JP3822524B2 - 錠前装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、錠本体の回転軸後端に、施錠・開錠用ラッチを備えてなる錠前装置、さらに、詳しくは、扉開・閉検知ラッチ付き錠前装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の施錠・開錠用ラッチ付き錠前装置は、キーにより施錠・開錠用ラッチを、施錠位置及び開錠位置へ自由に回転できる構成である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし乍ら、上記従来の錠前装置によると、開扉状態で、キーのミス操作により、上記施錠・開錠用ラッチを施錠位置に回動してしまうと、閉扉ができなくなる。従って、施錠・開錠用ラッチを一旦開錠位置に戻してから閉扉した後、施錠操作を行なわなければならず、操作が非常に面倒であり、時間もかかる問題がある。
【0004】
【目的】
本発明は、上記従来技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたもので、開扉状態では、施錠・開錠用ラッチを回動できず、閉扉したときだけ上記ラッチを回動できるよう構成したことにより、開扉時のミス操作を防止でき、閉扉及び施錠を容易、かつ迅速に行なうことができる錠前装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するため、請求項1は扉に固定される取付ケースと、該取付ケースから後方へ突設した外ケースに嵌合固定して錠本体を固定内装する内ケースと、前記錠本体の回転軸後端に固定される施錠・開錠用ラッチとを備えてなる錠前装置であって、
前記内ケース後端のフランジに設けたスリットに、後端が、前記施錠・開錠用ラッチ蓋部の外周面及び該外周面に所定の角度をおいて設けた各係合部に対し、各押圧される方向へ介在したバネにより付勢した状態で係合板を配置し、前記係合板の先端と対応して、前記取付ケースの前後方向へ設けた凹溝の側壁に、係合板の挿入口を開設し、さらに前記凹溝には、後端を円弧面に、かつ開扉時、前記係合板先端を係・脱自在に突接する側壁と、閉扉時、前記係合板先端を挿脱自在な挿入凹部を、前記側壁に形成した扉開・閉検知ラッチを、前記凹溝開口部に対し出没自在に、かつ前記凹溝前壁との間に圧縮バネを介在し、そのバネにより後方へ付勢した状態で嵌合してなることを特徴とする。
【0006】
【作用】
開扉した時、扉開・閉検知ラッチは、バネによる付勢力によって外側へ突出している。一方、係合板の先端は上記検知ラッチの側壁に突接して、係合板は移動が阻止されているので、キーにより回動しようとしても施錠・開錠用ラッチは回動されず開錠位置に保持され、操作ミスを生じることはない。
【0007】
扉を閉じると、上記検知ラッチ後端の円弧面が、扉取付枠に固設した板状の金具に突き当って前方へ押圧されるので、上記検知ラッチはバネによる付勢力に抗して前方へ移動し、係合板後端は凹溝内に没入する。これにより、検知ラッチ側面に突接されていた係合板の先端は、上記側壁から外れ、上記検知ラッチ側部の挿入凹部と対向し、当該係合板は下方へ移動可能となる。
【0008】
次いで、キーにより回転軸を介して施錠・開錠用ラッチを施錠する方向へ回動すると、上記ラッチ基部の係合部に押圧係合されている係合板は、バネによる付勢力に抗して下方へ移動し、先端が検知ラッチの挿入凹部に挿入すると共に、上記係合部との係合が外れ、上記ラッチ基部の外周面に乗り上がり、上記ラッチは施錠位置まで回動し、施錠される。この時、上記ラッチ基部の他の係合部に上記係合板後端が係合し、上記ラッチは施錠位置に保持される。
【0009】
また、開錠は、上記した施錠時と反対の動作によって行なわれる。
開錠した後、開扉すると、検知ラッチ後端と扉取付枠の金具との突接が解かれることで、バネ力により扉開・閉検知ラッチは後方へ移動し、その後端が開口部から外側へ所定長さ突出し、この状態に保持される。
【0010】
上記したように、扉開・閉検知ラッチの後方移動により、挿入凹部が後方移動し、係合板の先端は側壁に突接し、係合板の下方移動が阻止され、施錠・開錠用ラッチは開錠位置に保持される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る錠前装置の開錠状態の背面図を示し、図2は、図1におけるA−A線矢視拡大縦断面図を示し、図3は、同上錠前装置における施錠状態の拡大縦断面図を示し、図4は、同上錠前装置の錠本体を嵌合固定した内ケースと、係合板と、バネの分解斜視図を示し、図5は、図1におけるB−B線矢視拡大断面図を示し、図6は、図1におけるC−C線矢視断面図を示し、図7は、図6と同一位置で切断した施錠状態の拡大断面図を示す。
【0012】
図1ないし図3に示したように、扉1の開放端近くに貫通して形成した取付孔2に、後述する外ケース5を嵌合して固定される取付ケース3は、正面略縦長矩形状に形成され、その前面板4の上部裏面から後方へ突出して外ケース5を一体に形成してあると共に、該外ケース5と上下方向へ所定の間隔をおいて、後端を開口部7とした凹溝6を前後方向へ長く形成してある。
【0013】
図2及び図3に示したように、上記外ケース5の内周面には、前後方向(図2、図3において左右方向)へ長く係合凹溝8、8を形成してある。一方、内ケース9の外周面には、前後方向に長い係合突条10、10を突設し、錠本体11を嵌合固定した状態で内ケース9を後方から外ケース5内に挿し込み、上記係合凹溝8、8と係合突条10、10を互いに係合することで錠本体11は取付ケース3に固定される。
【0014】
図2ないし図4に示したように、上記内ケース9後端の外向きのフランジ12の下部には、錠本体11の軸方向と直角方向にスリット13を、先端を開口して貫通形成し、該スリット13に、前面に突設した係合突条15を係合して係合板14を、スリット13に沿って上下方向へスライド自在に配置してある。
【0015】
図1ないし図3に示したように、錠本体11の回転軸11aの後端を正面略小判型に形成し、一方、施錠・開錠用ラッチ16の基部17の中心に正面略小判型の孔18を貫通して形成し、上記回転軸11a後端を、上記孔18に嵌合することで、上記回転軸11aに上記ラッチ16は固定させてある。
【0016】
上記施錠・開錠用ラッチ16は、図1に示したように、先端部一側に、扉取付枠19に固定される図示しない係止金具と係・脱自在な係合凹部20を横向きに開口して形成してある。また、上記ラッチ16における基部17の下半部は正面円形板状に形成し、その周面17aには、施錠・開錠用ラッチ16を、図1に示した開錠位置イ及び施錠位置ロに各保持するために、既述した係合板14の後端を係・脱自在に係合する係合部21、22を所定角度α(例えば90°)を置いて形成してある。
【0017】
上記した係合板14は、図1に示したように、既述取付ケース3の後部へ突設した略針状の突起23に中央の彎曲部を掛止して、平面略V字形状のバネ24を配置し、該バネ24の各端部を取付ケース3に設けたバネ掛部25と、係合板14の凹孔状のバネ掛部26に各掛止して、係合板14に、その後端が上記基部17の周面17a及び係合部21、22に圧接される方向へバネ24により付勢させてある。
【0018】
既述凹溝6は、図1ないし図3及び図5に示したように、既述取付ケース3の錠本体11よりも下方部において、上記係合板14の先端14aと対応する位置にして前後方向へ長く形成してあると共に、該凹溝6の一方の側壁6aには、係合板14先端部の挿入口6bを貫通して形成してある。
【0019】
上記凹溝6は、図5に明示した如く、後端部の頂壁27の前端中央部から、前方へ突出して、先端下部に、基端から先端へ傾斜下降する傾斜面29及び垂直な係止面30を設けたバネ性を有する係合片28、底壁31及び前壁32を各一体に形成してある。
【0020】
一方、扉開・閉検知ラッチ33は、図5に示したように、上面中央部に、前後方向に長い凹部34を形成してあると共に、前端の上部には、上記係合片28の係止面30と係・脱自在な係合突部35を設けてあり、これによって、上記検知ラッチ33の後端が、前記開口部7から所定長さlだけ突出するよう形成されている。
【0021】
上記扉開・閉検知ラッチ33は、既述後端の開口部7から凹溝6に押し込むことで傾斜面29に突き当り、これによって係合片28が押上げられて、上記扉開・閉検知ラッチ33は図5に示したように凹溝6に嵌合され、上記係合突部35が上記係合片29の係止面30と係合し、扉開・閉検知ラッチ33の後端が所定長さlだけ外側へ突出し、この状態から前方へ一定ストロークだけスライドする。即ち、扉開・閉検知ラッチ33の後端部が凹溝6の開口部7から出没するたびに上記ストロークだけ往復スライドする。
【0022】
さらに、上記扉開・閉検知ラッチ33は、図1及び図5に示したように、同検知ラッチ33の前壁略中央部に、前後方向へ長く穿設した凹孔37に一端を挿入し、他端を凹溝6の前壁32内面に突き合わせて圧縮コイルバネ38を介在し、該バネ38により後端が図示したように、外側へ所定長さlだけ突出する方向へ付勢させた状態で保持される。
【0023】
また、上記扉開・閉検知ラッチ33の後端は、上部から下方後方へ彎曲下降する円弧面39に形成して、閉扉時、扉取付枠19の開口部裏面に固設される図示しない受け金具と突き当った際、当該扉開・閉検知ラッチ33が圧縮コイルバネ38のバネ力に抗して円滑に凹溝6内に押し込まれるよう形成されている。
【0024】
また、上記扉開・閉検知ラッチ33は、図6に示したように、開扉時に既述係合板14の先端14aが、突き当るよう側壁42を形成してあると共に、図7に示したように、閉扉時、当該検知ラッチ33の後端が扉取付枠19の図示しない受け金具と突き当って凹溝6内に押し込まれて前方へ移動することで、係合板14先端14aが上記側壁42から外れ、バネ24による付勢力に抗して下方へ移動できるよう、上記側壁42に、係合板14の逃げ部としての挿入凹部43を前後方向へ長く形成してある。
なお、図2及び図3において、44はキー、45は、内ケース9及び係合板14並びに施錠・開錠用ラッチ16を背後から支持して離脱を阻止する支持板を示す。
【0025】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているので、開扉した場合は、係合板の先端が、扉開・閉検知ラッチの側壁に突き当って、該係合板の下方移動は阻止されているので、バネによる付勢力によって係合板後端が施錠・開錠用ラッチ基部周面の係合部に押圧係合されることにより、上記ラッチを施錠方向へ回動するミス操作を防止でき、また、閉扉した場合は、扉開・閉検知ラッチが没入して、係合板の先端が上記検知ラッチの側壁から外れると共に、当該検知ラッチ側面の挿入凹部と対向位置して、係合板は下方へ移動可能となるから、閉扉はもとより、施錠・開錠をミスなく容易かつ迅速に行なうことができる。
【0026】
さらに、構造的に非常に簡単であるから、故障発生率が少なく、かつ極めて安価に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る錠前装置の実施形態を示す開錠状態の背面図である。
【図2】図1におけるA−A線矢視拡大縦断面図である。
【図3】同上錠前装置の施錠状態を示す拡大縦断面図である。
【図4】同上錠前装置の錠本体を内装した内ケースと、係合板と、バネの各斜視図である。
【図5】図1におけるB−B線矢視拡大断面図である。
【図6】図1におけるC−C線に沿って切断した開扉状態を示す矢視拡大断面図である。
【図7】図6と同一位置で切断した閉扉状態を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
1 扉
2 取付孔
3 取付ケース
5 外ケース
6 凹溝
6a、42 側壁
7 開口部
9 内ケース
11 錠本体
11a 回転軸
12 フランジ
13 スリット
14 係合板
16 施錠・開錠用ラッチ
24、38 バネ
28 係合片
33 扉開・閉検知ラッチ
43 挿入凹部
Claims (1)
- 扉に固定される取付ケースと、該取付ケースから後方へ突設した外ケースに嵌合固定して錠本体を固定内装する内ケースと、前記錠本体の回転軸後端に固定される施錠・開錠用ラッチとを備えてなる錠前装置であって、
前記内ケース後端のフランジに設けたスリットに、後端が、前記施錠・開錠用ラッチ蓋部の外周面及び該外周面に所定の角度をおいて設けた各係合部に対し、各押圧される方向へ介在したバネにより付勢した状態で係合板を配置し、前記係合板の先端と対応して、前記取付ケースの前後方向へ設けた凹溝の側壁に、係合板の挿入口を開設し、さらに前記凹溝には、後端を円弧面に、かつ開扉時、前記係合板先端を係・脱自在に突接する側壁と、閉扉時、前記係合板先端を挿脱自在な挿入凹部を、前記側壁に形成した扉開・閉検知ラッチを、前記凹溝開口部に対し出没自在に、かつ前記凹溝前壁との間に圧縮バネを介在し、そのバネにより後方へ付勢した状態で嵌合してなることを特徴とする錠前装置。
Priority Applications (1)
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JP2002126579A JP3822524B2 (ja) | 2002-04-26 | 2002-04-26 | 錠前装置 |
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JP2002126579A JP3822524B2 (ja) | 2002-04-26 | 2002-04-26 | 錠前装置 |
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JP2003314111A JP2003314111A (ja) | 2003-11-06 |
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JP2002126579A Expired - Lifetime JP3822524B2 (ja) | 2002-04-26 | 2002-04-26 | 錠前装置 |
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JP5259483B2 (ja) * | 2009-04-17 | 2013-08-07 | ジーエスケー販売株式会社 | カード式錠前装置 |
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2002
- 2002-04-26 JP JP2002126579A patent/JP3822524B2/ja not_active Expired - Lifetime
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