JP3820977B2 - ハイブリットシステムの蓄熱装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷却水や潤滑油等のような熱媒体の循環により冷却又は加熱されるハイブリットシステムの蓄熱技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車等の車両に搭載される内燃機関は、燃焼室周辺の温度が所定温に達していない状態(冷間状態)で運転されると、燃焼室に供給される燃料が十分に霧化されず、排気特性(エミッション)や燃費性能の悪化等を招きやすい。
【0003】
しかしながら、内燃機関は、一時的な運転停止後の再始動時のような場合を除き、始動時から暖機完了時までの期間に冷間状態で運転されることとなる。
【0004】
このような問題に対し、例えば、特開平6−185359号公報に記載されているような内燃機関の蓄熱装置が提案されている。この公報に記載された内燃機関の蓄熱装置は、内燃機関の運転時に発生した熱により昇温した冷却水を保温状態で貯蔵する蓄熱器を備え、前記蓄熱器に蓄えられた高温の冷却水を冷間状態の内燃機関に流通させることにより、内燃機関の暖機を早期に完了させようとするものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年では、燃料を改質して発電する燃料電池と内燃機関とを備え、車両停止時などに内燃機関の運転を停止させ、その際に必要となる電力を燃料電池によって賄うハイブリットシステムの開発が進められている。
【0006】
このようなハイブリットシステムを搭載した車両に前述した内燃機関の蓄熱装置が適用された場合、内燃機関が極短期間で運転停止されると、冷却水が蓄熱に適した温度域まで上昇しないため、十分な蓄熱を行うことが困難となり、内燃機関の再始動時に好適な暖機を実現することができなくなる虞がある。
【0007】
本発明は、上記したような問題点に鑑みてなされたものであり、燃料電池と内燃機関とを具備したハイブリットシステムにおいて、内燃機関の好適な暖機を行える技術を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前述した課題を解決するために以下のような手段を採用した。
すなわち、本発明に係るハイブリットシステムの蓄熱装置は、
内燃機関及び燃料電池を具備したハイブリットシステムと、
前記内燃機関を経由して熱媒体が循環する機関用熱媒体通路と、
前記機関用熱媒体通路を流通する熱媒体の一部を保温貯蔵するとともに、保温貯蔵された熱媒体を前記機関用熱媒体通路へ供給して内燃機関の昇温を図る蓄熱機構と、
前記燃料電池が発生する熱により前記熱媒体を加熱する加熱機構と、
を備えている。
【0009】
この発明は、内燃機関及び燃料電池を具備したハイブリットシステムと、内燃機関を循環する熱媒体の一部を保温貯蔵する蓄熱機構とを備えたハイブリットシステムの蓄熱装置において、燃料電池が発生する熱を利用して熱媒体を加熱することを最大の特徴としている。
【0010】
かかるハイブリットシステムの蓄熱装置では、蓄熱機構は、機関用熱媒体通路を循環する熱媒体の一部を蓄熱状態で貯蔵する。内燃機関が冷間状態にあるとき等のように内燃機関を昇温させる必要があるときは、蓄熱機構は、該蓄熱機構に貯蔵されていた熱媒体を機関用熱媒体通路へ供給する。この場合、熱媒体の熱が内燃機関へ伝達され、内燃機関が速やかに昇温することになる。
【0011】
一方、加熱機構は、燃料電池が発生する熱を利用して熱媒体を加熱する。加熱機構により加熱された熱媒体は、機関用熱媒体通路を循環し又は蓄熱機構に貯蔵されることになる。
【0012】
この結果、内燃機関の運転条件に依存することなく機関用熱媒体通路を流通する熱媒体又は蓄熱機構に貯蔵される熱媒体の温度を所望の温度域まで高めることが可能となる。
【0013】
本発明に係るハイブリットシステムの蓄熱装置は、燃料電池を経由して熱媒体が循環する電池用熱媒体通路を更に備えるようにしてもよい。
【0014】
この場合、加熱機構は、電池用熱媒体通路内の熱媒体を機関用熱媒体通路又は蓄熱機構へ供給することにより機関用熱媒体通路を流通する熱媒体又は蓄熱機構に貯蔵される熱媒体を加熱することができる。
【0015】
例えば、加熱機構は、内燃機関を昇温させる必要があるときは電池用熱媒体通路内の熱媒体を機関用熱媒体通路へ供給し、蓄熱機構に高温の熱媒体を貯蔵する必要があるときは電池用熱媒体通路内の熱媒体を蓄熱機構へ供給するようにしてもよい。
【0016】
但し、内燃機関を昇温させる必要があるときは、蓄熱機構内の熱媒体に比して電池用熱媒体通路内の熱媒体が高温であることを条件に電池用熱媒体通路内の熱媒体が機関用熱媒体通路へ供給され、蓄熱機構に高温の熱媒体を貯蔵する必要があるときは、機関用熱媒体通路内の熱媒体に比して電池用熱媒体通路内の熱媒体が高温であることを条件に電池用熱媒体通路内の熱媒体が蓄熱機構へ供給されるようにしてもよい。
【0017】
本発明に係るハイブリットシステムの蓄熱装置において、機関用熱媒体通路と電池用熱媒体通路とは、内燃機関と燃料電池と蓄熱機構とが直列に配置されるよう同一の熱媒体通路で構成されるようにしてもよい。
【0018】
その際の熱媒体通路は、熱媒体が内燃機関から燃料電池と蓄熱装置とを順次経由した後に内燃機関へ還流されるよう構成されるようにしてもよい。この場合、燃料電池を経由した高温の熱媒体が不要に放熱されることなく蓄熱装置に貯蔵されることになる。
【0019】
上記したように内燃機関と燃料電池と蓄熱機構とが順次直列に配置されるよう機関用熱媒体通路及び電池用熱媒体通路が構成される場合には、加熱機構は、蓄熱機構を迂回するバイパス通路と、このバイパス通路と蓄熱機構との何れか一方に熱媒体を流通させる通路切換弁とを具備し、内燃機関を昇温させる必要があるときはバイパス通路に熱媒体が流通するよう通路切換弁が動作し、蓄熱機構に高温の熱媒体を貯蔵する必要があるときは蓄熱機構に熱媒体が流通するよう通路切換弁が動作するようにしてもよい。
【0020】
このように通路切換弁が動作すると、内燃機関を昇温させる必要あるときは、燃料電池を経由した高温の熱媒体が蓄熱機構を経由することなく内燃機関へ供給されることとなり、内燃機関が熱媒体の熱を受けて昇温することになる。また、蓄熱機構に高温の熱媒体を貯蔵する必要があるときは、燃料電池を経由した高温の熱媒体が内燃機関を経由することなく蓄熱機構へ供給されることとなり、蓄熱機構に比較的高温の熱媒体が貯蔵されることになる。
【0021】
本発明に係るハイブリットシステムの蓄熱装置において、機関用熱媒体通路と電池用熱媒体通路とは、蓄熱機構を介して並列に接続されるようにしてもよい。
【0022】
その際、加熱機構は、蓄熱機構を迂回して機関用熱媒体通路と電池用熱媒体通路を接続するバイパス通路と、バイパス通路と蓄熱装置との何れか一方に熱媒体を流通させる通路切換弁とを具備し、内燃機関を昇温させる必要があるときはバイパス通路に熱媒体が流通するよう通路切換弁が動作し、蓄熱機構に高温の熱媒体を貯蔵する必要があるときは蓄熱機構に熱媒体が流通するよう通路切換弁が動作するようにしてもよい。
【0023】
このように通路切換弁が動作すると、内燃機関を昇温させる必要あるときには、電池用熱媒体通路を循環する高温の熱媒体が蓄熱機構を経由することなく機関用熱媒体通路へ供給されることとなり、内燃機関が機関用熱媒体通路を循環する熱媒体の熱を受けて昇温することになる。また、蓄熱機構に高温の熱媒体を貯蔵する必要があるときには、電池用熱媒体通路を循環する高温の熱媒体が内燃機関を経由することなく蓄熱機構へ供給されることとなり、蓄熱機構に比較的高温の熱媒体が貯蔵されることになる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るハイブリットシステムの蓄熱装置の具体的な実施の形態について図面に基づいて説明する。
【0025】
<実施の形態1>
先ず、本発明に係るハイブリットシステムの蓄熱装置の第1の実施の形態について図1〜図9に基づいて説明する。
【0026】
図1は、本発明に係るハイブリットシステムを搭載した車両の冷却水循環系を示す図である。
【0027】
図1において、内燃機関1は、ガソリン又は軽油を燃料とする水冷式の内燃機関であり、シリンダヘッド1aとシリンダブロック1bとを備えている。
【0028】
前記内燃機関1には、駆動電力が印加されたときに該内燃機関1の図示しないクランクシャフトを回転させるスタータモータ100が取り付けられている。
【0029】
前記したシリンダヘッド1aとシリンダブロック1bには、本発明に係る熱媒体としての冷却水を循環させるヘッド側冷却水路2aとブロック側冷却水路2bとがそれぞれ形成され、それらヘッド側冷却水路2aとブロック側冷却水路2bとが相互に連通している。
【0030】
前記ヘッド側冷却水路2aには、第1冷却水路4が接続され、その第1冷却水路4は、ラジエター5の冷却水流入口に接続されている。ラジエター5の冷却水流出口は、第2冷却水路6を介してサーモスタットバルブ7に接続されている。
【0031】
前記サーモスタットバルブ7には、前記した第2冷却水路6に加えて、第3冷却水路8と第4冷却水路9とが接続されている。前記第3冷却水路8は、図示しないクランクシャフトの回転トルクによって駆動される機械式ウォーターポンプ10の吸込口に接続され、その機械式ウォーターポンプ10の吐出口は前記ブロック側冷却水路2bに接続されている。一方、前記第4冷却水路9は、前記ヘッド側冷却水路2aに連通している。
【0032】
前記サーモスタットバルブ7は、該サーモスタットバルブ7を流通する冷却水の温度に応じて第2冷却水路6と第4冷却水路9との何れか一方を遮断するよう構成されている。具体的には、サーモスタットバルブ7は、該サーモスタットバルブ7を流通する冷却水の温度が所定の開弁温度(例えば、80℃)未満であるときは第3冷却水路8を遮断して第2冷却水路6と第4冷却水路9を導通させ、該サーモスタットバルブ7を流通する冷却水の温度が前記開弁温度以上であるときは第4冷却水路9を遮断して第2冷却水路6と第3冷却水路8とを導通させるよう構成されている。
【0033】
前記した第3冷却水路8における機械式ウォーターポンプ10の直上流の部位には、該第3冷却水路8内を流れる冷却水の温度、すなわち内燃機関1に流入する冷却水の温度に対応した電気信号を出力する水温センサ19が取り付けられている。
【0034】
次に、ヘッド側冷却水路2aには、ヒータホース11の基端が接続され、そのヒータホース11の終端は、前記したサーモスタットバルブ7と機械式ウォーターポンプ10とを接続する第3冷却水路8の途中に接続されている。
【0035】
前記ヒータホース11の途中には、冷却水と車室内暖房用空気との間で熱交換を行うヒータコア12が配置されている。このヒータコア12には、該ヒータコア12において冷却水との間で熱交換が行われた暖房用空気を車室内へ圧送するヒータブロア120が併設されている。ヒータブロア120は、車室内に設けられたヒータスイッチ21がオン状態にあるときに作動する。
【0036】
前記ヒータホース11における該ヒータホース11の基端とヒータコア12との間に位置する部位には燃料電池13が配置されている。この燃料電池13は、ガソリンなどの燃料を改質し、その改質燃料を酸化させることにより発電を行うものである。
【0037】
前記燃料電池13により発電された電力は、内燃機関1に併設された図示しないパワーステアリング装置や空調装置などの種々の補機類へ供給され、又は図示しないバッテリやキャパシタなどに蓄電される。
【0038】
前記ヒータホース11において該ヒータホース11の基端と燃料電池13との間に位置する部位には、電動ウォーターポンプ14が配置されている。この電動ウォーターポンプ14は、電気モータによって駆動されるポンプであり、該電動ウォーターポンプ14の吸込口から吸い込んだ冷却水を吐出口から所定の圧力で吐出するよう構成されている。
【0039】
尚、電動ウォーターポンプ14は、該電動ウォーターポンプ14の吸込口がヒータホース11の基端側に位置し、且つ、吐出口が燃料電池13側に位置するようヒータホース11と接続されている。
【0040】
前記ヒータホース11において燃料電池13とヒータコア12との間に位置する部位には、第1のタンク用通路15aが接続されている。第1のタンク用通路15aは、蓄熱タンク16に接続されている。
【0041】
前記蓄熱タンク16は、冷却水を蓄熱状態で保存する容器であり、該蓄熱タンク16内へ冷却水を流入させるための冷却水入口16aと、該蓄熱タンク16内から冷却水を流出するための冷却水出口16bとを備えており、前記した第1のタンク用通路15aは、冷却水入口16aに接続されている。
【0042】
尚、蓄熱タンク16の冷却水入口16aと冷却水出口16bとには、それぞれ冷却水の逆流を防止する一方向弁(ワンウェイバルブ)16c、16dが設けられている。
【0043】
前記蓄熱タンク16の冷却水出口16bには、第2のタンク用通路15bが接続されている。この第2のタンク用通路15bは、前記ヒータホース11における該ヒータホース11の終端とヒータコア12との間の部位に接続されている。
【0044】
以下では、ヒータホース11において、該ヒータホース11の基端と電動ウォーターポンプ14との間に位置する部位を第1ヒータホース11aと称し、電動ウォーターポンプ14と燃料電池13との間に位置する部位を第2ヒータホース11bと称し、燃料電池13と第1のタンク用通路15aの基端との間に位置する部位を第3ヒータホース11cと称し、第1のタンク用通路15aの基端とヒータコア12との間に位置する部位を第4ヒータホース11dと称し、ヒータコア12と第2のタンク用通路15bの終端との間に位置する部位を第5ヒータホース11eと称し、第2のタンク用通路15bの終端と該ヒータホース11の終端との間に位置する部位を第6ヒータホース11fと称するものとする。
【0045】
前述した第3ヒータホース11cと第4ヒータホース11dと第1のタンク用通路15aとの接続部には、流路切換弁17が設けられている。この流路切換弁17は、前記した3つの通路の導通と、前記3つの通路の何れか1つの遮断とを選択に切り換えるバルブである。流路切換弁17は、例えば、図示しないステップモータ等からなるアクチュエータによって駆動されるようになっている。
【0046】
このように構成された冷却水循環系には、該冷却水循環系を制御するための電子制御ユニット(Electronic Control Unit:ECU)20が併設されている。このECU20は、冷却水循環系を専用に制御する電子制御ユニットであってもよく、あるいは冷却水循環系の制御とハイブリットシステムの制御とを兼任する電子制御ユニットであってもよい。
【0047】
前記ECU20には、前述した水温センサ19に加え、車室内に取り付けられたヒータスイッチ21、イグニッションスイッチ22、及びスタータスイッチ23が電気的に接続されるとともに、電動ウォーターポンプ14、流路切換弁17、スタータモータ100、及びヒータブロア120が電気的に接続されている。
【0048】
ECU20は、内燃機関1の運転状態や各種センサの出力信号値等をパラメータとして、電動ウォーターポンプ14、流路切換弁17、スタータモータ100、及びヒータブロア120を制御する。
【0049】
以下、この実施の形態におけるハイブリットシステムの蓄熱装置の作用について説明する。
【0050】
先ず、内燃機関1の始動に先駆けて該内燃機関1を予熱する場合について説明する。ここでは、蓄熱タンク16内に予め高温の冷却水が貯蔵されているものとする。
【0051】
ECU20は、内燃機関1のクランキングが開始される前、例えば、イグニッションスイッチ22がオフからオンへ切り換えられたときに、第4ヒータホース11dを遮断し且つ第3ヒータホース11cと第1のタンク用通路15aとを導通させるべく流路切換弁17を制御するとともに、電動ウォーターポンプ14を作動させるべく該電動ウォーターポンプ14へ駆動電力を供給する。
【0052】
この場合、機械式ウォーターポンプ10が作動せずに電動ウォーターポンプ14のみが作動するため、図2に示すように、電動ウォーターポンプ14→第2ヒータホース11b→燃料電池13→第3ヒータホース11c→流路切換弁17→第1のタンク用通路15a→蓄熱タンク16→第2のタンク用通路15b→第6ヒータホース11f→第3冷却水路8→機械式ウォーターポンプ10→ブロック側冷却水路2b→ヘッド側冷却水路2a→第1ヒータホース11a→電動ウォーターポンプ14の順に冷却水が流れる循環回路が成立する。
【0053】
前記した循環回路が成立すると、電動ウォーターポンプ14から吐出された冷却水が第2ヒータホース11b、燃料電池13、第3ヒータホース11c、流路切換弁17、及び第1のタンク用通路15aを介して蓄熱タンク16に流入し、それと入れ代わりに蓄熱タンク16内に蓄熱状態で貯蔵されていた冷却水(以下、蓄熱温水と称する)が該蓄熱タンク16から排出される。蓄熱タンク16から排出された蓄熱温水は、第2のタンク用通路15b、第6ヒータホース11f、第3冷却水路8、及び機械式ウォーターポンプ10を経由してブロック側冷却水路2bに流入し、次いでヘッド側冷却水路2aに流入することになる。
【0054】
蓄熱タンク16からの蓄熱温水が内燃機関1のヘッド側冷却水路2a及びブロック側冷却水路2bに流入すると、それと入れ代わりにヘッド側冷却水路2a及びブロック側冷却水路2bに元々滞留していた低温の冷却水がヘッド側冷却水路2a及びブロック側冷却水路2bから第1ヒータホース11aへ流出する。
【0055】
この結果、内燃機関1では、蓄熱温水の熱がヘッド側冷却水路2a及びブロック側冷却水路2bの壁面に伝達される。その際、蓄熱タンク16から流出した蓄熱温水がヒータコア12や燃料電池13などを経由することなく直接的に内燃機関1に流入するため、蓄熱タンク16から内燃機関1へ至る経路において蓄熱温水の不要な放熱が抑制され、蓄熱タンク16に蓄えられていた熱が効率的に内燃機関1へ伝達される。
【0056】
従って、内燃機関1の吸気ポートや燃焼室の壁面温度を効率的に暖めることが可能となり、内燃機関1の始動時及び始動後において燃料の気化が促進されるとともに混合気の温度が上昇し、以て壁面付着燃料量の減少、燃焼の安定化、始動性の向上、及び排気エミッションの向上を図ることが可能となる。
【0057】
尚、内燃機関1の運転停止時に燃料電池13を予熱する場合もECU20が上記した循環回路を成立させることにより、蓄熱タンク16から流出した蓄熱温水が、第2のタンク用通路15b、第6ヒータホース11f、第3冷却水路8、機械式ウォーターポンプ10、ブロック側冷却水路2b、ヘッド側冷却水路2a、第1ヒータホース11a、電動ウォーターポンプ14、及び第2ヒータホース11bを経由して燃料電池13に流入することになる。
【0058】
蓄熱タンク16からの蓄熱温水が燃料電池13に流入すると、それと入れ代わりに燃料電池13内に元々滞留していた低温の冷却水が該燃料電池13内から第3ヒータホース11cへ流出する。
【0059】
この結果、燃料電池13が蓄熱温水の熱を受けて速やかに昇温することとなり、燃料電池13の起動時間を短縮することが可能となる。
【0060】
次に、スタータスイッチ23がオフからオンへ切り換えられると、ECU20は、電動ウォーターポンプ14に対する駆動電力の供給を停止した後に、スタータモータ100や図示しない燃料噴射弁等に駆動電力を印加して内燃機関1のクランキングを開始し、以て内燃機関1を始動させる。
【0061】
内燃機関1のクランキングが開始されると、クランクシャフトの回転トルクによって機械式ウォーターポンプ10が駆動される。これに対応してECU20は、
第3ヒータホース11cを遮断すべく流路切換弁17を制御する。
【0062】
その際、冷却水の温度がサーモスタットバルブ7の開弁より低ければ、サーモスタットバルブ7は、第2冷却水路6を遮断すると同時に第4冷却水路9を開放する。
【0063】
この場合、図3に示すように、機械式ウォーターポンプ10→ブロック側冷却水路2b→ヘッド側冷却水路2a→第4冷却水路9→サーモスタットバルブ7→第3冷却水路8→機械式ウォーターポンプ10の順で冷却水が流れる循環回路が成立する。
【0064】
このような循環回路が成立した場合には、内燃機関1から流出した比較的低温の冷却水がラジエター5を迂回して流れることになるため、冷却水がラジエター5によって必要以上に冷却されることがない。
【0065】
この結果、内燃機関1が冷却水によって不要に冷却されることがなく、内燃機関1の暖機が妨げられることがない。
【0066】
尚、燃料電池13が作動状態にあり、且つ、冷却水を利用して燃料電池13を冷却する必要がある場合には、ECU20は、第4ヒータホース11dを遮断し且つ第3ヒータホース11cと第1ヒータホース11aとを導通させるべく流路切換弁17を制御する。
【0067】
この場合、図4に示すように、機械式ウォーターポンプ10→ブロック側冷却水路2b→ヘッド側冷却水路2a→第4冷却水路9→サーモスタットバルブ7→第3冷却水路8→機械式ウォーターポンプ10の順で冷却水が流れる循環回路に加え、機械式ウォーターポンプ10→ブロック側冷却水路2b→ヘッド側冷却水路2a→第1ヒータホース11a→電動ウォーターポンプ14→第2ヒータホース11b→燃料電池13→第3ヒータホース11c→流路切換弁17→第1のタンク用通路15a→蓄熱タンク16→第2のタンク用通路15b→第6ヒータホース11f→第3冷却水路8→機械式ウォーターポンプ10の順で冷却水が流れる循環回路が成立する。
【0068】
このように循環回路が成立した場合には、燃料電池13の熱が冷却水へ伝達されるため、燃料電池13が冷却されることになる。冷却水により燃料電池13が冷却されときには、燃料電池13の熱が冷却水を媒体として内燃機関1へ伝達されることになるため、内燃機関1が早期に暖機されるようになる。
【0069】
内燃機関1が運転状態にあるときに冷却水の温度がサーモスタットバルブ7の開弁温度以上まで上昇すると、サーモスタットバルブ7が第4冷却水路9を遮断すると同時に第2冷却水路6を開放することになる。
【0070】
この場合、図5に示すように、機械式ウォーターポンプ10→ブロック側冷却水路2b→ヘッド側冷却水路2a→第1冷却水路4→ラジエター5→第2冷却水路6→サーモスタットバルブ7→第3冷却水路8→機械式ウォーターポンプ10の順で冷却水が流れる循環回路が成立する。
【0071】
このような循環回路が成立した場合には、内燃機関1から流出した比較的高温の冷却水がラジエター5を流通することになるため、冷却水の熱がラジエター5によって放熱される。この結果、冷却水の温度が適温に保たれることになる。
【0072】
尚、燃料電池13が作動状態にあり、且つ、冷却水を利用して燃料電池13を昇温又は冷却する必要がある場合には、ECU20は、第4ヒータホース11dを遮断し且つ第3ヒータホース11cと第1ヒータホース11aとを導通させるべく流路切換弁17を制御する。
【0073】
この場合、図6に示すように、機械式ウォーターポンプ10→ブロック側冷却水路2b→ヘッド側冷却水路2a→第1冷却水路4→ラジエター5→第2冷却水路6→サーモスタットバルブ7→第3冷却水路8→機械式ウォーターポンプ10の順で冷却水が流れる循環回路に加え、機械式ウォーターポンプ10→ブロック側冷却水路2b→ヘッド側冷却水路2a→第1ヒータホース11a→電動ウォーターポンプ14→第2ヒータホース11b→燃料電池13→第3ヒータホース11c→流路切換弁17→第1のタンク用通路15a→蓄熱タンク16→第2のタンク用通路15b→第6ヒータホース11f→第3冷却水路8→機械式ウォーターポンプ10の順で冷却水が流れる循環回路が成立する。
【0074】
このような循環回路が成立した場合には、内燃機関1の熱が冷却水を媒体として燃料電池13に伝達され、又は、燃料電池13の熱が冷却水へ伝達されるため、燃料電池13が昇温又は冷却されることになる。特に、冷却水により燃料電池13が昇温されるときには、内燃機関1から流出した比較的高温の冷却水が直接的に燃料電池13へ供給されるため、燃料電池13が速やかに昇温するようになる。
【0075】
また、内燃機関1が運転状態にあるときに、ヒータスイッチ21がオフからオンへ切り換えられると、ECU20は、電動ウォーターポンプ14を停止状態に維持し、第1のタンク用通路15aを遮断し且つ第3ヒータホース11cと第4ヒータホース11dとを導通させるべく流路切換弁17を制御し、更にヒータブロア120を作動させるべく該ヒータブロア120に駆動電力を供給する。
【0076】
この場合、電動ウォーターポンプ14が作動せずに機械式ウォーターポンプ10のみが作動するため、図7に示すように、機械式ウォーターポンプ10→ブロック側冷却水路2b→ヘッド側冷却水路2a→第1冷却水路4→ラジエター5→第2冷却水路6→サーモスタットバルブ7→第3冷却水路8→機械式ウォーターポンプ10の順で冷却水が流れる循環回路に加え、機械式ウォーターポンプ10→ブロック側冷却水路2b→ヘッド側冷却水路2a→第1ヒータホース11a→電動ウォーターポンプ14→第2ヒータホース11b→燃料電池13→第3ヒータホース11c→流路切換弁17→第4ヒータホース11d→ヒータコア12→第5ヒータホース11e→第6ヒータホース11f→第3冷却水路8→機械式ウォーターポンプ10の順で冷却水が流れる循環回路が成立する。
【0077】
上記したような循環回路が成立すると、内燃機関1から流出した高温の冷却水は、第1ヒータホース11a、電動ウォーターポンプ14、第2ヒータホース11b、燃料電池13、第3ヒータホース11c、流路切換弁17、及び第4ヒータホース11dを経由してヒータコア12に流入することになり、ヒータコア12において冷却水と暖房用空気との間で熱交換が行われるようになる。つまり、ヒータコア12において冷却水の熱が暖房用空気へ伝達され、暖房用空気が暖められる。ヒータコア12において暖められた暖房用空気は、ヒータブロア120によって車室内へ圧送される。
【0078】
尚、イグニッションスイッチがオン状態にあり、且つ、ヒータスイッチ21がオン状態にあるときに内燃機関1の運転が停止されると、ECU20は、燃料電池13を作動させ、燃料電池13により発電された電力を電動ウォーターポンプ14及びヒータブロア120へ供給し、更に第1のタンク用通路15aを遮断し且つ第3ヒータホース11cと第4ヒータホース11dとを導通させるべく流路切換弁17を制御する。
【0079】
この場合、機械式ウォーターポンプ10が作動せずに電動ウォーターポンプ14のみが作動するため、図8に示すように、電動ウォーターポンプ14→第2ヒータホース11b→燃料電池13→第3ヒータホース11c→流路切換弁17→第4ヒータホース11d→ヒータコア12→第5ヒータホース11e→第6ヒータホース11f→第3冷却水路8→機械式ウォーターポンプ10→ブロック側冷却水路2b→ヘッド側冷却水路2a→第1ヒータホース11a→電動ウォーターポンプ14の順で冷却水が流れる循環回路が成立する。
【0080】
このような循環回路が成立すると、内燃機関1およびまたは燃料電池13で発生した熱が冷却水を媒体としてヒータコア12へ伝達されるため、ヒータコア12において冷却水と暖房用空気との間で熱交換を行うことが可能となり、暖房用空気が暖められることになる。
【0081】
次に、蓄熱タンク16に高温の冷却水を貯蔵する方法について述べる。
蓄熱タンク16に高温の冷却水を貯蔵する場合に、ECU20は、図9に示すような蓄熱制御ルーチンを実行する。この蓄熱制御ルーチンは、予めECU20のROM等に記憶されているルーチンであり、所定時間毎に繰り返し実行されるルーチンである。
【0082】
蓄熱制御ルーチンでは、ECU20は、先ずS901において蓄熱完了フラグの値が“1”でないか否かを判別する。蓄熱完了フラグは、予めECU20のRAMなどに設定された記憶領域であり、蓄熱タンク16内に高温の冷却水が貯蔵された時に“1”がセットされ、イグニッションスイッチ22がオフからオンへ切り換えられたときに“0”がリセットされる。
【0083】
前記S901において蓄熱完了フラグの値が“1”であると判定された場合は、ECU20は、蓄熱タンク16内に高温の冷却水が既に貯蔵されているとみなし、S913へ進み、通常通りの制御を行う。
【0084】
一方、前記S901において蓄熱完了フラグの値が“1”ではないと判定された場合は、ECU20は、蓄熱タンク16内に高温の冷却水が未だ貯蔵されていないとみなし、S902へ進む。
【0085】
S902では、ECU20は、水温センサ19の出力信号値(冷却水温度):THWを読み込む。
【0086】
S903では、ECU20は、前記S902で読み込まれた冷却水温度:THWが蓄熱に適した温度であるか否か(蓄熱適合温度)以上であるか否かを判別する。
【0087】
前記S903において冷却水温度:THWが蓄熱適合温度未満であると判定された場合は、ECU20は、S904へ進む。S904では、ECU20は、燃料電池13を作動させ、燃料電池13の作動時に発生する熱により冷却水を加熱する。尚、燃料電池13が既に作動状態にある場合には、前記S904の処理がスキップされるようにしてもよい。
【0088】
ECU20は、前記S903において冷却水温度:THWが蓄熱適合温度以上であると判定した場合、若しくは、前記S904の処理を実行し終えた場合には、S905へ進み、内燃機関1が運転状態にあるか否かを判別する。
【0089】
前記S905において内燃機関1が運転停止状態にあるときは、S906へ進み、燃料電池13を作動させるとともに、燃料電池13により発電された電力を電動ウォーターポンプ14へ供給する。尚、燃料電池13が既に作動状態にある場合には、ECU20は、電動ウォーターポンプ14のみを作動させる。
【0090】
ECU20は、前記S905において内燃機関1が運転状態にあると判定された場合、又は前記S906の処理を実行し終えた場合に、S907へ進み、ヒータスイッチ21がオフであるか否かを判別する。
【0091】
前記S907においてヒータスイッチ21がオフであると判定された場合は、ECU20は、S908へ進み、第4ヒータホース11dを遮断し且つ第3ヒータホース11cと第1のタンク用通路15aとを導通させるべく流路切換弁17を制御する。
【0092】
この場合、前述した図2の説明で述べた循環回路と同一の循環回路が成立することになるため、燃料電池13から流出した冷却水がヒータコア12や内燃機関1などを経由することなく直接的に蓄熱タンク16へ到達することが可能となり、燃料電池13で発生した熱が不要に放熱されることなく蓄熱タンク16に蓄えられるようになる。
【0093】
一方、前記S907においてヒータスイッチ21がオンであると判定された場合は、ECU20は、S909へ進み、第3ヒータホース11c、第4ヒータホース11d、及び第1のタンク用通路15aの全てを導通させるべく流路切換弁17を制御する。
【0094】
続いてECU20は、S910において、ヒータブロア120を作動させるべく該ヒータブロア120に駆動電力を供給する。
【0095】
この場合、前述した図8の説明で述べた循環回路と同一の循環回路が成立すると同時に、前述した図2の説明で述べた循環回路と同一の循環回路も成立するため、燃料電池13から流出した冷却水がヒータコア12や内燃機関1などを経由することなく直接的に蓄熱タンク16へ到達することが可能となり、燃料電池13で発生した熱が不要に放熱されることなく蓄熱タンク16に蓄えられるようになる。
【0096】
前記したS908又はS910の処理を実行し終えたECU20は、S911へ進み、蓄熱処理が完了したか否かを判別する。この判別方法としては、蓄熱タンク16内の冷却水が全て入れ替わるまでに要する時間(入替所要時間)を予め実験的に求めておき、蓄熱処理の実行開始(例えば、S908又はS909の実行時期)からの経過時間が前記した入替所要時間以上となった時点で蓄熱処理が完了したと判定する方法を例示することができる。
【0097】
前記S911において蓄熱処理が完了していないと判定された場合は、ECU20は、蓄熱処理が完了するまで前記S911の処理を繰り返し実行する。
【0098】
前記S911において蓄熱処理が完了したと判定された場合は、ECU20は、S912へ進み、蓄熱完了フラグに“1”をセットする。
【0099】
S912では、ECU20は、燃料電池13、電動ウォーターポンプ14、流路切換弁17を通常どおりに制御し、本ルーチンの実行を終了する。
【0100】
以上述べた実施の形態では、燃料電池13から流出した冷却水を蓄熱タンク16内に貯蔵することができるため、内燃機関1の運転が短時間で停止される場合のように冷却水の温度が蓄熱適合温度以上へ上昇する前に内燃機関1の運転が停止される場合であっても、燃料電池13が発生した熱を利用して確実な蓄熱を行うことが可能となる。
【0101】
従って、本実施の形態に係るハイブリットシステムの蓄熱装置によれば、蓄熱タンク16内に貯蔵された蓄熱温水を利用して内燃機関1を好適に暖機することが可能となる。
【0102】
また、本実施の形態に係るハイブリットシステムの蓄熱装置では、内燃機関1と燃料電池13とが同一の冷却系に配置されるため、冷却系の構成を簡略化することが可能になるとともに、内燃機関1で発生した熱又は蓄熱タンク16内に蓄えられた熱を利用して燃料電池13の予熱を行うことも可能となる。更に、燃料電池13が発生した熱をその場で内燃機関1へ供給することにより、内燃機関1の暖機を促進させることも可能となる。
【0103】
<実施の形態2>
次に、本発明に係るハイブリットシステムの蓄熱装置の第2の実施の形態について図10〜図13に基づいて説明する。ここでは、前述した第1の実施の形態と異なる構成について説明し、同一の構成については説明を省略する。
【0104】
本実施の形態に係るハイブリットシステムの蓄熱装置では、図10に示すように、第3ヒータホース11cと第6ヒータホース11fとの間に蓄熱タンク16を迂回するバイパス通路24が設けられるとともに、このバイパス通路24の途中に該バイパス通路24を開閉する通路開閉弁25が設けられている。更に、燃料電池13には、該燃料電池13内を循環する冷却水の温度に対応した電気信号を出力する電池内水温センサ130が設けられ、蓄熱タンク16には、該蓄熱タンク16内の冷却水の温度に対応した電気信号を出力するタンク内水温センサ160が設けられている。
【0105】
以下では、第3ヒータホース11cにおいてバイパス通路24との接続部位を基準として燃料電池13側に位置する部位を上流側第3ヒータホース110cと称するとともに流路切換弁17側に位置する部位を下流側第3ヒータホース111cと称し、第6ヒータホース11fにおいてバイパス通路24との接続部位を基準として第5ヒータホース11e側に位置する部位を上流側第6ヒータホース110fと称するとともに第3冷却水路8側に位置する部位を下流側第6ヒータホース111fと称するものとする。
【0106】
本実施の形態と前述した第1の実施の形態との差異は、前述した第1の実施の形態では内燃機関1を予熱する際に蓄熱タンク16内の蓄熱温水を利用して内燃機関1を予熱するのに対し、本実施の形態では内燃機関1を予熱する際に燃料電池13を循環する冷却水と蓄熱タンク16内の冷却水とのうち温度の高い方の冷却水を利用して内燃機関1を予熱する点にある。
【0107】
具体的には、ECU20は、内燃機関1を予熱する際に、電池内水温センサ130の出力信号値(以下、電池内水温と称する)とタンク内水温センサ160の出力信号値(以下、タンク内水温と称する)を読み込む。
【0108】
ECU20は、前記電池内水温と前記タンク内水温とを比較する。タンク内水温が電池内水温より高い場合は、ECU20は、バイパス通路24を遮断すべく通路開閉弁25を制御し、第4ヒータホース11dを遮断し且つ下流側第3ヒータホース111cと第1のタンク用通路15aとを導通させるべく流路切換弁17を制御し、更に電動ウォーターポンプ14を作動させるべく該電動ウォーターポンプ14に駆動電力を供給する。
【0109】
この場合、図11に示すように、電動ウォーターポンプ14→第2ヒータホース11b→燃料電池13→第3ヒータホース11c(上流側第3ヒータホース110c→下流側第3ヒータホース111c)→流路切換弁17→第1のタンク用通路15a→蓄熱タンク16→第2のタンク用通路15b→第6ヒータホース11f(上流側第6ヒータホース110f→下流側第6ヒータホース111f)→第3冷却水路8→機械式ウォーターポンプ10→ブロック側冷却水路2b→ヘッド側冷却水路2a→第1ヒータホース11a→電動ウォーターポンプ14の順に冷却水が流れる循環回路が成立する。
【0110】
このような循環回路が成立すると、電動ウォーターポンプ14から吐出された冷却水が第2ヒータホース11b、燃料電池13、第3ヒータホース11c、流路切換弁17、及び第1のタンク用通路15aを介して蓄熱タンク16に流入し、それと入れ代わりに蓄熱タンク16内に蓄熱状態で貯蔵されていた蓄熱温水が該蓄熱タンク16から排出される。蓄熱タンク16から排出された蓄熱温水は、第2のタンク用通路15b、第6ヒータホース11f、第3冷却水路8、及び機械式ウォーターポンプ10を経由してブロック側冷却水路2bに流入し、次いでヘッド側冷却水路2aに流入することになる。
【0111】
蓄熱温水が内燃機関1のヘッド側冷却水路2a及びブロック側冷却水路2bに流入すると、それと入れ代わりにヘッド側冷却水路2a及びブロック側冷却水路2bに元々滞留していた低温の冷却水がヘッド側冷却水路2a及びブロック側冷却水路2bから第1ヒータホース11aへ流出する。
【0112】
この結果、内燃機関1では、蓄熱温水の熱がヘッド側冷却水路2a及びブロック側冷却水路2bの壁面に伝達される。その際、蓄熱タンク16から流出した蓄熱温水がヒータコア12や燃料電池13などを経由することなく直接的に内燃機関1に流入するため、蓄熱タンク16から内燃機関1へ至る経路において蓄熱温水の不要な放熱が抑制され、蓄熱タンク16に蓄えられていた熱が効率的に内燃機関1へ伝達される。
【0113】
従って、内燃機関1の吸気ポートや燃焼室の壁面温度を効率的に暖めることが可能となり、内燃機関1の始動時及び始動後において燃料の気化が促進されるとともに混合気の温度が上昇し、以て壁面付着燃料量の減少、燃焼の安定化、始動性の向上、及び排気エミッションの向上を図ることが可能となる。
【0114】
一方、電池内水温がタンク内水温より高い場合は、ECU20は、バイパス通路24を導通させるべく通路開閉弁25を制御し、下流側第3ヒータホース111cを遮断すべく流路切換弁17を制御し、更に電動ウォーターポンプ14を作動させるべく該電動ウォーターポンプ14に駆動電力を供給する。
【0115】
この場合、図12に示すように、電動ウォーターポンプ14→第2ヒータホース11b→燃料電池13→上流側第3ヒータホース110c→バイパス通路24→下流側第6ヒータホース111f→第3冷却水路8→機械式ウォーターポンプ10→ブロック側冷却水路2b→ヘッド側冷却水路2a→第1ヒータホース11a→電動ウォーターポンプ14の順に冷却水が流れる循環回路が成立する。
【0116】
このような循環回路が成立すると、電動ウォーターポンプ14から吐出された冷却水が第2ヒータホース11bを介して燃料電池13に流入し、それと入れ代わりに燃料電池13内の高温の冷却水が該燃料電池13から排出される。燃料電池13から排出された冷却水は、上流側第3ヒータホース110c、バイパス通路24、下流側第6ヒータホース111f、第3冷却水路8、及び機械式ウォーターポンプ10を介してブロック側冷却水路2b及びヘッド側冷却水路2aに流入することになる。
【0117】
燃料電池13からの高温の冷却水が内燃機関1のヘッド側冷却水路2a及びブロック側冷却水路2bに流入すると、それと入れ代わりにヘッド側冷却水路2a及びブロック側冷却水路2bに元々滞留していた低温の冷却水がヘッド側冷却水路2a及びブロック側冷却水路2bから第1ヒータホース11aへ流出する。
【0118】
この結果、内燃機関1では、高温の冷却水の熱がヘッド側冷却水路2a及びブロック側冷却水路2bの壁面に伝達される。その際、燃料電池13から流出した冷却水は、蓄熱タンク16などを経由することなく直接的に内燃機関1へ流入することになるため、燃料電池13から内燃機関1へ至る経路において冷却水の不要な放熱が抑制され、燃料電池13の熱が効率的に内燃機関1へ伝達される。
【0119】
従って、内燃機関1の吸気ポートや燃焼室の壁面温度を効率的に暖めることが可能となり、内燃機関1の始動時及び始動後において燃料の気化が促進されるとともに混合気の温度が上昇し、以て壁面付着燃料量の減少、燃焼の安定化、始動性の向上、及び排気エミッションの向上を図ることが可能となる。
【0120】
尚、前記したタンク内水温と電池内水温とが等しい場合には、蓄熱タンク16内の蓄熱温水を利用して内燃機関1の予熱を行い、燃料電池13の作動に係る燃料消費量を低減するようにしてもよい。
【0121】
また、前記したタンク内水温及び電池内水温が低い場合には、ECU20は、燃料電池13を強制作動させて燃料電池13内の冷却水温度を高め、電池内水温センサ130の出力信号値が蓄熱適合温度以上となった時点で前記した図12に示すような循環回路を成立させるようにしてもよい。
【0122】
以下、内燃機関1を予熱する方法について図13に沿って具体的に説明する。
図13は、予熱制御ルーチンを示すフローチャート図である。この予熱制御ルーチンは、予めECU20のROMに記憶されているルーチンであり、イグニッションスイッチ22がオフからオンへ切り換えられた時に実行される。
【0123】
予熱制御ルーチンにおいて、ECU20は、先ずS1301において、イグニッションスイッチ22がオンであるか否かを判別する。
【0124】
ECU20は、前記S1301においてイグニッションスイッチがオフであると判定した場合は本ルーチンの実行を終了し、前記S1301においてイグニッションスイッチ22がオンであると判定した場合はS1302へ進む。
【0125】
S1302では、ECU20は、予熱完了フラグの値が“1”であるか否かを判別する。予熱完了フラグは、予めECU20のRAMなどに設定された記憶領域であり、内燃機関1の予熱が完了した時に“1”がセットされ、イグニッションスイッチ22がオンからオフへ切り換えられたときに“0”がリセットされる。
【0126】
前記S1302において予熱完了フラグの値が“1”であると判定された場合は、ECU20は、内燃機関1の予熱が既に完了しているとみなし、S1316へ進み、内燃機関1を始動させ、本ルーチンの実行を終了する。
【0127】
前記S1302において予熱完了フラグの値が“0”であると判定された場合は、ECU20は、内燃機関1の予熱が未だ完了していないとみなし、S1303へ進む。
【0128】
S1303では、ECU20は、水温センサ19の出力信号値(以下、機関側水温と称する):THWeを読み込む。
【0129】
S1304では、ECU20は、前記S1303で読み込まれた機関側水温:THWeが所定温度未満であるか否かを判別する。前記した所定温度は、例えば、内燃機関1の暖機が完了した後の水温に相当する温度である。
【0130】
前記S1304において機関側水温:THWeが所定温度以上であると判定された場合は、ECU20は、内燃機関1を予熱する必要がないとみなし、S1316へ進み、内燃機関1を始動させて本ルーチンの実行を終了する。
【0131】
前記S1304において機関側水温:THWeが所定温度未満であると判定された場合は、ECU20は、内燃機関1を予熱する必要があるとみなし、S1305へ進む。S1305では、ECU20は、電池内水温センサ130の出力信号値(電池内水温):THWcと、タンク内水温センサ160の出力信号値(タンク内水温):THWtとを読み込む。
【0132】
S1306では、ECU20は、前記S1305で読み込まれた電池内水温:THWeとタンク内水温:THWtとを比較し、タンク内水温:THWtが電池内水温:THWe以上であるか否かを判別する。
【0133】
前記S1306においてタンク内水温:THWtが電池内水温:THWe以上であると判定された場合は、ECU20は、S1307〜S1309において蓄熱タンク16内の蓄熱温水を利用して内燃機関1の予熱を行う。
【0134】
具体的には、ECU20は、S1307において、バイパス通路24を遮断すべく通路開閉弁25を制御する。
【0135】
S1308では、ECU20は、第4ヒータホース11dを遮断すべく流路切換弁17を制御する。
【0136】
S1309では、ECU20は、電動ウォーターポンプ14を作動させるべく該電動ウォーターポンプ14へ駆動電力を供給する。
【0137】
このようにS1307〜S1309の処理が行われると、前述した図11の説明で述べたように、電動ウォーターポンプ14→第2ヒータホース11b→燃料電池13→第3ヒータホース11c(上流側第3ヒータホース110c→下流側第3ヒータホース111c)→流路切換弁17→第1のタンク用通路15a→蓄熱タンク16→第2のタンク用通路15b→第6ヒータホース11f(上流側第6ヒータホース110f→下流側第6ヒータホース111f)→第3冷却水路8→機械式ウォーターポンプ10→ブロック側冷却水路2b→ヘッド側冷却水路2a→第1ヒータホース11a→電動ウォーターポンプ14の順に冷却水が流れる循環回路が成立する。
【0138】
前記した循環回路が成立すると、蓄熱タンク16内の蓄熱温水が不要に放熱されることなく内燃機関1に供給されるため、内燃機関1が効率的に暖機され、内燃機関1の始動時及び始動後において燃料の気化が促進されるとともに混合気の温度が上昇し、以て壁面付着燃料量の減少、燃焼の安定化、始動性の向上、及び排気エミッションの向上を図ることが可能となる。
【0139】
一方、前記S1306においてタンク内水温:THWtが電池内水温:THWe未満であると判定された場合は、ECU20は、S1310〜S1312において燃料電池13内の冷却水を利用して内燃機関1の予熱を行う。
【0140】
具体的には、ECU20は、S1310において、バイパス通路24を開放すべく通路開閉弁25を制御する。
【0141】
S1311では、ECU20は、第3ヒータホース11c(上流側第3ヒータホース110c)を遮断すべく流路切換弁17を制御する。
【0142】
S1312では、ECU20は、電動ウォーターポンプ14を作動させるべく該電動ウォーターポンプ14へ駆動電力を供給する。
【0143】
このようにS1310〜S1312の処理が行われると、前述した図12の説明で述べたように、電動ウォーターポンプ14→第2ヒータホース11b→燃料電池13→上流側第3ヒータホース110c→バイパス通路24→下流側第6ヒータホース111f→第3冷却水路8→機械式ウォーターポンプ10→ブロック側冷却水路2b→ヘッド側冷却水路2a→第1ヒータホース11a→電動ウォーターポンプ14の順に冷却水が流れる循環回路が成立する。
【0144】
前記した循環回路が成立すると、燃料電池13内の高温の冷却水が不要に放熱されることなく内燃機関1に供給されるため、内燃機関1が効率的に暖機され、内燃機関1の始動時及び始動後において燃料の気化が促進されるとともに混合気の温度が上昇し、以て壁面付着燃料量の減少、燃焼の安定化、始動性の向上、及び排気エミッションの向上を図ることが可能となる。
【0145】
前記したS1309又はS1312の処理を実行し終えたECU20は、S1313へ進み、予熱が完了したか否かを判別する。この判別方法としては、蓄熱タンク16又は燃料電池13から流出した冷却水が内燃機関1のヘッド側冷却水路2aに到達するまでに要する時間(温水到達時間)を予め実験的に求めておき、電動ウォーターポンプ14が作動開始した時点からの経過時間が前記温水到達時間以上となった時点で予熱が完了したと判定する方法を例示することができる。
【0146】
前記S1313において予熱が完了していないと判定された場合は、ECU20は、予熱が完了するまで前記したS1313の処理を繰り返し実行する。
【0147】
前記S1313において予熱が完了したと判定された場合は、ECU20は、S1314へ進み、前記した予熱完了フラグに“1”をセットする。
【0148】
S1315では、ECU20は、ECU20は、電動ウォーターポンプ14の作動を停止すべく該電動ウォーターポンプ14に対する駆動電力の供給を停止する。
【0149】
S1316では、ECU20は、内燃機関1を始動させ、本ルーチンの実行を終了する。
【0150】
以上述べた実施の形態では、蓄熱タンク16内の冷却水と燃料電池13内の冷却水とのうち温度の高い方の冷却水を選択して内燃機関1を予熱することができるため、当該ハイブリットシステムを搭載した車両が長期間にわたって放置された場合のように蓄熱タンク16内の冷却水温度が低下した場合などに、燃料電池13の熱を利用して内燃機関1を予熱することが可能となる。
【0151】
更に、蓄熱タンク16内の冷却水又は燃料電池13内の冷却水は、熱容量が大きい部材を経由することなく内燃機関1へ到達することが可能であるため、蓄熱タンク16内に蓄えられた熱又は燃料電池13の熱を効率的に内燃機関1へ伝達することが可能となる。
【0152】
従って、本実施の形態にかかるハイブリットシステムの蓄熱装置によれば、蓄熱タンク16内の冷却水又は燃料電池13内の冷却水を利用して内燃機関1を効率的に暖機することが可能となる。
【0153】
<実施の形態3>
次に、本発明に係るハイブリットシステムの蓄熱装置の第3の実施の形態について図14〜図22に基づいて説明する。ここでは前述した第1の実施の形態と異なる構成について説明し、同一の構成については説明を省略する。
【0154】
前述した第1の実施の形態では内燃機関1と燃料電池13とが同一の冷却系に配置される場合を例に挙げて説明したが、本実施の形態では内燃機関1と燃料電池13とが互いに独立した冷却系に配置される場合を例に挙げて説明する。
【0155】
図14は、本実施の形態に係るハイブリットシステムを搭載した車両の冷却水循環系を示す図である。
【0156】
図14に示されるように、本実施の形態における冷却水循環系は、内燃機関1用の冷却水循環系と燃料電池13用の冷却水循環系とを備えている。
【0157】
内燃機関1用の冷却水循環系では、内燃機関1のヘッド側冷却水路2aに第1冷却水路4が接続され、その第1冷却水路4がラジエター5の冷却水流入口に接続されている。ラジエター5の冷却水流出口は、第2冷却水路6を介してサーモスタットバルブ7に接続されている。
【0158】
前記サーモスタットバルブ7には、前記した第2冷却水路6に加えて、第3冷却水路8と第4冷却水路9とが接続されている。前記第3冷却水路8は、機械式ウォーターポンプ10の吸込口に接続され、この機械式ウォーターポンプ10の吐出口は前記ブロック側冷却水路2bに接続されている。一方、前記第4冷却水路9は、前記ヘッド側冷却水路2aに連通している。
【0159】
前記第3冷却水路8における機械式ウォーターポンプ10の直上流の部位には、該第3冷却水路8内を流れる冷却水の温度、すなわち内燃機関1に流入する冷却水の温度に対応した電気信号を出力する水温センサ19が取り付けられている。
【0160】
また、内燃機関1のヘッド側冷却水路2aには、ヒータホース11の基端が接続され、そのヒータホース11の終端が第3冷却水路8の途中に接続されている。
【0161】
前記ヒータホース11の途中には、ヒータコア12が配置され、このヒータコア12には、ヒータブロア120が併設されている。
【0162】
前記ヒータホース11において該ヒータホース11の基端とヒータコア12との間に位置する部位には、タンク出口通路26の終端が接続されている。タンク出口通路26の基端は、蓄熱タンク16の冷却水出口16bと一方向弁16dを介して接続されている。
【0163】
前記タンク出口通路26の途中には、タンク用電動ウォーターポンプ29が配置されている。尚、タンク用電動ウォーターポンプ29は、タンク出口通路26の基端側から終端側へ冷却水を圧送するよう配置されている。
【0164】
前記蓄熱タンク16の冷却水入口16aには、タンク入口通路27の終端が接続されている。このタンク入口通路27の基端は、前記したヒータホース11における該ヒータホース11の終端とヒータコア12との間に位置する部位と接続されている。
【0165】
次に、燃料電池13用の冷却水循環系について述べる。
【0166】
燃料電池13用の冷却水循環系では、燃料電池13に電池出口通路30が接続され、この電池出口通路30は電池用ラジエター31の冷却水流入口に接続されている。前記電池用ラジエター31の冷却水流出口には、電池入口通路32が接続されれ、この電池入口通路32は、燃料電池13に接続されている。
【0167】
この電池入口通路32と前記した電池出口通路30とは、電池用ラジエター31を迂回するバイパス通路33により連通している。前記バイパス通路24と前記電池入口通路32との接続部位には、電池用サーモスタットバルブ34が設けられている。
【0168】
前記電池用サーモスタットバルブ34は、該電池用サーモスタットバルブ34を流通する冷却水の温度が所定の開弁温度未満であるときは、電池入口通路32における該電池用サーモスタットバルブ34より電池用ラジエター31側の通路を遮断し、且つ、電池入口通路32における該電池用サーモスタットバルブ34より燃料電池13側の通路とバイパス通路33とを連通させ、該電池用サーモスタットバルブ34を流通する冷却水の温度が所定の開弁温度以上であるときは、バイパス通路33を遮断し、電池入口通路32における該電池用サーモスタットバルブ34より電池用ラジエター31側の通路と燃料電池13側の通路とを連通させるよう構成されている。
【0169】
前記した電池出口通路30の途中には、該電池出口通路30内の冷却水を燃料電池13側から電池用ラジエター31側へ向けて圧送する電池用電動ウォーターポンプ35が設けられている。この電池用電動ウォーターポンプ35と燃料電池13との間に位置する電池出口通路30には、該電池出口通路30内の冷却水の温度に対応した電気信号を出力する電池側水温センサ300が設けられている。
【0170】
このように構成された内燃機関1用の冷却水循環系と燃料電池13用の冷却水循環系とは、二本の連通路50、51により相互に接続されている。
【0171】
具体的には、タンク出口通路26における蓄熱タンク16とタンク用電動ウォーターポンプ29との間の部位と、電池入口通路32における燃料電池13と差4との間の部位とは、第1の連通路50により接続されている。そして、タンク入口通路27の途中の部位と、電池出口通路30における電池用ラジエター31と電池用電動ウォーターポンプ35との間の部位とは、第2の連通路51により接続されている。
【0172】
ここで、ヒータホース11において、該ヒータホース11の基端とタンク出口通路26の終端との間に位置する部位を第1ヒータホース11gと称し、タンク出口通路26の終端とヒータコア12との間に位置する部位を第2ヒータホース11hと称し、ヒータコア12とタンク入口通路27の基端との間に位置する部位を第3ヒータホース11iと称し、タンク入口通路27の基端と該ヒータホース11の終端との間に位置する部位を第4ヒータホース11jと称するものとする。
【0173】
タンク出口通路26において、第1の連通路50の接続部位と蓄熱タンク16との間に位置する部位を第1のタンク出口通路26aと称し、第1の連通路50の接続部位とタンク用電動ウォーターポンプ29との間に位置する部位を第2のタンク出口通路26bと称し、タンク用電動ウォーターポンプ29と該タンク出口通路26の終端との間に位置する部位を第3のタンク出口通路26cと称するものとする。
【0174】
タンク入口通路27において、第1の連通路50の接続部位と該タンク入口通路27の基端との間に位置する部位を第1のタンク入口通路27aと称し、第1の連通路50の接続部位と蓄熱タンク16との間に位置する部位を第2のタンク入口通路27bと称するものとする。
【0175】
電池出口通路30において、燃料電池13と電池用電動ウォーターポンプ35との間に位置する部位を第1の電池出口通路30aと称し、第2の連通路51の接続部位と電池用電動ウォーターポンプ35との間に位置する部位を第2の電池出口通路30bと称し、第2の連通路51の接続部位とバイパス通路33の接続部位との間に位置する部位を第3の電池出口通路30cと称し、バイパス通路24の接続部位と電池用ラジエター31との間に位置する部位を第4の電池出口通路30dと称するものとする。
【0176】
電池入口通路32において、電池用ラジエター31と電池用サーモスタットバルブ34との間に位置する部位を第1の電池入口通路32aと称し、第1の連通路50の接続部位と電池用サーモスタットバルブ34との間に位置する部位を第2の電池入口通路32bと称し、第1の連通路50の接続部位と燃料電池13との間に位置する部位を第3の電池入口通路32cと称するものとする。
【0177】
次に、本実施の形態における冷却水循環系は、第1ヒータホース11gと第2ヒータホース11hと第3のタンク出口通路26cとの接続部位に設けられた第1の流路切換弁28と、第1のタンク出口通路26aと第2のタンク出口通路26bと第1の連通路50との接続部位に設けられた第2の流路切換弁52と、第1のタンク入口通路27aと第2のタンク入口通路27bと第2の連通路51との接続部位に設けられた第3の流路切換弁53と、を備えている。
【0178】
更に、本実施の形態における冷却水循環系は、該冷却水循環系を制御するための電子制御ユニット(Electronic Control Unit:ECU)20を備えている。このECU20には、水温センサ19、ヒータスイッチ21、イグニッションスイッチ22、スタータスイッチ23、タンク用電動ウォーターポンプ29、ヒータブロア120、電池用電動ウォーターポンプ35、及び電池側水温センサ300が電気的に接続されている。更に、図示していないが、第1の流路切換弁28、第2の流路切換弁52、及び第3の流路切換弁53も電気配線を介してECU20に接続されている。
【0179】
ECU20は、内燃機関1の運転状態や各種センサの出力信号値等をパラメータとして、第1の流路切換弁28、タンク用電動ウォーターポンプ29、電池用電動ウォーターポンプ35、第2の流路切換弁52、第3の流路切換弁53、スタータモータ100、及びヒータブロア120を制御する。
【0180】
以下、この実施の形態におけるハイブリットシステムの蓄熱装置の作用について説明する。
【0181】
先ず、内燃機関1の始動に先駆けて該内燃機関1を予熱する場合について説明する。ここでは、蓄熱タンク16内に予め高温の冷却水が貯蔵されているものとする。
【0182】
ECU20は、内燃機関1のクランキングが開始される前、例えば、イグニッションスイッチ22がオフからオンへ切り換えられたときに、第2ヒータホース11hを遮断し且つ第1ヒータホース11gと第3のタンク出口通路26cを導通させるべく第1の流路切換弁28を制御し、第1の連通路50を遮断し且つ第1のタンク出口通路26aと第2のタンク出口通路26bを導通させるべく第2の流路切換弁52を制御し、第2の連通路51を遮断し且つ第1のタンク入口通路27aと第2のタンク入口通路27bを導通させるべく第3の流路切換弁53を制御し、更にタンク用電動ウォーターポンプ29を作動させるべく該タンク用電動ウォーターポンプ29に駆動電力を供給する。
【0183】
この場合、機械式ウォーターポンプ10が作動せずに、タンク用電動ウォーターポンプ29のみが作動するため、図15に示すように、タンク用電動ウォーターポンプ29→第3のタンク出口通路26c→第1の流路切換弁28→第1ヒータホース11g→ヘッド側冷却水路2a→ブロック側冷却水路2b→機械式ウォーターポンプ10→第3冷却水路8→第4ヒータホース11j→第1のタンク入口通路27a→第3の流路切換弁53→第2のタンク入口通路27b→蓄熱タンク16→第1のタンク出口通路26a→第2の流路切換弁52→第2のタンク出口通路26b→タンク用電動ウォーターポンプ29の順に冷却水が流れる循環回路が成立する。
【0184】
前記した循環回路が成立すると、蓄熱タンク16内に貯蔵されていた蓄熱温水が該蓄熱タンク16から、タンク出口通路26(第1のタンク出口通路26a→第2の流路切換弁52→第2のタンク出口通路26b→タンク用電動ウォーターポンプ29→第3のタンク出口通路26c)、第1の流路切換弁28、第1ヒータホース11gを介して内燃機関1のヘッド側冷却水路2a及びブロック側冷却水路2bへ流入することになる。
【0185】
蓄熱タンク16からの蓄熱温水が内燃機関1のヘッド側冷却水路2a及びブロック側冷却水路2bに流入すると、それと入れ代わりにヘッド側冷却水路2a及びブロック側冷却水路2bに元々滞留していた低温の冷却水がヘッド側冷却水路2a及びブロック側冷却水路2bから第3冷却水路8へ排出される。
【0186】
この結果、内燃機関1では、蓄熱温水の熱がヘッド側冷却水路2a及びブロック側冷却水路2bの壁面に伝達される。その際、蓄熱タンク16から流出した蓄熱温水がヒータコア12等のように熱容量の大きな部材を経由することなく直接的に内燃機関1に流入するため、蓄熱タンク16から内燃機関1へ至る経路において蓄熱温水の不要な放熱が抑制され、蓄熱タンク16に蓄えられていた熱が効率的に内燃機関1へ伝達される。
【0187】
従って、内燃機関1の吸気ポートや燃焼室の壁面温度を効率的に暖めることが可能となり、内燃機関1の始動時及び始動後において燃料の気化が促進されるとともに混合気の温度が上昇し、以て壁面付着燃料量の減少、燃焼の安定化、始動性の向上、及び排気エミッションの向上を図ることが可能となる。特に、本実施の形態では、蓄熱タンク16からの蓄熱温水がブロック側冷却水路2bより先にヘッド側冷却水路2aに流入するため、吸気ポートや燃焼室の壁面を効率的に暖めることができる。
【0188】
次に、スタータスイッチ23がオフからオンへ切り換えられると、ECU20は、タンク用電動ウォーターポンプ29に対する駆動電力の供給を停止した後に、スタータモータ100や図示しない燃料噴射弁等に駆動電力を印加して内燃機関1のクランキングを開始し、以て内燃機関1を始動させる。
【0189】
内燃機関1のクランキングが開始されると、クランクシャフトの回転トルクによって機械式ウォーターポンプ10が駆動される。これに対応してECU20は、第1ヒータホース11gを遮断すべく第1の流路切換弁28を制御する。
【0190】
その際、冷却水の温度がサーモスタットバルブ7の開弁より低ければ、サーモスタットバルブ7は、第2冷却水路6を遮断すると同時に第4冷却水路9を開放する。
【0191】
この場合、図16に示すように、機械式ウォーターポンプ10→ブロック側冷却水路2b→ヘッド側冷却水路2a→第4冷却水路9→サーモスタットバルブ7→第3冷却水路8→機械式ウォーターポンプ10の順で冷却水が流れる循環回路が成立する。
【0192】
このような循環回路が成立した場合には、内燃機関1から流出した比較的低温の冷却水がラジエター5を迂回して流れることになるため、冷却水がラジエター5によって必要以上に冷却されることがない。
【0193】
この結果、内燃機関1が冷却水によって不要に冷却されることがなく、内燃機関1の暖機が妨げられることがない。
【0194】
内燃機関1の運転により冷却水の温度がサーモスタットバルブ7の開弁温度以上まで上昇すると、サーモスタットバルブ7が第4冷却水路9を遮断すると同時に第2冷却水路6を開放することになる。
【0195】
この場合、図17に示すように、機械式ウォーターポンプ10→ブロック側冷却水路2b→ヘッド側冷却水路2a→第1冷却水路4→ラジエター5→第2冷却水路6→サーモスタットバルブ7→第3冷却水路8→機械式ウォーターポンプ10の順で冷却水が流れる循環回路が成立する。
【0196】
このような循環回路が成立した場合には、内燃機関1から流出した比較的高温の冷却水がラジエター5を流通することになるため、冷却水の熱がラジエター5によって放熱される。この結果、冷却水の温度が適温に保たれることになる。
【0197】
内燃機関1が運転状態にあるときに、ヒータスイッチ21がオフからオンへ切り換えられると、ECU20は、タンク用電動ウォーターポンプ29を停止状態に維持し、第3のタンク出口通路26cを遮断し且つ第1ヒータホース11gと第2ヒータホース11hを導通させるべく第1の流路切換弁28を制御し、更にヒータブロア120を作動させるべく該ヒータブロア120に駆動電力を供給する。
【0198】
この場合、電動ウォーターポンプ14が作動せずに機械式ウォーターポンプ10のみが作動するため、図18に示すように、機械式ウォーターポンプ10→ブロック側冷却水路2b→ヘッド側冷却水路2a→第1冷却水路4→ラジエター5→第2冷却水路6→サーモスタットバルブ7→第3冷却水路8→機械式ウォーターポンプ10の順で冷却水が流れる循環回路に加え、機械式ウォーターポンプ10→ブロック側冷却水路2b→ヘッド側冷却水路2a→第1ヒータホース11g→第1の流路切換弁28→第2ヒータホース11h→ヒータコア12→第3ヒータホース11i→第4ヒータホース11j→第3冷却水路8→機械式ウォーターポンプ10の順で冷却水が流れる循環回路が成立する。
【0199】
上記したような循環回路が成立すると、内燃機関1から流出した高温の冷却水が第1ヒータホース11g、第1の流路切換弁28、及び第2ヒータホース11hを経由してヒータコア12に流入し、ヒータコア12において冷却水と暖房用空気との間で熱交換が行われるようになる。つまり、ヒータコア12において冷却水の熱が暖房用空気へ伝達され、暖房用空気が暖められる。ヒータコア12において暖められた暖房用空気は、ヒータブロア120によって車室内へ圧送される。
【0200】
尚、イグニッションスイッチがオン状態にあり、且つ、ヒータスイッチ21がオン状態にあるときに内燃機関1の運転が停止されると、ECU20は、第1ヒータホース11gを遮断し且つ第2ヒータホース11hと第3のタンク出口通路26cとを導通させるべく第1の流路切換弁28を制御し、第1のタンク出口通路26aを遮断し且つ第2のタンク出口通路26bと第1の連通路50とを導通させるべく第2の流路切換弁52を制御し、第2のタンク入口通路27bを遮断し且つ第1のタンク入口通路27aと第2の連通路51とを導通させるべく第3の流路切換弁53を制御し、タンク用電動ウォーターポンプ29の作動を禁止すべく該タンク用電動ウォーターポンプ29に対する駆動電力の印加を禁止し、燃料電池13を作動させ、更に電池用電動ウォーターポンプ35を作動させるべく該電池用電動ウォーターポンプ35へ駆動電力を供給する。
【0201】
この場合、タンク用電動ウォーターポンプ29が作動せずに電池用電動ウォーターポンプ35のみが作動するため、図19に示すように、電池用電動ウォーターポンプ35→第2の電池出口通路30b→第2の連通路51→第3の流路切換弁53→第1のタンク入口通路27a→第3ヒータホース11i→ヒータコア12→第2ヒータホース11h→第1の流路切換弁28→第3のタンク出口通路26c→タンク用電動ウォーターポンプ29→第2のタンク出口通路26b→第2の流路切換弁52→第1の連通路50→第3の電池入口通路32c→燃料電池13→第1の電池出口通路30a→電池用電動ウォーターポンプ35の順に冷却水が流れる循環回路が成立する。
【0202】
前記した循環回路が成立すると、燃料電池13から流出した高温の冷却水が第1の電池出口通路30a、電池用電動ウォーターポンプ35、第2の電池出口通路30b、第2の連通路51、第3の流路切換弁53、第1のタンク入口通路27a、及び第3ヒータホース11iを順次経由してヒータコア12に流入し、ヒータコア12において冷却水と暖房用空気との間で熱交換が行われるようになる。
【0203】
その際、燃料電池13から流出した冷却水は、電池用ラジエター31や蓄熱タンク16等のように熱容量が大きな部材を経由することなくヒータコア12へ流入するため、燃料電池13の熱が不要に放熱されることなくヒータコア12へ伝達されるようになる。
【0204】
この結果、内燃機関1の運転が停止されている場合であっても、暖房用空気を効率的に暖めることが可能となる。
【0205】
一方、燃料電池13が作動状態にある場合には、ECU20は、第1の連通路50を遮断すべく第2の流路切換弁52を制御し、第2の連通路51を遮断すべく第3の流路切換弁53を制御し、更に電池用電動ウォーターポンプ35を作動させるべく該電池用電動ウォーターポンプ35に駆動電力を供給する。
【0206】
その際、冷却水の温度が電池用サーモスタットバルブ34の開弁温度より低ければ、電池用サーモスタットバルブ34は、第1の電池入口通路32aを遮断すると同時にバイパス通路33を開放する。
【0207】
この場合、図20に示すように、電池用電動ウォーターポンプ35→第2の電池出口通路30b→第3の電池出口通路30c→バイパス通路33→電池用サーモスタットバルブ34→第2の電池入口通路32b→第3の電池入口通路32c→燃料電池13→第1の電池出口通路30a→電池用電動ウォーターポンプ35の順で冷却水が流れる循環回路が成立する。
【0208】
このような循環回路が成立した場合には、燃料電池13から流出した比較的低温の冷却水が電池用ラジエター31を迂回して流れることになるため、冷却水が電池用ラジエター31によって必要以上に冷却されることがない。
【0209】
燃料電池13の作動により冷却水の温度が電池用サーモスタットバルブ34の開弁温度以上まで上昇すると、電池用サーモスタットバルブ34がバイパス通路33を遮断すると同時に第1の電池入口通路32aを開放することになる。
【0210】
この場合、図21に示すように、電池用電動ウォーターポンプ35→第2の電池出口通路30b→第3の電池出口通路30c→第4の電池出口通路30d→電池用ラジエター31→第1の電池入口通路32a→電池用サーモスタットバルブ34→第2の電池入口通路32b→第3の電池入口通路32c→燃料電池13→第1の電池出口通路30a→電池用電動ウォーターポンプ35の順で冷却水が流れる循環回路が成立する。
【0211】
このような循環回路が成立した場合には、燃料電池13から流出した比較的高温の冷却水が電池用ラジエター31を流通することになるため、冷却水の熱が電池用ラジエター31によって放熱される。この結果、冷却水の温度が適温に保たれることになる。
【0212】
次に、蓄熱タンク16に高温の冷却水を貯蔵する方法について述べる。
蓄熱タンク16に高温の冷却水を貯蔵する場合には、ECU20は、図22に示すような蓄熱制御ルーチンを実行する。この蓄熱制御ルーチンは、予めECU20のROM等に記憶されているルーチンであり、所定時間毎に繰り返し実行されるルーチンである。
【0213】
蓄熱制御ルーチンでは、ECU20は、先ずS2201において内燃機関1の運転が停止されたか否かを判別する。
【0214】
前記S2201において内燃機関1の運転が停止されていないと判定された場合は、ECU20は、S2215へ進み、通常通りの制御を行う。
【0215】
一方、前記S2201において内燃機関1の運転が停止されていると判定された場合は、ECU20は、S2202へ進み、蓄熱完了フラグの値が“1”であるか否かを判別する。
【0216】
前記S2202において蓄熱完了フラグの値が“1”であると判定された場合は、ECU20は、蓄熱タンク16内に高温の冷却水が既に貯蔵されているとみなし、S2215へ進む。S2215では、ECU20は、通常通りの制御を行い、本ルーチンの実行を終了する。
【0217】
前記S2202において蓄熱完了フラグの値が“1”ではないと判定された場合は、ECU20は、蓄熱タンク16内に高温の冷却水が未だ貯蔵されていないとみなし、S2203へ進む。
【0218】
S2203では、ECU20は、水温センサ19の出力信号値(機関側水温):THWeと、電池側水温センサ300の出力信号値(電池側水温):THWcとを読み込む。
【0219】
S2204では、ECU20は、前記S2203で読み込まれた機関側水温:THWeと電池側水温:THWcとを比較し、機関側水温:THWeが電池側水温:THWc以上であるか否かを判別する。
【0220】
前記S2204において機関側水温:THWeが電池側水温:THWc以上であると判定された場合には、ECU20は、S2205へ進み、機関側水温:THWeが所定の蓄熱適合温度:T以上であるか否かを判別する。
【0221】
前記S2205において機関側水温:THWeが蓄熱適合温度:T以上であると判定された場合は、ECU20は、S2206〜S2209において内燃機関1側の冷却水を利用した蓄熱処理を実行する。
【0222】
具体的には、ECU20は、先ずS2206において、第2ヒータホース11hを遮断(第1ヒータホース11gと第3のタンク出口通路26cとを導通)させるべく第1の流路切換弁28を制御する。
【0223】
S2207では、ECU20は、第1の連通路50を遮断(第1のタンク出口通路26aと第2のタンク出口通路26bとを導通)させるべく第2の流路切換弁52を制御する。
【0224】
S2208では、ECU20は、第2の連通路51を遮断(第1のタンク入口通路27aと第2のタンク入口通路27bとを導通)させるべく第3の流路切換弁53を制御する。
【0225】
S2209では、ECU20は、タンク用電動ウォーターポンプ29を作動させるべく該タンク用電動ウォーターポンプ29へ駆動電力を供給する。
【0226】
このようにS2206〜S2209の処理が実行されると、前述した図15の説明で述べたように、タンク用電動ウォーターポンプ29→第3のタンク出口通路26c→第1の流路切換弁28→第1ヒータホース11g→ヘッド側冷却水路2a→ブロック側冷却水路2b→機械式ウォーターポンプ10→第3冷却水路8→第4ヒータホース11j→第1のタンク入口通路27a→第3の流路切換弁53→第2のタンク入口通路27b→蓄熱タンク16→第1のタンク出口通路26a→第2の流路切換弁52→第2のタンク出口通路26b→タンク用電動ウォーターポンプ29の順に冷却水が流れる循環回路が成立する。
【0227】
前記した循環回路が成立すると、内燃機関1のヘッド側冷却水路2a及びブロック側冷却水路2b内の蓄熱適合温度:T以上の冷却水が蓄熱タンク16へ供給される。
【0228】
内燃機関1からの冷却水が蓄熱タンク16へ供給されると、それと入れ代わりに蓄熱タンク16内に元々滞留していた冷却水が該蓄熱タンク16から排出される。この結果、内燃機関1内の蓄熱適合温度:T以上の冷却水が蓄熱タンク16に貯蔵されることになる。
【0229】
その際、内燃機関1から排出された冷却水は、ヒータコア12等のように熱媒体の大きな部材を経由することなく直接的に蓄熱タンク16へ供給されるため、冷却水の熱が不要に放熱されることなく蓄熱タンク16に蓄えられるようになる。
【0230】
一方、前記したS2204において機関側水温:THWeが電池側水温:THWc未満であると判定された場合には、ECU20は、S2210へ進み、電池側水温:THWcが蓄熱適合温度:T未満であるか否かを判別する。
【0231】
前記S2210において電池側水温:THWcが蓄熱適合温度:T未満であると判定された場合は、ECU20は、S2211において燃料電池13を強制的に作動させて電池側水温を上昇させる。但し、燃料電池13が既に作動状態にある場合には、燃料電池13の発電量を増加させて電池側水温の昇温を促進するようにしてもよい。
【0232】
S2212では、ECU20は、電池側水温センサ300の出力信号値(電池側水温):THWcを再度読み込み、その電池側水温:THWcが蓄熱適合温度:T以上となったか否かを判別する。
【0233】
前記S2212において電池側水温:THWcが蓄熱適合温度:T未満であると判定された場合には、ECU20は、電池側水温:THWcが蓄熱適合温度:T以上となるまで前述したS2211以降の処理を繰り返し実行する。
【0234】
前記S2212において電池側水温:THWcが蓄熱適合温度:T以上であると判定された場合には、ECU20は、S2213へ進む。
【0235】
尚、前述したS2210において電池側水温:THWcが蓄熱適合温度:T以上であると判定された場合には、ECU20は、前記したS2211〜S2212の処理をスキップしてS2213へ進む。
【0236】
S2213では、ECU20は、S2213〜S2215において燃料電池13側の冷却水を利用した蓄熱処理を実行する。
【0237】
具体的には、ECU20は、S2213において、第2のタンク出口通路26bを遮断(第1のタンク出口通路26aと第1の連通路50とを導通)させるべく第2の流路切換弁52を制御する。
【0238】
S2214では、ECU20は、第1のタンク入口通路27aを遮断(第2のタンク入口通路27bと第2の連通路51とを導通)させるべく第3の流路切換弁53を制御する。
【0239】
S2215では、ECU20は、電池用電動ウォーターポンプ35を作動させるべく該電池用電動ウォーターポンプ35に駆動電力を供給する。
【0240】
このようにS2213〜S2215の処理が実行されると、図23に示すように、電池用電動ウォーターポンプ35→第2の電池出口通路30b→第2の連通路51→第3の流路切換弁53→第2のタンク入口通路27b→蓄熱タンク16→第1のタンク出口通路26a→第2の流路切換弁52→第1の連通路50→第3の電池入口通路32c→燃料電池13→第1の電池出口通路30a→電池用電動ウォーターポンプ35の順に冷却水が流れる循環回路が成立する。
【0241】
前記した循環回路が成立すると、燃料電池13内の蓄熱適合温度:T以上の冷却水が蓄熱タンク16へ供給される。燃料電池13からの冷却水が蓄熱タンク16へ供給されると、それと入れ代わりに蓄熱タンク16内に元々滞留していた冷却水が該蓄熱タンク16から排出される。この結果、燃料電池13内の蓄熱適合温度:T以上の冷却水が蓄熱タンク16に貯蔵されることになる。
【0242】
その際、燃料電池13から排出された冷却水は、ヒータコア12や電池用ラジエター31等のように熱媒体の大きな部材を経由することなく直接的に蓄熱タンク16へ供給されるため、冷却水の熱が不要に放熱されることなく蓄熱タンク16に蓄えられるようになる。
【0243】
また、前述したS2205において機関側水温:THWeが蓄熱適合温度:T未満であると判定された場合は、ECU20は、前記したS2211〜S2215と同様の処理を実行し、電池側水温:THWcを蓄熱適合温度:T温度以上まで昇温させた後に蓄熱タンク16に貯蔵させる。
【0244】
前記S2209又は前記S2215の処理を実行し終えたECU20は、S2216へ進み、蓄熱処理が完了したか否かを判別する。
【0245】
前記S2216において蓄熱処理が完了していないと判定された場合は、ECU20は、蓄熱処理が完了するまで前記S2216の処理を繰り返し実行する。
【0246】
前記S2216において蓄熱処理が完了したと判定された場合は、ECU20は、S2217へ進み、蓄熱完了フラグに“1”をセットする。
【0247】
S2218では、ECU20は、燃料電池13、第1の流路切換弁28、タンク用電動ウォーターポンプ29、電池用電動ウォーターポンプ35、第2の流路切換弁52、及び第3の流路切換弁53を通常どおりに制御し、本ルーチンの実行を終了する。
【0248】
以上述べた実施の形態では、内燃機関1用の冷却水循環系と燃料電池13用の冷却水循環系とが独立している場合に、内燃機関1側の冷却水と燃料電池13側の冷却水とのうち温度の高い方の冷却水を蓄熱タンク16に貯蔵することができるため、内燃機関1側の冷却水のみを利用して蓄熱を行う場合に比して多くの熱を蓄えることが可能となる。更に、本実施の形態では、内燃機関1側の冷却水と燃料電池13側の冷却水の双方が蓄熱適合温度より低い場合であっても、燃料電池13を強制作動させて燃料電池13側の冷却水を昇温させることが可能となるため、所望量の熱を確実に蓄えることが可能となる。
【0249】
従って、本実施の形態に係るハイブリットシステムの蓄熱装置によれば、蓄熱タンク16内に貯蔵された蓄熱温水を利用して内燃機関1を好適に暖機することが可能となる。
【0250】
また、本実施の形態に係るハイブリットシステムの蓄熱装置では、前述した図22の説明で述べたような循環回路を成立させることにより、蓄熱タンク16内に蓄えられた熱を利用して燃料電池13の予熱を行うことも可能となる。
【0251】
<実施の形態4>
次に、本発明に係るハイブリットシステムの蓄熱装置の第4の実施の形態について図24〜図27に基づいて説明する。ここでは、前述した第3の実施の形態と異なる構成について説明し、同一の構成については説明を省略する。
【0252】
本実施の形態に係るハイブリットシステムの蓄熱装置では、図24に示すように、蓄熱タンク16内の冷却水の温度に対応した電気信号を出力するタンク内水温センサ160が蓄熱タンク16に取り付けられている。
【0253】
本実施の形態と前述した第3の実施の形態との差異は、前述した第3の実施の形態では内燃機関1を予熱する際に蓄熱タンク16内の蓄熱温水を利用して内燃機関1を予熱するのに対し、本実施の形態では内燃機関1を予熱する際に燃料電池13側の冷却水と蓄熱タンク16内の冷却水とのうち温度の高い方の冷却水を利用して内燃機関1を予熱する点にある。
【0254】
具体的には、ECU20は、内燃機関1を予熱する際に、タンク内水温センサ160の出力信号値(タンク内水温):THWtと電池側水温センサ300の出力信号値(電池側水温):THWcとを読み込む。
【0255】
ECU20は、前記タンク内水温:THWtと前記電池側水温:THWcと比較する。タンク内水温:THWtが電池側水温:THWc以上である場合には、ECU20は、第2ヒータホース11hを遮断し且つ第1ヒータホース11gと第3のタンク出口通路26cとを導通させるべく第1の流路切換弁28を制御し、第1の連通路50を遮断し且つ第1のタンク出口通路26aと第2のタンク出口通路26bとを導通させるべく第2の流路切換弁52を制御し、第2の連通路51を遮断し且つ第1のタンク入口通路27aと第2のタンク入口通路27bとを導通させるべく第3の流路切換弁53を制御し、更にタンク用電動ウォーターポンプ29を作動させるべく該タンク用電動ウォーターポンプ29に駆動電力を供給する。
【0256】
この場合、図25に示すように、タンク用電動ウォーターポンプ29→第3のタンク出口通路26c→第1の流路切換弁28→第1ヒータホース11g→ヘッド側冷却水路2a→ブロック側冷却水路2b→機械式ウォーターポンプ10→第3冷却水路8→第4ヒータホース11j→第1のタンク入口通路27a→第3の流路切換弁53→第2のタンク入口通路27b→蓄熱タンク16→第1のタンク出口通路26a→第2の流路切換弁52→第2のタンク出口通路26b→タンク用電動ウォーターポンプ29の順に冷却水が流れる循環回路が成立する。
【0257】
前記した循環回路が成立すると、蓄熱タンク16内に貯蔵されていた蓄熱温水が内燃機関1のヘッド側冷却水路2aとブロック側冷却水路2bとへ順次流入することになる。
【0258】
蓄熱タンク16からの蓄熱温水が内燃機関1のヘッド側冷却水路2aとブロック側冷却水路2bへ流入すると、それと入れ代わりにヘッド側冷却水路2a及びブロック側冷却水路2bに元々滞留していた低温の冷却水がヘッド側冷却水路2a及びブロック側冷却水路2bから第3冷却水路8へ排出される。
【0259】
この結果、内燃機関1では、蓄熱温水の熱がヘッド側冷却水路2a及びブロック側冷却水路2bの壁面に伝達される。その際、蓄熱タンク16から流出した蓄熱温水がヒータコア12等のように熱容量の大きな部材を経由することなく直接的に内燃機関1に流入するため、蓄熱タンク16から内燃機関1へ至る経路において蓄熱温水の不要な放熱が抑制され、蓄熱タンク16に蓄えられていた熱が効率的に内燃機関1へ伝達される。
【0260】
従って、内燃機関1の吸気ポートや燃焼室の壁面温度を効率的に暖めることが可能となり、内燃機関1の始動時及び始動後において燃料の気化が促進されるとともに混合気の温度が上昇し、以て壁面付着燃料量の減少、燃焼の安定化、始動性の向上、及び排気エミッションの向上を図ることが可能となる。
【0261】
一方、電池側水温:THWcがタンク内水温:THWtより高い場合は、ECU20は、
第2ヒータホース11hを遮断し且つ第1ヒータホース11gと第3のタンク出口通路26cとを導通させるべく第1の流路切換弁28を制御し、第1のタンク出口通路26aを遮断し且つ第2のタンク出口通路26bと第1の連通路50とを連通させるべく第2の流路切換弁52を制御し、第2のタンク入口通路27bを遮断し且つ第1のタンク入口通路27aと第2の連通路51とを導通させるべく第3の流路切換弁53を制御し、タンク用電動ウォーターポンプ29を作動させるべく該タンク用電動ウォーターポンプ29に駆動電力を供給し、更に電池用電動ウォーターポンプ35の作動を禁止すべく該電池用電動ウォーターポンプ35に対する駆動電力の印加を禁止する。
【0262】
この場合、電池用電動ウォーターポンプ35が作動せずにタンク用電動ウォーターポンプ29のみが作動するため、図26に示すように、タンク用電動ウォーターポンプ29→第3のタンク出口通路26c→第1の流路切換弁28→第1ヒータホース11g→ヘッド側冷却水路2a→ブロック側冷却水路2b→機械式ウォーターポンプ10→第3冷却水路8→第4ヒータホース11j→第1のタンク入口通路27a→第3の流路切換弁53→第2の連通路51→第2の電池出口通路30b→電池用電動ウォーターポンプ35→第1の電池出口通路30a→燃料電池13→第3の電池入口通路32c→第1の連通路50→第2の流路切換弁52→第2のタンク出口通路26b→タンク用電動ウォーターポンプ29の順に冷却水が流れる循環回路が成立する。
【0263】
このような循環回路が成立すると、燃料電池13から流出した高温の冷却水が第3の電池入口通路32c、第1の連通路50、第2の流路切換弁52、第2のタンク出口通路26b、タンク用電動ウォーターポンプ29、第3のタンク出口通路26c、第1の流路切換弁28、及び第1ヒータホース11gを介してヘッド側冷却水路2a及びブロック側冷却水路2bに流入することになる。
【0264】
燃料電池13からの高温の冷却水がヘッド側冷却水路2a及びブロック側冷却水路2bに流入すると、それと入れ代わりにヘッド側冷却水路2a及びブロック側冷却水路2bに元々滞留していた低温の冷却水がヘッド側冷却水路2a及びブロック側冷却水路2bから第1ヒータホース11aへ流出する。
【0265】
この結果、内燃機関1では、高温の冷却水の熱がヘッド側冷却水路2a及びブロック側冷却水路2bの壁面に伝達される。その際、燃料電池13から流出した冷却水は、蓄熱タンク16などを経由することなく直接的に内燃機関1へ流入することになるため、燃料電池13から内燃機関1へ至る経路において冷却水の不要な放熱が抑制され、燃料電池13の熱が効率的に内燃機関1へ伝達される。
【0266】
従って、内燃機関1の吸気ポートや燃焼室の壁面温度を効率的に暖めることが可能となり、内燃機関1の始動時及び始動後において燃料の気化が促進されるとともに混合気の温度が上昇し、以て壁面付着燃料量の減少、燃焼の安定化、始動性の向上、及び排気エミッションの向上を図ることが可能となる。更に、本実施の形態では、燃料電池13からの高温の冷却水がブロック側冷却水路2bより先にヘッド側冷却水路2aへ流入するため、内燃機関1の吸気ポートや燃焼室が効率的に暖められることになる。
【0267】
尚、タンク内水温:THWtと電池側水温:THWcとの双方が低い場合には、燃料電池13を強制的に作動させて電池側水温:THWcを上昇させた後に、前述した図26の説明で述べたような循環回路を成立させるようにしてもよい。
【0268】
以下、内燃機関1を予熱する方法について図27に沿って具体的に説明する。図27は、予熱制御ルーチンを示すフローチャート図である。この予熱制御ルーチンは、予めECU20のROMに記憶されているルーチンであり、イグニッションスイッチ22がオフからオンへ切り換えられた時に実行される。
【0269】
予熱制御ルーチンにおいて、ECU20は、先ずS2701において、イグニッションスイッチ22がオンであるか否かを判別する。
【0270】
ECU20は、前記S2701においてイグニッションスイッチがオフであると判定した場合は本ルーチンの実行を終了し、前記S2701においてイグニッションスイッチ22がオンであると判定した場合はS2702へ進む。
【0271】
S2702では、ECU20は、予熱完了フラグの値が“1”であるか否かを判別する。
【0272】
前記S2702において予熱完了フラグの値が“1”であると判定された場合は、ECU20は、内燃機関1の予熱が既に完了しているとみなし、S2720へ進み、内燃機関1を始動させて本ルーチンの実行を終了する。
【0273】
一方、前記S2702において予熱完了フラグの値が“0”であると判定された場合は、ECU20は、内燃機関1の予熱が未だ完了していないとみなし、S2703へ進む。
【0274】
S2703では、ECU20は、水温センサ19の出力信号値(機関側水温):THWeを読み込む。
【0275】
S2704では、ECU20は、前記S2703で読み込まれた機関側水温:THWeが所定温度未満であるか否かを判別する。前記した所定温度は、例えば、内燃機関1の暖機が完了した後の水温に相当する温度である。
【0276】
前記S2704において機関側水温:THWeが所定温度以上であると判定された場合は、ECU20は、内燃機関1を予熱する必要がないとみなし、S2720へ進み、内燃機関1を始動させて本ルーチンの実行を終了する。
【0277】
前記S2704において機関側水温:THWeが所定温度未満であると判定された場合は、ECU20は、内燃機関1を予熱する必要があるとみなし、S2705へ進む。S2705では、ECU20は、タンク内水温センサ160の出力信号値(タンク内水温):THWtと、電池側水温センサ300の出力信号値(電池側水温):THWcとを読み込む。
【0278】
S2706では、ECU20は、前記S2705で読み込まれた電池側水温:THWcとタンク内水温:THWtとを比較し、タンク内水温:THWtが電池側水温:THWc以上であるか否かを判別する。
【0279】
前記S2706においてタンク内水温:THWtが電池側水温:THWe以上であると判定された場合は、ECU20は、S2707〜S2710において蓄熱タンク16内の蓄熱温水を利用して内燃機関1の予熱を行う。
【0280】
具体的には、ECU20は、S2707において、第2ヒータホース11hを遮断(第1ヒータホース11gと第3のタンク出口通路26cとを導通)させるべく第1の流路切換弁28を制御する。
【0281】
S2708では、ECU20は、第1の連通路50を遮断(第1のタンク出口通路26aと第2のタンク出口通路26bとを導通)させるべく第2の流路切換弁52を制御する。
【0282】
S2709では、ECU20は、第2の連通路51を遮断(第1のタンク入口通路27aと第2のタンク入口通路27bとを導通)させるべく第3の流路切換弁53を制御する。
【0283】
S2710では、ECU20は、タンク用電動ウォーターポンプ29を作動させるべく該タンク用電動ウォーターポンプ29へ駆動電力を供給する。
【0284】
このようにS2707〜S2710の処理が行われると、前述した図25の説明で述べたように、タンク用電動ウォーターポンプ29→第3のタンク出口通路26c→第1の流路切換弁28→第1ヒータホース11g→ヘッド側冷却水路2a→ブロック側冷却水路2b→機械式ウォーターポンプ10→第3冷却水路8→第4ヒータホース11j→第1のタンク入口通路27a→第3の流路切換弁53→第2のタンク入口通路27b→蓄熱タンク16→第1のタンク出口通路26a→第2の流路切換弁52→第2のタンク出口通路26b→タンク用電動ウォーターポンプ29の順に冷却水が流れる循環回路が成立する。
【0285】
前記した循環回路が成立すると、蓄熱タンク16内の蓄熱温水が不要に放熱されることなく内燃機関1に供給されるため、内燃機関1が効率的に暖機され、内燃機関1の始動時及び始動後において燃料の気化が促進されるとともに混合気の温度が上昇し、以て壁面付着燃料量の減少、燃焼の安定化、始動性の向上、及び排気エミッションの向上を図ることが可能となる。
【0286】
一方、前記S2706においてタンク内水温:THWtが電池側水温:THWe未満であると判定された場合は、ECU20は、S2711〜S2715において燃料電池13側の冷却水を利用して内燃機関1の予熱を行う。
【0287】
具体的には、ECU20は、S2711において、第2ヒータホース11hを遮断(第1ヒータホース11gと第3のタンク出口通路26cとを導通)させるべく第1の流路切換弁28を制御する。
【0288】
S2712では、ECU20は、第1のタンク出口通路26aを遮断(第2のタンク出口通路26bと第1の連通路50とを導通)させるべく第2の流路切換弁52を制御する。
【0289】
S2713では、ECU20は、第2のタンク入口通路27bを遮断(第1のタンク入口通路27aと第2の連通路51とを導通)させるべく第3の流路切換弁53を制御する。
【0290】
S2714では、ECU20は、電池用電動ウォーターポンプ35の作動を禁止すべく該電池用電動ウォーターポンプ35に対する駆動電力の印加を禁止する。
【0291】
S2715では、ECU20は、タンク用電動ウォーターポンプ29を作動させるべく該タンク用電動ウォーターポンプ29へ駆動電力を供給する。
【0292】
このようにS2711〜S2715の処理が行われると、前述した図26の説明で述べたように、タンク用電動ウォーターポンプ29→第3のタンク出口通路26c→第1の流路切換弁28→第1ヒータホース11g→ヘッド側冷却水路2a→ブロック側冷却水路2b→機械式ウォーターポンプ10→第3冷却水路8→第4ヒータホース11j→第1のタンク入口通路27a→第3の流路切換弁53→第2の連通路51→第2の電池出口通路30b→電池用電動ウォーターポンプ35→第1の電池出口通路30a→燃料電池13→第3の電池入口通路32c→第1の連通路50→第2の流路切換弁52→第2のタンク出口通路26b→タンク用電動ウォーターポンプ29の順に冷却水が流れる循環回路が成立する。
【0293】
前記した循環回路が成立すると、燃料電池13内の高温の冷却水が不要に放熱されることなく内燃機関1に供給されるため、内燃機関1が効率的に暖機され、内燃機関1の始動時及び始動後において燃料の気化が促進されるとともに混合気の温度が上昇し、以て壁面付着燃料量の減少、燃焼の安定化、始動性の向上、及び排気エミッションの向上を図ることが可能となる。
【0294】
前記したS2710又はS2715の処理を実行し終えたECU20は、S2716へ進み、予熱が完了したか否かを判別する。
【0295】
前記S2716において予熱が完了していないと判定された場合は、ECU20は、予熱が完了するまで前記したS2716の処理を繰り返し実行する。
【0296】
前記S2716において予熱が完了したと判定された場合は、ECU20は、S2717へ進み、前記した予熱完了フラグに“1”をセットする。
【0297】
S2718では、ECU20は、タンク用電動ウォーターポンプ29又は電池用電動ウォーターポンプ35の作動を停止させる。
【0298】
S2719では、ECU20は、第1ヒータホース11gを遮断すべく第1の流路切換弁28を制御する。
【0299】
S2720では、ECU20は、内燃機関1を始動させ、本ルーチンの実行を終了する。
【0300】
以上述べた実施の形態では、蓄熱タンク16内の冷却水と燃料電池13内の冷却水とのうち温度の高い方の冷却水を選択して内燃機関1を予熱することができるため、当該ハイブリットシステムを搭載した車両が長期間にわたって放置された場合のように蓄熱タンク16内の冷却水温度が低下した場合などに、燃料電池13の熱を利用して内燃機関1を予熱することが可能となる。
【0301】
更に、蓄熱タンク16内の冷却水又は燃料電池13内の冷却水は、熱容量が大きい部材を経由することなく内燃機関1へ到達することが可能であるため、蓄熱タンク16内に蓄えられた熱又は燃料電池13の熱を効率的に内燃機関1へ伝達することが可能となる。
【0302】
従って、本実施の形態にかかるハイブリットシステムの蓄熱装置によれば、蓄熱タンク16内の冷却水又は燃料電池13内の冷却水を利用して内燃機関1を効率的に暖機することが可能となる。
【0303】
【発明の効果】
本発明は、内燃機関と燃料電池を具備したハイブリットシステムと、内燃機関を循環する熱媒体の一部を保温貯蔵する蓄熱機構とを備えたハイブリットシステムの蓄熱装置において、燃料電池が発生する熱を利用して熱媒体を加熱することにより、熱媒体を利用した好適な蓄熱や内燃機関の加熱を行うことができるため、内燃機関の好適な暖機を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施の形態における冷却水循環系の構成を示す図
【図2】 内燃機関を予熱する場合の冷却水の流れを示す図
【図3】 内燃機関が冷間状態で運転されている場合の冷却水の流れを示す図
【図4】 内燃機関が冷間状態で運転されており且つ燃料電池を冷却する必要がある場合の冷却水の流れを示す図
【図5】 内燃機関が暖機完了状態で運転されている場合の冷却水の流れを示す図
【図6】 内燃機関が暖機完了状態で運転されており且つ燃料電池を冷却する必要がある場合の冷却水の流れを示す図
【図7】 内燃機関が運転状態にあり且つヒータスイッチがオン状態にある場合の冷却水の流れを示す図
【図8】 内燃機関が運転停止状態にあり且つヒータスイッチがオン状態にある場合の冷却水の流れを示す図
【図9】 第1の実施の形態における蓄熱制御ルーチンを示すフローチャート図
【図10】 第2の実施の形態における冷却水循環系の構成を示す図
【図11】 蓄熱タンク内の冷却水を利用して内燃機関を予熱する場合の冷却水の流れを示す図
【図12】 燃料電池内の冷却水を利用して内燃機関を予熱する場合の冷却水の流れを示す図
【図13】 第2の実施の形態における予熱制御ルーチンを示すフローチャート図
【図14】 第3の実施の形態における冷却水循環系の構成を示す図
【図15】 内燃機関を予熱する場合の冷却水の流れを示す図
【図16】 内燃機関が冷間状態で運転されている場合の冷却水の流れを示す図
【図17】 内燃機関が暖機完了状態で運転されている場合の冷却水の流れを示す図
【図18】 内燃機関が運転状態にあり且つヒータスイッチがオン状態にある場合の冷却水の流れを示す図
【図19】 内燃機関が運転停止状態にあり且つヒータスイッチがオン状態にある場合の冷却水の流れを示す図
【図20】 燃料電池が冷間状態で作動している場合の冷却水の流れを示す図
【図21】 燃料電池が暖機完了状態で作動している場合の冷却水の流れを示す図
【図22】 第3の実施の形態における蓄熱制御ルーチンを示す図
【図23】 燃料電池側の冷却水を利用して蓄熱を行う場合の冷却水の流れを示す図
【図24】 第4の実施の形態における冷却水循環系の構成を示す図
【図25】 蓄熱タンク内の冷却水を利用して内燃機関を予熱する場合の冷却水の流れを示す図
【図26】 燃料電池内の冷却水を利用して内燃機関を予熱する場合の冷却水の流れを示す図
【図27】 第4の実施の形態における予熱制御ルーチンを示すフローチャート図
【符号の説明】
1・・・・・内燃機関
2a・・・・ヘッド側冷却水路
2b・・・・ブロック側冷却水路
4・・・・・第1冷却水路
5・・・・・ラジエター
6・・・・・第2冷却水路
8・・・・・第3冷却水路
9・・・・・第4冷却水路
10・・・・機械式ウォーターポンプ
11・・・・ヒータホース
13・・・・燃料電池
14・・・・電動ウォーターポンプ
16・・・・蓄熱タンク
17・・・・流路切換弁
24・・・・バイパス通路
25・・・・通路開閉弁
26・・・・タンク出口通路
27・・・・タンク入口通路
28・・・・第1の流路切換弁
29・・・・タンク用電動ウォーターポンプ
30・・・・電池出口通路
31・・・・電池用ラジエター
32・・・・電池入口通路
33・・・・バイパス通路
34・・・・電池用サーモスタットバルブ
35・・・・電池用電動ウォーターポンプ
50・・・・第1の連通路
51・・・・第2の連通路
52・・・・第2の流路切換弁
53・・・・第3の流路切換弁

Claims (6)

  1. 内燃機関及び燃料電池を具備したハイブリットシステムと、
    前記内燃機関を経由して熱媒体が循環する機関用熱媒体通路と、
    前記燃料電池を経由して熱媒体が循環する電池用熱媒体通路と、
    前記機関用熱媒体通路又は前記電池用熱媒体通路を流通する熱媒体の一部を保温貯蔵するとともに、保温貯蔵された熱媒体を前記機関用熱媒体通路へ供給して内燃機関の昇温を図る蓄熱機構と、
    記内燃機関を昇温させる必要があるときは前記蓄熱機構内の熱媒体に比して前記電池用熱媒体通路内の熱媒体が高温であることを条件に前記電池用熱媒体通路内の熱媒体を前記機関用熱媒体通路へ供給し、前記蓄熱機構に高温の熱媒体を貯蔵する必要があるときは前記機関用熱媒体通路内の熱媒体に比して前記電池用熱媒体通路内の熱媒体が高温であることを条件に前記電池用熱媒体通路内の熱媒体を前記蓄熱機構へ供給する加熱機構と、
    を備えることを特徴とするハイブリットシステムの蓄熱装置。
  2. 前記機関用熱媒体通路と前記電池用熱媒体通路とは、前記内燃機関と前記燃料電池と前記蓄熱機構とが直列に配置されるよう同一の熱媒体通路で構成されることを特徴とする請求項1に記載のハイブリットシステムの蓄熱装置。
  3. 前記熱媒体通路は、熱媒体が前記内燃機関から前記燃料電池と前記蓄熱装置を順次経由した後に前記内燃機関へ還流されるよう構成されることを特徴とする請求項2に記載のハイブリットシステムの蓄熱装置。
  4. 前記加熱機構は、前記蓄熱機構を迂回するバイパス通路と、前記バイパス通路と前記蓄熱機構との何れか一方に熱媒体を流通させる通路切換弁とを具備し、
    前記通路切換弁は、前記内燃機関を昇温させる必要があるときは前記バイパス通路に熱媒体を流通させ、前記蓄熱機構に高温の熱媒体を貯蔵する必要があるときは前記蓄熱機構に熱媒体を流通させることを特徴とする請求項3に記載のハイブリットシステムの蓄熱装置。
  5. 前記機関用熱媒体通路と前記電池用熱媒体通路とは、前記蓄熱機構を介して並列に接続されることを特徴とする請求項1に記載のハイブリットシステムの蓄熱装置。
  6. 前記加熱機構は、前記蓄熱機構を迂回して前記機関用熱媒体通路と前記電池用熱媒体通路を接続するバイパス通路と、前記バイパス通路と前記蓄熱装置との何れか一方に熱媒体を流通させる通路切換弁とを具備し、
    前記通路切換弁は、前記内燃機関を昇温させる必要があるときは前記バイパス通路に熱媒体を流通させ、前記蓄熱機構に高温の熱媒体を貯蔵する必要があるときは前記蓄熱機構に熱媒体を流通させることを特徴とする請求項5に記載のハイブリットシステムの蓄熱装置。
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