JP3814749B2 - パネル組合せ構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、歩行通路、水槽等を形成するために複数のパネルを横方向に連続して組み合わせるパネル組合せ構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
複数のパネルを横方向に連続して組み合せるパネル組合せ構造、例えば天窓を形成する構造としては実公平3−56579号公報に示すものが知られている。具体的には、複数のH型鋼を井桁状に連結してパネル取付用枠を形成し、この各H型鋼の上端部にパネル保持材を取付け、このパネル保持材でパネルを保持して複数のパネルを横方向に連続して組み合せ、そのパネル保持材に排水用の樋部を一体的に形成してパネル保持部から洩れた雨水等を樋部で受けるようにしてある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前述のパネル組合せ構造はパネルに作用する負荷(荷重)をパネル保持材を介してパネル取付用枠で支持するので、そのパネルに大きな負荷が作用するとパネル保持材が大きく変形し、シール性が低下したり、そのパネル保持材がH型鋼から外れたり、パネルがパネル保持材から外れる恐れがある。
【0004】
すなわち、前述のパネル組合せ構造は天窓を形成するためであり、そのパネルには強風雨による負荷が作用するのみで大きな負荷が作用しないので、前述のパネル組合せ構造でもシール性が低下したり、パネル、パネル保持材が外れることがない。
【0005】
しかしながら、前述のようにして複数のパネルを組み合せて歩行通路、水槽などを形成すると、そのパネルには大きな負荷が作用するのでシール性が低下したり、パネル、パネル保持材が外れる恐れがある。
【0006】
また、パネル保持材に形成した排水用の樋部とパネル下面は離れているので、大量の漏水が発生してその排水用の樋部に大量の雨水等が流れ込むと排水用の樋部から雨水等が溢れ出して下方に落下する。
【0007】
そこで、本発明は前述の課題を解決できるようにしたパネルの組合せ構造を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、上部にガスケット取付部を備えた複数の枠材を井桁状に連結し複数の枠部を有するパネル取付用枠と、
横片と連結部とシール部で、その連結部とシール部との間に排水用樋部を有し、シール部の下部に枠材の上部のガスケット取付部が係合する係合凹部を有する一対のガスケットで、前記各枠材のガスケット取付部に取付けられ、一対のシール部と、この一対のシール部間の排水用樋部と、その排水用樋部の中間部に目地シール材受け部を有するパネル支持ガスケットと、
前記各枠部のパネル支持ガスケットのシール部に載置して取付け、隣接したパネルの端面が目地シール材受け部に当接して目地凹部を形成した複数のパネルと、
前記各パネルを枠材に連結し、かつ各パネルの上面よりも上方に突出しないパネル連結装置を有し、
隣接したパネルの端面相互間が、前記目地凹部に装着された目地シール材でシールされ、その目地シール材が前記排水用樋部の上方に位置していることを特徴とするパネル組合せ構造である。
【0011】
第2の発明は、第1の発明においてパネル支持ガスケットの目地シール材受け部に磁性体を取付けたパネル組合せ構造である。
【0012】
【作 用】
第1の発明によれば、パネルに作用する負荷がパネル連結装置によって枠材で支持され、その負荷がパネル支持ガスケットには作用しないので、パネルに大きな負荷が作用してもパネル支持ガスケットが大きく変形しない。
これによって、シール性能が低下したり、パネルやパネル支持ガスケット自体が外れたりすることがない。
【0013】
目地シール材による目地シール部分から漏れた雨水等は排水用樋部に流れ落ちる。
この排水用樋部の上方開口部はパネル下面で閉塞されるので、大量の雨水等が漏れても排水用樋部から溢れることがない。
【0014】
パネル支持ガスケット、パネル連結装置はパネルの上面から上方に突出しないので、パネルの上面は平坦面である。
これによって、複数のパネルを歩行通路、水槽などとすることが可能である。
【0015】
また、パネル支持ガスケットの目地シール材受け部にパネルの端面が当接することで隣接するパネルの位置決めをできるから目地凹部を所定の幅とすることができる。
目地凹部に目地シール材を装着する作業がやり易い。
【0016】
また、枠部にガスケットをそれぞれ装着し、一対のガスケットの連結部を連結することでパネル支持ガスケットを形成できるので、そのガスケットの装着作業がやり易い。
【0017】
第2の発明によれば、自走式のクリーニング機器に磁気検出器を取付けることで、そのクリーニング機器を目地シール部分に沿って自動走行することが可能である。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1に示すように、複数の第1の枠材1を間隔を置いて平行に配設し、その隣接する第1の枠材1間に第2の枠材2を連結して複数の枠材が井桁状に連結され複数の枠部3を有するパネル取付用枠4を形成している。
前記各枠部3の上面部分にパネル、例えば合せガラス5がそれぞれ載置して連結されて複数の合せガラス5が横方向に連続して組み合せている。
【0019】
前記第1の枠材1と第2の枠材2は図2に示すように上横片6(ガスケット取付部)と下横片7と縦片8で断面I型の長尺材で、第1の枠材1側面の長手方向複数位置に複数の第2の枠材2の長手方向端面が突き合せて溶接等で固着されて連結されている。
前記第1の枠材1、第2の枠材2は図示しない支持用部材で地上に支持され、前記パネル取付用枠4は地上よりも上方に配設してある。
このようであるから、前述のパネル取付用枠4、合せガラス5を地上の人が見上げるようになる。
【0020】
前記枠部3を形成する相対向した一対の第1の枠材1の上横片6の幅方向半分と相対向した一対の第2の枠材2の上横片6の幅方向半分とに亘ってガスケット9が4周連続してそれぞれ装着され、各上横片6に装着した2つのガスケット9でパネル支持ガスケット10を形成している。
【0021】
前記ガスケット9は図3に示すように、横片11と、この横片11の一側部に一体的に設けた連結部12と、横片11の他側部に一体的に設けたシール部13を有する所定の幅と厚さを有する長尺材で、連結部12とシール部13の上面は略同一高さで、その連結部12とシール部13との間に上向凹部14(排水用樋部)を有する。前記シール部13は横片11下面よりも下方に突出した厚肉で、その下方に突出した部分には横片11下面と連続し、かつ上横片6の一端部が嵌まり込む横向き凹部15(係止凹部)を有する。
【0022】
このガスケット9はパネル取付用枠4を形成した後に各枠部3に横向き凹部15が上横片6に嵌まり込むようにして四周連続して装着される。したがって、ガスケット9を各枠部3の上部に簡単に装着できる。
【0023】
1つの第1の枠材1及び1つの第2の枠材2の上横片6に装着した一対のガスケット9の連結部12は相互に接し、下向きコ字状の連結具16が嵌め込みされて連結されてパネル支持ガスケット10を形成している。
【0024】
これによって、前記パネル支持ガスケット10は合せガラス下面が接する一対のシール部13と、この一対のシール部13間の上向き凹部14(排水用樋部)と、この上向き凹部14の中間に設けられパネル端面が当接する一対の連結部12(目地シール材受け部)と、一対の横向き凹部15(係止凹部)を有する形状である。
なお、連結部12は後述するように隣接する合せガラス5間の目地凹部を形成するもので、この連結部12を設けなくとも良い。
【0025】
前記合せガラス5は図3に示すように、下ガラス17と上ガラス18をフィルム19を介して重ね合せてある。
【0026】
図1に示すように、各第2の枠材2における第1の枠材1の連結部近くには一対のパネル連結装置20がそれぞれ取付けてある。
このパネル連結装置20は第1の枠材1における第2の枠材2の連結部近くに取付けても良い。
すなわち、このパネル連結装置20は枠部3の各コーナー近くに取付けてある。
なお、パネル連結装置20は枠部3の各コーナー間の長手方向中間部に取付けても良い。
【0027】
前記パネル連結装置20は図3に示すように、第2の枠材2の縦片8に固着した鉤形のブラケット21と、前記下部ガラス17に設けた取付具22と、この取付具22で下部ガラス17に固着したボルト23と、このボルト23をブラケット21に固定する受けプレート24、ナット25を備えている。
前記取付具22は下部ガラス17の孔17aに上から下に抜け出ないように挿入した受け具26と、この受け具26に螺合した押え具27を備え、受け具26の半球状の下向き凹部26aにボルト23の球状部23aを嵌め込み、押え具27を締付けることでその半球状の上向き凹部27aをボルト23の球状部23aに押しつけてボルト23を合せガラス5の下部ガラス17に固着してある。
これにより、取付具22、ボルト23は上部ガラス18には突出せずに合せガラス5の上面は平坦面である。
【0028】
前記ボルト23はブラケット21の孔21aを挿入して下方に突出し、そのボルト23に螺合した受けプレート24がボルト23の下向段部23bとブラケット21の上面に接している。このボルト23にナット25を螺合してボルト23をブラケット21に固定する。
これにより、合せガラス5に作用する負荷がボルト23を介してブラケット21に伝わり、第2の枠材2で支持する。
【0029】
したがって、合せガラス5の上に人が歩行したり、合せガラス5が水槽の底部で水圧が作用し、その合せガラス5に大きな負荷が作用しても合せガラス5が外れることがないと共に、ガスケット9のシール部13に大きな負荷が作用せずにガスケット9が外れたり、シール性が低下することがない。
【0030】
前記合せガラス5の下面は各ガスケット9のシール部13の上部に圧接して上向き凹部14との間に四周連続し密閉された空間部を形成する。合せガラス5の端面が連結部12(連結具16)に当接して隣接した合せガラス5間に目地凹部30を形成し、この目地凹部30に湿式シール材などの目地シール材31がバックアップ材32を介して装着してある。
この目地シール材31を装着する時にバックアップ材32が一対の連結部12(連結具16)に当接するので、その目地シール材31を装着する作業がやり易い。
すなわち、一対の連結部12が目地シール材受け部を形成する。
【0031】
この目地シール材31部分から浸入した雨水等はガスケット9の上向凹部14に流入し、任意の位置に取付けてある排水パイプ33より外部に排水される。
前記上向凹部14は四周連続し、合せガラス5の下面で閉塞されて密閉された空間を形成しているので、その上向凹部14に大量の雨水等が流入しても溢れることがない。
【0032】
前記ガスケット9の連結部12には磁性体、例えばマグネット34が取付けてある。
これによって、走行可能なクリーニング機器に磁気検出器を取付けることで、クリーニング機器を目地凹部30に沿って自動走行させることが可能となる。
【0033】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、パネルに作用する負荷がパネル連結装置によって枠材で支持され、その負荷がパネル支持ガスケットには作用しないので、パネルに大きな負荷が作用してもパネル支持ガスケットが大きく変形しない。
これによって、シール性能が低下したり、パネルやパネル支持ガスケット自体が外れたりすることがない。
【0034】
目地シール材による目地シール部分から漏れた雨水等は排水用樋部に流れ落ちる。
この排水用樋部の上方開口部はパネル下面で閉塞されるので、大量の雨水等が漏れても排水用樋部から溢れることがない。
【0035】
パネル支持ガスケット、パネル連結装置はパネルの上面から上方に突出しないので、パネルの上面は平坦面である。
これによって、複数のパネルを歩行通路、水槽などとすることが可能である。
【0036】
また、パネル支持ガスケットの目地シール材受け部にパネルの端面が当接することで隣接するパネルの位置決めをできるから目地凹部を所定の幅とすることができる。
目地凹部に目地シール材を装着する作業がやり易い。
【0037】
また、枠部にガスケットをそれぞれ装着し、一対のガスケットの連結部を連結することでパネル支持ガスケットを形成できるので、そのガスケットの装着作業がやり易い。
【0038】
請求項2に係る発明によれば、自走式のクリーニング機器に磁気検出器を取付けることで、そのクリーニング機器を目地シール部分に沿って自動走行することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】複数のパネルを組み合せた状態の概略平面図である。
【図2】パネル取付用枠の斜視図である。
【図3】図1のA−A詳細斜視図である。
【符号の説明】
1…第1の枠材
2…第2の枠材
3…枠部
4…パネル取付用枠
5…合せガラス(パネル)
6…上横片(ガスケット取付部)
9…ガスケット
10…パネル支持ガスケット
11…横片
12…連結部(目地シール材受け部)
13…シール部
14…上向き凹部(排水用樋部)
15…横向凹部(係合凹部)
20…パネル連結装置
30…目地凹部
31…目地シール材
34…マグネット(磁性体)
Claims (2)
- 上部にガスケット取付部を備えた複数の枠材を井桁状に連結し複数の枠部を有するパネル取付用枠と、
横片と連結部とシール部で、その連結部とシール部との間に排水用樋部を有し、シール部の下部に枠材の上部のガスケット取付部が係合する係合凹部を有する一対のガスケットで、前記各枠材のガスケット取付部に取付けられ、一対のシール部と、この一対のシール部間の排水用樋部と、その排水用樋部の中間部に目地シール材受け部を有するパネル支持ガスケットと、
前記各枠部のパネル支持ガスケットのシール部に載置して取付け、隣接したパネルの端面が目地シール材受け部に当接して目地凹部を形成した複数のパネルと、
前記各パネルを枠材に連結し、かつ各パネルの上面よりも上方に突出しないパネル連結装置を有し、
隣接したパネルの端面相互間が、前記目地凹部に装着された目地シール材でシールされ、その目地シール材が前記排水用樋部の上方に位置していることを特徴とするパネル組合せ構造。 - パネル支持ガスケットの目地シール材受け部に磁性体を取付けた請求項1記載のパネル組合せ構造。
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