JP2009019463A - ガイドロッド付き穿孔装置 - Google Patents

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Kenji Hirose
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Abstract

【課題】ドリフタに設けられた打撃部により打撃される穿孔ロッド4と、穿孔ロッドと平行なガイドロッド7とを備え、穿孔済みの既設孔H1にガイドロッド7を挿入した状態で既設孔に隣接する位置に既設孔に連続する連続孔H2を穿孔ロッドの前端の穿孔ビット5で穿孔するガイドロッド付き穿孔装置において、孔曲りを生ずることなく連続孔を穿孔できるようにする。
【解決手段】穿孔ビット5を、親ビット部51と、親ビット部の前方に突出する、親ビット部と同心で且つ親ビット部より小径の子ビット部52とを備えるものに構成する。親ビット部51からの子ビット部52の突出長さLは穿孔ビット5の打撃ストロークSより長くする。また、子ビット部52により穿孔される先導孔H2aと既設孔H1との間に残すべき岩盤部分Waが先導孔の穿孔時に破壊されないように、親ビット部51と子ビット部52の外径差を設定する。
【選択図】図2

Description

本発明は、穿孔済みの既設孔に隣接する位置に既設孔に連続する連続孔を穿孔するためのガイドロッド付き穿孔装置に関する。
従来、この種の穿孔装置として、ジャンボのブーム等に取付けられるガイドセル上に前後方向に移動自在に支持されるドリフタと、ドリフタと一緒に前進する前後方向に長手の穿孔ロッドと、穿孔ロッドと平行に設けられた前後方向に長手のガイドロッドとを備えるものは知られている(例えば、特許文献1参照)。
そして、このものでは、穿孔済みの既設孔にガイドロッドを挿入した状態でドリフタを前進させ、既設孔に隣接する位置に既設孔に連続する連続孔を穿孔ロッドの前端に取付けた穿孔ビットで穿孔する。
尚、特許文献1に記載のものは、ドリフタに設けた油圧モータ等により穿孔ロッドを回転させる回転式穿孔装置であるが、ドリフタに穿孔ロッドを打撃する打撃部を設け、穿孔ロッドの前端に取付けた穿孔ビットで岩盤を打撃して、岩盤を小割破砕することにより穿孔する打撃式穿孔装置も知られている(例えば、特許文献2参照)。打撃式穿孔装置は硬い岩盤の穿孔に適している。このような穿孔装置においても、穿孔ロッドと平行なガイドロッドを設けることにより、連続孔を穿孔できる。
然し、打撃式穿孔装置を用いると、連続孔が既設孔側に曲がりやすくなる。その理由は、岩盤面を穿孔ビットが打撃する際、既設孔が自由面となって既設孔側の角が破壊されやすくなり、この角が破壊することで穿孔ビットが既設孔側にずれるためである。尚、既設孔に挿入するガイドロッドにより孔曲りはある程度抑制できるが、既設孔の内面とガイドロッドの外周面との間にはガイドロッドを挿入するための若干のクリアランスを設けざるを得ず、このクリアランス分の孔曲りは避けられない。また、ガイドロッドをガイドセルに固定する場合、ガイドロッドがあまり長いと既設孔へのガイドロッドの挿入作業が面倒になるため、ガイドロッドの長さは通常1m弱に設定されており、穿孔すべき孔の長さがガイドロッドの長さを越えた場合、ガイドロッドより先の部分の穿孔時に孔曲りをガイドロッドで抑止することができなくなる。そして、何個もの連続孔を穿孔すると、トータルの孔曲り量はかなり大きくなってしまう。また、穿孔ビットが既設孔側にずれることで、既設孔に挿入されているガイドロッドが穿孔ビットにより打撃されて損傷することもある。
特開平9−279976号公報 特開平11−107670号公報
本発明は、以上の点に鑑み、打撃式であるにも拘らず、孔曲りを生ずることなく連続孔を穿孔できるようにしたガイドロッド付き穿孔装置を提供することをその課題としている。
上記課題を解決するために、本発明は、ガイドセル上に前後方向に移動自在に支持されるドリフタと、ドリフタに設けられた打撃部により打撃されつつドリフタと一緒に前進する前後方向に長手の穿孔ロッドと、穿孔ロッドと平行に設けられた前後方向に長手のガイドロッドとを備え、穿孔済みの既設孔にガイドロッドを挿入した状態で既設孔に隣接する位置に既設孔に連続する連続孔を穿孔ロッドの前端に取付けた穿孔ビットで穿孔するガイドロッド付き穿孔装置において、穿孔ビットは、親ビット部と、親ビット部の前方に突出する、親ビット部と同心で且つ親ビット部より小径の子ビット部とを備え、親ビット部からの子ビット部の突出長さは穿孔ビットの打撃ストロークより長いことを特徴とする。
本発明によれば、親ビット部で穿孔された孔部の前方の岩盤面に子ビット部により小径の先導孔が穿孔される。また、子ビット部の突出長さは打撃ストロークより長いため、先導孔の穿孔後に子ビット部が打撃ストローク分後退しても、子ビット部は先導孔から抜け出ない。そして、親ビット部が岩盤面を打撃する際に既設孔側の角が破壊されても、既設孔側への穿孔ビットのずれは先導孔に嵌合する子ビット部により阻止され、穿孔ビットの直進性が確保される。その結果、孔曲りを生ずることなく連続孔を穿孔できる。また、ガイドロッドが穿孔ビットで打撃されて損傷することも防止できる。
尚、子ビット部により穿孔される先導孔と既設孔との間に残すべき岩盤部分(ロックピラー)が先導孔の穿孔時に破壊されると、子ビット部によるずれ防止機能が得られなくなる。ここで、ロックピラーは、岩盤のせん断強度が高くなるほど破壊されにくくなり、先導孔の長さ(子ビット部の突出長さ)が長くなるほど、また、ロックピラーの厚さが薄くなるほど破壊されやすくなる。そして、穿孔すべき岩盤のせん断強度と子ビット部の突出長さとに応じて、ロックピラーが破壊されないようにするのに必要なロックピラーの厚さが決まり、このロックピラーの厚さに応じて親ビット部と子ビット部の外径差も決まる。従って、穿孔すべき岩盤のせん断強度と子ビット部の突出長さとに基づいて親ビット部と子ビット部の外径差を適切に設定すれば、ロックピラーが先導孔の穿孔時に破壊されないようにすることができる。
また、本発明において、穿孔ビットは、親ビット部の後方に位置する、親ビット部と同径のスタビライザ部を備えることが望ましい。これによれば、親ビッドで穿孔された孔部にスタビライザ部が嵌合して、スタビライザ部によっても穿孔ビットのずれが抑制され、穿孔ビットの直進性が一層向上する。
図1は、岩盤Wに、穿孔済みの既設孔H1に隣接させて既設孔H1に連続する連続孔H2(図2参照)を穿孔する本発明の実施形態の穿孔装置を示している。この穿孔装置は、図外のジャンボのブーム等に取付けられる前後方向に長手のガイドセル1を備えており、ガイドセル1上にドリフタ2が前後方向に移動自在に支持されている。ガイドセル1の前部にはセントラライザ3が固定されており、セントラライザ3に前後方向に長手の穿孔ロッド4が挿通支持されている。穿孔ロッド4の前端には後記詳述する穿孔ビット5が取付けられている。
ドリフタ2には、油圧により前後動するピストン6aを内蔵する打撃部6が設けられている。打撃部6には、ピストン6aで打撃されるシャンクロッド6bが前後動自在且つ抜き取り不能な状態で配設され、このシャンクロッド6bの前端にスリーブジョイント6cを介して穿孔ロッド4の後端が連結されている。ドリフタ2には、更に、図示省略した油圧モータが設けられており、穿孔ロッド4に油圧モータにより回転力を付与するようにしている。また、シャンクロッド6bを含む穿孔ロッド4は、空打ちを防止するために常時前方に付勢されている。
また、セントラライザ3には、前後方向に長手のガイドロッド7が穿孔ロッド4と平行に取付けられている。ガイドロッド7の穿孔ロッド4側の側面には、図3に示す如く、穿孔ビット5に対する逃げとなる凹欠部7aが形成されている。
連続孔H2の穿孔に際しては、先ず、図1に示す如く、既設孔H1にガイドロッド7を挿入し、穿孔ロッド4を既設孔H1を基準にして位置決めする。次に、図2に示す如く、穿孔ロッド4を打撃部6により打撃しつつドリフタ2と一緒に前進させ、穿孔ロッド4の前端の穿孔ビット5により岩盤Wを打撃して連続孔H2を穿孔する。
穿孔ビット5は、図4に示すように、親ビット部51と、親ビット部51の前方に突出する、親ビット部51と同心で且つ親ビット部51より小径の子ビット部52とを備えている。穿孔ビット5は、更に、親ビット部51の後方に位置させて、親ビット部51と同径の所定長さのスタビライザ部53を備えている。スタビライザ部53の外周面には、前後方向に長手の溝53aが周方向の間隔を存して複数形成されている。各溝53aは周方向に若干傾斜しており、穿孔により生ずる屑が穿孔ビット5の回転で後方に送り出されるようにしている。尚、ここでいう親ビット部51と同径のスタビライザ部53には、穿孔ビット5の回転時の抵抗を軽減するために、親ビット部51の外径よりも僅かに(2〜3mm)小径にしたものも含まれる。
かかる穿孔ビット5を用いると、親ビット部51で穿孔された連続孔H2の部分の前方の岩盤面に、図2に示す如く、子ビット部52により先導孔H2aが穿孔される。ここで、親ビット部51からの子ビット部52の突出長さLは穿孔ビット5の打撃ストロークSより長くなっている。例えば、打撃ストロークSが15mmであれば、子ビット部52の突出長さLは45〜60mmに設定される。
尚、打撃ストロークSとは、次のように定義されるものである。打撃部6のピストン6aでシャンクロッド6bを打撃すると、打撃力が穿孔ロッド4を介して穿孔ビット5に伝達され、伝達された打撃力でもって穿孔ビット5の前方岩盤を破壊する。然し、打撃力の一部は岩盤の破壊エネルギーとはならず、反発力になる。そして、この反発力により穿孔ビット5が後退する。この後退長さが打撃ストロークSである。尚、反発力は穿孔すべき岩盤の圧縮強度によって異なり(圧縮強度が高ければ反発力は大きくなる)、打撃ストロークSも穿孔すべき岩盤の圧縮強度によって変化する。
上記の如く子ビット部52の突出長さLを穿孔ビット5の打撃ストロークSより長くすれば、先導孔H2aの穿孔後に穿孔ビット5が打撃ストロークS分後退しても、子ビット部52は先導孔H2aから抜け出ない。そして、親ビット部51が岩盤面を打撃する際に既設孔H1側の角が破壊されても、既設孔H1側への穿孔ビット5のずれは先導孔H2aに嵌合する子ビット部52により阻止され、穿孔ビット5の直進性が確保される。その結果、孔曲りを生ずることなく連続孔H2を穿孔できる。更に、ガイドロッド7が穿孔ビット5で打撃されて損傷することも防止できる。また、本実施形態では、親ビット部51で穿孔された連続孔H2の部分にスタビライザ部53が嵌合するため、スタビライザ部53によっても穿孔ビット5のずれが抑制され、穿孔ビット5の直進性が一層向上する。
ところで、子ビット部52により穿孔される先導孔H2aと既設孔H1との間に残すべき岩盤部分(ロックピラー)Waが先導孔H2aの穿孔時に破壊されると、子ビット部52による穿孔ビット5のずれ防止機能が得られなくなる。ここで、ロックピラーWaは、岩盤Wのせん断強度が高くなるほど破壊されにくくなり、先導孔H2aの長さ、即ち、子ビット部52の突出長さLが長くなるほど、また、ロックピラーWaの厚さが薄くなるほど破壊されやすくなる。そして、穿孔すべき岩盤Wのせん断強度と子ビット部52の突出長さLとに応じて、ロックピラーWaが破壊されないようにするのに必要なロックピラーWaの厚さが決まる。ロックピラーWaの厚さは、親ビット部51と子ビット部52の外径差の1/2から既設孔H1と連続孔H2の重ね代を減算した値に等しい。
そこで、岩盤Wのせん断強度を測定し、このせん断強度と子ビット部52の突出長さLとに基づいて、先導孔H2aの穿孔時にロックピラーWaが破壊されないようにするのに必要なロックピラーWaの厚さを算出し、ロックピラーWaの厚さがこの値以上になるように親ビット部51と子ビット部52の外径差を設定している。そして、穿孔性能を考慮して決定される親ビット部51の外径からこの外径差を減じた値に子ビット部52の外径を設定する。岩盤Wが一軸圧縮強度100MPa、せん断強度10MPa程度の硬岩である場合、子ビット部52の突出長さLが45〜60mm、親ビット部51の外径が80〜100mmであれば、子ビット部52の外径は45〜50mmに設定される。
これによれば、先導孔H2aの穿孔時にロックピラーWaが破壊されず、子ビット部52による穿孔ビット5のずれ防止機能が確実に発揮されて、連続孔H2を孔曲りを生ずることなく正確に穿孔できる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、上記実施形態では、穿孔装置を、穿孔ロッド4に打撃だけでなく回転力を付与する打撃回転式のものとしたが、穿孔ロッド4に回転力を付与しない純打撃式のものとすることも可能である。また、上記実施形態では、ガイドロッド7をセントラライザ3に固定しているが、ガイドロッド7をセントラライザ3に摺動自在に挿通し、穿孔ロッド4に追従してガイドロッド7が前後動するようにしても良い。
本発明の実施形態の穿孔装置の平面図。 実施形態の穿孔装置による連続孔の穿孔中の状態を示す要部の平面図。 図1のIII−III線切断面図。 実施形態の穿孔装置に備える穿孔ビットの斜視図。
符号の説明
W…岩盤、Wa…先導孔と既設孔との間の岩盤部分、H1…既設孔、H2…連続孔、H2a…先導孔、1…ガイドセル、2…ドリフタ、4…穿孔ロッド、5…穿孔ビット、51…親ビット部、52…子ビット部、53…スタビライザ部、6…打撃部、7…ガイドロッド。

Claims (3)

  1. ガイドセル上に前後方向に移動自在に支持されるドリフタと、ドリフタに設けられた打撃部により打撃されつつドリフタと一緒に前進する前後方向に長手の穿孔ロッドと、穿孔ロッドと平行に設けられた前後方向に長手のガイドロッドとを備え、穿孔済みの既設孔にガイドロッドを挿入した状態で既設孔に隣接する位置に既設孔に連続する連続孔を穿孔ロッドの前端に取付けた穿孔ビットで穿孔するガイドロッド付き穿孔装置において、
    穿孔ビットは、親ビット部と、親ビット部の前方に突出する、親ビット部と同心で且つ親ビット部より小径の子ビット部とを備え、親ビット部からの子ビット部の突出長さは穿孔ビットの打撃ストロークより長いことを特徴とするガイドロッド付き穿孔装置。
  2. 前記親ビット部と前記子ビット部の外径差は、穿孔すべき岩盤のせん断強度と子ビット部の突出長さとに基づき、子ビット部により穿孔される先導孔と既設孔との間に残すべき岩盤部分が先導孔の穿孔時に破壊されないように設定されることを特徴とする請求項1記載のガイドロッド付き穿孔装置。
  3. 前記穿孔ビットは、前記親ビット部の後方に位置する、親ビット部と同径のスタビライザ部を備えることを特徴とする請求項1又は2記載のガイドロッド付き穿孔装置。
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