JP3816131B2 - 亜ひ酸の酸化方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、亜ひ酸を常温、常圧下で酸化してひ酸にする亜ひ酸の酸化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
三酸化二砒素や亜ひ酸は、非鉄金属精錬時に大量に副生、あるいはひ素を含有する廃棄物の処理時に発生する。これらの一部は、三酸化二砒素や亜ひ酸の形態のままで金属ひ素用の原料にされたり、そのままの形あるいは他の物質と反応させてから木材防腐剤や農薬として使用されている。他の物質と反応させる場合には、三酸化二ひ素あるいは亜ひ酸としてよりも、これらを酸化した五酸化二ひ素あるいはひ酸として利用される。
【0003】
三酸化二ひ素の水に対する溶解度は低いが、五酸化二ひ素の溶解度は高く、20°Cで230g/100gに達する。
なお、三酸化二ひ素は水に接すると容易に亜ひ酸になり、五酸化二ひ素は水にせっするとひ酸になる。ひ酸になると他の化合物と反応してひ酸塩を形成し易いという性質がある。
【0004】
亜ひ酸をひ酸にする実用的な酸化方法としては、次のような方法が知られている。
(1)過剰の硝酸の存在下での酸化。
(2)硝酸の存在下で空気あるいは酸素を通気して酸化。
(3)硝酸の存在下で空気あるいは酸素を100気圧以上に加圧して酸化。
(4)過酸化水素で酸化。
(5)二価の銅イオンの酸化力で酸化。
(6)オゾンによる酸化。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、(1)の酸化反応には、大過剰の硝酸を添加しても100%の酸化率が得られ難く、酸化中にNOX が発生するので排ガスの処理が必要で、酸化後の液濃度が極端に低くなるという欠点がある。
(2)の酸化反応にも、(1)の酸化反応と同様に、100%の酸化率が得られ難く、酸化中にNOX が発生するので排ガスの処理が必要になるという欠点がある。
【0006】
(3)の酸化反応は、非常に速く酸化が進み、かつ100%の酸化するが、高価な耐圧容器が必要である。
(4)の酸化反応も、非常に速く酸化が進み、かつ100%の酸化するが、高価な薬品を使用し、かつ酸化後の液濃度が極端に低くなるという欠点がある。
(5)の酸化反応も、非常に速く酸化が進み、かつ100%の酸化するが、二価の銅イオンが還元されて生成する一価の銅イオンの水に対する溶解度が極端に低いことから一価の銅イオンの二価への酸化が遅いという問題がある。
【0007】
(6)オゾンによる酸化は、酸化後の液濃度の低下はなく、酸化も速いという利点があるが、大量のオゾンを発生させるための設備費が厖大となる。また、100%酸化させるには過剰のオゾン添加が必要になるので、オゾン臭を除去する設備も必要になるという欠点がある。
【0008】
本発明は、亜ひ酸の酸化におけるかかる問題を解決するものであって、酸化反応が速く常温、常圧での操作が可能で、反応時間を短縮して生産性を向上させ、エネルギーコストを低減することができ、過大な設備が不要で設備費用も低廉な亜ひ酸の酸化方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の亜ひ酸の酸化方法は、二価の銅イオンの酸化力を利用して亜ひ酸を酸化するものである。
亜ひ酸は二価の銅イオンで容易に酸化することができる。また、一価の銅イオンは、酸素に接すると簡単に酸化される。しかし、一価の銅イオンの水に対する溶解度は極めて低く、例えば、塩化第一銅はほとんど不溶である。そのため、水中の一価の銅イオンは直ち析出して結晶になるので、結果として二価への酸化が起こりにくくなる。
また、三酸化二ひ素の水に対する溶解度は前記のごとく低いので、その結果酸化速度が遅くなる。
【0010】
本発明者は、塩化第一銅の水への溶解度が、塩酸あるいは塩化ナトリウムと塩化第一銅との複塩の形にすることで改善できること、および三酸化二ひ素の水に対する溶解度も塩酸存在下で高くなること、さらに塩酸酸性下で第一銅イオンが安定に存在し得ることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するにいたった。
【0011】
すなわち、本発明の亜ひ酸の酸化方法は、塩化第二銅、塩酸および塩化ナトリウムを含有する溶液中に亜ひ酸を溶解させ、攪拌しつつ空気あるいは酸素を通気することにより、亜ひ酸を常温常圧下で酸化してひ酸とする。
これにより、容易に亜ひ酸をひ酸に100%酸化することができる。
塩化第二銅の濃度は5g/l以上、150g/l以下であることが好ましく、塩酸の濃度は塩化第二銅の濃度の1%以上、10%以下であることが好ましく。また、塩化ナトリウムの濃度が塩化第二銅の濃度の1.3倍以上、2.0倍以下であることが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
この亜ひ酸の酸化方法は、塩化第二銅、塩酸および塩化ナトリウムを含有する溶液中に亜ひ酸を溶解させ、攪拌しつつ空気あるいは酸素を通気することにより、亜ひ酸を常温常圧下で酸化してひ酸とする。
三酸化二ひ素は水溶液中では亜ひ酸として存在し、亜ひ酸は第二銅イオンにより瞬時に酸化されてひ酸となり、その結果第二銅イオンは還元されて第一銅イオンになる。第一銅イオンの無機の酸性対としては、塩素イオン、硝酸根や硫酸根が挙げられるが、硫酸第一銅は水に接すると直ちに分解して銅と硫酸第二銅となり、硝酸第一銅も錯塩としては存在するが単塩の形では分離されていない不安定な化合物であることから、これら2つの第一銅塩は本発明には不適当である。
【0013】
一方、塩化第一銅の水に対する溶解度は極めて低く、還元性の水中では安定して存在し、単離されてフタロシアニンブルー製造時の原料として大量に消費されている。
水中に溶存している塩化第一銅イオンは、溶存酸素によって容易に酸化されて塩化第二銅イオンになり、塩化第二銅イオンになると水に対する溶解度は格段に向上する。しかしながら、水中に固体として存在する塩化第一銅を溶存酸素で酸化することは困難であることから、酸化速度を速めるには、塩化第一銅の溶解度を向上させる必要がある。
【0014】
塩化第一銅イオンは、塩化ナトリウムあるいは塩酸と複塩を形成し、その塩は水に対してよく溶解する。塩化ナトリウムの方が溶解度は高い。例えば、塩化ナトリウム190g/lの水溶液に塩化第一銅を100g/l溶かすことができる。
1molの亜ひ酸をひ酸に酸化するには、塩化第二銅4molを必要とする。従って、この塩化第二銅が亜ひ酸を酸化することによって生成する塩化第一銅を、迅速に空気あるいは酸素で酸化して塩化第二銅とする必要がある。銅イオンの絶対量が少なくては必然的に亜ひ酸をひ酸に酸化する速度に限界があり、一方、必要以上に多くしようとしても、塩化第一銅イオンの溶解度の関係から限界がある。また、必要以上に多くしても空気あるいは酸素との接触効率から無意味であるばかりか、ひ酸中の不純物量が増加する。以上の理由から塩化第二銅の濃度は、5g/l以上、150g/l以下が好ましく、10g/l以上、100g/l以下がより好ましい。
【0015】
塩化第一銅は、アルカリ性で加水分解し易く亜酸化銅を生成する。液を塩酸酸性にすることで塩化第一銅の分解を抑制することができる。また、液を塩酸酸性にすると、三酸化二ひ素の水に対する溶解度を高める効果があることから、ひ素の酸化速度を促進する。しかし、塩酸濃度が高いと三酸化二ひ素と塩酸が反応して三塩化ひ素を発生するので、必要以上に塩酸濃度を高くすることは避けなければならない。以上の理由から、塩酸の濃度は塩化第二銅の濃度の1%以上、10%以下が好ましく、2%以上、5%以下がより好ましい。
【0016】
なお、鉱酸として硫酸や硝酸があるが、硫酸は亜ひ酸と接すると亜ひ酸の一部をひ素に還元することから好ましくなく、硝酸は酸化剤として作用するのでこの面では好ましいが、NOX を発生するので好ましくない。
塩化第一銅を水に溶解するには、塩化ナトリウムが必須である。塩化第二銅5g/lは塩化第一銅3.7g/lに、150g/lは110g/lに相当する。110g/lの塩化第一銅を水に溶解するには、塩化ナトリウムが最低190g/l、安定に溶解させるには250g/lを必要とする。また、塩化第一銅3.7g/lを水に溶解するには、塩化ナトリウムが最低10g/l必要である。
【0017】
以上の理由から、塩化ナトリウムの濃度は、塩化第二銅の濃度の1.3倍以上、2.0倍以下が好ましく、1.5倍以上、2.0倍以下がより好ましい。
水中の溶存酸素量を増加させるには、水温を低くし、酸素濃度の高いガスを使用することが好適であることは当然である。空気または酸素ガスの通気量は、系内に第二銅イオンが常に存在するように供給することが好ましい。
【0018】
【実施例】
〔実施例1〕
塩酸の濃度が2g/l、塩化ナトリウムの濃度が50g/lの溶液1リットルを攪拌しつつ三酸化二ひ素50gを添加し、つぎに塩化第二銅30gを加えるのと同時に散気管から空気を500ml/分で5時間通気して三価のひ素を5価に酸化した。操作はすべて常温、常圧で行った。
このときの酸化率を表1に示す。
【0019】
〔比較例1〕
塩化ナトリウムを添加せず、その他はすべて実施例1と同様に操作した。
酸化率を表1に示す。
〔比較例2〕
塩化ナトリウムと塩化第二銅を添加せず、その他はすべて実施例1と同様に操作した。
酸化率を表1に示す。
【0020】
〔比較例3〕
塩酸、塩化ナトリウム、および塩化第二銅を添加せず、その他はすべて実施例1と同様に操作した。
酸化率を表1に示す。
【0021】
【表1】
Figure 0003816131
表1より、実施例1では酸化率が極めて高いのに対し、塩化ナトリウムや塩化第二銅や塩酸を添加しなかった比較例1、比較例2、比較例3では酸化率が低くなっていることが分かる。
【0022】
【発明の効果】
このように、本発明では、亜ひ酸を空気あるいは酸素で酸化するとき、塩酸、塩化ナトリウムおよび塩化第二銅を共存させることにより酸化が促進されるので、常温、常圧での操作が可能になり、反応時間を短縮して生産性を向上させ、エネルギーコストを低減することができる。また、過大な設備が不要で装置材質の選択幅が広くなり設備費用も低廉となる。

Claims (4)

  1. 塩化第二銅、塩酸および塩化ナトリウムを含有する溶液中に亜ひ酸を溶解させ、攪拌しつつ空気あるいは酸素を通気することにより、亜ひ酸を常温常圧下で酸化してひ酸とする亜ひ酸の酸化方法。
  2. 塩化第二銅の濃度が5g/l以上、150g/l以下であることを特徴とする請求項1記載の亜ひ酸の酸化方法。
  3. 塩酸の濃度が塩化第二銅の濃度の1%以上、10%以下であることを特徴とする請求項1記載の亜ひ酸の酸化方法。
  4. 塩化ナトリウムの濃度が塩化第二銅の濃度の1.3倍以上、2.0倍以下であることを特徴とする請求項1記載の亜ひ酸の酸化方法。
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