JP3797468B2 - 耐汚染性塗料組成物、塗装仕上げ方法及び塗装物品 - Google Patents

耐汚染性塗料組成物、塗装仕上げ方法及び塗装物品 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な塗料組成物、塗装仕上げ方法及び塗装物品に関する。さらに詳しくは、特に自動車塗装分野において耐汚染性、汚染除去性、耐候性、耐水性、耐化学性及び外観性に優れる塗膜を与えることできる塗料組成物、塗装仕上げ方法及び塗装物品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現状、自動車ユーザーは新車の美しい外観を維持することを望んでおり、その阻害要因である汚れを除くため、洗剤を使った水洗い、水分の拭き取り、さらに撥水ワックスでの汚れ落としやツヤ出しを行っている。
しかし、この作業は数時間を要する労作業でユーザーにとってかなりの負荷となっている。特にワックスは撥水性のものが主のため、汚れが親水性であれ疎水性であれ降雨時の付着仕事が大きく汚れが落ちないのに加え、汚れを含んだ水滴が乾燥すると点状の見苦しい汚れとなり、ユーザーの折角のメンテナンスも1日で無駄になる場合もある。ユーザーはこのメンテナンス負荷を低減させる商品を望んでいる。
また、近年の環境保護意識の高まりから、洗剤や石油系ワックスの河川流出による水質汚染も懸念されており、欧州においては自宅の洗車が禁止されている国もある。そういった背景から降雨で汚れを落とすことで、ユーザーの洗車頻度を少なくしたり、汚れても洗剤を使わず汚れ落としができるような塗装や後処理剤の研究がなされている。そのためには、水中での汚れの付着仕事を小さくする、すなわち塗膜の表面エネルギーを大きく、親水性にする方向が良いことが提案されている(塗装工学 Vol.31 No.7 260〜320頁 1996年)。
塗膜を親水化する具体的な方法としては、例えば、国際公開公報WO94/06870号には特定の有機塗料組成物に特定のオルガノシリケート及び/又はその縮合物を配合してなる塗料組成物が開示されており、酸処理後の水の接触角が70度以下の塗膜が得られるとされている。また国際公開公報WO97/23572号には基材表面に光触媒性コーティングを塗布することによって、高度な親水性を付与できることが開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、国際公開公報WO94/06870号の方法では、塗膜形成後親水化するのに長時間を要し、構造物と違い購入後直ちに機能発現を要求される自動車では、ユーザーの満足は得られない。また、塗膜内部にシリケートが大きな島として存在するため、バインダーとの屈折率差から白味を帯びたり、水に触れると島状シリケートが吸水し、白化現象を起こす傾向があり、高い外観商品性、耐久性を要求される自動車塗装には致命的である。加えて、酸処理した塗膜の水接触角は実施例で最も低いものが56°と親水度が十分ではなく、カーボンなど疎水性汚れをスプレー洗車のみで除去させることができる30°以下の接触角をもったメンテナンスイージー塗膜という意味では、はるかに足りないものであった。
【0004】
また国際公開公報WO97/23572号の方法では、光を照射すると塗膜を高度に親水化させることはできるが、ドアなど垂直面は光を十分受けることができず、さらに夜間やガレージ保管で光照射が断たれると効果が低下もしくは消失することがあるため、効果にムラがあり十分とは言えない。また光触媒反応で生成されるヒドロキシラジカルやスーパーオキサイドイオンは下層の有機塗膜を劣化させるため、長期耐候性を要求する自動車には適しているとは言えない。定期的に塗り替えメンテナンスすることでの対応はあるが、かえってユーザーのメンテナンスコストが従来メンテナンスと同じかむしろ増大する可能性もあるのでコスト面で望ましくない。
本発明の目的は、降雨による自己洗浄はもとより、汚れてもスプレー洗車のみで汚れが落ちる機能を有す高度な親水性を塗膜形成直後から発現させ、さらに従来の自動車塗装並の耐候性、耐水性、耐化学性を具備した塗膜を形成できる塗料組成物を提供し、かつより優れた仕上がり外観を具備させることが可能な塗装仕上げ方法、及びその方法によって得られた塗装物品を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の好ましい性質を有する塗料組成物を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、(A)特定の脂肪族スルホン酸化合物又は脂肪族スルホン酸化合物のアミン塩、(B)
一分子中にカルボキシル基、カルボン酸無水物基及びアルキルビニルエーテル化合物でブロック化されたカルボキシル基の官能基から選ばれる少なくとも1種を有する化合物、(C)特定のオルガノシリケート及び/又はその縮合物、(D)一分子中にエポキシ基及び/又はアルコキシシリル基を有する樹脂、及び(E)酸化アルミニウムゾル、酸化ケイ素ゾル、酸化ジルコニウムゾル及び酸化アンチモンゾルの中から選ばれた少なくとも1種の無機酸化物ゾルの分散体であって、かつ、不揮発成分が、アクリル系重合体で包含されたコア/シェル構造を有する複合体である分散体を含有してなる耐汚染性塗料組成物により、その目的を達成しうることを見出し本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち本発明は、
(A) 脂肪族スルホン酸化合物又は脂肪族スルホン酸化合物のアミン塩、
(B)一分子中にカルボキシル基、カルボン酸無水物基及びアルキルビニルエーテル化合物でブロック化されたカルボキシル基の官能基から選ばれる少なくとも1種を有する化合物、
(C)一般式(1) (R−Si−(OR4−m (1)
(式中のR及びRはそれぞれ水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基又はアリール基であり、mは0又は1である。)で表されるオルガノシリケート及び/又はその縮合物、及び
(D)一分子中にエポキシ基及び/又はアルコキシシリル基を有する樹脂、及び
(E)酸化アルミニウムゾル、酸化ケイ素ゾル、酸化ジルコニウムゾル及び酸化アンチモンゾルの中から選ばれた少なくとも1種の無機酸化物ゾルの分散体であって、かつ、不揮発成分が、アクリル系重合体で包含されたコア/シェル構造を有する複合体である分散体を含有して成ることを特徴とする耐汚染性塗料組成物を提供するものである。
【0007】
また、本発明は、上記耐汚染性塗料組成物において、さらに、(F)一般式(2)
(R −Si−(OR 4−n (2)
(式中のR 及びR はそれぞれ水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基又はアリール基であり、 n は0又は1である。)で表されるオルガノシリケート及び/又はその縮合物に由来する変性部分と、一分子中に水酸基又は水酸基及びエポキシ基の両方を有するアクリル樹脂構造部分からなる変性樹脂を含有して成り、(D)成分が(F)成分を除くものである耐汚染性塗料組成物を提供するものである。
また、本発明は、上記耐汚染性塗料組成物において、(A)成分の脂肪族スルホン酸化合物が、炭素数4〜30の範囲内にあるアルキル基を有し、(A)〜(F)成分の全不揮発分総量に対して、(A)成分を0.05〜10質量%含有する耐汚染性塗料組成物を提供するものである。
【0008】
また、本発明は、上記耐汚染性塗料組成物において、(B)成分が一分子中に2以上のカルボキシル基及び/又はアルキルビニルエーテル化合物でブロック化されたカルボキシル基を有し、(A)〜(F)成分の全不揮発分総量に対して、(B)成分を3〜80質量%含有する耐汚染性塗料組成物を提供するものである。
また、本発明は、上記耐汚染性塗料組成物において、(C)成分のオルガノシリケートの縮合物の重量平均分子量が500〜10000の範囲内にあり、(A)〜(F)成分の全不揮発分総量に対して、(C)成分を0.1〜30質量%含有する耐汚染性塗料組成物を提供するものである。
また、本発明は、上記耐汚染性塗料組成物において、(D)成分の化合物が一分子中に2以上のエポキシ基を有するアクリル樹脂であり、(A)〜(F)成分の全不揮発分総量に対して、(D)成分を3〜80質量%含有する請求項1〜5のいずれかに記載の耐汚染性塗料組成物を提供するものである。
また、本発明は、上記耐汚染性塗料組成物において、(F)成分の変性樹脂のアクリル樹脂構造部分が、一般式(3)
【0009】
【化3】
Figure 0003797468
【0010】
(式中のR及びRはそれぞれ水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、
yは1〜10の整数である。)で示される有機基を有する耐汚染性塗料組成物を提供するものである
【0012】
また、本発明は、上記耐汚染性塗料組成物において、(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分の全不揮発分100質量部に対して、(E)成分不揮発成分を1〜100質量部含有する耐汚染性塗料組成物を提供するものである。
また、本発明は、上記耐汚染性塗料組成物において、(E)成分におけるアクリル系重合体が、2種以上のアクリル系単量体を共重合して得られるアクリル系共重合体である耐汚染性塗料組成物を提供するものである。
また、本発明は、上記耐汚染性塗料組成物において、(F)成分の変性樹脂に用いられるオルガノシリケートの縮合物の重量平均分子量が200〜2000の範囲内にあり、(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分の全不揮発分100質量部に対して、(F)成分の変性樹脂が1〜70質量%含有する耐汚染性塗料組成物を提供するものである。
【0013】
また、本発明は、(A)〜(F)成分の全不揮発成分100質量部当り、顔料を0〜200質量部含有する上記耐汚染性塗料組成物からなる上塗り塗料を被塗装体に塗装することを特徴とする塗装仕上げ方法を提供するものである。
また、本発明は、上記塗装仕上げ方法において、基材上に着色フィルム形成性組成物を塗布してベースコートを形成し、次いで該ベースコートにクリヤーフィルム形成性組成物を塗布して透明トップコートを形成することから成る被塗装体に複合被膜を塗装する方法において、該トップコートクリヤーフィルム形成性組成物のみが、あるいは該トップコートクリヤーフィルム形成性組成物及び着色フィルム形成性組成物のいずれもが、上記耐汚染性塗料組成物のいずれかを含有することを特徴とする塗装仕上げ方法を提供するものである。
【0014】
また、本発明は、上記塗装仕上げ方法において、基材上に着色ベースコート塗料を塗装し、未架橋の状態でアンダークリヤー塗料を塗布し、これを焼き付けた後、さらにオーバーコートクリヤー塗料を塗布して焼き付ける塗装方法において、該アンダークリヤー塗料がアクリル樹脂/アミノプラスト樹脂系塗料、アクリル樹脂/ウレタン樹脂硬化剤系塗料又はアクリル樹脂/アミノプラスト樹脂/ウレタン樹脂硬化剤系塗料のいずれかから選ばれるものであり、かつ当該オーバーコートクリヤー塗料が上記耐汚染性塗料組成物のいずれかを含有することを特徴とする塗装仕上げ方法を提供するものである。
また、本発明は、上記塗装仕上げ方法において、基材上に着色ベースコート塗料を塗装し、未架橋の状態でアンダークリヤー塗料を塗布し、これを焼き付けた後、さらにオーバーコートクリヤー塗料を塗布して焼き付ける塗装方法において、該アンダークリヤー塗料が(a)水酸基とエポキシ基の両方を有するアクリル樹脂40〜80質量%、(b)アミノプラスト樹脂0〜60質量%、(c)ウレタン樹脂硬化剤0〜60質量%から構成される樹脂混合物を主成分とする塗装仕上げ方法を提供するものである。
また、本発明は、上記塗装仕上げ方法により塗装されたこと特徴とする塗装物品を提供するものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の耐汚染性塗料組成物(以下、単に塗料組成物と略すこともある。)において(A)成分の脂肪族スルホン酸化合物又は脂肪族スルホン酸化合物のアミン塩は、塗膜形成直後から高度な親水性を得るために必要であり、主に(C)成分のオルガノシリケート及び/又はその縮合物の加水分解反応を促進するために用いられる。かかる脂肪族スルホン酸化合物は、より具体的には炭素数4〜30の範囲内にあるアルキル基を有するものが好ましく、該アルキル基を1又は2以上有するものでもよいが、1又は2有するものが好ましい。1又は2以上のアルキル基の総炭素数は、8〜26が好ましく、10〜24が特に好ましい。なお、アルキル基は、飽和であることが好ましいが、不飽和基を有するものであってもよい。脂肪族スルホン酸化合物の具体例としては、アニオン系脂肪族界面活性剤をイオン交換したものが挙げられる。ここでイオン交換する方法としては、例えばイオン交換樹脂を用いる、あるいは塩酸、硫酸、硝酸などの無機酸を加えて対カチオンを水素原子におきかえる方法等が挙げられる。該アニオン系脂肪族界面活性剤としては、例えば
【0016】
【化5】
Figure 0003797468
【0017】
(ただし、Rは炭素数8〜30のアルキル基、Rは炭素数4〜12のアルキル基、Rは炭素数13〜30のアルキル基を示す。)
上記の方法で得られた脂肪族スルホン酸化合物はそのまま用いても良いし、またアミン塩の形態で用いても良い。アミン塩としては、上記の方法で得られた脂肪族スルホン酸化合物にアミンで中和した塩が挙げられる。脂肪族スルホン酸化合物のアミン塩の具体例としては、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジヘキシルアミン、ジオクチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、イソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ジメチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、ピリジン、モルホリン、N-メチルモルホリン、アニリン、ジメチルアニリン、ジメチルベンジルアミン、テトラメチルブタンジアミン、ジメチルラウリルアミン等が挙げられる。
ここで(A)成分の脂肪族スルホン酸化合物又は脂肪族スルホン酸化合物のアミン塩の含有量は、(A)〜(F)成分の全不揮発分総量に対して、0.05〜10質量%が好ましく、0.1〜5質量%がより好ましく、0.1〜3質量%が特に好ましい。ここで(A)成分が0.1質量%未満の場合、塗膜形成直後から高度な親水性を得ることが困難となるため好ましくなく、また10質量%を越える場合は硬化塗膜の高度の耐水性が低下するため好ましくない。
【0018】
本発明の耐汚染性塗料組成物に用いられる(B)成分は、(D)成分と熱硬化反応する化合物であり、一分子中にカルボキシル基、カルボン酸無水物基及びアルキルビニルエーテル化合物でブロック化されたカルボキシル基の官能基から選ばれる少なくとも1種を有する化合物(以下、単に硬化剤と略す場合もある)である。かかる硬化剤の具体例としては、一分子中にカルボキシル基を有する化合物では、例えばコハク酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカメチレンジカルボン酸、ダイマー酸、フタル酸、マレイン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸などが挙げられる。また、その他の一分子中にカルボキシル基を有する化合物としては、▲1▼一分子当たり水酸基を1個以上、好ましくは2〜50個有するポリオールとカルボン酸無水物をハーフエステルさせる、▲2▼一分子当たりイソシアネート基を1個以上、好ましくは2〜50個有するポリイソシアネート化合物とヒドロキシカルボン酸又はアミノ酸とを付加させる、▲3▼カルボキシル基含有ラジカル重合性単量体を単独重合又は他のラジカル重合性単量体と共重合させる、▲4▼カルボキシル基末端のポリエステル樹脂を合成するなどの方法によって得られる化合物などが挙げられる。また、一分子中にカルボン酸無水物基を有する化合物としては、例えば、無水コハク酸、無水フタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、メチル化無水ヘキサヒドロフタル酸、無水テトラヒドロフタル酸などの一分子中にカルボン酸無水物基を1個有する化合物の他に、酸無水物基を有するラジカル重合性単量体、例えば無水マレイン酸、無水イタコン酸などと他のラジカル重合性単量体との共重合体が挙げられる。さらに、一分子中にアルキルビニルエーテル化合物でブロック化されたカルボキシル基を有する化合物としては、上記の一分子中にカルボキシル基を有する化合物のカルボキシル基をアルキルビニルエーテル化合物でブロックすることによって得られる化合物などが挙げられる。かかるアルキルビニルエーテル化合物としては、例えば、エチルビニルエーテル、n-プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n-ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、t-ブチルビニルエーテル、ペンチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、イソヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、2,3-ジヒドロフラン、3,4-ジヒドロフラン、3,4-ジヒドロ-2H-ピラン、3,4-ジヒドロ-2-メトキシ-2H-ピラン、3,4-ジヒドロ-4,4-ジメチル-2H-ピラン-2-オン、3,4-ジヒドロ-2-エトキシ-2H−ピランなどが挙げられる。
【0019】
本発明の耐汚染性塗料組成物において、(B)成分の硬化剤の含有量は、(A)〜(F)成分の全不揮発分総量に対して3〜80質量%が好ましく、10〜70質量%がより好ましく、25〜60質量%が特に好ましい。(B)成分が3質量%未満の場合、最終的に得られる硬化塗膜の耐溶剤性が不十分となるため好ましくなく、80質量%を越える場合は硬化塗膜の耐クラック性が低下するため好ましくない。
本発明の耐汚染性塗料組成物に用いられる(C)成分は、塗膜表面に浮上し濃縮層を形成することで、塗膜硬化後に短時間で高度な耐汚染性を発現するために必要であり、一般式(1)で表されるオルガノシリケート及び/又はその縮合物が用いられる。
一般式(1)で表されるオルガノシリケートの好ましい具体例としては、例えばテトラヒドロキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラフェノキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、エトキシトリメトキシシラン、プロポキシトリメトキシシラン、ブトキシトリメトキシシランなどが挙げられる。
【0020】
また、オルガノシリケートの縮合物としては、前記一般式(1)で表されるオルガノシリケートの1種又は2種以上の分岐状もしくは直鎖状の縮合物であって、重量平均分子量が500〜10000の範囲にあるものが好ましく、500〜5000の範囲内にあるものが特に好ましい。オルガノシリケートの縮合物の市販品としては、MKCシリケートMS51、MS56、MS57、MS56S、MS56SB5、ES40、EMS31、BTS(いずれも商品名、三菱化学(株)製)、メチルシリケート51、エチルシリケート40、エチルシリケート40T、エチルシリケート48(いずれも商品名、コルコート(株)製)、エチルシリケート40、45(いずれも商品名多摩化学工業(株)製)などが挙げられ、上記オルガノシリケートの縮合物の市販品を微量の水存在下でさらに縮合を進めたものも用いることができる。
本発明の耐汚染性塗料組成物において、(C)成分のオルガノシリケート及び/又はその縮合物の含有量は、(A)〜(F)成分の全不揮発分総量に対して0.1〜30質量%が好ましく、0.2〜20質量%がより好ましく、0.5〜15質量%が特に好ましい。(C)成分が0.1質量%未満の場合、硬化塗膜を形成した飽和水接触角が目的の耐汚染性能を満たすまで低下しないため好ましくなく、30質量%を越える場合は硬化塗膜の耐水性が低下するため好ましくない。
【0021】
本発明の耐汚染性塗料組成物において用いられる(D)成分は、一分子中にエポキシ基及び/又はアルコキシシリル基を有する樹脂であり、本発明の塗料組成物の主体樹脂として位置付けられるものであり、硬化塗膜の物理的性能及び化学的性能などの基本性能をつかさどるものであり、(B)成分の硬化剤と反応し三次元架橋膜を形成する。かかる樹脂の好ましい例は、エポキシ基を有するラジカル重合性単量体及び/又はアルコキシシリル基を有するラジカル重合性単量体を、他のラジカル重合性単量体と共重合せしめたアクリル樹脂が挙げられ、より好ましいものとしてエポキシ基を有するラジカル重合性単量体と他のラジカル重合性単量体とを共重合せしめたアクリル樹脂が挙げられる。エポキシ基を有するラジカル重合性単量体としては、例えば、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸3,4-エポキシシクロヘキシルメチル、メタクリル酸3,4-エポキシシクロヘキシルメチルなどが挙げられ、アルコキシシリル基を有するラジカル重合性単量体としては、例えば、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシランなどが挙げられ、1種又は2種以上の混合物として得られる。他のラジカル重合性単量体としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n-プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸sec-ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n-プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n-ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸sec-ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステアリル、スチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸-2-ヒドロキシエチル、アクリル酸-2-ヒドロキシプロピル、アクリル酸-3-ヒドロキシプロピル、アクリル酸-4-ヒドロキシブチル、メタクリル酸-2-ヒドロキシエチル、メタクリル酸-2-ヒドロキシプロピル、メタクリル酸-3-ヒドロキシプロピル、メタクリル酸-4-ヒドロキシブチル、アリルアルコール、アクリル酸とバーサチック酸グリシジルエステルの付加物、メタクリル酸とバーサチック酸グリシジルエステルの付加物;アクリル酸-2-ヒドロキシエチル、アクリル酸-2-ヒドロキシプロピル、アクリル酸-3-ヒドロキシプロピル、アクリル酸-4-ヒドロキシブチル、メタクリル酸-2-ヒドロキシエチル、メタクリル酸-2-ヒドロキシプロピル、メタクリル酸-3-ヒドロキシプロピル、メタクリル酸-4-ヒドロキシブチルのε−カプロラクトン付加物;アクリル酸-2-ヒドロキシエチル、アクリル酸-2-ヒドロキシプロピル、アクリル酸-3-ヒドロキシプロピル、アクリル酸-4-ヒドロキシブチル、メタクリル酸-2-ヒドロキシエチル、メタクリル酸-2-ヒドロキシプロピル、メタクリル酸-3-ヒドロキシプロピル、メタクリル酸-4-ヒドロキシブチルのエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド付加物などが挙げられ、1種又は2種以上の混合物として用いられる。
【0022】
本発明の耐汚染性塗料組成物において、(D)成分の一分子中にエポキシ基及び/又はアルコキシシリル基を有する樹脂の含有量は、(A)〜(F)成分の全不揮発分総量に対して3〜80質量%が好ましく、10〜70質量%がより好ましく、15〜60質量%が特に好ましい。(D)成分が3質量%未満の場合、硬化塗膜の物理性能を調節する効果が認められなくなるため好ましくなく、80質量%を越える場合は目的とする硬化塗膜の耐汚染性が低下するため好ましくない。
また本発明の耐汚染性塗料組成物においては、硬化塗膜が研磨された際にも安定して長期間に亘り耐汚染性能を発現させるために、(E)成分の酸化ケイ素ゾル、酸化アルミニウムゾル、酸化ジルコニウムゾル及び酸化アンチモンゾルの中から選ばれた少なくとも1種の無機酸化物ゾルの分散体であって、かつ、不揮発成分が、アクリル系重合体で包含されたコア/シェル構造を有する複合体である分散体を用い
【0023】
これらの無機酸化物ゾルは、一般に水分散体として製造されることが多いが、所望の有機溶剤に相転換することにより、本発明の耐汚染性塗料組成物に用いることが可能となる。使用する有機溶媒で好ましいものは、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、2-エチルヘキサノール、シクロヘキサノール等のアルコール系溶剤、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテル系溶剤、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤である。
この相転換方法としては、例えば水系分散体中に水に可溶な有機溶媒を添加し、水を留去させる操作を繰り返すことにより、所望の有機溶媒中に相転換する方法などを用いることができる.
【0024】
酸化ケイ素ゾルの分散体は、四ハロゲン化ケイ素を水中に加える、ケイ酸ナトリウム水溶液に酸を加える、アルコキシシラン化合物を水中で縮合させる等の方法で得ることができる。また、市販品として、例えば、スノーテックス40、スノーテックスO、スノーテックスC、スノーテックスN、スノーテックスIPA−ST、スノーテックスEG−ST、スノーテックスXBA−ST、スノーテックスMIBK−ST(いずれも商品名、日産化学工業(株)製)、カタロイドS−30H、カタロイドSI−30、カタロイドSN、カタロイドSA、オスカル1132、オスカル1232、オスカル1332(いずれも商品名、触媒化成工業(株)製)、アデライトAT30、アデライトAT20N、アデライトAT20A、アデライトAT20Q(いずれも商品名、旭電化工業(株)製)、シリカドール30、シリカドール20A、シリカドール20B(いずれも商品名、日本化学工業(株)製)などの酸化ケイ素ゾル;アルミナゾル100、アルミナゾル200、アルミナゾル520(いずれも商品名、日産化学工業(株)製)、アルミナクリアーゾル、アルミゾル10、アルミゾル20、アルミゾルSV102、アルミゾルSH5、アルミゾルCSA55、アルミゾルCSA11AD(いずれも商品名、川研ファインケミカル(株)製)などの酸化アルミゾル;A−1150、A−2550、サンコロイドATL130、サンコロイドAMT−130(いずれも商品名、日産化学工業(株)製)などの酸化アンチモンゾル;NZS−30A、NZS−30B(いずれも商品名、日産化学工業(株)製)などの酸化ジルコニウムゾルなどが挙げられる。
【0025】
無機酸化物ゾルの分散体の不揮発分は、本発明の塗料組成物中でより均一に存在させるためにアクリル系重合体で包含されたコア/シェル構造を有する複合体であ。アクリル系重合体で包含されたコア/シェル構造を有する複合体を得るためには、無機酸化物ゾルの分散体を有機溶剤系に相転換せしめた後、ラジカル重合性基を有するシランカップリング剤で無機酸化物粒子の表面をカップリングさせ、さらに該カップリングされた無機酸化物ゾルの分散体の存在下で他のアクリル系単量体をラジカル重合することによって得られる。
ここでラジカル重合性基を有するシランカップリング剤としては、例えば、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシランなどが挙げられる。ラジカル重合性基を有するシランカップリング剤の使用量は、無機酸化物ゾルの不揮発分微粒子100質量部当り、1〜100質量部が好ましく、1〜80質量部がより好ましく、2〜60質量部が特に好ましい。
【0026】
また、他のアクリル系単量体としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n-プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸sec-ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n-プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n-ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸sec-ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステアリル、スチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸-2-ヒドロキシエチル、アクリル酸-2-ヒドロキシプロピル、アクリル酸-3-ヒドロキシプロピル、アクリル酸-4-ヒドロキシブチル、メタクリル酸-2-ヒドロキシエチル、メタクリル酸-2-ヒドロキシプロピル、メタクリル酸-3-ヒドロキシプロピル、メタクリル酸-4-ヒドロキシブチル、アリルアルコール、アクリル酸とバーサチック酸グリシジルエステルの付加物、メタクリル酸とバーサチック酸グリシジルエステルの付加物;アクリル酸-2-ヒドロキシエチル、アクリル酸-2-ヒドロキシプロピル、アクリル酸-3-ヒドロキシプロピル、アクリル酸-4-ヒドロキシブチル、メタクリル酸-2-ヒドロキシエチル、メタクリル酸-2-ヒドロキシプロピル、メタクリル酸-3-ヒドロキシプロピル、メタクリル酸-4-ヒドロキシブチルのε−カプロラクトン付加物;アクリル酸-2-ヒドロキシエチル、アクリル酸-2-ヒドロキシプロピル、アクリル酸-3-ヒドロキシプロピル、アクリル酸-4-ヒドロキシブチル、メタクリル酸-2-ヒドロキシエチル、メタクリル酸-2-ヒドロキシプロピル、メタクリル酸-3-ヒドロキシプロピル、メタクリル酸-4-ヒドロキシブチルのエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド付加物;アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸3,4-エポキシシクロヘキシルメチル、メタクリル酸3,4-エポキシシクロヘキシルメチルなどが挙げられ、1種又は2種以上の混合物として用いられる。
【0027】
ここでアクリル系重合体で包含されたコア/シェル構造を有する複合体のコア部とシェル部の割合は、無機酸化物ゾルの不揮発分微粒子100質量部に対して、アクリル系重合体のシェル部が10〜1000質量部の範囲内にあることが望ましく、30〜800質量部の範囲内にあることがより望ましく、50〜500質量部の範囲内にあることが特に望ましい。アクリル系重合体のシェル部が10質量部未満の場合、無機酸化物の微粒子を本発明の塗料中により均一に存在させることが困難となるため好ましくなく、また1000質量部を越える場合は塗膜研磨部において長期に亘り耐汚染性能を発現することが困難となるため好ましくない。
(E)成分の無機酸化物ゾルの含有量は、その不揮発分が、(A)〜(D)成分の全不揮発分100質量部に対して1〜100質量部が好ましく、2〜80質量部がより好ましく、5〜60質量部が特に好ましい。ここで(E)成分が1質量部未満の場合、塗膜研磨部において長期に亘り耐汚染性能を発現することが困難となるため好ましくなく、100質量部を越える場合は硬化塗膜の耐水性が低下するため好ましくない。
【0028】
本発明の耐汚染性塗料組成物においてより高度な耐水性を求める場合には、(F)成分として一般式(2)で表されるオルガノシリケート及び/又はその縮合物に由来する変性部分と、一分子中に水酸基もしくは水酸基とエポキシ基を有するアクリル樹脂構造部分からなる変性樹脂を用いることもできる。
一般式(2)で表されるオルガノシリケートの好ましい具体例としては、例えばテトラヒドロキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラフェノキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、エトキシトリメトキシシラン、プロポキシトリメトキシシラン、ブトキシトリメトキシシランなどが挙げられる。
またオルガノシリケートの縮合物としては、前記一般式(2)で表されるオルガノシリケートの1種又は2種以上の分岐状もしくは直鎖状の縮合物であって、重量平均分子量が200〜2000の範囲にあるものが好ましく、300〜1500の範囲内にあるものが特に好ましい。オルガノシリケートの縮合物の市販品としては、MKCシリケートMS51、MS56、MS57、MS56S、MS56SB5、ES40、EMS31、BTS(いずれも商品名、三菱化学(株)製)、メチルシリケート51、エチルシリケート40、エチルシリケート40T、エチルシリケート48(いずれも商品名、コルコート(株)製)、エチルシリケート40,45(いずれも商品名多摩化学工業(株)製)などが挙げられる。
【0029】
一分子中に水酸基もしくは、水酸基とエポキシ基の両方を有するアクリル樹脂構造部分は、水酸基を有するラジカル重合性単量体とその他のラジカル重合性単量体を有機溶媒中で通常のラジカル共重合するか、もしくは水酸基を有するラジカル重合性単量体とエポキシ基を有するラジカル重合性単量体と、その他のラジカル重合性単量体を有機溶媒中で通常のラジカル共重合することにより得られる。
水酸基を有するラジカル重合性単量体の具体例としては、例えば、アクリル酸-2-ヒドロキシエチル、アクリル酸-2-ヒドロキシプロピル、アクリル酸-3-ヒドロキシプロピル、アクリル酸-4-ヒドロキシブチル、メタクリル酸-2-ヒドロキシエチル、メタクリル酸-2-ヒドロキシプロピル、メタクリル酸-3-ヒドロキシプロピル、メタクリル酸-4-ヒドロキシブチル、アリルアルコール、アクリル酸とバーサチック酸グリシジルエステルの付加物、メタクリル酸とバーサチック酸グリシジルエステルの付加物;アクリル酸-2-ヒドロキシエチル、アクリル酸-2-ヒドロキシプロピル、アクリル酸-3-ヒドロキシプロピル、アクリル酸-4-ヒドロキシブチル、メタクリル酸-2-ヒドロキシエチル、メタクリル酸-2-ヒドロキシプロピル、メタクリル酸-3-ヒドロキシプロピル、メタクリル酸-4-ヒドロキシブチルのε−カプロラクトン付加物;アクリル酸-2-ヒドロキシエチル、アクリル酸-2-ヒドロキシプロピル、アクリル酸-3-ヒドロキシプロピル、アクリル酸-4-ヒドロキシブチル、メタクリル酸-2-ヒドロキシエチル、メタクリル酸-2-ヒドロキシプロピル、メタクリル酸-3-ヒドロキシプロピル、メタクリル酸-4-ヒドロキシブチルのエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド付加物などが挙げられ、1種又は2種以上の混合物として用いられる。
【0030】
またエポキシ基を有するラジカル重合性単量体の具体例としては、例えば、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸3,4-エポキシシクロヘキシルメチル、メタクリル酸3,4-エポキシシクロヘキシルメチルなどが挙げられ、1種又は2種以上の混合物として用いられる。
ここで水酸基を有するラジカル重合性単量体は、該アクリル樹脂構造部分を構成する全単量体中1〜30質量%の範囲内で用いられることが望ましく、1〜15質量%がより望ましく、2〜7質量%が特に望ましい。該ラジカル重合性単量体が1質量%未満の場合、最終的に得られる硬化塗膜の耐水性が低下するため好ましくなく、また30質量%を越える場合は変性反応の際にゲル化しやすくなるため好ましくない。
また、エポキシ基を有するラジカル重合性単量体は、該アクリル樹脂構造部分を構成する全単量体中0〜70質量%の範囲内で用いられることが望ましく、5〜60質量%がより望ましく、10〜50質量%が特に望ましい。該ラジカル重合性単量体が70質量%を越える場合は、硬化塗膜の耐クラック性が低下するため好ましくない。
【0031】
その他のラジカル重合性単量体の具体例としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n-プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸sec-ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n-プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n-ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸sec-ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステアリル、スチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、メサコン酸、マレイン酸、フマル酸などが挙げられ、1種又は2種以上の混合物として用いられる。
ただしアクリル樹脂構造部分にエポキシ基を有するラジカル重合性単量体が用いられる場合は、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、メサコン酸、マレイン酸、フマル酸などのカルボキシル基を有するラジカル重合性単量体は、合成反応中のゲル化を避けるため用いない方が良い。
またアクリル樹脂構造部分を構成する単量体には、一般式(3)で示される有機基を含有するラジカル重合性単量体を用いることもできる。
【0032】
【化6】
Figure 0003797468
【0033】
(式中のR及びRはそれぞれ水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、
yは1〜10の整数である。)
かかるラジカル重合性単量体の具体例としては、例えば、アクリル酸-2-メトキシプロピル、アクリル酸-2-メトキシエチル、アクリル酸-2-エトキシプロピル、アクリル酸-2-エトキシエチル、メタクリル酸-2-メトキシプロピル、メタクリル酸-2-メトキシエチル、メタクリル酸-2-エトキシプロピル、メタクリル酸-2-エトキシエチル、ブレンマーPME−100、−200、−400、ブレンマーPE−90、−200、−350、ブレンマーPP−1000、−500(いずれも商品名、日本油脂(株)製)などが挙げられ、1種又は2種以上の混合物として得られる。(3)式で示される有機基を含有するラジカル重合性単量体は、(C)成分が少量でも有効に塗膜表面に配向させ目的の親水性を発現させるのに有用であり、該アクリル樹脂構造部分を構成する全単量体中1〜40質量%の範囲内で用いられることが望ましく、1〜30質量%がより望ましく、2〜25質量%が特に望ましい。ここで該ラジカル重合性単量体が1質量%未満の場合、(C)成分の表面配向度が減少し親水性が十分でないため好ましくなく、40質量%を越える場合は、塗膜の極性が高すぎ平滑性、耐水性が低下するため好ましくない。
【0034】
本発明に用いられる(F)成分の変性樹脂は、一般式(2)で表されるオルガノシリケート及び/又はその縮合物の存在下で、水酸基を有するラジカル重合性単量体を含有するか、もしくは水酸基を有するラジカル重合性単量体及びエポキシ基を有するラジカル重合性単量体の両方を含有するアクリル樹脂合成用の重合性単量体混合物を通常のラジカル溶液重合せしめるか、アクリル樹脂合成用のラジカル重合性単量体混合物を重合して得られる変性前駆体アクリル樹脂の合成後に一般式(2)で表されるオルガノシリケート及び/又はその縮合物を加熱下で反応することによって得られる。後者の場合、オルガノシリケート及び/又はその縮合物が遊離して残り、塗膜中で島状となり、外観性を損ねることがあるため、前者が好ましい。
ここで一般式(2)で表されるオルガノシリケート及び/又はその縮合物は(F)成分の変性樹脂中1〜70質量%の範囲内で用いられることが望ましく、3〜50質量%がより望ましく、5〜40質量%が特に望ましい。該オルガノシリケート及び/又はその縮合物が1質量%未満の場合、最終的に得られる硬化塗膜の耐汚染性が不十分となるため好ましくなく、70質量%を越える場合は硬化塗膜の耐水性が低下するため好ましくない。
また、本発明の耐汚染性塗料組成物において、(F)成分の変性樹脂は、(A)〜(D)成分の全不揮発分100質量部に対して1〜70質量部の範囲内で用いられることが望ましく、5〜55質量部がより望ましく、10〜40質量部が特に望ましい。ここで(F)成分が1質量部未満の場合、最終的に得られる硬化塗膜の耐汚染性が不十分となるため好ましくなく、70質量部を越える場合は硬化塗膜の耐水性が低下するため好ましくない。
【0035】
本発明の耐汚染性塗料組成物の硬化に要する温度及び時間については、特に制限されるものではないが、通常50〜300℃の範囲の温度で、10秒〜24時間程度加熱することにより硬化が完了する。
本発明の耐汚染性塗料組成物は、そのままで、あるいは必要に応じ、着色顔料、光輝顔料、フィラー、溶剤、紫外線吸収剤、ラジカル捕捉剤、酸化防止剤、ワキ防止剤、表面調整剤、タレ止め剤、流動性調整剤、硬化触媒、界面活性剤帯電防止剤、香料、脱水剤などを加えることもできる。
本発明の耐汚染性塗料組成物を塗布して形成される塗膜の膜厚は何ら制限させるものではなく、例えば1〜100μm、通常は10〜60μmの範囲内になるよう、選定すればよい。また、塗膜が2層以上である場合は、各層の厚みが前記の範囲なるように、選定すればよい。塗装方法としては、エアスプレー、エアレススプレー、静電エアスプレー、静電回転式霧化塗装、浸漬塗装、ロール塗装などの慣用の塗装機を用いて塗装される方法が挙げられる。
塗料を塗布する基材としては、特に限定されるものではなく、種種の基材を用いることができ、例えば、木、ガラス、金属、布、プラスチック、発泡体、弾性体、紙、セラミック、コンクリート、石膏ボード等の有機素材及び無機素材などが挙げられる。
【0036】
本発明の耐汚染性塗料組成物は、単層上塗り塗料又は着色ベースコートとクリヤートップコートとから成る複数層の塗膜(複合塗膜)を有する物品を調整する方法に使用する塗料などとして用いることができ、例えば自動車その他の道路車両用塗料などに用いることができる。これらの塗料に用いる際、(A)〜(F)成分の全不揮発成分100質量部あたり、顔料を0〜200質量部配合させることができるが、顔料を配合する場合には、少なくとも0.1質量部配合させることが好ましい。顔料は有機顔料、無機顔料、金属顔料、その他プラスチックピグメント等、通常の塗料に使用されるものを何ら制限なく用いることが可能である。複合塗膜の例としては、例えば基材上に着色フィルム形成性組成物を塗布してベースコート膜を形成させ、次いで該ベースコート膜上に本発明の耐汚染性塗料組成物であるクリヤーフィルム形成性組成物を塗布する方法がある。この際着色フィルム形成性組成物は、溶剤系もしくは水系のいずれの形態でも構わない。さらに着色フィルム形成性組成物を塗布後は、加熱硬化してから本発明の耐汚染性塗料組成物であるクリヤーフィルム形成性組成物を塗布することもできるし、また着色フィルム形成性組成物を塗布後、硬化させずに続けて本発明の耐汚染性塗料組成物であるクリヤーフィルム形成性組成物を塗布し2層同時に硬化させることもできる。
【0037】
上記複合塗膜の塗装仕上げ方法は、ベースコートの着色フィルム形成性組成物を、必要に応じて加温したり、有機溶媒又は反応性希釈剤を添加することにより所望の粘度に調整した後、乾燥後の塗膜が、5〜300μmになるように塗布し、
通常50〜300℃の温度で5秒〜24時間加熱硬化させ、又は2コート1ベーク方式の塗装を行う場合には、着色フィルム形成性組成物を例えば有機溶剤等の適当な希釈剤にて所望の粘度に希釈した後、上記方法を用いて乾燥後の膜厚が通常5〜40μm、好ましくは7〜35μmになるように塗布し、室温〜100℃の温度で1〜20分間放置し、次いでクリヤーコート膜のクリヤーフィルム形成性組成物を、上記方法を用いて乾燥後の膜厚が10〜100μm、好ましくは10〜60μmになるように塗布し、50〜300℃の温度で5秒〜24時間熱硬化させる方法などが挙げられる。
【0038】
さらに本発明の耐汚染性塗料組成物は、すでに上塗り塗装まで完成された塗膜の上にオーバーコートクリヤー塗料として用いることもできる。この際該上塗り塗膜としては、前記の溶剤系もしくは水系の着色フィルム形成性組成物を塗装し、未架橋の状態の上にアクリル樹脂/アミノプラスト樹脂系塗料、アクリル樹脂/ウレタン樹脂硬化剤系塗料又はアクリル樹脂/アミノプラスト樹脂/ウレタン樹脂硬化剤系塗料のいずれかから選ばれるクリヤー塗料(以下アンダークリヤー塗料と略すこともある。)を塗装し、2層同時に硬化させることにより形成されるものであることが好ましい。この際該アンダークリヤー塗料は、(a)水酸基とエポキシ基の両方を有するアクリル樹脂40〜80質量%、好ましくは45〜75質量%、(b)アミノプラスト樹脂0〜60質量%、好ましくは10〜50質量%、(c)ウレタン樹脂硬化剤0〜60質量%、好ましくは1〜30質量%から構成される樹脂樹脂混合物を主成分とすることを特徴とする塗料組成物であることがオーバーコートクリヤー塗料との密着性の観点からより望ましい。
【0039】
(a)成分の水酸基とエポキシ基の両方を有するアクリル樹脂は、前記の水酸基を有するラジカル重合性単量体及びエポキシ基を有するラジカル重合性単量体と、その他のラジカル重合性単量体を有機溶媒中で通常のラジカル共重合することにより得られる。ここで(a)成分が40質量%未満の場合、オーバーコートクリヤー塗料との密着性が低下するため好ましくなく、80質量%を越える場合は硬化塗膜の耐ガソリン性が低下するため好ましくない。(b)成分のアミノプラスト樹脂は例えば、メラミン樹脂、尿素樹脂、グアナミン樹脂、グリコルリル樹脂などを用いることができ、中でもメラミン樹脂が耐候性の観点から特に好まし
い。ここで(b)成分が60質量%を越えると硬化塗膜の耐クラック性が低下するため好ましくない。(c)成分のウレタン樹脂硬化剤は、ポリオールなどと化学反応してウレタン結合を形成できる官能基を有する化合物であり、例えば、ポリイソシアネート化合物、ブロック化ポリイソシアネート化合物、ポリカーバメート化合物などを用いることができ、中でもブロック化ポリイソシアネート化合物が好ましい。さらにより好ましくは脂肪族系のブロック化ポリイソシアネート化合物が硬化塗膜の耐黄変性の点で好適である。ここで(c)成分が60質量%を越えると硬化塗膜の耐クラック性が低下するため好ましくない。また該アンダークリヤー塗料は、必要に応じ、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、着色顔料、光輝顔料、フィラー、溶剤、紫外線吸収剤、ラジカル捕捉剤、酸化防止剤、ワキ防止剤、表面調整剤、タレ止め剤、流動性調整剤、硬化触媒、界面活性剤帯電防止剤、香料などを加えることもできる。
【0040】
アンダークリヤー塗料及びオーバーコートクリヤー塗料の塗装方法としては、着色ベースコート塗料を例えば必要に応じて加温したり、有機溶媒又は反応性希釈剤を添加することにより所望の粘度に調整した後、乾燥後の塗膜が、5〜300μmになるように塗布し、室温〜100℃の温度で1〜20分間放置し、次いでアンダークリヤー塗料を、上記方法を用いて乾燥後の膜厚が10〜100μm、好ましくは10〜60μmになるように塗布し、50〜300℃の温度で5秒〜24時間熱硬化させ、次いで、オーバークリヤーコート塗料を上記方法を用いて乾燥後の膜厚が10〜100μm、好ましくは10〜60μmになるように塗布し、50〜300℃の温度で5秒〜24時間熱硬化させる方法などが挙げられる。
また該アンダークリヤー硬化塗膜の上に本発明の耐汚染性塗料組成物をオーバーコート塗装する際、必要に応じて、透明プライマーを塗装してから、オーバーコート塗装することもできる。
本発明の塗料組成物を塗布して得られる塗装物品としては、例えば、構造物、木製品、金属製品、プラスチック製品、ゴム製品、加工紙、セラミック製品、ガラス製品などが挙げられる。より具体的には、自動車、鋼鈑等の金属板、二輪車、船舶、鉄道車両、航空機、家具、楽器、家電製品、建築材料、容器、事務用品、スポーツ用品、玩具などが挙げられる。
【0041】
【実施例】
次ぎに本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら制限されるものではない。なお、本発明の耐汚染性塗料組成物により得られる塗膜の性能は次ぎのようにして求めた。
(1)仕上がり外観性
目視観察により、次ぎの基準に従い評価した。
○:塗膜に蛍光灯を映すと、蛍光灯が鮮明に映る。
△:塗膜に蛍光灯を映すと、蛍光灯の周囲(輪郭)がややぼやける。
×:塗膜に蛍光灯を映すと、蛍光灯の周囲(輪郭)が著しくぼやける。
(2)水の接触角
得られた試験板をJIS K−5400(1990)9.9耐候性に準じて屋外で7〜30日間曝露した。その後試験板を洗浄後20℃で塗膜表面に0.8μlの脱イオン水の液滴を注射器を用いて乗せ、(株)エルマ製、エルマゴニオメータ式・接触角測定器G−I型を用いて測定した。液滴当り30、60、90秒毎に接触角を測定し、時間と接触角の直線回帰式から0秒へ接触角を外挿し、これを試験板の接触角とした。
【0042】
(3)耐屋外曝露汚染性
JIS K−5400(1990)9.9耐候性に準じて屋外にて3ヶ月曝露後、塗膜の未洗浄面の色(JIS K−5400(1990)7.4.2系速報)を測定し、曝露後のL値から未曝露時のL値を引くことにより△L値を算出し、塗膜の汚染性を判定した。
(4)耐候性
サンシャインカーボンアーク灯式促進耐候性試験機(JIS K−5400(1990)9.8.1)を用いて3000時間曝露後、塗膜の状態を目視判定した。
(5)耐水性
試験片を40℃の温水に240時間浸漬し塗膜の状態を目視判定した。
(6)耐酸性
40質量%硫酸0.2mlを試験片上にスポット状に乗せ、60℃で30分加熱後、塗膜の異常を目視にて判定した。
【0043】
( ) 成分の脂肪族スルホン酸化合物のアミン塩の製造例
<製造例1>
攪拌器を取りつけた3つ口フラスコに下記組成の混合物を入れ、室温で攪拌しながら35質量%塩酸104.3質量部を添加して脱ナトリウム化した。この際イオン交換反応は塩酸添加後直ちに進行し、58.5部のNaClが析出した。析出したNaClを吸引ろ過によりろ別した後、ろ液にピリジン79.0質量部を加え、等モルのピリジンでブロックされた有効成分濃度(脂肪族スルホン酸化合物として)25質量%の脂肪族スルホン酸化合物のアミン塩溶液A−1を得た。
1837SONa 356.0質量部
n−ブタノール 855.2質量部
【0044】
<製造例-2>
攪拌器を取りつけた3つ口フラスコに下記組成の混合物を入れ、室温で攪拌しながら35質量%塩酸104.3質量部を添加して脱ナトリウム化した。この際イオン交換反応は塩酸添加後直ちに進行し、58.5部のNaClが析出した。析出したNaClを吸引ろ過によりろ別した後、ろ液にN−メチルモルホリン101質量部を加え、等モルのN−メチルモルホリンでブロックされた有効成分濃度(脂肪族スルホン酸化合物として)25質量%の脂肪族スルホン酸化合物のアミン塩溶液A−2を得た。
ラピゾールB901) 493.3質量部
n−ブタノール 1135.9質量部
1)商品名、日本油脂(株)製ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム(有効分90質量%)
【0045】
( ) 成分の硬化剤の製造例
<製造例3>
温度計、還流冷却器、攪拌機、滴下ロートを備えた4つ口フラスコにペンタエリスリトール136質量部及びメチルイソブチルケトン538.7質量部を仕込み攪拌下で120℃に加熱した。次いで、120℃の温度を保ちながらメチルヘキサヒドロフタル酸無水物672質量部を2時間かけて滴下し、混合物の酸価(ピリジン/水=9/1(重量比)混合液で約50重量倍に希釈し、90℃で30分間加熱処理した溶液を水酸化カリウム標準溶液で滴定)が、170以下になるまで加熱攪拌を継続することでポリカルボン酸溶液を得た。
前記の方法で得られたポリカルボン酸溶液を用いて、前記と同様のフラスコ中に下記組成の混合物を仕込み、50℃を保ちながら攪拌した。
前記のポリカルボン酸溶液 336.7質量部
イソブチルビニルエーテル 120.2質量部
リン酸モノオクチル 0.2質量部
メチルイソブチルケトン 46.3質量部
混合物の酸価が12以下となったところで反応を終了し、放冷後分液ロートに生成物を移した。得られた生成物は分液ロート中で10質量%炭酸水素ナトリウム水溶液100質量部でアルカリ洗浄後、洗浄液のpHが7以下になるまで300質量部の脱イオン水で水洗を繰り返した。その後、有機層中にモレキュラーシーブ4A/16を加え、室温で3日間乾燥することによって、ガードナー粘度(25℃)E〜F、不揮発分60質量%、溶液としてのカルボン酸当量493の硬化剤溶液B−1を得た。
【0046】
<製造例4>
温度計、還流冷却器、攪拌機、滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、メチルアミルケトン84質量部を仕込み、攪拌下で加熱し100℃を保った.。次に140℃の温度で下記の組成の単量体及び重合開始剤混合物(滴下成分)を2時間かけて滴下ロートより等速滴下した。
Figure 0003797468
滴下終了後140℃の温度を1時間保った後、反応温度を110℃に下げた。その後t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート1質量部及びメチルアミルケトン10質量部を添加し、さらに110℃の温度を2時間保ったところで反応を終了し、ガードナー粘度(25℃)R〜S、不揮発分50.4質量%、溶液としてのカルボン酸当量860の硬化剤溶液B−2を得た。
【0047】
(D)成分のエポキシ基を含有するアクリル樹脂の製造例
<製造例5>
温度計、還流冷却器、攪拌機、滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、キシレン63質量部を仕込み、攪拌下で加熱し100℃を保った.。次に140℃の温度で下記の組成の単量体及び重合開始剤混合物(滴下成分)を2時間かけて滴下ロートより等速滴下した。
Figure 0003797468
滴下終了後140℃の温度を1時間保った後、反応温度を110℃に下げた。その後t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.5質量部及びキシレン2質量部を添加し、さらに110℃の温度を2時間保ったところで反応を終了し、ガードナー粘度(25℃)U〜V、不揮発分59.4質量%、溶液としてのエポキシ当量680のアクリル樹脂溶液D−1を得た。
【0048】
(E)成分の無機酸化物ゾルの不揮発成分が、アクリル系重合体で包含されたコア/シェル構造を有する複合体の製造例
<製造例6>
温度計、還流冷却器、攪拌機を備えた3つ口フラスコに、スノーテックスIPA-ST(商品名、日産化学工業(株)製、酸化ケイ素ゾル、不揮発分30wt%)100質量部、γ-メタクリロキシメチルジメトキシシラン10質量部及び脱イオン水5質量部を仕込み、80℃で8時間攪拌した。次に前記の混合物にメチルアミルケトン120質量部を仕込み混合した後なす型フラスコに移し、エバポレーターを用いて30〜40℃、6000〜8000Paの条件下で内容物が160質量部になるまでイソプロパノールと水を除去した。
続いて前記の方法で得られたエバポレーターの内容物100質量部及びメチルイソブチルケトン300質量部を温度計、還流冷却器、攪拌機、滴下ロートを備えた4つ口フラスコに仕込み、攪拌下で加熱し115℃の温度を保った。次に115℃の温度で下記の組成の単量体及び重合開始剤混合物(滴下成分)を2時間かけて滴下ロートより等速滴下した。
Figure 0003797468
【0049】
滴下終了後115℃の温度を1時間保った後2,2'−アゾビスイソブチロニトリル0.1質量部及び酢酸n−ブチル2質量部を添加し、さらに115℃の温度を2時間保ったところでラジカル重合反応を終了した。次に前記の4つ口フラスコの還流冷却器とフラスコの間にディーンスタークトラップを取りつけ、70〜80℃、3000〜4000Paの条件下で300部の溶剤を留去した。次にソルベッソ100(商品名、エッソ社製、芳香族石油ナフサ)75質量部を添加し、続いて70〜80℃、3000〜4000Paの条件下で200部の溶剤を留去し、不揮発分40wt%、溶液としてのエポキシ当量2370のアクリル系重合体で包含されたコア/シェル構造を有する複合体分散液E−1を得た。
【0050】
(F)成分の変性樹脂の製造例
<製造例7>
温度計、還流冷却器、攪拌機、滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、キシレン60質量部及びメチルシリケート51(商品名、コルコート(株)製、オルガノシリケートの縮合物)20質量部を仕込み、攪拌下で加熱し100℃を保った。次に140℃の温度で下記組成の単量体及び重合開始剤混合物を2時間かけて滴下ロートより等速滴下した。滴下終了後140℃の温度を1時間保った後、反応温度を110℃に下げた。その後t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.2質量部及びキシレン4.5質量部添加し、さらに110℃の温度を2時間保ったところで反応を終了し、59.7質量%の不揮発分を有する変性樹脂溶液F−1を得た。
Figure 0003797468
【0051】
(実施例1〜2及び参考例1〜2
(1)クリヤー塗料の製造
表1の組成の原料を混合し、クリヤー塗料を作成した。
【0052】
【表1】
Figure 0003797468
【0053】
表中の添字の物質は、以下のものを示す。
1):製造例1の脂肪族スルホン酸のアミン塩溶液A−1
2):製造例2の脂肪族スルホン酸のアミン塩溶液A−2
3):製造例3の硬化剤溶液B−1
4):製造例4の硬化剤溶液B−2
5):MKCシリケートMS56SB5(商品名、三菱化学(株)製、Mw750)
6):エチルシリケート40(商品名、多摩化学工業(株)製、Mw1500)7):製造例5のエポキシ基を有するアクリル樹脂溶液D−1
8):製造例6のアクリル系重合体で包含されたコア/シェル構造を有する複合体分散液E−1
9):製造例7の変性樹脂溶液F−1
10):テトラブチルアンモニウムブロマイドの10質量%酢酸イソブチル溶液11):チヌビン900(商品名、チバスペシャルティケミカルス社製)の20質量%キシレン溶液
12):チヌビン292(商品名、チバスペシャルティケミカルス社製)の20質量%キシレン溶液
13):BYK−300(商品名、ビックケミー社製)の10質量%キシレン溶液
14):商品名、エッソ社製芳香族石油ナフサ
【0054】
(2)試験片の作成及び塗膜性能の検討
リン酸亜鉛処理軟鋼板にカチオン電着塗料アクアNo.4200(商品名、日本油脂(株)製)を乾燥膜厚20μmとなるよう電着塗装して175℃で25分間焼き付け、さらに中塗り塗料HS−H300(商品名、日本油脂(株)製)を乾燥膜厚30μmとなるようエアスプレー塗装し、140℃で30分間焼き付けた。次いで、ベルコートNo.6000ホワイトベースコート塗料(商品名、日本油脂(株)製)をエアスプレーにて乾燥膜厚15μmとなるよう塗装し、20℃で3分間セットした。さらに前記(1)の塗料をシンナー(ソルベッソ100/酢酸ブチル=9/1(重量比))で塗装粘度(フォードカップNo.4,20℃で25秒)に希釈したものをウェット・オン・ウェット方式でエアスプレーにて乾燥膜厚40μmとなるよう塗装し、140℃で30分間の硬化条件で焼き付けて試験片を作成した。塗膜性能を表2に示すが、実施例1、2は均一でツヤのある塗膜が得られ、優れた塗膜外観性、親水性、耐屋外曝露汚染性、耐候性、耐水性、耐酸性を示した。
【0055】
参考例3、4
リン酸亜鉛処理軟鋼板にカチオン電着塗料アクアNo.4200(商品名、日本油脂(株)製)を乾燥膜厚20μmとなるよう電着塗装して175℃で25分間焼き付け、さらに中塗り塗料HS−H300(商品名、日本油脂(株)製)を乾燥膜厚30μmとなるようエアスプレー塗装し、140℃で30分間焼き付けた。次いで、ベルコートNo.6000溶剤系ホワイトベースコート塗料(商品名、日本油脂(株)製)をエアスプレーにて乾燥膜厚15μmとなるよう塗装し、20℃で3分間セット後、下記に示すアンダークリヤー塗料をウェット・オン・ウェット方式でエアスプレーにて乾燥膜厚40μmとなるよう塗装し、140℃で30分間の硬化条件で焼き付けて試験片を作成した。さらに、参考例3では参考例1で作成したクリヤー塗料を、参考例4では参考例2で作成したクリヤー塗料をエアスプレーにて前記の方法で作成した試験片にオーバーコート塗装し、140℃で30分間の硬化条件で焼き付けて試験片を作成した。塗膜性能を表2に示す
【0056】
<アンダークリヤー塗料の製造>
温度計、還流冷却器、攪拌機、滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、キシレン60質量部を仕込み、攪拌下で加熱し140℃を保った。次に140℃の温度でメタクリル酸グリシジル8質量部、メタクリル酸ブチル77質量部、メタクリル酸-2-ヒドロキシエチル15質量部及びt-ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート2質量部の混合物を2時間かけて滴下ロートより等速滴下した。滴下終了後140℃の温度を1時間保った後、反応温度を110℃に下げた。その後t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.2質量部及びキシレン4.5質量部の混合物を添加し、さらに110℃の温度を2時間保ったところで反応を終了し、60.9質量%の不揮発分を有するアンダークリヤー用アクリル樹脂溶液U−1を得た。
次いで上記のアクリル樹脂溶液を用いて以下の原料を混合しアンダークリヤー塗料を作成した。
Figure 0003797468
上記のアンダークリヤー塗料をシンナー(ソルベッソ100/n-ブタノール=9/1(重量比))で塗装粘度(フォードカップNo.4,20℃で25秒)に希釈した。
【0057】
実施例3〜4
リン酸亜鉛処理軟鋼板にカチオン電着塗料アクアNo.4200(商品名、日本油脂(株)製)を乾燥膜厚20μmとなるよう電着塗装して175℃で25分間焼き付け、さらに中塗り塗料HS−H300(商品名、日本油脂(株)製)を乾燥膜厚30μmとなるようエアスプレー塗装し、140℃で30分間焼き付けた。次いで、アクアBC−3水系ホワイトベースコート塗料(商品名、日本油脂(株)製)をエアスプレーにて乾燥膜厚15μmとなるよう塗装し、20℃で3分間セット後80℃で10分間乾燥した。さらに試験片を室温まで放冷後アンダークリヤー塗料をエアスプレーにて乾燥膜厚40μmとなるよう塗装し、140℃で30分間の硬化条件で焼き付けて試験片を作成した。さらに、実施例では実施例で作成したクリヤー塗料を、実施例4では実施例2で作成したクリヤー塗料をエアスプレーにて前記の方法で作成した試験片に乾燥膜厚40μmとなるようオーバーコート塗装し、140℃で30分間の硬化条件で焼き付けて試験片を作成した。塗膜性能を表2に示すが、いずれの場合も均一でツヤのある塗膜が得られ、優れた塗膜外観性、親水性、耐屋外曝露汚染性、耐候性、耐水性、耐酸性を示した。
【0058】
【表2】
Figure 0003797468
1):不揮発分の配合割合
2)2C1B:2コート1ベイク塗膜
3) OB:2コート1ベイク塗膜の上にオーバーコートクリヤー塗料を塗装
【0059】
比較例1〜2
(1)クリヤー塗料の製造
表3の組成の原料を混合し、クリヤー塗料を作成した。
【0060】
【表3】
Figure 0003797468
表中の添字である1)〜9)は、前出と同じ。
【0061】
(2)試験片の作成及び塗膜性能の検討
リン酸亜鉛処理軟鋼板にカチオン電着塗料アクアNo.4200(商品名、日本油脂(株)製)を乾燥膜厚20μmとなるよう電着塗装して175℃で25分間焼き付け、さらに中塗り塗料HS−H300(商品名、日本油脂(株)製)を乾燥膜厚30μmとなるようエアスプレー塗装し、140℃で30分間焼き付けた。次いで、ベルコートNo.6000ホワイトベースコート塗料(商品名、日本油脂(株)製)をエアスプレーにて乾燥膜厚15μmとなるよう塗装し、20℃で3分間セットした。さらに前記(1)の塗料をシンナー(ソルベッソ100/酢酸ブチル=9/1(重量比))で塗装粘度(フォードカップNo.4、20℃で25秒)に希釈したものをウェット・オン・ウェット方式でエアスプレーにて乾燥膜厚40μmとなるよう塗装し、140℃で30分間の硬化条件で焼き付けて試験片を作成した。塗膜性能を表4に示すが、比較例1では(A)成分の脂肪族スルホン酸化合物を含まないため、屋外曝露後の親水性の発現が遅れた。また比較例2では(C)成分のオルガノシリケートを含有しないため、硬化塗膜は親水化せず耐汚染性を発現することができなかった。
【0062】
【表4】
Figure 0003797468
【0063】
【発明の効果】
本発明の耐汚染性塗料組成物は、塗膜形成直後から高度な親水性に基づく耐汚染性能を有し、さらに良好な長期耐候性、耐水性、耐化学性能を有する硬化物を与えることができる。

Claims (15)

  1. (A) 脂肪族スルホン酸化合物又は脂肪族スルホン酸化合物のアミン塩、
    (B)一分子中にカルボキシル基、カルボン酸無水物基及びアルキルビニルエーテル化合物でブロック化されたカルボキシル基の官能基から選ばれる少なくとも1種を有する化合物、
    (C)一般式(1)
    (R−Si−(OR4−m (1)
    (式中のR及びRはそれぞれ水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基又はアリール基であり、mは0又は1である。)で表されるオルガノシリケート及び/又はその縮合物、及び
    (D)一分子中にエポキシ基及び/又はアルコキシシリル基を有する樹脂、及び
    (E)酸化アルミニウムゾル、酸化ケイ素ゾル、酸化ジルコニウムゾル及び酸化アンチモンゾルの中から選ばれた少なくとも1種の無機酸化物ゾルの分散体であって、かつ、不揮発成分が、アクリル系重合体で包含されたコア/シェル構造を有する複合体である分散体を含有して成ることを特徴とする耐汚染性塗料組成物。
  2. さらに、(F)一般式(2)
    (R−Si−(OR4−n (2)
    (式中のR及びRはそれぞれ水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基又はアリール基であり、nは0又は1である。)で表されるオルガノシリケート及び/又はその縮合物に由来する変性部分と、一分子中に水酸基又は水酸基及びエポキシ基の両方を有するアクリル樹脂構造部分からなる変性樹脂を含有して成り、(D)成分が(F)成分を除くものである請求項1に記載の耐汚染性塗料組成物。
  3. (A)成分の脂肪族スルホン酸化合物が、炭素数4〜30の範囲内にあるアルキル基を有し、(A)〜(F)成分の全不揮発分総量に対して、(A)成分を0.05〜10質量%含有する請求項1又は2に記載の耐汚染性塗料組成物。
  4. (B)成分が一分子中に2以上のカルボキシル基及び/又はアルキルビニルエーテル化合物でブロック化されたカルボキシル基を有し、(A)〜(F)成分の全不揮発分総量に対して、(B)成分を3〜80質量%含有する請求項1〜3のいずれかに記載の耐汚染性塗料組成物。
  5. (C)成分のオルガノシリケートの縮合物の重量平均分子量が500〜10000の範囲内にあり、(A)〜(F)成分の全不揮発分総量に対して、(C)成分を0.1〜30質量%含有する請求項1〜4のいずれかに記載の耐汚染性塗料組成物。
  6. (D)成分の化合物が一分子中に2以上のエポキシ基を有するアクリル樹脂であり、(A)〜(F)成分の全不揮発分総量に対して、(D)成分を3〜80質量%含有する請求項1〜5のいずれかに記載の耐汚染性塗料組成物。
  7. (F)成分の変性樹脂のアクリル樹脂構造部分に、一般式(3)
    Figure 0003797468
    (式中のR及びRはそれぞれ水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、
    yは1〜10の整数である。)で示される有機基を有する請求項2〜6のいずれかに記載の耐汚染性塗料組成物。
  8. (A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分の全不揮発分100質量部に対して、(E)成分不揮発成分を1〜100質量部含有する請求項1〜7のいずれかに記載の耐汚染性塗料組成物。
  9. (E)成分におけるアクリル系重合体が、2種以上のアクリル系単量体を共重合して得られるアクリル系共重合体である請求項1〜8のいずれかに記載の耐汚染性塗料組成物。
  10. (F)成分の変性樹脂に用いられるオルガノシリケートの縮合物の重量平均分子量が200〜2000の範囲内にあり、(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分の全不揮発分100質量部に対して、(F)成分の変性樹脂が1〜70質量%含有する請求項2〜9のいずれかに記載の耐汚染性塗料組成物。
  11. (A)〜(F)成分の全不揮発成分100質量部当り、顔料を0〜200質量部含有する請求項1〜10のいずれかに記載の耐汚染性塗料組成物からなる上塗り塗料を被塗装体に塗装することを特徴とする塗装仕上げ方法。
  12. 基材上に着色フィルム形成性組成物を塗布してベースコートを形成し、次いで該ベースコートにクリヤーフィルム形成性組成物を塗布して透明トップコートを形成することから成る被塗装体に複合被膜を塗装する方法において、該トップコートクリヤーフィルム形成性組成物のみが、あるいは該トップコートクリヤーフィルム形成性組成物及び着色フィルム形成性組成物のいずれもが、請求項1〜10記載の耐汚染性塗料組成物のいずれかを含有することを特徴とする塗装仕上げ方法。
  13. 基材上に着色ベースコート塗料を塗装し、未架橋の状態でアンダークリヤー塗料を塗布し、これを焼き付けた後、さらにオーバーコートクリヤー塗料を塗布して焼き付ける塗装方法において、該アンダークリヤー塗料がアクリル樹脂/アミノプラスト樹脂系塗料、アクリル樹脂/ウレタン樹脂硬化剤系塗料又はアクリル樹脂/アミノプラスト樹脂/ウレタン樹脂硬化剤系塗料のいずれかから選ばれるものであり、かつ当該オーバーコートクリヤー塗料が請求項1〜10記載の耐汚染性塗料組成物のいずれかを含有することを特徴とする塗装仕上げ方法。
  14. 請求項13において基材上に着色ベースコート塗料を塗装し、未架橋の状態でアンダークリヤー塗料を塗布し、これを焼き付けた後、さらにオーバーコートクリヤー塗料を塗布して焼き付ける塗装方法において、該アンダークリヤー塗料が(a)水酸基とエポキシ基の両方を有するアクリル樹脂40〜80質量%、(b)アミノプラスト樹脂0〜60質量%、(c)ウレタン樹脂硬化剤0〜60質量%から構成される樹脂混合物を主成分とする請求項13に記載の塗装仕上げ方法。
  15. 請求項11〜14のいずれかに記載の塗装仕上げ方法により塗装されたことを特徴とする塗装物品。
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