JP3815295B2 - 浄水自動販売機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、原水(水道水)を浄化し、その浄化した浄水を販売する浄水自動販売機に関し、特に、購入者が持参した容器に浄水を注水するタイプの浄水自動販売機に関する。
【0002】
【従来の技術】
販売される商品がコーヒーやジュース等の飲料である自動販売機では、飲料の通路で、特に大気と触れる部分で雑菌が繁殖するために自動洗浄を行っている。特に、浄水の販売機では、水道水を浄水に変換するフィルターから注水口までの間は大気に触れて雑菌が繁殖し易い、ということが知られている。そのため、定期的に洗浄水を作り注水口に流すことによって洗浄する必要がある。
このような自動販売機の洗浄制御装置として特公平5−62395号公報に記載の発明が提案されている。
【0003】
その発明は、商品の取出し口に扉を設け、商品やその原料の通路等の被洗浄装置を所定の時間間隔で洗浄水や湯等を流して洗浄を行うが、扉が開いていることを検出すると、洗浄動作が禁止され、湯等が人にかからないようにしたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、飲料水を購入者が持参した容器(ボトル)に入れるタイプの自動販売機では、いつでも容器を所定位置に置いてその前方に配置された扉を閉めて注水することができ、その場合には雑菌を含んだ洗浄水がこの容器に入ってしまう虞れがある。
又、所定の時間間隔で洗浄を行っていると、湯や洗浄水等の消費も多くなると言う問題を有する。
【0005】
本発明は上記した従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、購入者が持参する容器に雑菌等を含んだ洗浄水が注水されるのを防止できる浄水自動販売機を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明が講じた技術的手段は、注水位置に購入者が持参の容器をセットすると、注水口から原水を浄化した浄水が前記容器に注水される浄水自動販売機において、前記注水位置に容器が置かれているか否かを検出する容器検出センサと、注水位置の前面に設けた扉の閉じ状態をロック或いは解除し得るロック機構を備え、電源投入時に前記扉の閉じ状態をロックし、購入者が浄水を購入する操作を行うと、前記注水口から所定量の排水が行われて、浄水装置から注水口に至る浄水の通路を洗浄すると共に、洗浄後に前記扉のロックを解除し、容器が注水位置にセットされると容器に注水し、その後、容器の取り出しを前記容器検出センサが検出すると、前記扉の閉じ状態をロックするよう制御することを特徴とする(請求項1)。
【0007】
上記購入操作は、代金の支払い操作であって、前者の代金の支払いは、硬貨を投入したり紙幣を挿入する方式に限定されず、予め購入したプリペードカードを挿入し読み書きする方式、或いは携帯電話を利用する方式であってもよい(請求項2)
【0008】
上記浄水装置は、逆浸透膜方式、活性炭フィルター方式、ミネラル分を追加する方式、或いは電解水方式等、何れでもよく、要は、水道水よりも飲用或いは調理用として優れた水を生成できる方式であればよい。
また、洗浄は浄水を流して洗浄することに限定されず、専用の洗浄剤やお湯等を流して行うものであってもよい。
更に、洗浄時間は、季節や気温により雑菌の繁殖速度が変わるので、これらの条件に合わせて変えるとより効果的である。
【0009】
上記請求項1の手段によれば、購入者が浄水の購入操作(代金支払い操作、商品選択操作)を行うと、先ず扉の閉じ状態がロックされたまま浄化装置から注水口に至る浄水の通路が、浄水等で洗浄され、洗浄作業が終了すると前記扉の閉じロックが解除されて、容器を注水口直下にセット可能となり、購入操作で指定した量の浄水が容器に注水される。従って、購入する浄水に雑菌が混入するのを防止できる。更に、浄水が容器に注水されている販売動作中以外は、扉が閉じ状態にロックされるため、注水口がいたずらされ、或いは埃が侵入する等による不衛生を解消できる。
又、請求項2の手段によれば、上記洗浄は代金支払い等の購入操作で実行されるため、いたずら等によって洗浄作業が行われるのを減少でき、洗浄水等が無駄に使用されるのを防止できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基いて説明する。尚、以下の実施例は、本発明を具体化した一例であって、本発明はその要旨を変えない限り変更可能であり、この実施の形態に限定されるものではない。
図1及び図2は、本発明に係る浄水自動販売機1を示し、一般的な飲料の自動販売機と同様の外観を呈し、正面に容器(ボトル)2(図3参照)を出し入れする容器載せ部3を備え、該載せ部3の前面に扉4を開閉可能に設けており、中央部にはコイン投入口5を備え、その上下に注水ボタン6,7を配設している。また、扉4が開いている状態でロック機構8がONした場合でも、扉4を閉めることができるものがよい。
【0011】
注水ボタン6,7は、注水量を違えた操作ボタンであり、例えば、注水ボタン6は1.9リットル用、注水ボタン7は3.8リットル用であって、コイン投入口5に所定金額のコインが投入されると、その金額に対応した注水ボタン6,7が点灯し、所望の注水ボタン6又は7を押すことにより浄水装置10から浄水が容器2に注水され、その注水量が所定量(1.9リットル又は3.8リットル)に達すると注水を停止する。即ち、浄水自動販売機1は、周知の自動販売機能を有する制御部により制御されて浄水を定量販売するものである。
【0012】
又、容器載せ部3の前面に設けられる扉4は、一側のヒンジを中心として手動で開けることができ、且つ閉める時はバネ力によって自動的に閉鎖されるように構成されている。
そして、その扉4はロック機構8により閉じ状態が保持され、ロック機構8がONの時、扉4は開けることができない。そのロック機構は、電磁ソレノイドによって構成され、ロック(固定)或いは解除し得るようになっている。
【0013】
また、浄水自動販売機1に装備される浄水装置10は、一端側を原水である水道水を供給する水道管11に連結し、他端側に前記浄水自動販売機1の容器載せ部3の直上に配置された注水口12を設け、その水道管11と注水口12との間に逆浸透膜型濾過手段を配設すると共に、水道管11と前記濾過手段との間の給水用配管路13及び前記濾過手段と注水口12との間の注水用配管路14にそれぞれ作動部材を配設して構成される。
即ち、水道水を活性炭フィルターで一次浄化し、それを逆浸透膜フィルターで純水にして容器2に注水する。そして、逆浸透膜フィルター周辺での雑菌の繁殖を抑えるために、所定の時間間隔で浄水(純水)を前記逆浸透膜フィルターの入口に戻して循環させ、逆浸透膜型濾過手段から注水口に至る注水用配管路14を洗浄するようになっている。洗浄水は容器載せ部3の載せ板に開口の排水口に接続された排水管15から排水される。
【0014】
以下、逆浸透膜型濾過手段から注水口に至る注水用配管路14を洗浄する洗浄制御システムを、図4の電気ブロック図及び図5のフローチャートに基いて説明する。
図4は洗浄制御システムの構成を示す電気ブロック図で、CPUはROMに記憶された動作プログラムを読み出して実行することにより、装置全体の制御を行うものである。
RAMは、CPUが動作するために必要なワークエリアが設けてあり、各種設定データを記憶する書換え可能なメモリーである。
入金部は、所定のコイン(又は紙幣)が入金されたことを検出して前記CPUにその旨を通知する。
浄水制御部は、浄水装置に組み込まれている各電磁弁SV1〜SV5、ポンプP、流量計FM等、浄水装置を制御するものである。
扉ロックソレノイドは、扉ロック機構をロック(固定)、或いは解除するものである。
容器検出センサは、注水できる位置(例えば、注水口の直下)に容器2が置かれているか否かを検出するものである。このセンサとしては、例えば、投光器と受光器からなるセンサが一般的である。
1.9リットルSWは、購入する浄水の量を選択するスイッチで、浄水を1.9リットル注水するためのキースイッチである。
3.8リットルSWは、購入する浄水の量を選択するスイッチで、浄水を3.8リットル注水するためのキースイッチである。
そして、上記した浄水制御部、扉ロックソレノイド、容器検出センサ、1.9リットルSW、3.8リットルSWはインターフェースを介して前記CPU、及びROM、RAM、入金部と接続されている。
【0015】
次に、本発明に関する浄水装置のCPUの動作の概略を、図5のフローチャート図に基いて説明する。尚、このフローチャートは、浄水自動販売機の電源を入れることでスタートする。
(ステップ1)
浄水自動販売機における容器載せ部3の前面に設けられた扉4の閉じ状態を、扉ロック用ソレノイドの作動でロック(固定)する。
(ステップ2)
浄水購入者が購入操作をしたか否かを判断する。即ち、購入者がコイン投入口5に浄水購入に必要なコインの投入(代金の支払い)を済ませたか否かを判断し、代金支払いが済んだ場合(YES)はステップ3へ移行し、代金支払いが済んでいない場合(NO)はステップ2に戻る。
【0016】
(ステップ3)
浄水装置10を稼動させて浄水(純水)を作り、注水口12から排水する。この動作を所定時間(例えば、5秒間〜10秒間)行う。この洗浄作業により、浄水装置10の逆浸透膜フィルターから注水口までの浄水の通路、即ち注水用配管路14内が洗浄される。尚、この洗浄作業中は、扉4は閉じ状態がロックされて外部から開かないようになっている。それにより、容器2を容器載せ部に置くことはできない。
(ステップ4)
ステップ3の終了により、ロック機構8のソレノイドが作動して扉4のロックを解除し、購入者が容器2を容器載せ部3にセットできるようにする。
【0017】
(ステップ5)
扉4を開けて、容器2が容器載せ部3の所定位置にセットされているか否かが容器検出センサで判断される。容器2が容器載せ部3の所定位置にセットされているのが前記検出センサで検出された場合はステップ6に移行し、容器の検出がNOの場合は、検出(YES)されるまでステップ5が繰り返される。
(ステップ6)
容器2が容器載せ部3にセットされているのが検出されると、注水口の直下にセットされた容器2に、所定量の浄水の注水が行われる。所定量の浄水とは、前記ステップ2で選択した注水ボタン6又は注水ボタン7の量である。
【0018】
(ステップ7)
所定量の浄水が容器2に注水された後、その容器2が容器載せ部3から取り除かれているか否かが容器検出センサで検出され、容器載せ部3に容器2が無いこと(NO)が検出されるまで繰り返し行われる。そして、容器2の不存在(NO)が検出されるとステップ8に移行する。
(ステップ8)
前記ステップ7で容器2が取り除かれた後、扉4はバネ力によって自動的に閉鎖される。その閉鎖状態がロック機構8の作動でロック(固定)され、ステップ2に戻り、次の購入動作を待つ。
【0019】
上記した動作により、浄水装置から注水口に至る浄水の通路、即ち注水用配管路14の洗浄は、購入動作の信号を受けて容器2への浄水の注水直前に行われる。
従って、購入する浄水に雑菌等が混入するのを確実に防止できる。しかも、注水直前の洗浄であるため、洗浄が効果的で、衛生性に優れる。
又、購入希望の浄水が容器に注水される時以外、容器載せ部前方に設けられた扉は閉じられ、且つ外部から開けられないようにロック機構でロック(固定)されているため、注水口が悪戯されたり、埃が入る等を防止することができる。
【0020】
尚、上記した洗浄において、逆浸透膜への水圧を、始めは高くして水量を多くし、その後は水圧を低く、つまり、通常の稼動時と同様な水圧にすると、早く、且つ清潔な洗浄を行うことができる。
又、上記の洗浄は、浄水を流す方式に限らず、専用の洗浄剤やお湯等を流して洗浄する方式でもよい。
更に、前記した洗浄を開始する条件は、代金支払い操作に限らず、商品(購入量)の選択操作後に、その選択商品に対応する代金の支払い操作をおこなうものでは、最初の操作、つまり、商品(購入量)選択操作を条件としてもよい。この場合、配管路の洗浄中に、残りの操作である代金支払い操作をすることになり、その分、購入者の待ち時間を実質減少することができる。
また、洗浄時間は、季節や気温により、雑菌の繁殖速度が変わるので、これらの条件に合わせて設定を変えるとよい。
更に、前記した浄水装置は、逆浸透膜方式であるが、この方式に限定されず、例えば活性炭フィルター方式、ミネラル分を追加する方式、或いは電解水方式等、つまり、水道水よりも飲用、或いは調理用として優れた水を生成できるものであればよい。
また、注水後に扉をロックしない場合には、購入操作前に容器がセットされることを防ぐために、洗浄の直前に容器を検出すると警報を発するようにするとよい。
【0021】
【発明の効果】
本発明の浄水自動販売機は請求項1記載の構成により、購入者が購入する浄水に雑菌が混入するのを確実に防止できる。しかも、雑菌が混入するのを防止する洗浄は、容器に浄水を注水する直前に行うため、洗浄は効果的で、衛生性に優れるものである。更に、浄水の販売動作中以外は扉を閉じ状態にロックでき、外部から開けることができない。それにより、注水口が悪戯されたり、或いは埃が入るのを防止でき、衛生的な浄水自動販売機を提供できる。
又、請求項2に記載の構成により、上記の洗浄動作が悪戯等の操作で行われるのを減少できる。それにより、洗浄に要する浄水やお湯が無駄に消費されるのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る浄水自動販売機の正面図である。
【図2】図1の一部を切欠する側面図である。
【図3】浄水装置の概略を示す配管図である。
【図4】洗浄制御システムの構成を示す電気ブロック図である。
【図5】本発明に係る浄水自動販売機の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…浄水自動販売機 2…容器
3…容器載せ部 4…扉
5…コイン投入口 6,7…注水ボタン
8…ロック機構

Claims (2)

  1. 注水位置に購入者が持参の容器をセットすると、注水口から原水を浄化した浄水が前記容器に注水される浄水自動販売機において、
    前記注水位置に容器が置かれているか否かを検出する容器検出センサと、注水位置の前面に設けた扉の閉じ状態をロック或いは解除し得るロック機構を備え、電源投入時に前記扉の閉じ状態をロックし、購入者が浄水を購入する操作を行うと、前記注水口から所定量の排水が行われて、浄水装置から注水口に至る浄水の通路を洗浄すると共に、洗浄後に前記扉のロックを解除し、容器が注水位置にセットされると容器に注水し、その後、容器の取り出しを前記容器検出センサが検出すると、前記扉の閉じ状態をロックするよう制御することを特徴とする浄水自動販売機。
  2. 上記購入操作は、代金支払い操作である請求項1記載の浄水自動販売機。
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