JP3817884B2 - リビトールの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リビトール製造用培地、より詳細には安価でしかも発酵成績の良好な培地およびそれを用いて糖からリビトールを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、リビトールは生物の構成糖としてのみならず、医薬及び農薬の中間原料として注目されている。従来、微生物を用いてリビトールを製造する方法としてはDーリボースを原料として酵素反応により製造する方法、グルコースなどの発酵により製造する方法、及び藻類の炭酸固定による方法が知られている。これらの内、グルコースなどの糖の発酵による方法としては、ピキア ギリエルモンディ(Pichia guilliermondii )を用いる方法(Biochem.Physiol.Pflanz 175(8/9)732(1980)) およびモニリエラ トメントーサ バー ポリニス(Moniliella tomentosa var pollinis )を用いる方法(特公平6−30591号公報、特公平6−30592号公報、特公平6−30593号公報、特公平6−30594号公報)が、藻類による方法としてはトレボウキシア(Trebouxia )属を用いる方法(特公昭44−16350号公報)がそれぞれ報告されているが、その発酵方法としては特別な知見は報告されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
グルコースを原料とした微生物発酵を行う場合、培養や発酵に必要な培地成分は、グルコース等の炭素源以外に種々の窒素源やビタミン、金属塩等が必要とされている。
従来、種々の微生物培養に用いられてきた酵母エキスを窒素源とした場合、その初発濃度を適切な範囲にすれば、トリコスポロノイデス(Trichosporonoides )属に属する菌によるリビトールの発酵生産の生産収率はかなり満足のいくものであった。しかしながら、工業的にリビトールを大量生産する場合、酵母エキスは必ずしも安価に入手できるものではない。そこで、より安価でかつ酵母エキス並、あるいはそれ以上の発酵成績を得られる培養条件を決定する必要が生じていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上述の問題を解決すべく鋭意検討した結果、培地成分としてある種の窒素源を用いた場合、トリコスポロノイデス(Trichosporonoides)属に属する菌のグルコースからリビトールを製造する能力が顕著に上昇することを見いだし、本発明を完成するに至った。即ち、本発明の要旨は、トリコスポロノイデス(Trichosporonoides)属に属するリビトール生産菌を糖に作用させてリビトールを製造する方法において、魚肉エキス並びに大豆又は綿実由来の粉末及び抽出物より成る群から選ばれた窒素源を含む培地を用いることを特徴とするリビトールの製造方法に存する。
【0005】
本発明で窒素源として使用する魚肉エキスとしては、好ましくはカツオ、マグロ、サバ、サンマ由来のものが挙げられ、更に好ましくはカツオ由来の濃縮エキスが挙げられる。大豆又は綿実由来の窒素源としては、大豆粉末、脱脂大豆粉末、綿実抽出タンパク質が挙げられる。これらのうち、価格、リビトール発酵成績、培地中の発泡の度合い等の培養の容易さなどを総合した観点からも好ましいものはカツオ由来の濃縮魚肉エキスである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で使用するトリコスポロノイデス属に属する微生物としては、糖からリビトールを製造する能力を有する微生物であれば特に限定されないが、好ましい種としては、トリコスポロノイデス マディダ(Trichosporonoides.madida) 、トリコスポロノイデス ニグレスセンス(Trichosporonoides.nigrescens) 、トリコスポロノイデス エドセファリス(Trichosporonoides.oedocephalis) 、トリコスポロノイデス メガチリエンシス(Trichosporonoides.megachillensis) およびトリコスポロノイデス スパチュラータ(Trichosporonoides.spathulata) が挙げられ、特に好ましい種としてはトリコスポロノイデス エドセファリス(Trichosporonoides.oedocephalis) およびトリコスポロノイデス メガチリエンシス(Trichosporonoides.megachillensis) が挙げられる。
【0007】
本発明で使用する微生物の菌株としては、例えばトリコスポロノイデス マディダに属する微生物としてCBS240.79が、トリコスポロノイデス ニグレセンスに属する微生物としてCBS268.81、CBS269.81が、トリコスポロノイデス エドセファリスに属する微生物としてCBS568.85が、トリコスポロノイデス メガチリエンシスに属する微生物としてCBS567.85が、トリコスポロノイデス スパチュラータに属する微生物としてCBS241.79、CBS242.79A、CBS242.79Bが挙げられる。これらの中でもCBS568.85またはCBS567.85が好ましい。また上記微生物は、UV照射、N−メチル−N’−ニトロソグアニジン(NTG)処理、エチルメタンスルホネート(EMS)処理、亜硝酸処理、アクリジン処理等による変異株、あるいは細胞融合もしくは遺伝子組換え法などの遺伝学的手法により誘導される組換え株などのいずれの株であってもよい。変異株の例としては、CBS567.85を親株とした変異株で、通産省工業技術院生命工学工業技術研究所にFERM P−16254として寄託されているMCI3442株が挙げられる。本発明においては、上記微生物を1種あるいは2種以上が用いられる。
【0008】
次に、本発明の製造方法について具体的に説明する。
本発明の製造方法において微生物は好ましくはグルコースを炭素源として培養される。つまり、微生物は60%(W/v)以下、好ましくは20〜45%のグルコースを含む培地に植菌される。炭素源としては本微生物が資化しうるフルクトースなどの炭水化物、グリセロールなどのアルコール類、有機酸などを適宜加えることができる。さらにこの培地に本微生物が資化しうる窒素源を加える。
窒素源としては、従来通り酵母エキス等の有機窒素源、あるいは硝酸ナトリウム等の無機窒素源を用いてもよいが魚肉エキスまたは植物由来の抽出物を用いると原料価格、発酵成績の両面で効果的である。培地中に含まれるこれら窒素源の好ましい初発濃度(培養開始時に培地に加える濃度)は、魚肉エキスまたは植物由来物質の場合1.0〜8.0%である。好ましい窒素源の濃度は糖の濃度に影響される。培地に加える窒素源の濃度は、通常、糖の濃度に対して10分の1以下とすることが好ましい。上述の炭素源、窒素源のほかに、無機イオンやビタミン類を必要に応じ添加することは有効である。無機イオンとしては、リン酸イオン、マグネシウムイオン、鉄イオン、マンガンイオン、モリブデンイオンその他が用いられる。ビタミン類としては、チアミン、イノシトール、パントテン酸、ニコチン酸アミドなどが挙げられる。また、上述のグルコースその他の炭素源、窒素源、無機イオン、ビタミン類は、必要に応じて培養中の適当な時点で追補添加してもよい。
【0009】
培養は好気的条件下で行う。本発明において、本微生物はリビトール以外にエリスリトールとグリセロールを副生する場合があるが、リビトールの生成比率を効率よくするためには十分な通気を行うことが重要である。
培養温度は20〜37℃、好ましくは27〜32℃で、24時間から2週間行う。
【0010】
培養により得られたリビトールは、培養終了液から公知の方法により分離精製できる。即ち、培養終了後まず微生物菌体を遠心分離等の既存の方法で除去する。除菌に先立ち、培養終了液に熱を加え、殺菌を行ってもよい。除菌された液はリビトール以外に場合によりエリスリトール、グリセロールさらには残存グルコースが含まれるが、これらも通常の方法、即ちクロマトグラフィーや晶析技術を用いることで容易に除去できる。工業的には、イオン交換樹脂を用いた疑似移動相型クロマトグラフィーにより分離することも可能である。分離精製の工程においては、必要に応じて脱塩、脱色など、通常の糖の精製における操作を加えることもできる。
【0011】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、その要旨を越えない限り本発明の技術分野における通常の変更をすることができる。
実施例1
a)使用微生物
Trichosporonoides.megachillensis CBS567.85を親株とする変異株 MCI3442株
(通産省工業技術院生命工学工業技術研究所にFERM BP−6176として寄託)
【0012】
b)培養方法
30%グルコースおよび表2の各窒素源1〜2%からなる培地20mlを入れた200mlバッフル付きフラスコに上記菌株を接種した。これらのバッフル付きフラスコは160rpmで回転する振とう培養機にセットされ、30℃で7日間培養が行われた。
【0013】
c)リビトールの生産確認
まず上記b)記載の培養にて得られた培養終了液を各々遠心分離し、微生物菌体を除去した。得られた培養上清に含まれるリビトールなどの糖類含量を高速液体クロマトグラフィーにより下記の条件で測定した。各糖質の保持時間は下記分析条件において、それぞれグルコース10.57分、リビトール12.22分、エリスリトール13.36分、グリセロール15.09分である。またいずれにおいても、リビトールおよびエリスリトール、グリセロール以外の糖質の生産は確認されなかった。
【0014】
【表1】
高速液体クロマトグラフィー分析条件
カ ラ ム: MCI GEL CK08EH
8mmI.D.×300mm (三菱化学株式会社製)
溶 離 液: 1N リン酸水溶液
流 速: 0.6ml/分
カラム温度: 50℃
検 出 器: RI
d)結果
各菌株の生産結果は次表に示す通りである。
【0015】
【表2】
Figure 0003817884
【0016】
【発明の効果】
本発明の培地の使用により、より安価な培地成分を用いて一段階の発酵でリビトールを製造することができる。

Claims (5)

  1. トリコスポロノイデス(Trichosporonoides)属に属するリビトール生産菌を糖に作用させてリビトールを製造する方法において、カツオ、マグロ、サバ及びサンマより成る群から選ばれた魚に由来する魚肉エキス、並びに大豆又は綿実由来の粉末及び抽出物より成る群から選ばれた窒素源を含む培地を用いることを特徴とするリビトールの製造方法。
  2. 窒素源としてカツオ、マグロ、サバ及びサンマより成る群から選ばれた魚に由来する魚肉エキスを含む培地を用いることを特徴とする請求項1記載のリビトールの製造方法。
  3. 窒素源として大豆粉末、脱脂大豆粉末及び綿実抽出物より成る群から選ばれたものを含む培地を用いることを特徴とする請求項1記載のリビトールの製造方法。
  4. 糖がグルコースであることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載のリビトールの製造方法。
  5. 糖濃度の10分の1以下の濃度の窒素源を含む培地を用いることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載のリビトールの製造方法。
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