JP3819807B2 - 絶縁駆動型インバータ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一対のパワースイッチング素子を用いたインバータ装置に係わり、特に、電気自動車又はハイブリッド電気自動車の駆動用電源にて使用して好適な絶縁駆動型インバータ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の燃費向上の要請、環境問題への配慮等から電気自動車又はハイブリッド電気自動車が開発されている。特に、近年、燃料電池と二次電池を有する燃料電池ハイブリッド自動車が注目されている。これらの電気自動車では、300V級の二次電池を直流電源とするインバータ装置によって交流同期型モータを駆動し、その駆動力によって自動車を走行し、エンジンのアシストを行う。
【0003】
従来の自動車用電源は、14V又は24V程度の鉛電池であり、車載電気部品は全てボディアースされていた。
しかしながら、300V級の電池を使用するインバータ装置は感電の危険性がある強電系である。電気自動車又はハイブリッド自動車の電気系統は、二次電池及びインバータ装置を含む強電系と、マイクロコンピュータ等の制御手段を含む弱電系からなる。強電系の電気回路は14V等の弱電系に対して絶縁する必要があり、弱電系のようにボディアースを施さない。
【0004】
一般的に弱電系のマイクロコンピュータ等の制御手段より強電系のインバータ装置へ制御信号を送信するための手段として、フォトカプラが用いられる。しかしながら、車載部品は、動作保証温度範囲が−40℃〜85℃(雰囲気)の広い温度範囲にて10年以上の長期間に渡り絶縁耐力(AC2500V)を維持する必要がある。このような車載規格を満足するフォトカプラは一般産業用フォトカプラに比べ信頼性の点から高価になる。
比較的安価で信頼性にも優れた絶縁信号伝送方法として、特開昭56-84009号公報に記載された方法がある。この方法では、絶縁型の容量結合によって電気的に浮遊した回路に差入力電圧を伝送させる。
【0005】
また、同様な方法を車載用パワースイッチング素子の駆動に用いた例が、IEEE PESC'98(Power ElectronICs Special Conference 98 パワーエレクトロニクス・スペシャル・コンファレンス 98)のプロシーディング(発表予稿論文) 1998年 pp1208-1213掲載の論文"Isolated Capacitively Coupled MOS Driver Circuit with Bidirectional Signal Transfer"に記載されている。
【0006】
この例では、負荷よりも高電位側に接続された強電側のハイサイドスイッチに対して、電気的に絶縁された弱電側から駆動信号を送る回路が使用される。弱電系と強電系の間には絶縁用のキャパシタを含む2つの信号伝送経路が設けられている。強電側には、2つのキャパシタの出力から差電圧を取り出すための差動増幅器と、差動増幅器の出力から駆動信号を取り出すための復調回路が設けられ、復調回路の出力によってハイサイドスイッチが駆動される。弱電側には、元の駆動信号から1と0が互いに逆転した(即ち位相が逆の)2つのディジタル信号を作り、それを前記2つのキャパシタに印加させる変調回路が設けられている。元の駆動信号をディジタル信号(矩形波)にすることによってキャパシタに電流を流し、逆位相化の信号を差動増幅器が受けることによって弱電系と強電系の間の電圧変化(dV/dt)によるノイズの影響を軽減させる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題としては、以下の3つがある。第1は電圧変化に伴うノイズ誤動作の解消である。上述の例ではハイサイドスイッチがオンになると強電系と弱電系の間に高電圧が印加される。この高電圧は2つのキャパシタに等しく印加されるため、2つのキャパシタには同相の電流が流れる。同相電流が流れる期間は高電圧の印加開始から終了までの数μs程度である。同相電流は差動増幅器及び復調回路にとってはノイズになるため、復調回路にはこのノイズに感応しないようローパスフィルタを備える必要がある。
【0008】
上述の例ではローパスフィルタは、カットオフ周波数が100kHzのフィルタ機能を有する。しかし、ローパスフィルタは遅延時間の増加を招くことが問題であり、カットオフ周波数が100kHzのフィルタでは約10μsの遅延時間が生じる。これは伝送すべき駆動信号のパルス幅の約1/3〜1/4に相当し、許容できない。
このようにキャパシタを用いた容量結合型の伝送路は、強電系と弱電系の間の電圧変化の影響により、ノイズ誤動作を起こすことが問題であった。従って、信号伝送遅延を招くことなくノイズ誤動作を解決する必要があった。
【0009】
第2は多数のキャパシタを使用することによるコストアップである。上述の従来例では、1つの信号を送るために2つのキャパシタを用いた容量結合型信号伝送路が必要である。このような容量結合型信号伝送路をモータ駆動用の3相インバータに適用した場合を想定すると、6個のパワースイッチング素子を駆動するために12個のキャパシタが必要になる。更に各パワースイッチング素子における過電流、過電圧等の異常を検知した信号は強電側から弱電側の制御回路に送信される。従って、異常検知信号を送信するための容量結合型信号伝送路を設けると、更に12個のキャパシタが必要になる。結局、容量結合型信号伝送路として合計24個のキャパシタを使用することになる。キャパシタの数が多くなるとインバータ装置のコストアップを招くばかりでなく、信頼性を低下させることにもなる。そこで、キャパシタ数を削減することが第2の課題である。
【0010】
キャパシタをパワースイッチング素子やゲート駆動回路と共に密閉されたモジュール内に収納することができれば、キャパシタの弱電側の端子を、モジュールの外面に配置することができる。即ち、モジュールの外面に露出している弱電側の信号端子は強電側より絶縁されているため、モジュールの交換時に感電の危険性がなくなり安全である。これを実現する為には、第1の課題であるノイズ誤作動の影響を解消し、第2の課題であるキャパシタの数を削減してモジュール内に搭載した場合の信頼性を向上させる必要がある。
【0011】
第3はノイズの影響が小さいアナログ用の絶縁型電流計測手段である。インバータ装置では負荷を流れる電流を検出して各パワースイッチング素子の駆動パルス幅を変えるPWM(パルス幅変調)制御を行う。従って、強電側で検出した電流を絶縁して弱電側の制御回路に伝える絶縁型電流計測及び伝送が必要である。
【0012】
容量結合を用いてアナログ情報を伝送する方法として、先の特開昭56-84009号を始めとする従来例が知られている。いずれも原理的には同一であり、アナログ情報を一旦ディジタル化(A/D変換)し、このディジタル値と逆位相のディジタル値を2つのキャパシタを介して送信し、両キャパシタの差電圧を取り出して復調した後、ディジタル値をアナログ値に再度変換(D/A変換)する。この方法は途中に2つの変換(A/D、D/A)を含み回路が高価となると共に、前述の電圧変化により信号に同相ノイズが混入すると、ディジタル化したデータが多数ビットに渡って影響を受ける。そこで、第一の課題と同様に、電圧変化によるノイズの影響が小さいアナログ用の絶縁回路が求められていた。
従って、本発明の第1の目的は、電圧変化に伴うノイズの影響を低減して、信頼性が高い絶縁駆動型インバータ装置を提供することにある。
【0013】
本発明の第2の目的は、容量結合型信号伝送路のキャパシタ数を削減して、低コストの絶縁駆動型インバータ装置を提供することにある。
本発明の第3の目的は、ノイズの影響を低減し、かつ低コストの絶縁型アナログ電流検出手段を備えたインバータ装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
(1)第1及び第2の目的を達成するため、本発明によると、直流電源の正負極間に互いに直列に接続された1対のパワースイッチング素子を含む主回路と、前記パワースイッチング素子の各々に接続された高電位側ゲート回路及び低電位側ゲート回路と前記パワースイッチング素子のための駆動信号を入力するための信号入力部と前記信号入力部から前記高電位側ゲート回路に前記駆動信号を伝送するための昇圧レベルシフト回路とを含み前記直流電源の負極の電位を基準電位とし集積回路化されたドライバ回路と、を有し、前記ドライバ回路の基準電位に対して電気的に絶縁された基準電位を有する制御手段からの駆動信号によって前記パワースイッチング素子を駆動するように構成された絶縁駆動型インバータ装置において、前記信号入力部と前記制御手段の間に第1及び第2のキャパシタを含む容量結合型信号伝送路を設け、前記ドライバ回路の基準電位と前記制御手段の基準電位の間に第3のキャパシタを含む容量結合型信号伝送帰路を設け、前記制御手段は前記駆動信号に応じて前記第1のキャパシタ又は第2のキャパシタにパルス電流を通電し、前記ドライバ回路は前記駆動信号に応じて前記パワースイッチング素子を交互にオン又はオフにさせる。
かかる構成により、キャパシタの数を削減し、キャパシタに高電圧変化が加わることを抑制し、低コストでノイズの影響が少ないインバータ装置を提供することができる。
【0015】
(2)上述の(1)の絶縁駆動型インバータ装置において、好ましくは、前記制御手段が、前記第1のキャパシタのみにパルス電流を通電した場合に前記高電位側パワースイッチング素子をオンにし且つ前記低電位側パワースイッチング素子をオフにし、前記第2のキャパシタのみにパルス電流を通電した場合に前記高電位側パワースイッチング素子をオフにし且つ前記低電位側パワースイッチング素子をオンにし、前記第1及び第2のキャパシタの両者にパルス電流の通電した場合に前記第1及び第2のパワースイッチング素子をオフにさせる。
【0016】
(3)更に好ましくは、(2)の絶縁駆動型インバータ装置において、前記信号入力部はフリップフロップ手段を有し、前記制御手段は、前記高電位側又は低電位側パワースイッチング素子をオンにする期間に前記パワースイッチング素子に対応した前記第1のキャパシタ又は第2のキャパシタに繰り返しパルス電流を通電させ、前記フリップフロップ手段に繰り返しセット又はリセット信号を与える。
【0017】
(4)上述の(1)の絶縁駆動型インバータ装置において、好ましくは、前記高電位側パワースイッチング素子及び低電位側パワースイッチング素子の異常を検出するための異常検出手段と、前記異常検出手段からの異常検出信号を前記制御手段に伝送するための異常検知出力部と、前記高電位側の異常検出手段からの異常検出信号を前記異常検知出力部へ電位変換して伝送するための降圧レベルシフト回路と、前記異常検知出力部と前記制御手段の間に第4及び第5のキャパシタを含む容量結合型信号伝送路とを備え、前記異常検知出力部は前記高電位又は低電位側の異常検出手段からの異常検出信号に応じて前記第4又は第5のキャパシタにパルス電流を通電し、前記パワースイッチング素子の異常を前記制御手段に伝送する。
【0018】
(5)第1の目的を達成するため、直流電源の正負極間に互いに直列に接続された1対のパワースイッチング素子を含む主回路と、前記直流電源の負極を基準電位とし前記パワースイッチング素子のための高電位側及び低電位側ゲート回路を含む回路素子を集積回路化したドライバ回路と、を具備し、前記直流電源の負極に対して電気的に絶縁された基準電位を有する制御手段より供給された駆動信号によって前記パワースイッチング素子をオン又はオフにさせるように構成された絶縁駆動型インバータ装置において、
前記ドライバ回路の高電位側ゲート回路と前記制御手段の間に第1及び第2のキャパシタを含む容量結合型信号伝送路を備え、前記ドライバ回路の基準電位と前記制御手段の基準電位の間に第3のキャパシタを含む容量結合型信号伝送帰路を備えると共に、前記制御手段は前記駆動信号に応じて前記第1又は第2のキャパシタに正又は負の極性のパルス電流を通電し、前記ドライバ回路は前記パルス電流に応じて前記高電位側又は低電位側パワースイッチング素子をオン又はオフにさせる。
かかる構成により、例え高電圧変化によるノイズ誤動作が生じても即座に正常な動作に復帰させ、インバータの出力にはノイズの影響が現れないものとなる。
【0019】
(6)上述の(5)の絶縁駆動型インバータ装置において、
前記高電位側ゲート回路はフリップフロップ手段を具備し、前記制御手段は、前記第1のキャパシタのみにパルス電流を繰り返し通電して前記フリップフロップ手段をセットさせ、前記フリップフロップ手段の出力に応じて前記高電位側パワースイッチング素子をオンにさせると共に、前記第2のキャパシタにのみ逆極性のパルス電流を繰り返し通電して前記フリップフロップ手段をリセットさせ、前記高電位側パワースイッチング素子をオフにさせる。
【0020】
(7)第3の目的を達成するために、直流電源の正負極間に互いに直列に接続された一対のパワースイッチング素子を含む主回路と前記直流電源の負極を基準電位とし前記パワースイッチング素子を駆動するためのドライバ回路とを備え、前記直流電源の負極に対して電気的に絶縁された基準電位を有する制御手段からの駆動信号によって前記パワースイッチング素子をオン又はオフにさせるように構成された絶縁駆動型インバータ装置において、
負荷に流れる電流を検出するためのシャント抵抗手段と、前記シャント抵抗手段の電圧をサンプルアンドホールドするためのサンプルアンドホールド手段と、前記制御手段からのクロック信号に応じて前記サンプルアンドホールド手段の出力電圧を振幅とする矩形波交流信号を形成するための変調手段と、前記制御手段の基準電位と同一の基準電位に接続され前記変調手段より出力された矩形波交流信号を入力するための差動増幅手段と、前記差動増幅手段の出力を前記クロック信号に同期して全波整流し、更に平滑するための復調手段と、を備え、前記変調手段から前記差動増幅手段への矩形波交流信号は第1及び第2のキャパシタを含む容量結合型信号伝送路を介して伝送され、前記制御手段から前記変調手段へのクロック信号は第3のキャパシタを含む容量結合型信号伝送路を介して伝送される。かかる構成によれば容量結合型信号伝送路のキャパシタを経由してアナログ情報を制御手段側に直接伝送することができ、ノイズの影響を軽減することができる。
【0021】
(8)二次電池を直流電源とする電気自動車において、上記(1)から(7)の絶縁駆動型インバータ装置を備え、前記パワースイッチング素子と前記ドライバ回路と前記信号入力部と前記第1、第2及び第3のキャパシタを1つの密閉されたパッケージに搭載するとともに、前記パワースイッチング素子とは電気的に絶縁された前記パワースイッチング素子のための冷却器を前記パッケージの表面部に備えると共に、前記冷却器と前記制御手段の基準電位は前記自動車のボディアースになるよう接続されている。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図8を用いて本発明の一実施形態による絶縁駆動型インバータ装置について説明する。最初に図1を参照して本実施形態による絶縁駆動型インバータ装置の全体構成について説明する。本例の絶縁駆動型インバータ装置の主たる用途は電気自動車又はハイブリッド電気自動車であり、特に、電気自動車の駆動用の交流同期型モータに使用される。しかしながら、自動車以外の例えば産業用のインバータ装置としても使用可能である。
【0023】
本例の絶縁駆動型インバータ装置は、二次電池からなる直流電源1と、1対のパワースイッチング素子12、15を含む主回路10と、高電位側回路と低電位側回路を含むドライブ回路20と、負荷8を流れる電流を計測するためシャント抵抗45及び電流検出回路40を含む絶縁型アナログ信号検出回路40、45と、パワースイッチング素子12、15に対する駆動信号を生成するための制御回路50と、を有する。負荷8は上述のように電気自動車又はハイブリッド電気自動車の駆動用交流同期型モータであってよい。
【0024】
主回路10、ドライブ回路20及び絶縁型アナログ信号検出回路40、45は強電系を構成し、制御回路50は弱電系を構成する。弱電系は強電系に対して絶縁されている。強電系は、二次電池1の負極電位を基準電位とする。弱電系の基準電位は、強電系の基準電位に対して絶縁され、例えば自動車のボディであってよい。
【0025】
強電系のドライブ回路20と弱電系の制御回路50の間には、一対のキャパシタC1、C2からなる第1の容量結合型信号伝送路と一対のキャパシタC3、C4からなる第2の容量結合型信号伝送路が配置されている。強電系の電流検出回路40と弱電系の制御回路50の間には、キャパシタC5からなる第3の容量結合型信号伝送路と一対のキャパシタC6、C7からなる第4の容量結合型信号伝送路が配置されている。
【0026】
これらキャパシタを通る電流の戻りルートとして、キャパシタC8が設けられている。このキャパシタC8の一端は強電側の基準電位(二次電池1の負極電位)に接続され、他端は弱電側の基準電位(図1のアース記号、例えば自動車のボディ)に接続される。
【0027】
主回路10は、上述のように一対のパワースイッチング素子12、15を含む。パワースイッチング素子は絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)であってよい。以下に、パワースイッチング素子12、15を絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)として説明する。IGBT12、15は、二次電池1の正極と負極間に直列に接続され、各IGBT12、15にはそれぞれダイオード13、16が逆並列に接続されている。
【0028】
IGBT12、15はいずれも出力端子のエミッタを2つ備え、一方が負荷電流の大部分を流す主エミッタであり、他方は負荷電流のうちのごくわずか部分を流すセンスエミッタである。IGBT12、15のセンスエミッタにはそれぞれ抵抗14、17が接続されている。抵抗14、17の電圧を検出することによってIGBTの過電流状態を検出することができる。
【0029】
ドライブ回路20は高電位側と低電位側を含む。高電位側は、高電位側のIGBT12のゲート端子に接続されたゲート駆動回路21と、抵抗14の電圧を検出しIGBT12の過電流状態を検出するための過電流検出回路22と、降圧レベルシフト回路23と、フリップフロップ回路24と、を有する。
【0030】
低電位側は、低電位側のIGBT15のゲート端子に接続されたゲート駆動回路31と、抵抗17の電圧を検出しIGBT15の過電流状態を検出するための過電流検出回路32と、昇圧レベルシフト回路33と、信号入力部34と、異常検知出力部35と、を有する。
【0031】
高電位側回路には制御電源26が接続され、低電位側回路には制御電源36が接続されている。高電位側の回路は制御電源26から、また低電位側の回路は制御電源36からそれぞれ電流の供給を受けて動作する。高電位側制御電源26の基準電位は高電位側IGBT12のエミッタ端子電圧であり、低電位側制御電源36の基準電位は低電位側IGBT15のエミッタ端子電圧である。高電位側の回路と低電位側の回路の間で信号を伝送する場合には、電圧変換が必要となる。本例では、電圧変換用に、降圧レベルシフト回路23及び昇圧レベルシフト回路33が設けられている。
降圧レベルシフト回路23及び昇圧レベルシフト回路33の例としては、特開平6-153533号公報を始め幾つかの公知技術が報告されており、ここでは、これらのレベルシフト回路の構成及び動作に関する説明は省略する。
【0032】
図1の破線20で囲む領域は、市販されているインバータ制御用の高耐圧ドライバICの構成と基本的に同一である。本発明においても破線20の部分は各回路を集積回路化した1チップの高耐圧ドライバICとして構成される。本例では、容量結合型信号伝送路を使用するため、破線20内の信号入力部34と異常検知出力部35の構成は、従来の構成とは異なっており、この点においては後に図2と図6を用いて説明する。
【0033】
制御回路50からの駆動信号は、第1の容量結合型信号伝送路、即ち、キャパシタC1、C2を経由して信号入力部24に伝送される。尚、信号入力部24の基準電位は二次電池1の負極電位である。信号入力部24の第1の出力は、昇圧レベルシフト回路33、フリップフロップ回路24を経由して高電位側ゲート駆動回路21に供給され、第2の出力は低電位側ゲート駆動回路31に供給される。高電位側ゲート駆動回路21及び低電位側ゲート駆動回路31からの信号によって、高電位側IGBT12及び低電位側IGBT15がそれぞれオン又はオフになる。
【0034】
昇圧レベルシフト回路33は、低電位側IGBT15のエミッタ端子を基準とする制御信号を、高電位側IGBT12のエミッタ端子を基準とする制御信号に電位変換する。昇圧レベルシフト回路33の出力は2つのパルス信号であり、これらのパルス信号はフリップフロップ回路24のセット端子及びリセット端子に供給される。即ち、昇圧レベルシフト回路33がセットパルスを出力すると、フリップフロップ回路24の出力は1となり、ゲート駆動回路21にIGBT12をオンにさせる信号を与える。逆に、昇圧レベルシフト回路33がリセットパルスを出力すると、フリップフロップ回路24の出力は0となり、ゲート駆動回路21にIGBT12をオフにさせる信号を与える。
IGBT12、15がオンとなるとき、高電位側及び低電位側の制御電源26、36は、それぞれゲート駆動回路21、31を経由して、IGBT12、15のゲートとソース間に印加される。
【0035】
過電流検出回路22、32はそれぞれ抵抗14、17の電流を検出し、IGBT12、15を過電流が流れたときに過電流検知信号を生成する。降圧レベルシフト回路23は高電位側の過電流検出回路22が検出した過電流検知信号を電位変換して低電位側に設けた異常検知出力部35に伝送する。異常検知出力部35は低電位側の過電流検出回路32からの過電流検出信号と降圧レベルシフト回路23からの過電流検出信号の論理和(OR)を取る。異常検知出力部35の出力は、第2の容量結合型信号伝送路、即ち、キャパシタC3、C4を経由して制御回路50に伝送される。
【0036】
制御回路50は、マイクロコンピュータ51と一対のバッファ52、53とフリップフロップ回路54と第3のバッファ55と差動増幅器56及び同期整流器57とを有する。マイクロコンピュータ51の出力ポート(I/O-1、I/O-2)からの出力は、バッファ52、53によって電流駆動能力が増幅される。バッファ52、53の出力はキャパシタC1、C2を介して強電側の信号入力部34に伝送される。
【0037】
異常検知出力部35の出力は、キャパシタC3、C4を経由して制御回路50のフリップフロップ回路54のセット端子及びリセット端子にそれぞれ伝送される。フリップフロップ回路54の出力Qはマイクロコンピュータ51の入力ポート(I/O-3)に伝送される。
【0038】
絶縁型アナログ信号検出回路について説明する。絶縁型アナログ信号検出回路は、二次電池1の負極側に設けたシャント抵抗45と電流検出回路40とを含む。電流検出回路40は、差動増幅器41、サンプルアンドホールド回路42、バッファ43及びスイッチ44を含む。
【0039】
シャント抵抗45によって負荷8を通る電流に比例した電圧が生成される。この電圧は、差動増幅器41、サンプルアンドホールド回路42を用いて平滑化される。一方、マイクロコンピュータ51より出力されたクロック信号CLKは、バッファ55、キャパシタC5及びバッファ43を介してスイッチ44に供給される。スイッチ44はクロック信号CLKを用いて平滑後の電圧を振幅とする交流信号を生成する。この交流信号は、キャパシタC6、C7を介してマイクロコンピュータの差動増幅器56に供給され、差動増幅器56の出力は同期整流器57によって直流に変換される。この直流信号はマイクロコンピュータ51のA/D変換部に供給される。
【0040】
本例の特徴は、インバータ制御用の高耐圧ドライバIC20及び絶縁型アナログ信号検出回路40、45と弱電側の制御回路50の間の信号伝送にキャパシタC1〜C8を用いた絶縁型の容量結合を用いたことにある。上述の従来技術では、弱電側制御回路50と高電位側のゲート駆動回路21が絶縁型の容量結合によって接続されていた。このような構成では後述するように高電位側IGBT12がオン又はオフになるときの電位変動によって、容量結合部に変位電流が流れる。従って、容量結合部を経由して伝送される信号が、正規の信号か電位変動によるノイズか峻別することができないことが問題であった。
【0041】
これに対して図1の構成では、高電位側IGBT12がオンになるときの電圧変動は昇圧レベルシフト回路33及び降圧レベルシフト23に印加され、これらによって吸収される。即ち、キャパシタC1〜C8にはIGBTのスイッチングに伴う電位変動が作用しないため、変位電流(ノイズ電流)は流れない。
【0042】
図1の例において、キャパシタC1〜C8を使用する理由は高電圧インバータに求められる強電系と弱電系の間の絶縁耐圧を満足させるためである。レベルシフト回路23、33は、通常、高圧MOSFET等の半導体素子を備えている。そこで、インバータの高電位側と弱電側の制御回路50の間に絶縁耐圧に相当する高電圧が印加された場合、高電圧はレベルシフト回路23、33内の高圧MOSFETとキャパシタC1〜C8を含む直列経路に印加される。通常、高圧MOSFETの電圧が素子耐圧に近づくと素子内部にアバランシェ降伏が生じ、リーク電流が急増する。
【0043】
しかし、図1の例のように高圧MOSFETとキャパシタC1〜C8が直列に接続されている場合、高圧MOSFETのリーク電流が急増傾向になり抵抗が減少すると、キャパシタのインピーダンスが相対的に大きくなり、高電圧はキャパシタに印加されることになる。特に高電圧の周波数が数kHz以下と低い場合、キャパシタC1〜C8のインピーダンスが高くなるように容量値を選べば、高圧MOSFETのリーク電流は結果的にキャパシタのインピーダンスによって抑制される。従って、レベルシフト回路23、33の高圧MOSFETが絶縁破壊することはない。
【0044】
図2を参照して信号入力部34の例を説明する。本例の信号入力部34は、一対のNAND回路233、234からなる負論理型のフリップフロップと、OR回路235と、一対のNOR回路236、237からなる正論理型のフリップフロップと、反転回路(論理インバータ)238と、抵抗239と、キャパシタ240と、一対のAND回路241、242と、を含む。
【0045】
入力信号A、Bは、制御回路50から容量結合型信号伝送路のキャパシタC1、C2を経由して信号入力部34に供給される制御信号である。入力信号A、Bは、負論理型のフリップフロップ233、234にセット信号及びリセット信号として供給される。入力信号A、Bは、更に、OR回路235に供給され、論理和(OR)が生成される。OR回路235の出力Cは、反転回路238、抵抗239及びキャパシタ240を経由して遅延される。OR回路235の出力Cとこの反転遅延信号Dは、正論理型のフリップフロップ236、237に供給される。
【0046】
第1のAND回路241には、負論理型のフリップフロップ233、234の出力Q1と正論理型のフリップフロップ236、237の出力invQ2が供給され、論理積(AND)が生成される。第1のAND回路241の出力信号SHは上述のように高電位側のIGBT12の駆動信号であり、昇圧レベルシフト回路33に供給される。
【0047】
第2のAND回路242には、負論理型のフリップフロップ233、234の出力invQ1と正論理型のフリップフロップ236、237の出力invQ2が供給され、論理積(AND)が生成される。第2のAND回路242の出力信号SLは上述のように低電位側のIGBT15の駆動信号であり、ゲート駆動回路31に供給される。
【0048】
図3は、図2の信号入力部における信号に関する真理値表である。入力信号Aが0、入力信号Bが1の場合、高電位側駆動信号SHは1、低電位側駆動信号SLは0となる。逆に、入力信号Aが1、入力信号Bが0の場合、高電位側駆動信号SHは0、低電位側駆動信号SLは1となる。更に入力信号A、Bが共に0の場合、高電位側駆動信号SHと低電位側駆動信号SLは共に0となり、2つのIGBT12、15は共にオフとなる。また、入力信号A、Bが共に1の場合、高電位側駆動信号SHは負論理型のフリップフロップ233、234の出力Q1の初期状態を維持し、低電位側駆動信号SLは出力Q1の反転状態となる。
【0049】
図4は図3の真理値表に基づいた実際の信号パターンを表したタイムチャートである。図4Aのクロック信号CLK、図4B及び図4Cの元信号H、Lはいずれもマイクロコンピュータ51の内部において生成される信号であり、図1の構成図には図示していない。ここで、元信号Hは高電位側のIGBT12を駆動させる信号であり、元信号Lは低電位側のIGBT15を駆動させる信号である。元信号H(L)の1は、IGBT12(15)のオンに対応し、0は、オフに対応する。元信号H、Lが共に0のときには、2つのIGBT12、15が共にオフとなる状態に対応する。これは、図示のデッドタイムtd(非ラップ期間)である。
図4Dの信号Aはクロック信号CLKと元信号Lの論理和であり、同様に図4Eの信号Bはクロック信号CLKと元信号Hの論理和である。
【0050】
この信号A、BをキャパシタンスC1、C2を介して図2の信号入力部34に供給すると、図3の真理値表に従って、図4F及び図4Gに示す出力SH、SLを得ることができる。図4F及び図4Gの信号SH、SLは図2で説明したようにそれぞれ、高電位側のIGBT12と低電位側のIGBT15を駆動する信号である。駆動信号SH、SLが1のとき、IGBT12、15はオンとなる。
【0051】
駆動信号SH、SLが共に0のとき、2つのIGBT12、15は共にオフとなる。これは、図示の実効的デッドタイムtdeである。
駆動信号SH、SLの実効的デッドタイムtdeは、元信号H、Lのデッドタイムtdより若干増加している。しかしながら、クロック信号CLKの周波数を十分高くすれば、その増加がインバータ制御に与える影響を小さくすることができる。ここで、駆動信号SH、SLは、インバータ装置で広く用いられるPWM制御のパルス信号である。従って、マイクロコンピュータ51の指令により駆動信号SH、SLのパルス幅は変化する。
【0052】
上述のように、容量結合型信号伝送路のキャパシタC1、C2に供給される信号A、Bは、クロック信号CLKと元信号L、Hの論理和である。従って、図4D及び図4Eの波形にて示すように、信号A、Bは、IGBT12、15がオフのときにも、クロックCLKによって刻まれている。即ち、2つのIGBT12、15の一方がオンになっても、信号A、Bのいずれか一方は、クロックCLKによって刻まれている。これが本発明の一つの特徴であり、この点において次の図5を用いて詳細に説明する。
【0053】
図5Aから図5Dは図4Fの高電位側の駆動信号SHが1、即ち、高電圧側IGBT12がオンとなる期間における動作を示している。図5A及び図5Bの信号A、Bは図4の信号A、B、図5Cの駆動信号SHは図4FのIGBT12の駆動信号、図5DのVge(2)はIGBT12のゲート電圧である。
【0054】
図5Bには、IGBT12のオン期間中に信号Bにノイズが乗った状態が示されている。図3の真理値表に示したように、駆動信号SHは、信号Aが0且つ信号Bが1になると1、信号Aが1且つ信号Bが0になると0になる。詳しくは図5A及び図5Bに示すように信号Aの立ち下がりと信号Bの立ち上がりで信号入力部34のフリップフロップの出力が変化する。そこで、図5Bに示すようにノイズにより信号Bに立ち上がりが生じると、駆動信号SHは1から0に変化し、次の信号Aの立ち下がりで1に復帰する。ノイズにより駆動信号SHが0になる期間は最長でクロック信号CLKの一周期である。
【0055】
一方、信号が昇圧レベルシフト33を経由してゲート駆動回路21に伝送されるまでに、1μs程度の遅延が生ずる。更にIGBT12のゲート電圧は、ゲート容量を増加、減少させる間に、遅延が生じる。この遅延をオン時の遅延tdonとオフ時の遅延tdoffに分けて図5Dに示す。オン時の遅延tdonとオフ時の遅延tdoffは、ゲート抵抗の値によって変化するが、一般的には3〜5μs程度である。これらの遅延時間を考慮すると、クロック信号CLKの周波数が300kHz以上(一周期3.3μs以下)であれば、ノイズにより駆動信号SHが1から0に変化しても、その影響でIGBT12が完全にオフになることはない。
望ましくはクロック信号CLKの周波数を1MHz以上に選ぶと、ノイズにより駆動信号SHが0となる期間は1μs以下となり、この影響はIGBT12のゲート電圧には殆ど現れない。図5A〜図5Dにこの状態を示した。
【0056】
容量結合型伝送路のキャパシタC1、C2はそれぞれ強電側と弱電側の間に接続される。従って、容量結合型伝送路にノイズが生じる場合には、2つのキャパシタに流れる信号に、同一極性のノイズが重畳すると考えることが現実的である。このようなノイズを同相ノイズ、又はコモンモードノイズと呼ぶ。図5Bに示すように、ノイズにより信号Bに立ち上がりが生じる場合には、信号Aにも同一極性のノイズが重畳するはずである。しかしながら、信号Aの場合、立ち下がりで信号入力部における論理が変わるため、信号Aにおけるノイズの影響は無視することができる。
【0057】
次に図5Fに、IGBT12がオン期間中に信号Bに負極性のノイズが乗った場合を示す。この負極性ノイズでは図3の真理値表に示したように、駆動信号SHは反転しない。また、図5Eに示すように同一極性の信号が信号Aに乗った場合も、既に駆動信号SHは正規の信号で1の状態になっているため、駆動信号SHの状態は変化しない。
【0058】
本発明では、IGBTをオンにさせる期間中でも、容量結合型伝送路のキャパシタを通る駆動信号A、Bは高周波のクロック信号CLKによって刻まれる。従って、容量結合型伝送路のキャパシタを通る駆動信号A、Bにノイズが重畳した場合でも、ノイズがIGBTのオン、オフ状態に影響を与えない。即ち、本発明によると、ノイズに対して強い高信頼性のインバータ装置を実現することができる。
【0059】
図6を参照して異常検知出力部35の構成例とその動作を説明する。異常検知出力部35は、ロジックインバータ343と、AND回路344と、NAND回路345と、バッファ346、347とを含む。
異常検知出力部35は、降圧レベルシフト回路23からの異常検知信号Faultとバッファ43を介してマイクロコンピュータ51から供給されたクロック信号CLK(図4のクロック信号CLK)を入力する。ここで、高耐圧ドライバIC20がクロック発生器を備える場合は、マイクロコンピュータ51のクロック信号CLKの代わりに、そのクロック発生器の信号を使用しても良い。
【0060】
AND回路344には、異常検知信号Faultとクロック信号CLKが供給され、NAND回路345には、ロジックインバータ343によって論理反転された異常検知信号Faultとクロック信号CLKが供給される。AND回路344とNAND回路345の出力はそれぞれバッファ346、347に伝送される。バッファ346、347の出力は、容量結合型信号伝送路のキャパシタC3、C4を介して制御回路50のフリップフロップ54のセット端子及びリセット端子に供給される。ここで、フリップフロップ54は、セットが正論理(1でセット)、リセットは負論理(0でリセット)である。
【0061】
図7には図6の異常検知出力部35を含む構成に関する動作タイムチャートを示す。信号C3、C4は、それぞれ容量結合型信号伝送路のキャパシタC3、C4を介して制御回路50のフリップフロップ54に供給される信号の波形を示す。本例によると、図示のように、キャパシタC3、C4のいずれか一方にクロック信号CLKと同一周期の高周波のパルス信号が流れることが特徴である。このような信号を伝送することによって、図5を参照して述べた説明と同様の理由でコモンモードのノイズに強い信号伝送を実現できる。
【0062】
図8を参照して、図1に示した全体の構成を装置として実装する場合の一実施例を説明する。図8において、実線200で囲んだ領域は絶縁樹脂でモールドされたパワーモジュールである。このパワーモジュール200は、一対のIGBT12、15を含む主回路10、高耐圧ドライバIC20、シャント抵抗45、電流検出回路40、及び容量結合型伝送路のキャパシタC1〜C8を含む。モジュール内の各回路及び要素は、図1の回路に含まれるものと同一であってよく、その説明は省略する。
【0063】
図8のパワーモジュール200の周囲には端子T1〜T16が設けられている。これらの端子T1〜T16は強電系の端子T1〜T7と弱電系の端子T8〜T16とを含む。強電系の端子T1〜T7は、モジュール内の強電系回路とモジュール外の強電系回路又は素子を接続する。弱電側の端子T8〜T16は、モジュール内の強電系回路とモジュール外の弱電系回路、即ち、制御回路50を接続する。尚、強電系の端子T1〜T7と弱電系の端子T8〜T16は絶縁耐圧に対する沿面距離を保って配置される。
【0064】
本例では、強電系回路10、20、40ばかりでなく、容量結合型信号伝送路を構成するキャパシタC1〜C8も、樹脂成形された1つのパワーモジュールに封印されている。キャパシタC1〜C8の弱電側端子は、パワーモジュールの外面に設けられた端子T8〜T16に接続されている。従って、本例では、パワーモジュールの外面に設けられた弱電側の端子T8〜T16は強電系回路に対して絶縁されている。
【0065】
従来のインバータ装置のパワーモジュールでは、パワーモジュールの外面に設けられた信号端子(T8〜T16に相当)が強電側に接続されていたり、又はフォトカプラによって絶縁されていた。信号端子が強電側に接続されている場合、これらと弱電側制御手段を接続又は切り離しする際、強電側の電圧を零まで下げなければならない。しかしながら、車載用の場合は電源が電池であるため、途中をリレーで切断しない限り信号端子には電源電圧が維持されており、結線作業中に感電する可能性があった。また、フォトカプラによって弱電側と強電側を絶縁する場合は、内部がパワー素子の発熱によって高温になる環境では、フォトカプラの信頼性が劣化する恐れがあった。
【0066】
これに対して、図8の実施形態では、弱電側の端子T8〜T16がキャパシタC1〜C8によって強電系に対して絶縁されており、パワーモジュールの交換等における結線作業において、感電の可能性が低くなる。また、高温環境に耐えられるキャパシタが多数市販されており、キャパシタC1〜C8として、こうした部品を使用すれば、インバータ装置の信頼性が低下することはない。
このように本発明によれば、パワーモジュールの交換等における結線作業の安全性を高めることが出来る。
【0067】
図9を参照して、本発明による絶縁型インバータ装置の第2の実施形態を説明する。本例の絶縁駆動型インバータ装置は、二次電池からなる直流電源1と、1対のパワースイッチング素子12、15を含む主回路10と、高電位側回路と低電位側回路を含むドライブ回路60と、パワースイッチング素子12、15に対する制御信号を生成するための制御回路70と、を有する。
【0068】
直流電源1及び負荷8に接続された主回路10は図1の絶縁駆動型インバータ装置の第1の実施形態の主回路と同様であり、詳細な説明は省略する。主回路10及びドライブ回路60は強電系を構成し、二次電池1の負極電位を基準電位とする。制御回路70は弱電系を構成し、自動車のボディを基準電位とする。
【0069】
強電系のドライブ回路60の高電位側と弱電系の制御回路70の間には、一対のキャパシタC11、C12からなる第1の容量結合型信号伝送路が配置され、強電系のドライブ回路60の低電位側と弱電系の制御回路70の間には、一対のキャパシタC13、C14からなる第1の容量結合型信号伝送路が配置されている。図1に示す例と同様に、強電系のドライブ回路60にはキャパシタC8が設けられる。このキャパシタC8の一端は強電側の基準電位(二次電池1の負極電位)に接続され、他端は弱電側の基準電位(ボディアース)に接続される。図9において、キャパシタC11、C12、C13、C14、C8に添えて記載された矢印は信号電流を表す。
【0070】
図9の実施形態にて、破線で囲んだ領域60は、各回路を集積回路化した1チップの高耐圧ドライバICとして構成される。
ドライブ回路60は上述のように高電位側と低電位側を含む。高電位側は、高電位側のIGBT12のゲート端子に接続されたゲート駆動回路21と、フリップフロップ回路24と、ロジックインバータ61と、抵抗66、67とを有する。低電位側は、低電位側のIGBT15のゲート端子に接続されたゲート駆動回路31と、フリップフロップ回路64と、ロジックインバータ62と、抵抗68、69とを有する。高電位側回路には制御電源26が接続され、低電位側回路には制御電源36が接続されている。
【0071】
本例では、ドライブ回路60の高電位側と低電位側を接続する降圧レベルシフト回路23及び昇圧レベルシフト回路33が設けられていない点が、図1の例と異なる。
制御回路70は、マイクロコンピュータ51と二対のバッファ73、74及び75、76と電源77とを有する。マイクロコンピュータ51の出力は、バッファ73、74及び75、76によって電流駆動能力が増幅される。バッファ73、74及び75、76の出力はキャパシタC11、C12及びC13、C14を介してドライブ回路60の高電位側と低電位側にそれぞれ伝送される。
【0072】
高電位側のキャパシタC11を経由して伝送された駆動信号はフリップフロップ回路24のセット端子に供給され、キャパシタC12を経由して伝送された駆動信号は、ロジックインバータ61によって反転された後、フリップフロップ回路24のリセット端子に供給される。フリップフロップ回路24のセット端子に接続された抵抗66はプルアップ用、フリップフロップ回路24のリセット端子に接続された抵抗67はプルダウン用である。フリップフロップ回路24は、セット、リセット共に、負論理であり、ロジックインバータ61を設けたことによってキャパシタC12の出力に対しては正論理になる。
【0073】
低電位側の回路も高電位側の回路と同様であり、低電位側のキャパシタC13を経由して伝送された駆動信号はフリップフロップ回路64のセット端子に供給され、キャパシタC14を経由して伝送された駆動信号は、ロジックインバータ62によって反転された後、フリップフロップ回路64のリセット端子に供給される。フリップフロップ回路64のセット端子に接続された抵抗68はプルアップ用、フリップフロップ回路64のリセット端子に接続された抵抗69はプルダウン用である。
【0074】
高電位側のIGBT12がオンとなる期間中、高電位側の一方のキャパシタC11を通る信号は高周波のクロックで刻まれ、他方のキャパシタC12を通る信号は0の状態に固定される。逆に、IGBT12がオフとなる期間中、高電位側の一方のキャパシタC11を通る信号は1の状態に固定され、他方のキャパシタC12を通る信号を高周波のクロックで刻まれる。
【0075】
低電位側に関しても同様であり、低電位側のIGBT15がオンとなる期間中、低電位側の一方のキャパシタC13を通る信号は高周波のクロックで刻まれ、他方のキャパシタC14を通る信号は0の状態に固定される。逆に、IGBT15がオフとなる期間中、低電位側の一方のキャパシタC13を通る信号は1の状態に固定され、他方のキャパシタC14を通る信号を高周波のクロックで刻まれる。このような入力を与える理由を次の図10を用いて説明する。
【0076】
図10は図9の回路の一部を示したものであり、これを参照して、図9の実施例において、高電位側のIGBT12を駆動させる動作を説明する。まず、高電位側のIGBT12をオンにさせる場合に、制御回路70の第1のバッファ73は、図9に図示したように高周波のクロックを出力する。フリップフロップ回路24のセット入力は負論理であるから、フリップフロップ回路24の出力Qは、図10に示すように強電側から弱電側に流れるシンク電流Am1に対して状態が反転する。この期間、第2のバッファ74の出力は0に固定されている。
【0077】
次に、IGBT12をオフさせる場合に、制御回路70の第2のバッファ74は高周波のクロックを出力する。フリップフロップ回路24はロジックインバータ61によってリセット入力が実質、正論理になる。従って、フリップフロップ回路24の出力Qは、弱電側から強電側に流れるソース電流Am2に対して状態が反転する。また、この期間、第1のバッファ73の出力は1に固定されている。尚、キャパシタンスC12を流れるソース電流Am2は抵抗67から低電位側のIGBT15又は負荷8に流れ、更にキャパシタンスC8を経て弱電側に戻る。
【0078】
フリップフロップ回路24の出力Qが1になるとIGBT12がオンになるが、その結果、絶縁駆動型インバータ装置の出力OUT、即ち、図10の点Pに高電圧が発生する。この高電圧の立ち上がりの電圧変化を図10にてdV/dtとして示す。この電圧変化によって図10にて、破線の矢印で示すノイズ電流Anが流れる。このノイズ電流Anは、IGBT12、フリップフロップ回路24のセット、リセット端子を経て、キャパシタC11、C12を通り、弱電側に流れ込む。キャパシタC11、C12を流れるノイズ電流の極性は、電圧変化dV/dtによって決まり、IGBT12がオンの時には必ずシンク電流となる。キャパシタC11を流れるシンク電流は本来、フリップフロップ回路24をセットさせる為、出力Qの状態は変わらない。また、リセット時にキャパシタC12を流れる電流はソース電流であり、ノイズ電流であるシンク電流とは逆であるため、出力Qの変化を招かない。
【0079】
仮に、絶縁駆動型インバータ装置の出力OUTが振動的になった場合、電圧変化dV/dtは正負に変化し、フリップフロップ回路24にリセット電流が流れる。しかしながら、たとえ、フリップフロップ回路24の出力Qが反転しても、次に高周波のクロック信号に従ってC11を流れるシンク電流により出力Qは正規の論理に戻る。
【0080】
絶縁駆動型インバータ装置の出力OUTが振動した際のノイズ電流によって、フリップフロップ回路24の出力Qが反転する期間は、最長でも高周波クロックの一周期分である。従って、クロックの周波数を1MHz程度に選べば、図5で述べたようにゲート駆動の遅延時間の方が長い為、IGBT12がオフとなることはない。
【0081】
IGBT12をオフにさせる場合は、以上の動作と逆のことが起きる。即ち、絶縁駆動型インバータ装置の出力OUTの立ち下がり(−dV/dt)によってキャパシタC11、C12にはソース電流がノイズとして流れるが、この電流に対してフリップフロップ回路24は反応しない。また、絶縁駆動型インバータ装置の出力OUTが振動的になった場合でも、フリップフロップ回路24の出力Qはノイズによるセット側の誤信号で一旦、反転するが、次のリセット入力によって正常な論理状態に復帰する。
【0082】
このように図9の実施例では、フリップフロップ回路24の正規のセット信号及びリセット信号の電流極性と、容量結合型信号伝送路のキャパシタを流れるノイズの電流極性が等しくなるので、IGBTのスイッチング時における誤動作の発生を抑制することができることが特徴である。
【0083】
図11及び図12を参照して本発明によるの絶縁型アナログ信号検出回路の構成及び機能について説明する。本例の絶縁型アナログ信号検出回路は、シャント抵抗45と電流検出回路40とを有し、電流検出回路40は、差動増幅回路41、サンプルアンドホールド回路42、バッファ43及びスイッチ44を含む。強電系の絶縁型アナログ信号検出回路は、キャパシタンスC5、C6、C7を介して、弱電側の制御回路50の差動増幅回路56及び同期整流回路57に接続されている。図11の回路全体によって、負荷8を通る電流を検出するための絶縁型アナログ信号検出回路及びそれを弱電側制御回路50に絶縁伝送するための絶縁型アナログ信号伝送路が構成される。
【0084】
負荷8に接続されたシャント抵抗45の両端の電圧は、抵抗抵抗r1、r2を介して差動アンプ411の負及び正入力端子にそれぞれ供給される。差動アンプ411の正入力端子は抵抗r3を介して強電側の基準電位PG、即ち二次電池1の負極電位に接続されている。また、差動アンプ411の出力端子と負入力端子の間には帰還抵抗r4が設けられている。差動アンプ411の出力は次段の増幅器412の正入力端子に供給される。増幅器412によって差動アンプ411の出力は増幅される。増幅器412のゲインは、増幅器412の負入力端子と基準電位PG間に設けた抵抗r5、及び増幅器412の出力端子と負入力端子の間に設けた帰還抵抗r6によって決まる。
【0085】
増幅器412の出力は、スイッチ421がオンのとき、サンプリングされ、キャパシタC9に印加される。従って、キャパシタC9には、増幅器412の出力電圧が充電される。スイッチ421がオフになると、キャパシタC9の電圧は、並列に備えた抵抗r7を十分大きく選ぶことによって、ホールドされる。ここで、スイッチ421の駆動信号はIGBT12又は15の一方のオン期間に同期しており、シャント抵抗45に発生する電圧が断続的な場合にも、キャパシタC9の電圧は連続的な変化になる。
本発明はキャパシタC9の電圧を容量結合型伝送路のキャパシタC6、C7によって絶縁し、弱電側に伝送することが特徴であり、以下に図12のタイムチャートも用いてその動作を述べる。
【0086】
図12Aは、シャント抵抗45の電圧Vs及びサンプルアンドホールド回路42の出力電圧Va、図12Bは制御回路50の差動増幅回路56の入力電圧Vd、キャパシタンスC7の電圧Vc7、弱電系の基準電位SG、図12Cは同期整流回路57の出力電圧VRの各波形を示す。
【0087】
図11に示すように、マイクロコンピュータ51より出力されたクロック信号CLKは、バッファ55、容量結合型伝送路のキャパシタC5、バッファ43を介してスイッチ44に絶縁伝送される。ここで、クロック信号CLKの周波数は、図12に示すサンプルアンドホールドの周波数に比べて高くなるよう選ぶ。スイッチ44の可動端子は、クロック信号が1ならば図11のx(キャパシタC9の電圧)側に、0ならy(強電側基準電位PG)側に移動する。こうして、スイッチ44によって、高周波のクロック信号の周期と同一の周期を有し、振幅がキャパシタC9の電圧に等しい矩形波が生成される。
【0088】
図11に示すように強電側基準電位PGと弱電側基準電位SGの間の電位差をΔVとすれば、弱電側基準電位SGに対するキャパシタC6、C7の静的な電圧はΔVである。従って、キャパシタC6には、この静的電圧ΔVとキャパシタC9の電圧に等しい矩形波が重畳されて印加される。
【0089】
キャパシタC6、C7の容量は、クロック周波数に対するこれらのインピーダンス(1/ωC)が抵抗r8〜r11に比べて十分小さくなるように、設定される。このように、キャパシタC6、C7の容量に選べば、キャパシタC9の電圧に等しい矩形波電圧は、キャパシタC6、C7を経由して全て抵抗r8、r11に印加される。
【0090】
スイッチ44の可動端子がx側にあるときは、キャパシタC6は充電状態となり、スイッチ44の可動端子がy側にあるときは、キャパシタC6は放電状態となる。矩形波電圧が印加されることによって、キャパシタC6及び抵抗r8に流れる電流は交流になる。
【0091】
この交流電流は差動アンプ561に供給される。差動アンプ561の負入力端子の入力電圧は、図12Bに示すようにキャパシタC9の電圧に等しい振幅を有する交流電圧になる。この交流電圧には、上述の静的電圧ΔVが重畳されているが、差動アンプ561は交流成分のみを検出する。差動アンプ561の後段にはゲインが1の増幅器562が設けられ、差動アンプ561の出力電圧を極性反転する。
【0092】
図11に示すように、同期整流部57は、クロック信号CLKに同期して切り替わるスイッチ571と増幅器572と増幅器572の出力と負入力端子の間に設けられたキャパシタンスC10と含む。スイッチ571によって、差動アンプ561の出力と増幅器562の出力の一方(即ち両出力電圧の等しい極性)が増幅器572に供給され、同期整流される。最後に、キャパシタC10によって。同期整流後の電圧が平滑化される。図12Cは、同期整流、平滑後の電圧波形を示す。尚、図12Bのタイムチャートには弱電側の差動アンプ561の負側入力電圧と、キャパシタンスC7の電圧にそれぞれコモンモードのノイズが重畳した場合も示した。このようにノイズが重畳しても、差動アンプ561の働きでノイズの影響を除去することができる。
【0093】
以上のように図11の実施例によれば、強電側にて、元のアナログ信号に比例した振幅を有する交流電流を生成し、それを容量結合型伝送路を介して弱電側に伝送し、弱電側では、この交流電流に応じた差動電圧を同期整流及び復調させるように構成された絶縁型アナログ信号伝送回路が得られる。
【0094】
図11の破線にて示す差動増幅回路41、サンプルアンドホールド回路42、及びスイッチ44を含む強電側の回路は、図1に示した高耐圧ドライバIC20の各回路と共に1チップのICに集積化することにより、低コスト化が可能となる。本実施例は絶縁が必要な車載用高電圧インバータやその他の産業用高電圧インバータとしても好適である。
【0095】
【発明の効果】
本発明によれば、IGBTがスイッチングする際の電圧変化をレベルシフト手段で吸収して、容量結合部へのノイズの影響を低減することができる。また、仮に、強電系と弱電系の間の電位変動によるノイズにより容量結合の出力が反転しても、送信側の容量結合に高周波クロックを与えることによって、直ぐに正常な状態に復帰させることができる。
また、容量結合型信号入力部とレベルシフト手段とを併用したことによって、インバータの上下IGBTをオン、オフさせるために必要な容量結合型用キャパシタの数は半分になり、低コスト化することができる。
【0096】
レベルシフト手段を備えない場合においても、送信側の容量結合に高周波クロックを与え、かつ、オン用とオフ用の信号論理を変えたことによって、ノイズの影響を軽減することができる。更に、強電側で検出したアナログ電圧を、この電圧値に応じた矩形波交流電流に変換し、容量結合を介して弱電側に送ることによって、ノイズに強く低コストな絶縁型アナログ計測が可能になる。容量結合型の強電-弱電間信号伝送手段とアナログ計測手段をパワーモジュールに内蔵して、高安全な装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による絶縁型インバータ装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態による絶縁型インバータ装置に用いる信号入力部の構成を示す論理回路図である。
【図3】本発明の一実施形態による信号入力部の機能を示す真理値表を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態による絶縁型インバータ装置の制御内容を示すタイムチャート図である。
【図5】本発明の一実施形態による絶縁型インバータ装置の制御でノイズの影響を説明したタイムチャート図である。
【図6】本発明の一実施形態による絶縁型インバータ装置に用いる異常検出出力部の構成を示す論理回路図である。
【図7】本発明の一実施形態による異常検出出力部の出力信号を示すタイムチャート図である。
【図8】本発明の一実施形態による絶縁型インバータ装置をモジュール化した構成を示す全体図である。
【図9】本発明の他の実施形態による絶縁型インバータ装置の構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の他の実施形態による絶縁型インバータ装置におけるノイズ電流経路を示す図である。
【図11】本発明の一実施形態による絶縁型インバータ装置に用いる絶縁型アナログ信号検出回路を示す回路図である。
【図12】本発明の一実施形態による絶縁型アナログ信号検出回路の各部信号を示すタイムチャート図である。
【符号の説明】
1…二次電池、 8…負荷、 10…主回路、 12…IGBT、 13…ダイオード、 14…抵抗、 15…IGBT、 16…ダイオード、 17…抵抗、 20…ドライブ回路(高耐圧ドライバIC)、 21…ゲート駆動回路、22…過電流検出回路、 23…降圧レベルシフト回路、 24…フリップフロップ回路、 26…制御電源、 31…ゲート駆動回路、 32…過電流検出回路、 33…昇圧レベルシフト回路、 34…信号入力部、 35…異常検出出力部、 36…制御電源、 40…電流検出回路、 41…差動増幅回路、 42…サンプルアンドホールド回路、 43…バッファ、 44…スイッチ、 45…シャント抵抗、 50…制御回路、 51…マイクロコンピュータ、 52、53…バッファ、 54…フリップフロップ回路、 55…バッファ、 56…差動増幅回路、 57…同期整流回路
60…ドライブ回路(高耐圧ドライバIC)、 61、62…ロジックインバータ、 64…フリップフロップ回路、 66、67、68、69…抵抗、 70…制御回路、 73、74、75、76…バッファ、 77…電源、 200…パワーモジュール、 233、234…NAND回路、 235…OR回路、236、237…NOR回路、 238…論理インバータ回路、 239…抵抗、 240…キャパシタ、 241、242…AND回路、 343…論理インバータ回路、 344…AND回路、 345…NAND回路、 346、347…バッファ、 411…差動アンプ、 412…増幅器、 421…スイッチ、 561…差動アンプ、 562…増幅器、 571…スイッチ、 572…増幅器、 C1〜C14…キャパシタ、 T1〜T16…端子、 r1〜r15…抵抗

Claims (10)

  1. 直流電源の正負極間に互いに直列に接続された1対のパワースイッチング素子を含む主回路と、前記パワースイッチング素子の各々に接続された高電位側ゲート回路及び低電位側ゲート回路と前記パワースイッチング素子のための駆動信号を入力するための信号入力部と前記信号入力部から前記高電位側ゲート回路に前記駆動信号を伝送するための昇圧レベルシフト回路とを含み前記直流電源の負極の電位を基準電位とし集積回路化されたドライバ回路と、を有し、前記ドライバ回路の基準電位に対して電気的に絶縁された基準電位を有する制御手段からの駆動信号によって前記パワースイッチング素子を駆動するように構成された絶縁駆動型インバータ装置において、
    前記信号入力部と前記制御手段の間に第1及び第2のキャパシタを含む容量結合型信号伝送路を設け、前記ドライバ回路の基準電位と前記制御手段の基準電位の間に第3のキャパシタを含む容量結合型信号伝送帰路を設け、前記制御手段は前記駆動信号に応じて前記第1のキャパシタ又は第2のキャパシタにパルス電流を通電し、前記ドライバ回路は前記駆動信号に応じて前記パワースイッチング素子を交互にオン又はオフにさせることを特徴とする絶縁駆動型インバータ装置。
  2. 請求項1記載の絶縁駆動型インバータ装置において、
    前記制御手段が、前記第1のキャパシタのみにパルス電流を通電した場合に前記高電位側パワースイッチング素子をオンにし且つ前記低電位側パワースイッチング素子をオフにし、前記第2のキャパシタのみにパルス電流を通電した場合に前記高電位側パワースイッチング素子をオフにし且つ前記低電位側パワースイッチング素子をオンにし、前記第1及び第2のキャパシタの両者にパルス電流の通電した場合に前記第1及び第2のパワースイッチング素子をオフにさせることを特徴とする絶縁駆動型インバータ装置。
  3. 請求項2記載の絶縁駆動型インバータ装置において、
    前記信号入力部はフリップフロップ手段を有し、前記制御手段は、前記高電位側又は低電位側パワースイッチング素子をオンにする期間に前記パワースイッチング素子に対応した前記第1のキャパシタ又は第2のキャパシタに繰り返しパルス電流を通電させ、前記フリップフロップ手段に繰り返しセット又はリセット信号を与えることを特徴とする絶縁駆動型インバータ装置。
  4. 請求項1記載の絶縁駆動型インバータ装置において、
    前記高電位側パワースイッチング素子及び低電位側パワースイッチング素子の異常を検出するための異常検出手段と、前記異常検出手段からの異常検出信号を前記制御手段に伝送するための異常検知出力部と、前記高電位側の異常検出手段からの異常検出信号を前記異常検知出力部へ電位変換して伝送するための降圧レベルシフト回路と、前記異常検知出力部と前記制御手段の間に第4及び第5のキャパシタを含む容量結合型信号伝送路とを備え、前記異常検知出力部は前記高電位又は低電位側の異常検出手段からの異常検出信号に応じて前記第4又は第5のキャパシタにパルス電流を通電し、前記パワースイッチング素子の異常を前記制御手段に伝送することを特徴とする絶縁駆動型インバータ装置。
  5. 直流電源の正負極間に互いに直列に接続された1対のパワースイッチング素子を含む主回路と、前記直流電源の負極を基準電位とし前記パワースイッチング素子のための高電位側及び低電位側ゲート回路を含む回路素子を集積回路化したドライバ回路と、を具備し、前記直流電源の負極に対して電気的に絶縁された基準電位を有する制御手段より供給された駆動信号によって前記パワースイッチング素子をオン又はオフにさせるように構成された絶縁駆動型インバータ装置において、
    前記ドライバ回路の高電位側ゲート回路と前記制御手段の間に第1及び第2のキャパシタを含む容量結合型信号伝送路を備え、前記ドライバ回路の基準電位と前記制御手段の基準電位の間に第3のキャパシタを含む容量結合型信号伝送帰路を備えると共に、前記制御手段は前記駆動信号に応じて前記第1又は第2のキャパシタに正又は負の極性のパルス電流を通電し、前記ドライバ回路は前記パルス電流に応じて前記高電位側又は低電位側パワースイッチング素子をオン又はオフにさせることを特徴とする絶縁駆動型インバータ装置。
  6. 請求項5記載の絶縁駆動型インバータ装置において、
    前記高電位側ゲート回路はフリップフロップ手段を具備し、前記制御手段は、前記第1のキャパシタのみにパルス電流を繰り返し通電して前記フリップフロップ手段をセットさせ、前記フリップフロップ手段の出力に応じて前記高電位側パワースイッチング素子をオンにさせると共に、前記第2のキャパシタにのみ逆極性のパルス電流を繰り返し通電して前記フリップフロップ手段をリセットさせ、前記高電位側パワースイッチング素子をオフにさせることを特徴とする絶縁駆動型インバータ装置。
  7. 直流電源の正負極間に互いに直列に接続された一対のパワースイッチング素子を含む主回路と前記直流電源の負極を基準電位とし前記パワースイッチング素子を駆動するためのドライバ回路とを備え、前記直流電源の負極に対して電気的に絶縁された基準電位を有する制御手段からの駆動信号によって前記パワースイッチング素子をオン又はオフにさせるように構成された絶縁駆動型インバータ装置において、
    負荷に流れる電流を検出するためのシャント抵抗手段と、前記シャント抵抗手段の電圧をサンプルアンドホールドするためのサンプルアンドホールド手段と、前記制御手段からのクロック信号に応じて前記サンプルアンドホールド手段の出力電圧を振幅とする矩形波交流信号を形成するための変調手段と、前記制御手段の基準電位と同一の基準電位に接続され前記変調手段より出力された矩形波交流信号を入力するための差動増幅手段と、前記差動増幅手段の出力を前記クロック信号に同期して全波整流し、更に平滑するための復調手段と、を備え、前記変調手段から前記差動増幅手段への矩形波交流信号は第1及び第2のキャパシタを含む容量結合型信号伝送路を介して伝送され、前記制御手段から前記変調手段へのクロック信号は第3のキャパシタを含む容量結合型信号伝送路を介して伝送されることを特徴とする絶縁駆動型インバータ装置。
  8. 二次電池を直流電源とする電気自動車において、請求項1から7のいずれか1項記載の絶縁駆動型インバータ装置を備え、前記パワースイッチング素子と前記ドライバ回路と前記信号入力部と前記第1、第2及び第3のキャパシタを1つの密閉されたパッケージに搭載するとともに、前記パワースイッチング素子とは電気的に絶縁された前記パワースイッチング素子のための冷却器を前記パッケージの表面部に備えると共に、前記冷却器と前記制御手段の基準電位は前記自動車のボディアースになるよう接続されていることを特徴とする電気自動車。
  9. 直流電源の正負極間に互いに直列に接続された1対のパワースイッチング素子を含む主回路と、前記パワースイッチング素子の各々に接続された高電位側ゲート回路及び低電位側ゲート回路と前記パワースイッチング素子のための駆動信号を入力するための信号入力部と前記信号入力部から前記高電位側ゲート回路に前記駆動信号を伝送するための昇圧レベルシフト回路とを含み前記直流電源の負極の電位を基準電位とし集積回路化されたドライバ回路と、を有し、前記ドライバ回路の基準電位に対して電気的に絶縁された基準電位を有する制御手段からの駆動信号によって前記パワースイッチング素子を駆動するように構成された絶縁駆動型インバータ装置において、
    前記信号入力部と前記制御手段の間に第1及び第2のキャパシタを含む容量結合型信号伝送路を設け、前記ドライバ回路の基準電位と前記制御手段の基準電位の間に第3のキャパシタを含む容量結合型信号伝送帰路を設け、前記制御手段は前記駆動信号のパルス発生期間において該駆動信号よりも高周波なパルス信号を発生させ該パルス信号を前記第1のキャパシタ又は第2のキャパシタに通電し、前記ドライバ回路は前記高周波のパルス信号を介在して伝達された前記駆動信号に応じて前記パワースイッチング素子を交互にオン又はオフにさせることを特徴とする絶縁駆動型インバータ装置。
  10. 直流電源の正負極間に互いに直列に接続された1対のパワースイッチング素子を含む主回路と、前記直流電源の負極を基準電位とし前記パワースイッチング素子のための高電位側及び低電位側ゲート回路を含む回路素子を集積回路化したドライバ回路と、を具備し、前記直流電源の負極に対して電気的に絶縁された基準電位を有する制御手段より供給された駆動信号によって前記パワースイッチング素子をオン又はオフにさせるように構成された絶縁駆動型インバータ装置において、
    前記ドライバ回路の高電位側ゲート回路と前記制御手段の間に第1及び第2のキャパシタを含む容量結合型信号伝送路を備え、前記ドライバ回路の基準電位と前記制御手段の基準電位の間に第3のキャパシタを含む容量結合型信号伝送帰路を備えると共に、前記制御手段は前記駆動信号のパルス発生期間において該駆動信号よりも高周波なパルス信号を発生させ該パルス信号を前記第1のキャパシタ又は第2のキャパシタに通電し、前記ドライバ回路は前記高周波のパルス信号を介在して伝達された前記駆動信号に応じて前記高電位側又は低電位側パワースイッチング素子を交互にオン又はオフにさせることを特徴とする絶縁駆動型インバータ装置。
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