JP3821681B2 - 包装用袋の製造方法および製造装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生鮮野菜や果実その他の物品を収容するため、プラスチックフィルムなどの各種フィルム材やシート材を素材として製造される包装用袋の製造技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
生鮮野菜や果実などを市場に出荷したり、スーパーマーケットなどの小売り店舗に陳列したりする場合、従来より、プラスチックフィルム製の包装用袋が使用されている。このような包装用袋のサイズ、形状などは用途に応じて様々であるが、代表的なものとして、図5に示すような包装用袋90がある。
【0003】
包装用袋90は、左右の側縁90aなどを封止して形成された袋本体91と、袋本体91の開口部94から上方へ舌片状に突出形成されたリブ92などで構成され、袋本体91の底部90bの両端に通気孔91aが設けられたり、リブ92の内面にシール部(図示せず)が設けられたりすることがある。
【0004】
ここで、図6を参照して、リブ付きの包装用袋90の従来の製造方法について説明する。図6(a)に示すように、長四角形のフィルム材F1を、リブ92となる部分の長さだけずらせて互いに重なり合うように折り曲げた後、図6(b)に示すように、左右の側縁90aを熱溶着すると開口部94および底部90bを備えた袋本体91が形成される。この後、図6(c)に示すように、袋本体91の底部90bの両端部分を三角形状または扇形状に切欠して通気孔91aを形成すれば包装用袋90が完成する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図6で示した従来の包装用袋90の製造工程では、平面状の長四角形のフィルム材F1からスタートし、このフィルム材F1をリブ92の長さだけずらせて互いに重なり合うに正確に折り曲げて袋本体91を形成していかなければならないので、工程が複雑であり、製造に手間を要している。また、1枚のフィルム材F1から1枚の包装用袋90しか製造できないので、作業効率も悪い。
【0006】
一方、リブなしの包装用袋の製造は図7に示すような工程で行われている。図7に示すように、リブなしの包装用袋90xの製造工程においては、柔軟なフィルム材Fで形成された連続筒状体95をその直径方向Dに圧潰するように折り重ねて連続帯状体96を形成し、この連続帯状体96をカッタCで長手方向Lに切断した後、長手方向に2分割された連続帯状体96に対し、熱溶着切断装置97を用いて、重なり合ったフィルム材F同士を連続帯状体96の幅方向Wに線状に貼着した貼着部97を連続帯状体96の長手方向Lに一定間隔ごとに形成すると同時に、貼着部97をその線方向に沿って分割切断することによって開口部94を有する包装用袋90xを形成している。
【0007】
このような工程によれば、リブなしの包装用袋90xを効率的に製造することができるが、この工程をそのまま利用してリブ付きの包装用袋90を製造することは不可能である。そこで、図7で示した工程で製造されたリブなしの包装用袋90xに後加工を施してリブ92や通気孔91aを形成することによって包装用袋90を完成させることも考えられるが、この場合、袋1枚ごとに後加工を施す必要があるため、作業効率が極めて悪く、現実には実施不可能である。
【0008】
また、リブなしの包装用袋90xに後加工を施してリブ92を形成しようとすれば、包装用袋90xの開口部94を構成するフィルム材Fの片面を切断除去してリブ92を形成する必要があるので、切断除去された方のフィルム材Fの切片はいわゆる切り屑となってフィルム資材の無駄が生じる。また、これらのフィルム材の切り屑は、環境汚染防止の観点から、安易に廃棄処分や焼却処分ができないので、その処分にも多大な労力を要することとなる。包装用袋90は大量生産されるものであるため、後加工で発生するフィルムの切り屑も大量となり、決して無視できないものとなることが予測される。
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、フィルム材の無駄を生じることなしにリブ付きの包装用袋を効率的に製造することができ、フィルム材の切り屑の処分なども不要である、切包装用袋の製造技術を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の包装用袋の製造方法は、柔軟なフィルム材で形成された連続筒状体をその直径方向に圧潰するように折り重ねて形成された連続帯状体の幅方向の中央部分に楕円形の打ち抜き部を形成した後、前記打ち抜き部を、前記連続帯状体の長手方向に一定間隔ごとに形成する打ち抜き工程と、前記打ち抜き部を挟んで前記打ち抜き部の前記幅方向の内径と同じ間隔だけ前記幅方向に離れた2つの位置にて、重なり合った前記フィルム材の一方のみをそれぞれ前記長手方向に切断する2つの片面切断工程で構成される縦切断工程と、重なり合った前記フィルム材同士を前記幅方向に前記打ち抜き部の略中心を通る位置で線状に貼着して貼着部を形成した後、前記貼着部を前記長手方向に一定間隔ごとに形成する貼着工程と、前記貼着部をその線方向に沿って分割切断する横切断工程とを有することを特徴とする。
【0011】
このような構成とすることにより、前記幅方向に離れた2つの位置にある2つの片面切断工程からなる縦切断工程において、重なり合った前記フィルム材の一方のみがそれぞれ長手方向に切断されるとき、切断部分から2つの包装用袋の開口部が対向状態で形成されると同時にそれぞれのリブも形成されるので、連続的工程でリブを形成することが可能となり、リブ付きの包装用袋を効率的に製造することができるようになる。また、リブを形成する際にフィルム材を切断除去する必要がないのでフィルム資材の無駄が生じることがなく、フィルム材の切り屑の処分なども不要である。
【0012】
次に、本発明の包装用袋の製造装置は、柔軟なフィルム材で形成された連続筒状体をその直径方向に圧潰するように折り重ねて形成された連続帯状体の幅方向の中央部分に楕円形の打ち抜き部を形成した後、前記打ち抜き部を、前記連続帯状体の長手方向に一定間隔ごとに形成する打ち抜き手段と、前記打ち抜き部を挟んで前記打ち抜き部の前記幅方向の内径と同じ間隔だけ前記幅方向に離れた2つの位置にて、重なり合った前記フィルム材の一方のみをそれぞれ前記長手方向に切断する2つの片面切断手段で構成される縦切断手段と、重なり合った前記フィルム材同士を前記幅方向に前記打ち抜き部の略中心を通る位置で線状に貼着して貼着部を形成した後、前記貼着部を前記長手方向に一定間隔ごとに形成する貼着手段と、前記貼着部をその線方向に沿って分割切断する横切断手段とを備えたことを特徴とする。
【0013】
このような構成とすることにより、前述した包装用袋の製造方法を適切に実施することが可能となるため、フィルム資材の無駄を生じることなしにリブ付きの包装用袋を効率的に製造することができるようになり、フィルム材の切り屑の処分なども不要である。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の第1実施形態である包装用袋の製造装置を示す一部省略斜視図、図2は図1におけるA−A線断面図である。
【0015】
図1に示すように、本実施形態の包装用袋の製造装置1は、柔軟なフィルム材Fで形成された連続筒状体2をその直径方向Dに圧潰するように折り重ねて形成された連続帯状体3に対し、半円形の切欠部15および楕円形の打ち抜き部17を形成するための打ち抜き装置8a,8bと、連続帯状体3を異なる2つの位置で長手方向Lに切断する2つの縦切断手段6と、重なり合ったフィルム材F同士を連続帯状体3の幅方向Wに線状に貼着した貼着部5を連続帯状体3の長手方向Lに一定間隔ごとに形成すると同時に貼着部5をその線方向に沿って分割切断する熱溶着切断手段7などを備えている。
【0016】
図2に示すように、2つの縦切断手段6はそれぞれ、連続帯状体3を挟んで位置し且つ連続帯状体3の幅方向Wに所定間隔だけ離れた2つの位置に配置され、重なり合ったフィルム材Fの一方のみを長手方向Lに切断するカッタ9と、駆動軸14を介してカッタ9を駆動するモータ10と、フィルム材Fの位置を検知するフィルムセンサ11と、カッタ9の位置を検知するカッタセンサ12と、フィルム材Fに対するカッタ9の切断位置を自動制御する位置制御装置13などで構成されている。
【0017】
連続帯状体3を構成するフィルム材Fの位置をフィルムセンサ11が検知し、カッタ9の位置をカッタセンサ12が検知し、フィルムセンサ11およびカッタセンサ12から位置制御装置13に送信される検知信号に基づき、位置制御装置13がモータ10および駆動軸14などとともにカッタ9を微小に昇降させることにより、カッタ9が、重なり合ったフィルム材Fのうちの一方のフィルム材Fのみを切断する位置を保つように自動制御されている。
【0018】
ここで、図1を参照して、包装用袋の製造方法について説明する。図1の右上方向から左下方向(長手方向L)へ送給される連続帯状体3に対し、打ち抜き装置8a,8bが連続帯状体3の幅方向Wの両端部分および中央部分にそれぞれ半円形の切欠部15および楕円形の打ち抜き部17を形成する。これらの2つの切欠部15および1つの打ち抜き部17は連続帯状体3の幅方向Wに直列配置されるとともに、その長手方向Lに一定間隔ごとに形成される。これらの切欠部15および打ち抜き部17の長手方向Lの配置間隔によって最終製品である包装用袋20の幅が決定される。
【0019】
この後、長手方向Lに送給された連続帯状体3は、連続帯状体3を挟んで上下に離れ且つ幅方向Wに離れた2つの位置にそれぞれ配置された2つカッタ9により、重なり合ったフィルム材Fの一方ずつにそれぞれ切れ目16が入れられる。そして、熱溶着切断手段7が、連続帯状体3に形成された切欠部15および打ち抜き部17を幅方向Wに結ぶ仮想直線4に沿って線状の貼着部5を形成すると同時に貼着部5に沿って分割切断することによってリブ付きの包装用袋20が形成される。この場合、切欠部15の一部が包装用袋20の通気孔21となり、打ち抜き部17がリブ23の左右側縁となる。
【0020】
前述したように、連続帯状体3が、縦切断手段6を構成するカッタ9で上下2カ所から切断されるとき、それぞれの切れ目16から2つの包装用袋20の開口部22が対向状態で形成されると同時にそれぞれのリブ23も形成されるので、リブ23を連続的工程で形成することが可能であり、これにより、リブ23付きの包装用袋20を効率的に製造することができる。また、リブ23を形成する際にフィルム材Fを切断除去する必要がないので素材の無駄が生じることがなく、リブ23の形成工程においてフィルム材Fの切り屑が生じないので、その処分に労力を要することもない。
【0021】
また、連続帯状体3に対して、打ち抜き装置8aが打ち抜き部17を形成するので、熱溶着切断手段7によって対向状態に形成された包装用袋20を容易に分離することができる。すなわち、熱溶着切断手段7で貼着部5の形成および切断が行われるとき、打ち抜き部17の存在により、リブ23の左右側縁となるべき部分でのフィルム材F同士の溶着が回避されるので、対向状態に形成されたリブ23の独立性が保たれ、包装用袋20の分離性が確保される。
【0022】
なお、包装用袋20の通気孔21は、被包装物によっては不要であることもあるので、図1で示した包装用袋の製造装置1における打ち抜き装置8bをなくし、打ち抜き装置8aで打ち抜き部17のみを形成する工程を採用すれば、通気孔21なしの包装用袋を製造することも可能である。
【0023】
次に、図3,図4を参照して、本発明の第2実施形態である包装用袋の製造装置について説明する。なお、図3,図4において、図1,図2で示した部材や装置と同じ機能、効果を有する部材や装置については図1,図2の場合と同じ記号を付して説明を省略する。
【0024】
本実施形態の包装用袋の製造装置31は、図3,図4に示すように、連続帯状体3を異なる2つの位置でそれぞれ長手方向Lに切断する縦切断手段36として、長手方向Lに送給される連続帯状体3の内部に位置する切断刃保持体36aと、切断刃保持体36aの上下面にそれぞれ垂直状態に立設された切断刃36bとを設けている。
【0025】
包装用袋の製造装置31の場合、図4に示すように、連続帯状体3の内部に切断刃保持体36aを配置しているので、重なり合ったフィルム材Fを切断刃保持体36aで完全に隔離した状態でそれぞれの切断刃36bによって切断することができる。したがって、各切断刃36bは、他方のフィルム材Fを傷つけたり、誤切断したりすることなく、一方のフィルム材Fのみをそれぞれ長手方向Lに確実に切断することができる。
【0026】
また、包装用袋の製造装置31を構成する縦切断手段36は、切断刃保持体36aおよび切断刃36bからなる極めてシンプルな構造であり、フィルム材Fの縦切断を行う切断刃36bに係る電源や動力が不要なので、故障の要因が少なく、取扱性、信頼性および省エネルギ性に優れ、メンテナンス性も良好である。その他の構造、機能および効果などについては、図1,図2で示した包装用袋の製造装置1と同じである。
【0027】
【発明の効果】
本発明により、以下に示す効果を奏する。
【0028】
(1)柔軟なフィルム材で形成された連続筒状体をその直径方向に圧潰するように折り重ねて形成された連続帯状体をその長手方向に切断する縦切断工程と、重なり合った前記フィルム材同士を前記連続帯状体の幅方向に線状に貼着した貼着部を前記連続帯状体の長手方向に一定間隔ごとに形成する貼着工程と、前記貼着部をその線方向に沿って分割切断する横切断工程とを有する包装用袋の製造方法において、前記縦切断工程を、前記連続帯状体を挟んで且つ前記幅方向に離れた2つの位置にて、重なり合った前記フィルム材の一方のみを前記長手方向に切断する2つの片面切断工程で構成したことにより、フィルム資材の無駄を生じることなしにリブ付きの包装用袋を効率的に製造することができ、フィルム材の切り屑の処分なども不要である。
【0029】
(2)柔軟なフィルム材で形成された連続筒状体をその直径方向に圧潰するように折り重ねて形成された連続帯状体をその長手方向に切断する縦切断手段と、重なり合った前記フィルム材同士を前記連続帯状体の幅方向に線状に貼着した貼着部を前記連続帯状体の長手方向に一定間隔ごとに形成する貼着手段と、前記貼着部をその線方向に沿って分割切断する横切断手段とを備えた包装用袋の製造装置において、前記縦切断手段を、前記連続帯状体を挟んで且つ前記幅方向に離れた2つの位置にて、重なり合った前記フィルム材の一方のみを前記長手方向に切断する2つの片面切断手段で構成したことにより、前述した包装用袋の製造方法を適切に実施することが可能となり、フィルム資材の無駄を生じることなしにリブ付きの包装用袋を効率的に製造することができ、フィルム材の切り屑の処分なども不要である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態である包装用袋の製造装置を示す一部省略斜視図である。
【図2】 図1におけるA−A線断面図である。
【図3】 本発明の第2実施形態である包装用袋の製造装置を示す一部省略斜視図である。
【図4】 図3におけるB−B線断面図である。
【図5】 リブ付きの包装用袋を示す斜視図である。
【図6】 従来のリブ付きの包装用袋の製造工程を示す説明図である。
【図7】 従来のリブなしの包装用袋の製造工程を示す説明図である。
【符号の説明】
1,31 包装用袋の製造装置
2 連続筒状体
3 連続帯状体
5 貼着部
6,36 縦切断手段
7 熱溶着切断手段
8a,8b 打ち抜き装置
9 カッタ
10 モータ
11 フィルムセンサ
12 カッタセンサ
13 位置制御装置
14 駆動軸
15 切欠部
16 切れ目
17 打ち抜き部
20 包装用袋
21 通気孔
22 開口部
23 リブ
36a 切断刃保持体
36b 切断刃
D 直径方向
F フィルム材
L 長手方向
W 幅方向

Claims (2)

  1. 柔軟なフィルム材で形成された連続筒状体をその直径方向に圧潰するように折り重ねて形成された連続帯状体の幅方向の中央部分に楕円形の打ち抜き部を形成した後、前記打ち抜き部を、前記連続帯状体の長手方向に一定間隔ごとに形成する打ち抜き工程と、
    前記打ち抜き部を挟んで前記打ち抜き部の前記幅方向の内径と同じ間隔だけ前記幅方向に離れた2つの位置にて、重なり合った前記フィルム材の一方のみをそれぞれ前記長手方向に切断する2つの片面切断工程で構成される縦切断工程と、
    重なり合った前記フィルム材同士を前記幅方向に前記打ち抜き部の略中心を通る位置で線状に貼着して貼着部を形成した後、前記貼着部を前記長手方向に一定間隔ごとに形成する貼着工程と、
    前記貼着部をその線方向に沿って分割切断する横切断工程と、
    を有することを特徴とする包装用袋の製造方法。
  2. 柔軟なフィルム材で形成された連続筒状体をその直径方向に圧潰するように折り重ねて形成された連続帯状体の幅方向の中央部分に楕円形の打ち抜き部を形成した後、前記打ち抜き部を、前記連続帯状体の長手方向に一定間隔ごとに形成する打ち抜き手段と、
    前記打ち抜き部を挟んで前記打ち抜き部の前記幅方向の内径と同じ間隔だけ前記幅方向に離れた2つの位置にて、重なり合った前記フィルム材の一方のみをそれぞれ前記長手方向に切断する2つの片面切断手段で構成される縦切断手段と、
    重なり合った前記フィルム材同士を前記幅方向に前記打ち抜き部の略中心を通る位置で線状に貼着して貼着部を形成した後、前記貼着部を前記長手方向に一定間隔ごとに形成する貼着手段と、
    前記貼着部をその線方向に沿って分割切断する横切断手段と、
    を有することを特徴とする包装用袋の製造装置。
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