JP3816654B2 - ガラスシートの縁仕上げ方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガラスシートの縁仕上げ方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ガラス仕上げの従来技術においては、典型的に、ガラスシートを所望の形状に切断し、その後、縁を研削および/または研磨して、尖った角を除去している。この作業では典型的に、ガラスシートを、例えば、研磨ダイアモンドにより被覆された研削砥石のような砥石に接触させている。フラットパネルディスプレー用のガラス基体は、このようにして仕上げられる。
【0003】
フラットパネルディスプレー用のガラス基体はしばしば、典型的にシートの縁を研削および/または研磨する最終仕上げ工程の前に、高分子フイルムにより被覆される。高分子フイルムの目的は、基体の表面を引っ掻き傷、ガラスの先端、埃、または他の空中浮遊物質から保護することにある。
【0004】
残念ながら、そのために、高分子フイルムにより砥石に負荷が加えられることとなり、このことは、製造工程にとって望ましくない。例えば、砥石をいっそう頻繁に交換または加工する必要が生じ、縁を研削する品質が低下してしまうこともある。
【0005】
【発明の構成】
本発明は、ガラスシートの縁を仕上げる方法に関するものである。本発明において、高分子フイルムがガラスシートの表面に付着している。次いで、高分子フイルムを噴射水に接触させて、ガラスシートの縁の近くにある高分子フイルムの一部を選択的に切断または除去し、その後ガラスシートの縁を研削または研磨する。好ましくは、使用する研削または研磨装置の負荷を軽くするような様式で高分子フイルムを切断する。
【0006】
例えば、ある形態において、高分子フイルムの縁部分と残りの部分を規定する所望の通路に沿って高分子フイルムに孔を開け、縁部分がガラスと高分子フイルムの残りの部分に対してヒンジ形式で移動可能となる様式で、噴射水を高分子フイルムに接触させている。この形態において、空気または液体(冷却のために使用してもよい)を用いて、高分子フイルムの縁部分が研削装置と接触しないようにし、それによって、高分子フイルムにより研削装置に負荷が加わらないようにしてもよい。
【0007】
別の形態において、噴射水を用いて高分子フイルムの縁部分を、まだガラスと接触している高分子フイルムの残りの部分から分離するように切断することにより、この縁部分を完全に除去してもよい。
【0008】
好ましくは、縁のほんの少しの部分だけを露出させて、ガラスシートの表面の大部分が高分子フイルムにより保護された状態にする。最も好ましくは、縁の高分子領域を除去または浮き上がらせることにより、ガラスシートの外縁の0.5mmから5mmまでを露出させる。
【0009】
本発明により、ガラスシートを被覆する保護高分子フイルムが研削装置に不必要に負荷を加えることなく、ガラスシートの縁の仕上げを容易にする。本発明は特に、フラットパネルディスプレー用のガラス基体の製造に有用である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す実施の形態を参照して本発明を詳細に説明する。
【0011】
図1は、高分子フイルム12が付着したガラスシート10が、ダイアモンド砥石を用いた研磨研削砥石14により研削および研磨されている、本発明による工程を示している。このような研削砥石14のガラス接触表面は典型的に、ガラスシートの縁の角を研削する凹面形状を有している。ガラスシート10の縁を研削砥石14に接触させる前に、高分子フイルム12の外側の縁を、水噴射装置18により推進される高速の水流16と接触させる。
【0012】
水流16は、研削または錬磨すべきガラスシート10の縁に比較的近い区域の高分子フイルムに孔を開けるかまたは切断する。好ましい実施の形態において、水噴射装置18によるこの接触は、ガラスシートの外縁の0.5mmから5mmまでの部分で行われる。このようにして、縁に沿って(平行な)シートの大部分は、研削または研磨操作中に保護された状態のままである。
【0013】
好ましい実施の形態において、図2に示したように、水流16と接触させることにより高分子フイルム12に孔を開け、高分子フイルム12の残りの部分とヒンジ形式で接続されている高分子フイルム12の外縁領域12aを形成する。このような孔開けは、例えば、脈動する水噴射装置18を用いることにより、またはあるときには高分子フイルム12を貫通し、あるときには貫通しないように、水噴射装置18から放出される水の圧力を操作することにより行ってもよい。
【0014】
その結果、図1に示した水噴霧装置20を用いて、研削作業中に、研削砥石14を冷却し、かつ高分子フイルムの外縁12aをガラスシートの縁から離して推進させても差し支えない。したがって、好ましい実施の形態においては、噴射水または他の液流または気流を用いて研削作業から離して推進させるまたは曲げる。
【0015】
高分子フイルムは、例えば、ポリエチレンフイルムからなっていてもよい。このようなフイルムは、例えば、接着剤、例えば、水性アクリル接着剤を用いて付着させてもよい。水性接着剤を使用することにより、水洗による除去が容易になる。ある実施の形態において、水噴射装置18は、直径が0.005インチのノズル開口部を備え、水はそこを通過して、4800psiで放出される。この種類の水噴射装置を用いて、水噴射装置18に関して、ガラスを1分当たり4.5メートルの速度で移動させ、それによって、水性アクリル接着剤を用いて施された低密度ポリエチレンフイルムからなる高分子フイルム(約90ミクロン、または0.0035インチ厚)に穿孔線を形成してもよい。
【0016】
説明を目的として本発明を詳細に説明してきたが、このような詳細はこの目的のためだけであり、請求項により定義されている本発明の精神および範囲から逸脱せずに、当業者は様々な変更を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による方法を示す斜視図
【図2】図1の斜視図
【符号の説明】
10 ガラスシート
12 高分子フイルム
14 研削砥石
16 水流
18 水噴射装置
20 水噴霧装置

Claims (8)

  1. ガラスシートの縁を研削または研磨する方法であって、
    高分子フイルムをガラスシートの表面に付着させ、
    該高分子フイルムを噴射水に接触させて、該高分子フイルムの一部を切断し、
    研削または研磨装置を用いて、該シートの少なくとも1ヶ所の縁を研削または研磨する各工程からなり、
    前記高分子フイルムの切断により、該高分子フイルムによる前記研削または研磨装置の負荷が軽減されることを特徴とする方法。
  2. ガラスシートの縁を研削または研磨する方法であって、
    高分子フイルムをガラスシートの表面に付着させ、
    噴射水により所望の通路に沿って前記高分子フイルムを穿、該通路の一方の側の前記高分子フイルムの縁部分および該通路の他方の側の該高分子フイルムの残りの部分を定、該縁部分と前記残りの部分との接続を、前記通路に沿った穿孔を介して、ヒンジ形式にし、
    研削または研磨装置を用いて、該シートの少なくとも1ヶ所の縁を研削または研磨する各工程からなり、
    前記高分子フイルムの穿孔により、該高分子フイルムによる前記研削または研磨装置の負荷が軽減されることを特徴とする方法。
  3. 前記研削および研磨工程が、該研削または研磨工程中に、前記縁部分を前記通路に沿って、前記研削または研磨装置と接触しないように曲げる工程を含むことを特徴とする請求項2記載の方法。
  4. 前記縁部分を離して曲げる工程が、該縁部分を液体材料または気体材料と接触させて、該縁部分を前記研削または研磨真部分と接触しないように曲げる工程からなることを特徴とする請求項3記載の方法。
  5. 前記接触工程において形成された前記縁部分が、前記ガラスシートの縁から0.5mmから5mmまでの間にあることを特徴とする請求項2記載の方法。
  6. 前記高分子フイルムが前記シートの少なくとも1つの縁に対して平行な通路で穿孔されることを特徴とする請求項2記載の方法。
  7. 前記接触工程が、前記高分子フイルムを前記縁に対して平行な線に沿って連続的に切断し、それによって、該高分子フイルムの一部を前記シートの縁から選択された距離だけ除去する工程を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
  8. 前記選択された距離が、前記シートの縁から0.5mmから5mmまでの間にあり、それによって、前記シートの外側の縁が露出されることを特徴とする請求項7記載の方法。
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