JP2008304670A - 電子音源装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ハードウェアリソースへの影響がなく、低音性能が向上したMIDI演奏音の再生を可能とする電子音源装置を提供する。
【解決手段】音色に関する音色情報および楽曲を構成するための楽曲構成情報を含むMIDIデータを解析するMIDI I/F11と、所定音域の倍音の音域の信号レベルを大きくする擬似低音処理を施された音源データを記憶する音源データ記憶部12と、音色情報に基づいて、音源データの音色を生成する音色生成部13と、楽曲構成情報に基づいて、前記音色を生成された音源データから楽曲データを生成する楽曲構築部14と、楽曲データに基づいて、楽曲を再生して出力する発音デバイス16とを有する構成としている。
【選択図】図3
【解決手段】音色に関する音色情報および楽曲を構成するための楽曲構成情報を含むMIDIデータを解析するMIDI I/F11と、所定音域の倍音の音域の信号レベルを大きくする擬似低音処理を施された音源データを記憶する音源データ記憶部12と、音色情報に基づいて、音源データの音色を生成する音色生成部13と、楽曲構成情報に基づいて、前記音色を生成された音源データから楽曲データを生成する楽曲構築部14と、楽曲データに基づいて、楽曲を再生して出力する発音デバイス16とを有する構成としている。
【選択図】図3
Description
本発明は、スピーカや振幅増幅回路及びほかの処理回路などを増大することなく、スピーカ及びヘッドフォンの低域周波数特性の低下を聴覚的に補償し、低音感を増強する電子音源装置に関するものである。
近年AV機器の小型化/薄型化が進み、特にスピーカは小口径化している。そのため、その大きさの制約から数百ヘルツ程度以下帯域の低音再生能力が低下しており、十分な低域再生ができないことがある。また、安価なヘッドフォンでは100ヘルツ程度以下の重低音帯域再生能力が低下する。
図1は、一般的な楽器の基音範囲の一例を示す図である。この図1に示すように、一般的に楽器の基音の周波数は数百ヘルツ以下の帯域にも広く存在しているので、小型スピーカや、安価なヘッドフォンでは、それらの音域の音に対する再生能力が弱く、低域再生の品質に限界がある。
スピーカの低域周波数特性の低下を補償し低音感を増強する方法として、イコライザを用いて低域の振幅を増幅して低音を補うという方法がある。しかし、スピーカの再生周波数帯域外の低音感を増強するには、低域を大幅に増幅させる必要があり、大電力出力が必要となり、スピーカを駆動するパワーアンプを大型化させなければならなかった。また、それに伴ってスピーカの許容入力も大きくする必要があり、スピーカも大型化する必要があった。
また、低音感を増強する他の方法として、擬似低音再生技術を利用して低音を増強する回路を用いることが知られている(例えば特許文献1参照)。
擬似低音再生技術のアルゴリズムは、音響心理学の原理に基づく技術で、原音に含まれる音声信号から擬似低音を作り出し、その擬似低音を聴かせることで重低音感を認識させるものである。
図2は、スピーカ再生の周波数特性モデルの一例を示す図である。この図2のスピーカ再生の周波数特性モデルにおいて、再生可能と再生不可能の周波数帯域があり、再生不可能な周波数帯域に存在するf0信号は、そのままではもちろん再生不可能であるし、イコライザ処理によりその帯域を持ち上げたとしても、その効果はほとんど期待できない。
しかし、擬似低音再生技術では、f0信号そのものを持ち上げるのではなく、そのf0信号に対する倍音を、再生可能な周波数帯域に生成することにより、聴覚の錯覚としてあたかもf0が聴こえるように知覚できるのである。
しかしながら、MIDI(Musical Instruments Digital
Interface)演奏システムにおいて、低音の再生性能を向上させようとする場合には、MIDI演奏システムの音楽データ出力部に擬似低音再生処理を施すことによって可能となるが、下記のような事情がある。
Interface)演奏システムにおいて、低音の再生性能を向上させようとする場合には、MIDI演奏システムの音楽データ出力部に擬似低音再生処理を施すことによって可能となるが、下記のような事情がある。
従来のイコライザを用いる場合には、オリジナルの音を変質させる上、無理に強調された重低音によるキャビネット(筐体)の振動が不快感を生むことにもなってしまう。また、処理負荷の増加に伴い、消費電力増加や、使用メモリ量増加といったハードウェアリソースへの影響も生じる。
また、従来の擬似低音再生技術を用いる場合には、擬似低音を作り出すプロセスの精度を上げると、処理負荷増大に伴う消費電力増加や、使用メモリ量増加といったハードウェアリソースへの影響が大きくなってしまう。一方で、擬似低音を作り出すプロセスの精度を下げてしまうと、オリジナルの音に対して、中・低音域で音質変化が生じ、こもり感を生み出すことになってしまう。
MIDI演奏システムは元来、小さなデータサイズの演奏情報データに基づいた楽曲再生を、軽い処理負荷で、また、簡単な仕組みで実現させることを目的とした演奏システムであるため、従来のイコライザや擬似低音技術を導入することで低音感増強を試みることは、ハードウェアリソースが増大してしまうという点で、好ましくない。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであって、ハードウェアリソースへの影響がなく、低音性能が向上したMIDI演奏音の再生を可能とする電子音源装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1の電子音源装置は、音色に関する音色情報および楽曲を構成するための楽曲構成情報を含むMIDIデータを解析するデータ解析部と、所定音域の倍音の音域の信号レベルを大きくする擬似低音処理を施された音源データを記憶する音源データ記憶部と、前記音色情報に基づいて、前記音源データの音色を生成する音色生成部と、前記楽曲構成情報に基づいて、前記音色を生成された音源データから楽曲データを生成する楽曲生成部と、前記楽曲データに基づいて、楽曲を再生して出力する出力部とを有する構成としている。
この構成により、消費電力増加や、使用メモリ量増加といったハードウェアリソースへの影響がなく、低音性能が向上したMIDI演奏音の再生を可能ととなる。
また、本発明の第2の電子音源装置は、前記音源データ記憶部が、前記出力部の出力音響特性に基づいて、前記擬似低音処理を施された音源データを記憶する構成としている。
この構成により、システムの処理負荷を増大させることなく、発音デバイスに対応して再生能力を超えた低音域の再生が可能となり、低音感の増強により高音質化を図ることが可能となる。
また、本発明の第3の電子音源装置は、前記出力部が、スピーカであり、前記音源データ記憶部が、前記スピーカの出力音響特性に基づいて、前記擬似低音処理を施された音源データを記憶する構成としている。
この構成により、システムの処理負荷を増大させることなく、スピーカ再生能力を超えた低音域の再生が可能となり、低音感の増強により高音質化を図ることが可能となる。
また、本発明の第4の電子音源装置は、前記出力部が、ヘッドフォンであり、前記音源データ記憶部が、前記ヘッドフォンの出力音響特性に基づいて、前記擬似低音処理を施された音源データを記憶する構成としている。
この構成により、システムの処理負荷を増大させることなく、ヘッドフォン再生能力を超えた低音域の再生が可能となり、低音感の増強による迫力再生を図ることが可能となり、重低音域の再生能力が乏しいタイプの安価なヘッドフォンにも効果的である。
また、本発明の第5の電子音源装置は、前記出力部による出力をスピーカおよびヘッドフォンのいずれの出力方法で行うかを設定する出力方法設定部を有し、前記出力部が、前記スピーカおよび前記ヘッドフォンを有し、前記音源データ記憶部が、前記スピーカの出力音響特性に基づいて前記擬似低音処理を施された第1の音源データおよび前記ヘッドフォンの出力音響特性に基づいて前記擬似低音処理を施された第2の音源データを記憶し、前記音色生成部が、前記音色情報および前記出力方法に基づいて、前記第1の音源データまたは前記第2の音源データに音色を付加する構成としている。
この構成により、システムの処理負荷を増大させることなく、スピーカおよびヘッドフォンのどちらを利用するかに関わらず、スピーカとヘッドフォンの再生能力を超えた低音域の再生が可能となり、低音感の増強による迫力再生を図ることが可能となり、重低音域の再生能力が乏しいタイプの小口径なスピーカや安価なヘッドフォンにも効果的である。
本発明は、例えば、発音デバイスの音響特性に合わせ、数百ヘルツ以下帯域の低音増強再生を可能とするようなプリプロセスの擬似低音処理が実施されたPCMを記憶しておき、かつ音色生成を行う際に、音源データの倍音構造を崩さないピッチ変換処理を施すことにより、消費電力増加や、使用メモリ量増加といったハードウェアリソースへの影響がなく、低音性能が向上したMIDI演奏音の再生を可能とする。
以下、本発明の実施形態の電子音源装置について、図面を用いて説明する。
図3は本発明の実施形態における電子音源装置10の構成の一例を示すブロック図である。電子音源装置10は、MIDI I/F(Interface)11と、音源データ記憶部12と、音色生成部13と、楽曲構築部14と、D/A変換器15と、発音デバイス16と、を有して構成される。
MIDI I/F11は、MIDI規格として国際的に統一されたインターフェースであり、MIDIケーブルが接続されることにより、外部の装置からMIDIデータ(演奏
情報を含む)を入力し、演奏情報のパーシング(解析)する。ここで、演奏情報には、音
色に関する音色情報と楽曲の構成に関する楽曲構成情報が含まれている。尚、MIDI I/F11は「データ解析部」としての機能を有する。
情報を含む)を入力し、演奏情報のパーシング(解析)する。ここで、演奏情報には、音
色に関する音色情報と楽曲の構成に関する楽曲構成情報が含まれている。尚、MIDI I/F11は「データ解析部」としての機能を有する。
音源データ記憶部12は、音色生成時に利用する音源となる予めプリプロセスにて擬似低音処理を施したPCM(Pulse−Code Modulation)音源を含む音源データをウェーブテーブル(wave table)50として記憶する。この擬似低音処理は、ある低音域そのものの信号レベルを大きくするのではなく、その低音域の倍音の帯域の信号レベルを大きくすることで、その低音域の低音感を増強させるものである。
PCMは、音声などのアナログ信号をパルス列に変換する方法(パルス変調)の一つである。アナログ信号を標本化(サンプリング)・量子化し、得られた信号の大きさを二進の数値データとして表現する。
このため、他のパルス変調法に比べ、計算機による処理を行いやすい利点がある。
このため、他のパルス変調法に比べ、計算機による処理を行いやすい利点がある。
図4は、従来のウェーブテーブルの一例であり、図5は本発明の実施形態のウェーブテーブルの一例である。
図4に示すウェーブテーブル40には、音源のPCMデータがそのまま記憶されているが、図5に示すウェーブテーブル50には、対象とする音色に対し、発音デバイス16の音響特性に合わせ、数百ヘルツ以下帯域の低音増強再生を可能とするようなプリプロセスの擬似低音処理が実施されたPCMデータが記憶されている。例えば、音色2と、音色4と、音色5は擬似低音処理が実施された音色であり、その擬似低音処理が行われたPCMデータがウェーブテーブル50に記憶されている。
ここでは、音色を生成する時、図5に示すような擬似低音処理が行われたPCMデータを用いて音色を生成する。
音色生成部13は、MIDI I/F11によってパーシングされた演奏情報に基づいて音色を生成する。ここで、音声生成部13は、音色を生成する時、音源データ記憶部12に記憶されている擬似低音処理を施された音源データ(例えば、PCMデータなど)を用いて、音源データの倍音構造を崩さないピッチ変換処理を施し、音色を生成する。このピッチ変換処理は、一般的なピッチ変換処理(例えば、音階生成処理、Loop処理、Envelop処理など)によって実現される。
楽曲構築部14は、擬似低音処理が行われたPCMデータを、MIDI I/F11によってパーシングされた演奏情報に基づいて、楽曲として組み上げる。尚、楽曲構築部14は「楽曲生成部」としての機能を有する。
D/A変換器(Digital to Analog Converter)15は、楽
曲構築部14で組み上げられた楽曲のデジタルオーディオ信号をアナログオーディオ信号に変換する。
曲構築部14で組み上げられた楽曲のデジタルオーディオ信号をアナログオーディオ信号に変換する。
発音デバイス16は、アナログに変換されたオーディオ信号を最終的に再生して出力するスピーカやヘッドフォンなどである。尚、発音デバイス16は「出力部」としての機能を有する。
次に、電子音源装置10の動作について説明する。
まず、音源データ記憶部12に発音デバイス16の音響特性に合わせ、数百ヘルツ以下帯域の低音増強再生を可能とするようなプリプロセスの擬似低音処理が実施されたPCMデータを記憶しておく。
そして、MIDI I/F11は、外部からのMIDIデータを電子音源装置10に入力し、その外部からのMIDIデータをパーシングして演奏情報を解析し、解析結果を音色生成部13に出力する。
そして、音色生成部13がMIDI I/F11からの解析結果に基づいて音色を生成し、楽曲構築部14に出力する。ここで、音色生成部13は音色を生成する時、音源データ記憶部12のウェーブテーブル50が記憶している擬似低音処理を実施したPCMデータを用いて音色を生成する。
そして、楽曲構築部14が音色生成部13で生成された音色をMIDI I/F11に
よる解析情報に基づいて楽曲として組み上げてデジタルオーディオ信号をD/A変換器15に出力し、D/A変換器15がその楽曲のデジタルオーディオ信号をアナログオーディオ信号に変換して、発音デバイス16により再生する。
よる解析情報に基づいて楽曲として組み上げてデジタルオーディオ信号をD/A変換器15に出力し、D/A変換器15がその楽曲のデジタルオーディオ信号をアナログオーディオ信号に変換して、発音デバイス16により再生する。
このような電子音源装置10によれば、発音デバイス16の音響特性に合わせ、数百ヘルツ以下帯域の低音増強再生を可能とするようなプリプロセスの擬似低音処理が実施されたPCMデータを記憶しておき、この音源データに倍音構造を崩さないピッチ変換を施すことによって、処理負荷増大によるリソースの過大な利用や、消費電力を増大することなく、また、こもり感などの音質劣化を引き起こすことなく、擬似低音処理を応用した低域再生性能を向上させることができ、再生システム側でさらに擬似低音処理を行うことなく(処理負荷やメモリ量を増大することなく)、低音性能が向上したMIDI演奏音の再生を可能とし、聴取時の低音効果改善を可能とする。
また、Bass音や低域Pipe Organ、SEなど低域を強調させたい音色のみ
に予め処理を施しておくことで、それ以外の音色再生音の音質に影響を及ぼすことなく、低音効果を効かせることを可能とする。
に予め処理を施しておくことで、それ以外の音色再生音の音質に影響を及ぼすことなく、低音効果を効かせることを可能とする。
さらに必要とする音色のみにターゲットを絞って、プリプロセス処理を施しておくことで、過大な処理による音質の劣化を防ぐこともでき、高音質での再生が可能となる。
次に、発音デバイス16の音響特性に合わせた音色生成について説明する。ここでは、発音デバイス16がスピーカである場合、発音デバイス16がヘッドフォンである場合、発音デバイス16がスピーカおよびヘッドフォンでありウェーブテーブル50に記憶しているPCMデータを自動的に切り替えて使用する場合について説明する。
まず、発音デバイス16がスピーカである場合について説明する。
図6は、発音デバイス16としてスピーカを用いて音源を再生するときの概念図である。図6に示すように、携帯電話や、携帯ゲーム機や、パソコンや、電子楽器などにおいては、着信音、ゲーム音、各種機能音として広くMIDI音源が活用されている。これらの機器には、その筐体の小型・薄型ゆえに、必然的に小型のスピーカが設置されており、低音域の再生能力は非常に低いという特徴がある。
発音デバイス16としてスピーカを用いた場合、音源データ記憶部12はスピーカの出力音響特性に合わせて、予めプリプロセスにて擬似低音処理を施したPCMデータを記憶する。
また、音色生成部13は、音色を生成する際にはスピーカの音響特性に合わせ、擬似低音処理を実施したPCMデータを用いて音色生成を行う。
このように、電子音響装置10の発音デバイス16としてスピーカを用いた場合には、システムの処理負荷を増大させることなく、スピーカ再生能力を超えた低音域の再生が可能となり、低音感の増強により高音質化を図ることが可能となる。また、もともと音源ソースが持つ低音の豊かさを損なうことなく、エンド・ユーザは、実際の小型スピーカの性能を超えた豊かな低音を体感することができる。さらに、スピーカ出力においては、スピーカそのものは不快な振動を発生しないため、キャビネット(筐体)の共振の影響もなくイコライザによる低音強調よりも消費パワーを節約することができる。
次に、発音デバイス16がヘッドフォンである場合について説明する。
図7は、発音デバイス16としてヘッドフォンを用いて音源を再生するときの概念図である。図7に示すように、携帯電話や、携帯ゲーム機や、パソコンや、電子楽器等の普及に伴い、MIDI音源再生システムをスピーカのみならず、汎用的な安価なヘッドフォンで聴取するシチュエーションが非常に多くなっている。
発音デバイス16としてヘッドフォンを用いる場合、音源データ記憶部32は、ヘッドフォンの出力音響特性に合わせて、特に重低音再生に効力を発揮するようなBASS音や低音リズム系の音を中心に数百ヘルツ以下の帯域の低音聴取を可能とするようなプリプロセスの擬似低音処理を施したPCMデータを記憶する。
また、音色生成部13は、音色を生成する時、音源データ記憶部12が記憶しているヘッドフォンの音響特性に合わせ、擬似低音処理を実施したPCMデータを用いて音色生成を行う。
このように、電子音響装置10の発音デバイス16としてヘッドフォンを用いた場合には、システムの処理負荷を増大させることなく、ヘッドフォン再生能力を超えた低音域の再生が可能となり、低音感の増強による迫力再生を図ることが可能となり、重低音域の再生能力が乏しいタイプの安価なヘッドフォン(例えば、100ヘルツ以下のいわゆる重低音帯域の特性が大きく落ち込んでしまうようなヘッドフォンなど)にも効果的である。
次に、発音デバイスとしてスピーカおよびヘッドフォンを用い、ウェーブテーブル50に記憶しているPCMデータを自動的に切り替えて使用する場合について説明する。
図8は、本発明の実施形態における第2の電子音源装置の構成の一例を示す図である。電子音源装置20は、電子音源装置10の構成において、音源データ記憶部12の代わりに音源データ記憶部22を設け、発音デバイス16の代わりに発音デバイス26としてスピーカ26aとヘッドフォン26bとを設け、更に、切り替え部27、出力方法設定部28を加えたものである。その他の部分は電子音源装置10と同様であり、同一の符号を付して説明を省略する。
音源データ記憶部22は、スピーカ26aの出力音響特性に合わせて、予めプリプロセスにて擬似低音処理を施したPCMデータと、ヘッドフォン26bの出力音響特性に合わせて、予めプリプロセスにて擬似低音処理を施したPCMデータとをそれぞれ記憶する。
出力方法設定部28は、スピーカ26またはヘッドフォン26bを発音デバイス26として設定する。設定方法としては、例えば、図示しない検出手段によってヘッドフォンが接続されていることを検出されている場合はヘッドフォン26bを設定し、接続されていない場合はスピーカ26aを設定する。また、図示しない入力手段によってスピーカ26aまたはヘッドフォン26bを選択するようにしてもよい。
切り替え部27は、出力方法設定部28によって設定された発音デバイス26がスピーカ26aであるかヘッドフォン26bであるかによって、音源データ記憶部42によって記憶されているスピーカ26aの出力音響特性に合わせて予めプリプロセスにて擬似低音処理を施したPCMデータと、ヘッドフォン26bの出力音響特性に合わせて予めプリプロセスにて擬似低音処理を施したPCMデータとを切り替える。
音色生成部13は、音色を生成する時、切り替え部27が切り替えた結果によって、音源データ記憶部42に記憶されているPCMデータのなかのスピーカ26の出力音響特性に合わせて予めプリプロセスにて擬似低音処理を施したPCMデータ、もしくは、ヘッドフォン36の出力音響特性に合わせて予めプリプロセスにて擬似低音処理を施したPCM
データを用いて音色生成を行う。
データを用いて音色生成を行う。
このように、電子音響装置20の発音デバイス26としてスピーカ26aおよびヘッドフォン27bの双方を用いた場合には、システムの処理負荷を増大させることなく、スピーカとヘッドフォンの再生能力を超えた低音域の再生が可能となり、低音感の増強による迫力再生を図ることが可能となり、重低音域の再生能力が乏しいタイプの小口径なスピーカや安価なヘッドフォンにも効果的である。したがって、例えば、携帯端末等の小型スピーカユニット用、PC等の中型スピーカユニット用、ヘッドフォン用など、発音体の再生特性に応じて最適な擬似低音処理を施したPCMデータをウェーブテーブル50に記憶しておくことで、より低音効果を高めることが可能になる。
このような電子音響装置10および20によれば、発音デバイスの音響特性ターゲットに合わせて予め音源にプリプロセスの処理を施しておくことで、システムとしての処理負荷を増加させることなく低音増強再生を可能とするため、開発時の新規アルゴリズム搭載による工数の増大や、消費電力増加による連続再生時間低下を回避できるという点で、非常に有用である。
以上のように、本発明は、消費電力増加や、使用メモリ量増加といったハードウェアリソースへの影響がなく、低音性能が向上したMIDI演奏音の再生を可能とするという効果を有し、スピーカや振幅増幅回路及びほかの処理回路などを増大することなく、スピーカ及びヘッドフォンの低域周波数特性の低下を聴覚的に補償し、低音感を増強する電子音源装置等として有用である。
10,20 電子音源装置
11 MIDI I/F
12,22 音源データ記憶部
13 音色生成部
14 楽曲構築部
15 D/A変換器
16、26 発音デバイス
26a スピーカ
26b ヘッドフォン
27 切り替え部
28 出力方法設定部
11 MIDI I/F
12,22 音源データ記憶部
13 音色生成部
14 楽曲構築部
15 D/A変換器
16、26 発音デバイス
26a スピーカ
26b ヘッドフォン
27 切り替え部
28 出力方法設定部
Claims (5)
- 音色に関する音色情報および楽曲を構成するための楽曲構成情報を含むMIDIデータを解析するデータ解析部と、
所定音域の倍音の音域の信号レベルを大きくする擬似低音処理を施された音源データを記憶する音源データ記憶部と、
前記音色情報に基づいて、前記音源データの音色を生成する音色生成部と、
前記楽曲構成情報に基づいて、前記音色を生成された音源データから楽曲データを生成する楽曲生成部と、
前記楽曲データに基づいて、楽曲を再生して出力する出力部と
を有する電子音源装置。 - 請求項1に記載の電子音源装置であって、
前記音源データ記憶部は、前記出力部の出力音響特性に基づいて、前記擬似低音処理を施された音源データを記憶する電子音源装置。 - 請求項2に記載の電子音源装置であって、
前記出力部は、スピーカであり、
前記音源データ記憶部は、前記スピーカの出力音響特性に基づいて、前記擬似低音処理を施された音源データを記憶する電子音源装置。 - 請求項2に記載の電子音源装置であって、
前記出力部は、ヘッドフォンであり、
前記音源データ記憶部は、前記ヘッドフォンの出力音響特性に基づいて、前記擬似低音処理を施された音源データを記憶する電子音源装置。 - 請求項2に記載の電子音源装置であって、更に、
前記出力部による出力をスピーカおよびヘッドフォンのいずれの出力方法で行うかを設定する出力方法設定部を有し、
前記出力部は、前記スピーカおよび前記ヘッドフォンを有し、
前記音源データ記憶部は、前記スピーカの出力音響特性に基づいて前記擬似低音処理を施された第1の音源データおよび前記ヘッドフォンの出力音響特性に基づいて前記擬似低音処理を施された第2の音源データを記憶し、
前記音色生成部は、前記音色情報および前記出力方法に基づいて、前記第1の音源データまたは前記第2の音源データの音色を生成する電子音源装置。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8831236B2 (en) | 2009-09-09 | 2014-09-09 | Rohm Co., Ltd. | Generator and generation method of pseudo-bass |
Citations (1)
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---|---|---|---|---|
JP2001337680A (ja) * | 2000-05-30 | 2001-12-07 | Yamaha Corp | 波形信号生成方法、波形信号生成装置および記録媒体 |
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2007
- 2007-06-07 JP JP2007151240A patent/JP2008304670A/ja active Pending
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