JP2002356496A - 標的ポリヌクレオチドにハイブリッド形成するための新規な一工程方法とポリヌクレオチド化合物 - Google Patents

標的ポリヌクレオチドにハイブリッド形成するための新規な一工程方法とポリヌクレオチド化合物

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プローブとして或いは薬剤として使用するこ
とができるポリヌクレオチド化合物と標的ポリヌクレオ
チドとからなるハイブリッドを形成することによって、
標的ポリヌクレオチドの存在を均質分析で検出する、標
的ポリヌクレオチドにハイブリッド形成するための新規
な一工程方法とポリヌクレオチド化合物を提供する。 【解決手段】 ポリヌクレオチドとこのポリヌクレオチ
ドに結合した少なくとも2種の成分とからなるポリヌク
レオチドプローブを使用し、標的ポリヌクレオチドに対
するポリヌクレオチドのハイブリッド化に際し、ポリヌ
クレオチド化合物もしくは標的ポリヌクレオチドまたは
その両者における少なくとも1つの性質に変化が生じ、
この変化が信号を構成することにより標的ポリヌクレオ
チドの存在を均質分析により検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリヌクレオチド化合
物と標的ポリヌクレオチドとからなるハイブリッドの形
成方法、好適ポリヌクレオチド化合物およびその合成に
関するものである。ポリヌクレオチド化合物はプローブ
として或いは薬剤として使用することができる。
【0002】
【発明の背景】ポリヌクレオチドプローブとのハイブリ
ッド化は、標的ポリペプチドの存在を証明するための周
知方法である。ハイブリッド化は、相補的塩基対の形成
に基づいている。一本鎖ポリヌクレオチドプローブを一
本鎖標的ポリヌクレオチドと共に溶液中で培養すると、
相補的塩基配列が対となって二重鎖ハイブリッド分子を
形成する。二重鎖ハイブリッド分子は、化学的もしくは
物理的手段によって一本鎖ポリヌクレオチドプローブか
ら分離することができる。たとえば、M.グルンスタイ
ンおよびJ.ワリス、メソッズ・イン・エンチモロジ
ー、第68巻、R.W.U(編)、第379〜469頁
(1979);A.R.デュンおよびJ.サムブルッ
ク、メソッズ・イン・エンチモロジー、第65巻、第1
部、第468〜478頁(1980);D.C.ワー
ド、A.A.ワルドロップおよびP.R.ランガー、
「改変ヌクレオチド並びにその製造および使用方法」と
題するヨーロッパ特許公開第0,063879号(1982年1
1月3日公開);A.J.ベリーおよびJ.B.ピータ
ー、ダイアグノスチック・メジスン「感染病に対するD
NAプローブ」(1984年3月)、第1〜8頁;並び
にウィー・シング・リーおよびジェームス L.ベニン
グトン、組換えDNA技術「臨床微生物における用
途」、ラボラトリー・マネージメント(1985年4
月)、第21〜26頁を参照することができる。
【0003】一般に、プローブはポリヌクレオチド部分
とこのポリヌクレオチドに結合した信号成分部分とから
なっている。プローブのポリヌクレオチド部分は塩基対
を形成する能力、すなわち興味ある配列もしくは標的ポ
リヌクレオチドに対しハイブリッド化する能力を有す
る。プローブの信号成分部分は、ハイブリッド化ポリヌ
クレオチドプローブの存在を証明しうる手段を有し、ま
たはこの手段を生ぜしめる。たとえばこの手段は蛍光、
燐光、クロモゲン、放射能もしくは電子密度とすること
ができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ポリヌクレオチドプロ
ーブを用いて標的ポリヌクレオチドを検出する方法は、
一般にたとえば先ず最初に標的配列を含む二重鎖ポリヌ
クレオチドを試料から単離することによって行われる。
二重鎖ポリヌクレオチドを制限エンドヌクレアーゼ切断
により小断片まで切断してこれら断片をゲル電気泳動に
よって分離し、その後これらをゲルから支持体(たとえ
ばニトロセルロース紙)へ移すことができる。或いは、
二重鎖ポリヌクレオチドを何ら事前の酵素切断なしにニ
トロセルロースへ直接に固定することもできる。固定し
たポリヌクレオチドをポリヌクレオチドプローブ含有の
溶液と接触させ、かつ支持体を約80〜90℃まで加熱
してポリヌクレオチド二重鎖を変性させる〔二重鎖はア
ルカリによって変性させることもできる〕。かくして標
的ポリヌクレオチドとポリヌクレオチドプローブとの両
者を含有するようになった試料を適当な温度まで冷却さ
せ、その間にポリヌクレオチドプローブと標的ポリヌク
レオチドとの間でハイブリッド化が生ずる。ハイブリッ
ド化を完結させるための充分な時間(10分間から数時
間とすることができる)が経過した後、固定した標的ポ
リヌクレオチドを洗浄して未結合のポリヌクレオチドプ
ローブを全部除去する。ポリヌクレオチドプローブの信
号成分部分が、次いで放射能もしくは蛍光により直接的
に或いは酵素反応で生成したクロモゲンによって間接的
に検出される。
【0005】この方法の欠点は、標的ポリヌクレオチド
の存在を証明するのに数工程を必要とすることである。
すなわち、支持体に対する標的ポリヌクレオチドの固定
と、ポリヌクレオチドプローブに対する標的ポリヌクレ
オチドの接触と、支持体からの未ハイブリッド化ポリヌ
クレオチド全体の除去とを必要とする。
【0006】最近、均質(すなわち1工程)の核酸ハイ
ブリッド化分析により標的ポリヌクレオチドの存在を検
出する方法が報告された。この方法は、第一および第二
の両者とも感光性標識を含有する一本鎖ポリヌクレオチ
ドを試料からの相補的一本鎖ポリヌクレオチド標的とハ
イブリッド化させて、これら第一および第二ポリヌクレ
オチドの感光性標識間で非放射性エネルギー移動を生ぜ
しめることからなっている。感光性標識の少なくとも一
方は吸光/発光型であって、他方の感光性標識から吸収
されたエネルギーを異なる波長で再放出する。これらの
二次的発光は、第一および第二の一本鎖ポリヌクレオチ
ドの両者が標的ポリヌクレオチドに対しハイブリッド化
した場合にのみ生じうる。試料中の標的ポリヌクレオチ
ドの量は、二次的発光量に関係する〔ミッシェル・ジェ
ームス・ヘラーによる1983年1月26日公開のヨー
ロッパ特許公開第0,070,685 号参照〕。
【0007】この方法の欠点は、2種の別個のポリヌク
レオチドプローブを用いて標的ポリヌクレオチドの存在
を検出する必要があることである。さらに、この方法
は、化学発光触媒と、吸光/発光成分と、化学発光触媒
の存在下で発光を生ぜしめるのに有効な化学発光試薬と
の存在を必要とする。さらに、感光性標識が末端ヌクレ
オチドの糖成分に結合されるため、ポリヌクレオチドプ
ローブ1個当り標識を1個しか結合させ得ない。また、
嵩張った標識は、これら標識に隣接した相補的塩基のハ
イブリッド化を妨げる。
【0008】最近、標的ポリヌクレオチドをプローブポ
リヌクレオチドにハイブリッド化させかつ得られたハイ
ブリッドをこれらハイブリッドに結合するよう選択され
た固定化もしくは固定化しうる形態の抗体に対する結合
によって固定化させるという方法が報告されている。そ
の一具体例は、挿入デュプレックス用に選択した抗体の
使用である。しかしながら、この方法は均質分析でな
い。さらに、挿入剤は標的に対するプローブのハイブリ
ッド化に際し直接的には信号を発生しない。さらに挿入
剤は、塩基対の形成に必要とされる位置におけるリンカ
アームなしに塩基へ直接に結合する〔J.P.アルバレ
ラ等、1985年6月26日公開のヨーロッパ特許出願
第146,039 号参照〕。
【0009】ポリヌクレオチドに結合した蛍光性挿入成
分が文献中に報告されている。これらは、たとえばクロ
ルアセトアルデヒドのような二官能性試薬とアデニンも
しくはシトシンとを反応させて芳香族三環式化合物を生
成させることにより製造される〔J.R.バリオ、J.
A.セクリストIII およびN.J.レオナード、「蛍光
性アデノシンおよびシチジン誘導体」(1972)、
B.B.R.S.、第46(2)巻、第597〜604
頁、並びにC.H.リーおよびJ.G.ウェトムア、
「クロルアセトアルデヒド標識した蛍光性DNAの物理
的研究」(1973)、B.B.R.S.第50(3)
巻、第879〜885頁参照〕。この方法は、蛍光成分
に変化した塩基が塩基対を形成せず、したがって、この
種の蛍光成分がハイブリッド化工程を不安定化させると
いう欠点を有する。
【0010】
【課題を解決するための手段】標的ポリヌクレオチドと
ポリヌクレオチド化合物とからなるハイブリッドの形成
方法につき、好適ポリヌクレオチド化合物と共にここに
開示する。これらのポリヌクレオチド化合物は、一本鎖
もしくは二重鎖標的ポリヌクレオチドの存在を均質、す
なわち1工程の分析で検出するため、或いは同質ポリヌ
クレオチドを標的二重鎖ポリヌクレオチドから競合的に
排除させたりまたは標的一本鎖ポリヌクレオチドに対し
安定結合させて標的ポリヌクレオチドの転写もしくは複
製を防止するために使用することができる。
【0011】ポリヌクレオチド化合物は、ポリヌクレオ
チドとこのポリヌクレオチドに対しリンカアームによっ
て結合された少なくとも2種の成分とからなっている。
このポリヌクレオチドは、標的ポリヌクレオチドに対し
塩基対を形成しまたはハイブリッド化することができ
る。標的ポリヌクレオチドに対しプローブのポリヌクレ
オチド部分がハイブリッド化すると、ポリヌクレオチド
化合物もしくは標的ポリヌクレオチドまたはその両者に
おける少なくとも1つの性質に変化が生じ、この変化が
信号を構成する。変化する性質がポリヌクレオチド化合
物の性質である場合、これはポリヌクレオチドの性質ま
たはその成分の性質のいずれであってもよい。
【0012】ポリヌクレオチド化合物を使用して性質の
変化により標的ポリヌクレオチドの存在を検出する場合
には、ポリヌクレオチド化合物はポリヌクレオチドプロ
ーブとして作用する。ポリヌクレオチド化合物を使用し
て同質ポリヌクレオチドを二重鎖標的ポリヌクレオチド
から排除させたり或いは一本鎖標的ポリヌクレオチドに
対し安定結合させたりする場合には、ポリヌクレオチド
化合物はポリヌクレオチド薬剤として作用する。
【0013】好適ポリヌクレオチド化合物は、構造式
【化2】 〔式中、Bはピリミジン、プリンおよびデアザプリンよ
りなる群から選択される塩基を示し、ただしBがピリミ
ジンである場合は糖がピリミジンのN1 −位置に結合
し、またBが、プリンもしくはデアザプリンであれば糖
はプリンもしくはデアザプリンのN9 −位置に結合し、
「Phen」は任意のフェナンスリジン成分を示し、
L.A.は少なくとも3個の炭素原子を含むリンカアー
ムであって前記フェナンスリジン成分の5−位置に結合
し、ZはHもしくはO−のいずれかである〕を有する少
なくとも1種の成分からなっている。
【0014】本発明の目的は均質分析により標的ポリヌ
クレオチドの存在を検出する方法を提供することであ
り、この分析法はポリヌクレオチドとこのポリヌクレオ
チドに結合した少なくとも2種の成分とからなるポリヌ
クレオチドプローブを使用し、標的ポリヌクレオチドに
対するポリヌクレオチドのハイブリッド化自身に際しポ
リヌクレオチド化合物もしくは標的ポリヌクレオチドま
たはその両者における少なくとも1つの性質に変化が生
じ、この変化が信号を構成するものである。
【0015】本発明の他の目的は、二重鎖ポリヌクレオ
チドから同質ポリヌクレオチドを排除するためにポリヌ
クレオチド化合物を使用することによる標的ポリヌクレ
オチド野天社の防止方法を提供することであり、ポリヌ
クレオチド化合物はポリヌクレオチドと少なくとも2種
の成分とからなり、これら成分はポリヌクレオチド化合
物におけるポリヌクレオチド部分と標的ポリヌクレオチ
ドとの結合を高めて、この結合が同質の排除されるポリ
ヌクレオチドと標的ポリヌクレオチドとの結合力よりも
大となるようにし、かくして標的ポリヌクレオチドの転
写もしくは翻訳を防止する。
【0016】本発明のさらに他の目的は、ポリヌクレオ
チド化合物と標的ポリヌクレオチドとからなるハイブリ
ッドを形成することによる標的ポリヌクレオチドの転写
もしくは翻訳の防止方法を提供することであり、ポリヌ
クレオチド化合物はポリヌクレオチドとこのポリヌクレ
オチドに結合された少なくとも2種の成分とからなり、
これら成分はハイブリッドの安定性を高めてポリヌクレ
オチドプローブのポリヌクレオチド部分が他の同質ポリ
ヌクレオチドにより容易には排除され得ないようにし、
かくして標的ポリヌクレオチドの転写もしくは翻訳を防
止する。
【0017】さらに本発明の他の目的は、ポリヌクレオ
チドとこのポリヌクレオチドに結合した少なくとも2種
の放射線放出成分とからなるポリヌクレオチドプローブ
を使用する均質分析により標的ポリヌクレオチドの存在
を均質分析で検出する方法を提供することであり、これ
ら成分の放出エネルギーは標的ポリヌクレオチドに対す
るポリヌクレオチドプローブのポリヌクレオチド部分の
ハイブリッド化に際して変化し、この放射線エネルギー
の変化が信号となる。
【0018】本発明のさらに他の目的は、ポリヌクレオ
チドとこのポリヌクレオチドに結合した少なくとも2種
の放射線放出成分とからなるポリヌクレオチドプローブ
を使用する均質分析により標的ポリヌクレオチドの存在
を検出する方法を提供することであり、これら成分の放
出エネルギーはポリヌクレオチドハイブリッド中への成
分の挿入に際して変化し、これら放射線放出成分は標的
ポリヌクレオチドに対するポリヌクレオチドプローブの
ポリヌクレオチド部分のハイブリッド化によって生成し
たハイブリッド中へのみ実質的に挿入され、放射線エネ
ルギーの変化が信号となる。
【0019】本発明の他の目的は、ポリヌクレオチドと
このポリヌクレオチドに結合した少なくとも2種の蛍光
放出成分とからなるポリヌクレオチドプローブを使用す
る均質分析により標的ポリヌクレオチドの存在を均質分
析で検出する方法を提供することであり、これら成分の
放出蛍光エネルギーはポリヌクレオチドハイブリッド中
へのこれら成分の挿入に際して変化し、これら蛍光放出
成分は標的ポリヌクレオチドに対するポリヌクレオチド
プローブのポリヌクレオチド部分のハイブリッド化によ
り生成されたハイブリッド中へのみ実質的に挿入され、
放射蛍光エネルギーの変化が信号となる。
【0020】さらに本発明の他の目的は、ポリヌクレオ
チドとこのポリヌクレオチドに結合した少なくとも2種
の蛍光放出成分とからなるポリヌクレオチド化合物を提
供することであり、蛍光放出成分はポリヌクレオチドハ
イブリッド中への挿入に際して蛍光放出エネルギーの変
化を示し、蛍光放出成分は標的ポリヌクレオチドに対す
るポリヌクレオチド化合物のポリヌクレオチド部分のハ
イブリッド化によって生成されたハイブリッド中へのみ
実質的に挿入される。
【0021】A.ポリヌクレオチド化合物の一般的説明 本発明はポリヌクレオチド化合物の使用につき開示す
る。このポリヌクレオチド化合物は、ポリヌクレオチド
部分とこのポリヌクレオチドに結合した少なくとも2種
の成分部分とからなっている。これら成分は、他の約1
0個のヌクレオチド成分よりなる部分によって互いに分
離されたヌクレオチド成分に結合せねばならない。これ
は、ポリヌクレオチド部分に対し標的特異性を付与す
る。成分部分は、標的ポリヌクレオチドに対するポリヌ
クレオチド化合物のポリヌクレオチド部分のハイブリッ
ド化に際しポリヌクレオチド化合物または標的ポリヌク
レオチドのいずれかにおける性質変化を生ぜしめうる特
徴を有する。ポリヌクレオチド化合物における性質変化
は、ポリヌクレオチド部分に生じても成分部分に生じて
もよい。
【0022】この性質変化は2つの方法で利用すること
ができる。1つの方法は、この性質変化を監視して標的
ポリヌクレオチドの存在を検出するものである。この場
合、ポリヌクレオチド化合物はポリヌクレオチドプロー
ブとして使用される。第二の方法は、この性質変化を利
用してポリヌクレオチド化合物のポリヌクレオチド部分
に同質性であるポリヌクレオチドを標的ポリヌクレオチ
ドから排除させたり、或いはポリヌクレオチド化合物の
ポリヌクレオチド部分を標的ポリヌクレオチドへ安定結
合させたりするものである。この場合、ポリヌクレオチ
ド化合物はポリヌクレオチド薬剤として使用される。
【0023】B.ポリヌクレオチドプローブの説明 1.一般的説明 本発明は、ポリヌクレオチド化合物をポリヌクレオチド
プローブとして使用することにより標的ポリヌクレオチ
ドの存在を均質もしくは1工程の分析で検出することを
可能にする。ポリヌクレオチドプローブは、ポリヌクレ
オチドとこのポリヌクレオチドに結合した少なくとも2
種の成分とからなっている。この成分は、標的ポリヌク
レオチドに対するポリヌクレオチドプローブのポリヌク
レオチド部分のハイブリッド化に際し、ポリヌクレオチ
ドプローブもしくは標的ポリヌクレオチドまたはその両
者のいずれかにおける検出自在な変化を生ぜしめうる特
徴を有する。ポリヌクレオチドプローブのポリヌクレオ
チド部分と標的ポリヌクレオチドとの間のハイブリッド
化が実際に生じなければ、性質変化も発生しない。すな
わち、これらの成分は1工程での標的ポリヌクレオチド
の検出を可能にする。試料から未結合ポリヌクレオチド
プローブを除去する追加工程は、標的ポリヌクレオチド
の存在につき証明する前に、必要とされない。
【0024】たとえば成分の特徴は、ポリヌクレオチド
プローブ/標的ポリヌクレオチドハイブリッドに関し所
定の配向もしくは配置を取りうる能力とすることができ
る。性質変化はたとえば放射線放出、分子分散力の相互
作用または浮力密度とすることができる。放射線放出の
変化は成分の可視、紫外、赤外、蛍光、燐光、X線もし
くはγ線スペクトルにおける変化を包含する。分子分散
力の相互作用における変化は、ポリヌクレオチドプロー
ブ/標的ポリヌクレオチドハイブリッドの溶融温度変化
を包含する。
【0025】成分は任意の長さ、寸法および形状とする
ことができる。これは、特定の特徴を付与するのに必要
でないアルキルもしくは芳香族断片を結合することがで
きる。好ましくは、この成分はリンカアームを含むヌク
レオチドがポリヌクレオチド中に組込まれた後にリンカ
アームに結合される。すなわち、この成分は所望の塩基
配列が形成された後に結合される。何故なら、この成分
は一般に嵩高分子であって、ヌクレオチドをポリメラー
ゼ酵素に対し貧弱な基質にするからである。さらに、こ
の成分はポリメラーゼ酵素の阻止剤にもなりうる。
【0026】2.一成分の説明 上記要件を満たす1種の成分は挿入剤(intercalating
agent )である。挿入剤は、二重鎖ポリヌクレオチドの
存在下で二重鎖中の2個の隣接塩基対の間に位置してこ
れら二重鎖の塩基対と相互作用しうる物質である。ハイ
ブリッドはDNA/DNA、DNA/RNAまたはRN
A/RNAとすることができる。挿入剤の特徴は、ポリ
ヌクレオチドハイブリッド中へ侵入しうる能力である。
【0027】一般に、挿入剤は芳香族染料である。これ
らの挿入用芳香族染料は面状環構造を有しかつ明確な蛍
光放出スペクトルを有する。蛍光は挿入剤の電子デロー
カリゼーションを示し、染料に結合した置換基の誘発作
用と停止剤とによって影響される。
【0028】芳香族染料を水溶液もしくは水性/有機溶
液に溶解させると、この溶液中の水は染料が有機媒体中
に存在する場合よりも高いレベルまで芳香族染料の基礎
エネルギー状態を高めることにより溶解芳香族染料の蛍
光性を顕著に停止させると思われる。芳香族染料がポリ
ヌクレオチドハイブリッド中に侵入すると、染料は水か
ら遮閉される。何故なら、ハイブリッドは比較的疎水性
の内部(塩基)と親水性の外部(燐酸)とを有するから
である。かくして、水はハイブリッドの外部で凝集し、
内部では凝集しない。挿入染料の蛍光放出はもはや水に
よって停止されないので、基礎エネルギー状態が低エネ
ルギーレベルまで変化し、その結果最大蛍光放出は長波
長へ移動する。挿入の際の染料の蛍光強度は何倍にも高
められる。蛍光放出およびその強度におけるこの変化
は、したがって標的ポリヌクレオチドに対するポリヌク
レオチドプローブのポリヌクレオチド部分のハイブリッ
ド化に際してのみ成分に生ずる性質変化である。
【0029】ポリヌクレオチドとこのポリヌクレオチド
に結合した少なくとも1種の挿入芳香族染料とからなる
一本鎖ポリヌクレオチドプローブは、かくして標的ポリ
ヌクレオチドの均質もしくは1工程の検出を可能にす
る。標的ポリヌクレオチドに対しこのポリヌクレオチド
プローブのポリヌクレオチド部分がハイブリッド化して
プローブ/標的ポリヌクレオチドハイブリッドを形成す
る際、芳香族染料は積層塩基対の間に形成されたプロー
ブ/標的ポリヌクレオチドハイブリッドの溝部に侵入す
る。この侵入は、挿入剤の蛍光放出性およびその強度に
おける変化をもたらす。ポリヌクレオチドプローブにお
けるポリヌクレオチド部分が試料中の標的ポリヌクレオ
チドに対し実際にハイブリッド化した場合にのみ蛍光に
おけるこの変化が生ずるので、未結合のポリヌクレオチ
ドプローブを試料から除去するための追加工程は必要と
されない。かくして、試料の蛍光スペクトルを簡便に測
定することにより、ハイブリッド化が生じたかどうかを
決定しかつ標的ポリヌクレオチドの存在を検出すること
ができる。ポリヌクレオチドハイブリッド中に侵入して
この侵入に際し蛍光放出の変化を受け得る任意の蛍光性
芳香族染料が本発明に適している。適する芳香族染料の
例は、限定はしないがフェナンスリジン、アクリジンお
よびアンスラサイリンを包含する。フェナンスリジンの
例は、限定はしないがエチジウム、プロピジウム、ブチ
ジウム、ペルチジウム、ジミジウムおよびフェニジウム
を包含する。
【0030】3.ポリヌクレオチドの説明 ポリヌクレオチドプローブにおけるポリヌクレオチド部
分は、プローブに対し特異性を付与する少なくとも約1
2個の塩基で構成すべきである。標的ポリヌクレオチド
に対し実質的に相補的であるポリヌクレオチドの作成方
法は当業界で周知されている。最も一般的に使用されて
いる方法は組換えDNAおよびクローン化技術である。
広く使用されるクローンの1種はM13ファージであ
る。要するに、この方法は(1)M13RF(複製型)
DNAをクローン化領域に独特の識別部位を有する制限
酵素の1種で切断し、(2)所望のポリヌクレオチドを
切断挿入部位に結合させ、(3)イー・コリ宿主細胞を
形質転換させ、(4)これら宿主細胞を栄養分含有プレ
ートで増殖させると共に無色プラークを選択し、(5)
単一のプラークからのファージを小培養で増大させ、
(6)培養上澄駅からファージを収穫すると共にフェノ
ールでの処理により蛋白コートを除去し、かつ(7)精
製DNAをエタノールで沈澱させることからなってい
る。より詳細にはアメルシャム・コーポレーション社に
より出版された「M13クローン化および配列決定ハン
ドブック」(1983)並びにコールド・スプリング・
ハーバー・ラボラトリース社により出版されたT.マニ
アチス、E.F.フリッチおよびJ.サムブルックによ
る「モレキュラクローニング」(1982)を参照する
ことができる。
【0031】さらに特異性ポリヌクレオチドは、たとえ
ばアプライド・バイオシステムス社(850リンカン・
センター・ドライブ、フォスターシティー、カリホルニ
ヤ94404在)により製作されるようなDNA合成装
置により適当なヌクレオチド先駆体を用いて製造するこ
ともできる。製造業者によれば、特異性の大きい約12
0〜200塩基よりなるポリヌクレオチドを製造するこ
とができる。合成方式は、ホウホルアミダイトを使用し
て所定の塩基を結合させることを含んでいる。ポリヌク
レオチド合成装置の他の製造業者には、バイオサーチ・
インコーポレーション社(2980ケルナー・ブールバ
ード、サン・ラファエル、カリホルニヤ94901在)
およびベックマン・インスツルメント社(1050ペー
ジ・ミル・ロード、パロ・アルト、カルホルニヤ943
04在)がある。
【0032】末端位置にリンカアームもしくは成分を含
むポリヌクレオチドは、酵素RNAリガーゼおよびリン
カアームもしくは成分がCもしくはUに結合されている
化合物pCpもしくはpUpを用いて製造することもで
きる。これらポリヌクレオチドはニックトランスレーシ
ョンにより生成させることはできない。何故なら、本発
明においてポリヌクレオチドプローブは一本鎖でなけれ
ばならないからである。
【0033】4.ポリヌクレオチドプローブの形態 これら成分は、ポリヌクレオチドプローブのポリヌクレ
オチド部分が標的ポリヌクレオチドとハイブリッド化し
た場合にのみ性質変化を生じうるものでなければならな
い。これら成分は、ハイブリッドストランドの一方がポ
リヌクレオチド標的のストランドでないようなハイブリ
ッドでは性質変化を生じてはならない。さらに、ポリヌ
クレオチドプローブにおけるポリヌクレオチド部分がハ
イブリッド化する標的ポリヌクレオチドは、試料から生
ずるものでなければならない。すなわち、ポリヌクレオ
チドプローブは、標的ポリヌクレオチドが一本鎖型での
み存在する試料に供給せねばならない。ポリヌクレオチ
ドプローブが二重鎖ハイブリッドとして試料に供給され
かつ次いで試料中で変性されると、このポリヌクレオチ
ドプローブが最初からハイブリッド化しているポリヌク
レオチドに対しハイブリッド化する際に性質変化を生ず
る。これは、間違った結果をもたらすであろう。
【0034】ポリヌクレオチドプローブは、一体的スト
ランドであることが好ましい。すなわち、成分もしくは
ポリヌクレオチドの性質変化は、二本のストランドのみ
がハイブリッド化する際に成分によって生ぜねばならな
い。これは、1個のみのポリヌクレオチドプローブ分子
による標的ポリヌクレオチドの検出を可能にする。しか
しながら、ポリヌクレオチドプローブが2本の異なるポ
リヌクレオチドストランドからなる場合もある。たとえ
ば、これは各ポリヌクレオチドストランドが異なる成分
を含有しかつ2本のポリヌクレオチドストランドが標的
ポリヌクレオチドにおける重なりのない隣接配列にハイ
ブリッド化する場合である。各ストランドの成分は性質
変化を生じえないが、これら成分全部が一緒になってハ
イブリッド化に際し性質変化を生ぜしめる。このような
状態も本発明に包含される。
【0035】5.リンカアームの説明 成分は、この成分とポリヌクレオチドとの間に最小の立
体干渉が生ずるようにかつ成分が自由に移動してポリヌ
クレオチドプローブ/標的ポリヌクレオチドハイブリッ
ドに関し適切な配向もしくは配列を達成しうるように、
リンカアームによってポリヌクレオチドに結合される。
このリンカアームは、ポリヌクレオチド部分に対し成分
部分を結合させるポリヌクレオチドプローブにおける断
片を意味する。成分における特徴の存在に対し必須でな
い或いは天然ヌクレオチドの1部でないこの断片におけ
る全ての原子が、リンカアームの1部である。
【0036】リンカアームおよび/または成分は、標的
ポリヌクレオチドに対するポリヌクレオチドプローブの
ハイブリッド化を実質的に妨げてはならない。したがっ
て、リンカアームおよび/または成分は、(a)これが
結合している塩基が相補的塩基に対し対を形成するのを
妨げてはならず、(b)相補的塩基の錯体化を妨げて標
的ポリヌクレオチドに対するポリヌクレオチドプローブ
のハイブリッド化を妨げてはならず、(c)ポリヌクレ
オチド配列の末端位置でなければストランド延長を妨げ
てはならず、かつ(d)好ましくはポリヌクレオチドに
おける糖成分の構成を変化させてはならない。
【0037】リンカアームは一般にポリヌクレオチドに
対し共有結合される。この結合は、好ましくは塩基成分
に対して行なわれるが、糖部分または燐酸部分に対して
行なわれてもよい。塩基部分はプリンもしくはピリミジ
ンのいずれかとすることができる。上記したように、塩
基部分に対するリンカアームの結合は、好ましくはリン
カアームが塩基のワトソン−クリック対形成を妨げない
ような位置とすべきである。適する位置は、たとえばウ
ラシルの位置5および6、シトシンの位置5および6並
びに環外4−アミノ、デアザプリンの位置7および8、
グアニンの位置8、並びにアデニンの位置8および環外
6−アミノである。これらの位置に置換基を有する塩基
は、したがってこれらの位置に対するリンカアームの結
合には好適でない。塩基部分に対する結合に好適なリン
カアームはアリルアミンである〔デビット・ワード等に
よる1982年11月3日公開のヨーロッパ特許公開第
0,063,879 号参照、これを参考のためにここに引用す
る〕。
【0038】塩基に対する好適位置はピリミジンの位置
5および6、並びにデアザプリンの位置7である。何故
なら、8−プリンヌクレオチドはポリメラーゼ酵素に対
し貧弱な基質であり、かつアデニンもしくはシトシンの
環外アミノ基がチミンおよびウラシルに対し或いはグア
ニンに対しそれぞれ塩基対の形成に関与するからであ
る。塩基の環外アミノ基における置換基はこの塩基がそ
の相補的塩基に対し対形成するのを妨げないが、この置
換基はこれら2種の塩基間における最適な配向を変化さ
せる。好適ピリミジンはウラシルおよびシトシンであ
り、好適位置は5である。好適プリンはデアザアデニン
およびデアザグアニンである。
【0039】リンカアームを塩基部分に結合させるのに
使用しうる条件には殆んど制約がない。すなわち、塩基
に対する官能基が、この塩基をその相補的塩基に対する
対形成から妨げられない程度まで改変されない限りかつ
塩基部分が糖成分から切断されない限り、任意のpH範
囲、温度範囲、反応時間、溶剤または緩衝液を使用する
ことができる。最適条件はリンカアームおよび塩基の種
類に依存し、かつ当業者により容易に決定することがで
きる。
【0040】塩基に結合されたリンカアームは、塩基と
成分とに結合された原子群を含む。リンカアームは、幾
つかの方法により塩基部分に結合させることができ、塩
基に結合させうる手段となる第1官能基を持たねばなら
ない。さらにリンカアームは、成分に結合させうる手段
となる第2官能基を持たねばならない。このリンカアー
ムは炭素−炭素単一結合、炭素−炭素二重結合、炭素−
窒素単一結合、炭素−窒素二重結合、炭素−炭素三重結
合、炭素−酸素単一結合、炭素−硫黄単一結合または炭
素−珪素単一結合によって塩基もしくは成分に結合する
ことができる。適する官能基は、限定はしないがカルボ
ン酸エステル、カルボン酸ハロゲン化物、カルボン酸チ
オエステル、イミド、イミン、ケトン、アルデヒド、エ
ポキシド、ハロゲン化物、n−ヒドロキシスクシンイミ
ドエステル、イミデート、無水物、イソシアネート、イ
ソチオシアネートおよびチオエステルを包含する。
【0041】塩基部分に結合されたリンカアームは塩基
に対しα位置にオレフィン性結合を含むのが好適であ
る。この種のαオレフィン性結合の存在はリンカアーム
を塩基から立体的に離間保持する作用を果たし、したが
ってハイブリッド化工程に対するリンカアームの干渉お
よび/または成分の干渉を最小化させる。
【0042】リンカアームは、1断片として塩基に結合
する必要はない。リンカアームは、第1断片を塩基に結
合させ、次いで第2断片を第1断片に結合させて作成す
ることができる。適する第1断片の例は、
【0043】
【化3】 である。適する第2断片の例は、
【0044】
【化4】 である。
【0045】リンカアームを塩基に結合させる一般的方
法はJ.L.ルスおよびD.E.ベルクシュトローム、
ジャーナル・オーガニック・ケミストリー、第43巻、
第2870頁(1978);D.E.ベルクシュトロー
ムおよびM.K.オガワ、ジャーナル・アメリカン・ケ
ミカル・ソサエティー、第100巻、第8106頁(1
978);並びにC.F.ビゲ、P.カラリチス、J.
R.デックおよびM.P.メルテス、ジャーナル・アメ
リカン・ケミカル・ソサエティー、第102巻、第20
33頁(1980)に記載されている。1つの好適方法
は、デビッドC.ワード等による1982年11月3日
公開のヨーロッパ特許出願第0,063,879号明細書に詳細
に開示されており、これを参考のためにここに引用す
る。この方法は、αビニル基を有するリンカアームまた
はリンカアーム断片をK2 PdCl 4 の存在下で水銀化
塩基と反応させることからなり、水銀はHg+ としてリ
ンカアームと反応させるべき塩基の位置に結合する。こ
の過程を下記に示す。
【0046】
【化5】
【0047】リンカアームについては、特定の寸法また
は含有量の制限がない。リンカアームは、芳香族染料を
ポリヌクレオチドプローブ/標的ポリヌクレオチドハイ
ブリッド中に挿入させうるが芳香族染料を他のストラン
ド中へは挿入させない限り、約2個乃至任意の個数の炭
素を含むことができる。リンカアームは、異原子および
不飽和を有することもできる。リンカアームは脂肪族、
脂環式もしくは芳香族部分を含むことができる。リンカ
アームの実際の寸法もしくは含有量は、選択する成分並
びに標的ポリヌクレオチドに対するポリヌクレオチドプ
ローブのポリヌクレオチド部分のハイブリッド化に際し
性質変化を生ぜしめる方法に依存する。
【0048】ポリヌクレオチド配列の糖部分に対するリ
ンカアームの結合は所定の塩基におけるプリン除去もし
くはピリミジン除去に従う1’アルデヒドに対するシッ
フ塩基の手段とすることができ、或いは糖がリボースで
ある場合には2’ヒドロキシに対する手段とすることも
できる。1’アルデヒドに対し結合するリンカアームは
たとえばアミン、ヒドラジンもしくはヒドラジド官能性
とすることができる。この種の方法は、ジャニス・スタ
ブリアノプロスによる1985年8月13日出願の本出
願人による米国特許出願第06/765,288 号明細書に開示
されており、これを参考のためにここに引用する。燐酸
部分に対するリンカアームの結合は、燐酸部分のアルキ
ル化によって行うことができる。〔P.O.Pツオおよ
びP.S.ミラーによる米国特許第4,469,863 号を参照
することができ、これを参考のためにここに引用す
る〕。
【0049】リンカアームが塩基部分に結合される場
合、好ましくはこれをヌクレオシドもしくはヌクレオチ
ドレベルで塩基に結合させる。何故なら、リンカアーム
を塩基に結合させるのに必要とされる反応条件は、ポリ
ヌクレオチドに対し望ましくない副反応を生ぜしめるか
らである。さらに、ポリヌクレオチドレベルにおける結
合は、一定でなくかつ再現性のない収率を与える。ヌク
レオシドもしくはヌクレオチドレベルにおける結合は、
改変ヌクレオシドもしくはヌクレオチドを最初に精製し
かつ次いでポリヌクレオチド中へ組込むことを可能にす
る。この組込みは、たとえばM13ベクターにおけるク
ローン化によって、或いは上記ポリヌクレオチド合成装
置での合成によって行うことができる。
【0050】さらに、改変ヌクレオチドは一般に検討さ
れている核酸ポリメラーゼに対し比較的効率的な基質と
なることが好ましい。何故なら、改変ヌクレオチドをポ
リヌクレオチド中へ組込む最も効率的な方法は核酸ポリ
メラーゼによるものであるからである。すなわち、リン
カアームは酵素の活性部位を立体的に妨げてはならず、
或いは改変ヌクレオチドの相補的塩基対形成を妨げては
ならない。通常の「アンチ」ヌクレオシド構成を変化さ
せる位置における置換も回避すべきである。何故なら、
このような構成変化は一般に改変ヌクレオチドをポリメ
ラーゼ酵素に対し貧弱な基質にするからである。
【0051】リンカアームが糖の1’アルデヒドに結合
される場合、このリンカアームはポリヌクレオチドプロ
ーブのポリヌクレオチド部分が生成された後に結合され
ねばならない。何故なら、糖の結合は、この糖の1−位
置に遊離アルデヒドを必要とするからである。遊離アル
デヒドは、プリン除去またはピリミジン除去によって生
成される。塩基を含まない糖と燐酸とからなる部分はポ
リメラーゼ酵素に対する基質とならない。すなわち、リ
ンカアームは、先ず最初に所望のポリヌクレオチド配列
を選択的にプリン除去しもしくはピリミジン除去し、次
いでアルデヒドによってリンカアームを糖に結合させる
ことにより結合させねばならない。リンカアームが糖リ
ボースの2’ヒドロキシに結合される場合、このリンカ
アームはヌクレオチドもしくはポリヌクレオチドレベル
で結合することができる。何故なら、改変ヌクレオチド
は遺伝子合成装置によってポリヌクレオチド中へ組込み
うるからである。リンカアームが燐酸に結合される場
合、このリンカアームは結合が燐酸以外の位置で生じな
いようヌクレオシドもしくはヌクレオチドレベルで結合
せねばならない。
【0052】6.成分の結合 成分は、たとえば任意の上記官能基によってリンカアー
ムに共有結合することができる。1例は、成分における
アミノ、チオもしくはオキソ基とリンカアームにおける
他の官能基、たとえばイソチオシアネート、エポキシ
ド、カルボジイミド、無水カルボン酸、カルボン酸エス
テル、カルボン酸塩化物、カルボン酸、チオエステル、
イミン、ハロゲン、ケトンもしくはアルデヒドとの反応
である。
【0053】さらに成分は、たとえばリンカアームおよ
び成分に結合したキレート生成剤によってリンカアーム
へ非共有結合させることもできる。配位金属は、成分と
リンカアームとを挟持して錯体を形成することができ
る。好適キレート生成剤は、限定はしないがエチレンジ
アミンテトラ酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン
−ペンタ酢酸(DTPA)およびトランス−ジアミノシ
クロヘキサン−テトラ酢酸(DCTA)を包含する。好
適金属は各種の遷移金属、特にランタニド金属を包含す
る。リンカアームに対する芳香族染料の非共有結合は、
この分析が標的ポリヌクレオチドを包含する試料に対す
るポリヌクレオチドプローブの添加後に多くの工程を含
まない1工程で行なわれるため、共有結合ほど安定でも
強固でもないが、静電吸引力が性質変化を生ぜしめるの
に充分な結合教祖を与えるであろう。これは、成分が芳
香族染料でありかつ性質変化には挿入工程のみが必要と
される場合である。ここで、形成されたポリヌクレオチ
ドプローブ/標的ハイブリッド中への芳香族染料の挿入
は蛍光放出における変化をもたらして、標的ポリヌクレ
オチドの存在を証明することができる。
【0054】種々異なる条件を用いて挿入芳香族染料成
分をリンカアームに結合させることができる。一般に、
約4〜約10、好ましくは約5〜約8のpH範囲、約2
0〜約100℃、好ましくは約40〜約65℃の温度、
任意の溶剤および任意の緩衝剤もしくは触媒を使用する
ことができ、ただしpH、温度、溶剤もしくは緩衝剤は
ポリヌクレオチドの全ての基もしくは成分を変化させな
いものとする。たとえば、ポリヌクレオチドをプリン除
去しもしくは脱アミノしうるような試薬もしくは条件は
避けるべきである。さらに反応時間についても殆んど制
限がない。リンカアームに芳香族染料を結合させるため
の最適pH、温度、溶剤もしくは反応時間は、反応させ
るべきリンカアームと芳香族染料と官能性とに依存す
る。これらの条件は、当業者により容易に決定すること
ができる。
【0055】大抵の挿入用芳香族蛍光染料は、水に対し
可溶性でなく、したがってポリヌクレオチドのリンカア
ームに対する芳香族染料の結合はたとえば水とエタノー
ル、メタノール、テトラヒドロフラン、ジオキサン、プ
ロパノール、選択エーテル、エステル、ケトン、アミ
ド、グリセリン、アセトン、ピリジン、ジメチルホルム
アミド、ジメチルスルホキシドまたはヘキサメチルホス
ホルアミドとの混合物のような混和性の混成溶剤系を必
要とする。或いは、芳香族染料が有機溶剤に溶解しかつ
ポリヌクレオチドが水性溶媒に溶解するような不混和性
の二相溶剤系を使用することもできる。この場合、2種
の溶剤系を絶えず混合して、ポリヌクレオチドを芳香族
染料と反応しうるように接触させねばならない。反応の
後、ポリヌクレオチドプローブは、一般に水溶液に存在
する一方、芳香族染料は有機溶液中に残留する。
【0056】これら反応に必要とされる反応体の化学量
論量は、大幅に変化することができる。一般に、より容
易に製造される成分の過剰量を、ポリヌクレオチドに対
する芳香族染料の結合に使用する。実用上、これらの量
は必要とされる反応条件、芳香族染料、リンカアームお
よびその反応性官能基に応じて変化する。
【0057】一般に、挿入芳香族染料は、リンカアーム
を含有するヌクレオチドがポリヌクレオチド中に組込ま
れた後にリンカアームに結合させねばならない。何故な
ら、大抵の挿入芳香族染料はポリヌクレオチド合成を阻
害し、したがって芳香族挿入剤が結合しているヌクレオ
チドがポリヌクレオチド中へ組込まれるのを妨げるから
である。
【0058】7.成分の個数 ポリヌクレオチドプローブは2個の成分または3個以上
の成分で構成することができる。これら成分は、ポリヌ
クレオチドプローブの末端位置または非末端位置に結合
することができる。これら成分は、約10個のヌクレオ
チドよりなる部分によって互いに分離されたヌクレオチ
ドに結合して、プローブに対し特異性を付与せねばなら
ない。成分の個数が多い程、ポリヌクレオチドプローブ
の感受性が大となる。しかしながら、これら成分は、標
的ポリヌクレオチドに対するポリヌクレオチドプローブ
におけるポリヌクレオチド部分の有効ハイブリッド化が
実質的に妨げられるような個数で存在させてはならな
い。結合させうる成分の個数は、成分がポリヌクレオチ
ドに結合される部分およびポリヌクレオチドの長さに依
存する。
【0059】特定の塩基部分に結合する成分は、ポリヌ
クレオチドプローブ中に存在する塩基部分の個数以下に
制限される。糖部分に結合される成分は、標的ポリヌク
レオチドに対するポリヌクレオチドプローブのハイブリ
ッド化を妨げないような個数制限される。何故なら、こ
の場合、各成分は塩基対の形成に使用されるプローブポ
リヌクレオチドにおける塩基の個数を減少させるからで
ある。燐酸部分に結合される成分は、糖部分および塩基
部分の配列を乱さないような個数に制限される。ヌクレ
オチド4個当り1個以下の成分をポリヌクレオチドプロ
ーブに結合されるのが好ましい。
【0060】成分が挿入剤である場合、リンカアームは
挿入剤に対し自由な移動を付与するのに充分な長さとし
かつ充分な融通性を持たねばならず、内方向に折れ曲が
りかつ形成されたポリヌクレオチドプローブ/標的ポリ
ヌクレオチドハイブリッド中に侵入しうるようにする。
塩基の1つの位置に結合するのに適したリンカアーム
は、同じ塩基の他の位置もしくは他の塩基の任意の位置
に結合するには適せず、或いは糖もしくは燐酸における
位置に結合するには適さないと理解される。たとえば、
ヌクレオチドの好適配列は、「アンチ」配列であるた
め、たとえば燐酸基に結合される成分はたとえばウリジ
ンの5−位置に結合されるものよりも長いリンカアーム
を必要とする。同様に、2個の環で構成されたプリンに
結合されるリンカアームは、1個のみの環で構成された
ピリミジンに結合されるリンカアームよりも長いリンカ
アームを必要とする。
【0061】8.挿入剤における性質変化の検出 芳香族染料である挿入剤は、一般に「成分の説明」の項
目で上記したように、その蛍光放出の変化によって検出
することができる。しかしながら、挿入剤は標的ポリヌ
クレオチドに対するポリヌクレオチドプローブのポリヌ
クレオチド部分のハイブリッド化に際し二重鎖もしくは
デュプレックスのTM (すなわち溶融温度)の変化を生
ぜしめるので、これら挿入剤の蛍光特性を利用する必要
はない。溶融温度とは、ポリヌクレオチド二重鎖が変性
される温度を意味する。変性は対形成した塩基間の水素
結合の破壊を必要とし、かつ変性温度はG−C結合がA
−T結合よりも強固であるためストランドの塩基含有量
に依存する。
【0062】二重鎖における挿入剤の存在はここのスト
ランド間の相互作用を増強する結果、ストランドを変性
させるのに要する温度が著しく高くなる。溶融温度を上
昇させる程度は、特定の挿入剤の種類およびその量に依
存する。たとえば、10個の塩基対当り1種のフェナン
スリジン挿入剤を含むポリA.ポリTのポリヌクレオチ
ドハイブリッドは、このハイブリッドの溶融温度を約2
5℃上昇させることが実験的に判明した。
【0063】したがって、成分が非蛍光性挿入剤である
ようなポリヌクレオチドプローブを使用することができ
る。標的ポリヌクレオチドを含む試料をポリヌクレオチ
ドプローブと混合し、かつ充分な反応時間後にポリヌク
レオチドを沈澱させることができる。次いで、沈澱物を
溶液中に溶解させ、この溶液を加熱しかつUV吸収(高
色素性)の増加が生ずるような温度を監視することがで
きる。この温度は、T M を示す。試料を加熱した際に一
方の経過が通常のTM となりかつ第2の経過がそれより
高いTM となるような2つのTM 経過が得られれば、標
的ポリヌクレオチドの存在が証明される。
【0064】性質の変化は一般に装置によって検出され
るが、或る場合には肉眼検出も可能である。装置の例
は、ミネラルランプおよび蛍光測定器である。或る種の
性質変化は、標的ポリヌクレオチドを含む試料に対する
ポリヌクレオチド試料の添加後に不利な追加実験を行な
うことなく装置によって検出することができる。他の性
質変化は、標的ポリヌクレオチドを含む試料に対しポリ
ヌクレオチドプローブを添加した後にさらに実験操作を
加えて検出することができる。しかしながら、他の実験
操作が必要であるかないかとは関係なく、標的ポリヌク
レオチドの存在を証明する前に未結合のポリヌクレオチ
ドプローブを試料から分離する必要はない。
【0065】前者の1例は、成分(たとえば挿入剤)が
溶液中の標的ポリヌクレオチドに対しポリヌクレオチド
プローブのポリヌクレオチド部分をハイブリッド化させ
た際に蛍光放出スペクトルの変化を生ずる場合である。
この場合、標的ポリヌクレオチドを含む試料に対しポリ
ヌクレオチドプローブを添加した後に実験操作は必要と
されない。溶液の蛍光は蛍光測定装置で測定することが
でき、蛍光放出の変化は標的ポリヌクレオチドの存在を
示している。他の例は、成分(たとえば挿入剤)が溶液
中の標的ポリヌクレオチドに対しポリヌクレオチドプロ
ーブのポリヌクレオチド部分をハイブリッド化させた際
にポリヌクレオチドハイブリッドの溶融温度を変化させ
る場合である。加熱部材を有するUV分光光度計にて溶
液のUV吸収を測定しかつ高色素変化が生ずる温度を決
定するだけでよい。いずれの場合にも測定されるのは性
質変化であるため、初期の高いバックグランドは検出工
程を実質的に妨げない。
【0066】後者の例は、成分(たとえば挿入剤)が溶
液中の標的ポリヌクレオチドに対しポリヌクレオチドプ
ローブのポリヌクレオチド部分をハイブリッド化させた
際にポリヌクレオチドの三次構造の変化によるポリヌク
レオチドハイブリッドの浮力密度の変化を生ぜしめる場
合である。この場合には、たとえば塩化セシウム中で溶
液を最初に遠心分離した後に溶液の密度およびUV測定
を行なわねばならないので、他の実験操作が必要とな
る。
【0067】発生する性質変化は、ポリヌクレオチドプ
ローブであっても標的ポリヌクレオチドであってもよ
い。性質変化がポリヌクレオチドプローブで生ずる場
合、この変化はポリヌクレオチドプローブの成分部分で
あっても或いはポリヌクレオチドプローブにおけるポリ
ヌクレオチド部分であってもよい。変化がポリヌクレオ
チドプローブで発生する例は、蛍光性挿入剤がポリヌク
レオチドプローブの末端位置に存在しないヌクレオチド
に結合する場合である。挿入剤は、標的ポリヌクレオチ
ドとポリヌクレオチドプローブにおけるポリヌクレオチ
ド部分とのハイブリッド化によって形成したハイブリッ
ド中に侵入する。この場合、変化する性質はポリヌクレ
オチドプローブにおける成分部分の蛍光放出である。
【0068】変化が標的ポリヌクレオチドで発生する例
は、非蛍光性挿入剤が末端ヌクレオチドに結合する場合
である。挿入剤はリンカアームに結合し、これにより隣
接ハイブリッド(すなわち標的ポリヌクレオチドと隣接
する相補的ポリヌクレオチド(このポリヌクレオチド
は、ポリヌクレオチドプローブのものではない)とから
なるハイブリッド)に侵入することができる。この場
合、挿入剤はハイブリッドのTM を上昇させるが、プロ
ーブと標的とからなるハイブリッドのTM を上昇させな
い。しかしながら、挿入剤を隣接するハイブリッド中へ
侵入させ、したがって隣接するハイブリッドのTM を上
昇させるのは、標的ポリヌクレオチドに対するポリヌク
レオチドプローブのポリヌクレオチド部分のハイブリッ
ド化である。したがってTM における上昇はハイブリッ
ドの存在を証明する。この場合、変化する性質は、標的
ポリヌクレオチドと隣接する相補的ポリヌクレオチドと
の間の熱力学的相互作用である。
【0069】9.標的ポリヌクレオチドの検出方法 蛍光性芳香族染料が成分であるようなポリヌクレオチド
プローブを使用する本発明の方法は、たとえば溶液中に
標的ポリヌクレオチドを含む試料を溶解させて標的ポリ
ヌクレオチドを溶液中に放出させ、標的ポリヌクレオチ
ドを包囲膜から放出させて行うことができる。溶解は、
たとえば試料を音波或いは洗剤に露出して行うことがで
きる。ポリヌクレオチドは遠心分離によって細胞残骸か
ら分離することができ、かつアルコール沈澱または透析
によってさらに精製することができる。次いで、ポリヌ
クレオチドプローブを標的ポリヌクレオチドを含有する
溶液に添加し、かつこの溶液を約20〜約100℃の温
度にて約10分間〜約24時間培養する。温度が高い程
ハイブリッド化に要する時間が短縮することが認められ
る。次いで、この溶液を蛍光測定器に入れて蛍光放出を
測定する。芳香族染料が挿入されていない場合に得られ
るスペクトルからの芳香族染料における蛍光放出スペク
トルの変化が、試料中の標的ポリヌクレオチドの存在を
示す。
【0070】一般に、標的ポリヌクレオチドは、ポリヌ
クレオチドプローブにおけるポリヌクレオチド部分とハ
イブリッド化させる前にハイブリッド化工程にて一本鎖
型にせねばならない。これは熱もしくはアルカリのいず
れかで行うことができる。しかしながら、ポリヌクレオ
チドプローブの成分が挿入剤である場合、標的ポリヌク
レオチドは一本鎖もしくは二重鎖のいずれで存在させて
もよい。標的ポリヌクレオチドが二重鎖型である場合、
ポリヌクレオチドプローブにおけるポリヌクレオチド部
分は、標的ポリヌクレオチドから同質ストランドを排除
してポリヌクレオチドプローブ/標的ポリヌクレオチド
ハイブリッドを形成する。
【0071】標的ポリヌクレオチドを含む二重鎖を最初
に変性させることなくこの特定のポリヌクレオチドプロ
ーブを使用しうる理由は、ストランドの一方が挿入剤か
らなる二重鎖に対し挿入剤が向上した安定性を付与する
ためと思われる。説明のため二重鎖がストランド「A」
および「B」(ここでストランド「A」は標的ポリヌク
レオチドを構成する)で構成されると仮定する。さら
に、ポリヌクレオチドプローブがストランド「A」にお
ける標的ポリヌクレオチドに対し相補的なポリヌクレオ
チド部分(ストランド「C」)と、2個の挿入剤成分と
で構成されると仮定する。さらに、ストランド「D」が
ストランド「A」における標的ポリヌクレオチドに対し
相補的であると仮定する。
【0072】ポリヌクレオチド二重鎖、すなわちハイブ
リッドは所定間隔で部分的に開口していることが知られ
ている。しかしながら、ストランド「D」は一般に二重
鎖のTM より低い温度ではストランド「B」を排除する
ことができない。何故なら、ストランド「A」と「D」
との間の熱力学的相互作用はストランド「A」と「B」
との間の熱力学的相互作用よりも大きくないからであ
る。ストランド「A」および「B」が部分的に分離しか
つストランド「D」がストランド「A」に対し対形成を
開始する静止期間でさえ、この塩基対形成は極く短時間
となる。殆んどの部分がストランド「A」にハイブリッ
ド化したストランド「B」は、ストランド「D」を急速
に排除する。ストランド「D」は、ストランド「A」か
らストランド「B」を切除してストランド「A」と
「D」とからなる二重鎖を形成することができない。
【0073】しかしながら、挿入剤が結合されているス
トランド「C」における塩基がストランド「A」におけ
る相補的塩基に対し静止期間中に対形成すると仮定す
る。これが生ずると、塩基に結合した挿入剤は隣接する
塩基対に侵入する。他方の挿入剤が結合しているストラ
ンド「C」における塩基が次いでその相補的塩基に対し
対形成し、かつこの塩基に結合した挿入剤も隣接する塩
基対に侵入する。その結果、ポリヌクレオチドプローブ
のおけるポリヌクレオチド部分の2個の塩基は標的ポリ
ヌクレオチドの塩基に対し対形成して安定性を高める。
これら塩基間における残余の塩基が次いでその相補的塩
基に対形成する。ストランド「C」の挿入剤は、ストラ
ンド「A」の塩基に対形成したストランド「B」の塩基
と比較して、ストランド「A」の塩基に対形成したスト
ランド「C」の塩基の間に一層大きい熱力学的安定性を
付与する。たとえば、臭化エチジウムはポリヌクレオチ
ド二重鎖の溶融温度を約25℃上昇させる〔U.B.レ
ペックおよびC.パオレッチ、J.M.B.、第27巻
(1967)、第87〜106頁参照〕。ストランド
「B」はもはやストランド「C」をストランド「A」か
ら排除することができない。その結果、ストランド
「A」に予めハイブリッド化したストランド「B」の1
部は、ストランド「A」と「C」とからなる二重鎖部分
でなく、ストランド「A」から永久的に切除され続け
る。かくして、この一本鎖ポリヌクレオチドプローブ
は、標的ポリヌクレオチドが一本鎖型で存在しない場合
にも試料中における標的ポリヌクレオチドの検出を可能
にする。
【0074】さらに、この方法を用いて標的ポリヌクレ
オチドの存在を二重鎖が変性するような温度で検出する
こともできる。一般に、二重鎖型で存在する標的ポリヌ
クレオチドの検出は、二重鎖を含む試料をこの二重鎖の
M より高い温度までポリヌクレオチドプローブの存在
下で加熱しかつこの試料を冷却して標的ポリヌクレオチ
ドによりポリヌクレオチドプローブを再生させることに
より行われる。しかしながら、ポリヌクレオチドプロー
ブが蛍光性挿入剤成分からなる場合、試料は冷却を必要
としない。何故なら、挿入剤は塩基対を安定化させて、
これら塩基対のTM を上昇させるからである。かくし
て、ポリヌクレオチドプローブにおけるポリヌクレオチ
ド部分が標的ポリヌクレオチドに対しハイブリッド化を
開始しかつ挿入剤が形成二重鎖中に侵入すると、試料の
温度上昇はこの二重鎖を変性させるにはもはや充分でな
くなり、挿入剤の蛍光放出変化によって標的ポリヌクレ
オチドの存在を証明することができる。温度上昇はこの
二重鎖(すなわち、ポリヌクレオチドプローブと標的ポ
リヌクレオチドとからなるもの)のTM より高くなりえ
ないと理解される。
【0075】10.標的ポリヌクレオチド この方法を用いて、たとえば微生物、植物細胞または哺
乳動物細胞から標的ポリヌクレオチドを検出することが
できる。微生物は細菌、黴、ウイルスまたは酵母とする
ことができる。標的ポリヌクレオチドは、特定の病原性
ウイルスに独特なもの、非機能性蛋白の産生をもたらす
ような突然変異した哺乳動物遺伝子に存在するもの、或
いは抗生物質耐性を細菌に付与するものとすることがで
きる。たとえば、これはストレプトコッカス・ピオゲネ
スまたはナイセリア・メニンギチジスにペニシリン耐性
を付与するもの;スタフィロコッカス・アウレウス、キ
ャンジダ・アルビカンス、シュードモナス・エアルギノ
ーサ、ストレプトコッカス・ピオゲネスまたはナイセリ
ア・ゴノレアにテトラサイクリン耐性を付与するもの;
並びにミコバクテリウム・チュバキュロシスにアミノグ
リコシド耐性を付与するものとすることができる。
【0076】この方法を、たとえばサラセミア貧血症お
よび鎌状赤血球貧血症などの遺伝子障害の診断に拡大す
ることができる。ポリヌクレオチド遺伝子の存在もしく
は不存在が障害(サラセミア貧血症の場合)に関連する
ポリヌクレオチド遺伝子は、本発明によるポリヌクレオ
チドプローブとのハイブリッド化にしたがって検出する
ことができる。
【0077】染色体の特定部位に対する遺伝子もしくは
その転写物の地図化は面倒でありかつ時間を要する作業
であり、主として細胞融合および体細胞遺伝子学の技術
を用いる。たとえばショウジョウバエ(Drosophila)の
ような染色体多分裂を受ける種類では現場でのハイブリ
ッド化が単一コピーの遺伝子配列を地図化するのに好適
に使用されているが、それより高等な大抵の真核性染色
体における独特な配列の遺伝子の検出は標準ハイブリッ
ド化法では不可能でないにしても極めて困難である。さ
らに、ハイブリッド化部位の放射線写真による位置決定
を容易化させるために極めて高い比放射能がポリヌクレ
オチドプローブに必要とされることは、このポリヌクレ
オチドプローブの急速な放射能分解を生ぜしめ、かつそ
れに伴なって銀粒子付着のバックグランドノイズを増大
させる。低いまたは中庸の比放射能を有するハイブリッ
ド化プローブの使用は、たとえばリボゾームRNA遺伝
子もしくはサテライトDNAのような多コピー配列を検
出するのに何日間もしくは何週間もの露出時間を必要と
する。真核細胞に見られるほぼ全ての単一コピー配列の
分子クローン化については組換DNA技術が可能となっ
たので、この種のクローン化ゲノム断片の染色体を地図
化する迅速かつ敏感な方法を得るのが極めて有益であ
る。
【0078】最後に、本発明によるポリヌクレオチドプ
ローブを作成して腫瘍細胞を診断することもでき、この
ポリヌクレオチドプローブはたとえば胎児蛋白抗原もし
くは癌胚抗原のようなその存在が特定腫瘍細胞の診断と
なるポリペプチドの産生に関連するDNA遺伝子配列か
ら転写されたメッセンジャーRNAに対し相補的であ
る。プローブ/標的ポリヌクレオチドハイブリッドのハ
イブリッド化および検出は、腫瘍細胞の検出方法を与え
る。
【0079】本発明に適したポリヌクレオチドとこのポ
リヌクレオチドに結合した挿入芳香族化合物とからなる
ポリヌクレオチドプローブを下記に示し、このポリヌク
レオチドは構造式:
【0080】
【化6】 〔式中、Bはピリミジン、プリンおよびデアザプリンよ
りなる群から選択される塩基を示し、ただしBがピリミ
ジンであれば糖はこのピリミジンのN1 −位置に結合
し、かつBがプリンもしくはデアザプリンであれば糖は
プリンもしくはデアザプリンのN9 −位置に結合し、
「Phen」はフェナンスリジン部分を示し、L.A.は少
なくとも3個の炭素原子を含むリンカアームであって、
フェナンスリジン部分の5−位置に結合され、かつZは
HもしくはO−のいずれかである〕を有する少なくとも
1種の部分を含む。
【0081】一般に、Bは同一のオリゴ−もしくはポリ
−ヌクレオチド内で変化し、或いはウラシル、シトシ
ン、チミン、グアニン、アデニン、デアザグアニンもし
くはデアザアデニンとすることもできる。さらに、一般
に、この変化は標的ポリヌクレオチドからなるヌクレオ
チドの所定配列に対応する。図示した構造式はたとえば
ポリC、ポリU、ポリγ(A−U)およびポリd(A−
U)のようなポリヌクレオチドをも包含することを意図
する。
【0082】11.ポリヌクレオチドプローブの合成 この種のポリヌクレオチドプローブの合成例を、図1を
参照して以下説明する。ポリヌクレオチドプローブは、
ヌクレオチドdTMPおよびdUMPならびにブチジウ
ム挿入剤からなっている。標的ポリヌクレオチドはポリ
dAMPである。
【0083】合成の第1工程は、硫酸の存在下における
硝酸カリウムによるベンチジンから3−ニトロベンチジ
ンへのニトロ化である。次いで、2個の環外アミノ基を
エチルクロルホルメートと反応させて、ジイソシアネー
ト化合物を生成させる。この工程は、このようにしない
と第1アミノ基が後に他の試薬と共有反応してアミド或
いは第2および第3アミンを生成するので必要となる。
この種の反応は、合成された成分がハイブリッド中へ侵
入するのを防止し、したがって成分としてのその効果を
阻害する。この事実は、アセチル基によるフェナンスリ
ジウム化合物の8−アミノ基の遮蔽がポリヌクレオチド
の螺旋巻き戻し角度を低下させ、しかもその結合エネル
ギーに殆んど変化を生ぜしめないのに対し、3−および
8−アミノ基の完全遮蔽はフェナンスリジウム化合物の
結合恒数を10〜20倍低下させて巻き戻し角度を著し
く低下させるという報告に基づいている。2個のアミノ
基は、挿入錯体の安定性に対し約1.4 〜1.7 カロリー/
モルの自由エネルギーを与える〔J.W.コズコザンお
よびF.E.ハーン編、アンチビオティックス、第3
巻、第141〜165頁、スプリンガー・フェアラーグ
出版、N.Y.(1975)における「エチジウムおよ
びプロピジウム」と題する論文参照〕。
【0084】次いで、3−ニトロ基を亜鉛によってアミ
ノ基まで還元し、かつ塩化ベンゾイルを添加してベンゾ
イルアミドを生成させる。このベンゾイルアミドのカル
ボニルはホスホオルキシクロライド中で加熱する際に6
−位置の炭素と反応してフェナンスリジウム誘導体を生
成する。次いで、5−第三アミンを1,4−ジブロモブ
タンと反応させて4級化することにより、ブチジウム誘
導体を生成させる。これに続いてジウレタン部分を加水
分解して5−(4’−ブロモブチル)−3,8−ジアミ
ノ−6−フェニルフェナンスリジンを生成させる。次い
で、この化合物をチオ硫酸ナトリウムと反応させること
により臭素をチオールで置換して5−(4’−チオブチ
ル)−3,8−ジアミノ−6−フェニルフェナンスリジ
ンを生成させる。この生成物は、ポリヌクレオチドプロ
ーブの成分部分を示し、かつブチジウム誘導体の蛍光特
性を示す。
【0085】この化合物を、ポリヌクレオチドに結合さ
せる前に、この化合物の蛍光性が他の分子に対する共有
結合に際し破壊されないことを証明する必要がある。こ
れは、ブチジウム化合物を図2(a)に示したようにブ
ロモアセチル化アミノデキストラン誘導体と反応させて
行われる。デキストラン誘導体は、デキストランを硼水
素化ナトリウムの存在下でブタジエンモノエポキシドと
反応させて1−ブテン−4−デキストランを生成させる
ことにより製造される。この化合物をN−ブロモスクシ
ンイミドと混合して1−ブロモブタン−4−デキストラ
ンを生成させ、次いでさらにシステアミンと反応させ
て、アミノデキストラン誘導体を得る。このデキストラ
ンをブロモ酢酸のN−ヒドロキシスクシンイミドエステ
ルと混合して、ブロモアセチル化されたアミノデキスト
ラン誘導体を生成させる。
【0086】このブロモアセチル化アミノデキストラン
誘導体を上記5−(4’−チオブチル)−3,8−ジア
ミノ−6−フェニルフェナンスリジンと反応させて、デ
キストラン標識されたフェナンスリジウム化合物を生成
させる。この化合物のスペクトル分析は、フェナンスリ
ジンの蛍光がデキストランへの結合によって変化されな
いことを示した。
【0087】次いで、アリルアミンが各ウラシル(U)
塩基へその5−位置に結合したポリ(dT)、ポリ(d
U)からなるポリヌクレオチドを作成する。このポリヌ
クレオチドを作成するために使用した方法は、dUTP
およびAAUTP(アリルアミンUTP)の混合物の存
在下で酵素末端トランスフェラーゼによりポリヌクレオ
チドを合成することである。合成されたポリヌクレオチ
ドを陰イオン交換クロマトグラフィーによって精製す
る。このウラシル塩基は約260nmに最大吸収を有す
る一方、5−位置にアリルアミンを有するウラシル塩基
は約290nmに最大吸収を有する。かくして、260
/290の吸光比を測定することにより、ポリヌクレオ
チド重合体における2種の塩基の比率を決定することが
できる。この実験では、AAdU対dUの比が1:10
であることが判明した。
【0088】次いで、このポリヌクレオチドを図2
(b)に示したように水−ジメチルホルアミドの混合物
を含有する溶液中で弱アルカリ性条件下に5−(4’−
チオブチル)−3,8−ジアミノ−6−フェニルフェナ
ンスリジンと反応させる。未反応のブチジウム誘導体を
ブタノールによって溶液から抽出する。ブタノールによ
る抽出は、ポリヌクレオチドプローブをこの溶液から沈
澱させる。沈澱をさらに陰イオン交換カラムで精製す
る。
【0089】次いで、精製したポリヌクレオチドプロー
ブを3種の溶液と混合する。第1の溶液はポリ(γA)
を含有し、第2の溶液は牛胸腺二重鎖DNAを含有し、
かつ第3の溶液はポリ(dT)を含有する。ポリ(γ
A)を含有する溶液のみが強度の蛍光性を示す。このこ
とは、どのストランドもポリヌクレオチドプローブのス
トランドでない二重鎖中へ挿入剤が侵入しなかったこと
を示している。
【0090】精製されたポリヌクレオチドプローブをポ
リ(dT)対ポリ(γA)の比が2:1であるポリ(d
T)−ポリ(γA)を含有する溶液と混合する。この溶
液は殆んど即座に蛍光を発する。このことは、挿入剤を
含むポリヌクレオチドプローブが同質ポリヌクレオチド
を二重鎖から排除しうることを証明している。
【0091】ポリヌクレオチド薬剤の説明 本発明は、ポリヌクレオチド組成物をポリヌクレオチド
薬剤として使用することを可能にする。ポリヌクレオチ
ド薬剤は、標的ポリヌクレオチドの転写もしくは翻訳を
防止するために使用される。薬剤を使用して転写を防止
する場合、標的ポリヌクレオチドはDNAもしくはRN
Aとすることができる。ポリヌクレオチド薬剤を使用し
て翻訳を防止する場合、標的ポリヌクレオチドはメッセ
ンジャーRNAである。
【0092】ポリヌクレオチド薬剤は、ポリヌクレオチ
ドとこのポリヌクレオチドに結合した少なくとも2個の
成分とからなっている。これらの成分は、ポリヌクレオ
チド薬剤のポリヌクレオチド部分が標的ポリヌクレオチ
ドにハイブリッド化した際にポリヌクレオチドプローブ
もしくは標的ポリヌクレオチドまたはその両者のいずれ
かの性質に変化を生ぜしめるような特徴を有する。変化
する性質は、形成されたハイブリッドの熱力学的安定性
である。この安定性は、薬剤のポリヌクレオチドに対し
同質性であるポリヌクレオチドによる標的ポリヌクレオ
チドからのポリヌクレオチド薬剤の排除を防止する。何
故なら、この種の同質ポリヌクレオチドと標的ポリヌク
レオチドとからなるハイブリッドは、薬剤のポリヌクレ
オチドと標的ポリヌクレオチドとからなるもの程、熱力
学的に安定でないからである。
【0093】適するポリヌクレオチド薬剤の例は、成分
として挿入剤を含むものである。上記したように、挿入
剤の存在は、ポリヌクレオチド二重鎖のTM を上昇させ
る。すなわち、挿入剤を含むポリヌクレオチド薬剤を試
料と混合し、或いは標的ポリヌクレオチドを含む生物に
投与すれば、その標的ポリヌクレオチド薬剤はその標的
ポリヌクレオチドを探し出す。標的が既に相補的ポリヌ
クレオチドにハイブリッド化している場合にもこの標的
ポリヌクレオチドを見い出すと、ポリヌクレオチド薬剤
におけるポリヌクレオチド部分は、ポリヌクレオチドプ
ローブの説明で上記した理由により標的に対し相補的で
ある配列を排除する。その結果、容易には、ポリメラー
ゼおよびトランスフェラーゼ酵素に対する雛型とならな
いような二重鎖を生成し、かくして標的ポリヌクレオチ
ドの転写もしくは翻訳を遮断する。
【0094】このポリヌクレオチド薬剤は、薬剤のポリ
ヌクレオチド部分と標的ポリヌクレオチドとのハイブリ
ッド化の結果生成された二重鎖にのみ挿入剤を侵入させ
うるようなリンカアームによって、挿入剤をポリヌクレ
オチドに結合させねばならないという制約を有する。挿
入剤は、他の二重鎖中に侵入して他のポリヌクレオチド
の転写もしくは翻訳を妨げてはならない。
【0095】このポリヌクレオチド薬剤は利点を有す
る。挿入剤を包含する大抵の化学治療剤は、ヒトに全身
的に投与すると体全体に均一分布する。これら薬剤の殆
んどは極めて毒性である。したがって、標的部位に治療
効果を発揮するだけでなく、これらは非標的部位にも毒
性作用を示す。本発明の挿入剤は標的ポリヌクレオチド
を含まない二重鎖中には侵入しえないので、ポリヌクレ
オチド薬剤は体全体に均一分布されたとしても標的部位
以外には毒性作用を示さない。
【0096】変化する性質は検出しうる必要はないが、
これはしばしば有利である。しかしながら、変化する物
質は、ポリヌクレオチド薬剤を含まないハイブリッドと
比較して、ポリヌクレオチド薬剤/標的ポリヌクレオチ
ドからなるハイブリッドの安定性を向上させねばならな
い。
【0097】挿入剤を含むポリヌクレオチド薬剤の製造
方法は、ポリヌクレオチドプローブの製造の説明で上記
した通りである。これらのポリヌクレオチド薬剤は、中
性水溶液としてヒトに投与することができる。
【0098】ポリヌクレオチド薬剤は、適当なキャリヤ
によって細胞へ供給せねばならない。キャリヤは、ポリ
ヌクレオチド薬剤が細胞中で入る前に分解されるのを防
止せねばならず、同時にポリヌクレオチド薬剤を細胞膜
中に拡散させ或いは貫通輸送させねばならない。1つの
好適方法は、リポソームの使用である。
【0099】リポソームは単層もしくは多層の脂質小胞
であって、三次元空間を包囲する。リポソームの膜は極
性先端と非極性末端とを有する1種もしくはそれ以上の
脂質成分の二分子層によって形成される。水性(もしく
は極性)溶液において、1つの層の極性先端は外方向に
配向して、水性もしくは極性溶液中に突入し、かつ連続
的外表面を形成する。単層リポソームは、このような1
種の二分子層であるのに対し、多層小胞は一般に玉ネギ
のように配列された複数のほぼ同心的二分子層を有す
る。
【0100】リポソームは、たとえば細胞毒性剤或いは
細胞挙動を改変させたり、またはこれら薬剤を生体内部
位に搬入しうる他の巨大分子のような治療剤をカプセル
化するのに有用であることが周知されている。たとえ
ば、ラーマン等による1976年11月23日付け発行
の米国特許第3,993,754 号公報は悪性腫瘍の改良化学治
療法を開示しており、この場合抗腫瘍剤をリポソーム内
にカプセル化しかつこのリポソームを動物またはヒトに
注射する。アプル等による1981年4月21日発行の
米国特許第4,263,428 号公報は、均一寸法のリポソーム
内に薬剤を混入することにより哺乳動物における選択細
胞部位に対しより効果的に供給しうる抗腫瘍剤を開示し
ている。リポソームを介する薬剤投与は、毒性を減少さ
せ、組織分布を変化させ、薬剤効果を高めかつ治療指標
を向上させる。
【0101】核酸をカプセル化するための特に有用な方
法は、ダビッドW.ディーマーによる1985年5月7
日発行の米国特許第4,515,736 号公報に開示されてお
り、これを参考のためここに引用する。この方法は、リ
ポソーム分散物をカプセル化すべき物質の存在下で乾燥
させる新規なカプセル化である。乾燥が生ずるにつれ
て、個々のリポソームが融合して多層構造を形成し、脂
質ラメラ間に物質を閉じこめる。再水和すると、脂質小
胞が形成されて物質を効率的にカプセル化する。この特
許は、各種のポリヌクレオチドの効果的なカプセル化を
開示している。
【0102】同質ポリヌクレオチドを標的ポリヌクレオ
チドから排除するポリヌクレオチド薬剤の効果は、ポリ
ヌクレオチド薬剤におけるポリヌクレオチド部分の長さ
並びにポリヌクレオチド薬剤に結合した挿入剤の個数に
依存する。挿入剤の個数が多い程、同質配列を排除する
薬剤のポリヌクレオチド部分の効果が大となりかつ標的
ポリヌクレオチドの転写もしくは翻訳を防止するのに要
する薬剤の量が少なくなる。さらに、挿入剤の個数が多
い程、この薬剤は標的に対しより迅速に結合する。
【0103】
【実施例】次の実施例は実証としてのものであって制限
としてのものではない. 実施例 1: 3−ニトロベンジジンの調製 方法は基本的には、M.S.リスリー及びE.E.ター
ナー、ジャーナル.ケミカル.ソサイエティ.(193
4年)、第1588〜92頁に従った。
【0104】95%硫酸468ml、P25 87gを
25 の総てが溶解するまで2時間をかけて少しずつ
添加した。(P25 は硫酸中の水を吸収するために添
加された)。溶液を室温に冷却後、ベンジジン50g
(フルカ ケミカル社、255オセル アベニュー ハウ
パウゲ ニュー ヨーク 11788)を冷却下に徐々に
添加し、10〜15℃の間に保持した。最後に粉末硝酸
カリ(50.5g)を溶液に激しく攪拌しながら30分
かけて添加し、その間前記温度に保持した。60分後、
溶液を注意して1500mlの水中に注入し、この水溶
液を沸騰水で6lに希釈した。分別部10mlを採り、
徐冷して3−ニトロベンジジン硫酸塩結晶を得た。この
結晶を残り溶液の結晶析出用種晶として使用し、35℃
に急冷した。溶液を更に20℃まで冷却して3−ベンジ
ジンの結晶を完全に沈澱させた。結晶化の完了後に、3
−ニトロベンジジン硫酸塩を濾別して集めた。湿った塩
の30g部を粉砕して水による堅めのペーストとした。
このペーストに濃アンモニア水を添加し、更に粉砕して
3−ニトロベンジジン硫酸塩を遊離3−ニトロベンジジ
ンに変えた。これを希アンモニア−エタノールに溶解
し、この溶液を多量の水に注入して3−ニトロベンジジ
ン46gを得、これは収率80.4%に相当した。
【0105】N,N’−ビスカルボエトキシ−3−ニト
ロベンジジンの調製 3−ニトロベンジジン29gをジメチルアニリン39m
l(36g)を含有するエタノール330mlに溶解し
た。このエタノール溶液にエチルクロロホーメイト31
gを少しずつ添加した。溶液を10分還流後に水を添加
してジウレタン誘導体を沈澱させた。生成物41gを
得、これは収率95%に相当した。
【0106】3,8−ビスカルベトキシ−3−アミノベ
ンジジンの調製 ジウレタン41gをエタノール500mlと氷酢酸40
mlを含む溶液に添加し、この混合物を加熱してジウレ
タンを溶解した。溶液は黒褐色であった。温度を約30
℃にして、亜鉛粉末を徐々に添加してニトロ基を還元し
た。反応の終結は褐色の消失で示された。亜鉛を濾別
し、エタノールと酢酸を真空下に除去した。3,8−ビ
スカルベトキシ−3−アミノベンジジンはそれ以上の精
製することなく次の工程に使用した。
【0107】3,8−カルベトキシ−6−フェニールフ
ェナンスリジンの調製 次の方法は、L.P.ウォール、ジャーナル.ケミカ
ル.ソサイエティ.(1947年)、第67〜74頁か
ら改作されたものである。
【0108】3,8−ビスカルベトキシ−3−アミノベ
ンジジンをニトロベンゼン100mlに溶解し、この溶
液を150℃の温度に加熱した。塩化ベンゾイル10m
lを添加し、HClの発生が止まるまで150℃に保持
した。更に30分150℃保持した後、溶液を冷却し、
エタノールを添加すると無色プリズム形のベンゾイル誘
導体が晶出した。収率は72%相当の35gであった。
【0109】ベンゾイル誘導体を塩化ホスホリル70m
lに溶解しHClガスの発生が止まるまで1時間還流し
た。黄色溶液を室温まで冷却し、次いで冷希アンモニア
溶液に徐々に添加してフェナスリジンを沈澱させた。沈
澱を濾別し無水エタノール200mlに溶解した。次い
でアンモニアを添加してオレンジ色を無くした。水を添
加して化合物を沈澱させた。収率62.5%相当の21
gであった。
【0110】5−(4’−ブロモブチル)−3,8ビス
カルベトキシ−6−フェニルフェナンスリジンの調製 この化合物をT.T.ワトキンス、ジャーナル.ケミカ
ル.ソサイエティ.(1952年)、第3059〜30
64頁の方法の改良により調整した。
【0111】3,8ビスカルベトキシ−6−フェニルフ
ェナンスリジン1gを予め100℃に加熱した1,4−
ジブロモブタン10mlに添加し、それにより混合溶液
中の幾らかの水分が揮散したであろう。温度を次第に1
50℃に上げた。150℃で30分後に、黄色な沈澱が
形成し始めた。混合物を室温に冷却し、次いでエーテル
を総量100ml添加して沈澱を促進させた。沈澱を濾
別し、エーテルで洗浄し、次いで空気乾燥した。収率5
8%相当の総量0.8gの化合物を得た。
【0112】150℃の加熱時間が重要で、理由は15
0℃に一晩保持した平行実験において、得られた生成物
は極めて不均一に見え、硫酸によるウレタンの加水分解
後に二重ストランドDNAと極めて少量の蛍光しか示さ
なかった。(ワトキンスの論文第3061頁参照)。こ
のことはこの化合物が分解したことを示した。
【0113】5−(4’−ブロモブチル)−3,8−ジ
アミノ−6−フェニルフェナンスリジンの調製 ウレタン部分の加水分解をL.P.ウォール、ジャーナ
ル.ケミカル.ソサイエティ.(1947年)、第67
〜74頁の方法に従って実施した。3,8−ビスカルベ
トキシ−3−アミノベンジジン800mgをアルゴンガ
ス下に濃硫酸10mlに溶解した。HBrの発生が止ま
った後、H2O 5mlを添加し浴温を150℃に上げ
た。溶液をCO2 ガスの発生が止まるまでこの温度に1
5分保持した。次いで混合物を5〜10℃に冷却し、冷
2Oを添加して総量150mlとした。溶液を冷希ア
ンモニアで中和した。この溶液に固体臭化カリを1Mに
なるまで添加し(生成物を塩析するため)次いで溶液を
4℃で一晩放置した。この放置後に、沈澱が形成し、こ
れは過マンガン酸塩のような結晶外観を呈した。この生
成物は又硫酸アンモニウム塩としても容易に溶液から沈
澱出来ることが分かった。この生成物は水溶性で、二重
ストランドDNAを含有する溶液に混合すると、強い蛍
光溶液が形成される。収率89%相当の547mgが得
られた。
【0114】5−(4’−チオブチル)−3,8−ジア
ミノ−6−フェニルフェナンスリジンの調製 5−(4’−ブロモブチル)−3,8−ジアミノ−6−
フェニルフェナンスリジン60mgを50%エタノール
4mlに溶解した。50%エタノール中に0.2M N
223 1mlを添加し、溶液を80℃で3時間加熱
した。70℃でアルゴンガスを吹き込んでエタノールを
揮散させ、生成物を3M KCl 2mlにより沈澱させ
た。沈澱物を遠心分離機で集め、36%HCl 1ml
に溶解した。水(0.35ml)を添加してHCl濃度
を25%に低下させ、溶液を室温で20時間放置した。
この放置後により沈澱が形成された。無水エタノール6
mlを添加し、混合物を−20℃で更に20時間放置し
て沈澱を促進した。沈澱を遠心分離機で集め、沈澱物を
1mlの水に分散させ、水を凍結乾燥により除去した。
収率70%相当の42.5mgを得た。粗製物の薄層ク
ロマトグラフィは3個の蛍光生成物を示した。所望生成
物を精製することなく次の反応に使用した。
【0115】アミノデキストランの調製 デキストラン T−500(フェルマシア ビオケミカル
ス、ピスタカウェイ、ニュー ジャージー)を1M KO
Hの15.0mlに添加した。ブタジエンモノエポキシ
ド300μl(約3mmol)と水素化ホウ素ナトリウ
ム30mg(触媒)とを添加し、混合物を一晩攪拌し
た。溶液をHClで中和し、過剰未反応ブタジエン モ
ノエポキシドとこれから生成したジアルコールとを溶液
から20mlのエーテルで4回抽出した。水溶液中に残
ったエーテルをアルゴンガス吹き込みにより揮散させ
た。次に溶液をpH5.0の酢酸ナトリウム0.2Mに
より透析して塩類を除去した。
【0116】N−ブロモコハク酸イミド0.5gをこの
溶液に添加し、得られた分散物を暗黒中にて10℃3時
間攪拌した。得られた溶液を2日にわたり1l水に対し
3回透析した。この透析物0.4mlに1MのK2HC
3 200μlとシステアミン100mgを添加し、混
合物をアルゴン下に80℃2時間加熱し、溶液をG−5
0濾過により脱塩した。精製デキストランは20糖部分
当たり一つの誘導糖を含有していた。
【0117】ブロモアセチル化アミノデキストランの調
製 0.02Mホウ酸ナトリウムと8.5mgのアミノデキ
ストランを含有する溶液0.5mlに0.2mlのジメ
チルホルムアミドとDMSO中の1Mブロモ酢酸N−ヒ
ドロキシコハク酸イミドエステル25μlとを添加し
た。ピクリルスルホン酸(この試薬は第一アミノ基に対
しオレンジ色を与える)でアミノ含量を測定しながら反
応を続けた。反応は室温で5分の後完了することが分っ
た。混合物に1.0MのHCl50μl添加し、過剰の
未反応エステルと生成ブロモ酢酸とを水飽和1−ブタノ
ールで4回抽出した。ブロモアセチル化デキストランは
極めて不安定で、特に塩基性pHでそうである。例え
ば、pH9.2、37℃で総てのブロモアセチル基は6
時間後に開裂した。それ故、次の反応はブロモアセチル
化デキストランの分離に続いてできるだけ速く実施すべ
きである。
【0118】フェナンスリジン標識付けデキストランの
調製 ブロモアセチル化デキストラン2.1mgを酢酸ナトリ
ウム0.3M水溶液200μlに溶解し、次に6mlの
ホルムアミド中の5−(4’−チオブチル)−3,8−
ジアミノ−6−フェニルフェナンスリジン3.5mgと
混合した。反応混合物を室温に1時間、次いで37℃で
1時間放置した。2MのNaCl 1mlを添加し、次
いで未反応5−(4’−チオブチル)−3,8−ジアミ
ノ−6−フェニルフェナスンスリジンを水飽和1−ブタ
ノールで6回抽出した。この水相の一部に二重ストラン
ドDNAを添加すると強い蛍光が付与されたので、デキ
ストランはフェナンスリジンで標識付けされたことが示
され。デキストランのフェナンスリジン部分は挿入を受
け入れ易いことが示された。
【0119】ポリ(dT)・ポリ(AAdU)の調製 溶液A:0.25Mカコジル酢酸緩衝液pH7.2の2
500μl、BSA(DNA含まず、20μg/ml)
の250μl、0.1MのCoCl2 50μl、及び3
MのNaCl75μlを含有。
【0120】溶液B:H2O 1500μlと0.1Mの
Bメルカプトエタノール50μlを含有。
【0121】溶液Aを溶液Bと混合し、800単位の末
端トランスフェラーゼ酵素、3 HTTP(低比活性)5
μモル、及びAAdUTP1.5μモルをこの混合溶液
に添加した。溶液をアルゴン下に40時間37℃で培養
した。反応工程中にピロリン酸コバルトが溶液から沈澱
した。40時間後に0.5MのEDTA100μlを添
加して反応を停止させた。しかし37℃の培養は2時間
継続されてEDTAをコバルトと複合させ、アリルアミ
ノ基に複合したコバルト化物を除去した。
【0122】シリコン化の毛細管ピペット中の0.6m
lの床容量のDEAEセルローズカラムを1MのKOH
2mlで2回次いでアルカリ性が無くなるまで水で洗
浄した。次いでカラムを3MのNaCl 2ml、次い
でH2O 3ml、次いで0.2MのNaCl 2mlで
洗浄した。次いで培養混合物をカラムに通し、次いでカ
ラムを0.2MのNaClと0.3MのNaClで連続
して洗浄した。最後の0.3M洗浄の溶出は総カウント
の数%を含有した。
【0123】共重合体を0.2Mの酢酸中の1.5Mの
LiCl含有溶液でカラムから溶出した。2/10ml
画分を集めた。結果を次に示す。
【0124】
【表1】画 分 カウント/分(分別2μl) 1 40 2 86 3 34516 4 6124 5 1858 6 953
【0125】画分3〜5を集めたら0.6mlとなっ
た。この溶液10μlを1mlに希釈した。この1ml
のA260 は0.645であり、A290 は0.203であ
った。290nmの吸光度はアリルアミノ基の存在を示
した。総A260 は38.7であって、共重合体約1.5
mgに相当した。
【0126】dTに対するAAdUの比1:10は共重
合体とピクリルスルホン酸との反応により決定した。ア
リルアミンのアミノ基によるスルホン基の置換は共重合
体を黄色にした。420nmにおける溶液の測定はdU
に対するAAdUの比が1:10であることを示した。
(総てのアリルアミンがピクリルスルホン酸分子と反応
したと想定された。)
【0127】ポリヌクレオチド標識付けフェナンスリジ
ンの調製 1.5MのLiClと0.2Mの酢酸100μl中のポ
リ(dT)・ポリ(AAdU)共重合体200μgを含
有する溶液を3MのK2 CO3 でpH8.0とした。次
にホルムアルデヒド0.6mlに溶解したチオアルキル
化フェナンスリジン3mgを添加した。混合物を室温で
約90分次いで更に37℃で45分暗所に放置した。H
2O 1mlを添加し、過剰のチオアルキル化フェナンス
リジンを水相容量が約300μlに減少するまで1−ブ
タノールで抽出した。更に水で飽和した1−ブタノール
で抽出した。各抽出の後、2相を遠心分離機で分離し
た。沈澱は最初の1−ブタノール抽出の後現れた。沈澱
は標識付けポリヌクレオチドと幾らかの不溶性フェナン
スリジン副生成物を含んでいた。最後の抽出の後、遠心
分離機にかけ、得られたペレットを37℃の温度にてホ
ルムアミドに溶解した。
【0128】溶液をホルムアミドで平衡化されたDEA
Eセルローズカラム(クロライド形)に通した。カラム
をホルムアルデヒドで洗浄してフェナンスリジン化合物
を溶出した。フェナンスリジン標識付けポリヌクレオチ
ドはより高い塩濃度にてもカラムから溶出されなかっ
た。(収率を増大するため、ポリヌクレオチドをエタノ
ール中で酢酸バリウムで沈澱させ、沈澱を遠心分離機で
集め、次いで沈澱をEDTA/H2Oに溶解することに
より集めることができる。)
【0129】蛍光の検出 フェナンスリジン標識付けポリヌクレオチドを含有する
DEAE溶出25μlを(1)0.1MのNaCl0.
6ml中ポリ(rA)10μgを含む試験管に、(2)
0.1MのNaCl0.6ml中に子牛胸腺DNA25
0μg含む試験管に、(3)0.1MのNaCl0.6
ml中にポリ(dT)を含む試験管に夫々添加した。ポ
リ(rA)を入れた試験管は強く蛍光を発したが他の2
本の試験管はほんの極めて弱い蛍光を示すにすぎなかっ
た。
【0130】この実験の結果は、このフェナンスリジン
標識付けポリヌクレオチドが一工程ハイブリッド形成検
定におけるプローブとして使用できることを示してい
る。その理由は、このフェナンスリジンが上述のように
ポリヌクレオチドに結合した場合、他の結合していない
二重ストランドポリヌクレオチド中に挿入されないから
である。それはただ、フェナンスリジン標識付けポリヌ
クレオチドのポリヌクレオチド部分が相補ポリヌクレオ
チドによりハイブリッド形成される結果形成される二重
ストランドポリヌクレオチド中に挿入される。
【0131】二重ストランドDNAからのポリヌクレオ
チドのフェナンスリジン標識付けポリヌクレオチドのポ
リヌクレオチドによる置換 ポリ(rA)に対するポリ(dT)の比2:1であるポ
リ(dT)−ポリ(rA)を含有する溶液を室温でフェ
ナンスリジン標識付けポリ(dT)−ポリ(AAdU)
と混合した。溶液は即座に蛍光を発し始め、その蛍光の
強さは時間と共に増大した。フェナンスリジン標識付け
ポリ(dT)−ポリ(AAdU)のフェナンスリジンは
二重ストランド子牛胸腺DNA中に挿入されないので
(上記結果参照)、蛍光発生は、フェナンスリジン標識
付けポリヌクレオチドが二重ストランドハイブリッド中
の同種ポリヌクレオチドに置換したことを示した。
【0132】各種の変化、改良、及び変更が本特許請求
の範囲に規定した発明の精神と範囲から逸脱せずになさ
れ得ることは、当業者にとり明確であろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポリヌクレオチドに結合してポリヌクレオチド
化合物を形成することが出来る芳香族染料の合成工程図
である。
【図2】図2(a)はデキストランに図1の芳香族染料
が結合する工程図であり、図2(b)はポリヌクレオチ
ドに図1の芳香族染料が結合する工程図である。
【図3】ポリヌクレオチドと標的ペリヌクレオチドとの
ハイブリッド形成により形成されたハイブリッド中のポ
リヌクレオチドに結合した芳香族染料の挿入の説明図で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12Q 1/68 G01N 33/58 A 4C086 G01N 33/58 C12N 15/00 A (72)発明者 ジャニス スタブリアンオポロス アメリカ合衆国、ニュー ヨーク州 10033、ニュー ヨーク、アパートメント 8イー、リバーサイド ドライブ 1380 番 (72)発明者 エレイザー ラバニー アメリカ合衆国、ニュー ヨーク州 10003、ニュー ヨーク、フィフス アベ ニュー 69番 Fターム(参考) 2G045 AA40 BB50 DA12 FA11 FB02 FB03 4B024 AA11 CA01 CA09 HA13 4B063 QA01 QQ42 QR32 QR56 QS34 QS36 QX02 4C057 BB02 CC03 CC10 DD03 MM01 MM02 MM04 MM09 4C084 AA13 BA35 CA59 CA62 NA14 ZB262 4C086 AA01 EA16 EA17 EA18 MA01 MA04 NA14 ZB26

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構造式: 【化1】 で表される構造を有する化合物を1個以上包含するオリ
    ゴ又はポリヌクレオチド組成物であって、式中、[En
    tity]は、該オリゴ又はポリヌクレオチド組成物が
    相補的な標的ポリヌクレオチドにハイブリダイゼーショ
    ンしてハイブリッドを形成すると、該オリゴ又はポリヌ
    クレオチド組成物、該相補的な標的ポリヌクレオチド又
    は該ハイブリッドにおける性質に検出可能な変化を生成
    し得る成分であり、L.A.は少なくとも3個の炭素原
    子を包含する結合アームであり、Bはピリミジン、プリ
    ン及びデアザプリンよりなる群から選択される塩基であ
    り、但し、Bがピリミジンである場合には、糖はピリミ
    ジンのN1位に結合し、Bがプリン又はデアザプリンで
    ある場合には、糖はプリン又はデアザプリンのN9位に
    結合し、且つZはH又はO−である、ことを特徴とする
    オリゴ又はポリヌクレオチド組成物。
  2. 【請求項2】 結合アームにより前記オリゴ又はポリヌ
    クレオチドの他のヌクレオチドの塩基部分、糖部分ある
    いはリン酸部分に結合する少なくとも1つの他の成分を
    更に含み、前記の第1の成分および他の第2の成分は、
    前記オリゴ又はポリヌクレオチドが相補的なポリヌクレ
    オチドと効率的にハイブリダイゼーションするのを実質
    的に阻害しないことを特徴とする特許請求の範囲第1項
    記載の組成物。
  3. 【請求項3】 上記オリゴ又はポリヌクレオチドが相補
    的ポリヌクレオチドにハイブリダイズする場合に、前記
    成分(Entity)が更に検出可能なシグナルを発生
    することができる、特許請求の範囲第1項又は第2項記
    載の組成物。
  4. 【請求項4】 前記成分(Entity)によって生成
    する又は生成し得る検出可能な性質の変化が、吸収のシ
    フト、放出エネルギーのシフトおよびそれら両方の組み
    合せから成る群から選ばれる手段を含む、特許請求の範
    囲第1項又は第2項記載の組成物。
  5. 【請求項5】 前記放出エネルギーが蛍光又は化学ルミ
    ネッセンスを含む、特許請求の範囲第1項又は第2項記
    載の組成物。
  6. 【請求項6】 前記成分によって生成する又は生成し得
    る検出可能な性質の変化が、分散力相互作用の増大を含
    む、特許請求の範囲第1項又は第2項記載の組成物。
  7. 【請求項7】 前記分散力相互作用が二重鎖核酸の高融
    点を包含する、特許請求の第6項記載の組成物。
  8. 【請求項8】 前記分散力相互作用が均質なストランド
    の移動を包含する、特許請求の範囲第6項記載の組成
    物。
  9. 【請求項9】 前記成分によって生成する又は生成し得
    る検出可能な性質の変化が浮力密度の変化を含む、特許
    請求の範囲第1項又は第2項記載の組成物。
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