JP3820580B2 - 防汚処理用ウエットティッシュ、防汚処理方法及び防汚処理物品 - Google Patents

防汚処理用ウエットティッシュ、防汚処理方法及び防汚処理物品 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、防汚処理用ウエットティッシュ、防汚処理方法及び防汚処理物品に関する。さらに詳しく言えば、本発明は、含浸されている防汚処理剤により、基材表面を親水化することにより耐汚染性を付与し、洗浄等のメンテナンスの頻度を低減することのできる防汚処理用ウエットティッシュ、該ウエットティッシュを用いる防汚処理方法及び該防汚処理方法により処理された防汚処理物品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車外板塗膜等、屋外で雨風にさらされる塗膜上には、工場や自動車からの排出物質、鳥糞、樹液あるいは花粉等の種々の汚染物質が付着するため、その外観は次第に損なわれてしまう。これより、初期の塗膜外観を維持するためには、洗浄等のメンテナンスを高い頻度で行う必要がある。
このメンテナンス頻度を低減する目的で、従来より、塗膜上にワックス皮膜を形成することが行われている。該ワックス剤は、通常、皮膜を形成し撥水性を付与するロウ成分、光沢を与え拭き取りを容易にするシリコーン成分及びこれらの溶媒あるいは分散媒として機能する有機溶剤等から構成されている。そして、ワックス皮膜は、該ワックス剤をスポンジ等で塗膜上に塗布した後、過剰のワックス剤を柔らかい布等で拭き取り、磨き上げることにより形成される。しかし、該ワックス皮膜は塗膜に光沢を与えるものの、撥水性であるため、汚染物質を含んだ雨滴はその上で縮もうとし、これにより汚染物質は部分的に濃縮され、雨水が乾燥した際には塗膜上に水平面ではまだら模様が、また、垂直面では雨筋跡ができあがってしまう。さらに、該ワックス皮膜は塗膜よりも柔軟であるため、付着した汚染物質はその中に埋まってしまい、雨風等の自然の作用による汚染物質の除去はむしろ困難となる。すなわち、塗膜上にワックス皮膜を形成しても、メンテナンス頻度を低減する効果はないのが実情である。
【0003】
そこで、上記目的を達成するために、特定の有機塗料組成物に特定のオルガノシリケート及び/又はその縮合物を配合して成る塗料組成物(国際公開公報WO94/06870号)が提案されている。また、本発明者らは、既に上記目的を達成するために、樹脂成分、硬化剤成分及び無機質のゾルの分散体を含有することを特徴とする熱硬化性組成物(国際公開公報WO97/13809号)を提案している。そして、これらの組成物から得られる塗膜は、その表面にオルガノシリケート及び/又はその縮合物あるいは無機質粒子が配向し親水性となるため、いずれも耐汚染性を有しており、メンテナンス頻度を低減するという目的は達成されている。しかしながら、これらの組成物は通常、有機溶剤を多量に含有しており、その使用の際には専用の塗装設備が必要である。また、該組成物から得られる塗膜表面の一部が何らかの理由で深く削られた際、場合によっては、オルガノシリケート及び/又はその縮合物あるいは無機質粒子が塗膜表面から欠落するため、その部分のみが汚染するという問題があり、これを容易に補修する防汚処理用品及び防汚処理方法が必要とされている。
これらの課題に対して、ロウ成分を主成分とする母材中に光触媒作用を有する金属酸化物粉末を分散混合した塗膜用被覆剤(特開平9−220524号公報)が提案されている。しかしながら、該被覆剤皮膜を形成するためには、塗膜上に塗布した後、過剰の被覆剤を拭き取り、磨き上げる作業が必要であり、さらに簡単な作業で基材に耐汚染性を付与することができる防汚処理用品及び簡便な防汚処理方法が要求されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、専用の設備を必要とすることなく、簡単な作業で基材表面を親水化することにより耐汚染性を付与し、洗浄等のメンテナンスの頻度を容易に低減することのできる防汚処理用品、該防汚処理用品を用いて行う簡便な防汚処理方法及び該防汚処理方法により処理された防汚処理物品を提供することを目的としてなされたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の好ましい性質を有する防汚処理用品を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、紙又は不織布に防汚処理剤を含浸させて成ることを特徴とする防汚処理用ウエットティッシュによりその目的を達成し得ることを見出し、これらの知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、紙又は不織布に防汚処理剤を含浸させて成ることを特徴とする防汚処理用ウエットティッシュを提供するものである。また、本発明は、上記ウエットティッシュを用いることを特徴とする防汚処理方法を提供するものである。さらに、本発明は、上記防汚処理方法により処理されたことを特徴とする防汚処理物品を提供するものである。
本発明のさらに他の目的、態様及び利点は、以下の記載から十分にされるであろう。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の防汚処理用ウエットティッシュは、紙又は不織布に防汚処理剤を含浸させて成ることを特徴とする。該防汚処理剤は、基材表面に付着し、該基材表面を親水化する作用を有する。この作用により、該基材表面には耐汚染性が付与され、洗浄等のメンテナンスの頻度が低減される。
該防汚処理剤は、上記の目的を達成できるものであれば、特に限定されるものではなく、各種の防汚処理剤を用いることができる。該防汚処理剤の好ましい例としては、(A)樹脂不揮発成分0.05〜30重量%、(B)無機酸化物ゾル不揮発成分0.05〜30重量%、(C)有機溶剤1〜50重量%及び(D)水40〜99重量%から成ることを特徴とする防汚処理剤が挙げられる。
【0007】
前記(A)成分として用いられる樹脂は、本発明のウエットティッシュにより基材表面がワイプされ、防汚処理剤が基材表面で乾燥する際に、無機酸化物粒子の凝集を抑制しつつ、基材表面に無機酸化物粒子を固定する目的で使用される。該樹脂は、上記の目的を達成できるもので、かつ本発明のウエットティッシュに含浸される防汚処理剤中で無機酸化物粒子の分散を妨げることがないものであれば、特に限定されるものではなく、各種の樹脂を用いることができる。かかる(A)成分の樹脂は、本発明のウエットティッシュに含浸される防汚処理剤中に、不揮発分として0.05〜30重量%配合される。該樹脂の不揮発分が0.05重量%未満であると、基材表面に無機酸化物粒子を固定することができなくなることがある。また、30重量%より多くなると、防汚処理剤の乾燥の際に基材表面に乾燥ムラが残ることがある。
【0008】
(A)成分の樹脂の好ましいものとしては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、イミノ基、アミド基の中から選ばれた少なくとも1種の親水性官能基を有し、該親水性官能基の総量が樹脂1000g当たり4mol以上であり、かつ25℃で水に不溶であるものが挙げられる。該親水性官能基の特に好ましいものは、水酸基、カルボキシル基、アミド基である。該親水性官能基の総量は、好ましくは樹脂1000g当たり4.5mol以上であり、特に好ましくは樹脂1000g当たり5mol以上である。該親水性官能基の総量が樹脂1000g当たり4.5mol未満であると、防汚処理剤中で無機酸化物粒子の分散を妨げたり、防汚処理剤の乾燥の際に無機酸化物粒子の凝集が起こることがある。該親水性官能基の総量の上限は、特に限定されるものではないが、好ましくは樹脂1000g当たり25mol以下である。該親水性官能基は、1種のみでもよいし、2種以上の組み合わせでもよい。また、該樹脂が25℃で水に可溶であると、基材表面に並んだ無機酸化物粒子が雨水により樹脂とともに除去されてしまうことがあるため、樹脂は25℃で水に不溶であることが好ましい。
【0009】
(A)成分の樹脂の特に好ましい例としては、重合性二重結合を有する単量体に基づく重合体等を挙げることができる。これらの樹脂は1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。該重合性二重結合を有する単量体としては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸−n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸−t−ブチル、メタクリル酸ペンチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸アダマンチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸イソボルニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸−n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸−t−ブチル、アクリル酸ペンチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸アダマンチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸イソボルニル等のアルキルアルコールの(メタ)アクリル酸エステル;
【0010】
メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3−ヒドロキシブチル、メタクリル酸4−ヒドロキシブチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルのε−カプロラクトン付加物、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルのエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシド付加物、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−3−ヒドロキシブチル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチルのε−カプロラクトン付加物、アクリル酸2−ヒドロキシエチルのエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシド付加物、クロトン酸2−ヒドロキシエチル、クロトン酸2−ヒドロキシプロピル、クロトン酸3−ヒドロキシプロピル、クロトン酸3−ヒドロキシブチル、クロトン酸4−ヒドロキシブチル、クロトン酸5−ヒドロキシペンチル、クロトン酸6−ヒドロキシヘキシル、アリルアルコール、ヒドロキシメチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシプロピルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、ヒドロキシペンチルビニルエーテル、ヒドロキシヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシヘプチルビニルエーテル、ヒドロキシシクロヘキシルビニルエーテル等の水酸基含有単量体;
【0011】
メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、メサコン酸、マレイン酸、フマル酸、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトン(n=2)モノアクリレート(例えば、アロニックスM−5300(商品名、東亞合成化学工業(株)製))、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート(例えば、アロニックスM−5400(商品名、東亞合成化学工業(株)製))、アクリル酸ダイマー(例えば、アロニックスM−5600(商品名、東亞合成化学工業(株)製))等のカルボキシル基含有単量体;メタクリルアミド、アクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド等のアミド基含有単量体;メタクリル酸グリシジル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、アクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、アリルグリシジルエーテル、p−グリシジルオキシスチレン、p−グリシジルオキシ−α−メチルスチレン、p−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチルオキシ)スチレン、p−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチルオキシ)−α−メチルスチレン、グリシジルエチレン、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルエチレン、グリシジルビニルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルビニルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアリルエーテル等のエポキシ基含有単量体;
【0012】
2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−エチル−2−オキサゾリン等のオキサゾリン基含有単量体;3−アクリロイルオキシプロピレンカーボネート、3−メタクリロイルオキシプロピレンカーボネート等のシクロカーボネート基含有単量体;エチルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等の脂肪族ビニルエーテル化合物;クロトン酸メチル、クロトン酸エチル、クロトン酸プロピル等のクロトン酸アルキルエステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル等の脂肪族カルボン酸ビニルエステル;シクロヘキサンカルボン酸ビニルのような脂環式カルボン酸ビニルエステル;
【0013】
安息香酸ビニル、桂皮酸ビニル、p−t−ブチル安息香酸ビニルのような芳香族カルボン酸ビニルエステル;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン、クロロプレン等のオレフィン類;CF2=CF2、CHF=CF2、CH2=CF2、CH2=CHF、CClF=CF2、CHCl=CF2、CCl2=CF2、CClF=CClF、CHF=CCl2、CH2=CClF、CCl2=CClF、CF3CF=CF2、CF3CF=CHF、CF3CH=CF2、CF3CF=CH2、CHF2CF=CHF、CH3CF=CF2、CH3CF=CH2、CF2ClCF=CF2、CF3CCl=CF2、CF3CF=CFCl、CF2ClCCl=CF2、CF2ClCF=CFCl、CFCl2CF=CF2、CF3CCl=CClF、CF3CCl=CCl2、CClF2CF=CCl2、CCl3CF=CF2、CF2ClCCl=CCl2、CFCl2CCl=CCl2、CF3CF=CHCl、CClF2CF=CHCl、CF3CCl=CHCl、CHF2CCl=CCl2、CF2ClCH=CCl2、CF2ClCCl=CHCl、CCl3CF=CHCl、CF2ClCF=CF2、CF2BrCH=CF2、CF3CBr=CHBr、CF2ClCBr=CH2、CH2BrCF=CCl2、CF3CBr=CH2、CF3CH=CHBr、CF2BrCH=CHF、CF2BrCF=CF2、CF3CF2CF=CF2、CF3CF=CFCF3、CF3CH=CFCF3、CF2=CFCF2CHF2、CF3CF2CF=CH2、CF3CH=CHCF3、CF2=CFCF2CH3、CF2=CFCH2CH3、CF3CH2CH=CH2、CF3CH=CHCH3、CF2=CHCH2CH3、CH3CF2CH=CH2、CFH2CH=CHCFH2、CH3CF2CH=CF2、CH2=CFCH2CH3、CF3(CF22CF=CF2、CF3(CF23CF=CF2、又はCH2=C(CH3)COOC2449、CH2=C(CH3)COOC24(CF26CF(CF33、CH2=C(CH3)COOC24817、CH2=C(CH3)COOC241021等のフッ素含有単量体;
【0014】
サイラプレーンFM−0711、サイラプレーンFM−0721、サイラプレーンFM−0725、サイラプレーンTM−0701、サイラプレーンTM−0705(いずれも商品名、チッソ(株)製)、メタクリル酸トリメトキシシリルプロピル等のケイ素含有単量体;さらにはスチレン、ホスマー(商品名、ユニケミカル社製)、メタクリル酸アリル、アクリル酸アリル、メタクリル酸フェニル、アクリル酸フェニル、α−メチルスチレン、p−ビニルトルエン、アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、メタクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、アクリロイルモルホリン、メタクリル酸−1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル、アクリル酸−1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル、メタクリル酸−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル、アクリル酸−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル、2,3−ジヒドロフラン、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン、無水マレイン酸、無水イタコン酸、マレイン酸エステル類、フマル酸エステル類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。これらは1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0015】
(A)成分の樹脂である重合性二重結合を有する単量体に基づく重合体は、上記の単量体の単独重合あるいは上記の単量体から成る混合物の共重合により合成される。この際の重合方法については特に制限はなく、公知の方法、例えば、有機溶剤中における溶液重合、懸濁重合、乳化重合、塊状重合、沈殿重合等を用いることができる。また、その重合方式についても特に制限はなく、例えば、ラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合のいずれも用いることができるが、これらの中で、工業的な面からラジカル重合が好適である。ラジカル重合において用いられる重合開始剤としては、例えば、t−ブチルハイドロパーオキシド、クメンハイドロパーオキシド、t−ブチルパーオキシネオデカネート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシ−ベンゾエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、メチルエチルケトンパーオキシド等の有機過酸化物、あるいは2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)(AIBN)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)等のアゾ系開始剤を好ましく挙げることができる。もちろん、これらに限定されるものではない。これらのラジカル重合開始剤は1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0016】
重合時の反応温度は、一般的に60〜150℃が好ましい。この温度が60℃未満であると、ラジカル重合開始剤が分解しにくく、反応が進行しにくい。また150℃を超えると、ラジカル重合開始剤が熱により分解してラジカルを生成しても、その寿命が短く、効果的に生長反応が進行しにくい。重合時間は、重合温度やその他の条件に左右され、一概に定めることはできないが、一般に2〜10時間程度で十分である。
【0017】
(B)成分として用いられる無機酸化物ゾルは、本発明のウエットティッシュにより基材表面がワイプされ、防汚処理剤が基材表面で乾燥した際に、基材表面に並び、基材表面を親水化する目的で使用される。親水化した基材表面は、たとえ汚染物質が付着しても、その付着界面に雨水等の水分が容易に浸入することが可能となるため、該汚染物質は雨風等の自然の作用により除去され易くなり、基材に耐汚染性が付与される。該無機酸化物ゾルは、上記の目的を達成できるものであれば、特に限定されるものではなく、各種の無機酸化物ゾルを用いることができる。
【0018】
(B)成分の無機酸化物ゾルは、本発明のウエットティッシュに含浸される防汚処理剤中に、不揮発分として0.05〜30重量%配合される。該無機酸化物ゾルの不揮発分が0.05重量%未満であると、基材表面を親水化することができないことがある。また、30重量%より多くなると、防汚処理剤の乾燥の際に基材表面に乾燥ムラが残ることがある。
【0019】
該無機酸化物ゾルとしては、例えば、スノーテックス40、スノーテックスO、スノーテックスC、スノーテックスN(いずれも商品名、日産化学工業(株)製)、カタロイドS−30H、カタロイドSI−30、カタロイドSN、カタロイドSA(いずれも商品名、触媒化成工業(株)製)、アデライトAT−30、アデライトAT−20N、アデライトAT−20A、アデライトAT−20Q(いずれも商品名、旭電化工業(株)製)、シリカドール−30、シリカドール−20A、シリカドール−20B(いずれも商品名、日本化学工業(株)製)等の水系酸化ケイ素ゾル;スノーテックスIPA−ST、スノーテックスEG−ST、スノーテックスXBA−ST、スノーテックスMIBK−ST(いずれも商品名、日産化学工業(株)製)、オスカル1132、オスカル1232、オスカル1332(いずれも商品名、触媒化成工業(株)製)等の有機溶剤系酸化ケイ素ゾル;アルミナゾル−100、アルミナゾル−200、アルミナゾル−520(いずれも商品名、日産化学工業(株)製)、アルミナクリアーゾル、アルミゾル−10、アルミゾル−20、アルミゾルSV−102、アルミゾル−SH5(いずれも商品名、川研ファインケミカル(株)製)等の水系アルミナゾル;アルミゾル−CSA55、アルミゾル−CSA110AD(いずれも商品名、川研ファインケミカル(株)製)等の水/有機溶剤混合系アルミナゾル;
【0020】
A−1550、A−2550(いずれも商品名、日産化学工業(株)製)等の水系酸化アンチモンゾル;サンコロイドATL−130、サンコロイドAMT−130(いずれも商品名、日産化学工業(株)製)等の有機溶剤系酸化アンチモンゾル;NZS−30A、NZS−30B(いずれも商品名、日産化学工業(株)製)等の水系酸化ジルコニウムゾル;セラメースS−8、セラメースC−10(いずれも商品名、多木化学(株)製)等の水系酸化スズゾル;タイノックA−6、タイノックM−6(いずれも商品名、多木化学(株)製)等の水系酸化チタンゾル;セラメースF−10(商品名、多木化学(株)製)等の酸化スズと酸化アンチモンから成る水系ゾル等が挙げられ、好ましくは、水系酸化ケイ素ゾル、有機溶剤系酸化ケイ素ゾル、水系アルミナゾル、水系酸化チタンゾルが挙げられる。さらに好ましい無機酸化物ゾルは、光触媒作用を持たない無機酸化物ゾルである。基材が有機物である場合、無機酸化物ゾルが光触媒作用を持つと、基材を劣化させる場合がある。該光触媒作用を持たない無機酸化物ゾルとしては、水系酸化ケイ素ゾル、有機溶剤系酸化ケイ素ゾル、水系アルミナゾルが挙げられる。
【0021】
また、該無機酸化物ゾルは、シランカップリング剤で処理したものでもよい。この処理により無機酸化物粒子の親水性は減少するが、基材表面に並んだ無機酸化物粒子は雨水により除去され難くなるため、基材表面の親水性はむしろ高くなる場合がある。該シランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン等が挙げられ、好ましくは、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシランが挙げられる。また、市販品としては、A−162、A−163、AZ−6122(いずれも商品名、日本ユニカー(株)製)等が挙げられる。また、上記化合物の縮合体、例えば、市販品として、KR−9218、KR−9202(いずれも商品名、信越化学工業(株)製)等もシランカップリング剤として用いることができる。これらのシランカップリング剤は1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0022】
シランカップリング剤で処理する場合、シランカップリング剤の配合量は、無機酸化物ゾルの不揮発分に対して1〜100重量%が好ましく、2〜50重量%がより好ましい。また、その際の分散媒は、特に制限はなく、水、有機溶剤あるいは水と有機溶剤の混合物のいずれであってもよい。さらに、処理温度も、特に制限はなく、通常20〜100℃の範囲であることが好ましく、特に30〜90℃の範囲であることが好ましい。
【0023】
(C)成分として用いられる有機溶剤は、(A)成分の樹脂を水中に溶解させる目的、及び本発明のウエットティッシュに含浸される防汚処理剤の表面張力を低下させ、基材に塗布された際に、均一に濡れ広がるようにする目的で使用される。該有機溶剤は、上記の目的を達成できるものであれば、特に限定されるものではなく、各種の有機溶剤を用いることができる。(C)成分の有機溶剤は、本発明のウエットティッシュに含浸される防汚処理剤中に、1〜50重量%配合される。該有機溶剤が1重量%未満であると、(A)成分の樹脂を完全に溶解できないことがある。また、50重量%より多くなると、ウエットティッシュの使用の際に揮発する有機溶剤量が多くなり、専用の設備が必要となることがある。
【0024】
該有機溶剤としては、例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン等の脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類;メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、エチレングリコール等のアルコール類;ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノn−プロピルエーテル等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル等のエステル類;さらにはN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等が挙げられ、好ましくは、芳香族炭化水素類、アルコール類、エーテル類、ケトン類が挙げられ、特に好ましくは、アルコール類が挙げられる。これらの有機溶剤は1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0025】
上記本発明のウエットティッシュに含浸される防汚処理剤の調製における各成分の混合方法は、特に制限されるものではなく、種々の方法により行うことができ、混合順序も種々の順序で行うことができる。
【0030】
本発明のウエットティッシュに含浸される防汚処理剤は、必要に応じて、防腐剤、香料、顔料、紫外線吸収剤、光安定剤、レベリング剤、つや消し剤、つや出し剤、帯電防止剤、界面活性剤、緩衝剤等が含まれていてもよい。また、該防汚処理剤は、1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0031】
本発明のウエットティッシュは、上記防汚処理剤を紙又は不織布に含浸させることにより得られる。紙及び不織布の製法、素材、目付、厚み、強度等は特に制限はなく、種々の紙及び不織布を使用することができる。防汚処理剤の含浸重量は、特に制限はないが、通常、紙又は不織布の重量に対して、0.5〜10倍の範囲であることが好ましく、特に1〜8倍の範囲であることが好ましい。
【0032】
本発明のウエットティッシュは、含浸された防汚処理剤の揮発成分の蒸散を防止するために、密閉された容器又は袋に入れられて保存され、通常は、1枚ずつ取り出されて使用される。
【0033】
本発明の防汚処理方法において用いられる基材としては、特に限定されるものではなく、各種の基材を用いることができ、例えば、木、ガラス、金属、布、プラスチック、発泡体、弾性体、紙、セラミック、コンクリート、石膏ボード等の有機素材及び無機素材等が挙げられる。これらの基材は、予め表面処理されたものでもよいし、予め表面に塗膜が形成されたものでもよい。該塗膜は、特に限定されるものではなく、有機系、無機系、有機/無機複合系等の各種の塗膜を用いることができる。
【0034】
本発明の防汚処理方法は、本発明のウエットティッシュにより基材表面をワイプし、基材表面上で防汚処理剤を乾燥させることにより行われる。ワイプの際、ウエットティッシュは単独で用いてもよいし、スポンジ等に巻き付けて使用してもよい。基材表面が単純な形状で面積が広い場合、ウエットティッシュをスポンジ等に巻き付けて使用することにより、ウエットティッシュ全体に均一に力がかかり、均一な防汚処理ができることがある。また、ウエットティッシュにより基材表面をワイプした後、自然乾燥させる前に、基材を流水下にさらす等の水洗を行ってもよい。該水洗により、基材上の過剰な防汚処理剤が除去され、均一な防汚処理ができることがある。なお、本発明のウエットティッシュにより基材表面をワイプした段階で基材表面は親水化するため、水洗後に基材表面に水滴ができることはなく、拭き取り作業を行う必要はないが、防汚処理を短時間で終了させる目的で、基材表面に残存した水分の拭き取り作業等を行ってもいっこうに差し支えない。また、防汚処理をさらに短時間で終了させる目的で、自然乾燥のかわりに加熱及び/又は送風による乾燥を行ってもいっこうに差し支えない。
【0035】
本発明の防汚処理方法により得られる防汚処理物品としては、例えば、構造物、木製品、金属製品、プラスチック製品、ゴム製品、加工紙、セラミック製品、ガラス製品等が挙げられる。より具体的には、自動車、自動車用部品(例えば、ボディー、バンパー、スポイラー、ミラー、ホイール、内装材等の部品であって、各種材質のもの)、鋼板等の金属板、二輪車、二輪車用部品、道路用資材(例えば、ガードレール、交通標識、防音壁等)、トンネル用資材(例えば、側壁板等)、船舶、鉄道車両、航空機、自動販売機、家具、楽器、家電製品、建築材料、容器、事務用品、スポーツ用品、玩具等が挙げられる。
【0036】
【実施例】
次に、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。なお、本発明はこれらの例によって何ら制限されるものではない。
なお、本発明の防汚処理方法により得られる防汚処理物品の性能は次のようにして求めた。
(1)外観性
目視観察により、次の基準に従い評価した。
○:防汚処理剤の乾燥ムラが残らない。
△:防汚処理剤の乾燥ムラが若干残る。
×:防汚処理剤の乾燥ムラが顕著に残る。
(2)親水性
(株)エルマ製ゴニオメーター式接触角測定器を用いて水の接触角の測定を行った。この値が小さいほど親水性が高い。
(3)耐汚染性
JIS K−5400(1995)9.9 耐候性に準じて、30日間屋外にて曝露後、未洗浄面の色(JIS K−5400(1995)7.4.2 計測法)を測定し、曝露後のL値から未曝露時のL値を引くことによりΔL値を算出し、耐汚染性を判定した。このΔL値が0に近いほど耐汚染性に優れる。
【0037】
製造例1
(A)成分の樹脂溶液A−1の製造
温度計、還流冷却器、攪拌機、滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、イソプロピルアルコール48.7重量部を仕込み、加熱して還流状態となるまで昇温して保持した。そこへ、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル18.0重量部、スチレン6.0重量部、メタクリルアミド3.0重量部、メタクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル3.0重量部、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.2重量部、イソプロピルアルコール20.0重量部を混合したものを、滴下ロートから還流状態を保ちながら2時間かけて滴下した。滴下終了後さらに30分間還流状態を保ち攪拌を続け、次いで2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.1重量部、イソプロピルアルコール1.0重量部を混合したものを添加し、さらに2時間還流状態で攪拌を続けた。重合終了後、不揮発分31.0重量%の樹脂溶液A−1を得た。
得られた樹脂は水酸基とアミド基を有し、その総量は5.3molである。また、数平均分子量は11000であり、25℃で水に不溶であった。
【0038】
製造例2
(A)成分の樹脂溶液A−2の製造
温度計、還流冷却器、攪拌機、滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、イソプロピルアルコール48.7重量部を仕込み、加熱して還流状態となるまで昇温して保持した。そこへ、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル15.0重量部、アクリル酸6.0重量部、メタクリル酸メチル9.0重量部、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.2重量部、イソプロピルアルコール20.0重量部を混合したものを、滴下ロートから還流状態を保ちながら2時間かけて滴下した。滴下終了後さらに30分間還流状態を保ち攪拌を続け、次いで2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.1重量部、イソプロピルアルコール1.0重量部を混合したものを添加し、さらに2時間還流状態で攪拌を続けた。重合終了後、不揮発分30.5重量%の樹脂溶液A−2を得た。
得られた樹脂は水酸基とカルボキシル基を有し、その総量は6.6molである。また、数平均分子量は9800であり、25℃で水に不溶であった。
【0039】
製造例3
(B)成分の無機酸化物ゾルB−1の製造
温度計、還流冷却器、攪拌機を備えたフラスコにスノーテックスIPA−ST(商品名、日産化学工業(株)製、酸化ケイ素ゾル、平均粒径:10〜15nm、不揮発分:30重量%、溶媒:イソプロピルアルコール)100.0重量部及びA−163(商品名、日本ユニカー(株)製、シランカップリング剤)4.0重量部を仕込み、加熱して80℃で8時間保持することにより、シランカップリング剤で表面処理された酸化ケイ素ゾルB−1を102.0重量部得た。
【0040】
製造例4
防汚処理剤E−1〜3の製造
表1記載の組成の原料を混合し、防汚処理剤1〜3を得た。
【0041】
【表1】
【0042】
注1)B−2:スノーテックスC(商品名、日産化学工業(株)製、酸化ケイ素ゾル、不揮発分:20%、溶媒:水)。
注2)B−3:アルミゾル−10(商品名、川研ファインケミカル(株)製、アルミナゾル、不揮発分:10%、溶媒:水)。
【0044】
実施例1〜
(1)防汚処理用ウエットティッシュの製造
表2記載の通り、防汚処理剤を紙又は不織布に含浸させることにより防汚処理用ウエットティッシュを作製した。
【0045】
【表2】
【0046】
注2)F−1 :リード・クッキングペーパー(商品名、王子製紙(株)製、紙)。
注3)F−2 :キムタオル(商品名、(株)クレシア製、紙)。
注4)F−3 :カーラグラグ(商品名、(株)ソフト99コーポレーション製、不織布)。
注6)紙又は不織布の重量に対する防汚処理剤の含浸重量。
【0047】
(2)試験片の作成及び性能試験
リン酸亜鉛処理軟鋼板にカチオン電着塗料アクアNo.4200(登録商標、日本油脂(株)製)を乾燥膜厚20μmとなるよう電着塗装して175℃で25分間焼き付け、次に中塗り塗料ハイエピコNo.500中塗(登録商標、日本油脂(株)製)を乾燥膜厚30μmとなるようにエアスプレー塗装し140℃で30分間焼き付け、さらにメラミNo.2000上塗白(登録商標、日本油脂(株)製)を乾燥膜厚30μmとなるようにエアスプレー塗装し140℃で30分間焼き付けたものを基材とした。
その後、上記(1)の防汚処理用ウエットティッシュを用いて、表2記載の条件で防汚処理を行い試験片を作製した。
性能試験結果を表2に示すが、いずれの場合も良好な外観性、高い親水性、優れた耐汚染性を示した。
【0048】
比較例1〜4
表3記載の組成の処理液をそれぞれ不織布(カーラグラグ、商品名、(株)ソフト99コーポレーション製)に含浸させることによりウエットティッシュを作製した。実施例1〜と同様にして基材を作製し、比較例1では防汚処理を行わずに、また、比較例2〜4では上記のウエットティッシュを用いて表3記載の条件で防汚処理を行い、試験片を作製した。性能試験結果を表3に示すが、比較例1では防汚処理が何ら行われてないため、比較例2ではウエットティッシュ中に防汚処理剤が何ら含浸されてないため、比較例3では処理液中に(A)成分の樹脂が何ら配合されてないため、比較例4では処理液中に(B)成分の無機酸化物ゾルが何ら配合されてないため、いずれの試験片もその表面の親水性は高くなく、耐汚染性に劣った。
【0049】
【表3】
【0050】
注1)紙又は不織布の重量に対する防汚処理剤の含浸重量。
【0051】
【発明の効果】
本発明の防汚処理用ウエットティッシュは、専用の設備を必要とすることなく簡単な作業で基材表面を親水化することにより優れた耐汚染性を付与する。また、本発明の防汚処理方法は、上記防汚処理用ウエットティッシュを用いた方法であり、簡単な作業で基材に優れた耐汚染性を付与する。さらに、本発明の防汚処理物品は、上記防汚処理方法により処理された物品であり、耐汚染性に優れている。

Claims (3)

  1. 紙又は不織布に、(A)水酸基、カルボキシル基、アミノ基、イミノ基、アミド基の中から選ばれた少なくとも1種の親水性官能基を有し、該親水性官能基の総量が樹脂1000g当たり4mol以上であり、かつ25℃で水に不溶である樹脂であって、樹脂不揮発成分0.05〜30重量%、(B)無機酸化物ゾル不揮発成分0.05〜30重量%、(C)有機溶剤1〜50重量%及び(D)水40〜99重量%から成る防汚処理剤を含浸させて成ることを特徴とする防汚処理用ウエットティッシュ。
  2. 請求項に記載の防汚処理用ウエットティッシュを用いて基材表面をワイプし、基材表面上で防汚処理剤を乾燥させることを特徴とする防汚処理方法。
  3. 請求項記載の防汚処理方法により処理されたことを特徴とする防汚処理物品。
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