JP3821560B2 - 診療台 - Google Patents

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JP3821560B2
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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、産科、婦人科、泌尿器科および肛門科などの治療および診断に好適に用いることができる診療台に関する。
【0002】
【従来の技術】
図31は典型的な従来の技術の産婦人科用診療台1を示す側面図であり、図32は診療台1に備えられる各脚受け台9a,9bの開閉手段15の構成を説明するための図であり、この従来の技術は、特公平4−17662号公報に開示されている。この診療台1は、基台4の両側部に一対の平行リンク5a,5bを鉛直面内で回動可能に配備し、各平行リンク5a,5bの遊端部に各平行リンク5a,5bの回動とは無関係に鉛直面内で回動可能に座り台6を取付けて構成される。
【0003】
座り台6には、患者7の腰から頭までを支える背板8の下端部に、前方(図31の左方)に向けて一対の脚受け台9a,9bを開閉可能に前方に向けて突設している。背板8と脚受け台9a,9bとが成す角度は100〜110度である。各脚受け台9a,9bは、患者7の臀部から膝裏まで載せる脚受け部10a,10bと、各脚受け部10a,10bを支持する支持アーム11a,11bとを有する。各支持アーム11a,11bの基端部は、100〜120度の角度を成して斜め後方上向きに屈曲しており、この屈曲部12a,12bに枢軸13a,13bを固定し、各枢軸13a,13bは背板8の下部後面で回動可能に支承されている。各枢軸13a,13bには、この枢軸13a,13bと一体に回動可能に腕杆14a,14bが突設され、各腕杆14a,14bには、脚受け台9a,9bの開閉手段15が連結される。
【0004】
図31および図32において実線で示すように、各脚受け台9a,9bが閉じた状態では、各脚受け台9a,9bの互いに対向する内側縁16a,16bは、各枢軸13a,13bの軸線13a1,13b1を含む鉛直面Fa,Fbよりも内側に突出している。この開閉手段15は、背板8内に一対の作動杆17a,17bを摺動可能に配備し、各作動杆17a,17bの各下端部を上記腕杆14a,14bに枢支連結し、各上端部は連結杆18によって相互に連結される。各作動杆17a,17bの上端部側には、背板8に固定された受け板19a,19bと連結杆18との間にばね20a,20bが装着され、各ばね20a,20bのばね力によって、各脚受け台9a,9bが閉じる方向に付勢されている。
【0005】
背板8の後方には、連結杆18の略中央部に対向して、当り部材21が設けられ、背板8が後方に傾動する際に、連結杆18が当り部材21に当接して、各ばね20a,20bのばね力に抗して各作動杆17a,17bを押圧し、各腕杆14a,14bを回動させて、各脚受け台9a,9bを開く。
【0006】
背板8には、背面の下部両側に下向きL字状の取付け板22a,22bが突設され、各取付け板22a,22bの下端部は連結バー23によって連結される。前記一対の平行リンク5a,5bは、各2本のリンク部材を有し、各リンク部材の下端部は基台4に枢支され、上端部は連結板24a,24bに枢支連結される。各連結板24a,24bには、油圧シリンダ25が枢支され、そのピストンロッド25aは前記座り台6上の連結バー23に枢支連結される。油圧シリンダ25のピストンロッド25aが伸長すると、座り台6は図31および図32の仮想線で示されるように、枢軸26を中心に後方に傾動し、前記ピストンロッド25aが縮退すると、座り台6は図31および図32の実線で示されるように前方に傾動する。
【0007】
基台4にはまた、油圧シリンダ27が枢支され、そのピストンロッド27aは各平行リンク5a,5bに枢着される。油圧シリンダ27のピストンロッド27aが伸長すると、各平行リンク5a,5bは座り台6とともに図31の実線で示される後方へ傾動する。
【0008】
検診時には、各平行リンク5a,5bを後方に倒した状態、すなわち座り台6を下降させた位置で各脚受け台9a,9bに大腿部を載せて患者7を座らせ、各平行リンク5a,5bおよび座り台6の各油圧シリンダ25,27を作動させる。油圧シリンダ27を作動させると、各平行リンク5a,5bが前方に傾動するとともに、座り台6は上昇しつつ前進する。各平行リンク5a,5bが基台4に対して垂直になったとき、座り台6の高さは最高位に達し、その後は下降しながら前進する。座り台6の高さが診察位置に達すれば、座り台6の前進を停止し、油圧シリンダ25によって後方に傾動させる。座り台6が後方に傾動した際、各脚受け台9a,9bの開閉手段15の連結杆18が当り部材21に当接して、各ばね20a,20bのばね力に抗して各作動杆17a,17bを押圧し、各腕杆14a,14bを回動させて、各脚受け台9a,9bを開く。このとき、各脚受け台9a,9bの基端部間に患者7の臀部の一部が沈み込む。
【0009】
診察が終わると、各油圧シリンダ25,27を上述の伸長動作とは逆方向に縮退させる。このように各油圧シリンダ25,27を収縮させると、各脚受け台9a,9bが閉じ、診療台1は図31の実線で示される初期位置に復帰し、患者7は座り台6から降りることができる。各脚受け台9a,9bが閉じる際、各脚受け台9a,9bは各枢軸13a,13bを中心にして、その先端部が内向きに円弧を描きながら、背板8の上端部から遠ざかるように変位して下降する。したがって、各脚受け台9a,9bが閉じた状態では、各脚受け台9a,9bの互いに対向する内側縁16a,16bは各枢軸13a,13bの軸線を含む鉛直面Fa,Fbよりも内側に突出している。そのため、閉じる直前には、各脚受け台9a,9bの基端部側の内側縁16a,16bは、患者7の臀部の側方から下方へ回り込んで、臀部を持ち上げるようにわずかに上向きに上昇しながら互いに接近する方向に回動する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の技術では、各脚受け台9a,9bが背板8に対して100〜110度の角度を成して枢軸13a,13bによって背板8に枢支され、これらの枢軸13a,13bの各軸線13a1,13b1は、患者の股関節28a,28bの中心軸線28a1,28b1とは全く異なる方向および位置に配置され、患者の股関節28a,28bの形状に合致していない。そのため、図31および図32の実線で示す閉脚状態から図31および図32の仮想線で示す開脚状態、および閉脚状態から開脚状態に移行するとき、各脚受け部10a,10bが大腿部を開閉方向とは異なる方向に押圧して股関節28a,28bに無理な力が作用し、円滑に開閉動作を行いにくく、しかも術者にとって広い視野を確保できないという問題がある。
【0011】
また上記従来の技術では、各脚受け部10a,10bの互いに対向する内側縁16a,16bが各枢軸13a,13bの軸線13a1,13b1を含む鉛直面Fa,Fbよりも内側に突出しており、閉じる直前には、各脚受け部10a,10bは、基端側の内側縁16a,16bが患者7の臀部の側方から下方へ回り込み、臀部を下から上へ持ち上げるようにわずかに上昇しながら互いに接近する。そのため、大腿部の付け根の裏側が各脚受け部10a,10bによって挟まれるような不安感および不快感を生じさせ、これらの不安感および不快感に起因して、無意識的に座り直したくなり、患者7が座り台6の後退中または後退直後に身体を動かしてしまうという問題がある。
【0012】
したがって、本発明の目的は、開脚角度をむやみに大きくしないで、患者の股関節に無理な負担をかけず、円滑な開脚および閉脚を可能として、術者の広い視野を確保することができるとともに、閉脚時に患者が不安感および不快感を感じて無意識的に身体を動かしてしまうという不具合をなくすことができるようにした診療台を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
発明は、患者の背部を支持する背板部および患者の臀部を支持する座部を有する診療台本体と、患者の脚部を支持するための脚受け部をそれぞれ有する一対の脚受け台と、前記診療台本体および前記一対の脚受け台を実質上水平方向に延びる第1の軸線を中心として傾動させる傾動手段と、前記一対の脚受け部を開閉動作させるための開閉手段とを備えた診療台において、
前記一対の脚受け台の脚受け部における開閉動作の中心軸線は、患者が前記診療台本体に着座した状態におけるこの患者の股関節の軸線とそれぞれ実質上一致またはほぼ一致し、
前記一対の各脚受け台は、前記座部の一端部近傍の左右両側にて下方にそれぞれ延びる第2の軸線を中心として回動自在に支持された支持アームをそれぞれ有し、これらの各支持アームの端部に前記脚受け部がそれぞれ設けられており、前記第2の各軸線が、前記脚受け部の前記開閉手段による前記開閉動作の中心となる前記中心軸線をそれぞれ構成し、
前記開閉手段は、前記一対の脚受け台の前記各脚受け部にそれぞれ対応して設けられた一対の駆動源から構成されていることを特徴とする診療台である。
【0014】
本発明に従えば、一対の脚受け台の脚受け部における開閉動作の中心軸線は患者の股関節の軸線と実質上一致またはほぼ一致しているので、脚受け部を開閉動作すると、この開閉動作に伴って患者の脚部はその股関節の軸線をほぼ中心として移動し、これによって患者の脚部を無理な力を加えることなく開脚、閉脚することができ、また開脚した際には内転筋に力がかからず、患部をリラックスさせ、これにより診療がし易くなり、さらに広い視野をも確保することができる。
【0016】
受け部が設けられた支持アームは第2の軸線を中心として回動自在に支持され、かかる支持アームの第2の軸線が開閉動作の上記回動軸線を構成するので、脚受け部は上記回動軸線を中心として確実に回動され、比較的簡単な構成でもって脚受け部を開閉動作することができる。
開閉手段は一対の脚受け台の脚受け部を個別に開閉駆動する一対の駆動源から成るので、左右いずれか一方の脚部に障害のある患者であっても、障害している側の脚部を無理に開閉動作させる必要がなく、患者の左右両脚部の開脚限界位置および閉脚限界位置ならびに左右両脚部の開閉速度に応じて各脚受け台を個別に追従させて回動することができ、これによってもまた、患者への負担を軽減することができる。
【0017】
た本発明は、患者の背部を支持する背板部および患者の臀部を支持する座部を有する診療台本体と、患者の脚部を支持するための脚受け部をそれぞれ有する一対の脚受け台と、前記診療台本体および前記一対の脚受け台を実質上水平方向に延びる第1の軸線を中心として傾動させる傾動手段と、前記一対の脚受け部を開閉動作させるための開閉手段とを備えた診療台において、
前記一対の脚受け台の各脚受け部における開閉動作の中心軸線は、患者が前記診療台本体に着座した状態におけるこの患者の股関節の各軸線とそれぞれ実質上一致またはほぼ一致し、
前記一対の各脚受け台の脚受け部は、第3の軸線を中心として上下方向に回動自在に支持されているとともに、第4の軸線を中心として左右方向に回動自在に支持されており、前記第3の軸線を中心とする回動と前記第4の軸線を中心とする回動とを前記開閉手段によって同時に駆動して、前記開閉動作の中心となる前記中心軸線を構成し、
前記開閉手段は、前記一対の脚受け台の前記各脚受け部にそれぞれ対応して設けられた一対の駆動源から構成されていることを特徴とする診療台である。
【0018】
本発明に従えば、脚受け部は第3および第4の軸線を中心として上下方向および左右方向に回動自在に支持され、こられ第3および第4の軸線を中心とする回動を同時に駆動する構成である。したがって、一対の脚受け台の脚受け部を2つの軸線を中心として回動自在に支持することによっても上記開閉動作の中心軸線を中心として脚受け部を開閉動作することができる。
【0019】
た本発明は、前記診療台本体の前記背板部と前記座部とが一体的に形成され、前記背板部および前記座部に対して前記一対の脚受け台の前記脚受け部が前記第3の軸線を中心として上下方向に回動されるとともに、前記第4の軸線を中心として左右方向に回動されることを特徴とする。
【0020】
本発明に従えば、診療台本体の背板部と座部とが一体的に形成されている。そして、この診療台本体に対して一対の脚受け台の脚受け部が第3および第4の軸線を中心として回動され、このように構成することによって脚受け部を上記開閉動作の中心軸線を中心として回動することができる。
【0021】
た本発明は、前記第3の軸線と前記第4の軸線とは相互に実質上直交していることを特徴とする。
【0022】
本発明に従えば、第3の軸線と第4の軸線とが実質上直交しているので、比較的容易に、これらの軸線を中心とする合成回動運動を脚受け台の開閉動作とさせることができる。
【0023】
た本発明は、前記診療台本体の前記背板部と前記座部とは別個に形成され、前記座部が前記第3の軸線を中心として上下方向に回動自在に前記背板部に装着され、前記一対の脚受け台の前記脚受け部が前記座部に前記第4の軸線を中心として左右方向に回動自在に支持されていることを特徴とする。
【0024】
本発明に従えば、診療台本体の背板部と座部とが別個に形成されている。そして、背板部に対して座部が第3の軸線を中心として上下方向に回動され、この座部に対して一対の脚受け台の脚受け部が第4の軸線を中心として左右方向に回動され、このように構成することによって脚受け部を上記開閉動作の中心軸線を中心として回動することができる。
【0025】
た本発明は、患者の背部を支持する背板部および患者の臀部を支持する座部を有する診療台本体と、患者の脚部を支持するための脚受け部をそれぞれ有する一対の脚受け台と、前記診療台本体および前記一対の脚受け台を実質上水平方向に延びる第1の軸線を中心として傾動させる傾動手段と、前記一対の脚受け部を開閉動作させるための開閉手段とを備えた診療台において、
前記一対の脚受け台の各脚受け部における開閉動作の中心軸線は、患者が前記診療台本体に着座した状態におけるこの患者の股関節の各軸線とそれぞれ実質上一致またはほぼ一致し、
前記一対の脚受け台の各脚受け部は、上下方向に移動自在に支持されているとともに、実質上垂直方向に延びる垂直軸線を中心として左右方向に回動自在に支持されており、前記上下方向の移動と前記左右方向の回動とを前記開閉手段によって同時に行なって、前記回動動作の前記中心軸線を構成し、
前記開閉手段は、前記一対の脚受け台の前記各脚受け部にそれぞれ対応して設けられた一対の駆動源から構成されていることを特徴とする診療台である。
【0026】
本発明に従えば、一対の脚受け台の脚受け部は上下方向に移動自在に支持されているとともに、垂直軸線を中心として左右方向に回動自在に支持され、こられ上下方向の移動および垂直軸線を中心とする回動の組合せが上記開閉動作となる。したがって、一対の脚受け台の脚受け部を上下方向の移動と左右方向の回動とによっても開閉動作することができる。
【0027】
た本発明は、患者の背部を支持する背板部および患者の臀部を支持する座部を有する診療台本体と、患者の脚部を支持するための脚受け部をそれぞれ有する一対の脚受け台と、前記診療台本体および前記一対の脚受け台を実質上水平方向に延びる第1の軸線を中心として傾動させる傾動手段と、前記一対の脚受け部を開閉動作させるための開閉手段とを備えた診療台において、
前記一対の脚受け台の各脚受け部における開閉動作の中心軸線は、患者が前記診療台本体に着座した状態におけるこの患者の股関節の各軸線とそれぞれ実質上一致またはほぼ一致し、
前記一対の各脚受け台は、前記診療台本体の前記背板部の一端部近傍の両側にそれぞれ設けられた案内溝に沿って移動される支持移動アームをそれぞれ備え、これらの各支持移動アームの遊端部に対応する前記脚受け部がそれぞれ設けられており、前記支持移動アームが前記案内溝に沿って移動されることによって、前記脚受け部は、実質上開閉動作の前記開閉手段による前記中心軸線を中心として回動され、
前記開閉手段は、前記一対の脚受け台の前記各脚受け部にそれぞれ対応して設けられた一対の駆動源から構成されていることを特徴とする診療台である。
【0028】
本発明に従えば、診療台本体には案内溝が設けれ、脚受け部が設けられた支持移動アームは対応する案内溝に沿って移動され、このような支持移動アームの移動によって脚受け部を実質上上記開閉動作の中心軸線を中心として回動することができる。
【0029】
た本発明は、患者の背部を支持する背板部を有する診療台本体と、患者の脚部を支持するための脚受け部をそれぞれ有する一対の脚受け台と、前記背板部および前記一対の脚受け部を実質上水平方向に延びる第1の軸線を中心として傾動させる傾動手段と、前記一対の脚受け部を開閉動作させるための開閉手段とを備え、前記一対の各脚受け台は、患者の腰部に近い背板部の一端部近傍の左右両側下方にそれぞれ延びる第2の軸線を中心として回動自在に設けられた一対の支持アームをそれぞれ含み、前記一対の支持アームの端部に前記脚受け部が設けられた診療台において、
前記一対の脚受け台の前記各脚受け部の回動中心である前記第2の軸線は、前記背板部をほぼ左右対称に2分する仮想鉛直面上で実質上交差するとともに、前記第2の軸線の交点が前記診療台本体の座部の上方に位置し、
前記第2の各軸線が、患者が前記治療台本体に着座した状態におけるこの患者の股関節の各軸線とそれぞれ実質上一致またはほぼ一致し、
前記診療台本体の前記背板部の一端部には患者の臀部を支持する座部が前記背板部に対して鈍角に設けられ、前記座部の臀部支持面は前記一対の脚受け台の前記脚受け部の前記第2の軸線に実質上垂直またはほぼ垂直に形成されており、
前記開閉手段は、前記一対の脚受け台の前記各脚受け部にそれぞれ対応して設けられた一対の駆動源から構成されていることを特徴とする診療台である。
【0030】
本発明に従えば、一対の脚受け台の脚受け部の回動中心である軸線は、背板部をほぼ左右対称に二分する仮想鉛直面上で実質上交差するとともに、かかる軸線の交点が診療台本体の座部の上方に位置している。したがって、一対の脚受け部の回動中心の軸線は、患者の股関節の軸線と実質上一致またはほぼ一致するようになり、それゆえに、患者の脚部を無理な力を加えることなく開脚、閉脚することができる。
診療台本体の背板部には患者の臀部を支持する座部が設けられ、この臀部の臀部支持面は上記第2の軸線に実質上垂直またはほぼ垂直に形成されているので、背板部に対して鈍角を成す臀部支持面によって臀部が安定して受けられ、これによって脚部の重心が脚受け部の基端側に移り、各脚受け台への脚部の重量負担が少なくなって、円滑に脚部を開閉動作させることができる。
【0031】
た本発明は、患者の背部を支持する背板部を有する診療台本体と、患者の脚部を支持するための脚受け部をそれぞれ有する一対の脚受け台と、前記背板部および前記一対の脚受け部を実質上水平方向に延びる第1の軸線を中心として傾動させる傾動手段と、前記一対の脚受け部を開閉動作させるための開閉手段とを備え、前記一対の脚受け台は、患者の腰部に近い背板部の一端部近傍の左右両側下方にそれぞれ延びる第2の軸線を中心として回動自在に設けられた一対の支持アームをそれぞれ含み、前記一対の支持アームの端部に前記脚受け部がそれぞれ設けられた診療台において、
前記一対の脚受け台の前記脚受け部の回動中心である前記第2の軸線は、前記背板部をほぼ左右対称に2分する仮想鉛直面上で実質上交差するとともに特定平面を規定し、
前記第2の各軸線が、患者が前記治療台本体に着座した状態におけるこの患者の股関節の各軸線とそれぞれ実質上一致またはほぼ一致し、
前記第2の軸線が規定する前記特定平面は、前記仮想鉛直面に対して実質上垂直に交差するとともに、前記背板部の前記一端部近傍からその他端部に向けて前記背板部から離反する方向に傾斜しており、
前記診療台本体の前記背板部の一端部には患者の臀部を支持する座部が前記背板部に対して鈍角に設けられ、前記座部の臀部支持面は前記一対の脚受け台の前記脚受け部の前記第2の軸線に実質上垂直またはほぼ垂直に形成されており、
前記開閉手段は、前記一対の脚受け台の前記各脚受け部にそれぞれ対応して設けられた一対の駆動源から構成されていることを特徴とする診療台である。
【0032】
本発明に従えば、診療台は、背板部を有する診療台本体と、一対の脚受け台と、傾動手段と、開閉手段とを備える。一対の脚受け台の脚受け部の回動中心である第2の軸線は特定平面を規定し、この特定平面は、背板部をほぼ左右対称に2分する仮想鉛直面に対して実質上垂直に交差するとともに、この背板部の一端部近傍の左右両側から背板部の他端部に向かって背板部から離反する方向に傾斜している。また、これら第2の軸線は、上記仮想鉛直面上で交差するように配置されている。このような第2の軸線を中心として各脚受け部は相互に近接および離反する方向に開閉手段によって開閉動作し、着座した患者を開脚させまたは閉脚させることができる。
【0033】
たとえば、母親が赤ちゃんのおむつを代えて肛門を見る場合に、両脚を無理に左右に開けようとしても両脚は開かず、両膝を斜め上方に持ち上げて開くと股関節の形状に合致して無理なく開脚することができ、しかも母親にとって、むやみに大きな角度に開脚しなくても、幅広い視野が確保できる。このように回動軸線は膝の位置を上げるようにして開くように設定されている。さらに背板部が後方に傾動することにより、体重が脚受け台にかからなくなるので、よりスムースに開脚することができる。また閉脚時においても、脚受け台の第2の軸線が膝の位置を下げながら閉じるように設定されるので、前記従来の技術のように、閉じる直前に各脚受け台の基端側の内側縁が患者の臀部の側方から下方へ回り込んで、その患者の臀部を下から上へ持ち上げることはなく、これとは逆にわずかに下降するように変位するため、大腿部の付け根の裏側が各脚受け部によって挟まれるような不安感および不快感が生じず、これらの不安感および不快感によって患者が座り直すために身体を動かすという不具合が生じず、下降時における安全性が向上される。
【0036】
た本発明は、前記開閉手段は、前記一対の脚受け台に作用する患者の脚力によって停止するように構成されていることを特徴とする。
【0037】
本発明に従えば、一対の脚受け台に患者の脚部の力によって、開脚時には閉脚方向に、また閉脚時には開脚方向にというように、各脚受け台の回動方向とは逆方向に力が作用すると、開閉手段は各脚受け台の開閉動作を停止させ、これによって無理に患者の脚部が開かれ、または閉じられるという不具合が防がれる。このような開閉手段による各脚受け台の開閉動作の停止は、たとえば各脚受け台を開閉動作するためのモータのトルクを脚部による所定の力よりも弱く設定しておくことによって実現することができる。このように開閉動作が開閉手段によって停止できるように構成されることによって、患者の開脚限界位置または閉脚限界位置に達したとき、いわば自動的に開脚方向または閉脚方向への各脚受け台の動作が停止し、患者の肉体的な負担を少なくし、かつ安全性を向上することができる。
【0038】
た本発明は、前記一対の脚受け台の前記脚受け部は、所定量の変位を許容する連結手段を介して前記開閉手段に連結されていることを特徴とする。
【0039】
本発明に従えば、一対の脚受け台の脚受け部は開閉手段によって所定量の変位が許容されるようにして連結されるので、各脚受け部に対する患者の脚部のずれを許容することができ、これによってもまた患者の開脚時および閉脚時における肉体的負担を軽減することができる。
【0042】
た本発明は、患者の背部を支持する背板部を有する診療台本体と、患者の脚部を支持するための脚受け部をそれぞれ有する一対の脚受け台と、前記背板部および前記一対の脚受け部を実質上水平方向に延びる第1の軸線を中心として傾動させる傾動手段と、前記一対の脚受け部を開閉動作させるための開閉手段とを備え、前記一対の脚受け台の前記各脚受け部は、患者の脚部を下方から支持する第1支持面を有し、相互に隣接して位置する閉状態とこの閉状態から左右方向に開いた開状態との間を開閉動作される診療台において、
前記一対の脚受け台の各脚受け部における開閉動作の中心軸線は、患者が前記治療台本体に着座した状態におけるこの患者の股関節の各軸線とそれぞれ実質上一致またはほぼ一致し、
前記背板部の起立状態において前記一対の脚受け台を前記閉状態にすると、前記脚受け部の前記第1支持面は、相互に実質上平行にかつ実質上水平に延び、一方、前記背板部の起立状態において前記一対の脚受け台を前記開状態にすると、前記脚受け部は基部側から先端側に向けて左右方向に両側に拡がるとともに、その第1支持面は、前記脚受け部の基部側から先端側に向けて上方に傾斜して延びるとともに、前記脚受け部の左右方向外側から内側に向けて下方に傾斜して延び、
前記脚受け台を前記閉状態から前記開状態に向けて移動すると、前記閉状態からの移動量に伴って、前記一対の脚受け台の前記脚受け部の拡がり角度ならびに前記第1支持面の先端側上方への傾斜角度および左右方向内側下方への傾斜角度が漸増され、
前記一対の各脚受け台は、前記背板部の一端部近傍の左右両側にて延びる第2の軸線を中心として回動自在に支持された支持アームをそれぞれ有し、これらの各支持アームの端部に前記脚受け部がそれぞれ設けられており、前記支持アームの前記各第2の軸線が前記脚受け部の前記開閉手段による前記開閉動作の中心となる前記中心軸線をそれぞれ構成し、
前記開閉手段は、前記一対の脚受け台の前記各脚受け部にそれぞれ対応して設けられた一対の駆動源から構成されていることを特徴とする診療台である。
【0043】
本発明に従えば、診療台本体の背板部の起立状態において一対の脚受け部が閉状態になると、脚受け部の第1支持面は相互に実質上平行にかつ実質上水平に延びる。したがって、患者は診療台本体に着座してその脚部を脚受け部の第1支持面に容易に載置することができる。また、診療台本体の背板部の起立状態において一対の脚受け部が開状態になると、脚受け部は基部側から先端側に向けて左右方向に両側に拡がる。また、脚受け部の第1支持面は、脚受け部の基部側から先端側に向けて上方に傾斜して延びるとともに、脚受け部の左右方向外側から内側に向けて下方に傾斜して延びる。したがって、患者の脚部をむやみに大きな角度で開脚することなく、内転筋等脚部の筋肉に無理がかからず、患部の緊張感がなく、また幅広い視野を確保することができる。さらに、一対の脚受け台が閉状態から開状態に向けて移動する際、閉状態からの移動量に伴って、脚受け部の拡がり角度ならびに第1支持面の先端側上方への傾斜角度および左右方向内側下方への傾斜角度が漸増され、このように構成することによって患者の脚部に無理な力を加えることなく開脚することができる。
【0045】
受け部が設けられた支持アームを診療台本体の背板部の一端部近傍の両側にて延びる軸線を中心として回動することによって、比較的簡単な構成でもって脚受け部を上記閉状態と上記開状態との間を所要のとおりに回動することができる。
【0046】
さらに本発明は、前記一対の脚受け台の前記脚受け部の前記第1支持面は、患者の大腿部を支持することを特徴とする。
【0047】
本発明に従えば、一対の脚受け台の脚受け部における第1支持面は患者の大腿部を支持し、このよう支持することによって上記閉状態から上記開状態に渡って患者の脚部を安定して支持することができる。
また本発明は、患者の背部を支持する背板部を有する診療台本体と、患者の脚部を支持するための脚受け部をそれぞれ有する一対の脚受け台と、前記背板部および前記一対の脚受け部を実質上水平方向に延びる第1の軸線を中心として傾動させる傾動手段と、前記一対の脚受け部を開閉動作させるための開閉手段とを備え、前記一対の各脚受け台は、患者の腰部に近い背板部の一端部近傍の左右両側下方にそれぞれ延びる第2の軸線を中心として回動自在に設けられた一対の支持アームをそれぞれ含み、前記一対の支持アームの端部に前記脚受け部が設けられ、前記一対の脚受け台の前記各脚受け部は、患者の脚部を下方から支持する第1支持面を有し、相互に隣接して位置する閉状態とこの閉状態から左右方向に開いた開状態との間を開閉動作される診療台において、
前記一対の脚受け台の前記各脚受け部の回動中心である前記第2の軸線は、前記背板部をほぼ左右対称に2分する仮想鉛直面上で実質上交差するとともに、特定平面を規定し、
前記第2の軸線が規定する前記特定平面は、前記仮想鉛直面に対して実質上垂直に交差するとともに、前記背板部の前記一端部近傍からその他端部に向けて前記背板部から離反する方向に傾斜しており、前記第2の軸線の交点が前記診療台本体の座部の上方に位置し、
前記一対の脚受け台の各脚受け部における開閉動作の中心軸線は、患者が前記診療台本体に着座した状態におけるこの患者の股関節の各軸線と実質上一致またはほぼ一致し、
前記診療台本体の前記背板部の前記一端部には患者の臀部を支持する座部が前記背板部に対して鈍角に設けられ、前記座部の臀部支持面は前記一対の脚受け台の前記脚受け部の前記第2の軸線に実質上垂直またはほぼ垂直に形成されており、
前記背板部の起立状態において前記一対の脚受け台を前記閉状態にすると、前記脚受け部の前記第1支持面は、相互に実質上平行にかつ実質上水平に延び、一方、前記背板部の起立状態において前記一対の脚受け台を前記開状態にすると、前記脚受け部は基部側から先端側に向けて左右方向に両側に拡がるとともに、その第1支持面は、前記脚受け部の基部側から先端側に向けて上方に傾斜して延びるとともに、前記脚受け部の左右方向外側から内側に向けて下方に傾斜して延び、
前記脚受け台を前記閉状態から前記開状態に向けて移動すると、前記閉状態からの移動量に伴って、前記一対の脚受け台の前記脚受け部の拡がり角度ならびに前記第1支持面の先端側上方への傾斜角度および左右方向内側下方への傾斜角度が漸増され、
前記開閉手段は、前記一対の脚受け台の前記各脚受け部にそれぞれ対応して設けられた一対の駆動源から構成されていることを特徴とする診療台である。
【0048】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施の一形態の産婦人科用診療台30を示す斜視図であり、図2は産婦人科用診療台30の側面図である。図2の実線では、患者が診療台に乗り降りする場合の診療台30の側面図を示し、破線では、患者が診療台に乗り受診時の場合の診療台30の側面図を示す。産婦人科(産科および婦人科を総称して産婦人科と記す)用診療台30(検診台を含む)は、患者を支持するための検診台本体31を備え、この検診台本体31は、患者Pの頭部32から腰部33にわたる背部を支持する略平坦な支持面34を有する背板部35と、前記腰部33付近を支持する一端部36に連なり、患者Pの臀部37を支持する座部38と、患者Pの腰部33に近い背板35の前記一端部36近傍である前記座部38の左右(診療台1に着座した患者からみたときの左右をいい、図2では紙面に垂直手前側を右方とし、紙面に垂直奥行き方向を左方とする)両側に回動軸線41a,41b(第2の軸線を構成する)をそれぞれ有し、この回動軸線41a,41bまわりに相互に近接する方向A1,A2および離反する方向B1,B2に回動自在に設けられる一対の支持アーム57a,57bの遊端部に、患者Pの脚部42a,42bを支持するための脚受け部43a,43bがそれぞれ設けられる一対の脚受け台39a,39bと、背板部35、前記座部38および一対の脚受け台39a,39bとともに水平軸線44(第1の軸線を構成する)まわりに矢符C1,C2方向に傾動させる傾動手段45と、傾動手段45を、矢符D1,D2方向に上昇および下降させる昇降手段46と、各脚受け台39a,39bを、前記回動軸線41a,41bまわりに相互に近接する方向A1,A2および離反する方向B1,B2に個別に回動して開閉動作させる開閉手段47と、昇降手段46が乗載され、診療室の床上に載置される基台48と、基台48にケーブル49によって接続されるフットスイッチ50とを備える。
【0049】
ここに、本発明では、「座部」とは、後述するたとえば図18および図19に示されるように、座部251が背板部250とほぼ同一平面になって、背板部251と一体的に構成されるものや別体として構成されるものを含むものとする。また、本発明では「脚受け台」とは、図2、図4で示すような主に膝裏を支持するものや、図18および図19に示すように膝裏から大腿部近傍までを支持する形態、大腿部近傍のみを支持する形態、あるいは図示しないが脚部の足裏を支持する形態のものであってもよい。
【0050】
図3は各脚受け台39a,39bが閉じた状態における診療台30を示す正面図(図2のY方向から見た図)であり、図4は各脚受け台39a,39bが閉じた状態における診療台30を示す平面図(図2のX方向から見た図)である。前記一対の脚受け台39a,39bの各回動軸線41a,41bは、検診台本体31の背板部35をほぼ左右対称に2分する仮想鉛直面65に対して背板部35の一端部36近傍から前記背板部35の他端部66に向かって背板部35から離反する方向に傾斜する特定平面S(図2参照)上にあり、かつこの回動軸線41a,41bの各延長線が前記背板部35をほぼ左右対称に2分する仮想鉛直面65上の交点67で交差するように配置される。この特定平面Sは、図2に示すとおり、上記仮想鉛直面65に対して実質上垂直に交差する。なお、この交点67は、診療台30の受診位において、支持面34の上方に位置するとともに、乗り降りの位置においては、図4に示すとおり、交点67は背板部35の前方に位置する。
【0051】
座部38は、仮想鉛直面65に関して左右対称に設けられる一対の臀部支持面51a,51bを有し、一対の臀部支持面51a,51bは前記回動軸線41a,41bに垂直に形成されている。各臀部支持面51a,51b間には略三角形の中央支持面52が設けられ、この中央支持面52は、背板35の支持面34に対して図2に示すように鈍角の角度θ1を成して屈曲し、患者Pの仙骨部付近を支持する。この角度θ1は、たとえば100度より大きく、180度より小さい角度範囲(100゜<θ1<180゜)に、好ましくは140度以上であって160度以下の角度範囲(140゜≦θ1≦160゜)に、さらに好ましくは約150度(θ1≒150゜)に設定される。各臀部支持面51a,51b間には、患者Pの会陰部が座部38の下方に露出するように、U字状の切欠き53が形成される。このような座部38の図4における上下方向となる幅W1は、約610mmに選ばれる。
【0052】
座部38の下方には、その中央に汚物受けトレイ54が矢符F1,F2で示す前進/後退可能に設けられ、図2の仮想線55で示されるように、検診台本体31の背板部35の支持面34が水平に配置された状態で図2の右方となる前方に突出して、検診時または治療時に発生する汚物を受けることができるように構成される。このような汚物受けトレイ54を挟む両側には、図3および図4に示すように、開閉手段47が設けられる。
【0053】
図5は各脚受け台39a,39bが開いた状態における診療台30を示す正面図であり、図6は各脚受け台39a,39bが開いた状態における診療台30を示す平面図である。前記開閉手段47は、各脚受け台39a,39bを個別的に回動し、後述するように患者Pの脚部42a,42bの力によって停止するように構成される一対の駆動源56a,56bから成る。各駆動源56a,56bには各支持アーム57a,57bの基端部が固定され、各支持アーム57a,57bの遊端部には前記脚受け部43a,43bがそれぞれ設けられ、図3および図4に示される閉じた状態から、図5および図6に示される開いた状態に回動することができる。
【0054】
このように開閉手段47は、一対の駆動源56a,56bから成るので、両脚部のいずれか一方に障害がある場合および両脚部の障害の程度が異なる場合であっても、その患者Pの両脚部の開脚および閉脚し得る程度に応じて各脚受け台39a,39bを追従させ、肉体的負担を軽減して開脚動作および閉脚動作を行うことが可能である。
【0055】
また各脚受け部43a,43bは、各支持アーム57a,57bの遊端部にわずかな可動範囲(遊び)をもって緩やかな状態で連結されており、これによって患者Pの脚部42a,42bと各脚受け部43a,43bとの間のずれを許容することができるように構成される。具体的には、前記各脚受け部43a,43bを各支持アーム57a,57bの遊端部にわずかな可動範囲をもって連結するための構成として、ボール軸受によって実現される連結手段63a,63bが設けられる。
【0056】
一方の連結手段63aは、図2に示すように、脚受け部43aに固定的に設けられるボール64と、支持アーム57aの遊端部に設けられるボール受け片68とを有し、ボール64はボール受け片68に嵌まり込んだ状態で中立位置から周方向の任意の方向にたとえば0〜7度の範囲で角変位することができ、これによって脚受け部43aも同様に角変位することができる。もう一方の連結手段63bもまた、前述の連結手段63aと同様な構成を有する。
【0057】
このような連結手段63a,63bによって、各支持アーム57a,57bの遊端部に各脚受け部43a,43bが連結されるので、上述したように、各脚受け部43a,43bは支持アーム57a,57bの遊端部に対してわずかに可動できる範囲を有し、各脚受け部43a,43bの回動軸線41a,41bを中心とする移動に対して患者Pの脚部42a,42bのずれを許容し、患者Pの脚部への肉体的負担を軽減することができる。
【0058】
各脚受け部43a,43bは、図1〜図6の実線で示される座位(乗り降りの位置)において上方に臨み、患者Pの大腿部58の裏側を支持するために、上方に臨んで凹状の大腿支持面59a,59b(第1支持面を構成する)と、大腿支持面59a,59bの前端から下方にほぼ直角に屈曲して連なり、図2、図4および図6の右方となる前方に臨んで凹状に形成され、患者Pの後膝部60および後下腿部61(図1参照)を支持する後膝支持面62a,62b(第2支持面を構成する)とを有する。
【0059】
これらの大腿支持面59a,59bおよび後膝支持面62a,62bが凹状に形成されるので、患者Pの脚部42a,42bを安定して保持することができ、患者の各脚部が各脚受け部43a,43b上で開脚方向および閉脚方向にずれることが防がれ、術者にとって検診および治療を行いやすく、患者にとっても安定感が得られる。また患者は、受診位で各脚部が不安定な状態で支持される場合に比べて、脚部の重量を支えるために大腿部の筋肉を緊張させて、脚部42a,42bを仰臥位で開脚状態に保つために力を入れる必要がなく、肉体的負担が少なくてすむ。
【0060】
このような大腿支持面59a,59bおよび後膝支持面62a,62bは、各脚受け部43a,43bを図2に示すように側方から見たときに大略的にL字状に形成されるクッション性を有するマットによって実現することができる。このようなマットの表面は、耐水性、耐薬品性を有する合成樹脂から成るシートによって覆われる。前記座部38および背板部35もまた同様なマットによって構成される。
【0061】
各回動軸線41a,41bは、これらを含む前記特定平面S(図2参照)上で角度θ2(図3および図4を参照)を成し、この角度θ2は20度以上であって160度以下の角度範囲(20゜≦θ2≦160゜)に、好ましくは60度以上であって90度以下の角度範囲(60゜≦θ2≦90゜)に、さらに好ましくは約80度(θ2≒80゜)に選ばれる。また各回動軸線41a,41bを含む平面が背板部35の支持面34の延長線と成す角度θ3は、15度以上であって85度以下の角度範囲(15゜≦θ3≦85゜)に、好ましくは35度以上であって55度以下の角度範囲(35゜≦θ3≦55゜)に、さらに好ましくは約45度に選ばれる。このように各脚受け台39a,39bの回動中心となる回動軸線41a,41bを特定平面S上で角度θ2を成し、かつ側方から見たときに鉛直面上で支持面34の延長線と角度θ3を成すように設定することによって、患者Pの開脚動作および閉脚動作における股関節の負担を可及的に少なくすることができ、その理由について図7および図8を参照してさらに詳しく説明する。
【0062】
図7は患者Pを起立した状態で正面から見た股関節70a,70b付近の構造を示す図であり、図8は患者Pを右側方から見た右側の股関節70a付近を示す図である。前述したように、各脚受け台39a,39bは、2つの駆動源56a,56bによって構成される開閉手段47によって回動軸線41a,41bを回転中心として開閉駆動される。一方、股関節70a,70bの軸線241a,241bは、図7に右側の股関節70a付近を断面とし、左側の股関節70b付近を外観として示すように、大腿骨頭71から大腿骨勁72を経て大転子73と小転子74との間の中央部位を通る軸線である。患者Pが膝を揃えて閉脚状態で上記の診療台30の検診台本体31に着座したとき、股関節70a,70bの各軸線241a,241bの延長線上またはその近傍に、前述の各脚受け台39a,39bの回動軸線41a,41b、したがって各駆動源56a,56bの回動軸線が存在する。
【0063】
一般に、股関節70a,70bは、骨盤を構成する腸骨75、恥骨76および座骨77の3つの部位から成る寛骨78に存在する寛骨臼79と、大腿骨80の骨頭71とによって構成され、寛骨臼79は水平面に対して鉛直面上で約42度の角度を成し、外側(図7の左方および右方)、出側(図7の下方)および腹側方(図7の紙面に垂直手前側)に向かって開き、大腿骨頭71が嵌まり込んで形成される球関節である。このような股関節70a,70bの寛骨臼79と大腿骨勁72とは、複数の腸骨大腿靭帯81、恥骨大腿靭帯82および座骨大腿靭帯83によって連結され、前後(図7の紙面に垂直方向)が補強されている。
【0064】
上記のような大腿骨80を開脚動作および閉脚動作によって角変位させると、その角変位中心は大腿骨頭71および寛骨臼79の中心点84またはその近傍に存在し、したがって大腿骨80が変位するにあたっては、相互に拮抗的に働く腸骨大腿靭帯81、恥骨大腿靭帯82および座骨大腿靭帯83が緊張しないことが好ましく、そのためには各軸線241a,241bがなるべく角変位しないようにして各脚部43a,43bを移動させる必要がある。そのために、各脚受け台39a,39bの回動軸線41a,41bは、股関節70a,70bの軸線241a,241bに位置および方向が実質上一致またはほぼ一致するように、背板35の一端部36から他端部66に向かって背板35から離反する方向に傾斜する特定平面S上に存在し、かつこの特定平面S上で各回動軸線41a,41bが交差するように開閉手段47を設け、この開閉手段47によって、股関節70a,70bの形状に合致するように各脚受け台39a,39bを開閉動作させている。
【0065】
このように一対の脚受け台39a,39bを開閉動作することによって、次のとおりの特徴を有する。図2および図3に示すように、検診台本体31の背板部35が起立状態に保持されている状態において、一対の脚受け台39a,39bが上記閉状態になると、脚受け部43a,43bの大腿支持面59a,59bは相互に実質上平行にかつ実質上水平に延びている。一方、図4および図5に示すように、検診台本体31の背板部35が起立状態に保持されている状態において、一対の脚受け台39a,39bが上記開状態になると、脚受け部43a,43bは基部側から先端側に向けて左右方向両側に拡げられる。また、脚受け部43a,43bの大腿支持面59a,59bは、脚受け部43a,43bの基部側から先端側にむけて上方に傾斜して延びるとともに、脚受け部43a,43bの左右方向外側から内側に向けて下方に傾斜して延びる。開状態においては上述したように保持されるので、患者の脚部をむやみに大きな角度で開脚することなく、幅広い視野を確保することができる。また、一対の脚受け部43a,43bは回動軸線41a,41bを中心として上記閉状態から上記開状態に、また上記開状態から上記閉状態に回動されるので、容易に理解される如く、上記閉状態からの矢印B1,B2(図1)で示す開方向の回動量が大きくなるに伴って、脚受け部43a,43bの拡がり角度(換言すると一対の脚受け部43a,43b間の角度)、脚受け部43a,43bの大腿支持面59a,59bの先端側上方への傾斜角度および大腿支持面59a,59bの左右方向内側下方への傾斜角度が漸増される。したがって、患者の脚部に無理な力を加えることなく脚部を開脚することができる。
【0066】
図9は診療台30の内部構造を示す一部の断面図であり、図10は傾動手段45および昇降手段46の外観を示す斜視図である。前記傾動手段45は、長手方向一端部側(図9の右方)に開口する切欠き91が形成される平坦な支持板92と、この支持板92の前記切欠き91を外囲するようにして立設され、図9の紙面に垂直な水平断面が略U字状に形成されるブラケット93と、ブラケット93の上端部に前記水平軸線44と同軸を成す軸94によって前記水平軸線44まわりに矢符C1,C2方向に傾動自在に連結される揺動体95と、支持板92の下面の前記切欠き91を挟む両側に相互に間隔をあけて垂直に固定される一対の取付板96a,96bと、各取付板96a,96bの下端部に軸97によって枢支される傾動シリンダ98とを有する。この傾動シリンダ98は、複動油圧シリンダが用いられる。
【0067】
傾動シリンダ98のピストン棒103の先端部は、揺動体95の前記軸94に関して一端部側に突出して設けられる一対の取付片99にピン100によって連結される。前記揺動体95は、検診台本体31の背板部35が固定される平坦な基板101と、この基板101に溶接によって固定され、図9の上方から見た平面形状が矩形の揺動枠102とを有する。揺動枠102には前記取付片99が一体的に形成されるとともに、前記水平軸線44と同軸を成す軸94が挿通する。この軸94の軸線方向両端部はブラケット93の両側壁104,105を挿通して支持される。各側壁104,105は、前壁106によって相互に連結され、前述したように略U字状とされて、支持板92上に溶接によって固定される。
【0068】
傾動シリンダ98のピストン棒103が伸長すると、揺動体95は水平軸線44まわりに矢符C2方向に前方へ傾動し、ピストン棒103が縮退すると揺動体105は水平軸線44まわりに矢符C1方向に後方へ傾動する。このような揺動体95の前記基板101には、検診台本体31の背板部35が固定される。この背板部35には、その一端部36に座部38が連なって設けられ、これらの座部38と背板部35とによってバックレスト107を構成する。
【0069】
このバックレスト107は、金属製の背後板108と、背後板108上にボルトなどによって固定され、角パイプ等を枠組して構成されるフレーム109と、フレーム109上にボルトによって固定され、背板部35および座部38間で分断し別体とされる板状の裏板110a,110bと、各裏板110a,110b上に接着剤によって接着されるクッション層111a,111bと、各クッション層111a,111bの外表面を覆い、耐水性および耐薬品性を有する合成樹脂から成る表面シート112a,112bとを有する。各裏板110a,110b、クッション層111a,111bおよび表面シート112a,112bは、背板部35と座部38とにそれぞれ対応して個別に形成されており、フレーム109上に位置決めされて固定され、前記バックレスト107を構成する。
【0070】
背後板108の裏面には、背板部35の一端部36付近に2つの連結片113,114がボルトによって固定され、各連結片113,114は複数のボルト115によって揺動体95の基板101に固定される。
【0071】
このようにして基板101にバックレスト107が取付けられた状態では、バックレスト107の背板部35の背面と基板101の表面とは角度θ4を成し、この角度θ4は約30度に選ばれる。したがって図9に実線で示されるように、傾動シリンダ98のピストン棒103が伸長して、揺動体95がほぼ水平に傾倒し、バックレスト107が座位に配置された状態(このとき、検診台本体31は図2に実線で示す起立位置に保持される)では、背板部35は鉛直面に対して同様な角度θ4を成す。また傾斜シリンダ98のピストン棒103が縮退すると、仮想線116で示されるように、バックレスト107はほぼ水平に配置することができ、さらにピストン棒103が縮退すると、図2の仮想線117で示されるようにバックレスト107は水平面に対して角度θ5を成し、この角度θ5は5〜10度に選ばれる。このようにバックレスト107が水平面に対して頭部側が下方となる角度θ5を成して傾斜するようにしたのは、患者Pが受診中に体調不良または極度の緊張によって貧血を起こした際に、頭部を低くして安静を取るためである。
【0072】
このようにしてバックレスト107は、傾動手段45によって鉛直面に対して背板部35が角度θ4を成す座位からほぼ水平な受診位(検診台本体31は、図2に仮想線116で示す受診位置に保持される)、さらには水平面から角度θ5を成して頭部側が下方に傾斜した安静位(検診台本体31は、図2に仮想線117で示す安静位置に保持される)にわたって傾動したとき、その角度は揺動体95に設けられる傾動角度検出器118によって検出される。この傾動角度検出器118は、ロータリエンコーダによって実現され、その入力軸は揺動体95の一方の側壁95aを挿通して外側方に突出しており、この外側方に突出した端部には歯車121が固定される。この歯車121は、ブラケット93の一方の側壁105から外側方に突出した軸94の軸線方向一端部に固定される歯車122に噛合し、揺動体95の水平軸線44まわりの回動に応じて、軸94に固定される歯車122上で歯車121を回動させ、傾動角度検出器118に回動を伝達することができる。このようにして傾動角度検出器118は、揺動体95の傾動角度、したがってバックレスト107の傾動角度を検出することができる。
【0073】
バックレスト107の背後板108には、頭部側に設けられる一方の連結片113よりもさらに頭部側に固定され、揺動体95およびブラケット93の上部近傍を覆う鉛直断面が円弧状に湾曲した傾動カバー体123が設けられる。この傾動カバー体123によって、図1〜図6および図9に実線で示されるように、バックレスト107が座位に配置された状態で、主として傾動手段45を上方から覆うことができ、ほこりなどの侵入を防止している。
【0074】
前記昇降手段46は、基台48の底板127のほぼ中央に固定されるベースプレート128と、ベースプレート128上に垂直に立設され、上部には複数(本実施の形態では8)の案内ローラ129が周方向に90度毎に間隔をあけかつ上下に対を成して水平軸線まわりにそれぞれ回転自在に設けられる案内ポスト130と、案内ポスト130内にその軸線方向に移動自在に挿入し、各案内ローラ129によってがたつくことなしに移動することができる昇降案内ロッド131と、案内ポスト130の上部にトラニオンピン132によってロッドトラニオン形で枢支される昇降シリンダ133と、案内ポスト130の前記トラニオンピン132の軸線方向一端部側の側部に設けられ、前記傾動手段45の昇降量を検出する昇降量検出器134とを有する。
【0075】
前記昇降シリンダ133のピストン棒135の先端部は、傾動手段45の支持板92の下面にボルトによって固定される。また昇降案内ロッド131の上端部は、前記ピストン棒135と同様に、支持板92の下面にボルトによって固定される。これらのピストン棒135および昇降案内ロッド131の各軸線は、相互に平行である。前記複数の案内ローラ129のうち、上段に配置される4つの案内ローラ129は、案内ポスト130の上面136から上方に部分的に突出しており、傾動手段45が下降したとき、支持板92の下面が前記上段の4つの案内ローラ129に当接して支持される。
【0076】
前記昇降量検出器134は、ロータリエンコーダによって実現され、その入力軸137には第1リンク部材138の長手方向一端部が連結される。第1リンク部材138の長手方向他端部にはピン139によって第2リンク部材140の長手方向一端部が連結され、第2リンク部材140の長手方向他端部は、支持板92の一側部にその下面から突出して設けられる垂下片141にピン142によって連結される。
【0077】
傾動手段45が昇降手段46によって上昇しまたは下降すると、その変位は第1および第2リンク部材138,140によって昇降量検出器134の入力軸137に伝えられ、傾動手段45の昇降量が電気的に検出される。
【0078】
図11は開閉手段47の一方の駆動源56bの具体的構成を示す断面図であり、図12は駆動源56bを図11の下方から見た断面図であり、図13は駆動源56bを図11の左方から見た正面図である。前述したように開閉手段47は、一対の駆動源56a,56bを有し、これらの各駆動源56a,56bは診療台30に設けられた状態で仮想鉛直面65(図3〜図6参照)に関して左右対称に構成されるため、診療台30に着座した患者Pから見て左側(図3では右側)に配置される一方の駆動源56bについて説明し、他方の駆動源56aについては重複を避けて説明は省略する。
【0079】
駆動源56bは、座部38の下面に固定される厚板状の取付基板151と、取付基板151の一表面に垂直に立設され、減速機152およびモータ153が取付けられる取付片154と、取付基板151の一表面に立設される一対の軸受片155,156と、各軸受片155,156に形成される軸孔157,158に嵌着される軸受159,160と、減速機152の出力軸161に同軸に連結され、軸線方向両端部が前記軸受159,160によってそれぞれ軸支される回転軸162とを有する。
【0080】
前記駆動源56bはさらに、前記回転軸162にその軸線方向中間部で固定されるウォーム歯車163と、ウォーム歯車163に噛合し、前記回動軸線41bとほぼ同軸を成しかつ取付基板151の前記一表面に垂直な回動軸線164を有するウォームホイール165と、回動軸線164と同軸に配置され、ウォームホイール165が固定される回動軸166と、回動軸166を取付基板151に回動軸線164まわりに回動自在に連結するスラスト軸受167と、回動軸166に同軸に固定される回転体168と、回転体168の下面に同軸に固定され、支持アーム57bの基端部が固定されるアーム取付体169と、取付基板151の下面に設けられ、脚受け部43bおよび支持アーム57bの開放限界位置を検出する開放限界位置検出器170と、取付基板151の下面に設けられ、脚受け部43bおよび支持アーム57bの閉鎖限界位置を検出する閉鎖限界位置検出器171と、ウォームホイール165とスラスト軸受167との間に介在され、回動軸166に固定されるカム172とを有する。
【0081】
開放限界位置検出器170および閉鎖限界位置検出器171は、リミットスイッチから成り、各検出器170,171に備えられる図示しない各作動片はカム172のカム面に弾発的に当接し、カム172が回転軸線164まわりに回動したときに予め定める開放限界位置および閉鎖限界位置で各作動片が押圧され、これによって各検出器170,171のスイッチング態様が切換えられてモータ153への駆動電力が遮断され、脚受け部43bおよび支持アーム57bを開放限界位置および閉鎖限界位置で停止させることができるように構成される。
【0082】
図14は汚物受けトレイ54のトレイ駆動手段181を座部38の下方から見た一部の斜視図であり、図15はトレイ駆動手段181に備えられる角変位手段182の分解斜視図であり、図16は図14の切断面線XVI−XVIから見た角変位手段182の拡大断面図である。
【0083】
前記汚物受けトレイ54は、トレイ駆動手段181によって図2の実線で示される退避位置から仮想線55で示される突出位置とにわたって変位駆動される。トレイ駆動手段181は、汚物受けトレイ54の両側部を支持する一対の角変位手段182と、この角変位手段182の揺動レバー183によって矢符F1方向に押圧し、かつ矢符F2方向に引寄せるように伸縮駆動し、図9に示す座部38側の連結片114に取付けられる伸縮手段184とを有する。
【0084】
角変位手段182は、長手方向に垂直な断面形状が逆L字状の取付フレーム185と、取付フレーム185に固定され、長手方向に垂直な断面形状が略U字状の外案内レール186と、外案内レール186の内面に固着され、合成樹脂から成る薄板状の滑り防止板187と、外案内レール186の長手方向一端部寄りで内面に固定されるストッパ188と、外案内レール186に嵌まり込み、複数の転動体189が長手方向に間隔をあけて図15の上下方向となる幅方向両側に嵌着され、この幅方向中央部付近には長手方向に巻掛けられた無端状の履帯190が装着される移動体191と、移動体191に固定され、前記揺動レバー183が角変位自在に枢支されるレバー保持部材192とを有する。
【0085】
取付フレーム185は、検診台本体31の背板部35の一端部36の下面に図9に示すようにビスによって固定するための複数のビス孔193が長手方向一端部寄りに複数形成されるフランジ194と、このフランジ194にほぼ直角に屈曲して連なり、長手方向両端部に前記外案内レール186を取付るためのビス195が螺合するビス孔196が形成されるウエブ197とを有する。このような取付フレーム185は、ステンレス鋼から成り、前記フランジ194の長手方向他端部には、揺動レバー183の遊端部198が遊通することができるように切欠き199が長手方向に沿って形成されている。
【0086】
外案内レール186の長手方向両端部には、前記ビス195の軸部が挿通することができる挿通孔201がそれぞれ形成され、この挿通孔201に前記ビス195の軸部を挿通して取付フレーム185の前記ビス孔196に螺着することによって、外案内レール186が取付フレーム185に取付けられる。外案内レール186には、その内面に滑り防止板187が固着されるとともに、ストッパ188が前記ビス195によって一端部側に固定される。
【0087】
外案内レール186の上下フランジ186a,186bには、相互に対向して移動体191の球状の転動体189がそれぞれ嵌まり込む浅い凹状の溝が形成され、このような溝に転動体189が嵌まり込んだ状態で、移動体191は外案内レール186の長手方向に沿って自在に移動することができる。履帯190は、前記滑り防止板187に接触した状態で、その長手方向に沿って回動し、移動体191の外案内レール186に対する変位を制動する。このような移動体191の前進方向F1下流側に、前記ストッパ188がビス195によって外案内レール186とともに取付フレーム185に固定されて設けられており、このようなストッパ188に移動体191が当接し、前進方向F1への移動が阻止される。
【0088】
レバー保持部材192は、平坦な基部203と、基部203の前進方向F1側の一側部に一体に連なって略U字状に屈曲し、前記揺動レバー183の遊端部198が出没自在に嵌まり込むことができる嵌合部204とが形成される。基部203にはまた、ビス205の軸部が螺合するビス孔208が形成され、揺動レバー183の基部206における角部付近に形成される挿通孔207を挿通して螺着され、こうして揺動レバー183がビス205の軸線まわりに揺動自在に取付けられる。このような揺動レバー183の基部206の下端部には、係合孔209が形成される。またレバー保持部材192は、移動体191にたとえば溶接によって固定される。
【0089】
前記伸縮手段184は、パンタグラフ機構を構成する2つの平行四辺形リンク211,212を2つの連結片213,214によってそれぞれ連結し、各リンク211,212間でピン218によって揺動可能に支持されるモータ215のねじ軸219の回転によって、このねじ軸219が螺合する螺合片225をモータ215に近接する方向に引寄せ、また離反する方向に引離して、各リンク211,212を伸縮動作させることができるように構成される。一方の連結片213には、押さえ片216によって連結アーム17の中央部が角変位可能に取付けられる。また他方の連結片214は、ボルトなどによって前記連結片114に固定される。
【0090】
伸縮手段184は、前記角変位手段182とともにバックレスト107に追従して変位する。連結アーム217は、一直線状に延びる回動部221と、回動部221の軸線方向両端部で直角に屈曲して連なる相互に平行な一対の揺動部222a,222bと、各揺動部222a,222bの遊端部から外側方にそれぞれほぼ直角に屈曲して連なり、前記係合孔209に挿通して係合する一対の係合部223a,223bとを有する。
【0091】
伸縮手段184が矢符F1方向に伸長すると、揺動レバー183はその遊端部198がレバー保持部材192の嵌合部204に嵌まり込んだ状態のままで、図17(a)の状態から図17(b)に示されるように、矢符F1方向に沿う前方に押出され、移動体191の矢符F1方向前端側の端部がストッパ188に当接すると、揺動レバー183は前記ビス205の軸線を回転中心にして遊端部198を上方へ角変位させ、これによって汚物受けトレイ54を、図2の仮想線55で示されるように、座部38の下方から前方に突出させながら上方に角変位させて、ほぼ水平に保持することができる。
【0092】
このようにして汚物受けトレイ54が突出した状態では、その上方に座部38の切欠き53が臨んでおり、汚物を周囲に飛散することなしに確実に収容することができる。また図2の実線で示されるように汚物受けトレイ54が縮退した状態では、汚物受けトレイ54が床または基台48に接触せず、また術者や介助者の邪魔にならず、汚物受けトレイ54との接触を避けるため大きなスペースを必要とせず、バックレスト107を着座位置に復帰させることができる。
【0093】
以上のような構成によれば、診療台30は、検診台本体31、一対の脚受け台39a,39b、傾動手段45、昇降手段46、および開閉手段47を備える。検診台本体31の背板部35は、平坦な支持面34を有し、この支持面34によって患者Pの頭部32から腰部33にわたる背部を支持することができ、また前記座部38は、背板部35の前記腰部付近を支持する一端部36に連なって設けられ、患者Pの臀部37を支持することができる。さらに一対の脚受け台39a,39bは、前記座部38の下面に設けられ、患者Pの座位における股関節の軸線241a,241bと実質上一致またはほぼ一致する回動軸線41a,41bを中心にして相互に近接または離反する方向に前記開閉手段47によって開閉動作することができるので、患者Pが着座するときには相互に近接して閉脚位置に配置することができ、患者Pは膝を揃えたままで着座することができ、心理的および肉体的負担が少なく、患者Pの導入を容易に行うことができる。また座位から仰臥位に移行する途中で、たとえば前記開閉手段47によって各脚受け台39a,39bを開脚方向へ動作させること、すなわち相互に離反する方向に動作させることによって受診位とすることができ、患者Pの羞恥心に対する刺激をなるべく少なくして、開脚させ、受診位に円滑に導くことができる。
【0094】
また、たとえば、母親が赤ちゃんのおむつを代えて肛門を見る場合に、両脚を無理に左右に開けようとしても両脚は開かず、両膝を斜め上方に持ち上げて開くと股関節の形状に合致して無理なく開脚することができ、しかも母親にとって、むやみに大きな角度に開脚しなくても、幅広い視野が確保できる。また閉脚時において、脚受け台の回動軸線が上記のように設定されるので、前記従来の技術のように、閉じる直前に各脚受け台の基端側の内側縁が患者の臀部の側方から下方へ回り込んで、その患者の臀部を下から上へ持ち上げることはなく、これとは逆にわずかに下降するように変位するため、大腿部の付け根の裏側が各脚受け部によって挟まれるような不安感および不快感が生じず、これらの不安感および不快感によって患者が座り直すために身体を動かすという不具合が生じず、下降時における安全性が向上される。
【0095】
また傾動手段45によって背板35を座部38および各脚受け台39a,39bとともに仰臥位から座位に前方へ傾動させるとき、これと同時に開閉手段47によって各脚部42a,42bを閉脚動作させることによって、患者Pにとって診療が終了するとすぐに閉脚することができるので、羞恥心の刺激などに対する心理的負担を軽減して、受診位から座位に復帰させることができる。
【0096】
さらに各脚受け部43a,43bは、開閉手段47によって患者の股関節の軸線241a,241bと実質上一致またはほぼ一致する回動軸線41a,41bを中心にして相互に近接または離反する方向に開閉動作させるので、股関節70a,70bを取り巻く各種の靭帯81,82,83を無理に伸ばし、あるいは圧縮するような力が作用せず、これによって股関節70a,70bへの負担が少なく、円滑に開脚および閉脚動作を行うことができる。
【0097】
また前記座部38には、各回動軸線41a,41bにほぼ垂直な臀部支持面51a,51bが背板部35に対して鈍角に連接して形成されるので、患者の臀部が座部38によって安定して受けられ、各脚受け台39a,39bの重量負担が少なくてすみ、脚部42a,42bの開閉動作を、臀部支持面51a,51bによる臀部37の圧迫によって妨げるという不具合が防がれ、円滑に脚部42a,42bを開閉動作させることが可能となる。
【0098】
さらに各脚受け台39a,39bに患者の脚部42a,42bの力によって開脚方向および閉脚方向とはそれぞれ逆方向に力が作用すると、開閉手段47は各脚受け台39a,39bの開閉動作を停止するように構成されるので、各脚受け台39a,39bが開閉手段47によって開脚動作するとき、患者Pの開脚限界位置に達したとき、いわば自動的に開脚方向への各脚受け台39a,39bの動作を停止することができ、患者Pの肉体的な負担を少なくし、かつ安全性を向上することができる。
【0099】
さらに上記の診療台30において、検診台本体31および一対の脚受け台39a,39bは、昇降手段46によって上昇しながら傾動手段45によって後方へ傾動し、これらの上昇および傾動の開始から予め定める時間が経過した後に、各脚受け台39a,39bが開閉手段47によって開脚位置まで開放するように制御すると、患者Pは膝を揃えて着座することができ、後方へ傾動する途中でほぼ仰臥したとき、開脚動作を開始するので、開脚状態で着座する場合、または後方への傾動開始とともに開脚動作する場合に比べて、患者の羞恥心に対する刺激が少なくてすみ、患者Pの心理的負担を軽減することができる。
【0100】
さらに上記の診療台30において、検診台本体31および一対の脚受け台39a,39bが昇降手段46によって下降が開始されたとき、または傾動手段45によって仰臥位から座位に傾動が開始されたとき、これらのいずれかの動作が開始されると同時に開閉手段47によって各脚受け部43a,43bが開脚位置から閉脚動作を開始するように制御すると、患者Pが仰臥して開脚状態にある受診位から診療の終了と同時に閉脚することができるので、患者の心理的および肉体的負担を軽減することができる。
【0101】
図18は本発明の実施のさらに他の形態の診療台30aを示す簡略化した側面図であり、図19は診療台30aの正面図である。前述の図1〜図17に示される実施の形態では、検診台本体31の背板部35の一端部36に別体に、また背板部35に対して鈍角に屈曲して連接し、しかも実質上連続的に患者Pの臀部37を支持する座部38が設けられたけれども、本実施の形態の診療台30aには、背板部250と座部251とが一体的に連なって形成される。座部251は、背板部250に対してほぼ同一平面になるようにしており、このような座部251には患者Pの腰部33から臀部37にわたる背側(はいそく)部が当接して支持される。
【0102】
前記背板部250および座部251は、これらの背板部250および座部251が固定される金属製のフレームを内蔵するベッド本体252に取付けられ、ベッド本体252は傾動手段253によって水平軸線254まわりに傾動自在に連結され、傾動手段253は昇降手段255によって上下に昇降駆動される。昇降手段255は、診療所の床上に載置される基台256に立設され、前記背板部250、座部251、ベッド本体252、および傾動手段253を昇降駆動することができる。
【0103】
ベッド本体252の下部には、図18の左方である前方に延びる一対の取付アーム257の基端部がそれぞれ固定され、各取付アーム257の遊端部には、前述の実施の形態と同様な一対の駆動源から成る開閉手段258がそれぞれ設けられる。開閉手段258には、略L字状に屈曲した一対の支持アーム259a,259bの基端部がそれぞれ固定され、各支持アーム259a,259bの遊端部には患者Pの各脚部42a,42bを支持する脚受け部260a,260bがそれぞれ連結される。各脚受け部260a,260bは、本実施の形態では、座部251が背板部250にわずかに屈曲して連続的に設けられ、この座部251によって臀部37を下方から支持するように構成されていないため、大腿部をほぼ全長にわたって支持し得るように長く形成されている。
【0104】
このような各脚受け部260a,260bと各支持アーム259a,259bとによって、脚受け台270a,270bが構成され、これらの各脚受け台270a,270bの回動軸線261a,261b(換言すると、回動軸線261a,261bによって規定される特定平面S1)は、背板部250をほぼ左右対称に2分する仮想鉛直面262に対して垂直に交差するとともに、背板部250の一端部263近傍の左右から前記背板部250の他端部264に向かって背板部250から離反する方向に傾斜する特定平面S1上にあり、かつこの回動軸線261a,261bの延長線が背板部250をほぼ左右対称に2分する仮想鉛直面262上の交点67aで交差するように配置されている。
【0105】
このような構成によってもまた、前述の実施の形態と同様に、一対の脚受け台270a,270bの脚受け部260a,260bの回動軸線261a,261bが患者の股関節70a,70bの軸線241a,241bと実質上一致またはほぼ一致し、これによって患者Pの股関節70a,70b(図7参照)に無理な力が作用することなく、円滑に開脚および閉脚動作を行うことができるとともに、各脚受け台270a,270bが閉脚動作したとき、患者Pの臀部37を上方に持ち上げないため、患者に不安感および不快感を与えず、患者が身体を容易に動かすという不具合を防止することができ、しかも患者がむやみに大きな角度で開脚せずに、術者にとって幅広い視野が得られる。
【0106】
図20は、本発明の実施のさらに他の形態の診療台30bを示す一部を切欠いた断面図である。なお、前述の図1〜図17に示される実施の形態と対応する部分には同一の参照番号を付す。本実施の形態では、基台48内には回動手段271が設けられ、この回動手段271によって昇降手段46とともに、この昇降手段46よりも上段に設けられる開閉手段47および検診台本体31の背板部35が鉛直軸線272まわりに水平回動自在に支持される。これによって背板部35が図20のように、右側に臨んだ状態で、患者を乗り降りさせ、診療時には図20の紙面に垂直手前側に臨むように、上方から見て時計まわりに約90°回動させながら、前述のようにして背板部35を後方へ傾動させかつ各脚受け台39a,39bを開放させることができ、したがって患者が術者に対面して羞恥心を抱くという不都合をなくすことができる。
【0107】
図21は、図20の切断面線XXI−XXIから見た拡大断面図である。前述の図20をも参照して、前記回動手段271は、案内ポスト130の下部に設けられるフランジ273と、フランジ273の下面に周方向に間隔をあけて鉛直軸線272に平行な回転軸線まわりに回転自在に設けられる複数(本実施の形態では2)の水平ガイドローラ274と、基台48の底板127に鉛直軸線272を中心軸線として固定される環状の外案内レール275と、フランジ273の下面に鉛直軸線272を中心軸線として固定される環状の内案内レール276と、この内案内レール276の外周に周方向に等間隔をあけて前記鉛直軸線272に直交する一半径線を回転軸線として回転自在に設けられる複数(本実施の形態では3)の鉛直ガイドローラ277とを備える。
【0108】
駆動モータ278は、フランジ273に固設される支柱280の軸線を中心として水平方向に揺動可能な取付板281に設けられ、この取付板281の一端部には連結片282が固定され、この連結片282の遊端部には調整ボルト283が螺着される。調整ボルト283の先端部に形成される凹所284内には、この凹所284から部分的に突出する圧縮ばね285が装着され、この圧縮ばね285によって内案内レール276の外周面が弾発的に押圧され、この弾発的押圧力は、調整ボルト283を連結片282に対して螺進/螺退させることによって調整することができる。駆動モータ278の出力軸には、駆動ロール286が固着され、この駆動ロール286は外案内レール275の外周面に前記圧縮ばね285のばね力に応じて弾発的に当接し、摩擦接触によって案内ポスト130を前記鉛直軸線272まわりに回動することができるように構成される。前記圧縮ばね285および調整ボルト283によって、前記駆動モータ278の駆動ロール286の外案内レール275への押付力を適宜調整して、適度な摩擦によって案内ポスト130に連動して前記背板部35、座部38、傾動手段45、昇降手段46、開閉手段47および各脚受け部39a,39bなどを回動することができるように構成されている。このような診療台30bにも、本発明を好適に実施することができる。
【0109】
本発明の実施の他の形態として、汚物受けトレイ54の一側壁に、突出方向F1下流側に臨んでシート状温度計を設けるようにしてもよい。これによって術者が診療中に患者の周囲の温度を確認して、患者が冷えないように対処することが可能となる。
【0110】
本発明の実施のさらに他の形態として、背板部35の内部または座部38の内部、もしくは背板部35および座部38の両方の内部にシート状のヒータを内蔵するようにしてもよい。これによって検診中または治療中に患者の体温の低下を防止することができるようになる。
【0111】
上述した実施形態では、一対の脚受け台39a,39b(270a,270b)の脚受け部43a,43b(260a,260b)は回動軸線41a,41b(261a,261b)を中心として開閉動作し、これら回動軸線41a,41bは患者の股関節70a,70bの軸線241a,241bと実質上一致またはほぼ一致し、これによって脚受け部43a,43bが患者の股関節70a,70bの軸線241a,241bを実質上中心として回動されるが、たとえば以下のとおりに構成することによっても一対の脚受け台の脚受け部を患者の股関節70a,70bの軸線241a,241bを実質上中心として回動させることができる。なお、以下の変形形態においても、図1〜図17に示される実施形態と対応する部分には同一の参照番号を付す。
【0112】
図22〜図24は、第1の変形形態の診療台30cを示している。なお、第1の変形形態では、脚受け部43a,43bは第3の軸線を中心として上下方向に回動されるとともに、第4の軸線を中心として左右方向に回動され、図22および図23(図23では簡略化して示している)においては主として一方の脚受け部43bに関連する構成を示し、図24においては、その回動機構を一部切欠いて示している。
【0113】
図22および図23を参照して、診療台30cの診療台本体31は、上述したと同様に、相互に一体的に形成された背板部35と座部38とを有し、座部38の下方に支持アーム57a,57bが配置されている。この変形形態では、診療台本体31の座部38の両側部には実質上垂直下方に延びる垂下軸302が設けられ、各垂下軸302に回動支持ハウジング304が回転自在に支持されている。各回転支持ハウジング304には、支持ブラケット305(図24)が固定され、この支持ブラケット305に実質上水平に延びる短軸306が回転自在に支持され、各短軸306に対応する支持アーム57a,57bの一端部が固定され、支持アーム57a,57bの遊端部に脚受け部43a,43bが取付けられている。したがって、脚受け部43a,43bは短軸306(その中心軸線308(図23参照)が第3の軸線を構成し、この変形形態では実質上水平に延びている)を中心として上下方向に回動自在であり、また垂下軸302(その中心軸線310(図23参照)が第4の軸線を構成し、この変形形態では実質上垂直に延びている)を中心として左右方向に回動自在である。
【0114】
各短軸306に関連して第1駆動源312が設けられ、また各垂下軸302に関連して第2駆動源314が設けられ、第1および第2駆動源312,314がたとえば電動モータから構成される。第1駆動源312は回動支持ハウジング304の側壁304aに取付けられ、その出力軸332は回転支持ハウジング304の側壁304a,304b間に回転自在に支持されている。出力軸332の一端部にはかさ歯車334が取付けられ、また短軸306の一端部にはかさ歯車336が取付けられ、これらかさ歯車334,336が相互に噛合されている。なお、かさ歯車334,336は、図22に示すとおり、カバー344によって覆われている。また、第2駆動源314は上記側壁304aに取付けられ、その出力軸338も上記側壁304a,304bに回転自在に支持されている。出力軸338にはウォームギア340が一体的に設けられ、また垂下軸302の下端部にはウォームホイール342が取付けられており、ウォームギア340とウォームホイール342とが相互に噛合されている。したがって第1駆動源312が正転(または逆転)すると、かさ歯車334,336および短軸306を介して、脚受け部43a,43bは支持アーム57a,57bとともに矢印316(または318)で示す上方(または下方)に回動される。また、第2駆動源314が正転(または逆転)すると、ウォームギア340およびウォームホイール342の作用によって、脚受け部43a,43bは支持アーム57a,57b、短軸306および回転支持ハウジング304とともに矢印320(または322)で示す左右方向外側(または内側)に回動される。
【0115】
この第1の変形形態では、一対の脚受け台39a,39bの脚受け部43a,43bは、第1駆動源312による上下方向の回動と第2駆動源314による左右方向の回動との組合せの合成回動によって開閉動作される。それ故に、上記合成回動の軸線が脚受け部43a,43bの回動軸線として機能し、患者が診療台本体31に着座した状態においてこの合成回動軸線を患者の股関節の軸線と実質上一致またはほぼ一致させることによって、一対の脚受け台39a,39bの脚受け部43a,43bを患者の股関節の軸線をほぼ中心として回動させることができ、図1〜図17に示す実施形態と略同様の効果が達成される。
【0116】
この第1の変形形態では、脚受け部43a,43bを閉状態(または開状態)から開状態(または閉状態)にするとき、第1および第2駆動源312,314の双方が正転(または逆転)される。第1駆動源312が正転(または逆転)すると、支持アーム57a,57bが短軸306を中心として矢印316(または318)で示す上方(または下方)に旋回され、これによって脚受け部43a,43bは上方に移動される。また、第2駆動源314が正転(または逆転)すると、支持アーム57a,57bが垂下軸302を中心として矢印320(または322)で示す左右方向外側(または内側)に旋回され、これによって脚受け部43a,43bは外側(または内側)に移動される。
【0117】
かくのとおりであるので、開状態(または閉状態)に向けて移動するときには、脚受け部43a,43bは矢印316(または318)で示す上方(または下方)に移動しながら矢印320(または322)で示す左右方向外側(または内側)に移動され、脚受け部43a,43bの移動は第1および第2駆動源312,314による移動の合成移動となり、かくして脚受け部43a,43bの開閉動作によって患者の脚部は股関節の軸線をほぼ中心として移動し、患者の脚部を無理な力を加えることなく開脚、閉脚することができる。
【0118】
なお、このように一対の脚受け台39a,39bを回動させる場合、容易に理解される如く、脚受け部43a,43bの大腿支持面59a,59bは上方に臨むように保持される。それ故に、患者の肉体的負担を軽減するために、上述した実施形態と同様に、支持アーム57a,57bの遊端部と脚受け部43a,43bとの間に任意の角度方向の変位を許容する連結手段を介して連結するのが望ましい。
【0119】
図25は、脚受け部43a,43bを移動させるための回動機構の変形形態を示している。図22〜図24に示す変形形態では2つの駆動源を用いているが、図25に示す変形形態では1つの駆動源で行うように構成している。図25を参照して、この変形形態では、回転支持ハウジング304′の側壁304a′に、電動モータから構成される駆動源352が取付けられ、この駆動源352の出力軸354が側壁304a′,304b′に回転自在に支持されている。そして、この出力軸354と診療台本体から下方に延びる垂下軸302とが、ウォームギア356とウォームホイール358を介して駆動連結され、またこの出力軸354と支持アーム57bに固定された短軸306とが、かさ歯車360,362を介して駆動連結されている。
【0120】
このように構成すると、駆動源352が正転(または逆転)すると、容易に理解されるとおり、脚受け台43bは支持アーム57bとともに上方(または下方)に回動され、加えて支持アーム57b、短軸306および回転支持ハウジング304′とともに左右方向外側(または内側)に回動され、かくして1つの駆動源352によって脚受け部43bを短軸306および垂下軸302を中心として回動させることができる。
【0121】
図26は、第2の変形形態の診療台30dを示している。なお、第2の変形形態では、図22〜図24に示す第1の変形形態と同様に、脚受け部43a,43bは第3の軸線を中心として上下方向に回動されるとともに、第4の軸線を中心として左右方向に回動され、以下の説明においては脚受け部43bに関連する構成について説明する(脚受け部43aに関する構成については脚受け部43bに関連する構成と実質上同一である)。
【0122】
主として一方の脚受け部43bに関連する構成を示す図26を参照して、診療台30dの診療台本体31は、上述したと同様に、一体的に形成された背板部35と座部38とを有している。診療台本体31の座部38の側部には実質上垂直下方に延びる垂下軸402が設けられ、この垂下軸402には、実質上水平方向に延びる支持スリーブ404が固定されている。支持スリーブ404には回転軸406が回転自在に支持され、この回転軸406に支持軸408が固定されている。また、支持軸408には回転スリーブ410が回転自在に装着され、この回転スリーブ410に支持アーム57bの一端部が固定され、このように支持された支持アーム57bのの遊端部に脚受け部43bが取付けられている。したがって、脚受け部43bは回転軸406(その中心軸線が第3の軸線を構成し、この変形形態では実質上水平に延びている)を中心として上下方向に回動自在であり、また支持軸408(その中心軸線が第4の軸線を構成し、図26に示す状態では実質上垂直に延びているが、回転軸406の回動に伴って傾斜する)を中心として左右方向に回動自在である。そして、回転軸406に関連して第1駆動源412が設けられ、また回転スリーブ410に関連して第2駆動源414が設けられる。
【0123】
この第2の変形形態では、脚受け部43bを閉状態(または開状態)から開状態(または閉状態)にするとき、第1および第2駆動源412,414の双方が正転(または逆転)される。第1駆動源412が正転(または逆転)すると、支持アーム57bが回転軸406を中心として矢印416(または418)で示す上方(または下方)に旋回され、これによって脚受け部43bは上方(または下方)に移動される。また、第2駆動源414が正転(または逆転)すると、支持アーム57bが支持軸408を中心として矢印420(または422)で示す左右方向外側(または内側)に旋回され、これによって脚受け部43bは外側(または内側)に移動される。
【0124】
上述したとおりであるので、脚受け台39bの脚受け部43bは、第1駆動源412による上下方向の回動と第2駆動源414による左右方向の回動との組合せの合成回動によって開閉動作される。それ故に、第1の変形形態と同様に、上記合成回動の軸線が脚受け部43bの回動軸線として機能し、患者が診療台本体31に着座した状態においてこの合成回動軸線を患者の股関節の軸線と実質上一致またはほぼ一致させることによって、一対の脚受け台39bの脚受け部43bを患者の股関節の軸線をほぼ中心として回動させることができ、図1〜図17に示す実施形態と略同様の効果が達成される。
【0125】
図27は、第3の変形形態の診療台30eを示している。なお、第3の変形形態では、脚受け部43a,43bは実質上垂直に延びる垂直軸線を中心として左右方向に回動されるとともに上下方向に移動され、以下の説明においては脚受け部43bに関連する構成について説明する。
【0126】
主として一方の脚受け部43bに関連する構成を示す図27を参照して、診療台30eの診療台本体31は、一体的に形成された背板部35と座部38とを有している。診療台本体31の座部38の側部には実質上垂直下方に延びる垂下軸502が設けられ、この垂下軸502に支持アーム57bの一端部が回動自在に支持されている。また、脚受け部43bには、任意の方向に変位自在な連結手段504を介して支持軸506が設けられ、この支持軸506が支持アーム57bの遊端部に設けられたスリーブ部508に実質上上下方向に移動自在に支持されている。この支持構造としては、たとえば、支持軸506に雄ねじ部を形成し、一方スリーブ部508に雌ねじ部を形成し、これら雄ねじ部および雌ねじ部を螺合することによって達成することができる。したがって、脚受け部43bは垂下軸502(その中心軸線が実質上垂直に延びる垂直軸線を構成する)を中心として左右方向に回動自在であり、また支持アーム57bのスリーブ部508に案内されて実線で示す下降位置と仮想線で示す上昇位置との間を実質上上下方向に移動自在である。上下移動される支持軸506に関連して第1駆動源510が設けられ、また支持アーム57bに関連して第2駆動源512が設けられる。
【0127】
この第3の変形形態では、脚受け部43bを閉状態(または開状態)から開状態(または閉状態)にするとき、第1および第2駆動源510,512の双方が正転(または逆転)される。第1駆動源510が正転(または逆転)すると、支持アーム57bに対して支持軸506が矢印514(または516)で示す上方(または下方)に移動され、これによって脚受け部43bは上方(または下方)に移動される。また、第2駆動源512が正転(または逆転)すると、支持アーム57bが垂下軸502を中心として矢印518(または520)で示す左右方向外側(または内側)に旋回され、これによって脚受け部43bは外側(または内側)に移動される。
【0128】
上述したとおりであるので、脚受け台39bの脚受け部43bは、第1駆動源510による上下方向の移動と第2駆動源512による左右方向の回動との組合せの合成移動によって開閉動作される。それ故に、第1の変形形態と同様に、上記合成移動の軸線が脚受け部43bの回動軸線として機能し、患者が診療台本体31に着座した状態においてこの合成移動軸線を患者の股関節の軸線と実質上一致またはほぼ一致させることによって、一対の脚受け台39bの脚受け部43bを患者の股関節の軸線をほぼ中心として回動させることができ、図1〜図17に示す実施形態と略同様の効果が達成される。
【0129】
図28は、第4の変形形態の診療台30fを示している。なお、第4の変形形態では、診療台本体31の背板部35と座部38とが別個に形成され、これらが相互に回転自在に連結され、上述したと同様に、以下の説明においては脚受け部43bに関連する構成について説明する。
【0130】
主として一方の脚受け部43bに関連する構成を示す図28を参照して、診療台30fの診療台本体31は背板部35と座部38とを有し、背板部35と座部38とが別個に形成されている。背板部35の一端部には支持スリーブ602が設けられ、座部38には軸部材604が設けられ、この軸部材604が上記支持スリーブ602に回動自在に支持されている。この変形形態では、背板部35に対する座部38の相対的回動を利用して脚受け部43bを上下方向に移動する。また、座部38の側部には実質上垂直下方に延びる垂下軸606が設けられ、この垂下軸606に支持アーム57bの一端部が回動自在に支持され、この支持アーム57bの遊端部に脚受け部43bが取付けられている。したがって、脚受け部43bは支持軸604(その中心軸線が第3の軸線を構成し、この変形形態では実質上水平に延びている)を中心として上下方向に回動自在でり、また垂下軸606(その中心軸線が第4の軸線を構成し、この変形形態では実質上垂直に延びている)を中心として左右方向に回動自在である。支持軸604に関連して第1駆動源608が設けられ、また支持アーム57bに関連して第2駆動源610が設けられる。
【0131】
この第4の変形形態では、脚受け部43bを閉状態(または開状態)から開状態(または閉状態)にするとき、第1および第2駆動源608,610の双方が正転(または逆転)される。第1駆動源608が正転(または逆転)すると、背板部35に対して座部38および支持アーム57bが矢印612(または614)で示す上方(または下方)に回動され、これによって脚受け部43bは上方(または下方)に移動される。また、第2駆動源610が正転(または逆転)すると、支持アーム57bが垂下軸606を中心として矢印616(または618)で示す左右方向外側(または内側)に旋回され、これによって脚受け部43bは外側(または内側)に回動される。
【0132】
上述したとおりであるので、脚受け台39bの脚受け部43bは、第1駆動源608による上下方向の移動と第2駆動源610による左右方向の回動との組合せの合成回動によって開閉動作される。それ故に、第1の変形形態と同様に、上記合成回動の軸線が脚受け部43bの回動軸線として機能し、患者が診療台本体31に着座した状態においてこの合成移動軸線を患者の股関節の軸線と実質上一致またはほぼ一致させることによって、一対の脚受け台39bの脚受け部43bを患者の股関節の軸線をほぼ中心として回動させることができ、図1〜図17に示す実施形態と略同様の効果が達成される。
【0133】
図29および図30は、第5の変形形態の診療台30gを示している。なお、第5の変形形態では、回転軸を中心として回動されるのではなく、案内溝に沿って移動され、以下の説明においては脚受け部43bに関連する構成について説明する。
【0134】
主として一方の脚受け部43bに関連する構成を示す図29と図29のXXX−XXX線による断面である図30を参照して、診療台30gの診療台本体31は背板部35と座部38とを有している。この変形形態では、背板部35の一端部近傍の座部38の両側部には案内部材702が取付けられている(図29および図30において一方のみ示す)。案内部材702には外側に開口する案内溝704が設けられ、この案内溝704は図29において右方に向けて上方に傾斜して延びている。案内部材702の案内溝704には、支持移動アーム706の一端部が移動自在に受入れられている。この形態では、支持移動アーム706の一端部には案内フランジ708が設けられ、案内フランジ708が案内部材702の一部に移動自在に係合され、支持移動アーム706は案内溝704の開口を通して外側に延びている。支持移動アーム706の遊端部には脚受け部43bが取付けられる。したがって、支持移動アーム706の案内フランジ708は案内溝704に沿って移動自在であり、支持移動アーム706が移動されることによって、容易に理解される如く、脚受け部43bは、案内溝704の形状に応じて上下方向および左右方向に移動される。なお、支持移動アーム706に関連して、これを移動させるための駆動源710が設けられる。
【0135】
このように脚受け部43bを支持する場合にも、案内溝704に沿って移動する支持移動アーム706の上下方向の移動と左右方向の移動との組合せの合成移動によって脚受け部43bが開閉動作される。それ故に、上記合成移動の軸線が脚受け部43bの回動軸線として機能し、患者が診療台本体31に着座した状態においてこの合成移動軸線を患者の股関節の軸線と実質上一致またはほぼ一致させることによって、図1〜図17に示す実施形態と略同様の効果が達成される。
【0136】
以上、本発明に従う診療台の実施形態、変形形態について説明したが、本発明はこれら実施形態、変形形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形、修正が可能である。
【0137】
たとえば、図示の実施形態、変形形態では、脚受け台の脚受け部は患者の脚部の大腿部を支持する形態であるが、これに限定されるものではなく、脚部の足(具体的には足の裏)を支持する足置き形態のものにも同様に適用することができる。
【0138】
また、第1、第2および第3の実施形態では、脚受け部43a,43bの上下移動の中心となる第3の軸線は実質上水平方向に延び、脚受け部43a,43bの左右方向の移動の中心となる第4の軸線は実質上垂直に延びているが、上記第3の軸線は実質上水平方向に、また上記第4の軸線は実質上垂直方向に延びている必要はなく、第3の軸線を中心とする上下方向の回動と第4の軸線を中心とする左右方向の回動との合成回動の軸線が患者の股関節の軸線と実質上一致またはほぼ一致するようにすれば所望の効果が達成される。
【0139】
さらに、図示の実施形態、変形形態では、産婦人科用診療台に適用して説明したが、これに限定されることなく、泌尿器科および肛門科などの診療台にも好都合にて適用することができる。
【0140】
【発明の効果】
本発明によれば、一対の脚受け台の脚受け部における開閉動作の中心軸線は患者の股関節の軸線と実質上一致またはほぼ一致しているので、脚受け部を開閉動作すると、この開閉動作に伴って患者の脚部はその股関節の軸線をほぼ中心として移動し、これによって患者の脚部を無理な力を加えることなく開脚、閉脚することができ、また開脚した際には広い視野を確保することができる。
【0141】
た、脚受け部が設けられた支持アームは第2の軸線を中心として回動自在に支持され、かかる支持アームの第2の軸線が開閉動作の上記回動軸線を構成するので、脚受け部は上記回動軸線を中心として確実に回動され、比較的簡単な構成でもって脚受け部を開閉動作することができる。
また、開閉手段は一対の脚受け台の脚受け部を個別に開閉駆動する一対の駆動源から成るので、左右いずれか一方の脚部に障害のある患者であっても、障害している側の脚部を無理に開閉動作させる必要がなく、患者の左右両脚部の開脚限界位置および閉脚限界位置ならびに左右両脚部の開閉速度に応じて各脚受け台を個別に追従させて回動することができ、これによってもまた、患者への負担を軽減することができる。
【0142】
また本発明によれば、脚受け部は第3および第4の軸線を中心として上下方向および左右方向に回動自在に支持され、こられ第3および第4の軸線を中心とする回動を同時に駆動する構成である。したがって、一対の脚受け台の脚受け部を2つの軸線を中心として回動自在に支持することによっても上記開閉動作の中心軸線を中心として脚受け部を開閉動作することができる。
【0143】
また本発明によれば、診療台本体の背板部と座部とが一体的に形成されている。そして、この診療台本体に対して一対の脚受け台の脚受け部が第3および第4の軸線を中心として回動され、このように構成することによって脚受け部を上記開閉動作の中心軸線を中心として回動することができる。
【0144】
また本発明によれば、第3の軸線と第4の軸線とが実質上直交しているので、比較的容易に、これらの軸線を中心とする合成回動運動を脚受け台の開閉動作とさせることができる。
【0145】
また本発明によれば、診療台本体の背板部と座部とが別個に形成されている。そして、背板部に対して座部が第3の軸線を中心として上下方向に回動され、この座部に対して一対の脚受け台の脚受け部が第4の軸線を中心として左右方向に回動され、このように構成することによって脚受け部を上記開閉動作の中心軸線を中心として回動することができる。
【0146】
また本発明によれば、一対の脚受け台の脚受け部は上下方向に移動自在に支持されているとともに、垂直軸線を中心として左右方向に回動自在に支持され、こられ上下方向の移動および垂直軸線を中心とする回動の組合せが上記開閉動作となる。したがって、一対の脚受け台の脚受け部を上下方向の移動と左右方向の回動とによっても開閉動作することができる。
【0147】
また本発明によれば、診療台本体には案内溝が設けれ、脚受け部が設けられた支持移動アームは対応する案内溝に沿って移動され、このような支持移動アームの移動によって脚受け部を実質上上記開閉動作の中心軸線を中心として回動することができる。
【0148】
また本発明によれば、一対の脚受け台の脚受け部の回動中心である軸線は、背板部をほぼ左右対称に二分する仮想鉛直面上で実質上交差するとともに、かかる軸線の交点が診療台本体の座部の上方に位置している。したがって、一対の脚受け部の回動中心の軸線は、患者の股関節の軸線と実質上一致またはほぼ一致するようになり、それゆえに、患者の脚部を無理な力を加えることなく開脚、閉脚することができる。
また、診療台本体の背板部には患者の臀部を支持する座部が設けられ、この臀部の臀部支持面は上記第2の軸線に実質上垂直またはほぼ垂直に形成されているので、背板部に対して鈍角を成す臀部支持面によって臀部が安定して受けられ、これによって脚部の重心が脚受け部の基端側に移り、各脚受け台への脚部の重量負担が少なくなって、円滑に脚部を開閉動作させることができる。
【0149】
また本発明によれば、診療台は、背板部を有する診療台本体と、一対の脚受け台と、傾動手段と、開閉手段とを備える。一対の脚受け台の脚受け部の回動中心である第2の軸線は特定平面を規定し、この特定平面は、背板部をほぼ左右対称に2分する仮想鉛直面に対して実質上垂直に交差するとともに、この背板部の一端部近傍の左右両側から背板部の他端部に向かって背板部から離反する方向に傾斜している。また、これら第2の軸線は、上記仮想鉛直面上で交差するように配置されている。このような第2の軸線を中心として各脚受け部は相互に近接および離反する方向に開閉手段によって開閉動作し、着座した患者を開脚させまたは閉脚させることができる。
【0151】
また本発明によれば、一対の脚受け台に患者の脚部の力によって、開脚時には閉脚方向に、また閉脚時には開脚方向にというように、各脚受け台の回動方向とは逆方向に力が作用すると、開閉手段は各脚受け台の開閉動作を停止させ、これによって無理に患者の脚部が開かれ、または閉じられるという不具合が防がれる。このような開閉手段による各脚受け台の開閉動作の停止は、たとえば各脚受け台を開閉動作するためのモータのトルクを脚部による所定の力よりも弱く設定しておくことによって実現することができる。このように開閉動作が開閉手段によって停止できるように構成されることによって、患者の開脚限界位置または閉脚限界位置に達したとき、いわば自動的に開脚方向または閉脚方向への各脚受け台の動作が停止し、患者の肉体的な負担を少なくし、かつ安全性を向上することができる。
【0152】
また本発明によれば、一対の脚受け台の脚受け部は開閉手段によって所定量の変位が許容されるようにして連結されるので、各脚受け部に対する患者の脚部のずれを許容することができ、これによってもまた患者の開脚時および閉脚時における肉体的負担を軽減することができる。
【0154】
また本発明によれば、診療台本体の背板部の起立状態において一対の脚受け部が閉状態になると、脚受け部の第1支持面は相互に実質上平行にかつ実質上水平に延びる。したがって、患者は診療台本体に着座してその脚部を脚受け部の第1支持面に容易に載置することができる。また、診療台本体の背板部の起立状態において一対の脚受け部が開状態になると、脚受け部は基部側から先端側に向けて左右方向に両側に拡がる。また、脚受け部の第1支持面は、脚受け部の基部側から先端側に向けて上方に傾斜して延びるとともに、脚受け部の左右方向外側から内側に向けて下方に傾斜して延びる。したがって、患者の脚部をむやみに大きな角度で開脚することなく、幅広い視野を確保することができる。さらに、一対の脚受け台が閉状態から開状態に向けて移動する際、閉状態からの移動量に伴って、脚受け部の拡がり角度ならびに第1支持面の先端側上方への傾斜角度および左右方向内側下方への傾斜角度が漸増され、このように構成することによって患者の脚部に無理な力を加えることなく開脚することができる。
【0155】
た、脚受け部が設けられた支持アームを診療台本体の背板部の一端部近傍の両側にて延びる軸線を中心として回動することによって、比較的簡単な構成でもって脚受け部を上記閉状態と上記開状態との間を所要のとおりに回動することができる。
【0156】
さらに本発明によれば、一対の脚受け台の脚受け部における第1支持面は患者の大腿部を支持し、このよう支持することによって上記閉状態から上記開状態に渡って患者の脚部を安定して支持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の産婦人科用診療台を示す斜視図である。
【図2】産婦人科用診療台の側面図である。
【図3】各脚受け台が閉じた状態における診療台の正面図、すなわち図2の実線の図の前方向から見た図である。
【図4】各脚受け部が閉じた状態における診療台の平面図、すなわち図2の実線の図のX方向から見た図である。
【図5】各脚受け台が開いた状態における診療台を示す正面図である。
【図6】各脚受け台が開いた状態における診療台を示す平面図である。
【図7】患者を起立した状態で正面から見た股関節付近の構造を示す図である。
【図8】患者を右側方から見た右側の股関節付近を示す図である。
【図9】産婦人科用診療台の内部構造を示す一部の断面図である。
【図10】傾動手段および昇降手段の外観を示す斜視図である。
【図11】開閉手段の一方の駆動源の具体的構成を示す断面図である。
【図12】駆動源を図9の下方から見た断面図である。
【図13】駆動源を図9の左方から見た正面図である。
【図14】汚物受けトレイのトレイ駆動手段を座部の下方から見た一部の斜視図である。
【図15】トレイ駆動手段に備えられる角変位手段の分解斜視図である。
【図16】図14の切断面線XVI−XVIから見た角変位手段の拡大断面図である。
【図17】角変位手段の動作を示す図であり、図17(a)は揺動レバーが退避した状態を示し、図17(b)は揺動レバーが突出した状態を示す。
【図18】本発明の実施のさらに他の形態の診療台を示す簡略化した側面図である。
【図19】診療台の正面図である。
【図20】本発明の実施のさらに他の形態の診療台を示す一部を切欠いた断面図である。
【図21】図20の切断面線XXI−XXIから見た拡大断面図である。
【図22】診療台の第1の変形形態の要部を示す斜視図である。
【図23】図22の診療台を簡略的に示す部分側面図である。
【図24】図22の診療台における脚受け部の回動機構を一部切欠いて示す斜視図である。
【図25】脚受け部の回動機構の変形形態を一部切欠いて示す斜視図である。
【図26】診療台の第2の変形形態を簡略的に示す部分側面図である。
【図27】診療台の第3の変形形態を簡略的に示す部分側面図である。
【図28】診療台の第4の変形形態を簡略的に示す部分側面図である。
【図29】診療台の第5の変形形態を簡略的に示す部分側面図である。
【図30】図29におけるXXX−XXX線による断面図である。
【図31】典型的な従来の技術の産婦人科用診療台を示す側面図である。
【図32】従来の産婦人科用診療台を受診位に移動させた状態を示す側面図である。
【符号の説明】
30,30a,30b,30c,30d,30e,30f,30g 産婦人科用診療台
31 診療台本体
32 頭部
33 腰部
34 支持面
35,250 背板部
36,263 一端部
37 臀部
38,251 座部
39a,39b;270a,270b 脚受け台
41a,41b;261a,261b 回動軸線
42a,42b 脚部
43a,43b;260a,260b 脚受け部
45,253 傾動手段
46,255 昇降手段
47,258 開閉手段
48,256 基台
54 汚物受けトレイ
57a,57b;259a,259b 支持アーム
58 大腿部
70a,70b 股関節
271 回動手段
272 鉛直軸線
275,276 案内レール

Claims (14)

  1. 患者の背部を支持する背板部および患者の臀部を支持する座部を有する診療台本体と、患者の脚部を支持するための脚受け部をそれぞれ有する一対の脚受け台と、前記診療台本体および前記一対の脚受け台を実質上水平方向に延びる第1の軸線を中心として傾動させる傾動手段と、前記一対の脚受け部を開閉動作させるための開閉手段とを備えた診療台において、
    前記一対の脚受け台の脚受け部における開閉動作の中心軸線は、患者が前記診療台本体に着座した状態におけるこの患者の股関節の軸線とそれぞれ実質上一致またはほぼ一致し、
    前記一対の各脚受け台は、前記座部の一端部近傍の左右両側にて下方にそれぞれ延びる第2の軸線を中心として回動自在に支持された支持アームをそれぞれ有し、これらの各支持アームの端部に前記脚受け部がそれぞれ設けられており、前記第2の各軸線が、前記脚受け部の前記開閉手段による前記開閉動作の中心となる前記中心軸線をそれぞれ構成し、
    前記開閉手段は、前記一対の脚受け台の前記各脚受け部にそれぞれ対応して設けられた一対の駆動源から構成されていることを特徴とする診療台。
  2. 患者の背部を支持する背板部および患者の臀部を支持する座部を有する診療台本体と、患者の脚部を支持するための脚受け部をそれぞれ有する一対の脚受け台と、前記診療台本体および前記一対の脚受け台を実質上水平方向に延びる第1の軸線を中心として傾動させる傾動手段と、前記一対の脚受け部を開閉動作させるための開閉手段とを備えた診療台において、
    前記一対の脚受け台の各脚受け部における開閉動作の中心軸線は、患者が前記診療台本体に着座した状態におけるこの患者の股関節の各軸線とそれぞれ実質上一致またはほぼ一致し、
    前記一対の各脚受け台の脚受け部は、第3の軸線を中心として上下方向に回動自在に支持されているとともに、第4の軸線を中心として左右方向に回動自在に支持されており、前記第3の軸線を中心とする回動と前記第4の軸線を中心とする回動とを前記開閉手段によって同時に駆動して、前記開閉動作の中心となる前記中心軸線を構成し、
    前記開閉手段は、前記一対の脚受け台の前記各脚受け部にそれぞれ対応して設けられた一対の駆動源から構成されていることを特徴とする診療台。
  3. 前記診療台本体の前記背板部と前記座部とが一体的に形成され、前記背板部および前記座部に対して前記一対の脚受け台の前記脚受け部が前記第3の軸線を中心として上下方向に回動されるとともに、前記第4の軸線を中心として左右方向に回動されることを特徴とする請求項記載の診療台。
  4. 前記第3の軸線と前記第4の軸線とは相互に実質上直交していることを特徴とする請求項2または3記載の診療台。
  5. 前記診療台本体の前記背板部と前記座部とは別個に形成され、前記座部が前記第3の軸線を中心として上下方向に回動自在に前記背板部に装着され、前記一対の脚受け台の前記脚受け部が前記座部に前記第4の軸線を中心として左右方向に回動自在に支持されていることを特徴とする請求項記載の診療台。
  6. 患者の背部を支持する背板部および患者の臀部を支持する座部を有する診療台本体と、患者の脚部を支持するための脚受け部をそれぞれ有する一対の脚受け台と、前記診療台本体および前記一対の脚受け台を実質上水平方向に延びる第1の軸線を中心として傾動させる傾動手段と、前記一対の脚受け部を開閉動作させるための開閉手段とを備えた診療台において、
    前記一対の脚受け台の各脚受け部における開閉動作の中心軸線は、患者が前記診療台本体に着座した状態におけるこの患者の股関節の各軸線とそれぞれ実質上一致またはほぼ一致し、
    前記一対の脚受け台の各脚受け部は、上下方向に移動自在に支持されているとともに、実質上垂直方向に延びる垂直軸線を中心として左右方向に回動自在に支持されており、前記上下方向の移動と前記左右方向の回動とを前記開閉手段によって同時に行なって、前記 回動動作の前記中心軸線を構成し、
    前記開閉手段は、前記一対の脚受け台の前記各脚受け部にそれぞれ対応して設けられた一対の駆動源から構成されていることを特徴とする診療台。
  7. 患者の背部を支持する背板部および患者の臀部を支持する座部を有する診療台本体と、患者の脚部を支持するための脚受け部をそれぞれ有する一対の脚受け台と、前記診療台本体および前記一対の脚受け台を実質上水平方向に延びる第1の軸線を中心として傾動させる傾動手段と、前記一対の脚受け部を開閉動作させるための開閉手段とを備えた診療台において、
    前記一対の脚受け台の各脚受け部における開閉動作の中心軸線は、患者が前記診療台本体に着座した状態におけるこの患者の股関節の各軸線とそれぞれ実質上一致またはほぼ一致し、
    前記一対の各脚受け台は、前記診療台本体の前記背板部の一端部近傍の両側にそれぞれ設けられた案内溝に沿って移動される支持移動アームをそれぞれ備え、これらの各支持移動アームの遊端部に対応する前記脚受け部がそれぞれ設けられており、前記支持移動アームが前記案内溝に沿って移動されることによって、前記脚受け部は、実質上開閉動作の前記開閉手段による前記中心軸線を中心として回動され、
    前記開閉手段は、前記一対の脚受け台の前記各脚受け部にそれぞれ対応して設けられた一対の駆動源から構成されていることを特徴とする診療台。
  8. 患者の背部を支持する背板部を有する診療台本体と、患者の脚部を支持するための脚受け部をそれぞれ有する一対の脚受け台と、前記背板部および前記一対の脚受け部を実質上水平方向に延びる第1の軸線を中心として傾動させる傾動手段と、前記一対の脚受け部を開閉動作させるための開閉手段とを備え、前記一対の各脚受け台は、患者の腰部に近い背板部の一端部近傍の左右両側下方にそれぞれ延びる第2の軸線を中心として回動自在に設けられた一対の支持アームをそれぞれ含み、前記一対の支持アームの端部に前記脚受け部が設けられた診療台において、
    前記一対の脚受け台の前記各脚受け部の回動中心である前記第2の軸線は、前記背板部をほぼ左右対称に2分する仮想鉛直面上で実質上交差するとともに、前記第2の軸線の交点が前記診療台本体の座部の上方に位置し、
    前記第2の各軸線が、患者が前記治療台本体に着座した状態におけるこの患者の股関節の各軸線とそれぞれ実質上一致またはほぼ一致し、
    前記診療台本体の前記背板部の一端部には患者の臀部を支持する座部が前記背板部に対して鈍角に設けられ、前記座部の臀部支持面は前記一対の脚受け台の前記脚受け部の前記第2の軸線に実質上垂直またはほぼ垂直に形成されており、
    前記開閉手段は、前記一対の脚受け台の前記各脚受け部にそれぞれ対応して設けられた一対の駆動源から構成されていることを特徴とする診療台。
  9. 患者の背部を支持する背板部を有する診療台本体と、患者の脚部を支持するための脚受け部をそれぞれ有する一対の脚受け台と、前記背板部および前記一対の脚受け部を実質上水平方向に延びる第1の軸線を中心として傾動させる傾動手段と、前記一対の脚受け部を開閉動作させるための開閉手段とを備え、前記一対の脚受け台は、患者の腰部に近い背板部の一端部近傍の左右両側下方にそれぞれ延びる第2の軸線を中心として回動自在に設けられた一対の支持アームをそれぞれ含み、前記一対の支持アームの端部に前記脚受け部がそれぞれ設けられた診療台において、
    前記一対の脚受け台の前記脚受け部の回動中心である前記第2の軸線は、前記背板部をほぼ左右対称に2分する仮想鉛直面上で実質上交差するとともに特定平面を規定し、
    前記第2の各軸線が、患者が前記治療台本体に着座した状態におけるこの患者の股関節の各軸線とそれぞれ実質上一致またはほぼ一致し、
    前記第2の軸線が規定する前記特定平面は、前記仮想鉛直面に対して実質上垂直に交差するとともに、前記背板部の前記一端部近傍からその他端部に向けて前記背板部から離反する方向に傾斜しており、
    前記診療台本体の前記背板部の一端部には患者の臀部を支持する座部が前記背板部に対 して鈍角に設けられ、前記座部の臀部支持面は前記一対の脚受け台の前記脚受け部の前記第2の軸線に実質上垂直またはほぼ垂直に形成されており、
    前記開閉手段は、前記一対の脚受け台の前記各脚受け部にそれぞれ対応して設けられた一対の駆動源から構成されていることを特徴とする診療台。
  10. 前記開閉手段は、前記一対の脚受け台に作用する患者の脚力によって停止するように構成されていることを特徴とする請求項8または9記載の診療台。
  11. 前記一対の脚受け台の前記脚受け部は、所定量の変位を許容する連結手段を介して前記開閉手段に連結されていることを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載の診療台。
  12. 患者の背部を支持する背板部を有する診療台本体と、患者の脚部を支持するための脚受け部をそれぞれ有する一対の脚受け台と、前記背板部および前記一対の脚受け部を実質上水平方向に延びる第1の軸線を中心として傾動させる傾動手段と、前記一対の脚受け部を開閉動作させるための開閉手段とを備え、前記一対の脚受け台の前記各脚受け部は、患者の脚部を下方から支持する第1支持面を有し、相互に隣接して位置する閉状態とこの閉状態から左右方向に開いた開状態との間を開閉動作される診療台において、
    前記一対の脚受け台の各脚受け部における開閉動作の中心軸線は、患者が前記治療台本体に着座した状態におけるこの患者の股関節の各軸線とそれぞれ実質上一致またはほぼ一致し、
    前記背板部の起立状態において前記一対の脚受け台を前記閉状態にすると、前記脚受け部の前記第1支持面は、相互に実質上平行にかつ実質上水平に延び、一方、前記背板部の起立状態において前記一対の脚受け台を前記開状態にすると、前記脚受け部は基部側から先端側に向けて左右方向に両側に拡がるとともに、その第1支持面は、前記脚受け部の基部側から先端側に向けて上方に傾斜して延びるとともに、前記脚受け部の左右方向外側から内側に向けて下方に傾斜して延び、
    前記脚受け台を前記閉状態から前記開状態に向けて移動すると、前記閉状態からの移動量に伴って、前記一対の脚受け台の前記脚受け部の拡がり角度ならびに前記第1支持面の先端側上方への傾斜角度および左右方向内側下方への傾斜角度が漸増され、
    前記一対の各脚受け台は、前記背板部の一端部近傍の左右両側にて延びる第2の軸線を中心として回動自在に支持された支持アームをそれぞれ有し、これらの各支持アームの端部に前記脚受け部がそれぞれ設けられており、前記支持アームの前記各第2の軸線が前記脚受け部の前記開閉手段による前記開閉動作の中心となる前記中心軸線をそれぞれ構成し、
    前記開閉手段は、前記一対の脚受け台の前記各脚受け部にそれぞれ対応して設けられた一対の駆動源から構成されていることを特徴とする診療台。
  13. 前記一対の脚受け台の前記脚受け部の前記第1支持面は、患者の大腿部を支持することを特徴とする請求項12記載の診療台。
  14. 患者の背部を支持する背板部を有する診療台本体と、患者の脚部を支持するための脚受け部をそれぞれ有する一対の脚受け台と、前記背板部および前記一対の脚受け部を実質上水平方向に延びる第1の軸線を中心として傾動させる傾動手段と、前記一対の脚受け部を開閉動作させるための開閉手段とを備え、前記一対の各脚受け台は、患者の腰部に近い背板部の一端部近傍の左右両側下方にそれぞれ延びる第2の軸線を中心として回動自在に設けられた一対の支持アームをそれぞれ含み、前記一対の支持アームの端部に前記脚受け部が設けられ、前記一対の脚受け台の前記各脚受け部は、患者の脚部を下方から支持する第1支持面を有し、相互に隣接して位置する閉状態とこの閉状態から左右方向に開いた開状態との間を開閉動作される診療台において、
    前記一対の脚受け台の前記各脚受け部の回動中心である前記第2の軸線は、前記背板部をほぼ左右対称に2分する仮想鉛直面上で実質上交差するとともに、特定平面を規定し、
    前記第2の軸線が規定する前記特定平面は、前記仮想鉛直面に対して実質上垂直に交差するとともに、前記背板部の前記一端部近傍からその他端部に向けて前記背板部から離反 する方向に傾斜しており、前記第2の軸線の交点が前記診療台本体の座部の上方に位置し、
    前記一対の脚受け台の各脚受け部における開閉動作の中心軸線は、患者が前記診療台本体に着座した状態におけるこの患者の股関節の各軸線と実質上一致またはほぼ一致し、
    前記診療台本体の前記背板部の前記一端部には患者の臀部を支持する座部が前記背板部に対して鈍角に設けられ、前記座部の臀部支持面は前記一対の脚受け台の前記脚受け部の前記第2の軸線に実質上垂直またはほぼ垂直に形成されており、
    前記背板部の起立状態において前記一対の脚受け台を前記閉状態にすると、前記脚受け部の前記第1支持面は、相互に実質上平行にかつ実質上水平に延び、一方、前記背板部の起立状態において前記一対の脚受け台を前記開状態にすると、前記脚受け部は基部側から先端側に向けて左右方向に両側に拡がるとともに、その第1支持面は、前記脚受け部の基部側から先端側に向けて上方に傾斜して延びるとともに、前記脚受け部の左右方向外側から内側に向けて下方に傾斜して延び、
    前記脚受け台を前記閉状態から前記開状態に向けて移動すると、前記閉状態からの移動量に伴って、前記一対の脚受け台の前記脚受け部の拡がり角度ならびに前記第1支持面の先端側上方への傾斜角度および左右方向内側下方への傾斜角度が漸増され、
    前記開閉手段は、前記一対の脚受け台の前記各脚受け部にそれぞれ対応して設けられた一対の駆動源から構成されていることを特徴とする診療台。
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