JP3817542B2 - 火災警報器及びバッテリー寿命設定方法 - Google Patents

火災警報器及びバッテリー寿命設定方法 Download PDF

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Description

本発明は、警報部を一体に備えバッテリーで動作する火災警報器及びバッテリー寿命設定方法に関し、特に壁面に取り付けて火災を監視して警報する火災警報器及びバッテリー寿命設定方法に関する。
従来、センサ部と一体に警報部を備え、乾電池等のバッテリーで駆動される火災警報器としては、火災報知設備で受信機からの信号線に接続されて設置される通常の火災感知器と同様、火災を監視しようとする部屋の天井面に設置して使用するようにしている。
このような警報器を一体に備えた火災警報器は、主に既設の住宅を対象に簡単に設置して火災を監視できるようにすることを意図したものであり、近年にあっては、老人世帯を対象に公的機関による支援の元に普及を図ることで、老人世帯での火災における被害の抑制、特に焼死者を出さないようにするための活用が期待されている。
特開平7−334766号公報 実開平5−8696号公報
しかしながら、このような警報部を一体に備えた火災警報器にあっては、部屋の天井面に設置する取り付け構造をとっており、設置作業に専門業者の手を必要とし、一度設置してしまうと、後に監視を必要とする部屋に移したいと思っても、天井に取付けられていることから移し替えは困難である。
また、この種の火災警報器にあっては、月に一回という頻度で正常に動作することを確認する点検をすることが望ましく、通常、火災警報器から出している紐を引くことで点検できるが、手の届く位置まで垂らす長い紐が必要であり、扱いが不便である。
更に火災警報器のバッテリーは市販の乾電池を使用しているため、比較的バッテリー寿命が短く、通常は1年、長くとも2年程度で交換を必要とし、高齢者世帯では適切に電池交換が出来ないことが予想され、バッテリーが使えなくなった段階で火災監視機能が失われ、そのまま放置されてしまう問題がある。
このバッテリー寿命の問題は、火災警報器に使用するバッテリーの容量を増やすことで解決できるが、バッテリー容量の増加に伴いバッテリーが大型化すると共にコストアップとなり、単なるバッテリー容量の増加では解決できない。
本発明は、取り付けが簡単で点検などの取り扱いも容易な火災警報器を提供することを目的とする。
また本発明は、火災監視の機能を損なうことなく、小型化とコストを満足する容量のバッテリーの使用で、少なくと5年以上のバッテリー寿命を保証する火災警報器及びバッテリー寿命設定方法を提供することを目的とする。
この目的を達成するために本発明は次のように構成する。本発明の火災警報器は、壁掛け用の係止部を上端に備えた扁平箱型の本体の内部に、バッテリーと、火災を検出するセンサ部と、前記センサ部で火災を検出した際に警報を発する警報部と、前記警報部の動作を確認する試験部とを設け、
試験部にノンロックタイプの点検スイッチを設け、前記点検スイッチの操作紐を本体の下端中央から引き出し、
警報部は、監視中に操作紐より点検スイッチがオンされた場合、警報器正常を示す音声メッセージを出力し、点検スイッチを連続的に繰り返しオンにして、警報器正常の音声メッセージ出力が短時間で連続して行われた場合、電池消耗の増加を示す注意警報を音声メッセージで出力することを特徴とする。
このように本発明の火災警報器は、火災を監視しようとする部屋の壁面に設置して使用することができ、具体的には天井面から15〜50cm程度離れた壁面に取り付ければよく、取り付け方は、壁にビスやフックをつけ、これに火災警報器上部の係止部を嵌めるという簡単な作業で済む。このため最初の設置は勿論のこと、使用中に監視する部屋を変えたい場合にも、簡単に付け替えができる。
警報部は、警報器正常を示す音声メッセージとして音量を抑えた火災メッセージを1回出力する
警報部は、火災警報の出力中に操作紐により点検スイッチがオンにされた場合に火災警報の出力を停止し、警報出力の停止から一定時間停止後に前記センサ部で火災を検出していることを条件に火災警報の出力を再開する
警報部は、バッテリーの電圧低下を検出した場合に表示灯を点滅し、表示灯の点滅中に操作紐により点検スイッチがオンされた場合に、ローバッテリー警報を出力し、ローバッテリー警報として有効期限の確認を促す音声メッセージを出力する。
本発明の火災警報器は、火災を監視しようとする部屋の壁面に設置して使用することができ、例えば天井面から15〜50cm程度離れた壁面に取り付ければよく、取り付け方は、壁にビスやフックをつけ、これに火災警報器上部の係止部を嵌めるという簡単な作業で済む。このため最初の設置は勿論のこと、使用中に監視する部屋を変えたい場合にも、簡単に付け替えができる。
また本発明の火災警報器は、試験部にノンロックタイプの点検スイッチを設け、点検スイッチの操作紐を本体の下端中央から引き出し、壁面に取り付けた状態での点検スイッチの操作が簡単にできるようにしており、操作紐を引くことによって、日常的な正常動作の確認、火災警報時の警報停止、表示灯点滅時のローバッテリー警報といった各種の警報に伴う操作を簡単にできる。
また本発明によれば、動作を確認するための点検において、点検スイッチを所定時間操作し続けないと点検動作が行われないため、点検を意図せずにスイッチを操作した場合の無駄な点検動作をなくし、不要な点検によるバッテリーの消耗を防ぎ、バッテリー寿命を長くすることができる。また点検時の音声警報として、火災警報の音声警報の音量レベルを下げて警報することで、点検警報における消費電流を低減してバッテリー寿命を延ばすことができる。
また本発明のバッテリー寿命設定方法にあっては、定常的に動作する回路部と、火災警報時に動作する回路部と、点検その他のために動作する回路部とに火災警報器を分け、このうち通常監視のために消費するバッテリー容量をバッテリー全体の60%乃至70%とすることで、最低5年のバッテリー寿命を保証することができる。
また、最低5年のバッテリー寿命は火災警報が行われた場合のバッテリー寿命であり、通常であれば火災は起きないことから、実際には6〜7年以上といったバッテリー寿命が保証され、発光素子を間欠的に発光駆動している散乱光式煙検出を行うこの種の火災警報器としては、従来では実現不可能と思われる限界を超えたバッテリー寿命を実現することができる。
このような5年を超えるバッテリー寿命により、例えば高齢者世帯に本発明の火災警報器を設置した場合、事実上バッテリー交換を必要とすることなく長期間に亘り安定した火災監視を保証し、万一、火災が発生したような場合には確実に警報し、死傷者を出すような甚大な被害を未然に防止することができる。
更に、バッテリー容量の配分として、通常動作している回路部に対するバッテリー容量についてバッテリー寿命を5年以上とするように発光素子の最適な発光周期即ち火災検出遅れを生ずることなくバッテリー寿命5年以上を保証する発光周期を適切に決めることができる。
図1は本発明による火災警報器の実施形態を示した説明図であり、本発明の火災警報器を壁面に取り付けた状態と、内蔵されているバッテリー及びバランサーを示している。ここで図1(A)が正面図、図1(B)が側面図である。
図1において、本発明の火災警報器は、警報器本体1が表カバー2と裏カバー3で構成されており、警報器本体1の上部即ち裏カバー3の上部に壁掛用の取付穴5を備えた係止部4を一体に形成している。表カバー2の上部には皿状に突出してチャンバー収納部6が形成されており、チャンバー収納部6の周囲には複数の煙流入口7が開口されている。
チャンバー収納部6は、表カバー2の設置状態で天井面に近くなる上部の位置に設けられている。このようにチャンバー収納部6を垂直方向に配置した場合、火災による煙は天井面に沿って広がった後に、壁面に沿って下降するように流れ、この煙の動きに対しチャンバー収納部6が同じく垂直方向に配置されてその周囲に複数の煙流入穴7を開口しているため、煙に対しより適切に検出することができる。
この点ついて、本発明の火災警報機器1を天井面設置としたものと壁面設置としたものについて比較実験を行ったところ、壁面設置の方が早く火災を検出することができており、本発明による壁面設置の火災警報器1が煙をより適切に検出することが確認されている。
更に、具体的に説明する。住宅内における火災において、寝たばこが主要因の一つにあげられている。寝たばこによる火災は、例えば座布団や布団に着火し、初期状態では所謂燻焼火災と呼ばれる状態になる。即ち、燻焼火災は、酸素の供給が制限された状況で火災が進行する為、熱量が少なく、煙が燻った状態で、白煙を発生するという特徴がある。また、燻焼火災は不完全燃焼に起因する、COをはじめとする有毒な燃焼ガスを発生し、これが人的被害をもたらす原因ともなっている。
住宅においては、一般的なオフィスビルの部屋等と比較して居住空間が狭く、上述の燻焼火災が発生した場合も、煙の流動パターンが異なる。つまり、燻焼火災が住居で発生した場合は、次のようなケースが想定される。
(1)煙が天井に上がりにくく、下から徐々に上方へ煙が移動するケース。言い換えれば、火災発生当初では、下方で煙濃度が高く、徐々に上方の煙濃度が高くなるケース。この場合は、天井面に感知器を付けている場合より、壁面に感知器を付けている方が初期火災の検出に有効である。
(2)煙が天井面に上がったものの、天井面が冷えている場合等の条件で、天井面の直下に空気の層が生成され、煙が天井に上がったとしても、火源の熱量によっては天井面には到達しにくく、火災により生じた煙が天井の空気層の下を這い、その後煙は壁面を伝わって下降してくるケース。この場合は、煙感知器を壁面に取り付け下降してくる煙を検出することで、住宅内で想定される燻焼火災をより有効に検出できる。
一方、壁面も温度により空気層が生成させるケースがあり、チャンバー収納部6を所定の距離壁面から離すことで、燻焼火災に対してはより有効であることはいうまでもない。
また表カバー2には表示灯10と内部にスピーカーを配置した音響孔11が形成されている。更に、警報器本体1の下部中央からは警報停止及び点検に使用する操作紐8が引き出され、操作紐8の先端には指をかけるためのリング9が装着されている。
本発明の火災警報器は、図1(B)のように、部屋の壁面15に取り付けた例えばビス12に対し、係止部4の取付穴5を嵌め入れることで取り付けることができる。
このような壁面15に対する本発明の火災警報器の取付位置としては、天井面に対し15cmから50cmまでの範囲に取り付けることが望ましい。また、取付場所の近くに家具やエアコン、更には照明器具がないことが望ましく、これらがある場合には60cm以上離して取り付けることが望ましい。
警報器本体1の内部にはバッテリー13が収納されている。バッテリー13は内部の回路基板の設置スペースの関係で、上部の係止部4における取付穴5を通る垂線の例えば正面から見て右側に収納されている。このようにバッテリー13が警報器本体1の右側に収納されている場合、そのままではバッテリー13の重量により、ビス12に対する取付穴5を支点に一点で支持された警報器本体1は左側に傾いて取り付けられてしまう。
そこで本発明にあっては、バッテリー13の収納側に対する反対側の位置に、バッテリー13と同等の重さを有するバランサー14を収納し、壁面15に対する取付状態でバランスがとれるようにしている。
尚、係止部4は裏カバー3に一体に形成しているが、表カバー2が裏カバー3を覆う形状の場合は、表カバー2に係止部を設けてもよい。
図2は本発明の火災警報器における点検操作の説明図である。図2において、本発明の火災警報器の点検は、警報器本体1の下部中央から引き出している操作紐8に設けたリング9を指で押さえて矢印のように下方に引くことで、内蔵したスピーカーより予め決められた点検用の音声メッセージ、例えば火災警報時に対し音量が半分程度に抑えられた火災警報メッセージ「ウーウー、火事です、火事です、ウーウー」が出力される。
図3は、図2のリング9を指で引くことで操作紐8を介して操作される内蔵された点検スイッチ18の説明図である。点検スイッチ18はノンロックタイプのスイッチであり、警報器本体1内の回路基板上に実装されており、点検スイッチ18に対し上部にレバー19が左側を固定して配置され、レバー19の右側に操作紐8の先端が結び付けられている。
このため、リング9を押さえて操作紐8を図2のように下側に引くと、レバー19が左側を支点に押し下げられて点検スイッチ18のスイッチノブを押圧することで、スイッチ接点をオンすることができる。
このような内蔵した点検スイッチ18を操作する図2のような点検操作において、本発明にあっては図1に示したように、内蔵しているバッテリー13に対し同程度の重さを持つバランサー14を反対側に配置して、上部の係止部4のビス12による一点の支持に対し左右のバランスをとって警報器本体1を壁面に取り付けており、警報器本体1が取付状態で傾いていないため、リング9を指で押さえて操作紐8を下側に引くと、係止部4の取付穴を通る垂線はほぼ操作紐8の引出し方向を通っており、これによってリング9により操作紐8を引いても警報器本体1が左右に振れることなく、ビス12に対する係止部4の一点支持に対し適切に、操作紐8を引くことによる点検操作を行うことができる。
ここで図1にあっては、火災警報器本体1からの操作紐8の長さを短くした場合を例にとっているが、操作紐8の長さを、天井面から警報器を設置する壁面位置までの長さとしても良い。本発明の警報機本体1は天井面に対し15cmから50cmまでの範囲に取り付けることが望ましいことから、操作紐8の長さ例えば50cmとしておき、この操作紐1の先端を天井面に合せ、操作紐8により逆さに吊り下げられている警報器本体1を壁面に合せ、設置位置を決める。これによりメジャーを使った寸法取りを必要とすることなく、現場での壁面に対する取付作業が簡単にできる。
また火災警報器本体1の裏カバー3の壁掛面に面ファスナー雄材又は面ファスナー雌材を両面テープや接着剤などで固着し、壁面側に警報器側に対応した面ファスナー雌材又は面ファスナー雄材を設けておくことで、面ファスナーを使って壁面に取り付けるようにしても良い。この面ファスナーを使用した取付は、必要に応じて居住者が本発明の火災警報器の設置場所を移し換えて使用したい場合に、専門業者による最初の設置作業の際に、天井面から定まる正しいの位置に面ファスナーの片面を装着しておけばよく、居住者が簡単に移し換えすることができる。
図4は本発明の火災警報器の裏面におけるバッテリー収納構造を示した説明図である。図4において、裏カバー3の下部左側をほぼ矩形に開口した表カバー2側の内面にはバッテリー収納部20が形成されている。このバッテリー収納部20のサイズは、本発明で使用するバッテリー13のサイズに対し、ある程度の隙間をもって収納可能な十分な大きさを持っている。
本発明で使用するバッテリー13としては、市販の乾電池ではなく電源容量の大きなリチウムバッテリーのパックを使用している。このバッテリー13として使用するリチウムバッテリーパックは製造メーカーによってバッテリーサイズに多少のばらつきがある。
このようなリチウムバッテリーパックのサイズに多少のばらつきがあっても、本発明の火災警報器で使用するため、サイズ的に余裕を持ったバッテリー収納部20を形成している。またバッテリー収納部20は収納するバッテリー13に対しサイズ的に余裕があり、そのままでは隙間を生ずることで、内部の収納状態でバッテリー13が、がたつくことになる。
そこで、バッテリー収納部20の表カバー裏面側に弾力性のある緩衝部材を用いたクッション21を配置し、バッテリー13を収納した状態でクッション21によりバッテリー13の動きを防ぐようにしている。バッテリー13は、先端にプラグ23を備えた電源線が引き出されており、このプラグ23をバッテリー収納部20に形成しているコネクタ24に接続することで、内部回路にバッテリー電圧を供給することができる。
図5は本発明の火災警報器におけるバッテリー13の収納状態である。バッテリー収納部20に収納されたバッテリー13は上下左右に隙間を持っているが、内部に設けられたクッション21に押し当てられることで、がたつきが防止されている。この状態でバッテリー収納部20の開口部にバッテリーカバー26を装着し、通し孔26aを通してネジ孔27にビスをねじ込むことで固定される。
図6は本発明の火災警報器における表カバーの裏面と内蔵される回路基板を示した説明図である。図6において、表カバー2の上部には、外部に皿状に突出したチャンバー収納部6が形成されており、チャンバー収納部6の外周部分には煙流入口7が複数形成されている。
また表カバー2の内側にはクッション21を備えたバッテリー収納部20が形成され、バッテリー収納部20は上部の隔壁20aと中央の隔壁20bにより仕切られている。このバッテリー収納部20の右側にはスピーカー22が組み込まれている。またスピーカー22の右下にはバランサー14が設けられている。
回路基板16には本発明の火災警報器の回路が実装され、更に検煙チャンバー17を、表カバー2のチャンバー収納部6の内側に位置する上部に固定している。また回路基板16の下側には点検スイッチ18が設けられ、点検スイッチ18に対し左側で固定して設けたレバー19に、リング9を備えた操作紐8の先端を結び付けている。
図7は図6の回路基板16に取り付けている検煙チャンバーの組立分解図である。検煙チャンバー17は、回路基板16に固定されるチャンバーベース28、防虫網31、及び周囲にラビリンス33を形成したチャンバーカバー32で構成される。
チャンバーベース28には発光部29と受光部30が設けられており、両者の光軸は例えば70°の構成角をもって配置されており、発光部29からの光が流入した煙に当たって生ずる散乱光を受光部30で受光する散乱光式の検出構造を設けている。
図8は本発明の火災警報器における回路構成の実施形態を示した回路ブロック図である。図8において、本発明の火災警報器回路は、火災検出部100Aと音声警報部100Bとに大別される。
火災検出部100Aは、リチウム電池を用いたバッテリー13、定電圧回路36、イニシャルリセット回路37、発振回路38、分周回路39,40、単安定マルチ回路41、光源駆動回路42、赤外LED43、フォトダイオード44、散乱光検出回路45、火災信号出力蓄積回路46、電池電圧低下監視回路47、ラッチ回路48、警報音停止タイマー回路49、表示及び移報回路50、表示用LED52、移報用コネクタ25で構成される。
これに対し音声警報部100B側は、ノンロックタイプの点検スイッチ18、音声制御回路53、遅延回路54、音声回路用定電圧回路55、音声合成IC回路56、音声増幅回路57、コネクタ58、スピーカー22、音声レベル調整回路59、音声メッセージ選択制御回路60及びビジー信号制御回路61で構成される。
このような本発明の回路構成にあっては、リチウム電池を用いたバッテリー13を電源として、火災による煙の発生を検出して表示用LED52を点灯すると同時にスピーカー22から火災を示す音声警報を発する。この火災警報状態で点検スイッチ18の操作紐を引いて作動させると、警報出力が停止する。検煙チャンバー内に煙が残っている場合には、警報停止から約6分後に再び火災警報を発する。
また、通常の監視状態で点検スイッチ18の操作紐8を引いて作動させると、スピーカー22から音量がほぼ半分に抑えられた火災メッセージが、警報器が正常であることを示す点検結果の音声応答として出力される。
更に、通常の監視状態において、バッテリー13からのバッテリー電圧が低下すると、表示用LED52が点滅する。そのとき点検スイッチ18の操作紐を引いて作動させると、スピーカー22から有効期限を確認するための音声メッセージが出力される。
なお、点検スイッチ18の操作紐を引いて音声制御回路53を動作させるためには、遅延回路54の遅延時間で決まる一定時間を超えてオンするように操作紐を引く。
次に図8の本発明による火災警報器の回路構成と、その動作の詳細を説明すると、次のようになる。
本発明の火災警報器の電源として使用されるバッテリー13は、リチウム電池を使用している。このリチウム電池としては、例えば公称電圧3V、公称容量1600mAHの高容量円筒形リチウム1次電池を2本、直列接続した組電池で構成され、公称電圧6Vがコネクタ24から出力される。
コネクタ24によるバッテリー13の接続が行われると、各回路部に電源が供給される。通常の監視状態にあっては、定電圧回路36から4V定電圧が供給されて各回路が動作する。
まずイニシャルリセット回路37が動作し、分周回路39,40、警報音停止タイマー回路49、電池電圧低下監視回路47、ラッチ回路48及び火災信号出力蓄積回路46をリセットする。
発振回路38は、本発明の火災警報器における約2.8秒周期の基本クロックのパルスを出力する。発振回路38からの基本クロックは分周回路39で分周された後、更に分周回路40で分周される。
分周回路39は約2.8秒の分周パルスを出力する。また分周回路40は分周回路39の分周パルスを4分周するもので、約2.8秒×4分周=11.2秒の周期の長い分周パルスを出力する。
分周回路40の出力は単安定マルチ回路41に入力される。単安定マルチ回路41は11.2秒周期でトリガされ、例えば82μsのパルス幅を持つパルスを光源駆動回路42に出力する。光源駆動回路42は単安定マルチ回路41からのパルスを受けて、11.2秒周期ごとに82μsに亘り赤外LED43を間欠的に発光駆動する。
一方、単安定マルチ回路41の出力は電池電圧低下監視回路47にも与えられており、光源駆動回路42と同期し、11.2秒周期で82μsだけ起動し、そのときのバッテリー13からの電池電圧が規定電圧以下であるか否か監視し、監視結果はラッチ回路48に入力されてラッチされる。
ラッチ回路48に入力された電池電圧低下監視回路47の出力は単安定マルチ回路41の出力パルスの立ち上がりで読み込まれ、正常監視時、ラッチ回路48の出力はLレベルであるが、電池電圧が規定電圧以下になったときラッチ回路48の出力は反転してHレベルとなり、このHレベルの出力を保持した瞬間に表示及び移報回路50の表示用LED52を点灯し、以後は分周回路40の分周パルスが出力される約11.2秒周期で間欠的に表示用LED52を点灯する動作を繰り返す。
散乱光検出回路45は、光源駆動回路42により赤外LED43を約11.2秒周期で82μsに亘り発光駆動する毎に、チャンバー内に流入した煙による散乱光のフォトダイオード44による受光出力を増幅し、規定濃度以上の煙があれば火災信号を火災信号出力蓄積回路46に出力する。
火災信号出力蓄積回路46は、赤外LED43の発光駆動に同期して2回以上連続して火災による煙を検出すると、火災信号を表示移報回路50及び音声制御回路53に出力する。
表示及び移報回路50は、火災信号出力蓄積回路46からの火災信号により表示用LED52を点灯し、更に移報用のフォトカプラを駆動し、移報用コネクタ25に対する外部装置の信号線接続があるときには移報信号を送出するようになる。音声制御回路53は火災信号出力蓄積回路46からの火災信号により動作する。まず音声回路用定電圧回路55を起動し、音声合成IC回路56及び音声増幅回路57に電源を供給する。
音声合成IC回路56は、火災信号出力蓄積回路46からの火災信号と分周回路39からの約5.6秒周期のパルスにより音声制御回路53から周期的にトリガされ、内部のROMに書き込まれた音声データをDA変換して出力する。この音声データは例えば「ウーウー、火事です、火事です、ウーウー」を反復して出力する。音声合成IC回路56からの音声信号は音声増幅回路57で電力増幅され、スピーカー22を駆動する。
ビジー信号制御回路61は、音声合成IC回路56からのビジー信号の出力を受けて、音声増幅回路57のオン、オフ動作を制御し、音声信号出力の起動時と停止時のノイズを低減させる。更にビジー信号制御回路61は、通常の監視状態における点検スイッチ18の操作時に、点検スイッチ18からのスイッチ信号の立ち下がりにより音声信号を1回出力して停止するように制御する。
音声レベル調整回路59は、音声合成IC回路56に対する基準端子電圧の調整により音量出力を可変設定する。即ち、火災時にはHレベル出力を生ずることで、音声合成IC回路を70dB以上の音量で出力させる。
散乱光検出回路45は、検煙チャンバーに流入する煙が規定値以下の濃度になると火災信号の出力を停止し、表示及び移報回路50が表示用LED52を消灯し、移報用コネクタ25からの移報出力を停止する。同時に音声回路用定電圧回路55が停止制御され、スピーカー22からの警報音声を停止し、通常の監視状態に戻る。
警報音停止タイマー回路49は、火災信号の出力中に点検スイッチ18を操作すると、分周回路40の分周パルスを例えば32カウントする約6分の間、音声制御回路53による音声回路用定電圧回路55の電源供給を停止することで、火災信号による音声警報を停止させる。この間に継続して火災信号が出力されていると、警報音停止タイマー回路49によるカウントで6分が経過した時点で再び警報音が出力され、火災信号が停止していれば警報音は出力されずに監視状態に戻る。
通常の監視時に点検スイッチ18を操作したときには、音声制御回路53が音声回路用定電圧回路55を起動すると同時に、音声レベル調整回路59に対する電池電圧の正常値に基づくラッチ回路48の出力がLレベルであることを条件に、音声レベル調整回路59は音声合成IC回路56を火災時の警報音量よりも低いレベルで「ウーウー、火事です、火事です、ウーウー」の音声警報を1フレーズ出力させた後、ビジー信号制御回路61に対するビジー信号の出力で音声警報の出力を1回で停止させる。
電池電圧低下監視回路47でバッテリー13の電源電圧が規定電圧以下であることが検出された場合には、ラッチ回路48の出力がHレベルとなり、表示及び移報回路50は表示用LED52を光源駆動回路42の発光周期と同じ単安定マルチ回路41の出力により約11.2秒周期で点滅させる。
この電池電圧低下の検出状態で点検スイッチ18を操作すると、ラッチ回路48からのHレベル出力に基づき音声制御回路53は、音声メッセージ選択制御回路60に対し電池電圧低下警報用のメッセージ選択を行わせると共に、音声レベル調整回路59の音声レベルを低いレベルに設定させ、火災時の警報音よりも低いレベルで例えば「ピピ、有効期限を確認してください。」のメッセージを出力させ、音声合成IC回路56からのビジー信号によりビジー信号制御回路61で電池電圧低下警報の1回の音声出力後に音声増幅回路57をオフして、メッセージを停止させる。
このため電池電圧の低下が深夜の睡眠中に検出されても、その時点では表示用LED522を点滅して知らせるだけであり、警報音を出さないので睡眠中に居住者が不必要に起されることはない。そして居住者が表示用LED52の点滅に気づいて操作紐を引くと、このとき初めて電池電圧低下警報用の音声メッセージの出力が行われ、ローバッテリーを知ることができる。
図9は図8の回路構成による本発明の火災警報器の動作を示したタイムチャートである。
図9において、図9(A)は煙濃度、図9(B)は赤外LED43の発光、図9(C)は表示用LED52の表示、図9(D)は音声合成による警報音、図9(E)は点検スイッチの操作、図9(F)は移報用コネクタ25による外部出力、更に図9(G)はバッテリー13からの電池電圧を示している。
図9において、バッテリー13をコネクタ24により火災警報器に接続して電源供給が行われると動作状態となり、赤外LED43が約11.2秒周期で82μs駆動される間欠発光が行われる。
このような通常の監視状態における時刻t1で点検スイッチ18を操作すると、火災時の警報音より低い音量で「ウーウー、火事です、火事です、ウーウー」が1回出力され、この音声出力が出ることで、本発明の火災警報器が正常に動作することが確認できる。このような通常時における点検は例えば月1回行うことを予定している。
続いて、火災により煙濃度に変化が見られ、時刻t2で煙濃度が火災検出の設定点を超えた後、次の発光LEDの発光タイミングとなる時刻t3で再び設定点を超え、2回煙検出が設定点を超えると火災信号が出力され、「ウーウー、火事です、火事です、ウーウー」の警報音が反復され、同時に表示用LED52を点灯し、また移報用コネクタからの外部出力を行う。その後に煙濃度が設定点を下回って時刻t4で火災信号の出力が停止し、警報音の停止と表示用LED52が消灯する。
その後、時刻t5で再び煙濃度が設定点を超え、時刻t6で継続する2回の検出が行われると、再度火災信号が出力され、表示用LED52が点灯し、また警報音の出力及び移報用コネクタからの外部出力が行われる。
この時刻t6からの火災状態において、例えば時刻t7で点検スイッチ18を操作したとすると、警報音停止タイマー回路49の動作により例えば6分間、警報音の出力が停止される。そして6分を経過し、このとき煙濃度が設定点を超えた火災状態であれば、再び時刻t8より警報音の出力が行われる。
更に、その後に煙濃度が設定点を下回る時刻t9のタイミングで火災信号が停止し、表示用LED52の消灯、警報音の停止及び移報用コネクタからの外部出力が停止される。
なお、時刻t6で再度火災信号が出力されて警報音が出力された場合、一定時間後に再開することなく警報音に止めておきたい場合には、点検スイッチ18を継続的に作動させればよい。
この警報音の継続停止のための点検スイッチ18の作動継続は、例えば図1の操作紐8に設けたリング9に少し重い物、例えばハンガーを吊り下げればよい。また操作紐8が長い場合には、操作紐8を引いて点検スイッチ19を作動させた状態で、操作紐8を火災警報器本体1に緩まないように巻き付けておけば良い。
また音声制御回路53は、点検スイッチ18の操作よる警報器正常の音声メッセージ出力が短時間に連続して行われた場合、電池消耗の増加を示す注意警報を音声メッセージで出力するようにしても良い。これにより子供達が面白半分に操作紐を引いて遊ぶような場合に、注意を促していたずらを抑止させることができる。
ここで本発明の火災警報器にあっては、公称電圧3V、公称容量1600mAHのリチウム電池を2本、直列接続した組電池で、公称電圧6Vを出力させることで、電池寿命として5年を保証している。このような長期間に亘る電池寿命を実現するため、本発明にあっては次のような消費電流を節減するための手法をとっている。
(1)光源駆動回路42による赤外LED43の発光周期を約11.2秒と十分に長く取り、発光消費電流を低減している。
(2)点検時の音声出力を火災時の警報音量より低くし且つ1回の出力とすることで、消費電流を低減する。
(3)音声回路用電圧回路55を別に設け、音声警報が必要な際にのみ音声回路用の電源電圧を供給し、通常時における音声警報のための消費電流をなくして総合的な消費電流を低減する。
次に本発明の火災警報器におけるバッテリー寿命設定方法を説明する。図10は本発明の火災警報器におけるバッテリー容量の配分を示した説明図である。
図10において、本発明のバッテリー13として使用するリチウム電池は公称電圧6V、公称容量1600mAHであり、本発明の火災警報器にあってはバッテリー13の容量を通常監視のために消費する通常監視バッテリー容量(第1バッテリー容量)70、火災警報のために消費する火災警報バッテリー容量(第2バッテリー容量)71及び、点検その他のために消費する点検バッテリー容量(第3バッテリー容量)72に分けて配分している。
ここで通常監視バッテリー容量70が配分される図8の火災警報器における回路は、通常時に動作しているイニシャルリセット回路37、定電圧回路36、発振回路38、分周回路39,40、単安定マルチ回路41、光源駆動回路42、散乱光検出回路45、電池電圧低下監視回路47であり、そのうち最も消費電流が大きいのは光源駆動回路42と散乱光検出回路45である。
本発明の火災警報器にあっては、図8の各回路部それぞれについて消費電流を必要最小限とする最適な回路構成を採用している。この消費電流を最小限とする回路構成のもとに、通常時に動作している回路部の消費電流は約360mAであり、この消費電流のほとんどは、約11秒の周期でパルス幅約80μsで赤外LED43を発光駆動する発光駆動回路42と、煙による散乱光を受光してフォトダイオード44の受光出力を増幅している散乱光検出回路45による。この消費電流360mAは発光駆動時の消費電流であり、これを時間的に平均した消費電流は例えば20μAとなる。
次に火災警報バッテリー容量71が配分される火災警報時に動作する回路としては、通常時に動作する回路に加え、火災信号出力蓄積回路46、表示及び移報回路50、音声制御回路53、音声回路用定電圧回路55、音声合成IC回路56、音声増幅回路57、音声レベル調整回路59、音声メッセージ選択制御回路60、ビジー信号制御回路61である。このような火災警報時に動作する回路部の消費電流は約250mAである。
更に、通常時において本発明の火災警報器は月1回の点検を行うことを予定している。この点検時にあっては、通常時に動作している回路に加え、火災警報時と同様に音声警報部側が動作するが、音量レベルは例えば半分に下げられていることから、約125mAの消費電流が流れる。
この点検の際の音声警報出力による消費電流は音声警報の1回の出力に約5秒を要し、これが月1回行われることから、平均電流として見ると約0.25μAの平均消費電流となる。この点検の際の動作は、図10の点検バッテリー容量72の配分を受ける。
更に点検バッテリー容量72の配分の中には、電池電圧の低下を検出して警報する回路部の動作が含まれる。この電池電圧の低下は、電池電圧低下検出回路47、ラッチ回路48、表示及び移報回路50が動作し、約11秒周期で表示用LED52を約40ms点灯する動作を繰り返し、表示用LED52を点灯した際の消費電流は約18mAである。
このような図8の火災警報器の回路部に対応して、図10のように配分されるバッテリー容量の具体例としては、通常監視バッテリー容量70としてバッテリー全容量の60%〜70%を配分し、火災警報バッテリー容量71としてバッテリー全容量の20%〜25%を配分し、点検バッテリー容量72として残りのバッテリー容量を配分する。
図10の例では、通常監視バッテリー容量70として全体の60%となる960mAHを配分し、火災警報バッテリー容量71としてバッテリー全容量の25%となる400mAHを配分し、更に残りの点検バッテリー容量72としてバッテリー全容量の15%となる240mAHを配分している。
このようなバッテリー容量の配分において、本発明の火災警報器に要求されるバッテリー寿命5年以上を実現するバッテリー配分は通常監視バッテリー容量70により決まることになる。そこで、バッテリー全容量の60%となる960mAHを通常監視バッテリー容量70に割り当てた場合を例にとってバッテリー寿命を算出すると次のようになる。
まず通常監視の回路部における消費電流をi、バッテリー寿命年数をAとすると、割当バッテリー容量Bとの間には次式の関係がある。
(消費電流i)×(バッテリー寿命年数A)=(割当バッテリー容量B)
(1)
したがって、バッテリー寿命年数Aは次式で与えられる。
(バッテリー寿命年数A)=(割当バッテリー容量B)/(消費電流i)
(2)
ここで、通常監視バッテリー容量70として割り当てられた960mAHをμAと秒の単位で表すと次のようになる。
(割当バッテリー容量B)=960mAH
=(9.60×105)μA×60秒×60分
=3.456×109μAS
ここで図9に示した通常監視バッテリー容量70の割当対象となる通常動作時の回路部の消費電流iは、i=20μAであったとすると、(2)式からバッテリー寿命年数Aは次式で与えられる。
(バッテリー寿命年数A)
=(割当バッテリー容量B)/(消費電流i)
=(3.456×109μAS)/(11μA)
=3.142×108
=(1.728×108秒)/(60秒×60分×24時間×365日)
=(1.728×108秒)/(3.1536×107秒)
=5.479年
なお、この通常時に動作する回路部における消費電流iは、光源駆動回路42が赤外LED43を約11秒周期でパルス幅82μsに亘り間欠的に発光駆動していることから、このときの消費電流を時間平均して、他の通常時に動作している回路部の消費電流と合わせた値として求めている。
例えば発光駆動回路42が赤外LED43の発光駆動で流れる電流は約360mAである。この消費電流について平均電流を求めてみると、パルス幅を82μs、周期を11.56sとすると、2.54μAの平均電流が流れる。この光源駆動回路42に流れる平均駆動電流に、散乱光検出回路45の受光増幅器に経常的に流れる約10μAの消費電流を加え、更に発振回路38から単安定マルチ回路41に至る発振パルス系の回路の消費電流を加えると、通常時に動作している回路部の平均電流は約20μAとなっている。
このため本発明にあっては、バッテリー13の容量1600mAHのうちの例えば60%となる960mAHを通常監視バッテリー容量70に配分することで、通常監視のために動作している回路によるバッテリー寿命年数を例えば5.479年というように5年以上とすることができる。
このように通常監視のために動作している回路部のバッテリー寿命を5年以上とすることができれば、火災警報のための回路部については消費電流は大きいが火災そのものの発生頻度が極めて低いものであり、火災警報のために例えばバッテリー寿命5年の間に1回火災警報が行われるとしてバッテリー容量を配分するだけで、全体としてのバッテリー寿命5年以上を保証できる。
この点は点検動作及び電池電圧低下警報を含む回路部のバッテリー容量の配分についても同様であり、定常的に動作するのではなく点検操作という人為的な操作に伴うバッテリー容量の使用であることから、点検回数を十分に考慮したバッテリー容量を割り当てることで、通常監視のためのバッテリー容量によるバッテリー寿命5年以上に影響を及ぼすことはない。
これによって、本発明の火災警報器にあってはバッテリー寿命5年以上を保証することができる。また火災発生そのものが極めて低いことから、実際に設置した状態において火災がなかった場合には、図10における火災警報バッテリー容量71が全て通常監視バッテリー容量70に配分されることとなり、実際のバッテリー寿命は6年から7年に延びることになる。
次に、図10の通常監視バッテリー容量70の割当てを受けて動作する光源駆動回路42による赤外LED43の電池寿命を5年以上とするための発光周期の設定方法を説明する。
図10において、配分された通常監視バッテリー容量70は、右側に取り出して示すように、赤外LED43の発光駆動に消費する発光駆動バッテリー容量(第4バッテリー容量)73、フォトダイオード44からの受光出力の増幅に消費する受光増幅バッテリー容量(第5バッテリー容量)74及びパルス発振系バッテリー容量(第6バッテリー容量)75に配分される。
このような通常監視バッテリー容量70の再配分において、具体的な配分容量の範囲としては、発光駆動バッテリー容量73に通常監視バッテリー容量の10%〜15%を配分し、受光出力の増幅に消費する受光増幅バッテリー容量74に通常バッテリー容量70の60%〜70%を配分し、パルス発振系統バッテリー容量75に20%〜30%を配分する。
例えば図10の例では、発光駆動バッテリー容量73に12.5%となる120mAHを配分し、受光バッテリー容量74に62.5%となる600mAHを配分し、更にパルス発振系統バッテリー容量75に残り25%となる240mAHを配分している。
ここで受光増幅バッテリー容量74及びパルス発振系統バッテリー容量75は、それぞれに対応した回路部、即ち受光増幅バッテリー容量74については散乱光系回路45が、またパルス発振系統バッテリー容量75については発振回路38から単安定マルチ回路41に至る回路部が、常時バッテリーを消費しており、それぞれの回路の消費電流に依存して、バッテリー寿命5年を満足するようにバッテリー容量の割当てが行われている。
これに対し発光駆動バッテリー容量73が割り当てられる発光駆動回路42にあっては、赤外LED43を発光周期T1で発光パルス幅T2をもって間欠的に発光駆動しており、発光パルス幅T2は赤外LED43からのパルス光による散乱光を受光するフォトカプラ44の受光特性に依存して、例えばT2=82μsというように一義的に決まる。
これに対し発光周期T1は、発光周期を変えることにより平均消費電流を変化させることができ、したがってバッテリー寿命を調整するためのパラメーターとして変化させることができる。
即ち発光周期T1を長く取れば、その分平均消費電流は減少してバッテリー寿命を長くすることができる。しかしながら発光周期T1が長くなると、火災検出の時間遅れが大きくなる。したがって、発光周期T1は火災検出の時間遅れを損なわない限界時間以内であることが必要となる。この火災による検出遅れをなくすための発光周期の最大時間としては、通常、30秒以内であり、例えば15秒を超えないという制約をつけることになる。
したがって本発明にあっては、発光周期T1を火災検出遅れのない15秒を超えない範囲で、バッテリー寿命5年以上を保証するように設定することになる。
図11は発光駆動回路42による赤外LED43の駆動パルスを示している。即ち、光源駆動回路42は周期T1ごとにパルス幅T2の発光駆動パルスを出力し、発光駆動パルスの消費電流はiであり、これを周期T1について時間平均した平均電流はiaとなっている。
このような図11の発光駆動パルスにおいて、平均電流iaは次式で算出される。
ia=i(T2/T1) (3)
このため発光周期T1は次式で与えられる。
T1=i(T2/ia) (4)
一方、この発光駆動における平均電流iaとバッテリー寿命年数A及び割当バッテリー容量Bとの間には次の関係式がある。
ia×(バッテリー寿命年数A)=(割当バッテリー容量B) (5)
このため、割当バッテリー容量Bと要求されるバッテリー寿命年数Aから、発光駆動における平均電流iaは次式で与えられる。
ia=(割当バッテリー容量B)/(バッテリー寿命年数A) (6)
図8に示した本発明の光源駆動回路42における消費電流i及びパルス幅T2は次のようになる。
i=360mA=3.6×105μA
T2=82μs=8.2×101μs
また本発明の火災警報器に要求されるバッテリー寿命年数Aは5年であることから、これを秒で表わすと次のようになる。
(バッテリー寿命年数A)
=5年
=(5年×60秒×60分×24時間×365日)
=1.577×108
また図10で割り当てられたバッテリー容量BはmAと時間Hの単位であることから、これをμAと秒の単位で表わすと次のようになる。
(割当バッテリー容量B)
=120mAH
=120×60秒×60分=4.32×108μAS
そこで(6)式により平均電流iaを算出すると次のようになる。
ia=(割当バッテリー容量B)/(バッテリー寿命年数A)
=(4.32×108μAS)/(1.577×108秒)
=2.74μA
このようにして得られた平均電流ia=2.74μAを(4)式に代入して発光周期t1を求めると、次のようになる。
T1 =i(T2/ia)
=(3.6×105μA)(8.2×101μs/2.74μA)
=1.077×107μs
=10.77秒
このようにして算出された発光周期T1=約11秒は、火災検出遅れの限界として決めた15秒を超えておらず、発光周期T1の設定条件を満たしている。
このように本発明にあっては、発光駆動に必要なバッテリー容量の割当てを決め、このバッテリー容量の割当てに基づいて、要求されるバッテリー寿命年数を満足する発光周期を求めて設定することで、火災警報器のトータル性能として要求されているバッテリー寿命を5年以上とすることを保証することができる。
ここで、算出された発光周期T=約11秒については、そのまま使用してもよいが、ある程度の余裕を持たせるためにマージンとして1以上の係数を掛け合わせ、例えばマージンα=1.1を掛け合せることで、T1=11.85秒=約12秒に設定してもよい。
また発光駆動バッテリー容量の配分により、T1=約11秒とするバッテリー寿命5年を満足する発光周期が計算で得られた場合、火災検出遅れの限界である発光周期15秒との間の適宜の周期を選択して設定しても良い。
なお上記の実施形態は壁掛け型の火災警報器を例にとるものであったが、本発明はこれに限定されず、バッテリーを内蔵し、火災検出の際に警報器自身で警報を行う簡易型の火災警報器であれば適宜の火災警報器につきそのまま適用することができる。また本発明は、その目的と利点を損なわない範囲で上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
本発明によるバッテリー及びバランサーの内蔵状態を示した火災警報器の実施形態の説明図 本発明の火災警報器における点検操作の説明図 本発明の火災警報器における点検スイッチ構造を示した説明図 本発明の火災警報器の裏面におけるバッテリー収納構造を示した説明図 本発明の火災警報器におけるバッテリー収納状態の説明図 本発明の火災警報器における表カバーの裏面と回路基盤を示した説明図 本発明の火災警報器で回路基盤に固定する検煙チャンバーの組立分解図 本発明の火災警報器における回路構成の実施形態を示した回路ブロック図 図8の回路構成による本発明の火災警報器の動作を示したタイムチャート 本発明の火災警報器におけるバッテリー容量の配分を示した回路ブロック図 バッテリー容量の割当配分に基づいて設定する発光周期のタイムチャート
符号の説明
1:警報器本体
2:表カバー
3:裏カバー
4:係止部
5:取付穴
6:チャンバー収納部
7:煙流入口
8:操作紐
9:リング
10:表示灯
11:音響孔
12:ビス
13:バッテリー
14:バランサー
15:壁面
16:回路基板
17:検煙チャンバー
18:点検スイッチ
19:レバー
20:バッテリー収納部
20a,20b:隔壁
21:クッション
22:スピーカー
23:プラグ
24:コネクタ
25:移報用コネクタ
26:バッテリーカバー
26a:通し孔
27:ねじ孔
36:定電圧回路
37:イニシャルリセット回路
38:発振回路
39,40:分周回路
41:単安定マルチ回路
42:光源駆動回路
43:赤外LED
44:フォトダイオード
45:散乱光検出回路
46:火災信号出力蓄積回路
47:電池電圧低下監視回路
48:ラッチ回路
49:警報音停止タイマー回路
50:表示及び移報回路
52:表示用LED
53:音声制御回路
54:遅延回路
55:音声回路用定電圧回路
56:音声合成IC回路
57:音声増幅回路
58:コネクタ
59:音声レベル調整回路
60:音声メッセージ選択制御回路
61:ビジー信号制御回路

Claims (4)

  1. 壁掛け用の係止部を上端に備えた扁平箱型の本体の内部に、バッテリーと、火災を検出するセンサ部と、前記センサ部で火災を検出した際に警報を発する警報部と、前記警報部の動作を確認する試験部とを設け、
    前記試験部にノンロックタイプの点検スイッチを設け、前記点検スイッチの操作紐を前記本体の下端中央から引き出し、
    前記警報部は、監視中に前記操作紐より前記点検スイッチがオンされた場合、警報器正常を示す音声メッセージを出力し、前記点検スイッチを連続的に繰り返しオンにして、警報器正常の音声メッセージ出力が短時間で連続して行われた場合、電池消耗の増加を示す注意警報を音声メッセージで出力することを特徴とする火災警報器。
  2. 請求項1記載の火災警報器において、
    前記警報部は、警報器正常を示す音声メッセージとして音量を抑えた火災メッセージを1回出力することを特徴とする火災警報器。
  3. 請求項1記載の火災警報器において、
    前記警報部は、火災警報の出力中に前記操作紐により前記点検スイッチがオンにされた場合に火災警報の出力を停止し、警報出力の停止から一定時間停止後に前記センサ部で火災を検出していることを条件に火災警報の出力を再開することを特徴とする火災警報器。
  4. 請求項1記載の火災警報部において、
    前記警報部は、前記バッテリーの電圧低下を検出した場合に表示灯を点滅し、前記表示灯の点滅中に前記操作紐により前記点検スイッチがオンされた場合に、ローバッテリー警報を出力し、該ローバッテリー警報として有効期限の確認を促す音声メッセージを出力することを特徴とする火災警報器。
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