JP3823041B2 - サーマルヘッドの発熱体制御方法および制御装置 - Google Patents

サーマルヘッドの発熱体制御方法および制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は感熱製版装置等に搭載されるサーマルヘッドの発熱体制御方法および制御装置に関するものであり、詳しくはサーマルヘッドに列設された発熱体を加熱制御する際の発熱体制御方法および制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、主走査方向に多数の発熱体が列設されたサーマルヘッドを用いて、副走査方向に孔版原紙を移動させながら穿孔を形成する感熱製版等を行うにあたっては、サーマルヘッドの各発熱体の熱履歴に基づいて、その発熱体に通電する時間を変更することにより、各発熱体の発熱温度を制御する熱履歴制御が行われている。以下簡単に熱履歴制御の制御方法を説明する。
【0003】
例えば孔版原紙の正方形領域に穿孔を形成する場合に、熱履歴制御を行わず、正方形領域に対応するサーマルヘッドの各発熱体を同一時間の通電により加熱して穿孔を行うと、正方形の左右辺および上辺において、穿孔不良が発生する。この原因としては、正方形の左右辺においては、外側に隣接した発熱体が発熱していないため、左右辺の発熱体の発熱温度が十分に上昇していないことが考えられる。また、上辺に関しては、直前の穿孔タイミングにおいて、発熱体が発熱していないため、発熱体の発熱温度が十分に上昇せずに、穿孔不良が生じたと考えられる。
【0004】
一方このような穿孔不良を防止するために、穿孔を行う際に、左右辺および上辺において十分に発熱温度が上昇するように、正方形領域に対応する全ての発熱体に対して、通電時間を増加した場合には、正方形の左右辺および上辺における穿孔不良の発生は防止できるが、左右辺以外の領域では、穿孔が大きくなり過ぎてしまう。
【0005】
このような不都合を解消するために、例えば、穿孔を行う画素の1つに注目し、その画素(以後注目画素と記載)が、穿孔を行う黒情報の画素(以下黒画素と記載)であり、かつその前の画素、または両隣の画素のうちのひとつが、穿孔を行わない白情報の画素(以下白画素と記載)である場合に、その注目画素に対応する発熱体の通電時間を増加するように熱履歴制御を行えば、正方形領域の左右辺および上辺に対応する発熱体に対する通電時間のみが増加され、正方形領域の左右辺に対応する発熱体の発熱温度が、左右辺以外の領域に対応する発熱体の発熱温度とほぼ同等の温度まで上昇し、均一な穿孔が形成される。
【0006】
また、近年、感熱孔版製版等を行うにあたって、複数配列サーマルヘッドが使用されることがある。通常のサーマルヘッドでは、主走査方向に配列された発熱体は、1つの発熱素子から構成されている。しかし、複数配列サーマルヘッドにおいては、連続的に配置された複数個の発熱素子により1つの発熱体が構成されている。なお、発熱体とは、1画素に対応して同時に発熱する単位を意味し、通常は1本のリード線により通電制御される。
【0007】
例えば、本出願人により出願された特開2000−326474公報には、主走査方向に並ぶ2つの発熱素子がペアとなって、1つの発熱体を形成している複数配列サーマルヘッドが開示されている。また特開2000−238230公報には、主走査方向および副走査方向に列設された複数個の発熱素子により1つの発熱体が形成されるサーマルヘッドが開示されている。
【0008】
例えば主走査方向に並ぶ2つの発熱素子がペアとなって1つの発熱体を形成しいる複数配列サーマルヘッドとしては、図11の(a)に示すように、リード電極81の中央に設けられたスリットにより、2つの発熱素子80がペアとなって、1つの発熱体を形成しているもの、図11の(b)に示すようにU字型に屈曲されたリード電極82に2つの発熱素子83が設けられ、1つの発熱体が形成されているものなどがある。これらの複数配列サーマルヘッドにおいては、図11の(c)に示す通常のサーマルヘッドにおける発熱体84に比べ、その発熱素子80または83の大きさが小さくなっている。そのため、図12の(a)に示す、通常のサーマルヘッドを使用した300dpiの穿孔例に比べて、図12の(b)に示す、複数配列サーマルヘッドを用いた300dpiの穿孔例の方が、穿孔径が小さくなり、印刷時にインクが用紙に転移する量であるインク転移量を抑えることができ、インクの裏写りなどを防止できる。なお、図12の(b)に示す穿孔例においては、副走査方向には、600dpi解像度で穿孔が行われている。
【0009】
一方で、このように複数個の発熱素子により発熱体が形成されている複数配列サーマルヘッドを用いて、孔版原紙に穿孔を形成する際に、発熱体の温度のばらつきに起因する穿孔不良を解決するために、上述の熱履歴制御を行なった場合には、穿孔過多が生じることがあった。例えば、図13の(a)に示すように正方形を印刷するために、孔版原紙の正方形領域に穿孔を形成する場合に、正方形の左右辺における穿孔不良の発生を防止するために、エリア85に穿孔を形成する際に、発熱体への通電時間を増加する熱履歴制御を行えば、エリア85に対応する発熱体の外側の穿孔が穿孔不良となることは防止される。しかし、図13の(b)に示すように、エリア85に対応する発熱体の内側の発熱素子は、周囲の発熱素子の温度上昇の影響と、通電時間の増加の影響を受け、通常の発熱温度以上に温度が上昇してしまい、穿孔過多が生じることとなる。
【0010】
上記のような複数配列サーマルヘッドにおける穿孔過多を防止するために、本発明者は、前記白画素に対応する発熱体に対して、該白画素に前記主走査方向に隣接する画素の黒白画像情報に基づいて、微弱加熱する補助加熱制御を行う補助加熱制御機能が付加されたサーマルヘッドを、特願2001−237333により、提案している。すなわち、図13の(c)におけるような黒画素に隣接した白画素が存在するエリア86に対応する発熱体を微弱加熱することにより、白画素に隣接した黒画素が存在するエリア85の外側の発熱素子の温度上昇を促進することができるので、エリア85に対応する発熱体の発熱時間を増加することなく、エリア85の発熱体の外側の発熱素子の発熱温度を、内側の発熱素子の発熱温度へ近づけることができ、熱履歴制御を行なうことなく、発熱素子の発熱温度のバラツキを抑えることができる。このため、例えばこの複数配列サーマルヘッドが感熱製版装置へ搭載される場合であれば、均一な穿孔を形成することができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような複数配列サーマルヘッドにおいては、複数個の発熱素子が、1本のリード電極により同時に電力を供給され、温度が上昇している。このため、例えば感熱製版装置に搭載されたサーマルヘッドであれば、通常、穿孔は各発熱体単位で行われ、主走査方向の穿孔の解像度は、発熱体ピッチであり、それ以下の解像度での穿孔は行われていない。すなわち、主走査方向の穿孔は、1つの発熱体に対応する複数個の穿孔が同時に形成されるので、例えば縦細線を印字する際の、細線化の限界は、発熱体1個分の細さ(複数穿孔)である。
【0012】
本発明は上記事情に鑑み、複数個の発熱体が主走査方向に列設されると共に各発熱体が主走査方向に列設された複数個の発熱素子からなるサーマルヘッドの発熱体制御方法および制御装置において、主走査方向に、発熱体のピッチ以下での解像度で黒画素に対応する発熱素子の温度を上昇させることを可能とし、縦細線などの表現性が向上した制御方法および制御装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明によるサーマルヘッドの発熱体制御方法においては、複数個の発熱体が主走査方向に列設されると共に各発熱体が主走査方向に列設された複数個の発熱素子からなるサーマルヘッドの前記発熱体を加熱制御する方法であって各画素毎に黒情報または白情報を有する黒白画像情報に応じて、前記画素のうち前記黒情報が対応している黒画素に対応する発熱体は基本加熱し、前記画素のうち前記白情報が対応している白画素に対応する発熱体は基本加熱しない基本加熱制御を行うと共に、前記黒画素と前記白画素とが主走査方向に隣接している場合において、前記黒画素に対応する発熱素子のうち前記白画素に対応する発熱体に隣接する発熱素子の温度を前記黒情報に対応する所定温度まで上昇させたいか否かに応じて、上昇させたい場合には、前記白画素に対応する発熱体を補助加熱し、上昇させたくない場合には、前記白画素に対応する発熱体を補助加熱しないことを特徴とする。
【0014】
前記白画素に主走査方向に隣接している前記黒画素の黒白画像情報に、前記黒情報に加えて、該黒画素に隣接している前記白画素に対応する発熱体を補助加熱することを指示する補助加熱情報または補助加熱しないことを指示する非補助加熱情報を持たせておく場合であれば、
前記補助加熱制御として、前記白画素に隣接する黒画素の黒白画像情報が前記補助加熱情報を有している場合には、該黒画素に隣接する前記白画素に対応する発熱体を補助加熱し、該白画素に隣接する前記黒画素の黒白画像情報が前記非補助加熱情報を有している場合には、該黒画素に隣接する白画素に対応する発熱体を補助加熱しない制御方法を用いることもできる。
【0015】
本発明によるサーマルヘッドの発熱体制御装置においては、複数個の発熱体が主走査方向に列設されると共に各発熱体が主走査方向に列設された複数個の発熱素子からなるサーマルヘッドの前記発熱体を加熱制御する装置であって、各画素毎に黒情報または白情報を有する黒白画像情報に応じて、前記画素のうち前記黒情報が対応している黒画素に対応する発熱体は基本加熱し、前記画素のうち前記白情報が対応している白画素に対応する発熱体は基本加熱しない基本加熱制御を行う基本加熱制御手段と、前記黒画素と前記白画素とが主走査方向に隣接している場合において、前記黒画素に対応する発熱素子のうち前記白画素に対応する発熱体に隣接する発熱素子の温度を前記黒情報に対応する所定温度まで上昇させたいか否かに応じて、上昇させたい場合には、前記白画素に対応する発熱体を補助加熱し、上昇させたくない場合には、前記白画素に対応する発熱体を補助加熱しない補助加熱制御を行う補助加熱制御手段とを備えることを特徴とするものである。
【0016】
ここで、「基本加熱」とは、黒白画像情報が黒情報であるか否かに応じて、行われる加熱であり、黒画素が縦横に連続して配置されている場合等には、この基本加熱のみで、黒画素に対応する発熱体の温度が黒情報に対応する所定温度まで上昇するように、予め印加電圧および印加時間が設定されているものである。
【0017】
また、「発熱素子の温度を黒情報に対応する所定温度まで上昇させる」とは、例えば上記サーマルヘッドの発熱体制御方法および制御装置が感熱製版装置に使用されている場合であれば、通常の黒画素に対応する穿孔と略同一形状の穿孔を形成する温度まで、発熱素子の温度を上昇させることを意味する。
【0018】
また、「白画素に対応する発熱体を補助加熱する」とは、この発熱体の発熱温度を、この発熱体に隣接する黒画素の発熱体の発熱温度を上昇させることのできる温度で、かつこの発熱体自身が、例えば感熱製版の場合であれば、インクの透過が可能な穿孔を形成することのない温度まで、加熱することを意味している。一方「白画素に対応する発熱体を補助加熱しない」とは、この発熱体の温度を、隣接する黒画素の発熱体の温度に影響を与える温度にまで加熱しないことを意味し、完全に加熱しない場合だけでなく、非常に微弱な加熱を行う場合も含む。
【0019】
前記白画素に主走査方向に隣接している前記黒画素の黒白画像情報が、前記黒情報に加えて、該黒画素に隣接している前記白画素に対応する発熱体を補助加熱することを指示する補助加熱情報または補助加熱しないことを指示する非補助加熱情報を有している場合であれば、
前記補助加熱制御手段は、前記補助加熱制御として、前記白画素に隣接する黒画素の黒白画像情報が前記補助加熱情報を有している場合には、該黒画素に隣接する前記白画素に対応する発熱体を補助加熱し、該白画素に隣接する前記黒画素の黒白画像情報が前記非補助加熱情報を有している場合には、該黒画素に隣接する白画素に対応する発熱体を補助加熱しない制御を行うものであってもよい。
【0020】
上記補助加熱制御手段は、前記主走査方向と略直交する副走査方向のライン周期、前記基本加熱制御手段により黒画素に対応する発熱体へ印加される印加電圧または印加電圧の供給時間に応じて、前記補助加熱を行なう際に白画素に対応する発熱体へ印加する印加電圧または印加電圧の供給時間を制御するものであってもよい。
【0021】
また、上記サーマルヘッドとしては、感熱製版装置に搭載されているものであってもよく、上記補助加熱制御手段としては、前記黒画素に対応する発熱体の基本加熱制御により感熱孔版原紙に穿孔が形成される前に、前記白画素に対応する発熱体に対する補助加熱制御を行うものであってもよい。
【0022】
【発明の効果】
本発明によるサーマルヘッドの発熱体制御方法および制御装置においては、各画素毎に黒情報または白情報を有する黒白画像情報に応じて、前記画素のうち前記黒情報が対応している黒画素に対応する発熱体は加熱し、前記画素のうち前記白情報が対応している白画素に対応する発熱体は加熱しない基本加熱制御を行うと共に、前記黒画素と前記白画素とが主走査方向に隣接している場合において、前記黒画素に対応する発熱素子のうち前記白画素に対応する発熱体に隣接する発熱素子の温度を前記黒情報に対応する所定温度まで上昇させたいか否かに応じて、上昇させたい場合には、前記白画素に対応する発熱体を補助加熱し、上昇させたくない場合には、前記白画素に対応する発熱体を補助加熱しない補助加熱制御を行うことにより、白画素に隣接した黒画素に対応する発熱体の発熱素子のうち、この白画素に対応する発熱体に隣接する発熱素子の温度を制御することができる。このため、発熱体のピッチ以下の解像度で、例えば発熱体が2つの発熱素子から構成されるものであれば、発熱素子1つ分の解像度で、黒画素に対応する発熱素子の温度を上昇させることが可能となり、縦細線などの表現性が向上する。
【0023】
上記の効果を、2つの発熱素子で1つの発熱体を形成するサーマルヘッドを用いた感熱孔版装置を例として以下に説明する。図14の(a)に示すような縦細線を印刷するための穿孔を形成する場合であれば、従来のように基本加熱制御により穿孔を行なうエリア90(黒画素に対応)の両側のエリア91(白画素に対応)およびエリア92(白画素に対応)に対応する発熱体を補助加熱し、エリア90を穿孔するための発熱体の温度を基本加熱制御に加え、両側からも上昇させれば、図14の(b)に示すように、2つ並んだ穿孔が形成されてしまう。本発明を適用し、エリア90の片側のエリア92に対応する発熱体のみに補助加熱を行い、エリア90に対応する発熱体の温度を、基本加熱制御に加え、片側からさらに上昇させれば、エリア92に対応する発熱体に隣接する方の発熱素子の温度のみが、穿孔を形成可能な温度まで上昇するので、図14の(c)に示すような単独穿孔を行なうことができる。このため、穿孔1つ分の縦細線の印刷や、あるいは細字の印刷が可能となり、表現性が向上する。
【0024】
前記白画素に主走査方向に隣接している前記黒画素の黒白画像情報に、前記黒情報に加えて、該黒画素に隣接している前記白画素に対応する発熱体を補助加熱することを指示する補助加熱情報または補助加熱しないことを指示する非補助加熱情報を持たせておき、前記補助加熱制御として、前記白画素に隣接する黒画素の黒白画像情報が前記補助加熱情報を有している場合には、該黒画素に隣接する前記白画素に対応する発熱体を補助加熱し、該白画素に隣接する前記黒画素の黒白画像情報が前記非補助加熱情報を有している場合には、該黒画素に隣接する白画素に対応する発熱体を補助加熱しない制御を行うものであれば、簡易な制御動作により、本発明を実現することができる。
【0025】
前記補助加熱制御手段が、前記主走査方向と略直交する副走査方向のライン周期、前記基本加熱制御手段による黒画素に対応する発熱体へ印加する印加電圧または印加電圧の供給時間に応じて、前記補助加熱を行なう際に白画素に対応する発熱体へ印加する印加電圧または印加電圧の供給時間を制御するものであれば、ライン周期、黒画素に対応する発熱体へ印加する印加電圧または印加電圧の供給時間を変更した際に、これらの変更に合わせて、適宜適切な補助加熱を行なうことができ、発熱素子の温度を黒情報に対応する所定温度に精度良く上昇させることができる。
【0026】
上記サーマルヘッドを感熱製版装置に搭載し、上記補助加熱制御手段として、前記黒画素に対応する発熱体の加熱制御により感熱孔版原紙に穿孔が形成される前に、前記白画素に対応する発熱体に、前記微弱加熱する補助加熱制御を行うものを用いる場合であれば、補助加熱を行なう際の印加エネルギーを、効率良く穿孔形成に用いることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のサーマルヘッドの発熱体制御方法および制御装置を用いた実施の形態である感熱製版装置を図面に基づいて詳細に説明する。まず本感熱製版装置における構成を図1〜図5を用いて説明する。図1はこの感熱製版装置の概要構成図であり、図2は感熱製版装置のA−A断面図であり、図3はサーマルヘッドにおける回路図であり、図4は制御信号の入力タイミングを示す図であり、図5はサーマルヘッド制御部のブロック図である。
【0028】
本感熱製版装置は、4096個の発熱体11が主走査方向に列設された、主走査方向のドット密度300dpi、副走査方向のドット密度600dpi対応型のサーマルヘッド10を搭載するものであり、黒白画像情報が白情報である画素に対応する発熱体11に対して、該画素にその画素と主走査方向に隣接する画素の情報に基づいて、微弱加熱する補助加熱制御と、その画素と副走査方向に隣接する画素、具体的には1ライン前の穿孔を行なった際に、同一の発熱体11で穿孔した画素の情報に基づいて、追加加熱を行なう熱履歴制御とを組み合わせて行うものである。
【0029】
図1に示すように、本感熱製版装置は、孔版原紙1を搬送するプラテンローラ2と、該プラテンローラ2を回転駆動する副走査駆動モータ3と、ギア部4と、不図示の圧接機構により図2に示すようにプラテンローラ2に接離可能に圧接されるサーマルヘッド10と、副走査駆動モータ3およびサーマルヘッド10へ制御信号を出力する制御部20とを備えている。
【0030】
副走査駆動モータ3は、3msで1ステップ回転するステップモータであり、副走査駆動モータ3が1ステップ回転すると、プラテンローラ2により孔版原紙1が1画素ピッチ搬送されるように、ギア部4のギア比が設定されている。
【0031】
サーマルヘッド10は、いわゆる薄膜式サーマルヘッドと呼ばれるもので、図2に示すように基板13に4096本のリード電極12が所定の間隔を置いて、櫛歯状に設けられている。各リード電極12は、図11の(b)に示すようにU字型に屈曲されている。1本のリード電極12に設けられた2つの発熱素子17により、1つの発熱体11が形成されている。各発熱素子17の主走査方向の長さは20μm、副走査方向の長さは、25μmである。
【0032】
発熱体11は、主走査方向に一列に4096個配列されている。各発熱体11は、図3に示すように、1024個ずつ4ブロックに分割され、各リード電極12の一端には、それぞれアンド回路14が接続され、他端は接地されている。また、各ブロック毎にラッチ部15およびシフトレジスタ16が設けられている。後述するサーマルヘッド制御部20から出力されるクロック信号CLK1〜CLK4および画像データDAT1〜DAT4が、各シフトレジスタ16に入力され、ラッチ信号LAT1〜LAT4が、ラッチ回路15に入力され、ストローブ信号STB1〜STB4は、各アンド回路14に入力されている。
【0033】
実際の穿孔を行う際には、まずサーマルヘッド10のシフトレジスタ16にシリアルデータとして画像データDAT1〜DAT4が入力され、パラレル展開されてラッチ信号LAT1〜LAT4によりラッチ部15にラッチされる。このラッチ部15にラッチされた画像データDAT1〜DAT4と、ストローブ信号STB1〜STB4の信号積により、各発熱体11への通電が行われ、発熱体11が発熱する。なお画像データ(DAT1〜DAT4)は、穿孔を行なうか否かを指示する黒白データと、後述する補助加熱データおよび熱履歴データから構成されている。また、サーマルヘッド10の各ブロックに入力される各信号の入力タイミングは、図4に示すように、各ブロック毎に分割駆動されている。なおDAT4に記載されているデータ1は補助加熱データを、データ2は黒白データを、データ3は熱履歴データを示している。
【0034】
制御部20は、図5に示すように、孔版原紙1を搬送するプラテンローラ2を回転駆動させる副走査駆動モータ3の動作を制御する副走査モータ駆動回路21および入力された画像情報に応じて各画素毎に黒情報または白情報からなる黒白画像情報を作成する画像処理回路22を備えた孔版制御回路23と、孔版制御回路23およびサーマルヘッド10に接続されるサーマルヘッド発熱体制御部24と、孔版制御回路23およびサーマルヘッド発熱体制御部24に接続され、全体的な動作タイミングを制御するシステム制御回路25とを備えている。
【0035】
画像処理回路22において、画素毎に黒白画像情報を作成する際に、黒画素が、主走査方向に白画素と隣接するものであり、かつ1つの穿孔のみを行う場合には、黒情報に加えて、白画素に対応する発熱体に隣接する発熱素子を黒情報に対応する所定温度まで上昇させないことを指示する非補助加熱情報を作成するものである。また、この際には、黒画素と白画素の位置関係を明確にするために、主走査方向に白画素が黒画素の前にある場合には、(前)非補助加熱情報を作成し、白画素が黒画素の後ろにある場合には、(後)非補助加熱情報を作成するものである。
【0036】
なお、本発明においては、本来「白画素に主走査方向に隣接している黒画素の黒白画像情報としては、黒情報に加えて、該黒画素に隣接している白画素に対応する発熱体を補助加熱することを指示する補助加熱情報または補助加熱しないことを指示する非補助加熱情報を有する」構成としているが、本実施の形態においては、白画素と隣接した黒画素の黒白画像情報に、その白画素と隣接した側の非補助加熱情報が含まれていない場合が、「黒情報に加えて補助加熱情報を有する」ことに対応している。
【0037】
サーマルヘッド発熱体制御部24は、クロック信号CLK1〜CLK4と、サーマルヘッド10の発熱体11を選択的に駆動するための画像データDAT1〜DAT4と、サーマルヘッド10に設けられたシフトレジスタ16に画像データをセットする(いわゆるラッチを掛ける)ためのラッチ信号LAT1〜LAT4と、ラッチされた画像データを発熱体11へ出力するタイミングを指示するストローブ信号STB1〜STB4とをサーマルヘッド10に出力し、サーマルヘッド10の各発熱体11への通電を制御して、各発熱体11の発熱動作を制御するものであり、また、補助加熱制御回路26と、熱履歴制御回路27と、基本加熱制御回路28とを備えている。
【0038】
補助加熱制御回路26は、黒白画像情報が穿孔を行わない白情報である画素に対応する発熱体11に対して、該画素にその画素と主走査方向に隣接する画素の黒白画像情報が穿孔を行う黒情報であり、かつ非補助加熱情報が付与されていない場合、あるいは非補助加熱情報が付与されていても、注目画素と隣接する側に補助加熱情報が付与されている場合には、インクの透過が可能な穿孔が形成されることのない程度に微弱加熱する補助加熱制御を行うように、補助加熱データを出力させるものである。
【0039】
また、熱履歴制御回路27は、黒白画像情報が黒情報である画素に対応する発熱体11に対して、1ライン前の穿孔を行なった際に、同一の発熱体11で穿孔した画素の黒白画像情報が白情報である場合には、追加加熱を行なう熱履歴制御を行うように、熱履歴データを出力させるものである。
【0040】
基本加熱制御回路28は、黒白画像情報が黒情報である画素に対応する発熱体11に対して、基本加熱を行い、黒白画像情報が白情報である場合には、基本加熱を行わない基本加熱制御を行うように、黒白データを出力させるものである。
【0041】
つぎに、上記の本発明の実施の形態による感熱製版装置を用いて孔版原紙1に穿孔を行う場合の孔版動作の詳細を説明する。まず、画像情報が制御部20に入力されると、孔版制御回路23の画像処理回路22は、画像情報の濃淡に基づいて、各画素毎の黒情報または白情報からなる黒白画像情報を作成し、孔版原紙1枚分の黒白画像情報をサーマルヘッド発熱体制御部24へ出力する。なお、この際に白画素と隣接している黒画素の黒白画像情報を作成する場合には、必要であれば、黒情報に加えて(前)非補助加熱情報または(後)非補助加熱情報を付加するものである。
【0042】
以下図6から図8に示すフローチャートを参照して、サーマルヘッド発熱体制御部24の動作を中心に説明を行う。なお説明を簡単にするために画像データDAT1〜DAT4の一例としては画像データDATを用い、ラッチ信号LAT1〜LAT4の一例としてはラッチ信号LATを用い、ストローブ信号STB1〜STB4の一例としては、ストローブ信号STBを用いている。
【0043】
ステップ101において、サーマルヘッド発熱体制御部24は、黒白画像情報の中で、孔版原紙1の副走査方向の最上ラインで、かつ主走査方向の左端に対応する画素を注目画素として設定する。ステップ102では、注目画素の黒白画像情報が黒情報であるか白情報であるかを判定する。白情報であれば、ステップ103へ進む。黒情報であれば、ステップ107へ進み、シリアルデータである画像データ(DAT)としての、補助加熱データ(オフ)を、サーマルヘッド10のシフトレジスタ16へ転送し、ステップ108へ進む。
【0044】
ステップ103において、サーマルヘッド発熱体制御部24の補助加熱制御回路26において、注目画素に対して、主走査方向に隣接した両隣の画素の黒白画像情報のうち1つが黒情報であるか否かを判定する。両隣の画素の黒白画像情報のうち1つが黒情報であれば、ステップ104へ進む。両隣の画素の黒白画像情報が2つとも白情報であった場合、および2つとも黒情報であった場合にはステップ107へ進み、画像データ(DAT)としての補助加熱データ(オフ)をシフトレジスタ16へ転送し、ステップ108へ進む。
【0045】
ステップ104では、非補助加熱情報が付与されているか否かを判定し、非補助加熱情報が付与されていれば、ステップ105へ進む。非補助加熱情報が付与されていない場合には、ステップ106へ進み、画像データ(DAT)としての補助加熱データ(オン)をシフトレジスタ16へ転送する。
【0046】
ステップ105では、非補助加熱情報に基づいて、注目画素に隣接する側に非補助加熱情報が付与されているか否かを判定する。すなわち、主走査方向に、注目画素の後に黒画素がくる場合であれば、(前)非補助加熱情報が付与されているか否かを判定し、注目画素の前に黒画素がくる場合であれば、(後)非補助加熱情報が付与されているか否かを判定する。注目画素に隣接する側に非補助加熱情報が付与されていない場合には、ステップ106へ進み、画像データ(DAT)としての補助加熱データ(オン)をシフトレジスタ16へ転送し、ステップ108へ進む。
【0047】
注目画素に隣接する側に非補助加熱情報が付与されていた場合には、ステップ107へ進み、画像データ(DAT)としての補助加熱データ(オフ)をシフトレジスタ16へ転送する。
【0048】
ステップ108では、主走査方向に次の画素があるか否かを判定し、次の画素があれば、ステップ109へ進み、次の画素をあらたな注目画素として設定し、ステップ102へ戻る。次の画素が無ければ、ステップ110へ進む。
【0049】
ステップ110では、ラッチ信号(LAT)を出力する。このラッチ信号(LAT)により、それまでの間にサーマルヘッド10のシフトレジスタ16に転送され、パラレル展開された補助加熱データを、ラッチ部15に保持(ラッチ)し、ステップ111へ進む。ステップ111では、主走査方向の左端の画素を注目画素として、設定する。
【0050】
ステップ112では、基本加熱制御回路28において、注目画素の黒白画像情報が黒情報であるか白情報であるかを判定する。黒情報であれば、ステップ113へ進み、シリアルデータである画像データ(DAT)としての、黒白データ(オン)をサーマルヘッド10のシフトレジスタ16へ転送し、ステップ115へ進む。白情報であれば、ステップ114へ進み、画像データ(DAT)としての、黒白データ(オフ)をシフトレジスタ16へ転送し、ステップ115へ進む。
【0051】
ステップ115では、主走査方向に次の画素があるか否かを判定し、次の画素があれば、ステップ116へ進み、次の画素をあらたな注目画素として設定し、ステップ112へ戻る。次の画素が無ければ、ステップ117へ進む。
【0052】
ステップ117では、ストローブ信号(STB)信号がオン状態にされる。このストローブ信号(STB)により、サーマルヘッド10においては、ラッチ部15に保持されていた補助加熱データに基づいて、サーマルヘッド10の発熱体11の加熱が開始される。すなわちラッチ部15に補助加熱データ(オン)が保持されている発熱体11は、通電されて加熱され、補助加熱データ(オフ)が保持されている発熱体11は加熱が行われない。なお、ストローブ信号(STB)は、ステップ127において、オフにされるまで、継続的にオン状態を保つ。
【0053】
ステップ118では、ステップ117においてストローブ信号がオンにされてから、予め設定された時間が経過した時点で、再度ラッチ信号(LAT)を出力する。このラッチ信号(LAT)により、それまでの間にサーマルヘッド10のシフトレジスタ16に転送され、パラレル展開された黒白データが、ラッチ部15にラッチされる。すなわち、ラッチ部15にラッチされているデータが、補助加熱データから黒白データに切り替わる。そのため、黒白データに基づいたサーマルヘッド10の発熱体11の加熱が開始される。ラッチ部15に黒白データ(オン)が保持されている発熱体11は、通電されて加熱され、黒白データ(オフ)が保持されている発熱体11は加熱が行われない。
【0054】
ステップ119では、主走査方向の左端の画素を注目画素として、設定する。
【0055】
ステップ120においては、熱履歴制御回路27において、注目画素の黒白画像情報が黒情報であるか白情報であるかを判定する。白情報であれば、ステップ121へ進み、シリアルデータである画像データ(DAT)としての、熱履歴データ(オフ)を、サーマルヘッド10のシフトレジスタ16へ転送し、ステップ125へ進む。黒情報であれば、ステップ122へ進む。
【0056】
ステップ122では、熱履歴制御回路27において、注目画素に対して、副走査方向の前の画素の黒白画像情報が黒情報であるか否かを判定する。黒情報でなければ、ステップ124に進む。黒情報であった場合にはステップ123へ進み、画像データ(DAT)としての熱履歴データ(オフ)をシフトレジスタ16へ転送し、ステップ124へ進む。
【0057】
ステップ124では、画像データ(DAT)としての熱履歴データ(オン)をシフトレジスタ16へ転送する。ステップ125では、主走査方向に次の画素があるか否かを判定し、次の画素があれば、ステップ126へ進み、次の画素をあらたな注目画素として設定し、ステップ120へ戻る。次の画素が無ければ、ステップ127へ進む。
【0058】
ステップ127では、ラッチ信号(LAT)を出力する。このラッチ信号(LAT)により、それまでの間にサーマルヘッド10のシフトレジスタ16に転送され、パラレル展開された熱履歴データが、ラッチ部15に保持(ラッチ)される。すなわち、ラッチ部15にラッチされているデータが、黒白データから熱履歴データに切り替わる。そのため、熱履歴データに基づいて、サーマルヘッド10の発熱体11の加熱が開始される。すなわちラッチ部15に熱履歴データ(オン)が保持されている発熱体11は、通電されて加熱され、熱履歴データ(オフ)が保持されている発熱体11は加熱が行われない。
【0059】
ステップ128では、ステップ127においてラッチ信号(LAT)が出力されてから、予め設定された時間が経過した時点で、ストローブ信号(STB)がオフ状態に切り換えられる。これにより、熱履歴データに基づく加熱も停止される。
【0060】
ステップ129においては、副走査方向に次のラインが存在するか否かが判定される。存在する場合には、ステップ130において、次のラインの左端の画素を注目画素として設定し、ステップ102へ戻る。なお、この際には、孔版制御回路23の副走査モータ駆動回路21の制御により、副走査駆動モータ3が1ステップ回転され、プラテンローラ2により孔版原紙1が1画素ピッチ搬送される。次のラインが存在しない場合には、動作を終了する。
【0061】
上記のフローチャートに示した制御動作により、図9に示すように、ストローブ信号(STB)がオン状態にされてから、2回目のラッチ信号(LAT)が出力される間での間(本実施の形態では150μs)に、補助加熱データに基づいた補助加熱が行われ、2回目のラッチ信号(LAT)が出力されてから3回目のラッチ信号(LAT)が出力されるまでの間(本実施の形態では470μs)に、黒白データに基づいた通常の加熱が行われ、3回目のラッチ信号(LAT)が出力されてからストローブ信号(STB)がオフ状態にされるまでの間(本実施の形態では130μs)に、熱履歴データに基づいた加熱が行われることとなる。
【0062】
上記のように、補助加熱データに基づいた補助加熱を行う場合には、その加熱時間が短いため、インクの透過が不可能な程度の穿孔が形成されることはあっても、インクの透過が可能な穿孔が形成されることはない。
【0063】
次に、上記フローチャートに従って、図10の(a)に示すような黒白画像情報を有する画像情報に基づいて、孔版原紙1に穿孔を行う場合の穿孔動作を説明する。なお、図10の(a)においては、×印が付与されている画素が黒画素である。またエリア50およびエリア51の黒画素には、(前)非補助加熱情報が付与されている。他の黒画素には、非補助加熱情報は付与されていない。
【0064】
エリア44内の画素のように、黒画素であって、かつ、その画素の1ライン前の画素が白画素である画素が、注目画素である場合には、ステップ102からステップ107へ進むため補助加熱データ(オフ)が転送され、ステップ112からステップ113へ進むため黒白データ(オン)が転送され、またステップ120、ステップ122からステップ124へ進むため熱履歴データ(オン)が転送されるため、この画素に対応する発熱体11では、通常の加熱に加え熱履歴データに基づく加熱が行われ、加熱時間が延長される。このため、黒画素が、主走査方向に連続して設けられている場合には、副走査方向に黒情報の画素が連続している場合と同様の発熱温度まで、発熱温度が上昇し、穿孔不良の発生が防止される。なお、黒画素の主走査方向の隣が白画素である場合には、熱履歴制御のみでは、白画素に対応する発熱体と隣接する側の発熱素子の温度が十分に上昇しないため、補助加熱制御により、隣接する白画素に対応する発熱体を微弱加熱する必要がある。
【0065】
他の黒画素、すなわち黒情報が副走査方向に連続している画素が、注目画素である場合には、非補助加熱情報の有無にかかわらず、補助加熱データ(オフ)、黒白データ(オン)が転送され、またステップ120、ステップ122からステップ123へ進むため熱履歴データ(オフ)が転送され、通常の加熱のみが行われる。
【0066】
また、エリア45内の画素のように、白画素であって、その画素と主走査方向に隣接する画素のうちの1つが黒画素であり、かつその黒画素においては非補助加熱情報が付与されていない場合には、ステップ103、ステップ104からステップ106へ進み補助加熱データ(オン)が転送され、ステップ112からステップ114へ進み黒白データ(オフ)が転送され、ステップ120からステップ121へ進み熱履歴データ(オフ)が転送されるため、この画素に対応する発熱体11では、補助加熱データに基づく補助加熱のみが行われる。このため、この画素でインクが透過するほどの穿孔が形成されることは無い。隣接する黒画素に対応している発熱体11では、通常の加熱のみが行われるが、エリア45における補助加熱の影響により、エリア45の発熱体11に隣接する発熱素子の発熱温度も容易に上昇し、穿孔不良の発生が防止される。
【0067】
また、エリア46内の画素のように、白画素であって、主走査方向に隣接する2つの画素が両方とも黒画素である場合には、ステップ103からステップ107へ進み補助加熱データ(オフ)が転送され、黒白データ(オフ)および予熱データ(オフ)が転送されるため、加熱は行われない。この発熱体11は、両隣の画素に通常の加熱が行われているため、補助加熱を行った場合には、発熱体11の温度が上昇して、インクが透過する穿孔が形成される虞れがあるため、補助加熱を行わないように構成されている。
【0068】
また、エリア47内の画素のように、白画素であって、その画素と主走査方向に隣接する画素のうちの1つが黒画素であり、かつその黒画素において、この白画素と隣接する側に非補助加熱情報が付与されている場合には、ステップ103、ステップ104、ステップ105からステップ107へ進み補助加熱データ(オフ)が転送され、黒白データ(オフ)が転送され、熱履歴データ(オフ)が転送されるため、この画素に対応する発熱体11では、加熱が行われることはない。
【0069】
また、エリア48内の画素のように、白画素であって、その画素と主走査方向に隣接する画素のうちの1つが黒画素であり、かつその黒画素において、非補助加熱情報は付与されているものの、この白画素と隣接されていない側である場合には、ステップ103、ステップ104、ステップ105からステップ106へ進み補助加熱データ(オン)が転送され、黒白データ(オフ)が転送され、熱履歴データ(オフ)が転送されるため、この画素に対応する発熱体11では、補助加熱データに基づく補助加熱のみが行われる。このため、この画素でインクが透過するほどの穿孔が形成されることは無い。隣接する黒画素に対応している発熱体11では、通常の加熱が行われるが、エリア48における補助加熱の影響により、エリア48の発熱体11に隣接する発熱素子の発熱温度のみが上昇するため、エリア48に隣接するドットのみで、穿孔が形成される。
【0070】
これらの制御により、図10の(b)に示すように、エリア50に対応する孔版原紙上のエリア50’には、縦ドット1列分の穿孔が形成され、印刷時には、ドット1つ分の縦細線を印刷可能となる。また、エリア51に対応する孔版原紙上のエリア51’にも、縦ドット1列分の穿孔が形成される。このため、従来では不可能であった、主走査方向のドット3つ分の線が印刷可能となる。
【0071】
以上の説明であきらかなように、発熱体を構成する発熱素子のうち、1つの発熱素子の温度のみを、通常の黒情報に対応する温度まで上昇させることができ、縦細線および細字などを印刷可能となり、表現性が向上する。
【0072】
また、黒画素に対応する発熱体の加熱制御により感熱孔版原紙に穿孔が形成される前に、白画素に対応する発熱体に、微弱加熱する補助加熱制御を行ったので、補助加熱を行なう際の印加エネルギーを、効率良く穿孔形成に用いることができる。
【0073】
また、補助加熱制御手段は、主走査方向と略直交する副走査方向のライン周期、黒画素に対応する発熱体へ印加する印加電圧または印加電圧の供給時間に応じて、微弱加熱を行なう際に白画素に対応する発熱体へ印加する印加電圧または印加電圧の供給時間を制御するものであってもよく、この場合にはライン周期、黒画素に対応する発熱体へ印加する印加電圧または印加電圧の供給時間を変更した際に、これらの変更に合わせて、適宜適切な補助加熱を行なうことができ、発熱素子の温度を黒情報に対応する所定温度まで精度良く上昇させることができる。
【0074】
なお、本実施の形態においては、白画素に隣接する黒画素の黒白画像情報を、黒情報に加えて(前)非補助加熱情報または(後)非補助加熱情報を含むものとしたが、これに限定されるものではなく、例えば本実施の形態の変型例として、黒画素に隣接する白画素の黒白画像情報を、白情報に加えて、隣接している黒画素に対応する発熱体を補助加熱することを指示する補助加熱情報または補助加熱しないことを指示する非補助加熱情報を有するものとすることもできる。この場合には、白画素に対応する発熱体の補助加熱制御を行う際に、白情報に加え補助加熱情報が付加されていた場合には補助加熱を行い、白情報に加え非補助加熱情報が付加されていた場合には、補助加熱を行わないことにより、上記実施の形態と同様な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る感熱製版装置の概要構成図
【図2】感熱製版装置の断面図
【図3】サーマルヘッドの回路図
【図4】各制御信号の説明図
【図5】制御部のブロック図
【図6】実施の形態におけるサーマルヘッド発熱体制御部の動作の流れを説明するフローチャート
【図7】実施の形態におけるサーマルヘッド発熱体制御部の動作の流れを説明するフローチャート
【図8】実施の形態におけるサーマルヘッド発熱体制御部の動作の流れを説明するフローチャート
【図9】制御信号の説明図
【図10】黒白画像情報および穿孔状態の説明図
【図11】サーマルヘッドの上面図
【図12】穿孔状態の説明図
【図13】穿孔状態の説明図
【図14】穿孔状態の説明図
【符号の説明】
1 孔版原紙
2 プラテンローラ
3 副走査駆動モータ
4 ギア部
10 サーマルヘッド
11 発熱体
12,81,82 リード電極
13 基板
15 ラッチ部
17,80,83 発熱素子
20 制御部
21 副走査モータ駆動回路
22 画像処理回路
23 孔版制御回路
24 サーマルヘッド発熱体制御部
25 システム制御回路
26 補助加熱制御回路
27 熱履歴制御回路
28 基本加熱制御回路

Claims (7)

  1. 複数個の発熱体が主走査方向に列設されると共に各発熱体が主走査方向に列設された複数個の発熱素子からなるサーマルヘッドの前記発熱体を加熱制御する方法であって
    各画素毎に黒情報または白情報を有する黒白画像情報に応じて、前記画素のうち前記黒情報が対応している黒画素に対応する発熱体は基本加熱し、前記画素のうち前記白情報が対応している白画素に対応する発熱体は加熱しないか、または前記基本加熱より微弱な加熱である補助加熱を行ない、
    主走査方向において少なくとも一方の側で白画素に対応する発熱体に隣接する黒画素に対応する発熱体の、前記白画素に対応する発熱体に隣接する側の発熱素子の温度は穿孔可能な所定温度まで上昇させずに、逆側の発熱素子の温度は前記所定温度まで上昇させる場合には、前記白画素に対応する発熱体は加熱を行わず、前記温度を上昇させる発熱素子と主走査方向において隣接する発熱体が黒画素に対応する発熱体であれば該発熱体を基本加熱し、白画素に対応する発熱体であれば該発熱体を補助加熱することを特徴とするサーマルヘッドの発熱体制御方法。
  2. 前記主走査方向において少なくとも一方の側で白画素に対応する発熱体に隣接する黒画素の黒白画像情報に、前記黒情報に加えて、該黒画素に隣接している前記白画素に対応する発熱体を補助加熱することを指示する補助加熱情報または補助加熱しないことを指示する非補助加熱情報を持たせておき、
    記白画素に隣接する黒画素の黒白画像情報が前記補助加熱情報を有している場合には、該黒画素に隣接する前記白画素に対応する発熱体を補助加熱し、該白画素に隣接する前記黒画素の黒白画像情報が前記非補助加熱情報を有している場合には、該黒画素に隣接する白画素に対応する発熱体を補助加熱しない制御を行うことを特徴とする請求項1記載のサーマルヘッドの発熱体制御方法。
  3. 複数個の発熱体が主走査方向に列設されると共に各発熱体が主走査方向に列設された複数個の発熱素子からなるサーマルヘッドの前記発熱体を加熱制御する装置であって、
    各画素毎に黒情報または白情報を有する黒白画像情報に応じて、前記画素のうち前記黒情報が対応している黒画素に対応する発熱体は基本加熱し、前記画素のうち前記白情報が対応している白画素に対応する発熱体は加熱しないか、または前記基本加熱より微弱な加熱である補助加熱を行ない、
    主走査方向において少なくとも一方の側で白画素に対応する発熱体に隣接する黒画素に対応する発熱体の、前記白画素に対応する発熱体に隣接する側の発熱素子の温度は穿孔可能な所定温度まで上昇させずに、逆側の発熱素子の温度は前記所定温度まで上昇させる場合には、前記白画素に対応する発熱体は加熱を行わず、前記温度を上昇させる発熱素子と主走査方向において隣接する発熱体が黒画素に対応する発熱体であれば該発熱体を基本加熱し、白画素に対応する発熱体であれば該発熱体を補助加熱する加熱制御手段を備えることを特徴とするサーマルヘッドの発熱体制御装置。
  4. 前記主走査方向において少なくとも一方の側で白画素に対応する発熱体に隣接する黒画素の黒白画像情報が、前記黒情報に加えて、該黒画素に隣接している前記白画素に対応する発熱体を補助加熱することを指示する補助加熱情報または補助加熱しないことを指示する非補助加熱情報を有しており、
    記加熱制御手段が、前記白画素に隣接する黒画素の黒白画像情報が前記補助加熱情報を有している場合には、該黒画素に隣接する前記白画素に対応する発熱体を補助加熱し、該白画素に隣接する前記黒画素の黒白画像情報が前記非補助加熱情報を有している場合には、該黒画素に隣接する白画素に対応する発熱体を補助加熱しない制御を行うものであることを特徴とする請求項3記載のサーマルヘッドの発熱体制御装置。
  5. 記加熱制御手段が、前記主走査方向と略直交する副走査方向のライン周期、前記基本加熱により黒画素に対応する発熱体へ印加される印加電圧または印加電圧の供給時間に応じて、前記補助加熱を行なう際に白画素に対応する発熱体へ印加する印加電圧または印加電圧の供給時間を制御するものであることを特徴とする請求項3または4記載のサーマルヘッドの発熱体制御装置。
  6. 前記サーマルヘッドが、感熱製版装置に搭載されているものであることを特徴とする請求項3から5いずれか1項記載のサーマルヘッドの発熱体制御装置。
  7. 記加熱制御手段が、前記黒画素に対応する発熱体の基本加熱により感熱孔版原紙に穿孔が形成される前に、前記白画素に対応する発熱体に対する補助加熱を行うものであることを特徴とする請求項6記載のサーマルヘッドの発熱体制御装置。
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