JP4833699B2 - 締り金具及びそれを用いた窓障子 - Google Patents

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本発明は、レバーを回動してロックピンを上下動させ、該ロックピンを受け具の受溝に進入若しくは脱出させて窓障子を施錠、解錠するようにした締り金具及びそれを用いた窓障子に関する。
窓障子と窓枠の見込面にロックピンを有する本体と、受溝を有する受け具を対向状態に取り付け、窓障子を閉じたときにロックピンを受溝内に進入させて窓障子を施錠するようにした締り金具が知られている(例えば、特許文献1参照)。この締り金具によれば、簡単なレバー操作で窓障子を引き寄せて施錠できるので、便利に使用されているが、上記レバーは窓障子がどの位置にあっても操作することができる。そのため、施錠のし忘れや窓障子が完全に閉鎖しない状態で操作することにより施錠したと思っても施錠できていないことがあり、防犯上、好ましくない。また、施錠状態でレバー自体の回動は拘束されていないから、充分に安心できるとは言えない。なお、窓障子が閉じていないと、施錠操作をできないようにした装置も知られているが、構成が複雑で経済的に得ることができない。
特開2002−188336号公報(図1〜図5)
本発明の解決課題は、上記のような締り金具において、窓障子が閉じていなければレバー操作を行うことができないようにし、また施錠状態で該レバーをロックすることも可能であり、構成が簡単で経済的に得られ、耐久性のある誤操作防止及び防犯機能を付加した締り金具及びそれを用いた窓障子を提供することである。
本発明によれば、レバー操作で直線運動するよう設けられたロックピンを有する本体と、該ロックピンを受け入れる受溝を有する受け具を窓障子と窓枠の見込面に対向状態に取り付け、窓障子を閉じた状態で上記ロックピンを上記受溝に進入若しくは脱出させて窓障子を施錠若しくは解錠するようにした締り金具において、上記ロックピンの移動路に突出可能な係合部を有するトリガーを窓障子の見込面に沿って移動可能に本体に設け、該係合部が上記ロックピンの移動路に突出する方向に該トリガーを付勢し、上記窓障子を閉じる際上記係合部をロックピンの移動路から退出する方向に移動させるよう上記受け具に当接する当接部を該トリガーに設けたことを特徴とする締り金具及びそれを用いた窓障子が提供され、上記課題が解決される。
また、本発明によれば、上記レバーが施錠位置にあるとき、該レバーの回動を阻止するロック装置を備え、該ロック装置は上記ロックピンを直線運動させるクランクの係止縁に係合可能なロック片を含んでいる上記締り金具及びそれを用いた窓障子が提供される。
本発明は上記のように構成され、ロックピンの移動路に突出可能な係合部を有するトリガーを窓障子の見込面に沿って移動可能に設け、窓障子が閉じる際に受け具に当接して上記係合部がロックピンの移動路から退出する方向にトリガーが移動するよう該トリガーに当接部を設けたので、窓障子が閉じていない状態では、上記ロックピンはトリガーの係合部により移動が拘束され、レバーの操作によりロックピンを受け具の受溝内へ進入させようとしても移動させることができず、誤って施錠したと思わせるような事態を生じないようにできる。また、窓障子を閉じると、上記トリガーの当接部が受け具に当って上記係合部はロックピンの移動路から退出するので、ロックピンはレバー操作で上記受け具の受溝内に進入させることができ、施錠することができる。
上記のようにトリガーは受け具に当接して移動するが、このトリガーを窓障子の見込面に沿って移動するよう構成したから構造が簡単で大きなスペースを必要とせず、窓枠の見付け寸法を有効に使用でき、また、ロックピンを設けた本体に容易に組み込むことができ、窓障子や窓枠の框内に納まり、経済的に得ることができる。さらに、上記レバーが施錠位置にあるとき、該レバーの回動を阻止するロック装置を設けると、窓障子の施錠状態を一層確実で安全にすることができる。
図面は本発明の一実施例を示し、図1〜図5に示すように、本発明の締り金具は、ロックピン(3)を有する本体(1)と、該ロックピンが進入する受溝(4)を有する受け具(2)を具備し、該本体(1)と受け具(2)は、窓障子(5)と窓枠(6)の見込面に対向状態に設けられ、図に示す実施例では、窓障子(5)に本体(1)を取り付け、窓枠(6)に受け具(2)を取り付けてあるが、本体(1)を窓枠(6)に取り付け、受け具(2)を窓障子(5)に取り付けるようにしてもよい。
上記本体(1)のケース(7)は、プラスチック材料で形成され、裏面に金属材料で形成した補強ケース(8)を取り付けて補強されている。該ケース(7)には、レバー(9)の枢軸(10)が回動自在に枢着され、該レバー(9)は金属材料製の基材をプラスチック材料にインサート成形して構成されている。該レバー(9)の上記枢軸(10)には、クランクピン(11)を有するクランク(12)が回り止め状態で固定されている。該クランク(12)は、側辺(13)がケース(7)の裏面に突設した柱状突起(14)に当る位置まで回動することができ、該クランク(12)の先端に摺接する略直線状の板ばね(15)により回動した位置に弾性的に保持されている。
上記クランク(12)には側方に突出する係止縁(16)が形成され、本体(1)には、上記レバー(9)が施錠位置にあるとき該係止縁(16)に係合可能なロック装置が設けられている。該ロック装置は、図4に示すように、上記係止縁(16)に係合する山形状の係合端(17)を有するロック片(18)と、該本体(1)の表面側から該ロック片(18)をスライド操作するためのつまみ(19)を含み、該つまみ(19)の裏面に一体的に脚片(20)を突設し、該脚片(20)をケース(7)に設けた透孔(21)に貫挿してその先端を上記ロック片(18)に連結してある。上記つまみ(19)を操作すれば、上記ロック片(18)はケース(7)の側壁と上記柱状突起(14)の側面及び補強ケース(8)に設けた側壁(22)に案内されて図4において上下動する。
上記ロック片(18)には、抜孔(23)を設けて容易にたわませることができるようにした側辺(24)が形成され、該側辺(24)には側方に突出する係止突起(25)が設けられ、上記ケース(7)の側壁には凹部(26)、(27)が設けられている。上記係止突起(25)が凹部(26)に嵌入する位置までロック片(18)を降下させると、係合端(17)がクランク(12)の係止縁(16)に係合し、クランク(12)及びレバー(9)の回動を阻止する施錠状態となる。また、上記係止突起(25)が凹部(27)に嵌入する位置までロック片(18)を上昇させると、係合端(17)が係止縁(16)から外れ、上記クランク(12)及びレバー(9)の回動を許容する解錠状態となる。なお、上記ロック装置は一実施例であり、他の適宜のロック装置を用いることもできる。
上記クランク(12)のクランクピン(11)は、スライダー(28)の脚(29)、(29)間の溝(30)に嵌入しており、上記ロックピン(3)は該スライダー(28)に固着されている。該スライダー(28)は、ケース(7)の裏面に設けた突条(31)に嵌合する摺動溝(32)を有し、上記レバー(9)を介してクランク(12)を回動することにより直線運動、図4においては上下動する。
上記本体(1)には、窓障子(5)の見込面に沿って移動可能にトリガー(33)が設けられている。該トリガー(33)は、上記ロックピン(3)が直線運動、図においては上下動する移動路に突出可能な係合部(34)と、窓障子を閉じる際、受け具(2)の側面に当接して上記係合部(34)をロックピン(3)の移動路から退出する方向にトリガーを移動するための当接部(35)を有する。該トリガーは種々の形状に形成することもできるが、図に示す実施例では、金属材料で板状に形成され、端縁を見込面に沿う方向に突出させて上記係合部(34)とし、かつ一部を見付け方向に向けて略L字状に起立させて上記当接部(35)としている。該係合部(34)は、上記当接部側に傾斜面(36)を有し、他側に上記ロックピン(3)の外周に沿う形状の係合面(37)を有するほぼ山形状に形成されている。
上記本体(1)のケース(7)の基板(38)上には、図6に示すように、対向する側壁(39)、(39)と該側壁の上端に存する天板(40)により、前方が開口し後端が閉塞する収納空間(41)がケース(7)と一体的に形成されている。該収納空間(41)には、上記トリガー(33)及び該トリガー(33)の係合部がロックピンの移動路に突出する方向に該トリガー(33)を付勢するトリガーばね(42)が挿入されている。なお、上記トリガー(33)には、側方に突出する係止爪(43)が形成され、上記側壁(39)にはトリガー(33)の移動範囲を規制する長孔(44)が形成されている。上記トリガー(33)を収納空間(41)の前面の開口からプラスチック材料製の上記側壁(39)、(39)の弾性に抗して押し込み、該係止爪(43)、(43)を該長孔(44)に嵌入させると、上記トリガー(33)は側壁(39)、(39)に案内され、斜めになったりせずに所定範囲内で円滑に摺動する。
上記収納空間(41)の内面、図6においては天板(40)と基板(38)には、好ましくはトリガー(33)が略線状に摺接するよう複数のリブ(45)・・・を設けてある。このリブ(45)により上記トリガー(33)はより少ない移動抵抗で摺動し、動作が一層円滑となる。
図7は、窓障子(5)が開いている状態を示し、上記ロックピン(3)は、上記トリガー(33)の係合部(34)に係合しているから、レバー(9)を回動させてロックピン(3)を移動させることはできない。したがって誤って施錠したと思わせるような誤操作を阻止することができる。
図8は、窓障子(5)を閉じるときの状態を示し、受け具(2)の側面がトリガー(33)の当接部(35)に当り、トリガー(33)が後退し、ロックピン(3)を移動させることができる状態となる。そして、この状態でレバー(9)を操作し、ロックピン(3)を移動させると、該ロックピン(3)は受け具(2)の受溝(4)内に入り、施錠することができる(図9)。さらに、上記ロック装置のつまみ(19)を操作して上記レバー(9)をロックすれば、該レバー(9)自体を施錠することができる。
解錠する際は、上述と逆の操作をし、上記つまみ(19)によりロック装置によるレバーの施錠を解錠した後、レバー(9)を回動すると、ロックピン(3)は受溝(4)から脱出して窓障子(5)は解錠され、該ロックピン(3)は傾斜面(36)を押してトリガー(33)を後退させながら移動し、上記係合面(37)に対向したとき該トリガー(33)がトリガーばね(42)で復帰し、係合部(34)に係合する(図7)。
上記実施例においては、上記本体を縦枠に取り付けて上記レバーを上下方向に操作するように構成してあるが、本体を横枠に取り付けてレバーを左右方向に操作するよう構成してもよいし、上記レバーをスライド操作させるようにしてもよい。
本発明の一実施例を示す平面図。 斜視図を示し、(A)は本体、(B)は受け具の斜視図。 解錠状態の本体の正面図。 本体の裏蓋を外した状態を示す背面図。 本体の横断面図。 トリガーの取付部を示す説明図。 窓障子が開いている状態を示し、(A)は平面図、(B)は正面図。 窓障子の受け具にトリガーの当接部が当った状態を示し、(A)は平面図、(B)は正面図。 窓障子の施錠状態を示し、(A)は平面図、(B)は正面図。
符号の説明
1 本体
2 受け具
3 ロックピン
4 受溝
9 レバー
12 クランク
19 つまみ
28 スライダー
33 トリガー
34 係合部
35 当接部

Claims (9)

  1. レバー操作で直線運動するよう設けられたロックピンを有する本体と、該ロックピンを受け入れる受溝を有する受け具を窓障子と窓枠の見込面に対向状態に取り付け、窓障子を閉じた状態で上記ロックピンを上記受溝に進入若しくは脱出させて窓障子を施錠若しくは解錠するようにした締り金具において、上記本体には上部に基板を有するケースが形成され、該基板の裏面には、該裏面に設けた突条に摺動溝を嵌合させて上記レバー操作で直線運動するスライダーが設けられ、該スライダーには上記ロックピンが突設され、該基板上には、対向する側壁と該側壁の上端に存する天板により前方が開口し後端が閉塞する収納空間がケースと一体的に形成され、該収納空間には、板状の金属材料の端縁を見込面に沿う方向に突出させて係合部としかつ一部を見付け方向に向けて略L字状に起立させて当接部としたトリガーが挿入され、該トリガーは係合部が上記ロックピンの移動路に突出する方向にトリガーばねで付勢され、上記窓障子を閉じる際上記受け具に当接部が当接して上記係合部をロックピンの移動路から退出する方向に移動させるようにしたことを特徴とする締り金具。
  2. 上記係合部は一側に傾斜面を有し他側に上記ロックピンの外周に沿う形状の係合面を有する略山形状に形成されている請求項1に記載の締り金具。
  3. 上記トリガーは上記側壁に案内されて摺動する請求項1または2に記載の締り金具。
  4. 上記トリガーは係止爪を有し、上記側壁には該係止爪が嵌合する長孔が形成されている請求項1から3のいずれかに記載の締り金具。
  5. 上記収納空間には、トリガーに摺接するようリブが形成されている請求項1から4のいずれかに記載の締り金具。
  6. 上記本体には、上記レバーが施錠位置にあるとき、該レバーの回動を阻止するロック装置が設けられている請求項1に記載の締り金具。
  7. 上記スライダーはレバーで回動されるクランクにより直線運動し、該クランクは係止縁を有し、上記ロック装置は該係止縁に係合可能なロック片を含む請求項6に記載の締り金具。
  8. 上記ロック片はスライド可能に設けられている請求項7に記載の締り金具。
  9. 請求項1ないし8のいずれかに記載の締り金具を具備する窓障子。
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