JP3817809B2 - シャワー装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はシャワー装置で、特に病院等の医療機関または特別養護老人ホーム等の介護機関において、入浴時に座姿勢でシャワーを利用する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
病院等に入院中の入院患者の人々、または高齢者のための施設に入居中の障害を有する人々の入浴介護は、病院・施設等では最も負担が大きい業務の一つである。通常のバスタ
ブ入浴が可能な入院患者または施設入居者でも、バスタブ内に入ることが困難な場合、介護者が被介護者の体をバスタブに入れるため抱き抱える等の身体的負担を伴う。
【0003】
また、心負担の影響が大きくバスタブ入浴そのものができない入院患者または施設入居者、または外科病棟においてギブスを装着している等身体拘束要因によりバスタブ入浴が困難な入院患者または施設入居者であれば、清拭などにより体の清潔を保つ必要があり、これも介護者にとって負担となっている。このように入浴介護は介護者にとっては最も疲労が大きく、身体的にもさまざまな障害を生じる原因となっている業務である。
【0004】
しかし一方被介護者にとっては入浴は、入院中・施設滞在中の最大の楽しみの一つである。在床生活では床ずれ等を防ぐためにも、通常の生活以上に身体の清潔を保つことが重要であり、気分をリフレッシュするためにも欠かせない。しかし入院前または施設入居前であれば普通に自宅のバスタブに入ることができていた人が、入院または施設入居等により制約を受けることは、その楽しみが奪われることであり、精神的な負担にも通じる。また特に病院施設内の入浴設備は、本来の治療等の設備スペースの緊急性・必要性から、入院病棟においても地階など病室からは遠い場所にあることが普通であり、このことも入浴を負担に感じさせていることの要因の一つになっている。
【0005】
この入院中・施設滞在中の入浴介護を軽減し、病院・施設等の特殊条件下で、より望ましい入浴を行おうとするものが従来より提案されている。例えば、実開平6−29538号公報ではベッドとシャワー入浴を組み合わせ、寝たきりの病人や老人を視覚によって確認しながら、楽な姿勢で容易に短時間で洗浄することができ、入浴者が圧迫感やのぼせ等の不快感を感じることがなく、入浴の準備や後始末が簡単な入浴装置が提案されている。
【0006】
これは図12に示すとおり、周壁104の上部に上方に凸に湾曲する覆い部108を設け、覆い部108の長手方向一端に開口部112を設けた中空カプセル102と、開口部112を介して中空カプセル102内に挿入されるベッド103とより成り、中空カプセル102はその内部にシャワーノズル115を装設し、その底部に排水装置を設け、覆い部108はその頂部に天窓110を設け、その側面に複数の腕挿入孔111を穿設し、ベッド103の長手方向一端部を開口部112から中空カプセル102の外方に露出するものであり、ここで病人や老人を視覚によって確認しながら、楽な姿勢で入浴させるものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
入院中・施設滞在中の入浴介護を軽減し、病院・施設等の特殊条件下で、より望ましい入浴を行おうとする前述の従来例は、前述の利点を有しているが、より望ましい入院中・施設滞在中の入浴という観点からすると同時に次のような課題を有している。
【0008】
従来例ではベッドとシャワー入浴を組み合わせ、寝たきりの病人や老人を視覚によって確認しながら、楽な姿勢で容易に短時間で洗浄することができるが、全身がシャワーにあたるため外科病棟においてギブスを装着している等の部分的にシャワーをあてたくない入院患者・施設滞在者には対応できていない。
【0009】
また従来例では装置自身が大型になり、病院施設内の入浴設備は、本来の治療等の設備スペースの緊急性・必要性から、入院病棟においても地階など病室からは遠い場所にあることが普通であり、入院中・施設滞在中の入浴を負担に感じさせる課題に対しては解決できていない。
【0010】
本発明ではこのような課題に対して、身体の一部分にシャワーをあてたくない入院患者・施設滞在者が入浴する際に、その部分にシャワー噴流を当てないようにするシャワー装置を提供するものである。
【0011】
また同時に入院病棟において、トイレ等の病室近傍のスペースを利用できるような省ス
ペース型の入浴設備として提供し、地階など病室からは遠い場所にある入浴設備にわざわざ出向き、入院中・施設滞在中の入浴を負担に感じるという課題を解決しようとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するため、シャワー装置本体に上下方向回転変位自在に支持さ
れ、複数の温水噴出用ノズルを有する左右一対のアームと、これら一対のアームの間に位置するように配置された着座手段と、前記着座手段に形成した孔を通して入浴者の下半身の特定部位に温水を噴出する温水噴出手段と、前記アームのノズル、および温水噴出手段からの温水噴出を量的に制御する温水制御手段とを具備し、前記温水噴出手段への温水系には水質変換手段を接続したもので、各温水噴出手段からの温水噴出を個別に停止することにより、身体の一部分にシャワーをあてたくない入院患者・施設滞在者が入浴する際に、その部分に温水噴出を当てないようにすることができるものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明は、シャワー装置本体に上下方向回転変位自在に支持され、複数の温水噴出用ノズルを有する左右一対のアームと、これら一対のアームの間に位置するように配置された着座手段と、前記着座手段に形成した孔を通して入浴者の下半身の特定部位に温水を噴出する温水噴出手段と、前記アームのノズル、および温水噴出手段からの温水噴出を量的に制御する温水制御手段とを具備し、前記温水噴出手段への温水系には水質変換手段を接続したものである。
【0014】
そして、入浴者が入浴する際、入浴者自ら又は入浴介護者がアームを移動することにより、アームの移動に合わせて、アームに取り付けられた温水噴出手段からの温水噴出を個別に停止させ、入浴者への温水噴出を当てる範囲を制限することが、アームの操作と兼ね てできるものである。
【0015】
しかも、温水噴出が届きにくい入浴者の陰部または臀部などの特定部位を暖め易く、洗い易くすることができる。
【0016】
また、水質変換手段を備え、温水噴出手段は前記水質変換手段により生成された酸性水を噴出する構造として、被噴出部に対する消毒ができる。
【0017】
さらに、温水噴出手段は、薬剤を温水に混入して噴出する構造として、被噴出部に対する薬効が付加できる。
【0018】
以下、本発明の実施例を述べる前に参考実施例について図面を用いて説明する。
【0019】
(参考実施例1)
本発明の参考実施例1について、図1、図2を参照しながら説明する。
【0020】
図1において、1はシャワー装置本体で、適所に設置してある給湯熱源(図示せず)と配管(図示せず)を介して接続してある。2はシャワー装置本体により支持された入浴者が着座する着座手段、3は着座した入浴者に温水を噴出する温水噴出手段、4は温水噴出手段3を有しシャワー装置本体1により支持されたアームであり、入浴者の左右両側に各々設けてある。着座手段2はシャワー装置本体1に固定または可動に支持されている。温水噴出手段3はシャワー装置本体1またはアーム4に合計で複数個が取り付けられている。
【0021】
図2において13は温水噴出手段3の主体をなすノズル、14は水封のためのOリング、15はノズル押え板、16はノズル固定板、17はニードル弁である。ノズル押え板15およびノズル固定板16はシャワー装置本体1またはアーム4の構成部材の一部を挟み込む形で支持されている。Oリング14はノズル押え板15とノズル固定板16によりノズル13の水封ができるよう取り付けられている。ノズル13はノズル押え板15によりノズル固定板16に圧着されている。
【0022】
ニードル弁17はノズル13の温水流路途中に設けてあり、ニードル弁17の上下動によって温水流路を遮断できる構造としてある。
【0023】
次に動作、作用について説明する。入浴者が着座手段2に着座し、入浴者または介護者の操作により、温水噴出手段3から温水が入浴者に噴出される。この際入浴者が外科病棟において右腕部にギブスを装着している場合、入浴者の右側のアームに配置された温水噴出手段3のノズル13の流路に設けたニードル弁17を閉止し、入浴者の右側のアーム側からの温水噴出を停止させる。
【0024】
なお、参考実施例1では、右腕部にギブスを装着した人に対する人体左右アームに配置された温水噴出手段の個別閉止について説明したが、着座した入浴者に対する温水を噴出する2つ以上の温水噴出手段の配置とその個別閉止によるメリットがある対象疾患は、他にも例えば頚椎損傷時の頚椎保護ギプスに対して、上半身への温水噴出範囲を限定する等、特に外科疾患を中心として様々な例が考えられる。さらにその様々な例に対応した位置に全て温水噴出手段を設け、その個別閉止、すなわち個別開閉制御により対象疾患ごとの温水噴出パターンを作成することも可能である。
【0025】
また、個別開閉制御は、温水噴出手段3のノズル13の流路に設けたニードル弁17を閉止する例で説明したが、他にも電子制御によるもの等が考えられる。この場合遠隔操作が可能で、温水噴出パターンのワンタッチ選択など開閉以外の制御もできる等利点が多い。
【0026】
(参考実施例2)
本発明の参考実施例2について、図3、図4、図5を参照しながら説明する。
【0027】
図3において、アーム4はシャワー装置本体1に回転可動に支持されている。図4において、21はボールバルブユニット、22はシャワー装置本体1に設けたバルブ操作用溝部、23はアーム4に取り付けられた温水噴出手段3への温水流路で、シャワー装置本体内の温水流路(図示せず)と接続されている。ボールバルブユニット21はアーム4に設けた温水流路23の流路途中に設けてある。図5(a)において、25はボールバルブユニット21の中のボールバルブで、温水流路23を開放する位置にセットしてある。26はボールバルブ25に接続された操作用レバーで、バルブ操作用溝部22を貫通するように設けてある。操作用レバー26の回転に伴ってボールバルブユニット21は流路に対して回転可能に構成してある。
【0028】
なお、参考実施例1と同一符号のものは同一構造を有し、説明は省略する。
【0029】
次に動作、作用について説明する。入浴者が着座手段2に着座し、入浴者または介護者の操作により、温水噴出手段3から温水が入浴者に噴出される。この際入浴者が外科病棟において右腕部にギブスを装着している場合、入浴者の右側のアーム4を回転させる。アーム4の回転に伴って操作用レバー26がバルブ操作用溝部22を通ってゆき、バルブ操作用溝部22の軌道が単円からそれてゆくに伴って、操作用レバー26が固定されたボールバルブ25が回転し、図5(b)に示すようにアーム4の回転が終了したところで温水流路23を完全閉止する。
【0030】
なお温水流路停止は、ボールバルブ25、操作用レバー26、溝部22による機構的な例で説明したが、他にもアーム角度を検出する角度検出手段とその検出信号により温水流路に設けた電子制御バルブを用いるもの等が考えられる。
【0031】
(参考実施例3)
本発明の参考実施例3について、図6を参照しながら説明する。
【0032】
図6において、30は着座した入浴者の下肢に向かって温水を噴出する温水噴出手段、31は温水噴出手段30への温水流路、32は温水流路31の流路途中に設けてある流路開閉装置で、ここでは実施例2で示したボールバルブおよびバルブ開閉レバーからなるボールバルブユニットとしてある。
【0033】
なお、参考実施例1と同一符号のものは同一構造を有し、説明は省略する。
【0034】
次に動作、作用について説明する。入浴者が着座手段2に着座し、入浴者または介護者の操作により、温水噴出手段3から温水が入浴者に噴出される。入浴者が下肢の冷えを感
じた際には流路開閉装置32の操作用レバーを操作し温水流路31を開放する。温水が温水噴出手段30に供給され、入浴者の下肢に向かって温水を噴出する。
【0035】
なお温水流路停止は、実施例2で説明したボールバルブ、操作用レバー、溝部による機構的な例で説明したが、他にも電子制御バルブを用いるもの等が考えられる。この場合遠隔操作可能、身体への温水噴出と合わせた温水パターンのワンタッチ選択など利点が多い。
【0036】
(参考実施例4)
本発明の参考実施例4について、図7を参照しながら説明する。
【0037】
図7において、37は加熱手段としてのシャワー装置本体壁面に備えた赤外線放出ランプであり、入浴者の下肢に向かって赤外線輻射を行う方向で、着座手段2に設けてある。38は加熱手段37への通電路、39は通電路38の途中に設けたスイッチである。
【0038】
なお、参考実施例1と同一符号のものは同一構造を有し、説明は省略する。
【0039】
次に動作、作用について説明する。入浴者が着座手段2に着座し、入浴者または介護者の操作により、温水噴出手段3から温水が入浴者に噴出される。入浴者が下肢の冷えを感じた際にはスイッチ39を操作し、加熱手段37への通電を開始する。通電によって加熱手段37から赤外線が入浴者の下肢に向かって輻射される。
【0040】
なお加熱手段37は着座手段2に備えた赤外線放出ランプとして説明したが、他にも被覆電熱線等による熱線輻射も考えられる。
【0041】
(参考実施例5)
本発明の参考実施例5について、図8を参照しながら説明する。
【0042】
図8において、41は着座手段2の入浴者の下肢大腿部に接触する座面に埋設した被覆電熱線、42は着座手段2の入浴者の下肢すね部に接触する座面に埋設した被覆電熱線、43は被覆電熱線41および被覆電熱線42への通電路、44は通電路43の途中に設けたスイッチである。
【0043】
なお、参考実施例1と同一符号のものは同一構造を有し、説明は省略する。
【0044】
次に動作、作用について説明する。入浴者が着座手段2に着座し、入浴者または介護者の操作により、温水噴出手段3から温水が入浴者に噴出される。入浴者が下肢の冷えを感じた際にはスイッチ44を操作し被覆電熱線41および被覆電熱線42への通電を開始する。通電によって被覆電熱線41および被覆電熱線42により着座手段2の着座面が暖められる。
【0045】
なお上記被覆電熱線41、42はそれぞれ個別に通電制御可能とすれば好みに応じて暖房可能である。
【0046】
上記各参考実施例をふまえ本発明の実施例を以下説明する。
【0047】
(実施例1)
本発明の実施例1について、図9を参照しながら説明する。
【0048】
図9において、45は着座した入浴者の陰部または臀部に向かって温水を噴出する温水
噴出手段、46は温水噴出手段45への温水流路、47は温水流路46の流路途中に設けてある流路開閉装置で、ここでは実施例2で示したボールバルブおよびバルブ開閉レバーからなるボールバルブユニットとしてある。48は着座手段2の座面に設けてある孔で、温水噴出手段45からの温水噴出が通る様に設けてある。
【0049】
なお、参考実施例1と同一符号のものは同一構造を有し、説明は省略する。
【0050】
次に動作、作用について説明する。入浴者が着座手段2に着座し、入浴者または介護者の操作により、温水噴出手段3から温水が入浴者に噴出される。入浴者が臀部の冷えを感じた際、または陰部を洗おうとした際には、入浴者または介護者が流路開閉装置47の操作用レバーを操作し温水流路46を開放する。温水が温水噴出手段45に供給され、着座面の孔48を通って入浴者の陰部または臀部に向かって温水を噴出する。
【0051】
なお温水流路停止は、実施例2で説明したボールバルブ、操作用レバー、溝部による機構的な例で説明したが、他にも電子制御バルブを用いるもの等が考えられる。この場合遠隔操作可能、身体への温水噴出と合わせた温水パターンのワンタッチ選択など利点が多い。
【0052】
(実施例2)
本発明の実施例2について、図10を参照しながら説明する
【0053】
図10において、51は温水流路46の流路途中に設けてある水質変換手段で、ここでは流路に流れる温水に触れるように電極を設けた水イオン交換器で構成してあり、酸性イオン水、アルカリイオン水を生成し、酸性イオン水は温水流路46に戻し、アルカリイオン水は排出路53から排出する構造としてある。52は電気分解手段51を動作させるスイッチレバーである。
【0054】
なお、参考実施例1および6と同一符号のものは同一構造を有し、説明は省略する。
【0055】
次に動作、作用について説明する。入浴者が着座手段2に着座し、入浴者または介護者の操作により、温水噴出手段3から温水が入浴者に噴出される。入浴者が陰部を洗おうとした際には、入浴者または介護者が流路開閉装置47の操作用レバーを操作し温水流路46を開放する。また同時にスイッチレバー52を操作し、電気分解手段51を動作させる。これにより酸性水が温水噴出手段45から、着座面の孔48を通って入浴者の陰部または臀部に向かって噴出する。
【0056】
なお酸性水は人体臀部および陰部に噴出する例として説明したが、他の温水噴出手段3から全身または身体の一部にを噴出することも考えられる。アトピー性皮膚炎などの場合に対応する場合にはこのような展開が必要である。
【0057】
(実施例3)
本発明の実施例3について、図11を参照しながら説明する。
【0058】
図11において、55は温水に溶解できる形態の例えば液状皮膚消毒剤等の薬剤を貯蔵する貯蔵手段、56は温水流路46の流路に貯蔵手段55からの薬剤を操作レバーにより自在に混入する混入手段、57は混入手段56を動作させる操作レバーである。
【0059】
なお、参考実施例1および6と同一符号のものは同一構造を有し、説明は省略する。
【0060】
次に動作、作用について説明する。入浴者が着座手段2に着座し、入浴者または介護者
の操作により、温水噴出手段3から温水が入浴者に噴出される。入浴者が陰部を洗おうとした際には、入浴者または介護者が流路開閉装置47の操作用レバーを操作し温水流路46を開放する。また同時にスイッチレバー57を操作し、混入手段56を動作させる。これにより薬剤が貯蔵手段55から温水流路46に混入し、温水噴出手段45から着座面の孔48を通って入浴者の陰部または臀部に向かって温水を噴出する。
【0061】
なお皮膚消毒剤等の薬剤を混入した温水を人体臀部および陰部に噴出する例として説明したが、他の温水噴出手段3から全身または身体の一部に他の薬剤例えば皮膚保湿剤等を混入して噴出することも考えられる。乾燥性皮膚などの場合に対応する場合にはこのような展開が必要である。
【0062】
なお、上記した各参考実施例、および各実施例は、特に病院等に入院中の入院患者の人々の入浴、または高齢者のための施設に入居中の障害を有する人々の入浴を例として記述したが、この他にも一般家庭においても同様に、部分的に温水噴出を当てないようにしたい、下肢を暖めたい、陰部または臀部を暖め易く、洗い易くしたい、被噴出部に対する消毒または薬効が欲しいケースは、在宅療養を始めとして数多く考えられる。加えて、病院等に限定されるものではなく一般家庭等、広く適応するものである。
【0063】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、入浴者が着座手段に着座し入浴する際、各温水噴出手段からの温水噴出を任意に制御することにより、身体の一部分にシャワーをあてたくない入院患者・施設滞在者が入浴する際に、その部分に温水噴出を当てないようにすることができるという有利な効果を有する。
【0064】
また入浴者が着座手段に着座し入浴する際、入浴者自ら又は入浴介護者がアームを移動することにより、アームの移動に合わせて、アームに取り付けられた温水噴出手段からの温水噴出を停止させ、入浴者への温水噴出を当てる範囲を制限することが、アームの操作と兼ねてできるので、操作の手間が軽減できるという有利な効果を有する。
【0065】
また、着座姿勢のために温水が届きにくい入浴者の陰部または臀部の特定部位に温水を噴出するようにしているので、この部分も暖め易く、洗い易くすることができるという有利な効果を有する。
【0066】
しかも、単なる温水噴出に加えて、酸性水を噴出するようにしたり、薬剤が混入された温水を噴出することにより、被噴出部に対する消毒や、薬効が付加できるという有利な効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の参考実施例1のシャワー装置の構成図
【図2】 同参考実施例1のシャワー装置の温水噴出手段を示す詳細断面図
【図3】 本発明の参考実施例2のシャワー装置の構成図
【図4】 同参考実施例2のアーム取り付け部分の詳細図
【図5】 (a)同参考実施例2のバルブ操作の開時の動作説明図
(b)同参考実施例2のバルブ操作の閉時の動作説明図
【図6】 本発明の参考実施例3のシャワー装置の構成図
【図7】 本発明の参考実施例4のシャワー装置の構成図
【図8】 本発明の参考実施例5のシャワー装置の構成図
【図9】 本発明の実施例1のシャワー装置の構成図
【図10】 本発明の実施例2のシャワー装置の構成図
【図11】 本発明の実施例3のシャワー装置の構成図
【図12】 従来の入浴装置の説明図
【符号の説明】
1 シャワー装置本体
2 着座手段
3 温水噴出手段
4 アーム
13 ノズル
17 ニードル弁
21 ボールバルブユニット
22 バルブ操作用溝部
30 温水噴出手段(下肢用)
37 加熱手段
41 被覆電熱線(大腿部用)
42 被覆電熱線(すね部用)
45 温水噴出手段(臀部用)
48 座面孔
51 電気分解手段
55 薬剤貯蔵部
56 薬剤混入手段

Claims (3)

  1. シャワー装置本体に上下方向回転変位自在に支持され、複数の温水噴出用ノズルを有する左右一対のアームと、これら一対のアームの間に位置するように配置された着座手段と、前記着座手段に形成した孔を通して入浴者の下半身の特定部位に温水を噴出する温水噴出手段と、前記アームのノズル、および温水噴出手段からの温水噴出を量的に制御する温水制御手段とを具備し、前記温水噴出手段への温水系には水質変換手段を接続したシャワー装置。
  2. 水質変換手段により温水を酸性水に変換するようにした請求項1記載のシャワー装置。
  3. シャワー装置本体に上下方向回転変位自在に支持され、複数の温水噴出用ノズルを有する左右一対のアームと、これら一対のアームの間に位置するように配置された着座手段と、前記着座手段に形成した孔を通して入浴者の下半身の特定部位に温水を噴出する温水噴出手段と、前記アームのノズル、および温水噴出手段からの温水噴出を量的に制御する温水制御手段と、貯蔵手段に貯蔵された薬剤を温水噴出手段への温水系に混入させる混入手段とを具備したシャワー装置。
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