回路を並列接続するとともに、これら複数の回路の出力信号を加算して前記疑似低音信号を発生させることを特徴とする。
さらに、請求項6記載の構成にあっては、請求項5記載の波形信号生成方法において、前記第1の波形信号生成過程に適用されるオペレータは第1の発音チャンネルに含まれるものであり、前記第2の波形信号生成過程に適用されるオペレータは前記第1の発音チャンネルとは異なる第2の発音チャンネルに含まれることを特徴とする。
さらに、請求項7記載の構成にあっては、請求項5記載の波形信号生成方法において、前記第1および第2の波形信号生成過程に適用されるオペレータは1つの発音チャンネルに含まれるものであり、これらオペレータの出力信号を加算することによって当該発音チャンネルを介して前記第1の波形信号と前記第2の波形信号とを混合した波形信号を出力することを特徴とする。
また、請求項8記載の波形信号生成装置にあっては、請求項1ないし7の何れかに記載の方法を実行することを特徴とする。
また、請求項9記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体にあっては、請求項1ないし7の何れかに記載の方法を処理装置に実行させるプログラムを記憶したことを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
1.第1実施形態
1.1.実施形態の原理
1.1.1.波形の成分解析
本実施形態においては、楽音波形は「周期成分」と「ノイズ成分」とに分離して記憶されるため、これらの詳細について説明しておく。自然楽器の楽音波形をFFT(高速フーリエ変換)解析すると、この楽音波形の周波数成分は時間軸上で連続した周波数成分と、時間軸上で断続した周波数成分とに分離できる。そして、前者の周波数成分に基づいて波形合成すると楽音波形の「周期成分」が得られ、後者の周波数成分に基づいて波形合成すると楽音波形の「ノイズ成分」が得られる。
【0008】
その一例を図6に示す。同図(a)はサックスの楽音波形(元波形)である。同図(b)はその周期成分、同図(c)はそのノイズ成分である。これらの図から解るように、ノイズ成分は大きな振幅レベルとなる区間が短く、かつ、楽音信号の周期成分と比べて広い周波数範囲に分散する場合が多い。このため、電気音響変換器の特性が問題になることは希であり、周期成分についてのみ、必要に応じて疑似低音を発生すればよいことが解る。
【0009】
1.1.2.等ラウドネス曲線
人間の聴覚においては、たとえ音圧レベルが一定であったとしても、周波数が異なれば音量感が異なるように聞こえる。そこで、横軸を周波数とし、縦軸を音圧レベルとしたグラフ上で、音量感(ラウドネス)が等しくなるような音圧レベルのカーブを描くと、図5(a),(b)に示すような特性が得られる。これらの特性を「等ラウドネス曲線」と呼ぶ。同図(a)は「フレッチャー&マンソンの等ラウドネス曲線」と呼ばれており、若干古いものである。同図(b)は「ロビンソン&ダドソンの等ラウドネス曲線」と呼ばれており、比較的新しく、ISOにおいても採用されている。
【0010】
1.2.実施形態のハードウエア構成
次に、本発明の第1実施形態による楽音合成システムのハードウエア構成を図1を参照し説明する。なお、本実施形態のハードウエアは汎用のパーソナルコンピュータによって構成されている。図において2はハードディスクであり、オペレーティングシステム、楽音合成システムのアプリケーションプログラム、および波形データその他各種のデータを格納する。4は、CD−ROM、DVD−RAM等のリムーバルディスクであり、ハードディスク2と同様の情報を格納する。6は表示器であり、ユーザに対して各種情報を表示する。
【0011】
8は入力装置であり、キーボード、マウス、鍵盤等から構成され、ユーザによって各種の情報が入力される。10はサウンドボードであり、供給された演奏情報に基づいて楽音信号を生成する波形メモリ音源と、外部から入力されたアナログ信号をサンプリングするADコンバータとから構成されている。サウンドボード10内の音源によって生成された楽音信号は、サウンドシステム12を介して発音される。なお、サウンドシステム12は、アンプと電気音響変換器とから構成されている。電気音響変換器としては、スピーカまたはヘッドフォン等が選択可能であり、これらは異なる変換特性を有する。
【0012】
16はMIDIインタフェースであり、外部のMIDI機器との間でMIDI信号をやりとりする。18はタイマであり、所定時間毎に割込み要求を発生させる。20はCPUであり、後述する制御プログラムに基づいて、バス14を介して楽音合成システム内の各部を制御する。22はROMであり、イニシャルプログラムローダ等が格納されている。24はRAMであり、CPU20のワークメモリとして使用される。
【0013】
1.3.実施形態の動作
1.3.1.波形データ作成処理
パーソナルコンピュータ上でオペレーティングシステムを立ち上げ、さらに波形分析/合成システムのアプリケーションプログラムを立ち上げた後、ユーザが所定の操作を行うと、波形データ作成処理が実行される。その処理の詳細を図3を参照し説明する。なお、同図はCPU20内で実行される処理プログラムの内容を機能ブロック図で示したものである。
【0014】
図において30は、例えば自然楽器の楽音の録音波形等の素材波形データであり、外部からサウンドボード10あるいはリムーバルディスク4等を介して入力される。40は波形分析部であり、この素材波形データ30の周波数成分を時間軸上で連続している成分(決定論的周波数成分)と、それ以外の切れ切れの成分(ノイズ成分)とに分類する。ここで、波形分析部40の詳細を図4を参照し説明する。波形分析部40の内部において42はFFT解析処理部であり、この素材波形データ30に対してFFT解析処理を行う。ここでは、まず素材波形データ30に対して、そのピッチ周期の8倍の長さの窓関数が施され、該窓関数の範囲内における周波数成分が解析される。
【0015】
次に、窓関数の位置が時間軸上で該ピッチ周期の1/8だけ後ろにシフトされ、同様に周波数成分が解析される。この処理が原波形データ全体に対して繰り返えされると、時間軸上における周波数成分の変化が得られる。44は連続成分分離部であり、一連の周波数成分のうち時間軸上で連続している成分を分離する。分離された成分は決定論的周波数成分32として出力されるとともに、合成部46に供給される。合成部46においては、決定論的周波数成分32に基づいて決定論的波形データが合成される。48は減算部であり、素材波形データ30から決定論的波形データを減算する。この減算結果は、ノイズ成分波形データ34として出力される。
【0016】
図3に戻り、54はアタック&ループ情報であり、素材波形データ30を参照しつつユーザによって設定される。あるいは、ユーザの指定に応じて、前記波形分析の結果等を用いて自動設定されるようにしてもよい。アタック&ループ情報54の内容は、波形再生の最初に1回だけ読み出されるアタック部の長さ、その後に繰返し読み出されるループ部の長さ等である。36は波形合成部であり、決定論的周波数成分32とノイズ成分波形データ34とアタック&ループ情報54とに基づいて、アタック部およびループ部の波形データを合成する。合成された波形データは通常楽音波形データ38としてハードディスク2等に格納される。
【0017】
ここで、波形合成部36における合成処理の概要を説明しておく。まず、アタック&ループ情報54により、アタック部の先頭を示すアタックスタートアドレス、ループ部の先頭および終端を示すループスタートアドレスおよびループスエンドアドレスが決定される。
【0018】
次に、ループ部の決定論的周波数成分のうち、ループエンドでループスタートの位相と近い値になる成分が選択され、選択された成分についてはループエンドにおける位相がループスタートにおける位相と一致するように補正される。なお、ループがロングループ(ループサイズが数百ミリ秒以上)の場合、ループエンドでループスタートの位相と近い値でない成分(非調和成分)も選択して補正するようにしてもよい。次に、補正された周波数成分に基づいて正弦波合成が行われ、ループ部の波形データが生成される。
【0019】
次に、アタック部の決定論的周波数成分の中でループ部に使用されなかった成分がアタック部の途中からアタック部の終わりにかけて徐々にフェードアウトするように加工され、その加工された決定論的周波数成分に基づいて正弦波合成が行われ、アタック部の波形データが生成される。さらに、ノイズ成分波形データ34の音量が制御されつつ、これがアタック部およびループ部に混合される。
【0020】
以上のようにして作成されたアタック部とループ部の波形データは、素材波形データ30と極めて類似した波形であり、かつ、アタック部からループ部、およびループエンドからループスタートへのつながりの良い波形データになる。
【0021】
次に、60は疑似低音合成部であり、サウンドシステム12の最低周波数を示す最低周波数データ50と、決定論的周波数成分32と、アタック&ループ情報54とに基づいて疑似低音波形データ52を生成する。ここで、最低周波数データ50は、1ないし複数の予め設定されている周波数であっても良いし、ユーザが操作子により任意に設定できる周波数であってもよい。疑似低音合成部60の内部において67は抽出部であり、決定論的周波数成分32の中から最低周波数以下の周波数成分を抽出する。62は高調波発生部であり、抽出された各周波数成分に対して、上記最低周波数を超える複数の高調波成分を生成する。ここで、前記抽出される周波数成分の周波数は時間的に変動しており、従って前記生成される高調波成分の周波数もそれに応じて変動する。
【0022】
例えば、最低周波数が120Hzであれば、決定論的周波数成分32中の60<f≦120Hzの周波数成分に対して、少なくとも2倍および3倍の高調波成分が生成される。同様に、40<f≦60Hzの周波数成分に対しては少なくとも3倍および4倍の高調波成分が、30<f≦40Hzの周波数成分に対しては少なくとも4倍および5倍の高調波成分が生成されることになる。
【0023】
次に、68はエンベロープ変換部であり、各高調波成分によって生ずる疑似低音の音量感(ラウドネス)が、元々の周波数成分の音量感と一致するように、各高調波成分のエンベロープを出力する。その内容を図7を参照し説明しておく。先に図5(a),(b)に挙げた等ラウドネス曲線によれば、低音域(例えば100Hz)における音量感と同一の音量感を高調波成分(例えば200Hzと300Hz)において発生させるためには、高調波成分のレベルを小さくし、レベルの変化幅を大きくしなければならないことが解る。
【0024】
そこで、エンベロープ変換部68にあっては、抽出された元の周波数成分のエンベロープレベルが図7の特性Aに示すものであった場合に、これを同図の特性Bのように変換して高調波成分のエンベロープレベルとして出力する。図5(a),(b)の等ラウドネス曲線の低音域においては、何れも周波数が2倍になる毎に等ラウドネスの音圧レベルが10〜15dB下がる。従って、図7におけるレベルL1は、「10〜15dB×逓倍数」に設定される。また、ラウドネスの変化が等しくなるような音圧レベルの変化の大きさは、周波数が2倍になる毎に、「フレッチャー&マンソン」においては1.4倍程度、「ロビンソン&ダドソン」においては1.1倍程度になる。従って、図上のレベル比L3/L2は、「1.1〜1.4×逓倍数」程度に設定される。
【0025】
図3に戻り、64は振幅制御部であり、高調波発生部62から出力された各高調波成分に対して、エンベロープ変換部68から出力されたエンベロープレベルを乗算する。66は複数波形混合部であり、エンベロープの施された各高調波成分を混合する。この混合結果は、疑似低音波形データ52としてハードディスク2に格納される。以上のように作成された通常楽音波形データ38およびそれに対応する疑似低音波形データ52は、ユーザが所定の操作を行うと、ユーザ定義音色の波形データとして、サウンドボード10内の波形メモリに転送される。
【0026】
ところで、
一般的に波形メモリ音源においては、各音色の各音域毎に、異なる通常楽音波形データ38が記憶される(音色間、音域間で波形データを共用する場合もある)。本実施形態では、その通常楽音波形データのうち、含まれる決定論的周波数成分の基本波成分が最低周波数以下のピッチで楽音生成に使用される通常楽音波形データついてのみ、対応する疑似低音波形データ52を波形メモリに記憶する。基本的には、該通常楽音波形データ38と一対一に対応して記憶すればよいが、必ずしもそうしなくてもよい。場合によっては、1つの通常楽音波形データに対して複数の疑似低音波形データを記憶してもよいし、逆に複数の通常楽音波形データに対応して1つの疑似低音波形データを記憶してもよい。波形メモリに記憶された通常楽音波形データ38は、楽音信号が形成される際に、Fナンバに基づいた速度で読み出されることによって、所望のピッチが実現される。そうすると、本実施形態においては、通常楽音波形データ38の周波数成分のうちサウンドシステム12の能力によって実際に再生不可能になる周波数成分は、Fナンバに応じて変化することになる。そこで、本実施形態においては、音域毎に複数種類の疑似低音波形データ52が生成される。
【0027】
かかる理由により、本実施形態においては、一の疑似低音波形データ52の適用される音域は、一の通常楽音波形データ38の適用される音域よりも狭くなり、疑似低音波形データ52の数は多くなりがちである。しかし、疑似低音波形データ52の占めるメモリ領域はサンプリング周波数を抑制することにより、通常楽音波形データ38と比較してきわめて小さくすることができる。この理由について説明しておく。
【0028】
まず、一般的な民生機器では楽音波形のサンプリング周波数は、32〜48kHz程度であるが、これは再生周波数の上限を15〜20kHz程度に設定しているためである。一方、疑似低音波形データ52にあっては、(最低周波数データ50によっても異なるが)再生周波数の上限は2kHz程度で充分あるから、サンプリング周波数は5〜10kHz程度確保すれば充分である。このため、一の疑似低音波形データ52のデータ量は、一の通常楽音波形データ38の数分の一〜数十分の一程度に抑制することができる。なお、このように低いサンプリング周波数を適用する場合は、「8点補間」等、高精度なサンプル点間補間を採用すると好適である。
【0029】
1.3.2.波形合成処理
以上のように波形データが作成された後、入力装置8またはMIDIインタフェース16を介してMIDIイベントが入力されると、これに基づいてサウンドボード10内の波形メモリ音源を制御することにより該音源において楽音波形が合成される。また、リムーバルディスク4等を介して供給されたSMF(スタンダードMIDIフォーマット)ファイルを再生する場合においても、そのイベント情報に基づいて楽音波形が合成される。この音源制御処理の内容を図2を参照し説明する。
【0030】
(1)疑似低音効果がオフの場合
まず、ノートオンイベントが発生すると、同図(a)に示すノートオンイベント処理ルーチンが起動される。図において処理がステップSP2に進むと、パート番号が変数PTに、ノート番号が変数NNに、ベロシティが変数VELに代入される。次に、処理がステップSP4に進むと、フラグPLEが“1”であるか否かが判定される。なお、フラグPLEとは、疑似低音効果のオン/オフ状態を示すフラグであり、“1”はオン、“0”はオフを示す。なお、フラグPLEの値は、ユーザが所定の操作を行うことによって随時切り換えることができる。
【0031】
フラグPLEが“0”であればここで「NO」と判定され、処理はステップSP10に進む。ここでは、図2(b)に示す通常発音制御サブルーチンが呼び出される。図において処理がステップSP22に進むと、サウンドボード10内の音源において1チャンネル分の発音チャンネルが割り当てられる。この割り当てられた発音チャンネルのチャンネル番号をa1とする。
【0032】
次に、処理がステップSP24に進むと、該音源内のチャンネル番号a1に対して、パート番号PTに対応する音色TC(PT)と、ノート番号NNと、ベロシティVELとに応じた楽音パラメータが設定される。ここで、楽音パラメータには以下のようなものがある。
【0033】
(1)波形メモリに記憶された音色TC(PT)に対応する複数の通常楽音波形データ38のうちの、ノート番号NNに対応する通常楽音波形データ38(選択された波形データ)のアドレス情報
通常楽音波形データ38は一般的にアタック部およびループ部から構成されるため、これらのスタートおよびエンドアドレスを設定する必要がある。但し、音色TC(PT)によっては、通常楽音波形データ38は、ループ部のみから構成される場合やワンショットの波形データのみから構成される場合がある。また、ベロシティVELの範囲毎に異なる波形データを適用させる場合もある。
【0034】
(2)ノート番号NNに対応するFナンバ
通常楽音波形データ38には、各波形データ毎にオリジナルのピッチOPが定められている。ノート番号NNが指定されると、選択された波形データのオリジナルピッチOPとノート番号NNとの差分、及び、該波形データのサンプリング周波数に応じて、通常楽音波形データ38の読出アドレスの進行速度すなわちFナンバが決定される。
【0035】
(3)音量エンベロープパラメータ
音色TC(PT)、ベロシティVELおよびノート番号NNが指定されると、それらに応じて音量エンベロープを指定するための音量エンベロープパラメータが決定される。
(4)その他のパラメータ
その他、音色TC(PT)、ノート番号NN、ベロシティVELに対応した音色フィルタパラメータ、ピッチ変調パラメータ、振幅変調パラメータ等が適宜設定される。
【0036】
次に、処理がステップSP26に進むと、該音源のチャンネル番号a1に対して、発音開始が指示される。以上により、当該ノートオンイベントに対する処理が完了する。以後、サウンドボード10の音源においては、ノート番号NNに応じた速度で通常楽音波形データ38が読み出され、更に、上記音色フィルタパラメータに応じたフィルタ処理や、上記音量エンベロープパラメータに応じた音量の時間変化処理が施されて、疑似低音を含まない状態でチャンネル番号a1に係る楽音信号が逐次生成される。そして、この楽音信号はサウンドシステム12を介して発音される。この楽音信号に最低周波数以下の周波数成分が含まれていたとしても、該成分はサウンドシステム12で再生されず、ユーザはそれを聴くことができない。
【0037】
(2)疑似低音効果がオンの場合
疑似低音効果がオンの場合(フラグPLE=1)にノートオンイベントが発生すると、上記ステップSP2,SP4を介して処理はステップSP6に進む。ここでは、音色TC(PT)とノート番号NNとに基づいて、疑似低音波形を発生すべきか否か、すなわちサウンドシステム12において再生できない低音域の周期成分が存在するか否かが判定される。なお、ノート番号NNが特定されたとしても、その基本周波数は音色によってオクターブ単位でずれている場合があるので、音色TC(PT)を加味して判定している。
【0038】
例えば、再生可能な最低周波数が120Hzであって、ノート番号がそのまま基本周波数に相当している場合(オクターブずれの無い場合)を想定してみる。ここで基準ピッチがA4=440Hzであれば、A2=110Hz、A#2=116.54Hz、B2=123.471Hzになるから、音高がA#2以下の時に疑似低音波形を発生すべきであることが解る。
【0039】
次に、処理がステップSP8に進むと、ステップSP6の判定結果に応じて処理が分岐される。まず、「疑似低音波形を発生すべきでない(ノートナンバがB2以上)」と判定されると、処理はステップSP10に進む。これにより、疑似低音効果がオフであった場合と同様に通常発音制御サブルーチン(図2(b))が呼び出される。従って、当該ノートオンイベントに対して1チャンネル分の発音チャンネルが割り当てられ、該発音チャンネルにおいて通常楽音波形データ38に基づく楽音信号が逐次生成されることになる。
【0040】
一方、ステップSP8において「YES」と判定されると、処理はステップSP12に進む。ここでは、図8に示す疑似低音付き発音制御ルーチンが呼び出される。図において処理がステップSP32に進むと、サウンドボード10内の音源において2チャンネル分の発音チャンネルが割り当てられる。この割り当てられた発音チャンネルのチャンネル番号をa1,a2とする。
【0041】
次に、処理がステップSP34に進むと、該音源内のチャンネル番号a1に対して、パート番号PTに対応する音色TC(PT)と、ノート番号NNと、ベロシティVELとに応じた楽音パラメータが設定される。その処理内容は上述したステップSP24と同様である。次に、処理がステップSP36に進むと、チャンネル番号a1において生成する楽音信号に対応して、チャンネル番号a2に疑似低音用のパラメータが設定される。
【0042】
ここで、疑似低音用に設定される楽音パラメータには以下のようなものがある。
(1)ステップSP34で選択された通常楽音波形データ38に対応する疑似低音波形データ52(選択された疑似低音波形データ)のアドレス情報。
(2)ノート番号NNに対応する疑似低音波形データ52のFナンバ。
この疑似低音波形データ52用のFナンバも、通常楽音波形データ38のFナンバと同様の手順で決定される。すなわち、疑似低音波形データのオリジナルピッチOPとノート番号との差分、及び、該疑似低音波形データのサンプリング周波数に応じて、疑似低音波形データのFナンバが決定される。ここで、疑似低音波形データのオリジナルピッチOPは、対応する通常楽音波形データ(チャンネル番号a1で再生される波形データ)のオリジナルピッチOPと同じ値を有する。従って、疑似低音波形データのFナンバは、通常楽音波形データのFナンバに対して所定の比例関係を有する(ただし、サンプリング周波数は相互に異なる)。これにより、チャンネル番号a2では、チャンネル番号a1で生成される楽音信号に対して、ピッチおよび時間軸が完全に同期した疑似低音が得られる。
【0043】
(3)チャンネル番号a1の音量エンベロープに対応した疑似低音の音量エンベロープ
図7において説明したように、疑似低音の音量エンベロープ(特性B)は、元の波形の音量エンベロープ(特性A)とは異なる。従って、チャンネル番号a1の音量エンベロープを変形して疑似低音用の音量エンベロープが設定される。
但し、通常楽音波形データ38、疑似低音波形データ52とも、それぞれアタック部とループ部のうちのアタック部には音量エンベロープの変化する波形データが記憶されている。従って、波形メモリ音源の各チャンネルでは、該アタック部分について音量の時間変化を付与する必要はなく、アタック部の平坦な音量エンベロープを指定する音量エンベロープパラメータが設定されている。図9に、チャンネル番号a1で付与される通常楽音波形データ38用の音量エンベロープ(特性A’)と、チャンネル番号a2で付与される疑似低音波形データ52用の音量エンベロープ(特性B’)との例を示しておく。
【0044】
この各音量エンベロープは、図7に関して説明した等ラウドネスの関係に従うものであり、各チャンネルで再生する波形データがアタック部からループ部に入ったところで変化を開始している。平坦部においては、再生される通常楽音波形データ38に含まれる最低周波数以下の周波数成分のラウドネスと疑似低音波形データのラウドネスを略一致させるため、特性B’のほうが特性A’に比べてレベルが低くなるよう設定されている。また、ループ部においては、再生される通常楽音波形データのループ部に含まれる最低周波数以下の成分のラウドネス変化量と疑似低音波形データのループ部のラウドネス変化量を略一致させるため、特性B’の傾きが特性A’の傾きより急峻になるよう設定されている。これにより、チャンネル番号a2では、チャンネル番号a1で生成される楽音信号に含まれる最低周波数以下の成分に対して、ラウドネス特性が追従する疑似低音波形が得られる。
(4)その他のパラメータ
その他各種のパラメータの内容は、基本的にはチャンネル番号a1と同様に設定される。
【0045】
図8に戻り、処理がステップSP38に進むと、該音源内のチャンネル番号a1,a2に対して、発音開始が指示される。以上により、当該ノートオンイベントに対する処理が完了する。以後、サウンドボード10の音源のチャンネル番号a1においては、ノート番号NNに応じた速度で通常楽音波形データ38が読み出され、疑似低音を含まない状態でチャンネル番号a1に係る楽音信号が逐次生成される。これに同期して、チャンネル番号a2においては、ノート番号NNに応じた疑似低音波形データ52が読み出され、疑似低音信号が逐次生成される。これにより両信号がサウンドシステム12を介して発音される。サウンドシステム12では楽音信号のうちの最低周波数以下の成分は再生されないが、ユーザはその再生されない成分の代りに該成分に対応する疑似低音を聴くことができ、該成分があたかも再生されているかのように錯覚する。
【0046】
以上のように、本実施形態によれば、通常楽音波形に対する音量エンベロープと、疑似低音波形に対する音量エンベロープとを個別に制御できるから、その時々の状況に応じて、等ラウドネス曲線に従って音量レベルおよびダイナミックレンジの制御を行うことが可能である。
【0047】
2.第2実施形態
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態のハードウエア構成は第1実施形態と同様であるが、サウンドボード10の波形メモリに用意する波形データおよび制御のためのソフトウェア構成は第1実施形態と比較して若干異なるため、相違点についてのみ説明する。
【0048】
(1)波形データ作成処理
本実施形態においては、図3および図4について説明したのと同様の波形データ作成処理が実行され、通常楽音波形データ38および疑似低音波形データ52が得られる。さらに、本実施形態においては、図10に示す処理が実行される。
【0049】
図において72,74は振幅制御部であり、波形データ38,52の振幅を制御する。すなわち、第1実施形態の図9における特性A’,B’のアタック部の差分に相当するレベル差が両波形データのエンベロープに付与されるように、両波形データの振幅が設定される。76は混合部であり、振幅制御された両波形データを混合し、その結果を疑似低音込み波形データ78として出力する。これら波形データ38,78はハードディスク2に格納され、波形データ52は削除される。このようにして、通常楽音波形データ38と、それに含まれる最低周波数以下の周波数成分に対応する疑似低音波形データ52であり、該周波数成分と等ラウドネスになるよう振幅制御された疑似低音波形データが混合され、疑似低音込み波形データ78が用意された。
【0050】
ここでは、図7に関して説明した内容のうち、疑似低音のラウドネスを揃えるための音圧レベルの減衰を行っているが、ラウドネス変化を揃えるための音圧レベルの変化の大きさの制御は行っていない。これは「ロビンソン&ダドソン」において、該音圧レベルの変化の大きさの比が1に近いことから、省略してもよいと判断したためである。作成された通常楽音波形データ38と、それに対応する疑似低音込み波形データ78は、ユーザの所定の操作に応じて、サウンドボード10内の波形メモリに転送される。サウンドボード10内の波形メモリには、各音色の音域毎に通常楽音波形データ38が記憶されているが、疑似低音込み波形データはそのうちの基本波成分が最低周波数以下のピッチで楽音生成に使用される通常楽音波形データ38についてのみ用意して波形メモリに記憶しておけばよい。
【0051】
(2)ノートオンイベント処理
本実施形態においても、ノートオンイベントが発生すると、第1実施形態と同様に、図2(a)に示すノートオンイベント処理ルーチンが起動される。疑似低音効果がオフの場合、ないし、疑似低音効果がオンでありかつ生成する楽音信号に再生できない低音域の周波数成分が存在しない場合に実行されるステップSP10の処理は、第1実施形態と全く同じである。疑似低音効果がオンでありかつ生成する楽音信号に再生できない低音域の周波数成分が含まれる場合には、ステップS12において、図8の処理の代りに図11に示す疑似低音付き発音制御ルーチンが呼び出される。
【0052】
このルーチンで実行されるステップSP42,SP44,SP46は、各々通常楽音波形に対して実行されるステップSP22,SP24,SP26(図2(b))の内容と同様である。但し、ステップSP44においては、通常楽音波形データ38に代えて、疑似低音込み波形データ78に対するアドレス情報、Fナンバ、音量エンベロープパラメータ、その他のパラメータがサウンドボード10内の音源に設定される。設定されるアドレス情報は、波形メモリに記憶された音色TC(PT)に対応する複数の通常楽音波形データ38のうちの、ノート番号NNに対応する通常楽音波形データ38に対応する疑似低音込み波形データ78のアドレス情報である。Fナンバ、音量エンベロープパラメータ、その他パラメータについては、基本的に、通常楽音波形データ38の対応するパラメータと同じ値とすればよい。
【0053】
これにより、ステップSP46において、該音源のチャンネル番号a1に対して、発音開始が指示されると、サウンドボード10の音源においては、ノート番号NNに応じた速度で疑似低音込み波形データ78が読み出され、更に、上記音色フィルタパラメータに応じたフィルタ処理や、上記音量エンベロープパラメータに応じた音量の時間変化処理が施されて、疑似低音を含む状態でチャンネル番号a1に係る楽音信号が逐次生成される。そして、この楽音信号はサウンドシステム12を介して発音される。この楽音信号は、再生できない最低周波数以下の周波数成分に対応する疑似低音を含むので、ユーザにはあたかも該周波数成分が再生されているかのように聴こえる。
【0054】
本実施形態によれば、疑似低音を発生させる場合であっても、一のノートオンイベントに対して割り当てられる発音チャンネルを1チャンネルに抑制することができる。このため、特に発音チャンネル数の増加を抑制したい場合に用いて好適である。
【0055】
3.第3実施形態
次に、本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態のハードウェア構成は、サウンドボード10の音源が波形メモリ音源ではなく周波数変調音源(FM音源)である点を除いて第1実施形態と同じである。ソフトウェア構成についても第1実施形態と若干異なっているが、以下ではその相違点についてのみ説明を行なう。
【0056】
(1)波形データ作成処理
本実施形態においては、楽音信号はFM音源方式によって生成されるため、第1および第2実施形態のような波形データ作成処理は実行されない。
【0057】
(2)ノートオンイベント処理における通常発音制御
本実施形態においても、ノートオンイベントが発生すると、第1実施形態と同様に、図2(a)に示すノートオンイベント処理ルーチンが起動される。但し、本実施形態においては、疑似低音を生成すべきでない場合は、ステップSP10において図12(a)に示す通常発音制御サブルーチンが呼び出される。
【0058】
図12(a)において処理がステップSP52に進むと、サウンドボード10内の音源において1チャンネル分の発音チャンネルが割り当てられる。この割り当てられた発音チャンネルのチャンネル番号をa1とする。
【0059】
次に、処理がステップSP54に進むと、該音源内のチャンネル番号a1に対して、パート番号PTに対応する音色TC(PT)と、ノート番号NNと、ベロシティVELとに応じた楽音信号用の楽音パラメータが設定される。一般的に、音源チャンネルに設定されるFM音源の楽音パラメータは、各音色TC毎に1セットずつ用意された音色データに基づいて、楽音信号用の基本の楽音パラメータに対して、ノート番号NNおよびベロシティVELに応じた補正(スケーリング)を加えることにより用意される。ここで、楽音パラメータには以下のようなものがある。
【0060】
(1)アルゴリズム
本実施形態において採用されるFM音源方式においては、音色TC(PT)に応じてアルゴリズム(n個のオペレータの接続状態)が選択される。また、各オペレータで使用される波形データの種類(正弦波、正弦波の半波整流波形、正弦波の全波整流波形等)、上記波形データを生成するための位相データの進行速度を制御するピッチデータ(波形データのピッチを制御する)、各オペレータ毎の該ピッチデータに対する乗数(各オペレータにおける位相データの進行速度は乗数とピッチデータの積により制御される)、低周波変調制御データ(ビブラート等を制御する)、各オペレータで生成される波形データに施されるエンベロープ波形を制御するエンベロープパラメータ等が、音色TC(PT)、ノート番号NN、ベロシティVELに応じて決定される。アルゴリズムの内容としてはアルゴリズムの内容としては種々のものが考えられるが、単純な例として、図13(a)に示すように「n=2」個のオペレータOP1,OP2を直列接続したものが考えられる。
【0061】
(2)音量エンベロープパラメータ
FM音源から出力される楽音信号の音量エンベロープは、上記アルゴリズムの最終段のオペレータ(図示の例ではOP2)に付与されるエンベロープが対応する。上述したとおり、該エンベロープのエンベロープパラメータは、音色TC(PT)、ノート番号NN、ベロシティVELに応じて決定される。
【0062】
(3)その他のパラメータ
アルゴリズムの出力に対してフィルタリング処理を施す場合においては、音色TC(PT)、ノート番号NN、ベロシティVELに対応した音色フィルタパラメータ等が設定される。更に、生成される楽音信号のピッチを変動させるためのピッチエンベロープを制御するピッチエンベロープパラメータが設定される場合もある。
【0063】
次に、処理がステップSP56に進むと、該音源のチャンネル番号a1に対して、発音開始が指示される。以上により、当該ノートオンイベントに対する処理が完了する。以後、サウンドボード10の音源においては、疑似低音を含まない状態でチャンネル番号a1に係る楽音信号が逐次生成される。そして、この楽音信号はサウンドシステム12を介して発音される。この楽音信号に最低周波数以下の周波数成分が含まれていたとしても、該成分はサウンドシステム12で再生されず、ユーザはそれを聴くことができない。
【0064】
(3)ノートオンイベント処理における疑似低音付き発音制御
ノートオンイベント処理ルーチン(図2(a))において処理がステップSP12に進むと、図12(b)に示す疑似低音付き発音制御ルーチンが呼び出される。
図において処理が図において処理がステップSP62に進むと、サウンドボード10内の音源において2チャンネル分の発音チャンネルが割り当てられる。この割り当てられた発音チャンネルのチャンネル番号をa1,a2とする。
【0065】
次に、処理がステップSP64に進むと、該音源内のチャンネル番号a1に対して、パート番号PTに対応する音色TC(PT)と、ノート番号NNと、ベロシティVELとに応じた楽音信号用の楽音パラメータが設定される。その処理内容は上述したステップSP54と同様である。次に、処理がステップSP66に進むと、チャンネル番号a1において生成する楽音信号に対応して、チャンネル番号a2に疑似低音用のm個のオペレータが確保され、これらのパラメータが設定される。
【0066】
ここで、疑似低音用に設定される楽音パラメータには以下のようなものがある。
(1)アルゴリズム
疑似低音を発生するために、チャンネル番号2にはOP3,OP4の2オペレータを並列に接続した構成のアルゴリズム(図13(b)参照)を設定する。
チャンネル番号a1において生成される楽音信号の周波数成分には、サウンドシステム12によって再生されないノート番号NNに対応した周波数成分が含まれている。ここで、チャンネル番号a1の最終段のオペレータで、ピッチデータの乗数が1のオペレータが当該チャンネルの最低音を生成していると仮定する。その場合、チャンネル番号a2には、チャンネル番号a1と同じくノート番号NNに対応した周波数fのピッチデータを設定し、更に、チャンネル番号a2の各オペレータで乗数を適宜設定することにより該周波数fの倍音を倍音を発生する。各オペレータでは、生成する波形データのピッチが最低周波数より大きくなり、かつ、最大公約数が「1」になるような複数の乗数の組み合わせ(例えば「2,3」、「3,4」、……等)が設定され、実際に発生する信号のピッチ周波数は「2f,3f」、「3f,4f」、……のようになる。
【0067】
(2)音量エンベロープパラメータ
音色TC(PT)、ベロシティVELおよびノート番号NNが指定されると、疑似低音用のオペレータ(図示の例ではOP3,OP4)に付与される音量エンベロープを指定するために、音量エンベロープパラメータが決定される。両チャンネル番号a1,a2における音量エンベロープの関係は、第1および第2実施形態と同様である。すなわち、チャンネルa1で生成される楽音信号に含まれる再生されない低域成分の音量エンベロープと等ラウドネス関係にある音量エンベロープのエンベロープパラメータがチャンネル番号a2の2つのオペレータにそれぞれ設定される。ここで、各オペレータに設定されるエンベロープパラメータは、それぞれ生成する波形データのピッチに応じて相互に異なっている。
【0068】
(3)その他のパラメータ
その他、ノート番号NN、ベロシティVELに対応した音色フィルタパラメータ等が設定される。チャンネル番号a1に前記ピッチエンベロープが設定されている場合には、チャンネル番号a2にも同じピッチエンベロープを設定することにより、チャンネル番号a2で生成される疑似低音のピッチを、チャンネル番号a1で生成される楽音信号のピッチ変動に追従させることができる。ここで、以上に説明した疑似低音用の楽音パラメータについても、楽音信号用の楽音パラメータと同様の方法で作成することができる。具体的には、まず、前記各音色TC毎に1セットずつ用意される音色データの中に疑似低音用のデータを含むようにする。そして、該音色データに含まれる疑似低音用の基本の楽音パラメータに対して、ノート番号NNおよびベロシティVELに応じた補正(スケーリング)を加えることにより、疑似低音用の楽音パラメータを作成する。
【0069】
図12(b)に戻り、処理がステップSP58に進むと、該音源内のチャンネル番号a1,a2に対して、発音開始が指示される。以上により、当該ノートオンイベントに対する処理が完了する。以後、サウンドボード10の音源のチャンネル番号a1においては、疑似低音を含まない状態で楽音信号が逐次生成される。これに同期して、チャンネル番号a2においては、ノート番号NNに応じた疑似低音信号が逐次生成される。両信号がサウンドシステム12を介して発音されると、チャンネル番号a1の楽音信号のうち、最低周波数以下の周波数成分が再生されていないにも関わらず、チャンネル番号a2の疑似低音により、ユーザは該周波数成分があたかも聴こえているかのように錯覚する。
【0070】
4.第4実施形態
次に、本発明の第4実施形態について説明する。第4実施形態のハードウエア構成は第3実施形態と同様であるが、ソフトウエア構成は第3実施形態と比較して若干異なるため、相違点についてのみ説明する。
【0071】
(1)ノートオンイベント処理における疑似低音付き発音制御
本実施形態においては、ノートオンイベント処理ルーチン(図2(a))において処理がステップSP12に進むと、図12(c)に示す疑似低音付き発音制御ルーチンが呼び出される。図において処理が図において処理がステップSP72に進むと、サウンドボード10内の音源において1チャンネル分の発音チャンネルが割り当てられる。この割り当てられた発音チャンネルのチャンネル番号をa1とする。
【0072】
次に、処理がステップSP74に進むと、該音源内のチャンネル番号a1に対して、(m+n)のオペレータが確保される。ここで、本実施態様では各チャンネル毎にオペレータ数を変更可能なFM音源を使用するものとする。「m」および「n」は上記第3実施形態における通常発音用および疑似低音用のオペレータ数である。次に、これらに対してパート番号PTに対応する音色TC(PT)と、ノート番号NNと、ベロシティVELとに応じた楽音パラメータが設定される。
【0073】
ここで設定されるアルゴリズムは、上記第3実施形態における通常発音用のアルゴリズムと、疑似低音用アルゴリズムとを並列接続したものに等しい。その一例を図13(c)に示しておく。その他楽音パラメータの設定内容も、第3実施形態と同様である。
【0074】
次に、処理がステップSP76に進むと、該音源内のチャンネル番号a1に対して、発音開始が指示される。以上により、当該ノートオンイベントに対する処理が完了する。以後、サウンドボード10の音源のチャンネル番号a1においては、疑似低音を含む楽音信号逐次生成される。
【0075】
以上のように、第3,第4実施形態の相違点は、疑似低音付き発音制御を行う際に、発音チャンネルを2チャンネル確保するか1チャンネル確保するかにある。何れの実施形態を選択するかは、1チャンネルあたりの最大オペレータ数が「n+m」以上であるか否かに基づいて決定するとよい。図13の例にあっては、仮に最大オペレータ数が「3」であれば第3実施形態(同図(a)+(b))の構成を採用せざるを得ない。また、最大オペレータ数が「4」以上であれば、何れの実施形態も採用し得るが、チャンネル数が抑制できる点で第4実施形態を採用する方が有利である。
【0076】
5.変形例
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のように種々の変形が可能である。
(1)上記各実施形態はパーソナルコンピュータ上で動作するソフトウエアによって楽音合成システムを実現したが、同様の機能を各種の電子楽器、携帯電話器、アミューズメント機器、その他楽音を発生する装置に使用してもよい。また、上記実施形態に用いられるソフトウエアをCD−ROM、フロッピーディスク等の記録媒体に格納して頒布し、あるいは伝送路を通じて頒布することもできる。
【0077】
(2)上記実施形態において、サウンドボード10とサウンドシステム12との間にサウンドシステムで再生可能な最低周波数以下の周波数成分を減衰するようなハイパスフィルタを介挿し、再生可能な最低周波数以下の周波数成分をカットしてもよい。これにより、サウンドシステム12内のアンプの消費電力を低減させることができる。
【0078】
(3)サウンドボード10が波形RAMを備えたPCM音源である場合、既存の波形データを分析することによって疑似低音波形を生成してもよい。その際、ユーザが再生可能な最低周波数を選択ないし指定し、選択ないし指定された最低周波数に基づいて自動的に疑似低音波形データを作成するようにしてもよい。
【0079】
(4)本発明を電子楽器に適用する際、サウンドシステムを備えた電子楽器に組み込む場合は、メーカ側で該サウンドシステムにマッチする疑似低音効果を予め設定しておけば好適である。その場合でも、メーカ側で複数通りの設定を用意しておき、ユーザがその中から好みの設定を選択できるようにしてもよい。一方、サウンドシステムを備えていない電子楽器(シンセサイザ等)やパーソナルコンピュータ用のサウンドボードの場合は、予めサウンドシステムを特定することが不可能である。この場合は、上記実施形態と同様に、疑似低音効果の最低周波数、減衰量、振幅コンプレス量等の設定を電子楽器のパネルやサウンドボードを装着するパーソナルコンピュータで行うとよい。
【0080】
(5)上記実施形態においては、疑似低音を生成するためのパラメータとして、最低周波数と、減衰量(図7におけるレベルL1)と、疑似低音の振幅コンプレス量(同図のレベル比L3/L2)を用いた。しかし、減衰量と振幅コンプレス量を固定のパラメータとし、最低周波数のパラメータにみに基づいて疑似低音を発生させてもよい。あるいは、疑似低音における振幅コンプレスの変化を考慮せず、減衰量と最低周波数のみに基づいて疑似低音を発生させてもよい。
【0081】
(6)上記実施形態において、複数のサウンドシステムのうち何れか切り換えて使用するような場合は、各サウンドシステム毎の最低周波数等を予め記憶しておき、使用されるサウンドシステムの切換状況に応じて、自動的に疑似低音効果の設定を行うようにしてもよい。
【0082】
(7)疑似低音の制御を行うための制御データ(疑似低音制御データ)は、各音色の音色データの一部に含まれるようにするとよい。さらに、その音色データには、異なる最低周波数に対応する複数の疑似低音制御データを含ませておくとよい。その場合、サウンドシステム12の最低周波数をユーザが予め指定しておくと、その後は単に音色を選択する動作によって、その最低周波数にマッチする疑似低音制御データを自動的に選択し使用することが可能になる。
【0083】
(8)波形メモリ音源を用いた第1,第2実施形態においては、波形メモリに記憶する波形データの分析・作成処理を行うようになっていたが、波形データの分析・作成処理は本発明に必須ではない。波形メモリに予め分析・作成された波形データ(通常楽音波形データ38および疑似低音波形データ52)を記憶しておき、該記憶された波形データを使用して本発明を実施することができる。
【0084】
(9)FM音源を用いた第3,第4実施形態においては、疑似低音生成のために2つのオペレータを並列に接続したアルゴリズムを使用したが、その他のアルゴリズムを使用してもよい。
例えば、2つのオペレータを直列に接続したアルゴリズムを使用する場合、再生されない低域成分の周波数と同じピッチのピッチデータを設定し、モジュレータ側のオペレータでは乗数「1」により該周波数と同じピッチの波形データを発生させ、キャリア側のオペレータでは乗数「2」により該周波数の2倍のピッチの波形データを発生させるようにすればよい。前記2倍のピッチの波形データに対して前記同じピッチの波形データで周波数変調をかけることにより、前記2倍のピッチを中心として前記同じピッチに対応する周波数の間隔でサイドバンドの周波数成分が発生する。前記2倍のピッチのキャリア成分と、その1つ上のサイドバンド成分(再生されない低域成分の周波数の3倍のピッチを持つ)とを使用して疑似低音を生成することができる。
【0085】
この場合、モジュレータ側のオペレータの出力レベルによって、前記キャリア成分と前記1つ上のサイドバンド成分の音量比が決定される。制御の容易化のため、該モジュレータ側のオペレータのエンベロープを時間変動させない、つまり、該音量比を固定値とするのが好適である。
そして、キャリア側のオペレータのエンベロープについては、再生されない低域成分の音量と等ラウドネスの関係を保ったまま時間変化するようエンベロープパラメータを設定すればよい。
【0086】
(10)上記実施形態においては、波形メモリ音源またはFM音源で疑似低音を生成したが、音源種類はこの2つに限らない。例えば、高調波合成方式や部分音合成方式の音源であれば、各チャンネルの複数のオシレータのうちの1ないし複数を使用して疑似低音を発生することができる。リング変調方式の音源であれば、2系列のオシレータのリング変調により発生する倍音を疑似低音に使用することができる。波形データのノンリニア変換が可能な音源であれば、該ノンリニア変換により発生する倍音に基づいて疑似低音を生成することができる。その他、物理モデル音源やアナログモデリング音源に適用してもよい。
【0087】
(11)上記実施形態においては、疑似低音効果をオン/オフできるようになっているが、常時オンとなるようにしてもよい。
(12)上記実施形態では最低周波数をユーザが設定するようになっていたが、複数のサウンドシステムの個々の最低周波数を示すデータを記憶するようにしてもよい。使用するサウンドシステムを選択するだけで対応する最低周波数が自動的に決まり、該最低周波数に対応する疑似低音効果を自動設定することができる。
【0088】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、指定音高が、電気音響変換器に関連して予め定められた境界音高以下であるか否かを判定することによって第1または第2の波形信号を生成するから、必要な演算量を低減しつつ疑似低音を発生させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態の楽音合成システムのハードウエアブロック図である。
【図2】 (a)ノートオンイベント処理ルーチンおよび(b)通常発音制御サブルーチンのフローチャートである。
【図3】 第1実施形態における波形データ作成処理の内容を示すブロック図である。
【図4】 第1実施形態における波形データ分析処理の内容を示すブロック図である。
【図5】 等ラウドネス曲線を示す図である。
【図6】 波形の成分解析結果を示す図である。
【図7】 第1実施形態におけるエンベロープ変換特性図である。
【図8】 第1実施形態における疑似低音付き発音制御ルーチンのフローチャートである。
【図9】 第1実施形態における音量エンベロープの例を示す図である。
【図10】 第2実施形態における波形データ作成処理の要部を示すブロック図である。
【図11】 第2実施形態における疑似低音付き発音制御ルーチンのフローチャートである。
【図12】 第3,第4実施形態における制御ルーチンのフローチャートである。
【図13】 第3,第4実施形態におけるアルゴリズムのブロック図である。
【符号の説明】
2……ハードディスク、4……リムーバルディスク、6……表示器、8……入力装置、10……サウンドボード、12……サウンドシステム、14……バス、16……MIDIインタフェース、18……タイマ、20……CPU、22……ROM、24……RAM、30……素材波形データ、32……決定論的周波数成分、34……ノイズ成分波形データ、36……波形合成部、38……通常楽音波形データ、40……波形分析部、42……FFT解析処理部、44……連続成分分離部、46……合成部、48……減算部、50……最低周波数データ、52……疑似低音波形データ、54……アタック&ループ情報、60……疑似低音合成部、62……高調波発生部、64……振幅制御部、66……複数波形混合部、67……抽出部、68……エンベロープ変換部、72,74……振幅制御部、76……混合部、78……疑似低音込み波形データ。
Claims (9)
- 電気音響変換器を介して楽音を発生するために、複数発音チャンネルの波形信号を生成する波形信号生成方法において、
指定音高を伴う発音指示情報を受けとる過程と、
該指定音高が、前記電気音響変換器に関連して予め定められた境界音高以下であるか否かを判定する判定過程と、
該判定過程において前記指定音高が前記境界音高以下でない旨が判定されたことを条件として、第1の波形信号を生成する第1の波形信号生成過程と、
該判定過程において前記指定音高が前記境界音高以下である旨が判定されたことを条件として、前記指定音高の倍音であって周波数の最大公約数が前記指定音高になる前記境界音高以上の複数の倍音を疑似低音信号として含む第2の波形信号を生成する第2の波形信号生成過程と
を有することを特徴とする波形信号生成方法。 - 前記第1の波形信号生成過程は、通常の楽音信号である第1の波形信号が第1の発音チャンネルにおいて生成されるものであり、
前記第2の波形信号生成過程は、第1の発音チャンネルを用いて通常の楽音信号を生成するとともに、前記第1の発音チャンネルとは異なる第2の発音チャンネルにおいて前記複数の倍音から成る疑似低音信号を生成するものであり、前記第1の波形信号と前記第2の波形信号とを混合した波形信号を出力する
ことを特徴とする請求項1記載の波形信号生成方法。 - 前記第1の波形信号生成過程は、予め記憶された第1の波形データを読み出すことによって前記第1の波形信号を生成するものであり、
前記第2の波形信号生成過程は、前記第1の波形データと、予め記憶された前記疑似低音信号に係る第2の波形データとを読み出して混合することによって前記第2の波形信号を生成するものである
ことを特徴とする請求項1記載の波形信号生成方法。 - 前記第1の波形信号生成過程は、予め記憶された第1の波形データを読み出すことによって前記第1の波形信号を生成するものであり、
前記第2の波形信号生成過程は、予め記憶され前記第1の波形データと前記疑似低音信号に係る波形データとを混合して成る第2の波形データを読み出すことによって前記第2の波形信号を生成するものである
ことを特徴とする請求項1記載の波形信号生成方法。 - 前記第1および第2の波形信号生成過程は、複数のオペレータを組み合わせたアルゴリズムによって、各々前記第1および第2の波形信号を生成するものであり、
前記第2の波形信号生成過程においては、各々が少なくとも一つのオペレータを有し、これら各オペレータの出力信号の周波数の最大公約数が前記指定音高になるようにした複数の回路を並列接続するとともに、これら複数の回路の出力信号を加算して前記疑似低音信号を発生させる
ことを特徴とする請求項1記載の波形信号生成方法。 - 前記第1の波形信号生成過程に適用されるオペレータは第1の発音チャンネルに含まれるものであり、
前記第2の波形信号生成過程に適用されるオペレータは前記第1の発音チャンネルとは異なる第2の発音チャンネルに含まれる
ことを特徴とする請求項5記載の波形信号生成方法。 - 前記第1および第2の波形信号生成過程に適用されるオペレータは1つの発音チャンネルに含まれるものであり、これらオペレータの出力信号を加算することによって当該発音チャンネルを介して前記第1の波形信号と前記第2の波形信号とを混合した波形信号を出力する
ことを特徴とする請求項5記載の波形信号生成方法。 - 請求項1ないし7の何れかに記載の方法を実行することを特徴とする波形信号生成装置。
- 請求項1ないし7の何れかに記載の方法を処理装置に実行させるプログラムを記憶したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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