JP3816350B2 - 溝の穿孔方法及び溝穿孔機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、トンネル掘削などを行う際に、露出している岩盤に複数のスリット状の溝を形成する方法と、上記岩盤を除去する無発破工法に用いられる溝穿孔機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、トンネルなどを掘り進む際には、岩盤に爆発孔を穿孔して、この爆発孔にダイナマイトなどの爆薬を装填して上記岩盤を破砕する発破工法が採用されてきた。しかし、このような発破工法は、爆破時に大きな振動や騒音が発生し周辺環境に悪影響を及ぼすだけでなく、上記爆破により、周辺地盤が緩むなど作業安全上も問題があった。そこで、近年、先端部に穿孔ビットを備えた穿孔機を用いて、岩盤に複数のスロット(スリット状の溝)を形成した後、割岩機等を用いて残存する岩盤を破砕してトンネルを構築する無発破工法が多く用いられるようになってきている。
図11(a)〜(c)は、従来の穿孔機50による無発破工法の一例を示す図である。この穿孔機50は、先端に穿孔ビット51を有し、駆動装置52により回転しながら前進して岩盤53を掘削する穿孔ロッド54と、上記駆動装置52とは別個に設けられた駆動装置55により回転しながら前進する案内ロッド56とを備えたもので、隣接する先行穿孔57に上記案内ロッド56を挿入し、上記案内ロッド56と穿孔ロッド54とを同時に穿孔方向に前進させ、上記先行穿孔57と下方で連通する穿孔58を形成するようにしたものである。なお、59は上記案内ロッド56の後端部に設けられ、案内ロッド56の挿入深さを規制する規制部材で、穿孔ロッド54は、上記規制部材59に設けられた貫通孔59s内を上記規制部材59に接触しない状態で移動する。
【0003】
しかしながら、上記構成の穿孔機50では、上記案内ロッド56と穿孔ロッド54とを同時に移動させるため、穿孔の衝撃で先行穿孔57の孔荒れが生じ易く、特に、孔荒れがひどい場合には、案内ロッド56の前進が阻害されてしまい、穿孔ロッド54を所定の距離まで前進させることができないといった問題点があった。
また、上記穿孔機50では、穿孔57,58が連続しているため、穿孔ロッド54の進行方向が案内ロッド56側に曲がりやすく、そのため、穿孔ビット51が案内ロッド56を破損させたり、穿孔ロッド54が上記貫通孔59sに接触するなどして穿孔ロッド54に大きな負荷がかかってしまい、穿孔ができなくなってしまうといった問題点があった。
【0004】
そこで、図12(a)に示すように、案内ロッド61を岩盤62に予め形成された先行穿孔63内に挿入するとともに、上記案内ロッド61の後端部を、穿孔ロッド64を支持する基台65上に取付けられたブラケット66に固定し、穿孔ロッド64のみを回転させながら前進させて、連通する穿孔63,67を形成するような構成の穿孔機60が提案されている(例えば、特開平8−291687号公報)。この穿孔機60では、図12(b)に示すように、穿孔ビット64Kの周辺部が、案内ロッド61の軸部61Jの外周側に回転可能に支持された筒状部材61sと接触しながら回転するので、穿孔ビット64Kと案内ロッド61間の摩擦力を減少させることができる。したがって、案内ロッド61を破損させることなく、案内ロッド61と穿孔ロッド64との間の岩盤を破砕し、重なりの大きなスリット状の穿孔63,67を形成することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記穿孔機60では、新たな穿孔67が先行穿孔63と重なる部分が大きいので掘削効率が低いだけでなく、上記穿孔67が先行穿孔63と平行でないので、削岩機構を持たない案内ロッド61を、次の先行穿孔である上記穿孔67に安定して挿入することができず、特に孔荒れが生じた場合などは、掘削ができなくなる事態が発生し易いといった問題点があった。
また、上記穿孔機60においても、上記穿孔機50と同様に、穿孔ロッド64は常に案内ロッド61側に曲がりながら穿孔するので、穿孔ロッド64の撓み等により案内ロッド61の位置が不安定となり易い。すなわち、案内ロッド61の進行方向と穿孔ロッド64の進行方向とが一致しない状態で穿孔作業を行うことになるため、穿孔が不能となる事態が生じてしまういった問題点があった。
【0006】
本発明は、従来の問題点に鑑みてなされたもので、岩盤に互いに平行な一定間隔の溝を穿孔する方法と、それに使用される溝穿孔機を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載の溝の穿孔方法は、先行穿孔に案内ロッドを挿入するとともに、上記案内ロッドと先端に穿孔ビットを備えた穿孔ロッドとを、一端が上記穿孔ロッドが装着されるアダプタの外周側に連結され、他端が上記案内ロッドにスライド可能に配設された、上記案内ロッドに沿ってスライドするリニアガイドを介して連結して、穿孔ロッドと案内ロッドとの距離を一定に保持しながら溝を穿孔するようにしたことを特徴とするもので、これにより、互いに平行な一定間隔の溝を穿孔することが可能となる。
請求項2に記載の溝の穿孔方法は、溝形成後に、上記案内ロッドを先行穿孔から抜き出すことなく、新たに形成した溝内に移動させるようにしたことを特徴とするもので、これにより、案内ロッドを直ちに新たに形成した溝内にセットすることが可能となる。
【0008】
また、請求項3に記載の溝穿孔機は、先行穿孔に挿入される案内ロッドと、先端に穿孔ビットを備えた穿孔ロッドと、一端が上記穿孔ロッドが装着されるアダプタの外周側に連結され、他端側が上記案内ロッドにスライド可能に配設された、上記案内ロッドに沿ってスライドするリニアガイドとを備えたことを特徴とするもので、これにより、穿孔ロッドを、案内ロッドに対して一定の距離を保持ながら、案内ロッドに沿って移動させることが可能となる。
請求項4に記載の溝穿孔機は、上記リニアガイドを上記穿孔ロッドの先端側に設けたことを特徴とするもので、これにより、穿孔ロッドを、案内ロッドに沿って安定して移動させることが可能となる。
請求項5に記載の溝穿孔機は、上記リニアガイドを、上記案内ロッド内にスライド可能に配設されたガイド部材と、上記穿孔ロッドが装着されたアダプタの外周側に設けられたホルダ部材と、上記ガイド部材とホルダ部材とを連結するとともに、上記穿孔ロッドと上記案内ロッド間の距離を規制する連結部材とから構成したもので、これにより、簡単な構成で、穿孔ロッドを案内ロッドに対して一定の距離を保持ながら移動させることが可能となる。
請求項6に記載の溝穿孔機は、上記リニアガイドの穿孔方向側に、破砕用の硬質部材を設け、先に穿孔された溝と新たに穿孔された溝との間のブリッジ部となる岩盤を破砕し、スリット状の穿孔を形成するようにしたものである。
請求項7に記載の溝穿孔機は、上記案内ロッドを円筒状として、ガイド部材が案内ロッド内部をスライド可能とするとともに、孔壁を保護するようにしたものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づき説明する。
図1〜図3は本実施の形態に係わる溝穿孔機10の要部を示す図で、図1は側面図、図2は斜視図、図3は要部断面図である。各図において、11は先端にキャップ12が装着され、他端が後述する支持部材13に固定され、岩盤1に形成された先行穿孔である第1孔2に挿入される円筒状の案内ロッド、14はアダプタ14aと、このアダプタ14aに装着され、先端に岩盤1を掘削する穿孔ビット14bを有するロッド本体14cと、中継ロッド14dとから成る穿孔ロッド、15は一端が上記穿孔ロッド14のアダプタ14aの外周側に連結され、他端が上記案内ロッド11内にスライド可能に配設され、穿孔ロッド14の前進あるいは後退に連動して移動するリニアガイドで、このリニアガイド15の穿孔方向側には、破砕用の硬質部材である先端が略V字状の超硬チップ16が配設されている。また、17はガイドセルであり、18は上記ガイドセルの先端側に設けられた規制部材である。
上記ガイドセル17には、図4(a),(b)に示すように、穿孔ロッド14に接続され、上記穿孔ロッド14に回転及び打撃を与える駆動装置19が搭載されており、この駆動装置19は上記ガイドセル17上において、ガイドセル17の延長方向にスライドする。すなわち、穿孔ロッド14は、図4(a)に示すように、スリーブ20を介して、上記駆動装置19の駆動軸19Jの先端側に接続されている。詳細には、中継ロッド14dの一端側と上記アダプタ14aの後端部とが螺接され、上記中継ロッド14d他端側が上記スリーブ20に連結され、穿孔作業時には、図4(b)に示すように、上記駆動装置19により穿孔ロッド14を上記駆動軸19Jの回転に従って回転させながら、駆動装置19を上記ガイドセル17の先端方向にスライドさせて、穿孔ロッド14の先端部に設けられた穿孔ビット14bにより、岩盤1を掘削する(図1参照)。
また、案内ロッド11は、上記ガイドセル17上の上記穿孔ロッド14側に設けられた、上記ガイドセル17から垂直に突出する板状の支持部材13に、上記穿孔ロッド14と平行になるように固定される。具体的には、上記キャップ12とは反対側の端部の外周側にフランジ等の接続部材11sを溶接等により取り付け、上記接続部材11sを介して、案内ロッド11を上記支持部材13にナット等を用いて締結する。
なお、本例では、岩盤1の上部から下部に向かって順に溝を形成するため、図2に示すように、支持部材13の上記穿孔ロッド14の上側に案内ロッド11を取付けるようにしたが、案内ロッド11の取り付け位置はこれに限定されるものではなく、例えば、岩盤の左側から右方向に順に溝を形成する場合には、穿孔ロッド14の左側に案内ロッド11を取付けるなど、穿孔作業の手順に応じて適宜決定されることは言うまでもない。
【0010】
また、リニアガイド15は、案内ロッド11内にスライド可能に配設されたガイド部材15aと、穿孔ロッド11の外周側に設けられたホルダ部材15bと、上記ガイド部材15aとホルダ部材15bとを連結する、案内ロッド11の長さ方向に延長する板状の連結部材15cとから構成される。
ガイド部材15aとしては、案内ロッド11内をスライド可能であれば、形状は特に限定されないが、案内ロッド11の内壁に、若干のクリアランスを有して内接する円筒状であることが好ましい。本例では、図5(a),(b)に示すように、ガイド部材15aを、ホルダ部材15b側(下側)に上記連結部材15cを挿入するための凹部15pを形成した円筒状とし、更に、ズリや水の排出を行うとともに、摺動抵抗を少なくするため、上記ガイド部材15aの側面に切り欠き部15nを設けた。
一方、ホルダ部材15bとしては、例えば、穿孔ロッド14の外周側に設けられた、アダプタ14aとは同心円状でかつ穿孔ロッド14の長さ方向に延長する円筒状の部材を用いることができる。この円筒状の部材のガイド部材15a側(上側)で、上記凹部15pと対向する位置には、上記連結部材15cを挿入するための凹部15qが形成されている。
上記ガイド部材15a側の凹部15pと上記ホルダ部材15b側の凹部15qとに上記連結部材15cの両側面の端部をそれぞれ挿入し、溶接あるいは接着等により固定して形成されたリニアガイド15は、ガイド部材15aと案内ロッド11とのクリアランスの範囲内において、穿孔ロッド14と案内ロッド11との間隔を、上記連結部材15cの幅によって規制することができる。
したがって、上記構成のリニアガイド15を用いることにより、穿孔ロッド14を、案内ロッド11と所定の距離を保持しながら、上記案内ロッド11に沿って移動させることが可能となる。
【0011】
次に、本発明の溝穿孔機10によるスロット穿孔作業について説明する。
まず、図6(a)に示すように、ガイドセル17を岩盤1方向に移動させ、上記ガイドセル17の先端側に設けられた規制部材18を岩盤1の掘削面に当接させた後、駆動装置19により、穿孔ロッド14の先端に設けられた穿孔ビット14bを回転させるとともに、上記駆動装置19をガイドセル17上において岩盤1方向にスライドさせることにより、岩盤1を掘削しながら穿孔ロッド14を上記岩盤1内に所定の距離だけ送り込んで穿孔し、案内ロッド11を挿入するための第1孔2を先行削孔する。
次に、上記駆動装置19を元の位置に戻して穿孔ロッド14を上記第1孔2から引き抜き、ガイドセル17を岩盤1とは反対の方向に移動させた後、図6(b)に示すように、フランジ等の接続部材11sを用いて、案内ロッド11を支持部材13に固定するとともに、リニアガイド15を穿孔ロッド14の先端側に装着する。その後、再びガイドセル17を岩盤1方向に移動させ、図6(c)に示すように、規制部材18を岩盤1の掘削面に当接させる。これにより、案内ロッド11を上記第1孔2の奥まで挿入させるとともに、穿孔ビット14bの先端位置を上記先行削孔時と略同じ位置に設定することができる。なお、本例では、案内ロッド11の先端に、先端径が上記第1孔2よりも小さなキャップ12を取り付けることにより、案内ロッド11の挿入を容易にしている。
【0012】
次に、駆動装置19を稼動させて穿孔ビット14bを回転させるとともに、駆動装置19をスライドさせ、図7(a)に示すように、岩盤1を掘削しながら穿孔ロッド14を上記岩盤1内に所定の距離だけ送り込む。
本実施の形態の溝穿孔機10においては、穿孔ロッド14は、その先端部がリニアガイド15に一体に連結されており、かつ、リニアガイド15のガイド部材15aが上記案内ロッド11内をスライドするように構成されているので、穿孔ロッド14は、案内ロッド11に対して一定の距離を保持ながら、案内ロッド11に沿って岩盤1内に送り込まれる。これにより、先行穿孔である第1孔2と一定の間隔を保持した、上記第1孔2と同型の第2孔3を穿孔することができる。
第2孔3の穿孔が終了すると、図7(b)に示すように、上記駆動装置19を元の位置に戻して穿孔ロッド14と案内ロッド11とを、それぞれ、第2孔3及び第1孔2から引き抜く。
本実施の形態の溝穿孔機10においては、図3及び図8(a)に示すように、リニアガイド15の穿孔方向側に破砕用の硬質部材である超硬チップ16が設けられているので、穿孔の際には、上記第1孔2と第2孔3との間の岩盤が上記超硬チップ16により同時に削られて、図8(b)に示すように、上記第1孔2と第2孔3との間がスリット状の空隙4によって連結される。すなわち、上述した先端が略V字状の超硬チップ16が、穿孔ロッド14に伝達される岩盤破砕時の振動を受けて振動しながら、穿孔ロッド14に連動して岩盤1内を前進することにより、上記第1孔2と第2孔3との間の岩盤を、上記第2孔3の穿孔と同時に破砕するので、穿孔ロッド14を効率よくかつ確実にスムースに前進させることができるとともに、スリット状の空隙4によって上記第1孔2と第2孔3との間を連結することが可能となる。
また、リニアガイド15の後部側にも超硬チップ16を設けるようにすれば、穿孔時に発生したズリが上記スリット状の空隙4に挟まったりした場合などには、これを取り除くことができる。
【0013】
次いで、図9(a)に示すように、案内ロッド11を上記新たに穿孔された第2孔3に挿入し、上記の方法と同様に、上記第2孔3の下部の、上記第2孔3と一定の距離を隔てた箇所に第3孔5を穿孔する。上記第3孔5の穿孔が終了すると、図9(b)に示すように、上記駆動装置19を元の位置に戻して穿孔ロッド14と案内ロッド11とを、それぞれ、第2孔3及び第3孔5から引き抜く。
以上の作業を繰り返し、必要なスロット幅までスロット穿孔を連続して行う。
【0014】
このように、本実施の形態によれば、先行穿孔(第1孔2)に挿入される案内ロッド11と、先端に穿孔ビット14bを備えた穿孔ロッド14とを、上記案内ロッド11内にスライド可能に配設されたガイド部材15aと、上記穿孔ロッド14の外周側に設けられたホルダー部材15bとを連結部材15cで連結したリニアガイド15により連結し、上記穿孔ロッド14が案内ロッド11に対して一定の距離を保持ながら、案内ロッド11に沿って移動させることができるようにしたので、互いに平行な一定間隔の溝(第1孔2,第2孔3,第3孔5,‥)を確実に穿孔することができる。また、上記各溝は重なり合うことがないので、穿孔効率を向上させることができる。
なお、上記各穿孔2,3,5,‥‥間のブリッジ部となる岩盤は、上述したように、リニアガイド15に設けられた超硬チップ16により破砕されるので、スリット状の溝を形成することができる。
【0015】
なお、本実施の形態においては、先端にキャップ12が装着された案内ロッド11を用いたが、キャップ12を省略してもよい。
また、案内ロッドとしては、図10(a),(b)に示すように、例えば、先行穿孔である第1孔2の内径よりも小さな径を有する円柱状の案内ロッド11A、あるいは、穿孔ロッド14に垂直な平板状の案内ロッド11Bなどのように、断面の穿孔ロッド14方向の幅が、上記超硬チップ16の幅よりも若干大きめな柱状体から構成するようにしてもよい。上記案内ロッド11A,11Bは断面の幅が狭いので、穿孔ロッド14のみを引き抜き、上記案内ロッド11A,11Bを先行穿孔である第1孔2から引き抜かすに、下方側(新たに形成された溝側)に押し下げれば、上記案内ロッド11A,11Bを上記新たに形成された溝内にそのまま落とし込むことが可能となる。
すなわち、各穿孔2,3,5,‥‥間のブリッジ部となる岩盤は、超硬チップ16により破砕されているので、周囲の岩盤は薄くまた強度も小さい。したがって、穿孔ロッド14を引き抜いた後、上記案内ロッド11A,11Bを下方に押し下げれば周囲の岩盤が破砕され、上記案内ロッド11A,11Bを新たに形成された溝内に移動させることができる。
なお、岩盤1の強度が弱い場所であれば、本例の案内ロッド11でも、周囲の岩盤を破砕しながら新たに形成された溝内に移動させることが可能であるが、案内ロッドの幅としては、上記のように、先行穿孔の幅の2/3〜1/2以下で、超硬チップ16の幅よりも若干大きめな柱状体から構成するほうが案内ロッドを確実に移動させることできる。
また、上記のような円柱状の案内ロッド11A、あるいは、平板状の案内ロッド11Bを用いる場合には、上記案内ロッド11A,11B内に中空部を設けてガイド部材を配置するよりは、図10(a),(b)に示すように、ガイド部材14A,14Bを、上記案内ロッド11A,11Bの外周側をスライドするように構成する方がリニアガイドの製造が容易である。
【0016】
【発明の効果】
以上説明したように、先行穿孔に挿入される案内ロッドと、先端に穿孔ビットを備えた穿孔ロッドと、一端が上記穿孔ロッドが装着されるアダプタの外周側に連結され、他端側が上記案内ロッドにスライド可能に配設された、上記案内ロッドに沿ってスライドするリニアガイドととを備えた溝穿孔機を用いることにより、穿孔ロッドを、案内ロッドに対して一定の距離を保持ながら、案内ロッドに沿って移動させることが可能となるので、互いに平行な一定間隔の溝を確実に穿孔することができ、穿孔効率を著しく向上させることができる。
また、上記リニアガイドの穿孔方向側に、破砕用のチップ材を設けることにより、先に穿孔された溝と新たに穿孔された溝との間のブリッジ部となる岩盤を効率よくかつ確実に破砕することができるので、穿孔ロッドの前進を容易にすることができるとともに、スリット状の溝を容易に形成することができる。
更に、溝形成後に、上記案内ロッドを先行穿孔から抜き出すことなく、新たに形成した溝内に落とし込むようにすることより、案内ロッドを直ちに上記新たな溝内にセットすることができ、作業効率を更に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係わる溝穿孔機の要部の概要を示す側面図である。
【図2】 本実施の形態に係わる溝穿孔機の要部を示す斜視図である。
【図3】 本実施の形態に係わる溝穿孔機の要部断面図である。
【図4】 本実施の形態に係わる溝穿孔機の構成を示す図である。
【図5】 本実施の形態に係わるリニアガイドの一構成例を示す図である。
【図6】 本実施の溝穿孔機による穿孔作業手順を示す図である。
【図7】 本実施の溝穿孔機による穿孔作業手順を示す図である。
【図8】 本実施による穿孔の形状を示す図である。
【図9】 本実施の溝穿孔機による穿孔作業手順を示す図である。
【図10】 本発明に係わる溝穿孔機の他の構成を示す図である。
【図11】 従来の溝穿孔機の構成を示す図である。
【図12】 従来の溝穿孔機の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 岩盤、2 第1孔、3 第2孔、4 スリット状の空隙、5 第3孔、
10 溝穿孔機、11 案内ロッド、11s 接続部材、12 キャップ、
13 支持部材、14 穿孔ロッド、14a アダプタ、14b 穿孔ビット、
14c ロッド本体、14d 中継ロッド、15 リニアガイド、15a ガイド部材、15b ホルダ部材、15c 連結部材、16 超硬チップ、
17 ガイドセル、18 規制部材、19 駆動装置、19J 駆動軸、
20 スリーブ。
Claims (7)
- 先行穿孔に案内ロッドを挿入するとともに、上記案内ロッドと先端に穿孔ビットを備えた穿孔ロッドとを、一端が上記穿孔ロッドが装着されるアダプタの外周側に連結され、他端が上記案内ロッドにスライド可能に配設された、上記案内ロッドに沿ってスライドするリニアガイドを介して連結して、穿孔ロッドと案内ロッドとの距離を一定に保持しながら溝を穿孔するようにしたことを特徴とする溝の穿孔方法。
- 溝形成後に、上記案内ロッドを先行穿孔から抜き出すことなく、新たに形成した溝内に移動させるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の溝の穿孔方法。
- 先行穿孔に挿入される案内ロッドと、先端に穿孔ビットを備えた穿孔ロッドと、一端が上記穿孔ロッドが装着されるアダプタの外周側に連結され、他端側が上記案内ロッドにスライド可能に配設された、上記案内ロッドに沿ってスライドするリニアガイドとを備えたことを特徴とする溝穿孔機。
- 上記リニアガイドを上記穿孔ロッドの先端側に設けたことを特徴とする請求項3に記載の溝穿孔機。
- 上記リニアガイドを、上記案内ロッド内にスライド可能に配設されたガイド部材と、上記穿孔ロッドが装着されたアダプタの外周側に設けられたホルダ部材と、上記ガイド部材とホルダ部材とを連結するとともに、上記穿孔ロッドと上記案内ロッド間の距離を規制する連結部材とから構成したことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の溝穿孔機。
- 上記リニアガイドの穿孔方向側に、破砕用の硬質部材を配設したことを特徴とする請求項3〜請求項5のいずれかに記載の溝穿孔機。
- 上記案内ロッドを円筒状としたことを特徴とする請求項3〜請求項6のいずれかに記載の溝穿孔機。
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