JP3819524B2 - 補助動力付き歩行型一輪運搬車 - Google Patents
補助動力付き歩行型一輪運搬車 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、手押し式の歩行型運搬車に関し、特に電動モータによるアシスト機能を備える補助動力付き歩行型一輪運搬車に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
手押し式の一輪運搬車等の歩行型運搬車は、狭い通路でも簡単に通行可能であり、工事現場での資材や部品の運搬、あるいは畑や果樹園、山林での収穫物や肥料の運搬に広く用いられているが、人力で推進するものであるため、小石や瓦礫が在る道や勾配のきついところでは、大きな労力が必要であるので、使用範囲が限られている。
【0003】
そこで、たとえば実開平3−100568号公報および実開平7−40354号公報で開示されるように、バッテリから供給される電力で作動する電動モータによるアシスト力を車輪に与えるようにして、労力軽減を図るようにしたものも実現されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記実開平3−100568号公報および実開平7−40354号公報で開示されたものでは、手押しハンドルの後端部に設けられているスイッチをオン操作することにより、電動モータからの一定のアシスト力を車輪に付与するようにしている。この際、アシスト力が不足することがないように前記一定のアシスト力は比較的大きく設定せざるをえず、したがってアシスト力に頼った運転を続けると、必要以上のアシスト力を電動モータが発揮することになってバッテリの消耗が早くなってしまい、不便であり、またバッテリの容量を大きくしたのでは重量が増大して歩行型運搬車の機能を損ねてしまうことになって実用上問題がある。
【0005】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、電動モータによるアシスト力を効果的に車輪に作用させてバッテリの消費量を極力抑えつつ、労力軽減を図るようにした補助動力付き歩行型一輪運搬車を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明に従う補助動力付き歩行型一輪運搬車は、荷枠と、該荷枠の下部中央に軸支される1つの車輪と、前記荷枠の両側から後方に延設される左右一対の手押しハンドルと、前記荷枠に搭載される1つの電動モータと、電動モータの作動時のみ電動モータおよび車輪間の動力伝達を可能として前記車輪および電動モータ間に設けられる動力伝達手段とを備えた補助動力付き歩行型一輪運搬車において、前記左右一対の手押しハンドルの押力をそれぞれ検出する一対の押力検出センサと、それらの押力検出センサの検出値に基づいて前記電動モータの作動を制御する制御手段とを備え、その制御手段は、前記一輪運搬車による運搬作業時に前記荷枠の姿勢が不安定になることに伴う重量バランスの崩れに対応して適正なアシスト力を車輪に作用させるべく、前記一対の押力検出センサの検出値のうち少なくとも大きい方の検出値が設定値以上であるときに前記電動モータの作動を開始するようにして前記少なくとも大きい方の検出値に基づいて電動モータの作動を制御することを特徴とする。
【0007】
このような構成によれば、手押しハンドルを押す力が大きくなったときにその押力に応じたアシスト力を電動モータから車輪に作用せしめるので、労力を軽減して荷台満載状態での不整地走行や瓦礫の乗越えを行なうことができるとともに、荷台が空の状態や平坦地の移動時のような軽負荷状態では電動モータを作動させずにバッテリの消費量を小さく抑えることができる。しかも歩行型一輪運搬車においては、不整地や傾斜地等での運搬作業時には荷枠の姿勢が不安定になり易く、手押しハンドルを支える力が左、右で異なる場合があり、特に不安定な姿勢による重量バランスの崩れを片側の手押しハンドルで強く支える場合も多いが、左右の手押しハンドルのうち押力が大きい方、すなわち強く支えている側の負荷状態に少なくとも基づいて電動モータの作動を制御することにより、不安定な姿勢となったことに伴う重量バランスの崩れに対応して適正なアシスト力を車輪に作用せしめることができる。
【0008】
また請求項2記載の発明によれば、上記請求項1記載の発明の構成に加えて、前記制御手段が、両押力検出センサのうち小さい方の検出値も加えた両押力検出センサの検出値の和に基づいて、前記電動モータの作動を制御することにより、荷枠全体の負荷量に対応してより細密なアシスト力制御を行なうことが可能となる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を、添付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0010】
図1ないし図8は本発明の第1実施例を示すものであり、図1は手押し式の一輪運搬車の側面図、図2は図1の2矢視平面図、図3は図1の3矢視正面図、図4は動力伝達手段の構成を示す図、図5は図1の要部拡大図、図6は図2の6−6線拡大断面図、図7は図6の7−7線拡大断面図、図8は制御手段の構成を示す図である。
【0011】
先ず図1ないし図3において、この手押し式の一輪運搬車が備える荷枠11は、前後方向にほぼ平行に延びる一対の平行枠部12,12と、両平行枠部12,12の前端に連なって前上がりに延びるとともに前端部を閉じた略U字状に形成される連結枠部13と、両平行枠部12,12間にわたって設けられる前後一対の横架枠部14,15と、両平行枠部12,12間の中央部で前方側の横架枠部14に連設されて前下りに延びる左右一対の支持枠部16,16と、前方側を閉じた略U字状に形成されて前記両支持枠部16,16に連なる車輪支持枠部17と、連結枠部13の前部ならびに前記前方側の横架枠部14間にわたる左右一対の補強枠部18,18と、連結枠部13の前部ならびに前記車輪支持枠部17間にわたる左右一対の補強枠部19,19とを備える。
【0012】
前記両平行枠部12,12の後端には、後上がりに延びる左右一対の手押しハンドル20,20の前端が連設されており、両手押しハンドル20,20間には補強枠21が設けられる。しかも両平行枠部12,12、連結枠部13および手押しハンドル20,20は、金属製パイプの曲げ加工により一体に形成されるものである。
【0013】
また支持枠部16,16および車輪支持枠部17は、金属製パイプの曲げ加工により一体に形成されるものであり、車輪支持枠部17に固着された左右一対の軸受部22,22で、単一の車輪23の車軸24が回転自在に支持される。
【0014】
両平行枠部12,12の後部と、両手押しハンドル20,20の中間部との間には、略三角形状に形成される脚部25,25の上端が固着されており、これらの脚部25,25は、車輪23が接地している地面26に接地したときに、両平行枠部12,12が地面26とほぼ平行となるように荷枠11の姿勢を保持すべく形成される。
【0015】
両平行枠部12,12、連結枠部13、手押しハンドル20,20の前部上には、皿状の荷台27が設けられる。
【0016】
荷枠11の下部には、第1および第2バッテリ28,29が取付けられるとともに、それらのバッテリ28,29から供給される電力で作動する電動モータ30と、該電動モータ30の作動によるアシスト力を車輪23に伝達可能として電動モータ30および車輪23間に設けられる動力伝達手段31とが搭載される。
【0017】
第1バッテリ28は、車輪23の左右いずれか一側、この実施例では前方に向いた状態で車輪23の右側で荷枠11の下部に取付けられる。すなわち連結枠部23の右側にバッテリトレー32が固着されており、該バッテリトレー32に第1バッテリ28が取付けられる。
【0018】
第2バッテリ29は、車輪23よりも後方側で荷枠11に下部に取付けられる。すなわち前後の横架枠部14,15にバッテリトレー33が固着されており、該バッテリトレー33上に第2バッテリ29が取り付けられる。しかもバッテリトレー33すなわち第2バッテリ29の配置は、車輪23の左右での重量バランスを保つようにして、前記荷枠11を上方から見た状態で、車輪23の接地部と、両手押しハンドル20の後端部とを結ぶ仮想三角形34内に、第2バッテリ29の少なくとも一部望ましくは大部分が存在するように定められる。
【0019】
図4において、動力伝達手段31は、電動モータ30の出力軸36に同軸に連なる駆動軸37と、該駆動軸37に固設される第1ギヤ38と、駆動軸37と平行な軸線を有する第1中間軸39と、第1中間軸39と同軸にして前記駆動ギヤ38に噛合される第2ギヤ40と、第1中間軸39および第2ギヤ40間に設けられる一方向クラッチ41と、第1中間軸39に固設される第3ギヤ42と、第1中間軸39と平行な軸線を有する第2中間軸43と、第3ギヤ42に噛合して第3中間軸43に固設される第4ギヤ44と、ベベルギヤとして形成されて第2中間軸43に固設される第5ギヤ45と、第2中間軸43と直交する軸線を有する被動軸46と、ベベルギヤに形成されて前記被動軸46に固設されるとともに第5ギヤ45に噛合する第6ギヤ47と、被動軸46に固設されるスプロケット48と、車輪23の車軸24に固設されるスプロケット49と、両スプロケット48,49に巻きかけられる無端状のチェーン50とを備える。
【0020】
このような動力伝達手段31のうち、駆動軸37、第1ギヤ38、第1中間軸39、第2ギヤ40、一方向クラッチ41、第3ギヤ42、第2中間軸43、第4ギヤ44、第5ギヤ45、被動軸46の一部および第6ギヤ47は、電動モータ30が結合されるギヤハウジング51内に収納されるものであり、各軸37,39,43,46はギヤハウジング51で回転自在に支承され、ギヤハウジング51から突出した被動軸46の端部にスプロケット48が固設される。
【0021】
前記一方向クラッチ41は、第2ギヤ40から第1中間軸39に動力を伝達するが、第1中間軸39から第2ギヤ40側への動力伝達を不能とするものであり、したがって、動力伝達手段31は、電動モータ30の作動時のみ電動モータ30および車輪23間の動力伝達を可能として構成されることになる。
【0022】
このような電動モータ30および動力伝達手段31は、車輪23に関して第1バッテリ28とは反対側、すなわち、この実施例では前方に向いた状態で車輪23の左側で荷枠11の下部に取付けられる。
【0023】
図5を併せて参照して、ギヤハウジング51には、支持腕52の前端が締結されるとともに上方に延びる支持腕53が一体に設けられており、支持腕52の後端は横架枠部14に固着され、支持腕53の上端は連結枠部13に締結される。
【0024】
図6および図7において、両手押しハンドル20…の後端部には、後方に延びるハンドルシャフト55…の前端が固着されており、それらのハンドルシャフト55…の前部を除く大部分は、グリップ56…でそれぞれ覆われる。
【0025】
グリップ56は、ハンドルシャフト55を同軸に覆う金属製円筒状の支持筒57と、該支持筒57の後端開口部を閉じるようにして支持筒57に固着される蓋部材58と、支持筒57の前部を除く大部分を一体に被覆する合成樹脂製の被覆部材59とから成るものであり、外端に係合操作部60aを有するとともに内端を支持筒57内に突入させる調節軸60が軸方向の進退を可能として蓋部材58に螺合され、蓋部材58の外面に係合可能な止めナット61が調節軸60に螺合される。また被覆部材59の後端には、ナット61を回転操作可能に臨ませる開口部62が設けられ、被覆部材59の前端には半径方向外方に張出す鍔部59aが一体に設けられる。
【0026】
ハンドルシャフト55の外周と、該ハンドルシャフト55の周方向に間隔をあけた少なくとも3箇所、この実施例では周方向に等間隔をあけた3箇所で軸方向に延びる溝63…が設けられる。一方、グリップ56の内周すなわち支持筒57の内周には、ハンドルシャフト55の各溝63…に対応した3つの溝64…が軸方向に延びるようにして設けられる。
【0027】
ハンドルシャフト55およびグリップ56間には、前記両溝63…,64…に沿う転動を可能としたスチールボール65…が相互に対応した溝63,64にそれぞれ複数ずつ配置される。したがってグリップ55は、各スチールボール65…を転動させるようにしてハンドルシャフト55に対して軸方向に移動可能となる。
【0028】
ハンドルシャフト55の外周および各グリップ56の内周間には円筒状の支持部材66が同軸に配置されており、該支持部材66には、相互に対応した溝63…,64…にそれぞれ対応した位置で軸方向に間隔をあけて複数ずつの支持孔67…が設けられ、各スチールボール65…は、それらの支持孔67…でそれぞれ回転自在に保持される。
【0029】
ハンドルシャフト55の後端部には内端を閉じた嵌合穴68が同軸に設けられており、グリップ56における調節軸60の前端部は該嵌合穴68に摺動可能に嵌合される。而して嵌合穴68の内端閉塞部および前記調節軸60の前端部との間にはコイルばね69が設けられており、該コイルばね69によりグリップ56はハンドルシャフト55に対して後方側に弾発付勢されることになる。
【0030】
またハンドルシャフト55の前部には、該ハンドルシャフト55の軸方向に長い長孔70が設けられており、該長孔70の両側はハンドルシャフト55の外周に開口される。一方、グリップ56には、該グリップ56の一直径線に沿う規制ピン71が装着されており、該規制ピン71が前記長孔70に挿通される。したがって、規制ピン71が長孔70の両端に当接する範囲でハンドルシャフト55に対するグリップ56の軸方向相対移動が規制されることになる。
【0031】
ところで歩行型運搬車を前進せしめるためにグリップ56に押力を作用せしめると、グリップ56は、コイルばね69のばね力と前記押力がバランスする位置までハンドルシャフト55に対して前進移動するものであり、このグリップ56の前進ストローク量を検出することによって押力を検出することが可能である。しかも調節軸60の進退位置を調節することにより、コイルばね69のばね力、すなわち押力に対応したグリップ56の前進ストローク量を調節可能である。
【0032】
このようなグリップ56の前進ストローク量、すなわちグリップ56に加わる押力を検出するために、手押しハンドル20の後端部に固定的に装着されたブラケット72には、検出子73aを後方側に向けた押力検出センサ73のフランジ74が締結されており、検出子73aに接触する当接板75がグリップ56における支持筒57の前端部に固着される。
【0033】
このような押力検出センサ73は、両手押しハンドル20,20の後端部に装着されたグリップ56,56の移動ストロークを検出することにより、両グリップ56,56に作用する押力をそれぞれ検出するために両手押しハンドル20,20の後端部にそれぞれ装着されている。
【0034】
図8において、両押力検出センサ73,73は、ハンドルシャフト55に対するグリップ56の軸方向相対移動量に応じて出力電圧を変化させるための可変分圧抵抗78をそれぞれ備えるものであり、両押力検出センサ73,73の検出値すなわち出力電圧に基づいて、電動モータ30を駆動せしめる駆動手段79の作動が制御手段801 により制御される。
【0035】
この制御手段801 は、第1および第2バッテリ28,29からの電力を一定に調節するためのレギュレータ81と、該レギュレータ81に直列に接続されるとともに両可変分圧抵抗78,78から成る並列回路に直列に接続される分圧抵抗82と、両押力検出センサ73,73の出力端にそれぞれ接続されるダイオード83,84と、それらのダイオード83,84が相互に接続される接続点85で得られる電圧すなわちアナログ電気信号をデジタル電気信号に変換するA/D変換器86と、A/D変換器86から出力されるデジタル信号に基づいて制御信号を定めるとともにその制御信号によって駆動手段79の作動を制御する演算制御部87とを備える。
【0036】
このような制御手段801 によれば、両ダイオード83,84の接続点85では、両押力検出センサ73,73で得られる検出値すなわち出力電圧のうち大きい方が選択されることになり、制御手段801 は、両押力検出センサ73,73の検出値のうち大きい方の検出値が設定値以上となったときに、その大きい方の検出値に応じたアシスト力を電動モータ30が発揮するように、前記大きい方の検出値に基づいて電動モータ30の作動を制御することになる。
【0037】
次にこの第1実施例の作用について説明すると、比較的大重量である第1バッテリ28と、比較的大重量である電動モータ30および動力伝達手段31とが、車輪23の左右に分かれて荷枠11の下部に配設されるので、車輪23の左右での良好な重量バランスをとることができる。したがって不整地や傾斜地等での運搬作業時に荷枠11の姿勢が不安定になり易いにもかかわらず、荷枠11の安定した姿勢を維持することが容易となる。
【0038】
しかも電動モータ30によるアシスト力を比較的長時間にわたって持続せしめるために、第1バッテリ28に加えて第2バッテリ29が荷枠11に搭載されるのであるが、この第2バッテリ29が、車輪23よりも後方側で荷枠11の下部に取付けられ、該荷枠を上方から見た状態で、車輪23の接地部と、両手押しハンドル20,20の後端部とを結ぶ仮想三角形34内に第2バッテリ29の大部分を存在させて車輪23の左右での重量バランスを保持するように第2バッテリ29の配置が定められている。したがって第2バッテリ29によって電力容量を増大しつつ、荷枠11の重量バランスを良好に保持することができる。
【0039】
また両手押しハンドル20,20の後端部に固設されるハンドルシャフト55…をそれぞれ覆うグリップ56…が、ハンドルシャフト55…との制限された範囲での軸方向相対移動が可能であり、各ハンドルシャフト55…および各グリップ56…間にそれぞれ設けられるコイルばね69…で各グリップ56…が後方側にそれぞれ弾発付勢されている。このため、グリップ56…に作用した押力はコイグばね69…を介してハンドルシャフト55…および手押しハンドル20,20に伝達されることになるのであるが、各グリップ56…に作用する押力に応じた各グリップ56…の各ハンドルシャフト55…に対する軸方向相対移動量が手押しハンドル20,20側にそれぞれ設けられる押力検出センサ73,73で検出され、それらの押力検出センサ73,73の検出値のうち大きい方の検出値が設定値以上となったとき、その大きい方の検出値に基づいて電動モータ30の作動が制御手段801 により制御される。
【0040】
したがって手押しハンドル20,20を押す力が大きくなったときにその押力に応じて電動モータ30によるアシスト力を車輪23に作用せしめるので、労力を軽減して荷台27の満載状態での不整地走行や瓦礫の乗越えを行なうことができるとともに、荷台27が空の状態や平坦地の移動時のような軽負荷状態では電動モータ30を作動させずにバッテリ28,29の消費量を小さく抑えることができる。しかも不整地や傾斜地等での運搬作業時には荷枠11の姿勢が不安定になり易く、手押しハンドル20,20を支える力が左、右で異なる場合があり、特に不安定な姿勢による重量バランスの崩れを両手押しハンドル20,20の一方で強く支える場合も多いが、左右の手押しハンドル20,20のうち押力が大きい方、すなわち強く支えている側の負荷状態に基づいて電動モータ30の作動が制御されることにより、不安定な姿勢となったことに伴う重量バランスの崩れに対応して適正なアシスト力を車輪23に作用せしめることができる。
【0041】
ところで、歩行型運搬車ではグリップ56…を持ち上げて手押しハンドル20,20に押力を作用させるようにして走行するのであるが、グリップ56およびハンドルシャフト55間に複数のスチールボール65…が介在していることにより、グリップ56に持上げ荷重が作用してもハンドルシャフト55に対するグリップ56の軸方向移動を円滑化ならしめることができ、特に重量バランスの崩れを両手押しハンドル20,20の一方のグリップ56で強く支える場合でも、押力に正確に対応したグリップ56の軸方向相対移動を可能とし、グリップ56に作用する押力を押力検出センサ73で検出することができ、適正なアシスト力を車輪23に付与することができる。
【0042】
さらにハンドルシャフト55の外周およびグリップ56の内周には、それら55,56の周方向に間隔をあけた少なくとも3箇所で相互に対応して軸方向に延びる溝63…,64…が設けられており、複数ずつのスチールボール65…がそれらの溝63…,64…に沿って転動するので、ハンドルシャフト55およびグリップ56の軸線を同軸に保持しつつグリップ56の軸線まわりの回転を阻止することができ、ハンドルシャフト55に対するグリップ56の軸線方向相対移動をより確実にすることができる。
【0043】
さらに各スチールボール65…は、ハンドルシャフト55の外周およびグリップ56の内周間に配置されている円筒状の支持部材66に設けられた複数の支持孔67…に1つずつ回転可能に保持されるものであるので、ハンドルシャフト55およびグリップ56の軸方向に沿う各スチールボール65…の位置を一定に定めることが可能であり、グリップ56に持上げ荷重が作用しても、ハンドルシャフト55およびグリップ56の軸方向に沿って分散した一定の複数箇所でグリップ56をハンドルシャフト55で支持することができる。
【0044】
図9は本発明の第2実施例を示すものであり、上記第1実施例に対応する部分には同一の参照符号の説明を付す。
【0045】
両押力検出センサ73,73の検出値すなわち出力電圧に基づいて、駆動手段79の作動を制御する制御手段802 は、第1および第2バッテリ28,29からの電力を一定に調節するためのレギュレータ81と、該レギュレータ81に直列に接続されるとともに両可変分圧抵抗78,78から成る並列回路に直列に接続される分圧抵抗82と、両押力検出センサ73,73の出力端にそれぞれ接続される抵抗89,90と、それらの抵抗89,90にそれぞれ直列に接続される増幅器91,92と、両増幅器91,92の出力端にそれぞれ直列に接続されるとともに接続点95で相互に接続される抵抗93,94と、接続点95の電圧が入力される増幅器96と、増幅器96の出力電圧すなわちアナログ電気信号をデジタル電気信号に変換するA/D変換器86と、A/D変換器86から出力されるデジタル信号に基づいて制御信号を定めるとともにその制御信号によって駆動手段79の作動を制御する演算制御部87とを備える。
【0046】
このような制御手段802 によれば、増幅器96からは両押力検出センサ73,73の検出値の和に対応した電圧が出力されることになり、従って制御手段802 は、両押力検出センサ73,73の検出値の和に基づいて電動モータ30の作動を制御することになり、荷枠11全体の負荷量に対応してより細密なアシスト力制御を行なうことができる。
【0047】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行なうことが可能である。
【0048】
たとえば車輪23の後方側に補助車輪を備える歩行型運搬車にも本発明を適用することができる。
【0049】
【発明の効果】
以上のように請求項1記載の発明によれば、手押しハンドルを押す力が大きくなったときにその押力に応じて電動モータによるアシスト力を車輪に作用せしめるようにし、労力を軽減して荷台満載状態での不整地走行や瓦礫の乗越えを行なうことができるとともに、荷台が空の状態や平坦地の移動時のような軽負荷状態では電動モータを作動させずにバッテリの消費量を小さく抑えることができる。しかも歩行型一輪運搬車においては、不整地や傾斜地等での運搬作業時には荷枠の姿勢が不安定になり易く、手押しハンドルを支える力が左、右で異なる場合があり、特に不安定な姿勢による重量バランスの崩れを片側の手押しハンドルで強く支える場合も多いが、本発明では、左右の手押しハンドルのうち押力が大きい方、すなわち強く支えている側の負荷状態に少なくとも基づいて電動モータの作動を制御されるので、不安定な姿勢となったことに伴う重量バランスの崩れに対応して適正なアシスト力を車輪に作用せしめることができる。
【0050】
また請求項2記載の発明によれば、両押力検出センサのうち小さい方の検出値も加えた両押力検出センサの検出値の和に基づいて、前記電動モータの作動が制御されることにより、荷枠全体の負荷量に対応してより細密なアシスト力制御を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例の手押し式の一輪運搬車の側面図である。
【図2】 図1の2矢視平面図である。
【図3】 図1の3矢視正面図である。
【図4】 動力伝達手段の構成を示す図である。
【図5】 図1の要部拡大図である。
【図6】 図2の6−6線拡大断面図である。
【図7】 図6の7−7線拡大断面図である。
【図8】 制御手段の構成を示す図である。
【図9】 第2実施例の制御手段の構成を示す図である。
【符号の説明】
11・・・荷枠
20・・・手押しハンドル
23・・・車輪
30・・・電動モータ
31・・・動力伝達手段
73・・・押力検出センサ
801 ,802 ・・・制御手段
Claims (2)
- 荷枠(11)と、該荷枠(11)の下部中央に軸支される1つの車輪(23)と、前記荷枠(11)の両側から後方に延設される左右一対の手押しハンドル(20)と、前記荷枠(11)に搭載される1つの電動モータ(30)と、電動モータ(30)の作動時のみ電動モータ(30)および車輪(23)間の動力伝達を可能として前記車輪(23)および電動モータ(30)間に設けられる動力伝達手段(31)とを備えた補助動力付き歩行型一輪運搬車において、
前記左右一対の手押しハンドル(20)の押力をそれぞれ検出する一対の押力検出センサ(73)と、それらの押力検出センサ(73)の検出値に基づいて前記電動モータ(30)の作動を制御する制御手段(80 1 ,80 2 )とを備え、
その制御手段(80 1 ,80 2 )は、前記一輪運搬車による運搬作業時に前記荷枠(11)の姿勢が不安定になることに伴う重量バランスの崩れに対応して適正なアシスト力を車輪(23)に作用させるべく、前記一対の押力検出センサ(73)の検出値のうち少なくとも大きい方の検出値が設定値以上であるときに前記電動モータ(30)の作動を開始するようにして前記少なくとも大きい方の検出値に基づいて電動モータ(30)の作動を制御することを特徴とする、補助動力付き歩行型一輪運搬車。 - 前記制御手段(802 )が、両押力検出センサ(73)のうち小さい方の検出値も加えた両押力検出センサ(73)の検出値の和に基づいて、前記電動モータ(30)の作動を制御することを特徴とする、請求項1記載の補助動力付き歩行型一輪運搬車。
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JP07815697A JP3819524B2 (ja) | 1997-03-28 | 1997-03-28 | 補助動力付き歩行型一輪運搬車 |
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JP07815697A JP3819524B2 (ja) | 1997-03-28 | 1997-03-28 | 補助動力付き歩行型一輪運搬車 |
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JPH10273050A JPH10273050A (ja) | 1998-10-13 |
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