JP3816313B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、現像剤担持体外周面に現像剤を磁気吸着させて磁気ブラシを形成し対向する像担持体に当該磁気ブラシが摺擦する現像領域部分で現像処理する現像主磁極を有する現像装置を備えた画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、複写機、プリンタ、ファクシミリなどの電子写真式や静電記録式などによる各種画像形成装置においては、感光体ドラムや感光体ベルトなどからなる潜像担持体上に画像情報に対応した静電潜像が形成され、現像装置によって現像動作が実行されて、可視像を得る。このように現像動作を実行するにあたり、転写性、ハーフトーンの再現性、温度・湿度に対する現像特性の安定性などの観点から、トナーとキャリアからなる2成分現像剤を用いた磁気ブラシ現像方式が主流になってきている。このような方式の現像装置では、現像剤担持体上に2成分現像剤がブラシチェーン状に穂立ちされて保持されながら、潜像担持体に対向する現像領域に搬送されて、現像剤中のトナーを潜像担持体上の静電潜像部分に供給するのである。
【0003】
上記現像剤担持体は、通常円筒状に形成されたスリーブ(現像スリーブ)を備えて構成されると共に、当該スリーブ表面に現像剤を穂立ちさせるように磁界を形成する磁石体(磁石ローラ)をスリーブ内部に有している。穂立ちの際、キャリアが磁石体で生じる磁力線に沿うようにスリーブ上に穂立ちされると共に、この穂立ちされたキャリアに対して帯電トナーが付着する。上記磁石体は、複数の磁極を備え、棒状などに形成されており、特に現像剤担持体表面の現像領域部分に現像剤を穂立ちさせる現像主磁極が備えられている。上記スリーブと磁石体の少なくとも一方が動くことでスリーブ表面に穂立ちされた現像剤が移動するようになっている。現像領域に搬送された現像剤は上記現像主磁極から発せられる磁力線に沿って穂立ちし、この現像剤のチェーン穂は撓むように潜像担持体表面に接触し、接触した現像剤のチェーン穂が潜像担持体との相対線速差に基づいて静電潜像と擦れ合いながら、トナー供給を行うのである。
【0004】
一方、高画質の画像を長期にわたって安定して提供するための一つの手段として、潜像担持体又は潜像担持体周りの作像プロセスに潤滑剤を塗布することが広く行われている。潜像担持体たる感光体の摩擦係数が高いと、転写工程ではライン部中央などトナー付着量の多い部分の中抜け現象(所謂虫食い)が発生する(環境変動などによるトナーの流動性変化によって中抜け率は大きく変動する)。クリーニング工程ではクリーニングブレードの巻き込みが発生して感光体をクリーニングできずに黒スジが発生すると共にクリーニングブレード自体が異常に摩耗することになる。感光体などに潤滑剤を塗布することによって、感光体とクリーニングブレード、感光体と転写部材などの間での摩擦力を低減させ、摩擦による感光体の膜削れ量を減少し、上記のような問題を回避すると共に感光体の高寿命を達成できた。同時に摩擦による「きしみ音」の発生を抑制することができ、不快音の発生を未然に防ぐことができた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、潤滑剤塗布による低μ化により感光体へのトナーの付着量が減少し、十分な画像濃度を得るのが困難となり、現像バイアスや書込みビームパワーの変更などによる階調補正を余儀なくされた。これらの制御は非常に複雑であり、コストアップに繋がってしまう。またハーフトーン領域においては、トナーの感光体との付着力と磁気ブラシの摺擦力のバランスが崩れた際にドット抜けが発生し、画像のザラツキ感が増す画像となってしまっている。またとりわけ感光体のハーフトーン部においてはキャリアに対してカウンターチャージと磁気ブラシの摺擦とが作用し所謂後端白抜け現象が発生するため、現像スリーブの対感光体線速比を増加させることが不可能であった。
【0006】
本出願人は、低コントラスト画像であっても後端白抜けの発生を改善することができ、良好な画像濃度と画質を確保することができる画像形成装置を実現するために、幾つかの提案を行った(特願平11−39198号、特願平11−128654号、特願平11−155378号)が、これらの提案を前提に上記欠点も解消し、像担持体、クリーニングブレードの摩耗低減及びブレードの巻き込み、ビビリなどをなくし、更に転写効率を向上させ、小粒径トナーや球形トナーの使用を可能にし、更には帯電部、転写部で発生し像担持体表面に付着したNOXを除去すると同時に像担持体表面の摩擦係数を制御し、像流れをなくし、感光体やブレードの寿命向上を図ることを本発明の課題とする。言い換えれば、像担持体又は当該像担持体周辺の作像装置に潤滑剤を塗布し低摩擦化を図った系においてもハーフトーン部の均一感の高い画像を提供し、且つ画像後端部の白抜けの発生を抑え、横ラインの再現性にも優れた画像を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題乃至目的は、本発明にしたがって、現像剤担持体外周面に2成分現像剤を磁気吸着させて磁気ブラシを形成する現像主磁極を有する現像装置と当該現像装置に対向する像担持体とを備えた画像形成装置において、上記像担持体の摩擦係数μが0.5以下であり、主磁極の法線方向磁束密度の減衰率(スリーブ表面上の法線方向磁束密度のピーク値とスリーブ表面から1mm離れたところでの法線方向磁束密度のピーク値の差をスリーブ表面上の法線方向磁束密度のピーク値で割った比率)が40%以上であることによって、解決される。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の詳細を、図に示す例に基づいて説明する。
先ず本発明に係る画像形成装置における感光体及びその周辺部材について説明する。図1において、静電潜像担持体である感光体ドラム1の周囲には、当該ドラム表面を帯電するための帯電装置2、一様帯電処理面に潜像を形成するためのレーザー光線でなる露光3、ドラム表面の潜像に帯電トナーを付着することでトナー像を形成する現像装置4、形成されたドラム上のトナー像を記録紙へ転写するための転写装置5、ドラム上の残留トナーを除去するためのクリーニング装置7、ドラム上の残留電位を除去するための除電装置8が順に配設されている。このような構成において、画像形成がN/P(ネガポジ:電位が低い所にトナーが付着する)で行われる場合、帯電装置2の帯電ローラ2’によって表面を一様に負に帯電(例えば−950V)された感光体1は、露光3によって静電潜像を形成され(例えば黒ベタ電位は−150V)、現像装置4(例えば現像バイアスは−600V)によってトナー像を形成される。当該トナー像は、転写ベルトなどでなる転写装置5(例えば+10μA印加)によって、感光体ドラム1表面から、不図示の給紙トレイから搬送された記録紙へ転写される。この転写の際に感光体ドラムに静電的に付着した記録紙は、分離爪によって感光体ドラム1から分離される。そして未定着の記録紙上のトナー像は定着器によって記録紙に定着される。一方、転写されずに感光体ドラム上に残留したトナーは、クリーニング装置7によって除去され回収される。残留トナーを除去された感光体ドラム1は除電ランプ8で初期化され、次回の画像形成プロセスに供される。なお作像形成装置の1つである帯電装置2の内部に配置された塗布部材9では、図2に示されるように、固定治具21に固形潤滑剤24がバネを介して配置されている。後述するように別の作像形成装置であるクリーニング装置や他の装置内に塗布部材を組み入れることも可能である。
【0009】
潤滑剤材料としては、表面エネルギーが低いという特性を筆頭に、化学的に不活性であること、熱安定性が高いことなどが望まれ、具体的にはステアリン酸亜鉛、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸鉄、ステアリン酸ニッケル、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪酸金属やポリテトラフルオロエチレン(PTFE)やPFAなどのフッ素系ポリマーなどが挙げられる。ステアリン酸亜鉛などの無機微粒子は+の帯電極性をもち、フッ素系ポリマーは−の帯電極性をもっていて、共に化学的に不活性であり、像担持体やトナーに対し安定していることから使用に適している。ステアリン酸亜鉛などの無機微粒子は特にポジポジ(正転現像)で用いられることが多い。ポジポジ現像では帯電装置によりマイナスに帯電し露光によって非画像部の電位がなくなり画像部電位のみマイナス帯電される。この静電潜像にプラストナーが現像される。この時、トナーの帯電特性と同極性の無機微粒子を用いる。またフッ素系ポリマーは特にネガポジ現像(反転現像)に用いられる。ネガポジ反転現像では帯電装置によってマイナスに帯電し露光によって画像部の電位を下げる。この静電潜像とマイナストナーの電位差によりトナーが静電潜像に現像される。マイナストナーはフッ素系ポリマー潤滑剤と反発し合うトナーなので凝集することがなくなる。つまり、プラストナーに対してはプラス極性の無機微粒子、マイナストナーにはマイナス極性のフッ素系ポリマーを用いるのが好ましい。本実施形態ではステアリン酸亜鉛を用いた。この理由は、成形加工が容易で、画像形成に関して悪影響を及ぼさず、安定した画像が得られるためである。
【0010】
固定治具によって固定された固形潤滑剤は、不図示の押圧部材の圧力によりブラシ部22に接触していて、このブラシ22によって潤滑剤が削り取られる。この際、押圧部材の押し付け圧力は可変であり、潤滑剤をブラシ22に押し付ける圧力の変化で塗布量を変化させるようになっている。塗布量を変化させることによって、感光体1表面、および転写部材表面の摩擦係数を変化させるものである。潤滑剤は帯電系列が「−帯電系列」の上位のPTFEなどであるので摩擦されると「−極性」に帯電する。感光体ドラム1に転移した潤滑剤は帯電ローラ2’を通過するが、この時帯電ローラ2’には「−極性」の電圧(例えば−1.6kV)が印加されているが、感光体ドラム1上の潤滑剤は「−極性」に帯電しているために帯電ローラ2’には付着しないで通過する。更に現像領域に達すると、感光体ドラム1の表面電位が「−950V」で現像バイアスが「−600V」なので「350V」の電位差があり、感光体ドラム1上の潤滑剤は現像に一部回収される。この量は感光体ドラム1上に塗布された潤滑剤の量の約35%となる。続いて転写部に達すると、転写装置5へは「+10μA」の定電流が印加されているので、約44%が回収される。そして感光体ドラム1上には約21%の潤滑剤が残り、クリーニング部へ到達することとなる。この行程が繰り返され、感光体ドラム表面は塗布部材9の当接条件に見合った摩擦係数まで下がることとなる。感光体ドラム表面の摩擦係数は、潤滑剤の塗布量と現像及び転写での回収量とがバランスした時に一定となる。
【0011】
感光体への潤滑剤の塗布については別の方法としてブラシの感光体に対する塗布ブラシの線速比を変化させて、塗布量を変化させるという手段もある。また図3に示すように、押圧部材を兼ねる固定治具31によって直接固形潤滑剤32を感光体1に押し付け、その圧力変化によって塗布量及び摩擦係数を変化させることも可能である。塗布量と感光体表面の摩擦係数の関係は後述する。なお本例では感光体1の摩擦係数μを低下させるために、感光体1に潤滑剤を塗布する機構を設けたが、感光体組成や製法の違いにより摩擦係数が本例程度に低いシステムにおいても本発明の効果は確認済みである。
【0012】
更に発光素子と受光素子により構成されたフォトセンサ10が現像装置4の近傍に配置されている。このような図示した位置にセンサを設置することにより基準パターンの濃度を測定し、CPUを有する制御手段にこの情報を入力し、潤滑剤塗布量並びに現像に関与するパラメータの制御を行う。
【0013】
上記現像装置4の構成を図4に基づいて説明する。現像装置4内には、現像剤担持体である現像ローラ41が感光体1に近接するように配置されていて、双方の対向部分に現像領域が形成される。現像ローラ41では、アルミニウム、真鍮、ステンレス、導電性樹脂などの非磁性体を円筒形に形成してなる現像スリーブ43が不図示の回転駆動機構によって時計回り方向に回転されるようになっている。本例においては、感光体ドラム1のドラム径が60mmで、ドラム線速が240mm/秒に設定され、現像スリーブ43のスリーブ径が20mmで、スリーブ線速が600mm/秒に設定されている。したがって、ドラム線速に対するスリーブ線速の比は2.5である。また感光体ドラム1と現像スリーブ43との間隔である現像ギャップは0.4mmに設定されている。
【0014】
現像剤の搬送方向(図で見て時計回り方向)における現像領域の上流側部分には、現像剤チェーン穂の穂高さ、即ち、現像スリーブ上の現像剤量を規制するドクタブレード45が設置されている。このドクタブレード45と現像スリーブ43との間隔であるドクタギャップは0.4mmに設定されている。更に現像ローラの感光体ドラムとは反対側領域には、現像ケーシング46内の現像剤を攪拌しながら現像ローラ41へ汲み上げるためのスクリュー47が設置されている。
【0015】
上記現像スリーブ43内には、当該現像スリーブ43の周表面に現像剤を穂立ちさせるように磁界を形成する磁石ローラ44が固定状態で備えられている。この磁石ローラから発せられる法線方向磁力線に沿うように、現像剤のキャリアが現像スリーブ43上にチェーン状に穂立ちされ、このチェーン状に穂立ちされたキャリアに帯電トナーが付着されて、磁気ブラシが構成される。当該磁気ブラシは現像スリーブ43の回転によって現像スリーブ43と同方向(図で見て時計回り方向)に移送されることとなる。上記磁石ローラ44は、複数の磁極(磁石)を備えている。具体的には、現像領域部分に現像剤を穂立ちさせる現像主磁石P1b、現像主磁極磁力の形成を補助する主磁極磁力形成補助磁石P1a,P1c、現像スリーブ43上に現像剤を汲み上げるための磁石P4、汲み上げられた現像剤を現像領域まで搬送する磁石P5,P6、現像後の領域で現像剤を搬送する磁極P2,P3を備えている。これら各磁石P1b,P1a,P1c,P4,P5,P2及びP3は、現像スリーブ43の半径方向に向けて配置されている。本例では、磁石ローラ44を8極の磁石によって構成しているが、汲み上げ性、黒ベタ画像追従性を向上させるためにP3極からドクタブレード45の間に磁石(磁極)を更に増やして10極や12極で構成してもよい。
【0016】
図4で認識できるように、上記現像主極群P1は、P1a,P1b,P1cの順で上流側から並ぶ横断面の小さな磁石から構成されている。横断面の小さいこれら磁石は希土類金属合金により作製されているが、サマリウム合金磁石、特にサマリウムコバルト合金磁石などを用いることもできる。希土類金属合金磁石のうち代表的な鉄ネオジウムボロン合金磁石では最大エネルギー積が358kJ/m3であり、鉄ネオジウムボロン合金ボンド磁石では最大エネルギー積が80kJ/m3前後である。このような磁石によって従来の磁石と異なり、相当に小サイズ化しても必要な現像ローラ表面磁力を確保できる。従来の通常フェライト磁石やフェライトボンド磁石などでは最大エネルギー積が36kJ/m3前後、20kJ/m3前後である。スリーブ径を大きくすることが許容される場合には、従来のフェライト磁石やフェライトボンド磁石を用いてスリーブ側に向いた磁石先端を細く形成することで半値幅を狭くすることが可能である。ここで半値幅とは、法線方向の磁力分布曲線の最高法線磁力(頂点)或いはピーク磁束密度の半分の値(例えばN極によって作製されている磁石の最高法線磁力が120mT(ミリテスラ)であった場合、半値というと60mTである.)を指す部分の角度幅のことである。半値中央角、半値中央角度幅と称することもある。
【0017】
本例では、現像主磁石P1bと、現像スリーブ43上に現像剤を汲み上げるための磁石P4と、汲み上げられた現像剤を現像領域まで搬送する磁石P6と、現像後の領域で現像剤を搬送する磁極P2,P3がN極をなし、現像主磁極磁力の形成を補助する主磁極磁力形成補助磁石P1a,P1cと、汲み上げられた現像剤を搬送する磁石P5がS極をなしている。磁力詳細を示す図5で理解できるように、主磁石P1bとして、現像ローラ上で85mT以上の法線方向磁力を有する磁石が用いられた。当該主磁石P1bより回転下流側の主磁極磁力形成補助磁石P1cと共に例えば60mT以上の磁力を有すれば、キャリア付着などの異常画像の発生が無いことが確認されている。これよりも小さい磁力の場合にはキャリア付着が発生した。キャリア付着に関係する磁力は接線磁力であり、この接線磁力を大きくするためにはP1b,P1cの磁力を大きくする必要があるが、どちらかを十分に大きくすることでキャリア付着の発生を抑えることができる。磁石P1a,P1b,P1cの磁石幅は2mmであった。この時のP1bの半値幅は16°であった。この場合、主磁極磁力形成補助磁石P1a,P1cを有して現像主極群P1を形成しても(図5の構成)、主磁石P1bの下流側のみに主磁極磁力形成補助磁石P1cを配置しても(図6の構成)、主磁石P1bでの半値幅は変わりなく、主磁極(P1b部分)の磁力が数%低下するだけである。更に磁石の幅を狭くすることで、半値幅は更に細くなることが確認された。1.6mm幅を用いた際の主磁極の半値幅は12°であった。主磁極の半値幅は25°を境に、それより大きくすると異常画像の発生があることが確認された。
【0018】
主磁石P1bと主磁極磁力形成補助磁石P1a,P1cの位置関係を図7に示す。主磁極磁力形成補助磁石P1a,P1cの半値幅は35°以下に形成する。この部分での半値幅は外側に位置するP2やP6の半値幅が大きいために主磁極(P1b)でのように半値幅を相対的に狭く設定することができない。また主磁石P1bの両側にある主磁極磁力形成補助磁石P1a,P1cによる挟角を30°以下に形成する。上記の例では、主磁極での半値幅を16°に設定するために当該挟角は25°とした。更に主磁極磁力形成補助磁石P1a,P1cと当該補助磁石の外側にある磁石P2,P6とによる変極点(0mT:磁力がN極からS極、S極からN極に変わる点)の挟角を120°以下にする。
【0019】
以上の条件を満たすことにより、主磁極での磁気ブラシが感光体に接触して現像するやり方では、現像ニップが現像剤粒径以上で2mm以下となり、後端白抜けがなく、横細線や1ドットのように小さい画像であっても十分に形成することができる。
【0020】
主磁石P1bの磁力によって形成されるスリーブ表面の磁気ブラシは、穂立ちし始める部分(根元部分の幅)を2mm以下にすることによって、感光体と磁気ブラシが接触する部分の現像ニップ幅を2mm以下に形成することが可能である。
【0021】
このような構成での現像にあっては、現像ローラ41に対して、現像ケーシング46内に蓄えられた現像剤が攪拌・帯電された上で磁極P4によって汲み上げられる。現像スリーブ43上に現像剤を汲み上げられた現像剤は磁極P5及びP6によって現像領域まで搬送され、現像主極P1bによって現像領域部分に現像剤が穂立ちされるようになる。
【0022】
改めて図5に示された本発明での磁石ローラによる法線磁力パターンに戻り、考察する。実線は現像スリーブ表面上の法線方向の磁束密度を測定した円チャートグラフであり、破線は現像スリーブ表面から1mm離れたところでの法線方向の磁束密度を測定した円チャートグラフである。目盛りは20mT毎になっている。使用した計測装置、ADS社製ガウスメーター(HGM-8300)、ADS社製A1型アキシャルプローブである。本例での磁石ローラでは、主磁極P1bのスリーブ表面上の法線方向の磁束密度は117mTを示し、スリーブ表面から1mm離れた部分での法線方向磁束密度は54.4mTであり、磁束密度の変化量は62.5mTの磁力差を観測した。この時の法線方向磁束密度の減衰率(スリーブ表面上の法線方向磁束密度のピーク値とスリーブ表面から1mm離れたところでの法線方向磁束密度のピーク値の差をスリーブ表面上の法線方向磁束密度のピーク値で割った比率)は53.5%である。主磁極P1bの上流側に位置する主磁極磁力形成補助磁石P1aのスリーブ表面上の法線方向磁束密度は106.2mTを示し、スリーブ表面上から1mm離れた部分での法線方向磁束密度は56.6mTであり、磁束密度の変化量は49.6mTの磁力差を測定した。この時の法線方向磁束密度の減衰率は46.7%である。主磁極P1bの下流側に位置する主磁極磁力形成補助磁石P1cのスリーブ表面上の法線方向磁束密度は55.9mTを示し、スリーブ表面上から1mm離れた部分での法線方向磁束密度は55.9mTであり、磁束密度の変化量は43.5mTの磁力差を測定した。この時の法線方向磁束密度の減衰率は43.8%である。本例では、磁石ローラ上に発生した磁力線に沿って現像剤で形成された磁気ブラシは、主磁極P1bに形成されるブラシ部分のみが感光体に接し、感光体上の静電潜像を顕像化する。この際、感光体が接しない状態とすると当該箇所での磁気ブラシの長さは約1mmで、従来の磁石ローラで形成される磁気ブラシよりも穂立ちが短く、密になった状態を作り出すことが可能となった。現像剤規制部材と現像スリーブの間の距離が従来と同じである場合には、現像剤規制部材を通過する現像剤量が同じであるので、現像領域にある磁気ブラシは短く、密になっていることが確認できた。この現象は図5の法線磁力パターンからも理解でき、現像スリーブ表面から1mm離れたところでの法線磁束密度が大きく減少しているので、磁気ブラシは現像スリーブより離れたところではブラシチェーンを形成することができず、磁気ブラシが短く現像スリーブ表面に密に形成することとなる。ちなみに従来の磁石ローラでは主磁極のスリーブ表面上の法線方向磁束密度は90mTを示し、スリーブ表面上から1mm離れた部分での法線方向磁束密度は63.9mTであり、磁束密度の変化量は26.1mTの磁力差を測定した。この時の法線方向磁束密度の減衰率は29%である。
【0023】
上記のような法線磁力を構成することによって現像ニップ幅の狭い状態を形成でき、現像ニップ上流側の現像剤溜りの発生を抑え、安定した現像ニップを形成することが可能となり、画像後端白抜けや横細線画像の細りのない画像が得られ、ひいてはドット均一性の高い美しい画像を提供することができるようになった。
【0024】
図8は1dot縦横ラインの線幅の比率と主磁極(P1b)の法線方向磁束密度の減衰率との関係を示している。縦軸の1dot縦横ラインの線幅の比率が1であれば縦線と横線の各幅は同等である。80%のラインはこれ以下だと横線細りが目立つボーダーラインである。言い換えれば、上記ラインより上であれば実用上問題ない。このグラフから、本例で使用した磁石ローラでは横線細りがなくなっていることが分かる。したがって法線方向磁束密度の減衰率が40%以上であれば、画像後端白抜け並びに横細線細りが解消される。また主磁極と隣り合う磁極に関しても、40%以上の法線方向磁束密度の減衰率によって画像後端白抜け並びに横細線細りがなくなっていることが確認された。
【0025】
上記磁束密度を測定した測定方法を示す。ADS社製ガウスメーター(HGM-8300)及びADS社製A1型アキシャルプローブで測定し、円チャートレコーダにて記録した。現像スリーブ表面上の法線方向磁束密度を測定する際には、現像スリーブ上に接触する様にアキシャルプローブを取り付け、磁石ローラを回転させ、360度を0.1度のステップで測定し、円チャートレコーダに記録する。次にアキシャルプローブの先端を現像スリーブ表面より1mm上げて固定し、上記と同じように磁石ローラを360度回転させて磁束密度を測定した。
【0026】
磁石ローラの別の構成を図9に示す。当該磁石ローラが収まる現像ローラ41や現像装置4は上記の例と全く同じなので、同じ符号を付して説明は省略する。本磁石ローラ44’は、現像領域部分に現像剤を穂立ちさせる現像主磁石P1、現像スリーブ43上に現像剤を汲み上げるための磁石P4、汲み上げられた現像剤を現像領域まで搬送する磁石P5,P6、現像後の領域で現像剤を搬送する磁極P2,P3を備えている。上記磁石ローラ44に比べて、現像主磁極磁力の形成を補助する磁石が備えられていない。現像主極を形成する主磁石P1は、主磁極磁力形成補助磁石を備えた例のものと同じく希土類金属合金により作製されているが、サマリウム合金磁石等であってもよい。磁力詳細を示す図10で理解できるように、主磁石P1として、現像ローラ上で85mT以上の法線方向磁力を有する磁石が用いられた。例えば60mT以上の磁力を有すれば、キャリア付着などの異常画像の発生が無いことが確認されている。磁石P1の磁石幅は2mmであった。この時のP1の半値中央角は22°であった(図11)。更に磁石の幅を狭くすることで、半値幅は更に細くなることが確認された。1.6mm幅を用いた際の主磁極の半値幅は16°で形成された。主磁極(P1)の半値幅25°を境に、それより大きくすると異常画像の発生があることが確認された。主磁石P1と当該磁石の外側にある磁石P2,P6とによる変極点(0mT:磁力がN極からS極、S極からN極に変わる点)の挟角を45°以下にする。
【0027】
本例での磁石ローラでは、現像磁極P1のスリーブ表面上の法線方向の磁束密度は85mTを示し、スリーブ表面から1mm離れた部分での法線方向磁束密度は39.5mTであり、磁束密度の変化量は45.5mTの磁力差を観測した。この時の法線方向磁束密度の減衰率は53.5%である。本例では、磁石ローラ上に発生した磁力線に沿って現像剤で形成された磁気ブラシは、現像磁極P1に形成されるブラシ部分のみが感光体に接し、感光体上の静電潜像を顕像化する。この際、感光体が接しない状態とすると当該箇所での磁気ブラシの長さは約1.5mmで、従来の磁石ローラで形成される磁気ブラシよりも穂立ちが短く、密になった状態を作り出すことが可能となった。
【0028】
塗布量と感光体表面の摩擦係数の関係を説明する。図12に塗布量と摩擦係数(以下μと記述する)の関係を示す。感光体に潤滑剤を塗布することによって、図示するような勾配で感光体μが変化する。感光体μは無限に零に近づくものではなく或る値に収束する。この値は塗布する前の感光体の組成、表面状態、並びに環境条件(特に湿度)に依存する。本発明においてはオイラー法により感光体μを測定した。この測定装置の概略を図13に示す。本測定において、感光体μは0.02に限りなく収束した(潤滑剤塗布前の感光体μは0.7であった)。ただし、この値は他の測定法を用いた場合や測定環境によっても相違する。本測定はRH65%、温度23℃の標準環境で行った。
【0029】
感光体上のトナー付着量と反射型フォトセンサ出力の関係を図14に示す。基準パターンとして例えば2cm×2cm程度の大きさの潜像を感光体上に作成する。このパターンは条件変化に対して敏感に反応するため、ハーフトーンなどの中間調が望ましいが、黒ベタ画像でも制御可能である。
【0030】
潤滑剤塗布量の変化は図15に示すように現像γカーブにも影響を与える。このグラフは縦軸に画像濃度、横軸に現像ポテンシャルをプロットしたものである。このグラフが示すように、潤滑剤塗布量が少ない場合には、設計した現像γに対して高くなる。逆に塗布量が多い場合には低くなる。そのため、即座に現像γを設計値に修正することが必要である。本発明では例えば図16のフローチャートのように現像剤塗布量を制御する。すなわち、塗布ブラシ線速を標準に設定した上で基準濃度パターンを形成し、基準パターンの反射濃度を読み取って、或る基準値(上限側)よりも高い場合には塗布ブラシ線速を増加し、別の基準値(下限側)よりも低い場合には塗布ブラシ線速を減少するように制御して反射濃度を適正範囲に収める。このように制御することによって常に安定した画像を得ることができる。
【0031】
本発明者らは、像担持体に近接する主磁極に隣接して、主磁極の磁力と半値幅を調整するための補助磁極を設けた磁石ローラ(第1例の磁石ローラ)と従来タイプの磁石ローラ(現像磁極の半値幅が48°のもの)を用いて詳細に実験を行った。後端白抜けと感光体μとの関係を以下に示す。なおリファレンスとして従来タイプの磁石ローラのデータも添付した。
【0032】
図17は、潤滑剤塗布後の感光体表面μに対する後端白抜けのレベルをランク評価したものである。後端白抜けレベルのランク評価とは、ハーフトーン画像の後端部において抜けがまったく存在しないものをランク5とし、最も抜けるものをランク1とするものである(例えばランク1レベルでは、感光体線速200mm/s、現像ギャップ0.35mm、対感光体現像スリーブ線速比:1.8、ACバイアスの周波数9kHz、感光体μ:0.2で従来磁石ローラを使用した系において、画像後端部より4.2mm画像抜けが発生した)。感光体表面摩擦係数は図中でμ:0.7までプロットしている。しかしながら、μが0.6以上では10K程度のランニングにより、クリーニングブレードが摩耗し、その機能が著しく低下した、また感光体表面にもトナーがフィルミングを起こし画像品質を低下させてしまった。図に示す通り、従来タイプの磁石ローラでは、感光体μ:0.2で後端白抜けランクがランク1となっている。一方、本発明に係る磁石ローラを使用した場合、感光体μが0.5から0.1に変化しても後端白抜けランクは5を維持している。本発明に係る磁石ローラに関しては更に小さな感光体μに対しても実験した。図18に示す様に、感光体μが0.1以下の時の後端白抜けランクは、感光体μが0.02以上において、良好なレベルを示した。
【0033】
次に対感光体現像スリーブ線速比と後端白抜けの関係を説明する。感光体μと後端白抜けの関係の場合と同様に従来磁石ローラをリファレンスとして図19に付け加えた。図に示す通り、本発明に係る磁石ローラにおいては、線速比4.0まで後端白抜けに対して非常によいランクを保持できた。一方、従来磁石ローラの場合、線速比1.5で後端白抜けランクが低下し、線速比2.0でランク1まで低下した。
【0034】
潤滑剤塗布部材をクリーニング装置7内に配置した例を図20に示す。当該塗布部材が収まるクリーニング装置7やこれと一体化した帯電装置2等は図1の例と全く同じなので、同じ符号を付して説明は省略する。本例の潤滑剤塗布部材は、感光体ドラム1に潤滑剤を塗布するブラシローラ28と当該ブラシローラに潤滑剤を供給する潤滑剤ローラ29とを備えてなっている。この塗布部材において、感光体ドラムを所望の摩擦係数とするには、感光体ドラムに塗布された潤滑剤が現像や転写で回収される量は基本的に同じなので、塗布部材と感光体での当接条件を変えることとなる。つまり摩擦係数を高くしたい場合には潤滑剤ローラ29とブラシローラ28の食い込み量あるいはブラシローラ28と感光体ドラム1の食い込み量を少なくするか又は潤滑剤ローラ29とブラシローラ28の周速差あるいは感光体ドラム1とブラシローラ28の周速差を小さくし、摩擦係数を低くしたい場合には潤滑剤ローラ29とブラシローラ28の食い込み量あるいはブラシローラ28と感光体ドラム1の食い込み量を多くするか又は潤滑剤ローラ29とブラシローラ28の周速差あるいは感光体ドラム1とブラシローラ28の周速差を大きくする。
【0035】
所定の条件下で感光体ドラム1表面の摩擦係数が時間と共に低下し、所定の摩擦係数に安定するためには転写後の感光体ドラム1上に残留する潤滑剤の量が順次増加し、摩擦係数が安定したところで塗布量と回収量が同一にならなければならない。感光体ドラム1上の潤滑剤は現像部と転写部の2カ所で回収されるるが、その内の現像部においては初期時には回収のみがなされるが、現像剤中に潤滑剤が混入されると磁気ブラシによる摺擦で現像剤中に混入された潤滑剤が再び感光体ドラム1上に塗布されることとなる。時間が経過すると現像剤中の潤滑剤は次第に増加し回収量と再塗布量が同一となり実質的に現像部では回収されなくなる。したがって摩擦係数が安定した以後は回収は転写部のみでなされることとなり、塗布量と転写部での回収量とが同一となる。
【0036】
既述のように摩擦係数が安定した状態になるためには転写後の感光体ドラム1上に残留する潤滑剤の量が順次増加し、摩擦係数が安定した状態で塗布量と回収量が同一にならなければならず、「塗布量が一定で回収量が多くなる場合」、「回収量が一定で塗布量が少なくなる場合」、「塗布量が少なくなり、回収量が多くなる場合」の3つのパターンが考えられるが、回収量は、時間と共に現像部での再塗布が行われ少なくなっていくので「塗布量が一定で回収量が多くなる場合」、「塗布量が少なくなり、回収量が多くなる場合」ではない。したがって「回収量が一定で塗布量が少なくなる場合」となる。
【0037】
感光体ドラム1へ潤滑剤を塗布し摩擦係数を下げる目的はクリーニング装置7のブレード27と感光体ドラム1の相対摩擦係数を下げ、ブレード27で感光体ドラム1を削らないようにするためであり、ブレード27、感光体ドラム1の摩耗をなくしブレード27と感光体ドラム1の寿命を延ばすことにある。
【0038】
図21に示されるように、感光体ドラム1の磨耗量は摩擦係数が低くなればなるほど少なくなる。したがって感光体ドラム1の寿命を延ばすためには摩擦係数は低ければ低いほど良いことになる。図21の実線は図22に示す構成(塗布部材としてはループブラシ36と固定された固形潤滑剤22を備える)でφ30感光体ドラム1で線速114mm/sec、A4横送り1to2(2枚連続画像形成の繰り返し)でφ15mm直毛ブラシを使用し、感光体ドラム1への食い込み量が1.5mmで200k枚時点での摩擦係数と感光体磨耗量の関係を示すものである。
【0039】
摩擦係数が下がると感光体ドラム1表面が削られなくなり、図中1点鎖線で示すような磨耗量の領域(4μm以下)では帯電、転写部で発生するNOXの蓄積により高温高湿環境下では感光体ドラム1表面のNOXが水分を吸収し、抵抗が下がり本来の潜像が形成できなくなる所謂像流れが発生する。
【0040】
また図22の構成では、感光体表面の摩擦係数のコピー枚数による変化を示すグラフである図23,24(図23はループブラシが感光体ドラムと逆方向に回転する場合であり、図24は同方向に回転する場合である)で分かるように、回転数を高くしても摩擦係数は殆ど下がらない。これはループブラシ36が感光体ドラム1表面の潤滑剤を研磨しているからである。ループブラシ36は感光体ドラム1の微量研磨と潤滑剤の塗布の機能を併せもっている。φ15mmのループブラシをローラ回転数400rpmで使用しφ30感光体ドラム、線速114mm/sec、A4横送り1to2で、感光体ドラム1への食い込み量が1.5mmの条件で長期的な画像形成を行うと図21における「・」印で示すように磨耗量は約16μmとなる。これはループブラシ36とブレード27が両方で感光体ドラム1表面を削っているからである。感光体ドラム1の磨耗量を減らすには感光体ドラム1を削らないブラシ、すなわち直毛ブラシを使用することで摩擦係数を下げることも考えられるがこれについては後述する。像流れが発生しないで且つ寿命を延ばすためにはクリーニングブレード27で削る分を「0」にし、ループブラシ36で像流れが発生しないような量を削るようにすればよい。ブラシへの潤滑剤の供給は潤滑剤とブラシのPV値(Pはブラシと潤滑剤の食い込み量、当接幅等のプレッシャー、Vは周速差)に依るので、潤滑剤とブラシの周速差をブラシと感光体ドラムの周速差より大きくし、ブラシへの潤滑剤の供給量をブラシが感光体ドラムから削り取る量より十分に多くすれば摩擦係数は下がることとなる。
【0041】
図25,26は、潤滑剤ローラ29がφ10で、ブラシローラ28との線速比を2倍にしたときの各回転方向(図25はループブラシが感光体と逆方向に回転する場合で、図26は同方向に回転する場合)、各回転数での初期的な枚数と摩擦係数の関係を示すものである。図27は図26中の100rpmで長期的な画像形成動作を行ったときの摩擦係数の変化を示している。摩擦係数はほぼ0.1〜0.15の幅で変化している。この時の感光体磨耗量は図21中「△」印に示すようにφ30感光体ドラムで線速114mm/sec、A4横送り1to2、200K枚で約5μmとなり、像流れも発生しなかった。
【0042】
なお感光体表面の摩擦係数は、図28に示されるような装置を用い、一般的にはオイラーベルト式(日本機械学会、機械工学便覧 基礎編、A3力学・機械力学、35頁(1986))と称される方法で測定、計算(重り=100gを吊るし、μ=ln(F/100)/(π/2))した値である。
【0043】
図22の構成でループブラシに代えてφ15mm直毛ブラシを使用し、感光体ドラム1への食い込み量1.5mmのとき、感光体ドラム1と逆及び同方向に回転した時の初期的な枚数と摩擦係数の関係を図29,30に示す。直毛ブラシの場合は摩擦係数は回転数によって変化するが、長期的には図31(φ15mm直毛ブラシ、400rpm、感光体ドラム1と同方向回転、食い込み量1.5mm)に現れるように摩擦係数の変動が大きい。
【0044】
摩擦係数の経時的な変動を示す図31で分かるように、その変動幅は0.15〜0.25で±0.05程度であり、図中像流れが発生しない摩擦係数以上で摩擦係数を制御するとしても、0.25〜0.35となる。この時最大摩擦係数0.35で一定になったとすると200K枚で約12μmの磨耗量となる。
【0045】
φ30感光体ドラムの潤滑剤がない場合の摩擦係数は約0.5であり、磨耗量は約20μm/200K枚なので約40%程度の効果はあるが十分ではない。当然経時で摩擦係数が0.25〜0.35の間を変動すれば、もう少し磨耗量は減ることになるが、図32に示されるように摩擦係数が変化すると現像でのトナー付着量が変化し、転写紙上の画像濃度が変わってくる。図21に示されるように摩擦係数を小さくして使用すると感光体の摩耗量を減らすことができるが、0.15以下にまで最大限下げて変動を少なくして使用すると、この領域ではクリーニングブレード27による感光体ドラム1の研磨が行われないので像流れが発生する。したがって摩耗量が4μm以上となるように摩擦係数を得るように当接条件を設定すべきである。
【0046】
ブラシローラ36と潤滑剤ローラ29とでなる潤滑剤塗布部材を帯電装置2内に配置した例を図33,34に示す。当該塗布部材が収まる帯電装置2やこれと一体化したクリーニング装置7等は図20等の例と全く同じなので、同じ符号を付して説明は省略するが、これらの構成によっても同じ効果が期待できるものである。特にこのような配置は転写残トナーの悪影響を受けずに摩擦係数のバラツキがなく、摩擦係数が安定する。
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、像担持体表面の摩擦係数を0.5以下にすることで転写効率が向上し且つ転写残トナーが低減し且つ現像部でのクリーニングが容易になり、更には像担持体上のトナー付着量の多い領域での虫食いを防止できる画像形成装置においても、ハーフトーン部の均一感の高い画像を提供し且つ画像後端部の白抜けの発生を抑え、横ラインの再現性にも優れた画像を提供することが可能となる。
【0048】
塗布部材を形成する塗布ブラシローラと潤滑剤供給部材の周速差が像担持体と塗布ブラシローラの周速差よりも大であれば、帯電部、転写部で発生し像担持体表面に付着し及び潤滑剤中に埋もれたNOXを微量研磨して取り除き、像流れを解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】感光体ユニットの構成概略図である。
【図2】塗布部材の構成概略図である。
【図3】図2に対する代替例としての塗布部材構成図である。
【図4】図1における現像装置の詳細構成図である。
【図5】磁石ローラの法線磁力分布とその大きさ程度を示す図である。
【図6】磁石P1aが欠けた場合の磁力分布を示す図である。
【図7】主磁石と主磁極磁力形成補助磁石の位置関係を表す図である。
【図8】1ドット縦横ラインの線幅の比率と磁石ローラの主磁極法線方向磁束密度の減衰率との関係を示すグラフである。
【図9】磁石P1a,P1cが欠けた磁石ローラでの詳細構成図である。
【図10】図9の磁石ローラにおける法線磁力分布とその大きさ程度を示す図である。
【図11】主磁極の半値幅と、当該主磁石とその外側にある磁石とによる変極点の挟角の大きさを示す図である。
【図12】塗布量と感光体表面の摩擦係数の関係を示すグラフである。
【図13】感光体摩擦係数を測定するための測定装置の概略図である。
【図14】感光体上のトナー付着量と反射型フォトセンサ出力の関係を示すグラフである。
【図15】潤滑剤塗布量の変化と現像γカーブの関係を表すもので、縦軸に画像濃度、横軸に現像ポテンシャルをプロットする。
【図16】現像剤塗布量の制御を説明するフローチャートである。
【図17】潤滑剤塗布後の感光体表面摩擦係数に対する後端白抜けのレベルをランク評価したグラフである。
【図18】本発明に係る磁石ローラでの感光体摩擦係数0.1以下の後端白抜けレベルのランク評価のグラフである。
【図19】対感光体現像スリーブ線速比と後端白抜けの関係を説明するグラフである。
【図20】潤滑剤塗布部材をクリーニング装置内に配置した例を示す部分図である。
【図21】感光体表面の摩擦係数と感光体の摩耗量の関係を示すグラフである。
【図22】図20に対応するもので、潤滑剤供給ローラに変えて固形潤滑剤がループブラシに接している構成の図である。
【図23】ループブラシが感光体ドラムと逆方向に回転する場合のコピー枚数の変化による感光体表面の摩擦係数の変化を示すグラフである。
【図24】ループブラシが感光体ドラムと同方向に回転する場合のコピー枚数の変化による感光体表面の摩擦係数の変化を示すグラフである。
【図25】潤滑剤供給ローラとブラシローラ28の線速比を2としたときの逆回転方向での、コピー枚数の変化による感光体表面の摩擦係数の変化を示すグラフである。
【図26】潤滑剤供給ローラとブラシローラ28の線速比を2としたときの同回転方向での、コピー枚数の変化による感光体表面の摩擦係数の変化を示すグラフである。
【図27】図26中の100rpmで長期的な画像形成動作を行ったときの摩擦係数の変化を示すグラフである。
【図28】感光体表面の摩擦係数をオイラーベルト式で測定するための装置を示す概略図である。
【図29】ループブラシに代えて直毛ブラシを使用した場合の、感光体ブラシと逆方向に回転した時のコピー枚数の変化による感光体表面の摩擦係数の変化を示すグラフである。
【図30】ループブラシに代えて直毛ブラシを使用した場合の、感光体ブラシと同方向に回転した時のコピー枚数の変化による感光体表面の摩擦係数の変化を示すグラフである。
【図31】摩擦係数の経時的な変動を示すグラフである。
【図32】摩擦係数の違いによる現像バイアスと画像濃度の関係の差を説明するグラフである。
【図33】潤滑剤塗布部材を帯電ローラの上流側に配置した構成例を示す概略図である。
【図34】潤滑剤塗布部材を帯電ローラの下流側に配置した構成例を示す概略図である。
【符号の説明】
1 感光体ドラム
4 現像装置
41 現像ローラ
43 現像スリーブ
44 磁石ローラ
45 ドクタブレード
47 スクリュー
Claims (22)
- 現像剤担持体外周面に2成分現像剤を磁気吸着させて磁気ブラシを形成する現像主磁極を有する現像装置と当該現像装置に対向する像担持体とを備えた画像形成装置において、
上記像担持体の摩擦係数μが0.5以下であり、上記主磁極の法線方向磁束密度の減衰率(スリーブ表面上の法線方向磁束密度のピーク値とスリーブ表面から1mm離れたところでの法線方向磁束密度のピーク値の差をスリーブ表面上の法線方向磁束密度のピーク値で割った比率)が40%以上であることを特徴とする画像形成装置。 - 上記主磁極と隣り合う磁極の法線方向磁束密度の減衰率が40%以上であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 上記現像主磁極の磁力形成を補助する補助磁石を備え、主磁極の半値幅を狭くしたことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 上記現像主磁極は、磁石ローラを形成する全ての磁石のうち、半値幅が最小値のもので構成されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 上記現像主磁極の半値幅は、当該主磁極に隣り合う磁極の半値幅の80%であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 上記像担持体の摩擦係数を0.5以下にするために、当該像担持体に潤滑剤を塗布する装置を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 上記像担持体に接触して転写残トナーを除去するクリーニング装置を備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 上記クリーニング装置がブレードタイプであることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
- 上記主磁極の半値幅が25°以下とすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 上記潤滑剤がトナーの帯電極性と同帯電系列の無機微粒子潤滑剤であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 上記無機潤滑剤がステアリン酸亜鉛であることを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
- 上記潤滑剤がトナーの帯電極性と逆帯電系列上位のフッ素系潤滑剤であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 上記フッ素系潤滑剤がポリテトラフルオロエチレンであることを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
- 上記潤滑剤塗布部材が像担持体に接して回転可能な塗布ブラシローラを備えていることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
- 上記塗布ブラシローラがループブラシを植設したものであることを特徴とする請求項14に記載の画像形成装置。
- 上記塗布ブラシローラが直毛ブラシを植設したものであることを特徴とする請求項14に記載の画像形成装置。
- 上記塗布ブラシローラに潤滑剤を供給する供給部材が回転可能に形成されており、塗布ブラシローラと供給部材の周速差が回転可能な像担持体と塗布ブラシローラの周速差よりも大であることを特徴とする請求項14〜16のいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 回転可能な像担持体に対して塗布ブラシローラが逆方向に回転し、塗布ブラシローラに潤滑剤を供給する供給部材が塗布ブラシローラと逆方向乃至順方向に回転することを特徴とする請求項14〜16のいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 回転可能な像担持体に対して塗布ブラシローラが順方向に回転し、塗布ブラシローラに潤滑剤を供給する供給部材が塗布ブラシローラと逆方向乃至順方向に回転することを特徴とする請求項14〜16のいずれか一項に記載の画像形成装置。
- 上記潤滑剤塗布部材がクリーニング装置のクリーニング位置よりも像担持体回転の上流側で且つ転写装置の下流側に配置されたことを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
- 上記潤滑剤塗布部材が帯電装置の帯電位置よりも像担持体回転の上流側で且つクリーニング装置のクリーニング位置の下流側に配置されたことを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
- 上記潤滑剤塗布部材が現像装置よりも像担持体回転の上流側で且つ帯電装置の帯電位置の下流側に配置されたことを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
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