JP3814669B2 - 標的ポリヌクレオチドにハイブリッド形成するための新規な一工程方法とポリヌクレオチド化合物 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、ポリヌクレオチド化合物と標的ポリヌクレオチドとからなるハイブリッドの形成方法、好適ポリヌクレオチド化合物およびその合成に関するものである。ポリヌクレオチド化合物はプローブとして或いは薬剤として使用することができる。
【0002】
【発明の背景】
ポリヌクレオチドプローブとのハイブリッド化は、標的ポリペプチドの存在を証明するための周知方法である。ハイブリッド化は、相補的塩基対の形成に基づいている。一本鎖ポリヌクレオチドプローブを一本鎖標的ポリヌクレオチドと共に溶液中で培養すると、相補的塩基配列が対となって二重鎖ハイブリッド分子を形成する。二重鎖ハイブリッド分子は、化学的もしくは物理的手段によって一本鎖ポリヌクレオチドプローブから分離することができる。たとえば、M.グルンスタインおよびJ.ワリス、メソッズ・イン・エンチモロジー、第68巻、R.W.U(編)、第379〜469頁(1979);A.R.デュンおよびJ.サムブルック、メソッズ・イン・エンチモロジー、第65巻、第1部、第468〜478頁(1980);D.C.ワード、A.A.ワルドロップおよびP.R.ランガー、「改変ヌクレオチド並びにその製造および使用方法」と題するヨーロッパ特許公開第0,063879号(1982年11月3日公開);A.J.ベリーおよびJ.B.ピーター、ダイアグノスチック・メジスン「感染病に対するDNAプローブ」(1984年3月)、第1〜8頁;並びにウィー・シング・リーおよびジェームス L.ベニングトン、組換えDNA技術「臨床微生物における用途」、ラボラトリー・マネージメント(1985年4月)、第21〜26頁を参照することができる。
【0003】
一般に、プローブはポリヌクレオチド部分とこのポリヌクレオチドに結合した信号成分部分とからなっている。プローブのポリヌクレオチド部分は塩基対を形成する能力、すなわち興味ある配列もしくは標的ポリヌクレオチドに対しハイブリッド化する能力を有する。プローブの信号成分部分は、ハイブリッド化ポリヌクレオチドプローブの存在を証明しうる手段を有し、またはこの手段を生ぜしめる。たとえばこの手段は蛍光、燐光、クロモゲン、放射能もしくは電子密度とすることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ポリヌクレオチドプローブを用いて標的ポリヌクレオチドを検出する方法は、一般にたとえば先ず最初に標的配列を含む二重鎖ポリヌクレオチドを試料から単離することによって行われる。二重鎖ポリヌクレオチドを制限エンドヌクレアーゼ切断により小断片まで切断してこれら断片をゲル電気泳動によって分離し、その後これらをゲルから支持体(たとえばニトロセルロース紙)へ移すことができる。或いは、二重鎖ポリヌクレオチドを何ら事前の酵素切断なしにニトロセルロースへ直接に固定することもできる。固定したポリヌクレオチドをポリヌクレオチドプローブ含有の溶液と接触させ、かつ支持体を約80〜90℃まで加熱してポリヌクレオチド二重鎖を変性させる〔二重鎖はアルカリによって変性させることもできる〕。かくして標的ポリヌクレオチドとポリヌクレオチドプローブとの両者を含有するようになった試料を適当な温度まで冷却させ、その間にポリヌクレオチドプローブと標的ポリヌクレオチドとの間でハイブリッド化が生ずる。ハイブリッド化を完結させるための充分な時間(10分間から数時間とすることができる)が経過した後、固定した標的ポリヌクレオチドを洗浄して未結合のポリヌクレオチドプローブを全部除去する。ポリヌクレオチドプローブの信号成分部分が、次いで放射能もしくは蛍光により直接的に或いは酵素反応で生成したクロモゲンによって間接的に検出される。
【0005】
この方法の欠点は、標的ポリヌクレオチドの存在を証明するのに数工程を必要とすることである。すなわち、支持体に対する標的ポリヌクレオチドの固定と、ポリヌクレオチドプローブに対する標的ポリヌクレオチドの接触と、支持体からの未ハイブリッド化ポリヌクレオチド全体の除去とを必要とする。
【0006】
最近、均質(すなわち1工程)の核酸ハイブリッド化分析により標的ポリヌクレオチドの存在を検出する方法が報告された。この方法は、第一および第二の両者とも感光性標識を含有する一本鎖ポリヌクレオチドを試料からの相補的一本鎖ポリヌクレオチド標的とハイブリッド化させて、これら第一および第二ポリヌクレオチドの感光性標識間で非放射性エネルギー移動を生ぜしめることからなっている。感光性標識の少なくとも一方は吸光/発光型であって、他方の感光性標識から吸収されたエネルギーを異なる波長で再放出する。これらの二次的発光は、第一および第二の一本鎖ポリヌクレオチドの両者が標的ポリヌクレオチドに対しハイブリッド化した場合にのみ生じうる。試料中の標的ポリヌクレオチドの量は、二次的発光量に関係する〔ミッシェル・ジェームス・ヘラーによる1983年1月26日公開のヨーロッパ特許公開第0,070,685 号参照〕。
【0007】
この方法の欠点は、2種の別個のポリヌクレオチドプローブを用いて標的ポリヌクレオチドの存在を検出する必要があることである。さらに、この方法は、化学発光触媒と、吸光/発光成分と、化学発光触媒の存在下で発光を生ぜしめるのに有効な化学発光試薬との存在を必要とする。さらに、感光性標識が末端ヌクレオチドの糖成分に結合されるため、ポリヌクレオチドプローブ1個当り標識を1個しか結合させ得ない。また、嵩張った標識は、これら標識に隣接した相補的塩基のハイブリッド化を妨げる。
【0008】
最近、標的ポリヌクレオチドをプローブポリヌクレオチドにハイブリッド化させかつ得られたハイブリッドをこれらハイブリッドに結合するよう選択された固定化もしくは固定化しうる形態の抗体に対する結合によって固定化させるという方法が報告されている。その一具体例は、挿入デュプレックス用に選択した抗体の使用である。しかしながら、この方法は均質分析でない。さらに、挿入剤は標的に対するプローブのハイブリッド化に際し直接的には信号を発生しない。さらに挿入剤は、塩基対の形成に必要とされる位置におけるリンカアームなしに塩基へ直接に結合する〔J.P.アルバレラ等、1985年6月26日公開のヨーロッパ特許出願第146,039 号参照〕。
【0009】
ポリヌクレオチドに結合した蛍光性挿入成分が文献中に報告されている。これらは、たとえばクロルアセトアルデヒドのような二官能性試薬とアデニンもしくはシトシンとを反応させて芳香族三環式化合物を生成させることにより製造される〔J.R.バリオ、J.A.セクリストIII およびN.J.レオナード、「蛍光性アデノシンおよびシチジン誘導体」(1972)、B.B.R.S.、第46(2)巻、第597〜604頁、並びにC.H.リーおよびJ.G.ウェトムア、「クロルアセトアルデヒド標識した蛍光性DNAの物理的研究」(1973)、B.B.R.S.第50(3)巻、第879〜885頁参照〕。この方法は、蛍光成分に変化した塩基が塩基対を形成せず、したがって、この種の蛍光成分がハイブリッド化工程を不安定化させるという欠点を有する。
【0010】
【課題を解決するための手段】
標的ポリヌクレオチドとポリヌクレオチド化合物とからなるハイブリッドの形成方法につき、好適ポリヌクレオチド化合物と共にここに開示する。これらのポリヌクレオチド化合物は、一本鎖もしくは二重鎖標的ポリヌクレオチドの存在を均質、すなわち1工程の分析で検出するため、或いは同質ポリヌクレオチドを標的二重鎖ポリヌクレオチドから競合的に排除させたりまたは標的一本鎖ポリヌクレオチドに対し安定結合させて標的ポリヌクレオチドの転写もしくは複製を防止するために使用することができる。
【0011】
ポリヌクレオチド化合物は、ポリヌクレオチドとこのポリヌクレオチドに対しリンカアームによって結合された少なくとも2種の成分とからなっている。このポリヌクレオチドは、標的ポリヌクレオチドに対し塩基対を形成しまたはハイブリッド化することができる。標的ポリヌクレオチドに対しプローブのポリヌクレオチド部分がハイブリッド化すると、ポリヌクレオチド化合物もしくは標的ポリヌクレオチドまたはその両者における少なくとも1つの性質に変化が生じ、この変化が信号を構成する。変化する性質がポリヌクレオチド化合物の性質である場合、これはポリヌクレオチドの性質またはその成分の性質のいずれであってもよい。
【0012】
ポリヌクレオチド化合物を使用して性質の変化により標的ポリヌクレオチドの存在を検出する場合には、ポリヌクレオチド化合物はポリヌクレオチドプローブとして作用する。ポリヌクレオチド化合物を使用して同質ポリヌクレオチドを二重鎖標的ポリヌクレオチドから排除させたり或いは一本鎖標的ポリヌクレオチドに対し安定結合させたりする場合には、ポリヌクレオチド化合物はポリヌクレオチド薬剤として作用する。
【0013】
好適ポリヌクレオチド化合物は、構造式
【化2】
〔式中、Bはピリミジン、プリンおよびデアザプリンよりなる群から選択される塩基を示し、ただしBがピリミジンである場合は糖がピリミジンのN1 −位置に結合し、またBが、プリンもしくはデアザプリンであれば糖はプリンもしくはデアザプリンのN9 −位置に結合し、「Phen」は任意のフェナンスリジン成分を示し、L.A.は少なくとも3個の炭素原子を含むリンカアームであって前記フェナンスリジン成分の5−位置に結合し、ZはHもしくはO−のいずれかである〕を有する少なくとも1種の成分からなっている。
【0014】
本発明の目的は均質分析により標的ポリヌクレオチドの存在を検出する方法を提供することであり、この分析法はポリヌクレオチドとこのポリヌクレオチドに結合した少なくとも2種の成分とからなるポリヌクレオチドプローブを使用し、標的ポリヌクレオチドに対するポリヌクレオチドのハイブリッド化自身に際しポリヌクレオチド化合物もしくは標的ポリヌクレオチドまたはその両者における少なくとも1つの性質に変化が生じ、この変化が信号を構成するものである。
【0015】
本発明の他の目的は、二重鎖ポリヌクレオチドから同質ポリヌクレオチドを排除するためにポリヌクレオチド化合物を使用することによる標的ポリヌクレオチド野天社の防止方法を提供することであり、ポリヌクレオチド化合物はポリヌクレオチドと少なくとも2種の成分とからなり、これら成分はポリヌクレオチド化合物におけるポリヌクレオチド部分と標的ポリヌクレオチドとの結合を高めて、この結合が同質の排除されるポリヌクレオチドと標的ポリヌクレオチドとの結合力よりも大となるようにし、かくして標的ポリヌクレオチドの転写もしくは翻訳を防止する。
【0016】
本発明のさらに他の目的は、ポリヌクレオチド化合物と標的ポリヌクレオチドとからなるハイブリッドを形成することによる標的ポリヌクレオチドの転写もしくは翻訳の防止方法を提供することであり、ポリヌクレオチド化合物はポリヌクレオチドとこのポリヌクレオチドに結合された少なくとも2種の成分とからなり、これら成分はハイブリッドの安定性を高めてポリヌクレオチドプローブのポリヌクレオチド部分が他の同質ポリヌクレオチドにより容易には排除され得ないようにし、かくして標的ポリヌクレオチドの転写もしくは翻訳を防止する。
【0017】
さらに本発明の他の目的は、ポリヌクレオチドとこのポリヌクレオチドに結合した少なくとも2種の放射線放出成分とからなるポリヌクレオチドプローブを使用する均質分析により標的ポリヌクレオチドの存在を均質分析で検出する方法を提供することであり、これら成分の放出エネルギーは標的ポリヌクレオチドに対するポリヌクレオチドプローブのポリヌクレオチド部分のハイブリッド化に際して変化し、この放射線エネルギーの変化が信号となる。
【0018】
本発明のさらに他の目的は、ポリヌクレオチドとこのポリヌクレオチドに結合した少なくとも2種の放射線放出成分とからなるポリヌクレオチドプローブを使用する均質分析により標的ポリヌクレオチドの存在を検出する方法を提供することであり、これら成分の放出エネルギーはポリヌクレオチドハイブリッド中への成分の挿入に際して変化し、これら放射線放出成分は標的ポリヌクレオチドに対するポリヌクレオチドプローブのポリヌクレオチド部分のハイブリッド化によって生成したハイブリッド中へのみ実質的に挿入され、放射線エネルギーの変化が信号となる。
【0019】
本発明の他の目的は、ポリヌクレオチドとこのポリヌクレオチドに結合した少なくとも2種の蛍光放出成分とからなるポリヌクレオチドプローブを使用する均質分析により標的ポリヌクレオチドの存在を均質分析で検出する方法を提供することであり、これら成分の放出蛍光エネルギーはポリヌクレオチドハイブリッド中へのこれら成分の挿入に際して変化し、これら蛍光放出成分は標的ポリヌクレオチドに対するポリヌクレオチドプローブのポリヌクレオチド部分のハイブリッド化により生成されたハイブリッド中へのみ実質的に挿入され、放射蛍光エネルギーの変化が信号となる。
【0020】
さらに本発明の他の目的は、ポリヌクレオチドとこのポリヌクレオチドに結合した少なくとも2種の蛍光放出成分とからなるポリヌクレオチド化合物を提供することであり、蛍光放出成分はポリヌクレオチドハイブリッド中への挿入に際して蛍光放出エネルギーの変化を示し、蛍光放出成分は標的ポリヌクレオチドに対するポリヌクレオチド化合物のポリヌクレオチド部分のハイブリッド化によって生成されたハイブリッド中へのみ実質的に挿入される。
【0021】
A.ポリヌクレオチド化合物の一般的説明
本発明はポリヌクレオチド化合物の使用につき開示する。このポリヌクレオチド化合物は、ポリヌクレオチド部分とこのポリヌクレオチドに結合した少なくとも2種の成分部分とからなっている。これら成分は、他の約10個のヌクレオチド成分よりなる部分によって互いに分離されたヌクレオチド成分に結合せねばならない。これは、ポリヌクレオチド部分に対し標的特異性を付与する。成分部分は、標的ポリヌクレオチドに対するポリヌクレオチド化合物のポリヌクレオチド部分のハイブリッド化に際しポリヌクレオチド化合物または標的ポリヌクレオチドのいずれかにおける性質変化を生ぜしめうる特徴を有する。ポリヌクレオチド化合物における性質変化は、ポリヌクレオチド部分に生じても成分部分に生じてもよい。
【0022】
この性質変化は2つの方法で利用することができる。1つの方法は、この性質変化を監視して標的ポリヌクレオチドの存在を検出するものである。この場合、ポリヌクレオチド化合物はポリヌクレオチドプローブとして使用される。第二の方法は、この性質変化を利用してポリヌクレオチド化合物のポリヌクレオチド部分に同質性であるポリヌクレオチドを標的ポリヌクレオチドから排除させたり、或いはポリヌクレオチド化合物のポリヌクレオチド部分を標的ポリヌクレオチドへ安定結合させたりするものである。この場合、ポリヌクレオチド化合物はポリヌクレオチド薬剤として使用される。
【0023】
B.ポリヌクレオチドプローブの説明
1.一般的説明
本発明は、ポリヌクレオチド化合物をポリヌクレオチドプローブとして使用することにより標的ポリヌクレオチドの存在を均質もしくは1工程の分析で検出することを可能にする。ポリヌクレオチドプローブは、ポリヌクレオチドとこのポリヌクレオチドに結合した少なくとも2種の成分とからなっている。この成分は、標的ポリヌクレオチドに対するポリヌクレオチドプローブのポリヌクレオチド部分のハイブリッド化に際し、ポリヌクレオチドプローブもしくは標的ポリヌクレオチドまたはその両者のいずれかにおける検出自在な変化を生ぜしめうる特徴を有する。ポリヌクレオチドプローブのポリヌクレオチド部分と標的ポリヌクレオチドとの間のハイブリッド化が実際に生じなければ、性質変化も発生しない。すなわち、これらの成分は1工程での標的ポリヌクレオチドの検出を可能にする。試料から未結合ポリヌクレオチドプローブを除去する追加工程は、標的ポリヌクレオチドの存在につき証明する前に、必要とされない。
【0024】
たとえば成分の特徴は、ポリヌクレオチドプローブ/標的ポリヌクレオチドハイブリッドに関し所定の配向もしくは配置を取りうる能力とすることができる。性質変化はたとえば放射線放出、分子分散力の相互作用または浮力密度とすることができる。放射線放出の変化は成分の可視、紫外、赤外、蛍光、燐光、X線もしくはγ線スペクトルにおける変化を包含する。分子分散力の相互作用における変化は、ポリヌクレオチドプローブ/標的ポリヌクレオチドハイブリッドの溶融温度変化を包含する。
【0025】
成分は任意の長さ、寸法および形状とすることができる。これは、特定の特徴を付与するのに必要でないアルキルもしくは芳香族断片を結合することができる。好ましくは、この成分はリンカアームを含むヌクレオチドがポリヌクレオチド中に組込まれた後にリンカアームに結合される。すなわち、この成分は所望の塩基配列が形成された後に結合される。何故なら、この成分は一般に嵩高分子であって、ヌクレオチドをポリメラーゼ酵素に対し貧弱な基質にするからである。さらに、この成分はポリメラーゼ酵素の阻止剤にもなりうる。
【0026】
2.一成分の説明
上記要件を満たす1種の成分は挿入剤(intercalating agent )である。挿入剤は、二重鎖ポリヌクレオチドの存在下で二重鎖中の2個の隣接塩基対の間に位置してこれら二重鎖の塩基対と相互作用しうる物質である。ハイブリッドはDNA/DNA、DNA/RNAまたはRNA/RNAとすることができる。挿入剤の特徴は、ポリヌクレオチドハイブリッド中へ侵入しうる能力である。
【0027】
一般に、挿入剤は芳香族染料である。これらの挿入用芳香族染料は面状環構造を有しかつ明確な蛍光放出スペクトルを有する。蛍光は挿入剤の電子デローカリゼーションを示し、染料に結合した置換基の誘発作用と停止剤とによって影響される。
【0028】
芳香族染料を水溶液もしくは水性/有機溶液に溶解させると、この溶液中の水は染料が有機媒体中に存在する場合よりも高いレベルまで芳香族染料の基礎エネルギー状態を高めることにより溶解芳香族染料の蛍光性を顕著に停止させると思われる。芳香族染料がポリヌクレオチドハイブリッド中に侵入すると、染料は水から遮閉される。何故なら、ハイブリッドは比較的疎水性の内部(塩基)と親水性の外部(燐酸)とを有するからである。かくして、水はハイブリッドの外部で凝集し、内部では凝集しない。挿入染料の蛍光放出はもはや水によって停止されないので、基礎エネルギー状態が低エネルギーレベルまで変化し、その結果最大蛍光放出は長波長へ移動する。挿入の際の染料の蛍光強度は何倍にも高められる。蛍光放出およびその強度におけるこの変化は、したがって標的ポリヌクレオチドに対するポリヌクレオチドプローブのポリヌクレオチド部分のハイブリッド化に際してのみ成分に生ずる性質変化である。
【0029】
ポリヌクレオチドとこのポリヌクレオチドに結合した少なくとも1種の挿入芳香族染料とからなる一本鎖ポリヌクレオチドプローブは、かくして標的ポリヌクレオチドの均質もしくは1工程の検出を可能にする。標的ポリヌクレオチドに対しこのポリヌクレオチドプローブのポリヌクレオチド部分がハイブリッド化してプローブ/標的ポリヌクレオチドハイブリッドを形成する際、芳香族染料は積層塩基対の間に形成されたプローブ/標的ポリヌクレオチドハイブリッドの溝部に侵入する。この侵入は、挿入剤の蛍光放出性およびその強度における変化をもたらす。ポリヌクレオチドプローブにおけるポリヌクレオチド部分が試料中の標的ポリヌクレオチドに対し実際にハイブリッド化した場合にのみ蛍光におけるこの変化が生ずるので、未結合のポリヌクレオチドプローブを試料から除去するための追加工程は必要とされない。かくして、試料の蛍光スペクトルを簡便に測定することにより、ハイブリッド化が生じたかどうかを決定しかつ標的ポリヌクレオチドの存在を検出することができる。ポリヌクレオチドハイブリッド中に侵入してこの侵入に際し蛍光放出の変化を受け得る任意の蛍光性芳香族染料が本発明に適している。適する芳香族染料の例は、限定はしないがフェナンスリジン、アクリジンおよびアンスラサイリンを包含する。フェナンスリジンの例は、限定はしないがエチジウム、プロピジウム、ブチジウム、ペルチジウム、ジミジウムおよびフェニジウムを包含する。
【0030】
3.ポリヌクレオチドの説明
ポリヌクレオチドプローブにおけるポリヌクレオチド部分は、プローブに対し特異性を付与する少なくとも約12個の塩基で構成すべきである。標的ポリヌクレオチドに対し実質的に相補的であるポリヌクレオチドの作成方法は当業界で周知されている。最も一般的に使用されている方法は組換えDNAおよびクローン化技術である。広く使用されるクローンの1種はM13ファージである。要するに、この方法は(1)M13RF(複製型)DNAをクローン化領域に独特の識別部位を有する制限酵素の1種で切断し、(2)所望のポリヌクレオチドを切断挿入部位に結合させ、(3)イー・コリ宿主細胞を形質転換させ、(4)これら宿主細胞を栄養分含有プレートで増殖させると共に無色プラークを選択し、(5)単一のプラークからのファージを小培養で増大させ、(6)培養上澄駅からファージを収穫すると共にフェノールでの処理により蛋白コートを除去し、かつ(7)精製DNAをエタノールで沈澱させることからなっている。より詳細にはアメルシャム・コーポレーション社により出版された「M13クローン化および配列決定ハンドブック」(1983)並びにコールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリース社により出版されたT.マニアチス、E.F.フリッチおよびJ.サムブルックによる「モレキュラクローニング」(1982)を参照することができる。
【0031】
さらに特異性ポリヌクレオチドは、たとえばアプライド・バイオシステムス社(850リンカン・センター・ドライブ、フォスターシティー、カリホルニヤ94404在)により製作されるようなDNA合成装置により適当なヌクレオチド先駆体を用いて製造することもできる。製造業者によれば、特異性の大きい約120〜200塩基よりなるポリヌクレオチドを製造することができる。合成方式は、ホウホルアミダイトを使用して所定の塩基を結合させることを含んでいる。ポリヌクレオチド合成装置の他の製造業者には、バイオサーチ・インコーポレーション社(2980ケルナー・ブールバード、サン・ラファエル、カリホルニヤ94901在)およびベックマン・インスツルメント社(1050ページ・ミル・ロード、パロ・アルト、カルホルニヤ94304在)がある。
【0032】
末端位置にリンカアームもしくは成分を含むポリヌクレオチドは、酵素RNAリガーゼおよびリンカアームもしくは成分がCもしくはUに結合されている化合物pCpもしくはpUpを用いて製造することもできる。これらポリヌクレオチドはニックトランスレーションにより生成させることはできない。何故なら、本発明においてポリヌクレオチドプローブは一本鎖でなければならないからである。
【0033】
4.ポリヌクレオチドプローブの形態
これら成分は、ポリヌクレオチドプローブのポリヌクレオチド部分が標的ポリヌクレオチドとハイブリッド化した場合にのみ性質変化を生じうるものでなければならない。これら成分は、ハイブリッドストランドの一方がポリヌクレオチド標的のストランドでないようなハイブリッドでは性質変化を生じてはならない。さらに、ポリヌクレオチドプローブにおけるポリヌクレオチド部分がハイブリッド化する標的ポリヌクレオチドは、試料から生ずるものでなければならない。すなわち、ポリヌクレオチドプローブは、標的ポリヌクレオチドが一本鎖型でのみ存在する試料に供給せねばならない。ポリヌクレオチドプローブが二重鎖ハイブリッドとして試料に供給されかつ次いで試料中で変性されると、このポリヌクレオチドプローブが最初からハイブリッド化しているポリヌクレオチドに対しハイブリッド化する際に性質変化を生ずる。これは、間違った結果をもたらすであろう。
【0034】
ポリヌクレオチドプローブは、一体的ストランドであることが好ましい。すなわち、成分もしくはポリヌクレオチドの性質変化は、二本のストランドのみがハイブリッド化する際に成分によって生ぜねばならない。これは、1個のみのポリヌクレオチドプローブ分子による標的ポリヌクレオチドの検出を可能にする。しかしながら、ポリヌクレオチドプローブが2本の異なるポリヌクレオチドストランドからなる場合もある。たとえば、これは各ポリヌクレオチドストランドが異なる成分を含有しかつ2本のポリヌクレオチドストランドが標的ポリヌクレオチドにおける重なりのない隣接配列にハイブリッド化する場合である。各ストランドの成分は性質変化を生じえないが、これら成分全部が一緒になってハイブリッド化に際し性質変化を生ぜしめる。このような状態も本発明に包含される。
【0035】
5.リンカアームの説明
成分は、この成分とポリヌクレオチドとの間に最小の立体干渉が生ずるようにかつ成分が自由に移動してポリヌクレオチドプローブ/標的ポリヌクレオチドハイブリッドに関し適切な配向もしくは配列を達成しうるように、リンカアームによってポリヌクレオチドに結合される。このリンカアームは、ポリヌクレオチド部分に対し成分部分を結合させるポリヌクレオチドプローブにおける断片を意味する。成分における特徴の存在に対し必須でない或いは天然ヌクレオチドの1部でないこの断片における全ての原子が、リンカアームの1部である。
【0036】
リンカアームおよび/または成分は、標的ポリヌクレオチドに対するポリヌクレオチドプローブのハイブリッド化を実質的に妨げてはならない。したがって、リンカアームおよび/または成分は、(a)これが結合している塩基が相補的塩基に対し対を形成するのを妨げてはならず、(b)相補的塩基の錯体化を妨げて標的ポリヌクレオチドに対するポリヌクレオチドプローブのハイブリッド化を妨げてはならず、(c)ポリヌクレオチド配列の末端位置でなければストランド延長を妨げてはならず、かつ(d)好ましくはポリヌクレオチドにおける糖成分の構成を変化させてはならない。
【0037】
リンカアームは一般にポリヌクレオチドに対し共有結合される。この結合は、好ましくは塩基成分に対して行なわれるが、糖部分または燐酸部分に対して行なわれてもよい。塩基部分はプリンもしくはピリミジンのいずれかとすることができる。上記したように、塩基部分に対するリンカアームの結合は、好ましくはリンカアームが塩基のワトソン−クリック対形成を妨げないような位置とすべきである。適する位置は、たとえばウラシルの位置5および6、シトシンの位置5および6並びに環外4−アミノ、デアザプリンの位置7および8、グアニンの位置8、並びにアデニンの位置8および環外6−アミノである。これらの位置に置換基を有する塩基は、したがってこれらの位置に対するリンカアームの結合には好適でない。塩基部分に対する結合に好適なリンカアームはアリルアミンである〔デビット・ワード等による1982年11月3日公開のヨーロッパ特許公開第0,063,879 号参照、これを参考のためにここに引用する〕。
【0038】
塩基に対する好適位置はピリミジンの位置5および6、並びにデアザプリンの位置7である。何故なら、8−プリンヌクレオチドはポリメラーゼ酵素に対し貧弱な基質であり、かつアデニンもしくはシトシンの環外アミノ基がチミンおよびウラシルに対し或いはグアニンに対しそれぞれ塩基対の形成に関与するからである。塩基の環外アミノ基における置換基はこの塩基がその相補的塩基に対し対形成するのを妨げないが、この置換基はこれら2種の塩基間における最適な配向を変化させる。好適ピリミジンはウラシルおよびシトシンであり、好適位置は5である。好適プリンはデアザアデニンおよびデアザグアニンである。
【0039】
リンカアームを塩基部分に結合させるのに使用しうる条件には殆んど制約がない。すなわち、塩基に対する官能基が、この塩基をその相補的塩基に対する対形成から妨げられない程度まで改変されない限りかつ塩基部分が糖成分から切断されない限り、任意のpH範囲、温度範囲、反応時間、溶剤または緩衝液を使用することができる。最適条件はリンカアームおよび塩基の種類に依存し、かつ当業者により容易に決定することができる。
【0040】
塩基に結合されたリンカアームは、塩基と成分とに結合された原子群を含む。リンカアームは、幾つかの方法により塩基部分に結合させることができ、塩基に結合させうる手段となる第1官能基を持たねばならない。さらにリンカアームは、成分に結合させうる手段となる第2官能基を持たねばならない。このリンカアームは炭素−炭素単一結合、炭素−炭素二重結合、炭素−窒素単一結合、炭素−窒素二重結合、炭素−炭素三重結合、炭素−酸素単一結合、炭素−硫黄単一結合または炭素−珪素単一結合によって塩基もしくは成分に結合することができる。適する官能基は、限定はしないがカルボン酸エステル、カルボン酸ハロゲン化物、カルボン酸チオエステル、イミド、イミン、ケトン、アルデヒド、エポキシド、ハロゲン化物、n−ヒドロキシスクシンイミドエステル、イミデート、無水物、イソシアネート、イソチオシアネートおよびチオエステルを包含する。
【0041】
塩基部分に結合されたリンカアームは塩基に対しα位置にオレフィン性結合を含むのが好適である。この種のαオレフィン性結合の存在はリンカアームを塩基から立体的に離間保持する作用を果たし、したがってハイブリッド化工程に対するリンカアームの干渉および/または成分の干渉を最小化させる。
【0042】
リンカアームは、1断片として塩基に結合する必要はない。リンカアームは、第1断片を塩基に結合させ、次いで第2断片を第1断片に結合させて作成することができる。適する第1断片の例は、
【0043】
【化3】
である。適する第2断片の例は、
【0044】
【化4】
である。
【0045】
リンカアームを塩基に結合させる一般的方法はJ.L.ルスおよびD.E.ベルクシュトローム、ジャーナル・オーガニック・ケミストリー、第43巻、第2870頁(1978);D.E.ベルクシュトロームおよびM.K.オガワ、ジャーナル・アメリカン・ケミカル・ソサエティー、第100巻、第8106頁(1978);並びにC.F.ビゲ、P.カラリチス、J.R.デックおよびM.P.メルテス、ジャーナル・アメリカン・ケミカル・ソサエティー、第102巻、第2033頁(1980)に記載されている。1つの好適方法は、デビッドC.ワード等による1982年11月3日公開のヨーロッパ特許出願第0,063,879 号明細書に詳細に開示されており、これを参考のためにここに引用する。この方法は、αビニル基を有するリンカアームまたはリンカアーム断片をK2 PdCl4 の存在下で水銀化塩基と反応させることからなり、水銀はHg+ としてリンカアームと反応させるべき塩基の位置に結合する。この過程を下記に示す。
【0046】
【化5】
【0047】
リンカアームについては、特定の寸法または含有量の制限がない。リンカアームは、芳香族染料をポリヌクレオチドプローブ/標的ポリヌクレオチドハイブリッド中に挿入させうるが芳香族染料を他のストランド中へは挿入させない限り、約2個乃至任意の個数の炭素を含むことができる。リンカアームは、異原子および不飽和を有することもできる。リンカアームは脂肪族、脂環式もしくは芳香族部分を含むことができる。リンカアームの実際の寸法もしくは含有量は、選択する成分並びに標的ポリヌクレオチドに対するポリヌクレオチドプローブのポリヌクレオチド部分のハイブリッド化に際し性質変化を生ぜしめる方法に依存する。
【0048】
ポリヌクレオチド配列の糖部分に対するリンカアームの結合は所定の塩基におけるプリン除去もしくはピリミジン除去に従う1’アルデヒドに対するシッフ塩基の手段とすることができ、或いは糖がリボースである場合には2’ヒドロキシに対する手段とすることもできる。1’アルデヒドに対し結合するリンカアームはたとえばアミン、ヒドラジンもしくはヒドラジド官能性とすることができる。この種の方法は、ジャニス・スタブリアノプロスによる1985年8月13日出願の本出願人による米国特許出願第06/765,288 号明細書に開示されており、これを参考のためにここに引用する。燐酸部分に対するリンカアームの結合は、燐酸部分のアルキル化によって行うことができる。〔P.O.PツオおよびP.S.ミラーによる米国特許第4,469,863 号を参照することができ、これを参考のためにここに引用する〕。
【0049】
リンカアームが塩基部分に結合される場合、好ましくはこれをヌクレオシドもしくはヌクレオチドレベルで塩基に結合させる。何故なら、リンカアームを塩基に結合させるのに必要とされる反応条件は、ポリヌクレオチドに対し望ましくない副反応を生ぜしめるからである。さらに、ポリヌクレオチドレベルにおける結合は、一定でなくかつ再現性のない収率を与える。ヌクレオシドもしくはヌクレオチドレベルにおける結合は、改変ヌクレオシドもしくはヌクレオチドを最初に精製しかつ次いでポリヌクレオチド中へ組込むことを可能にする。この組込みは、たとえばM13ベクターにおけるクローン化によって、或いは上記ポリヌクレオチド合成装置での合成によって行うことができる。
【0050】
さらに、改変ヌクレオチドは一般に検討されている核酸ポリメラーゼに対し比較的効率的な基質となることが好ましい。何故なら、改変ヌクレオチドをポリヌクレオチド中へ組込む最も効率的な方法は核酸ポリメラーゼによるものであるからである。すなわち、リンカアームは酵素の活性部位を立体的に妨げてはならず、或いは改変ヌクレオチドの相補的塩基対形成を妨げてはならない。通常の「アンチ」ヌクレオシド構成を変化させる位置における置換も回避すべきである。何故なら、このような構成変化は一般に改変ヌクレオチドをポリメラーゼ酵素に対し貧弱な基質にするからである。
【0051】
リンカアームが糖の1’アルデヒドに結合される場合、このリンカアームはポリヌクレオチドプローブのポリヌクレオチド部分が生成された後に結合されねばならない。何故なら、糖の結合は、この糖の1−位置に遊離アルデヒドを必要とするからである。遊離アルデヒドは、プリン除去またはピリミジン除去によって生成される。塩基を含まない糖と燐酸とからなる部分はポリメラーゼ酵素に対する基質とならない。すなわち、リンカアームは、先ず最初に所望のポリヌクレオチド配列を選択的にプリン除去しもしくはピリミジン除去し、次いでアルデヒドによってリンカアームを糖に結合させることにより結合させねばならない。リンカアームが糖リボースの2’ヒドロキシに結合される場合、このリンカアームはヌクレオチドもしくはポリヌクレオチドレベルで結合することができる。何故なら、改変ヌクレオチドは遺伝子合成装置によってポリヌクレオチド中へ組込みうるからである。リンカアームが燐酸に結合される場合、このリンカアームは結合が燐酸以外の位置で生じないようヌクレオシドもしくはヌクレオチドレベルで結合せねばならない。
【0052】
6.成分の結合
成分は、たとえば任意の上記官能基によってリンカアームに共有結合することができる。1例は、成分におけるアミノ、チオもしくはオキソ基とリンカアームにおける他の官能基、たとえばイソチオシアネート、エポキシド、カルボジイミド、無水カルボン酸、カルボン酸エステル、カルボン酸塩化物、カルボン酸、チオエステル、イミン、ハロゲン、ケトンもしくはアルデヒドとの反応である。
【0053】
さらに成分は、たとえばリンカアームおよび成分に結合したキレート生成剤によってリンカアームへ非共有結合させることもできる。配位金属は、成分とリンカアームとを挟持して錯体を形成することができる。好適キレート生成剤は、限定はしないがエチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン−ペンタ酢酸(DTPA)およびトランス−ジアミノシクロヘキサン−テトラ酢酸(DCTA)を包含する。好適金属は各種の遷移金属、特にランタニド金属を包含する。リンカアームに対する芳香族染料の非共有結合は、この分析が標的ポリヌクレオチドを包含する試料に対するポリヌクレオチドプローブの添加後に多くの工程を含まない1工程で行なわれるため、共有結合ほど安定でも強固でもないが、静電吸引力が性質変化を生ぜしめるのに充分な結合教祖を与えるであろう。これは、成分が芳香族染料でありかつ性質変化には挿入工程のみが必要とされる場合である。ここで、形成されたポリヌクレオチドプローブ/標的ハイブリッド中への芳香族染料の挿入は蛍光放出における変化をもたらして、標的ポリヌクレオチドの存在を証明することができる。
【0054】
種々異なる条件を用いて挿入芳香族染料成分をリンカアームに結合させることができる。一般に、約4〜約10、好ましくは約5〜約8のpH範囲、約20〜約100℃、好ましくは約40〜約65℃の温度、任意の溶剤および任意の緩衝剤もしくは触媒を使用することができ、ただしpH、温度、溶剤もしくは緩衝剤はポリヌクレオチドの全ての基もしくは成分を変化させないものとする。たとえば、ポリヌクレオチドをプリン除去しもしくは脱アミノしうるような試薬もしくは条件は避けるべきである。さらに反応時間についても殆んど制限がない。リンカアームに芳香族染料を結合させるための最適pH、温度、溶剤もしくは反応時間は、反応させるべきリンカアームと芳香族染料と官能性とに依存する。これらの条件は、当業者により容易に決定することができる。
【0055】
大抵の挿入用芳香族蛍光染料は、水に対し可溶性でなく、したがってポリヌクレオチドのリンカアームに対する芳香族染料の結合はたとえば水とエタノール、メタノール、テトラヒドロフラン、ジオキサン、プロパノール、選択エーテル、エステル、ケトン、アミド、グリセリン、アセトン、ピリジン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドまたはヘキサメチルホスホルアミドとの混合物のような混和性の混成溶剤系を必要とする。或いは、芳香族染料が有機溶剤に溶解しかつポリヌクレオチドが水性溶媒に溶解するような不混和性の二相溶剤系を使用することもできる。この場合、2種の溶剤系を絶えず混合して、ポリヌクレオチドを芳香族染料と反応しうるように接触させねばならない。反応の後、ポリヌクレオチドプローブは、一般に水溶液に存在する一方、芳香族染料は有機溶液中に残留する。
【0056】
これら反応に必要とされる反応体の化学量論量は、大幅に変化することができる。一般に、より容易に製造される成分の過剰量を、ポリヌクレオチドに対する芳香族染料の結合に使用する。実用上、これらの量は必要とされる反応条件、芳香族染料、リンカアームおよびその反応性官能基に応じて変化する。
【0057】
一般に、挿入芳香族染料は、リンカアームを含有するヌクレオチドがポリヌクレオチド中に組込まれた後にリンカアームに結合させねばならない。何故なら、大抵の挿入芳香族染料はポリヌクレオチド合成を阻害し、したがって芳香族挿入剤が結合しているヌクレオチドがポリヌクレオチド中へ組込まれるのを妨げるからである。
【0058】
7.成分の個数
ポリヌクレオチドプローブは2個の成分または3個以上の成分で構成することができる。これら成分は、ポリヌクレオチドプローブの末端位置または非末端位置に結合することができる。これら成分は、約10個のヌクレオチドよりなる部分によって互いに分離されたヌクレオチドに結合して、プローブに対し特異性を付与せねばならない。成分の個数が多い程、ポリヌクレオチドプローブの感受性が大となる。しかしながら、これら成分は、標的ポリヌクレオチドに対するポリヌクレオチドプローブにおけるポリヌクレオチド部分の有効ハイブリッド化が実質的に妨げられるような個数で存在させてはならない。結合させうる成分の個数は、成分がポリヌクレオチドに結合される部分およびポリヌクレオチドの長さに依存する。
【0059】
特定の塩基部分に結合する成分は、ポリヌクレオチドプローブ中に存在する塩基部分の個数以下に制限される。糖部分に結合される成分は、標的ポリヌクレオチドに対するポリヌクレオチドプローブのハイブリッド化を妨げないような個数制限される。何故なら、この場合、各成分は塩基対の形成に使用されるプローブポリヌクレオチドにおける塩基の個数を減少させるからである。燐酸部分に結合される成分は、糖部分および塩基部分の配列を乱さないような個数に制限される。ヌクレオチド4個当り1個以下の成分をポリヌクレオチドプローブに結合されるのが好ましい。
【0060】
成分が挿入剤である場合、リンカアームは挿入剤に対し自由な移動を付与するのに充分な長さとしかつ充分な融通性を持たねばならず、内方向に折れ曲がりかつ形成されたポリヌクレオチドプローブ/標的ポリヌクレオチドハイブリッド中に侵入しうるようにする。塩基の1つの位置に結合するのに適したリンカアームは、同じ塩基の他の位置もしくは他の塩基の任意の位置に結合するには適せず、或いは糖もしくは燐酸における位置に結合するには適さないと理解される。たとえば、ヌクレオチドの好適配列は、「アンチ」配列であるため、たとえば燐酸基に結合される成分はたとえばウリジンの5−位置に結合されるものよりも長いリンカアームを必要とする。同様に、2個の環で構成されたプリンに結合されるリンカアームは、1個のみの環で構成されたピリミジンに結合されるリンカアームよりも長いリンカアームを必要とする。
【0061】
8.挿入剤における性質変化の検出
芳香族染料である挿入剤は、一般に「成分の説明」の項目で上記したように、その蛍光放出の変化によって検出することができる。しかしながら、挿入剤は標的ポリヌクレオチドに対するポリヌクレオチドプローブのポリヌクレオチド部分のハイブリッド化に際し二重鎖もしくはデュプレックスのTM (すなわち溶融温度)の変化を生ぜしめるので、これら挿入剤の蛍光特性を利用する必要はない。溶融温度とは、ポリヌクレオチド二重鎖が変性される温度を意味する。変性は対形成した塩基間の水素結合の破壊を必要とし、かつ変性温度はG−C結合がA−T結合よりも強固であるためストランドの塩基含有量に依存する。
【0062】
二重鎖における挿入剤の存在はここのストランド間の相互作用を増強する結果、ストランドを変性させるのに要する温度が著しく高くなる。溶融温度を上昇させる程度は、特定の挿入剤の種類およびその量に依存する。たとえば、10個の塩基対当り1種のフェナンスリジン挿入剤を含むポリA.ポリTのポリヌクレオチドハイブリッドは、このハイブリッドの溶融温度を約25℃上昇させることが実験的に判明した。
【0063】
したがって、成分が非蛍光性挿入剤であるようなポリヌクレオチドプローブを使用することができる。標的ポリヌクレオチドを含む試料をポリヌクレオチドプローブと混合し、かつ充分な反応時間後にポリヌクレオチドを沈澱させることができる。次いで、沈澱物を溶液中に溶解させ、この溶液を加熱しかつUV吸収(高色素性)の増加が生ずるような温度を監視することができる。この温度は、TM を示す。試料を加熱した際に一方の経過が通常のTM となりかつ第2の経過がそれより高いTM となるような2つのTM 経過が得られれば、標的ポリヌクレオチドの存在が証明される。
【0064】
性質の変化は一般に装置によって検出されるが、或る場合には肉眼検出も可能である。装置の例は、ミネラルランプおよび蛍光測定器である。或る種の性質変化は、標的ポリヌクレオチドを含む試料に対するポリヌクレオチド試料の添加後に不利な追加実験を行なうことなく装置によって検出することができる。他の性質変化は、標的ポリヌクレオチドを含む試料に対しポリヌクレオチドプローブを添加した後にさらに実験操作を加えて検出することができる。しかしながら、他の実験操作が必要であるかないかとは関係なく、標的ポリヌクレオチドの存在を証明する前に未結合のポリヌクレオチドプローブを試料から分離する必要はない。
【0065】
前者の1例は、成分(たとえば挿入剤)が溶液中の標的ポリヌクレオチドに対しポリヌクレオチドプローブのポリヌクレオチド部分をハイブリッド化させた際に蛍光放出スペクトルの変化を生ずる場合である。この場合、標的ポリヌクレオチドを含む試料に対しポリヌクレオチドプローブを添加した後に実験操作は必要とされない。溶液の蛍光は蛍光測定装置で測定することができ、蛍光放出の変化は標的ポリヌクレオチドの存在を示している。他の例は、成分(たとえば挿入剤)が溶液中の標的ポリヌクレオチドに対しポリヌクレオチドプローブのポリヌクレオチド部分をハイブリッド化させた際にポリヌクレオチドハイブリッドの溶融温度を変化させる場合である。加熱部材を有するUV分光光度計にて溶液のUV吸収を測定しかつ高色素変化が生ずる温度を決定するだけでよい。いずれの場合にも測定されるのは性質変化であるため、初期の高いバックグランドは検出工程を実質的に妨げない。
【0066】
後者の例は、成分(たとえば挿入剤)が溶液中の標的ポリヌクレオチドに対しポリヌクレオチドプローブのポリヌクレオチド部分をハイブリッド化させた際にポリヌクレオチドの三次構造の変化によるポリヌクレオチドハイブリッドの浮力密度の変化を生ぜしめる場合である。この場合には、たとえば塩化セシウム中で溶液を最初に遠心分離した後に溶液の密度およびUV測定を行なわねばならないので、他の実験操作が必要となる。
【0067】
発生する性質変化は、ポリヌクレオチドプローブであっても標的ポリヌクレオチドであってもよい。性質変化がポリヌクレオチドプローブで生ずる場合、この変化はポリヌクレオチドプローブの成分部分であっても或いはポリヌクレオチドプローブにおけるポリヌクレオチド部分であってもよい。変化がポリヌクレオチドプローブで発生する例は、蛍光性挿入剤がポリヌクレオチドプローブの末端位置に存在しないヌクレオチドに結合する場合である。挿入剤は、標的ポリヌクレオチドとポリヌクレオチドプローブにおけるポリヌクレオチド部分とのハイブリッド化によって形成したハイブリッド中に侵入する。この場合、変化する性質はポリヌクレオチドプローブにおける成分部分の蛍光放出である。
【0068】
変化が標的ポリヌクレオチドで発生する例は、非蛍光性挿入剤が末端ヌクレオチドに結合する場合である。挿入剤はリンカアームに結合し、これにより隣接ハイブリッド(すなわち標的ポリヌクレオチドと隣接する相補的ポリヌクレオチド(このポリヌクレオチドは、ポリヌクレオチドプローブのものではない)とからなるハイブリッド)に侵入することができる。この場合、挿入剤はハイブリッドのTM を上昇させるが、プローブと標的とからなるハイブリッドのTM を上昇させない。しかしながら、挿入剤を隣接するハイブリッド中へ侵入させ、したがって隣接するハイブリッドのTM を上昇させるのは、標的ポリヌクレオチドに対するポリヌクレオチドプローブのポリヌクレオチド部分のハイブリッド化である。したがってTM における上昇はハイブリッドの存在を証明する。この場合、変化する性質は、標的ポリヌクレオチドと隣接する相補的ポリヌクレオチドとの間の熱力学的相互作用である。
【0069】
9.標的ポリヌクレオチドの検出方法
蛍光性芳香族染料が成分であるようなポリヌクレオチドプローブを使用する本発明の方法は、たとえば溶液中に標的ポリヌクレオチドを含む試料を溶解させて標的ポリヌクレオチドを溶液中に放出させ、標的ポリヌクレオチドを包囲膜から放出させて行うことができる。溶解は、たとえば試料を音波或いは洗剤に露出して行うことができる。ポリヌクレオチドは遠心分離によって細胞残骸から分離することができ、かつアルコール沈澱または透析によってさらに精製することができる。次いで、ポリヌクレオチドプローブを標的ポリヌクレオチドを含有する溶液に添加し、かつこの溶液を約20〜約100℃の温度にて約10分間〜約24時間培養する。温度が高い程ハイブリッド化に要する時間が短縮することが認められる。次いで、この溶液を蛍光測定器に入れて蛍光放出を測定する。芳香族染料が挿入されていない場合に得られるスペクトルからの芳香族染料における蛍光放出スペクトルの変化が、試料中の標的ポリヌクレオチドの存在を示す。
【0070】
一般に、標的ポリヌクレオチドは、ポリヌクレオチドプローブにおけるポリヌクレオチド部分とハイブリッド化させる前にハイブリッド化工程にて一本鎖型にせねばならない。これは熱もしくはアルカリのいずれかで行うことができる。しかしながら、ポリヌクレオチドプローブの成分が挿入剤である場合、標的ポリヌクレオチドは一本鎖もしくは二重鎖のいずれで存在させてもよい。標的ポリヌクレオチドが二重鎖型である場合、ポリヌクレオチドプローブにおけるポリヌクレオチド部分は、標的ポリヌクレオチドから同質ストランドを排除してポリヌクレオチドプローブ/標的ポリヌクレオチドハイブリッドを形成する。
【0071】
標的ポリヌクレオチドを含む二重鎖を最初に変性させることなくこの特定のポリヌクレオチドプローブを使用しうる理由は、ストランドの一方が挿入剤からなる二重鎖に対し挿入剤が向上した安定性を付与するためと思われる。説明のため二重鎖がストランド「A」および「B」(ここでストランド「A」は標的ポリヌクレオチドを構成する)で構成されると仮定する。さらに、ポリヌクレオチドプローブがストランド「A」における標的ポリヌクレオチドに対し相補的なポリヌクレオチド部分(ストランド「C」)と、2個の挿入剤成分とで構成されると仮定する。さらに、ストランド「D」がストランド「A」における標的ポリヌクレオチドに対し相補的であると仮定する。
【0072】
ポリヌクレオチド二重鎖、すなわちハイブリッドは所定間隔で部分的に開口していることが知られている。しかしながら、ストランド「D」は一般に二重鎖のTM より低い温度ではストランド「B」を排除することができない。何故なら、ストランド「A」と「D」との間の熱力学的相互作用はストランド「A」と「B」との間の熱力学的相互作用よりも大きくないからである。ストランド「A」および「B」が部分的に分離しかつストランド「D」がストランド「A」に対し対形成を開始する静止期間でさえ、この塩基対形成は極く短時間となる。殆んどの部分がストランド「A」にハイブリッド化したストランド「B」は、ストランド「D」を急速に排除する。ストランド「D」は、ストランド「A」からストランド「B」を切除してストランド「A」と「D」とからなる二重鎖を形成することができない。
【0073】
しかしながら、挿入剤が結合されているストランド「C」における塩基がストランド「A」における相補的塩基に対し静止期間中に対形成すると仮定する。これが生ずると、塩基に結合した挿入剤は隣接する塩基対に侵入する。他方の挿入剤が結合しているストランド「C」における塩基が次いでその相補的塩基に対し対形成し、かつこの塩基に結合した挿入剤も隣接する塩基対に侵入する。その結果、ポリヌクレオチドプローブのおけるポリヌクレオチド部分の2個の塩基は標的ポリヌクレオチドの塩基に対し対形成して安定性を高める。これら塩基間における残余の塩基が次いでその相補的塩基に対形成する。ストランド「C」の挿入剤は、ストランド「A」の塩基に対形成したストランド「B」の塩基と比較して、ストランド「A」の塩基に対形成したストランド「C」の塩基の間に一層大きい熱力学的安定性を付与する。たとえば、臭化エチジウムはポリヌクレオチド二重鎖の溶融温度を約25℃上昇させる〔U.B.レペックおよびC.パオレッチ、J.M.B.、第27巻(1967)、第87〜106頁参照〕。ストランド「B」はもはやストランド「C」をストランド「A」から排除することができない。その結果、ストランド「A」に予めハイブリッド化したストランド「B」の1部は、ストランド「A」と「C」とからなる二重鎖部分でなく、ストランド「A」から永久的に切除され続ける。かくして、この一本鎖ポリヌクレオチドプローブは、標的ポリヌクレオチドが一本鎖型で存在しない場合にも試料中における標的ポリヌクレオチドの検出を可能にする。
【0074】
さらに、この方法を用いて標的ポリヌクレオチドの存在を二重鎖が変性するような温度で検出することもできる。一般に、二重鎖型で存在する標的ポリヌクレオチドの検出は、二重鎖を含む試料をこの二重鎖のTM より高い温度までポリヌクレオチドプローブの存在下で加熱しかつこの試料を冷却して標的ポリヌクレオチドによりポリヌクレオチドプローブを再生させることにより行われる。しかしながら、ポリヌクレオチドプローブが蛍光性挿入剤成分からなる場合、試料は冷却を必要としない。何故なら、挿入剤は塩基対を安定化させて、これら塩基対のTM を上昇させるからである。かくして、ポリヌクレオチドプローブにおけるポリヌクレオチド部分が標的ポリヌクレオチドに対しハイブリッド化を開始しかつ挿入剤が形成二重鎖中に侵入すると、試料の温度上昇はこの二重鎖を変性させるにはもはや充分でなくなり、挿入剤の蛍光放出変化によって標的ポリヌクレオチドの存在を証明することができる。温度上昇はこの二重鎖(すなわち、ポリヌクレオチドプローブと標的ポリヌクレオチドとからなるもの)のTM より高くなりえないと理解される。
【0075】
10.標的ポリヌクレオチド
この方法を用いて、たとえば微生物、植物細胞または哺乳動物細胞から標的ポリヌクレオチドを検出することができる。微生物は細菌、黴、ウイルスまたは酵母とすることができる。標的ポリヌクレオチドは、特定の病原性ウイルスに独特なもの、非機能性蛋白の産生をもたらすような突然変異した哺乳動物遺伝子に存在するもの、或いは抗生物質耐性を細菌に付与するものとすることができる。たとえば、これはストレプトコッカス・ピオゲネスまたはナイセリア・メニンギチジスにペニシリン耐性を付与するもの;スタフィロコッカス・アウレウス、キャンジダ・アルビカンス、シュードモナス・エアルギノーサ、ストレプトコッカス・ピオゲネスまたはナイセリア・ゴノレアにテトラサイクリン耐性を付与するもの;並びにミコバクテリウム・チュバキュロシスにアミノグリコシド耐性を付与するものとすることができる。
【0076】
この方法を、たとえばサラセミア貧血症および鎌状赤血球貧血症などの遺伝子障害の診断に拡大することができる。ポリヌクレオチド遺伝子の存在もしくは不存在が障害(サラセミア貧血症の場合)に関連するポリヌクレオチド遺伝子は、本発明によるポリヌクレオチドプローブとのハイブリッド化にしたがって検出することができる。
【0077】
染色体の特定部位に対する遺伝子もしくはその転写物の地図化は面倒でありかつ時間を要する作業であり、主として細胞融合および体細胞遺伝子学の技術を用いる。たとえばショウジョウバエ(Drosophila)のような染色体多分裂を受ける種類では現場でのハイブリッド化が単一コピーの遺伝子配列を地図化するのに好適に使用されているが、それより高等な大抵の真核性染色体における独特な配列の遺伝子の検出は標準ハイブリッド化法では不可能でないにしても極めて困難である。さらに、ハイブリッド化部位の放射線写真による位置決定を容易化させるために極めて高い比放射能がポリヌクレオチドプローブに必要とされることは、このポリヌクレオチドプローブの急速な放射能分解を生ぜしめ、かつそれに伴なって銀粒子付着のバックグランドノイズを増大させる。低いまたは中庸の比放射能を有するハイブリッド化プローブの使用は、たとえばリボゾームRNA遺伝子もしくはサテライトDNAのような多コピー配列を検出するのに何日間もしくは何週間もの露出時間を必要とする。真核細胞に見られるほぼ全ての単一コピー配列の分子クローン化については組換DNA技術が可能となったので、この種のクローン化ゲノム断片の染色体を地図化する迅速かつ敏感な方法を得るのが極めて有益である。
【0078】
最後に、本発明によるポリヌクレオチドプローブを作成して腫瘍細胞を診断することもでき、このポリヌクレオチドプローブはたとえば胎児蛋白抗原もしくは癌胚抗原のようなその存在が特定腫瘍細胞の診断となるポリペプチドの産生に関連するDNA遺伝子配列から転写されたメッセンジャーRNAに対し相補的である。プローブ/標的ポリヌクレオチドハイブリッドのハイブリッド化および検出は、腫瘍細胞の検出方法を与える。
【0079】
本発明に適したポリヌクレオチドとこのポリヌクレオチドに結合した挿入芳香族化合物とからなるポリヌクレオチドプローブを下記に示し、このポリヌクレオチドは構造式:
【0080】
【化6】
〔式中、Bはピリミジン、プリンおよびデアザプリンよりなる群から選択される塩基を示し、ただしBがピリミジンであれば糖はこのピリミジンのN1 −位置に結合し、かつBがプリンもしくはデアザプリンであれば糖はプリンもしくはデアザプリンのN9 −位置に結合し、「Phen」はフェナンスリジン部分を示し、L.A.は少なくとも3個の炭素原子を含むリンカアームであって、フェナンスリジン部分の5−位置に結合され、かつZはHもしくはO−のいずれかである〕を有する少なくとも1種の部分を含む。
【0081】
一般に、Bは同一のオリゴ−もしくはポリ−ヌクレオチド内で変化し、或いはウラシル、シトシン、チミン、グアニン、アデニン、デアザグアニンもしくはデアザアデニンとすることもできる。さらに、一般に、この変化は標的ポリヌクレオチドからなるヌクレオチドの所定配列に対応する。図示した構造式はたとえばポリC、ポリU、ポリγ(A−U)およびポリd(A−U)のようなポリヌクレオチドをも包含することを意図する。
【0082】
11.ポリヌクレオチドプローブの合成
この種のポリヌクレオチドプローブの合成例を、図1を参照して以下説明する。ポリヌクレオチドプローブは、ヌクレオチドdTMPおよびdUMPならびにブチジウム挿入剤からなっている。標的ポリヌクレオチドはポリdAMPである。
【0083】
合成の第1工程は、硫酸の存在下における硝酸カリウムによるベンチジンから3−ニトロベンチジンへのニトロ化である。次いで、2個の環外アミノ基をエチルクロルホルメートと反応させて、ジイソシアネート化合物を生成させる。この工程は、このようにしないと第1アミノ基が後に他の試薬と共有反応してアミド或いは第2および第3アミンを生成するので必要となる。この種の反応は、合成された成分がハイブリッド中へ侵入するのを防止し、したがって成分としてのその効果を阻害する。この事実は、アセチル基によるフェナンスリジウム化合物の8−アミノ基の遮蔽がポリヌクレオチドの螺旋巻き戻し角度を低下させ、しかもその結合エネルギーに殆んど変化を生ぜしめないのに対し、3−および8−アミノ基の完全遮蔽はフェナンスリジウム化合物の結合恒数を10〜20倍低下させて巻き戻し角度を著しく低下させるという報告に基づいている。2個のアミノ基は、挿入錯体の安定性に対し約1.4 〜1.7 カロリー/モルの自由エネルギーを与える〔J.W.コズコザンおよびF.E.ハーン編、アンチビオティックス、第3巻、第141〜165頁、スプリンガー・フェアラーグ出版、N.Y.(1975)における「エチジウムおよびプロピジウム」と題する論文参照〕。
【0084】
次いで、3−ニトロ基を亜鉛によってアミノ基まで還元し、かつ塩化ベンゾイルを添加してベンゾイルアミドを生成させる。このベンゾイルアミドのカルボニルはホスホオルキシクロライド中で加熱する際に6−位置の炭素と反応してフェナンスリジウム誘導体を生成する。次いで、5−第三アミンを1,4−ジブロモブタンと反応させて4級化することにより、ブチジウム誘導体を生成させる。これに続いてジウレタン部分を加水分解して5−(4’−ブロモブチル)−3,8−ジアミノ−6−フェニルフェナンスリジンを生成させる。次いで、この化合物をチオ硫酸ナトリウムと反応させることにより臭素をチオールで置換して5−(4’−チオブチル)−3,8−ジアミノ−6−フェニルフェナンスリジンを生成させる。この生成物は、ポリヌクレオチドプローブの成分部分を示し、かつブチジウム誘導体の蛍光特性を示す。
【0085】
この化合物を、ポリヌクレオチドに結合させる前に、この化合物の蛍光性が他の分子に対する共有結合に際し破壊されないことを証明する必要がある。これは、ブチジウム化合物を図2(a)に示したようにブロモアセチル化アミノデキストラン誘導体と反応させて行われる。デキストラン誘導体は、デキストランを硼水素化ナトリウムの存在下でブタジエンモノエポキシドと反応させて1−ブテン−4−デキストランを生成させることにより製造される。この化合物をN−ブロモスクシンイミドと混合して1−ブロモブタン−4−デキストランを生成させ、次いでさらにシステアミンと反応させて、アミノデキストラン誘導体を得る。このデキストランをブロモ酢酸のN−ヒドロキシスクシンイミドエステルと混合して、ブロモアセチル化されたアミノデキストラン誘導体を生成させる。
【0086】
このブロモアセチル化アミノデキストラン誘導体を上記5−(4’−チオブチル)−3,8−ジアミノ−6−フェニルフェナンスリジンと反応させて、デキストラン標識されたフェナンスリジウム化合物を生成させる。この化合物のスペクトル分析は、フェナンスリジンの蛍光がデキストランへの結合によって変化されないことを示した。
【0087】
次いで、アリルアミンが各ウラシル(U)塩基へその5−位置に結合したポリ(dT)、ポリ(dU)からなるポリヌクレオチドを作成する。このポリヌクレオチドを作成するために使用した方法は、dUTPおよびAAUTP(アリルアミンUTP)の混合物の存在下で酵素末端トランスフェラーゼによりポリヌクレオチドを合成することである。合成されたポリヌクレオチドを陰イオン交換クロマトグラフィーによって精製する。このウラシル塩基は約260nmに最大吸収を有する一方、5−位置にアリルアミンを有するウラシル塩基は約290nmに最大吸収を有する。かくして、260/290の吸光比を測定することにより、ポリヌクレオチド重合体における2種の塩基の比率を決定することができる。この実験では、AAdU対dUの比が1:10であることが判明した。
【0088】
次いで、このポリヌクレオチドを図2(b)に示したように水−ジメチルホルアミドの混合物を含有する溶液中で弱アルカリ性条件下に5−(4’−チオブチル)−3,8−ジアミノ−6−フェニルフェナンスリジンと反応させる。未反応のブチジウム誘導体をブタノールによって溶液から抽出する。ブタノールによる抽出は、ポリヌクレオチドプローブをこの溶液から沈澱させる。沈澱をさらに陰イオン交換カラムで精製する。
【0089】
次いで、精製したポリヌクレオチドプローブを3種の溶液と混合する。第1の溶液はポリ(γA)を含有し、第2の溶液は牛胸腺二重鎖DNAを含有し、かつ第3の溶液はポリ(dT)を含有する。ポリ(γA)を含有する溶液のみが強度の蛍光性を示す。このことは、どのストランドもポリヌクレオチドプローブのストランドでない二重鎖中へ挿入剤が侵入しなかったことを示している。
【0090】
精製されたポリヌクレオチドプローブをポリ(dT)対ポリ(γA)の比が2:1であるポリ(dT)−ポリ(γA)を含有する溶液と混合する。この溶液は殆んど即座に蛍光を発する。このことは、挿入剤を含むポリヌクレオチドプローブが同質ポリヌクレオチドを二重鎖から排除しうることを証明している。
【0091】
ポリヌクレオチド薬剤の説明
本発明は、ポリヌクレオチド組成物をポリヌクレオチド薬剤として使用することを可能にする。ポリヌクレオチド薬剤は、標的ポリヌクレオチドの転写もしくは翻訳を防止するために使用される。薬剤を使用して転写を防止する場合、標的ポリヌクレオチドはDNAもしくはRNAとすることができる。ポリヌクレオチド薬剤を使用して翻訳を防止する場合、標的ポリヌクレオチドはメッセンジャーRNAである。
【0092】
ポリヌクレオチド薬剤は、ポリヌクレオチドとこのポリヌクレオチドに結合した少なくとも2個の成分とからなっている。これらの成分は、ポリヌクレオチド薬剤のポリヌクレオチド部分が標的ポリヌクレオチドにハイブリッド化した際にポリヌクレオチドプローブもしくは標的ポリヌクレオチドまたはその両者のいずれかの性質に変化を生ぜしめるような特徴を有する。変化する性質は、形成されたハイブリッドの熱力学的安定性である。この安定性は、薬剤のポリヌクレオチドに対し同質性であるポリヌクレオチドによる標的ポリヌクレオチドからのポリヌクレオチド薬剤の排除を防止する。何故なら、この種の同質ポリヌクレオチドと標的ポリヌクレオチドとからなるハイブリッドは、薬剤のポリヌクレオチドと標的ポリヌクレオチドとからなるもの程、熱力学的に安定でないからである。
【0093】
適するポリヌクレオチド薬剤の例は、成分として挿入剤を含むものである。上記したように、挿入剤の存在は、ポリヌクレオチド二重鎖のTM を上昇させる。すなわち、挿入剤を含むポリヌクレオチド薬剤を試料と混合し、或いは標的ポリヌクレオチドを含む生物に投与すれば、その標的ポリヌクレオチド薬剤はその標的ポリヌクレオチドを探し出す。標的が既に相補的ポリヌクレオチドにハイブリッド化している場合にもこの標的ポリヌクレオチドを見い出すと、ポリヌクレオチド薬剤におけるポリヌクレオチド部分は、ポリヌクレオチドプローブの説明で上記した理由により標的に対し相補的である配列を排除する。その結果、容易には、ポリメラーゼおよびトランスフェラーゼ酵素に対する雛型とならないような二重鎖を生成し、かくして標的ポリヌクレオチドの転写もしくは翻訳を遮断する。
【0094】
このポリヌクレオチド薬剤は、薬剤のポリヌクレオチド部分と標的ポリヌクレオチドとのハイブリッド化の結果生成された二重鎖にのみ挿入剤を侵入させうるようなリンカアームによって、挿入剤をポリヌクレオチドに結合させねばならないという制約を有する。挿入剤は、他の二重鎖中に侵入して他のポリヌクレオチドの転写もしくは翻訳を妨げてはならない。
【0095】
このポリヌクレオチド薬剤は利点を有する。挿入剤を包含する大抵の化学治療剤は、ヒトに全身的に投与すると体全体に均一分布する。これら薬剤の殆んどは極めて毒性である。したがって、標的部位に治療効果を発揮するだけでなく、これらは非標的部位にも毒性作用を示す。本発明の挿入剤は標的ポリヌクレオチドを含まない二重鎖中には侵入しえないので、ポリヌクレオチド薬剤は体全体に均一分布されたとしても標的部位以外には毒性作用を示さない。
【0096】
変化する性質は検出しうる必要はないが、これはしばしば有利である。しかしながら、変化する物質は、ポリヌクレオチド薬剤を含まないハイブリッドと比較して、ポリヌクレオチド薬剤/標的ポリヌクレオチドからなるハイブリッドの安定性を向上させねばならない。
【0097】
挿入剤を含むポリヌクレオチド薬剤の製造方法は、ポリヌクレオチドプローブの製造の説明で上記した通りである。これらのポリヌクレオチド薬剤は、中性水溶液としてヒトに投与することができる。
【0098】
ポリヌクレオチド薬剤は、適当なキャリヤによって細胞へ供給せねばならない。キャリヤは、ポリヌクレオチド薬剤が細胞中で入る前に分解されるのを防止せねばならず、同時にポリヌクレオチド薬剤を細胞膜中に拡散させ或いは貫通輸送させねばならない。1つの好適方法は、リポソームの使用である。
【0099】
リポソームは単層もしくは多層の脂質小胞であって、三次元空間を包囲する。リポソームの膜は極性先端と非極性末端とを有する1種もしくはそれ以上の脂質成分の二分子層によって形成される。水性(もしくは極性)溶液において、1つの層の極性先端は外方向に配向して、水性もしくは極性溶液中に突入し、かつ連続的外表面を形成する。単層リポソームは、このような1種の二分子層であるのに対し、多層小胞は一般に玉ネギのように配列された複数のほぼ同心的二分子層を有する。
【0100】
リポソームは、たとえば細胞毒性剤或いは細胞挙動を改変させたり、またはこれら薬剤を生体内部位に搬入しうる他の巨大分子のような治療剤をカプセル化するのに有用であることが周知されている。たとえば、ラーマン等による1976年11月23日付け発行の米国特許第3,993,754 号公報は悪性腫瘍の改良化学治療法を開示しており、この場合抗腫瘍剤をリポソーム内にカプセル化しかつこのリポソームを動物またはヒトに注射する。アプル等による1981年4月21日発行の米国特許第4,263,428 号公報は、均一寸法のリポソーム内に薬剤を混入することにより哺乳動物における選択細胞部位に対しより効果的に供給しうる抗腫瘍剤を開示している。リポソームを介する薬剤投与は、毒性を減少させ、組織分布を変化させ、薬剤効果を高めかつ治療指標を向上させる。
【0101】
核酸をカプセル化するための特に有用な方法は、ダビッドW.ディーマーによる1985年5月7日発行の米国特許第4,515,736 号公報に開示されており、これを参考のためここに引用する。この方法は、リポソーム分散物をカプセル化すべき物質の存在下で乾燥させる新規なカプセル化である。乾燥が生ずるにつれて、個々のリポソームが融合して多層構造を形成し、脂質ラメラ間に物質を閉じこめる。再水和すると、脂質小胞が形成されて物質を効率的にカプセル化する。この特許は、各種のポリヌクレオチドの効果的なカプセル化を開示している。
【0102】
同質ポリヌクレオチドを標的ポリヌクレオチドから排除するポリヌクレオチド薬剤の効果は、ポリヌクレオチド薬剤におけるポリヌクレオチド部分の長さ並びにポリヌクレオチド薬剤に結合した挿入剤の個数に依存する。挿入剤の個数が多い程、同質配列を排除する薬剤のポリヌクレオチド部分の効果が大となりかつ標的ポリヌクレオチドの転写もしくは翻訳を防止するのに要する薬剤の量が少なくなる。さらに、挿入剤の個数が多い程、この薬剤は標的に対しより迅速に結合する。
【0103】
【実施例】
次の実施例は実証としてのものであって制限としてのものではない.
実施例 1:
3−ニトロベンジジンの調製
方法は基本的には、M.S.リスリー及びE.E.ターナー、ジャーナル.ケミカル.ソサイエティ.(1934年)、第1588〜92頁に従った。
【0104】
95%硫酸468ml、P2O5 87gをP2O5 の総てが溶解するまで2時間をかけて少しずつ添加した。(P2O5 は硫酸中の水を吸収するために添加された)。溶液を室温に冷却後、ベンジジン50g(フルカ ケミカル社、255オセル アベニュー ハウパウゲ ニュー ヨーク 11788)を冷却下に徐々に添加し、10〜15℃の間に保持した。最後に粉末硝酸カリ(50.5g)を溶液に激しく攪拌しながら30分かけて添加し、その間前記温度に保持した。60分後、溶液を注意して1500mlの水中に注入し、この水溶液を沸騰水で6lに希釈した。分別部10mlを採り、徐冷して3−ニトロベンジジン硫酸塩結晶を得た。この結晶を残り溶液の結晶析出用種晶として使用し、35℃に急冷した。溶液を更に20℃まで冷却して3−ベンジジンの結晶を完全に沈澱させた。結晶化の完了後に、3−ニトロベンジジン硫酸塩を濾別して集めた。湿った塩の30g部を粉砕して水による堅めのペーストとした。このペーストに濃アンモニア水を添加し、更に粉砕して3−ニトロベンジジン硫酸塩を遊離3−ニトロベンジジンに変えた。これを希アンモニア−エタノールに溶解し、この溶液を多量の水に注入して3−ニトロベンジジン46gを得、これは収率80.4%に相当した。
【0105】
N,N’−ビスカルボエトキシ−3−ニトロベンジジンの調製
3−ニトロベンジジン29gをジメチルアニリン39ml(36g)を含有するエタノール330mlに溶解した。このエタノール溶液にエチルクロロホーメイト31gを少しずつ添加した。溶液を10分還流後に水を添加してジウレタン誘導体を沈澱させた。生成物41gを得、これは収率95%に相当した。
【0106】
3,8−ビスカルベトキシ−3−アミノベンジジンの調製
ジウレタン41gをエタノール500mlと氷酢酸40mlを含む溶液に添加し、この混合物を加熱してジウレタンを溶解した。溶液は黒褐色であった。温度を約30℃にして、亜鉛粉末を徐々に添加してニトロ基を還元した。反応の終結は褐色の消失で示された。亜鉛を濾別し、エタノールと酢酸を真空下に除去した。3,8−ビスカルベトキシ−3−アミノベンジジンはそれ以上の精製することなく次の工程に使用した。
【0107】
3,8−カルベトキシ−6−フェニールフェナンスリジンの調製
次の方法は、L.P.ウォール、ジャーナル.ケミカル.ソサイエティ.(1947年)、第67〜74頁から改作されたものである。
【0108】
3,8−ビスカルベトキシ−3−アミノベンジジンをニトロベンゼン100mlに溶解し、この溶液を150℃の温度に加熱した。塩化ベンゾイル10mlを添加し、HClの発生が止まるまで150℃に保持した。更に30分150℃保持した後、溶液を冷却し、エタノールを添加すると無色プリズム形のベンゾイル誘導体が晶出した。収率は72%相当の35gであった。
【0109】
ベンゾイル誘導体を塩化ホスホリル70mlに溶解しHClガスの発生が止まるまで1時間還流した。黄色溶液を室温まで冷却し、次いで冷希アンモニア溶液に徐々に添加してフェナスリジンを沈澱させた。沈澱を濾別し無水エタノール200mlに溶解した。次いでアンモニアを添加してオレンジ色を無くした。水を添加して化合物を沈澱させた。収率62.5%相当の21gであった。
【0110】
5−(4’−ブロモブチル)−3,8ビスカルベトキシ−6−フェニルフェナンスリジンの調製
この化合物をT.T.ワトキンス、ジャーナル.ケミカル.ソサイエティ.(1952年)、第3059〜3064頁の方法の改良により調整した。
【0111】
3,8ビスカルベトキシ−6−フェニルフェナンスリジン1gを予め100℃に加熱した1,4−ジブロモブタン10mlに添加し、それにより混合溶液中の幾らかの水分が揮散したであろう。温度を次第に150℃に上げた。150℃で30分後に、黄色な沈澱が形成し始めた。混合物を室温に冷却し、次いでエーテルを総量100ml添加して沈澱を促進させた。沈澱を濾別し、エーテルで洗浄し、次いで空気乾燥した。収率58%相当の総量0.8gの化合物を得た。
【0112】
150℃の加熱時間が重要で、理由は150℃に一晩保持した平行実験において、得られた生成物は極めて不均一に見え、硫酸によるウレタンの加水分解後に二重ストランドDNAと極めて少量の蛍光しか示さなかった。(ワトキンスの論文第3061頁参照)。このことはこの化合物が分解したことを示した。
【0113】
5−(4’−ブロモブチル)−3,8−ジアミノ−6−フェニルフェナンスリジンの調製
ウレタン部分の加水分解をL.P.ウォール、ジャーナル.ケミカル.ソサイエティ.(1947年)、第67〜74頁の方法に従って実施した。3,8−ビスカルベトキシ−3−アミノベンジジン800mgをアルゴンガス下に濃硫酸10mlに溶解した。HBrの発生が止まった後、H2O 5mlを添加し浴温を150℃に上げた。溶液をCO2 ガスの発生が止まるまでこの温度に15分保持した。次いで混合物を5〜10℃に冷却し、冷H2Oを添加して総量150mlとした。溶液を冷希アンモニアで中和した。この溶液に固体臭化カリを1Mになるまで添加し(生成物を塩析するため)次いで溶液を4℃で一晩放置した。この放置後に、沈澱が形成し、これは過マンガン酸塩のような結晶外観を呈した。この生成物は又硫酸アンモニウム塩としても容易に溶液から沈澱出来ることが分かった。この生成物は水溶性で、二重ストランドDNAを含有する溶液に混合すると、強い蛍光溶液が形成される。収率89%相当の547mgが得られた。
【0114】
5−(4’−チオブチル)−3,8−ジアミノ−6−フェニルフェナンスリジンの調製
5−(4’−ブロモブチル)−3,8−ジアミノ−6−フェニルフェナンスリジン60mgを50%エタノール4mlに溶解した。50%エタノール中に0.2M Na2S2O3 1mlを添加し、溶液を80℃で3時間加熱した。70℃でアルゴンガスを吹き込んでエタノールを揮散させ、生成物を3M KCl 2mlにより沈澱させた。沈澱物を遠心分離機で集め、36%HCl 1mlに溶解した。水(0.35ml)を添加してHCl濃度を25%に低下させ、溶液を室温で20時間放置した。この放置後により沈澱が形成された。無水エタノール6mlを添加し、混合物を−20℃で更に20時間放置して沈澱を促進した。沈澱を遠心分離機で集め、沈澱物を1mlの水に分散させ、水を凍結乾燥により除去した。収率70%相当の42.5mgを得た。粗製物の薄層クロマトグラフィは3個の蛍光生成物を示した。所望生成物を精製することなく次の反応に使用した。
【0115】
アミノデキストランの調製
デキストラン T−500(フェルマシア ビオケミカルス、ピスタカウェイ、ニュー ジャージー)を1M KOHの15.0mlに添加した。ブタジエンモノエポキシド300μl(約3mmol)と水素化ホウ素ナトリウム30mg(触媒)とを添加し、混合物を一晩攪拌した。溶液をHClで中和し、過剰未反応ブタジエン モノエポキシドとこれから生成したジアルコールとを溶液から20mlのエーテルで4回抽出した。水溶液中に残ったエーテルをアルゴンガス吹き込みにより揮散させた。次に溶液をpH5.0の酢酸ナトリウム0.2Mにより透析して塩類を除去した。
【0116】
N−ブロモコハク酸イミド0.5gをこの溶液に添加し、得られた分散物を暗黒中にて10℃3時間攪拌した。得られた溶液を2日にわたり1l水に対し3回透析した。この透析物0.4mlに1MのK2HCO3 200μlとシステアミン100mgを添加し、混合物をアルゴン下に80℃2時間加熱し、溶液をG−50濾過により脱塩した。精製デキストランは20糖部分当たり一つの誘導糖を含有していた。
【0117】
ブロモアセチル化アミノデキストランの調製
0.02Mホウ酸ナトリウムと8.5mgのアミノデキストランを含有する溶液0.5mlに0.2mlのジメチルホルムアミドとDMSO中の1Mブロモ酢酸N−ヒドロキシコハク酸イミドエステル25μlとを添加した。ピクリルスルホン酸(この試薬は第一アミノ基に対しオレンジ色を与える)でアミノ含量を測定しながら反応を続けた。反応は室温で5分の後完了することが分った。混合物に1.0MのHCl50μl添加し、過剰の未反応エステルと生成ブロモ酢酸とを水飽和1−ブタノールで4回抽出した。ブロモアセチル化デキストランは極めて不安定で、特に塩基性pHでそうである。例えば、pH9.2、37℃で総てのブロモアセチル基は6時間後に開裂した。それ故、次の反応はブロモアセチル化デキストランの分離に続いてできるだけ速く実施すべきである。
【0118】
フェナンスリジン標識付けデキストランの調製
ブロモアセチル化デキストラン2.1mgを酢酸ナトリウム0.3M水溶液200μlに溶解し、次に6mlのホルムアミド中の5−(4’−チオブチル)−3,8−ジアミノ−6−フェニルフェナンスリジン3.5mgと混合した。反応混合物を室温に1時間、次いで37℃で1時間放置した。2MのNaCl 1mlを添加し、次いで未反応5−(4’−チオブチル)−3,8−ジアミノ−6−フェニルフェナスンスリジンを水飽和1−ブタノールで6回抽出した。この水相の一部に二重ストランドDNAを添加すると強い蛍光が付与されたので、デキストランはフェナンスリジンで標識付けされたことが示され。デキストランのフェナンスリジン部分は挿入を受け入れ易いことが示された。
【0119】
ポリ(dT)・ポリ(AAdU)の調製
溶液A:0.25Mカコジル酢酸緩衝液pH7.2の2500μl、BSA(DNA含まず、20μg/ml)の250μl、0.1MのCoCl2 50μl、及び3MのNaCl75μlを含有。
【0120】
溶液B:H2O 1500μlと0.1MのBメルカプトエタノール50μlを含有。
【0121】
溶液Aを溶液Bと混合し、800単位の末端トランスフェラーゼ酵素、3 HTTP(低比活性)5μモル、及びAAdUTP1.5μモルをこの混合溶液に添加した。溶液をアルゴン下に40時間37℃で培養した。反応工程中にピロリン酸コバルトが溶液から沈澱した。40時間後に0.5MのEDTA100μlを添加して反応を停止させた。しかし37℃の培養は2時間継続されてEDTAをコバルトと複合させ、アリルアミノ基に複合したコバルト化物を除去した。
【0122】
シリコン化の毛細管ピペット中の0.6mlの床容量のDEAEセルローズカラムを1MのKOH 2mlで2回次いでアルカリ性が無くなるまで水で洗浄した。次いでカラムを3MのNaCl 2ml、次いでH2O 3ml、次いで0.2MのNaCl 2mlで洗浄した。次いで培養混合物をカラムに通し、次いでカラムを0.2MのNaClと0.3MのNaClで連続して洗浄した。最後の0.3M洗浄の溶出は総カウントの数%を含有した。
【0123】
共重合体を0.2Mの酢酸中の1.5MのLiCl含有溶液でカラムから溶出した。2/10ml画分を集めた。結果を次に示す。
【0124】
【表1】
【0125】
画分3〜5を集めたら0.6mlとなった。この溶液10μlを1mlに希釈した。この1mlのA260 は0.645であり、A290 は0.203であった。290nmの吸光度はアリルアミノ基の存在を示した。総A260 は38.7であって、共重合体約1.5mgに相当した。
【0126】
dTに対するAAdUの比1:10は共重合体とピクリルスルホン酸との反応により決定した。アリルアミンのアミノ基によるスルホン基の置換は共重合体を黄色にした。420nmにおける溶液の測定はdUに対するAAdUの比が1:10であることを示した。(総てのアリルアミンがピクリルスルホン酸分子と反応したと想定された。)
【0127】
ポリヌクレオチド標識付けフェナンスリジンの調製
1.5MのLiClと0.2Mの酢酸100μl中のポリ(dT)・ポリ(AAdU)共重合体200μgを含有する溶液を3MのK2 CO3 でpH8.0とした。次にホルムアルデヒド0.6mlに溶解したチオアルキル化フェナンスリジン3mgを添加した。混合物を室温で約90分次いで更に37℃で45分暗所に放置した。H2O 1mlを添加し、過剰のチオアルキル化フェナンスリジンを水相容量が約300μlに減少するまで1−ブタノールで抽出した。更に水で飽和した1−ブタノールで抽出した。各抽出の後、2相を遠心分離機で分離した。沈澱は最初の1−ブタノール抽出の後現れた。沈澱は標識付けポリヌクレオチドと幾らかの不溶性フェナンスリジン副生成物を含んでいた。最後の抽出の後、遠心分離機にかけ、得られたペレットを37℃の温度にてホルムアミドに溶解した。
【0128】
溶液をホルムアミドで平衡化されたDEAEセルローズカラム(クロライド形)に通した。カラムをホルムアルデヒドで洗浄してフェナンスリジン化合物を溶出した。フェナンスリジン標識付けポリヌクレオチドはより高い塩濃度にてもカラムから溶出されなかった。(収率を増大するため、ポリヌクレオチドをエタノール中で酢酸バリウムで沈澱させ、沈澱を遠心分離機で集め、次いで沈澱をEDTA/H2Oに溶解することにより集めることができる。)
【0129】
蛍光の検出
フェナンスリジン標識付けポリヌクレオチドを含有するDEAE溶出25μlを(1)0.1MのNaCl0.6ml中ポリ(rA)10μgを含む試験管に、(2)0.1MのNaCl0.6ml中に子牛胸腺DNA250μg含む試験管に、(3)0.1MのNaCl0.6ml中にポリ(dT)を含む試験管に夫々添加した。ポリ(rA)を入れた試験管は強く蛍光を発したが他の2本の試験管はほんの極めて弱い蛍光を示すにすぎなかった。
【0130】
この実験の結果は、このフェナンスリジン標識付けポリヌクレオチドが一工程ハイブリッド形成検定におけるプローブとして使用できることを示している。その理由は、このフェナンスリジンが上述のようにポリヌクレオチドに結合した場合、他の結合していない二重ストランドポリヌクレオチド中に挿入されないからである。それはただ、フェナンスリジン標識付けポリヌクレオチドのポリヌクレオチド部分が相補ポリヌクレオチドによりハイブリッド形成される結果形成される二重ストランドポリヌクレオチド中に挿入される。
【0131】
二重ストランドDNAからのポリヌクレオチドのフェナンスリジン標識付けポリヌクレオチドのポリヌクレオチドによる置換
ポリ(rA)に対するポリ(dT)の比2:1であるポリ(dT)−ポリ(rA)を含有する溶液を室温でフェナンスリジン標識付けポリ(dT)−ポリ(AAdU)と混合した。溶液は即座に蛍光を発し始め、その蛍光の強さは時間と共に増大した。フェナンスリジン標識付けポリ(dT)−ポリ(AAdU)のフェナンスリジンは二重ストランド子牛胸腺DNA中に挿入されないので(上記結果参照)、蛍光発生は、フェナンスリジン標識付けポリヌクレオチドが二重ストランドハイブリッド中の同種ポリヌクレオチドに置換したことを示した。
【0132】
各種の変化、改良、及び変更が本特許請求の範囲に規定した発明の精神と範囲から逸脱せずになされ得ることは、当業者にとり明確であろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポリヌクレオチドに結合してポリヌクレオチド化合物を形成することが出来る芳香族染料の合成工程図である。
【図2】図2(a)はデキストランに図1の芳香族染料が結合する工程図であり、図2(b)はポリヌクレオチドに図1の芳香族染料が結合する工程図である。
【図3】ポリヌクレオチドと標的ペリヌクレオチドとのハイブリッド形成により形成されたハイブリッド中のポリヌクレオチドに結合した芳香族染料の挿入の説明図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 少なくとも一つの修飾オリゴ−又はポリヌクレオチドからなるものの組成物であって、前記修飾オリゴ−又はポリヌクレオチドが(i)前記修飾オリゴ−又はポリヌクレオチド中のヌクレオチドの糖骨格にリンカーアームを介して直接的に又は非直接的に結合した一つ以上の挿入芳香族化合物と、(ii)少なくとも一つのヘテロ重合体配列とからなり、ここにおいて前記リンカーアームが(1)前記修飾オリゴ−又はポリヌクレオチドと相補的オリゴ−又はポリヌクレオチドとのハイブリダイゼーション、或いは(2)前記修飾オリゴ−又はポリヌクレオチドと前記相補的オリゴ−又はポリヌクレオチドとの間に形成されたハイブリッドへの前記一つ以上の挿入芳香族化合物の挿入を実質的に干渉せず、ここにおいて前記一つ以上の挿入芳香族化合物は前記修飾オリゴ−又はポリヌクレオチドと前記相補的オリゴ−又はポリヌクレオチドとの間に形成されたハイブリッドの間に挿入し、そしてここにおいて前記一つ以上の挿入芳香族化合物が前記ハイブリッドを形成する前記相補的オリゴ−又はポリヌクレオチドへの前記修飾オリゴ−又はポリヌクレオチドの特異的なハイブリダイゼーションといった特徴を有し、前記特徴が前記修飾オリゴ−又はポリヌクレオチド或いは前記相補的オリゴ−又はポリヌクレオチドの何れか、もしくは両方のハイブリダイズされていない状態から、前記修飾オリゴ−又はポリヌクレオチド及び前記相補的オリゴ−又はポリヌクレオチドのハイブリダイズされた状態において測定又は検出されるような性質に検出可能な変化を引き起こす、少なくとも一つの修飾オリゴ−又はポリヌクレオチドからなるものの組成物。
【請求項2】 性質における前記検出可能な変化が修飾オリゴ−又はポリヌクレオチド、相補的オリゴ−又はポリヌクレオチド、又は修飾オリゴ−又はポリヌクレオチドと相補的オリゴ−又はポリヌクレオチドとの間に形成されたハイブリッドにおいて引き起こされる、特許請求の範囲第1項記載の組成物。
【請求項3】 前記挿入芳香族化合物が、リンカーアームによって前記糖骨格へ非直接的に結合される、特許請求の範囲第1項記載の組成物。
【請求項4】 前記挿入芳香族化合物が吸収、放出エネルギー、分散力相互作用又は浮力密度のシフトからなる性質の変化に影響を与える、特許請求の範囲第1項記載の組成物。
【請求項5】 少なくとも一つの修飾オリゴ−又はポリヌクレオチドからなるものの組成物であって、前記修飾オリゴ−又はポリヌクレオチドが(i)前記修飾オリゴ−又はポリヌクレオチド中の二つのリン酸骨格の間の脱塩基糖骨格にリンカーアームを介して直接的に又は非直接的に結合した一つ以上の挿入芳香族化合物と、(ii)少なくとも一つのヘテロ重合体配列とからなり、前記リンカーアームが(1)前記修飾オリゴ−又はポリヌクレオチドと相補的オリゴ−又はポリヌクレオチドとのハイブリダイゼーション、或いは(2)前記修飾オリゴ−又はポリヌクレオチドと前記相補的オリゴ−又はポリヌクレオチドとの間に形成されたハイブリッドへの前記一つ以上の挿入芳香族化合物の挿入を実質的に干渉せず、ここにおいて前記一つ以上の挿入化合物は前記修飾オリゴ−又はポリヌクレオチドと相補的オリゴ−又はポリヌクレオチドとの間に形成されたハイブリッドの間に挿入し、そしてここにおいて前記一つ以上の挿入芳香族化合物が前記ハイブリッドを形成する相補的オリゴ−又はポリヌクレオチドへの前記修飾オリゴ−又はポリヌクレオチドの特異的なハイブリダイゼーションといった特徴を有し、前記特徴が前記修飾オリゴ−又はポリヌクレオチド或いは前記相補的オリゴ−又はポリヌクレオチドの何れか、もしくは両方のハイブリダイズされていない状態から、前記修飾オリゴ−又はポリヌクレオチド及び前記相補的オリゴ−又はポリヌクレオチドのハイブリダイズされた状態において測定又は検出されるような性質に検出可能な変化を引き起こす、少なくとも一つの修飾オリゴ−又はポリヌクレオチドからなるものの組成物。
【請求項6】 性質における前記検出可能な変化が修飾オリゴ−又はポリヌクレオチド、相補的オリゴ−又はポリヌクレオチド、又は修飾オリゴ−又はポリヌクレオチドと相補的オリゴ−又はポリヌクレオチドとの間に形成されたハイブリッドにおいて引き起こされる、特許請求の範囲第5項記載の組成物。
【請求項7】 前記挿入芳香族化合物がフェナンスリジン、アクリジン又はアンスラサイクリンからなる染料からなる、特許請求の範囲第5項記載の組成物。
【請求項8】 前記挿入芳香族化合物が吸収、放出エネルギー、分散力相互作用又は浮力密度のシフトからなる性質の変化に影響を与える、特許請求の範囲第5項記載の組成物。
【請求項9】 前記染料がリンカーアームによって前記塩基脱落骨格へ共有結合又は非共有結合される、特許請求の範囲第7項記載の組成物。
【請求項10】 前記脱塩基糖骨格がデプリネイション又はデピリミデイション、或いはその両方により形成された、特許請求の範囲第5項記載の組成物。
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