JP3814337B2 - 焼却灰のセメント化方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は一般ゴミ、下水汚泥、ヘドロ、産業廃棄物等を焼却した後に残る有害な重金属類を含む焼却灰をセメント化する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
廃棄物処理の主流は焼却である。焼却処理は悪臭やハエの発生の原因となる生ゴミなどの腐敗性のゴミを焼却することによって安定した焼却灰などに変化させることができるため衛生処理としては最も優れた方法とされている。さらに焼却処理を行うことによって容積や約5%〜10%、重量は約15%に減らすことができる。反面この焼却に伴って生成するC2やC4の化合物が、塩酸と酸素から高温で生成する塩素ガスや金属塩素物によって触媒反応で塩素化され、化学的にきわめて活発なクロロエチレンやクロロアセチレン系の化合物を経て、クロロベンゼンはヒドロキシルラジカル(OH-)や酸素、その他の燃焼排ガスと反応しクロロフェノールやクロロフェノキシラジカルとなり、C2やC4の化合物と結合してポリクロロベンゾジオキシンやポリクロロモノベンゾフラン、さらにはダイオキシンなどが生成する。
【0003】
これらの問題点は現在焼却技術の向上により焼却炉内での燃焼プロセスである炉出口から排ガス処理装置におけるダストなどを中心とした大気汚染物質の除却などにより発生抑制や排出低減されている。有害物質は完全燃焼により発生の抑制ができる。完全燃焼を達成する条件は、▲1▼高い燃焼ガス温度、▲2▼充分なガスの滞留時間、▲3▼炉内での充分なガス攪拌、二次空気との混合である。これらの条件が燃焼ガス中の未燃カーボン、炭化水素などの変化しやすい物質を減らすための条件である。
【0004】
従来ゴミ処理工場では、再利用できないゴミは焼却により、ゴミの体積を減容させ、後に残る焼却灰をそのまま、管理型の処分場に捨てるか、あるいは、セメントを混ぜて固化するなどして処理している。例えば、焼却灰をセメントに混ぜて固化させることで、環境への有害物質の溶出を防止する方法は一応の効果はあるが、セメントに過剰の水分を使用するのでその水分の蒸発によって固化後に毛細管ができ、固化物に水の浸透性が出て、有害物が溶出する可能性があり、長い期間にわたっては、溶出が無視できないほどになる場合がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
現在、都市ゴミ焼却炉の焼却灰のほとんどは最終的には埋立処分されている。そこでは雨水や海水、共存する廃棄物などによって様々な変化をうけ、浸出水と共に灰に含まれている有害物質が流出することが懸念されている。このような中でゴミの排出量は増大する一方埋立残余容量は少なくなり新たな埋め立て地の確保は住民の不信感から非常に難しくなっている。ここで考えられることは排出された廃棄物を捨てるという観念を改め、資源として再生することにある。
【0006】
しかし、焼却後の灰についての問題点は、灰の中に有害な成分や重金属類や有機質分が多く含まれている場合である。これらのものは、焼却にともなう高熱で分解されなかったものであり、化学的な処理が困難なことが多い。脱塩素処理で石灰による強アルカリ性を示すため、酸化物として存在している金属や重金属は水に溶け出すと水酸化物の不溶性塩となるが、溶出試験を行うと少量であっても溶出して来るので、微量でも永続的に重金属類の溶出が続くことになる。このような有害成分を含む焼却灰をそのまま埋立てなどに用いると、有害成分が溶出し、環境に悪影響を与えることから、有害物の重金属を溶出しないような処理を施したうえで廃棄しなければならない。
【0007】
本発明は、焼却灰をポルトランドセメントによる固化のみならず、焼却灰をセメント化し安定した状態でセメント系特殊固化剤として利用することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は焼却灰に調整剤として重金属不溶化剤を添加してロータリーキルンで加熱処理し、その後粉砕機で100メッシュ以下の微粉体にすることを特徴とする焼却灰のセメント化方法である。本発明の方法は焼却灰をロータリーキルンにて熱循環を行い、粉砕機で100メッシュ以下の微粉末にすることを特徴とする。
【0009】
本発明の方法により製造された焼却灰セメント化物は、焼却灰セメント化物、ポルトランドセメントおよび有害重金属安定処理剤を基本の配合成分とするセメント系特殊固化剤の原料となる。セメント系特殊固化剤の基本の配合成分であるポルトランドセメントおよび有害重金属安定処理剤の割合は、好ましくは重量で焼却灰セメント化物100に対してポルトランドセメント20および有害重金属安定処理剤30の割合である。
【0010】
本発明で使用する焼却灰は、一般ゴミ、下水汚泥、ヘドロおよび/または産業廃棄物を焼却した後に残る有害な重金属類を含む燃焼灰である。この焼却灰を用い、調整剤として重金属不溶化剤を添加してロータリーキルンで加熱処理し、その後粉砕機で100メッシュ以下の微粉体にしてセメント化を行う。焼却灰のセメント化は、焼却灰にロータリーキルンで加熱処理する際、焼却灰に重金属不溶化剤として硫酸カリウム、硫酸ナトリウムを添加し、ポルトランドセメントを少量混入して行い、セメント系特殊固化剤の原料ををつくる。このようにして有害重金属類を含む焼却灰を再利用することができる。
【0011】
焼却灰のロータリーキルンでの加熱処理調の際に添加する重金属不溶化剤は、硫酸カリウム、硫酸ナトリウムおよびポルトランドセメントの組み合わせからなる。硫酸カリウム、硫酸ナトリウムおよびポルトランドセメントは、重量で、焼却灰100に対して硫酸カリウム1、硫酸ナトリウム1およびポルトランドセメント2の割合で用いる。ポルトランドセメントは主として水和反応に必要とされるが、重金属不溶化にも寄与している。ロータリーキルンにて熱循環を行い、粉砕機で100メッシュ以下の微粉末にして焼却灰の表面横を拡大し、含有している重金属類の表面エネルギーをも増大させる。
【0012】
ロータリーキルン中の加熱処理で、未燃カーボン、炭化水素等含有されているであろう焼却灰は低酸素雰囲気で加熱処理されることにより脱塩素化し水素化が図られ、微粉砕され微粉体になることによりその表面積が大きくなる。焼却灰が含有している重金属の中には化学反応の触媒作用に適した元素があり、反応促進剤の役割を果たすことも考えられる。
【0013】
本発明の方法により製造された焼却灰セメント化物は、焼却灰セメント化物、ポルトランドセメントおよび有害重金属安定処理剤を基本の配合成分とするセメント系特殊固化剤の原料となる。上記有害重金属安定処理剤は、硫酸カリウム(K2SO4)、塩化カリウム(KCl)、硫酸ナトリウム(Na2SO4)、ケイ酸ナトリウム(Na2SiO3・nH2O)、硫化ナトリウム(Na2S・5H20)、塩化カルシウム(CaCl2)、炭酸カルシウム(CaCO3)、水酸化ナトリウム(Ca(OH)2)、石膏(Na2SO42H2O)、塩化アンモニウム(NH4Cl)、硫化鉄(FeS2)などが例示されるが、硫酸カリウムおよび硫酸ナトリウムが最も好ましい例として挙げられる。
【0014】
すなわち本発明の生成物の利用においては、有害重金属安定処理剤として少なくとも硫酸カリウムおよび硫酸ナトリウムを含有するものを用いる。この場合、本発明の方法により焼却灰をロータリーキルンにて熱循環を行い、粉砕機で100メッシュ以下の微粉末にしたものに、有害重金属安定処理剤、好ましくは硫酸カリウムおよび/または硫酸ナトリウムを添加し、さらにポルトランドセメントを少量混入させてセメント系特殊固化剤とする。
【0015】
上記好ましい有害重金属安定処理剤の他に、塩化カリウム、ケイ酸ナトリウム、硫化ナトリウム、塩化カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化ナトリウム、石膏、塩化アンモニウムおよび硫化鉄を含有させることができる。これらの有害重金属安定処理剤は好ましくは水溶液として添加される。これらを水溶液として混合することにより、イオン水溶液をつくる。イオン性物質でもイオンの電荷が2+と2-の炭酸カルシウム(CaCO3)は溶けにくい。さらにイオン間結合力の強いものも溶けにくい。分子性物質でも親水性の基−OHを多くもっている物質は水和イオンをつくる。金属イオンのまわりに集まる陰イオンにより錯体が形成され水和反応による造岩作用の働きを強め岩石の主成分であるH2SiO2+SiO2を長い年月かけてつくりあげるもので共有結合と相まって造岩性を強くするものである。
【0016】
現在焼却灰の処理方法について廃棄物学会で問題とされている一番の問題は鉛処理である。鉛の環境基準値が上がり、今までの処理方法ではほとんど鉛がクリアーできない。しかし、本発明の焼却灰のセメント化物の製造に際し添加される重金属不溶化剤により、さらには本発明の焼却灰のセメント化物の利用に際し添加される上記有害重金属安定処理剤により相乗的に鉛化合物は硫化鉛として化合し不溶化される。上記有害重金属安定処理剤は「RC2001」と「RC6001」の二種類の製品があり、RC6001のpH濃度2.6、RC2001のpH濃度は12.9である。
鉛化合物は硫化鉛として化合される。鉛は焼却した後は酸化鉛が塩化鉛となる。鉛化合物の水に対する溶解度は、塩化鉛が最大で10,700ppm、酸化鉛が1.07ppm、硫酸鉛が0.452ppm、硫化鉛が0.010〜0.014ppmである。鉛は硫黄と反応性が強く、酸化鉛、塩化鉛を酸抽出(RC6001)して抽出後鉛と硫黄の反応が行われる。
【0017】
本発明の方法により製造された焼却灰セメント化物はセメント系特殊固化剤の原料となり、そのセメント系特殊固化剤は焼却灰用固化剤としての用途を持っている。すなわち、その焼却灰用固化剤は、焼却灰セメント化物、ポルトランドセメントおよび有害重金属安定処理剤を配合してなるセメント系特殊固化剤において、焼却灰セメント化物が、焼却灰に調整剤として重金属不溶化剤を添加してロータリーキルンで加熱処理し、その後粉砕機で100メッシュ以下の微粉体にしたものであることを特徴とする焼却灰用固化剤である。
【0018】
上記セメント系特殊固化剤で焼却灰を固化した固化生成物は、含有する金属はすべて金属単体としてではなく、金属化合物としてセメント系含有物が形成されている。
【0019】
上記の場合、焼却灰に含まれている有害物の薬品処理方法では、どのような処理方法であっても焼却灰と薬品の混合、攪拌効率が一番の問題となるため、処理対象物に見合った混合方法、処理時間のテストを繰り返し、焼却灰粒子の無機質成分は固化に必要な石灰分(CaO)、ケイ酸分(SiO2)、アルミナ分(Al2O3)、鉄分(Fe2O3)、硫酸根(−SO4)等の化合物を水と反応させて水和物を生成し、液性イオン濃度の変化に応じてイオン荷電が修正され、沈積が始まる。
【0020】
焼却灰内の液層、気層、さらに有機質の硬化に対する最大の阻害要因は、セメントの水硬性鉱物が加水分解によって生ずるカルシウムイオンといち早く反応して、不溶性、又は可溶性の化合物を形成する点にある。例えば不溶性塩を形成する場合はその主成分が、セメント粒子の表面を被覆して以後の反応を進まなくする作用、また、可溶性塩の場合は次々に反応して溶液として水和反応の系外に待ち去ってしまう作用である。いずれにしても、このように水和反応の主体であるべき、カルシウムイオンが他の反応系に持ち去られたのでは水和反応の化学バランスが崩れる。依って本発明の安定カルシウム処理剤を混合することにより、液相が石灰含有量を増大し、アルカリ性の組成となることを、さらには急速な水和反応によって水和阻止効果の及ぶ前に固化を達成する組成とすることで、アルミン酸石灰水和物の水和反応を促進し、エトリンガイト(3CaO・Al2O3・3CaSO4・32H2O)の生成をより多くするもので、これら複塩は重金属を含む、有害物を固定し、溶出させない状態にするものである。
【0021】
本発明の方法により製造された焼却灰セメント化物をセメント系特殊固化剤の原料として使用する場合、アンモニアを添加すると、アンモニアを配位子とするアンモニア分子の水素原子が有機の炭化水素基で置換され、炭化水素基の2箇所に窒素原子が結合した分子は、窒素原子が配位したときに一種の環をつくり、安定度を増す。
【0022】
セメントはエトリンガイドの水和反応による固化作用で固化生成物を形成するため、マイナス温度による固化作用は不可能である。しかし、本発明のセメント系特殊固化剤は、アンモニア分子との反応により、マイナス温度においても固化反応が可能である。
【0023】
【作用】
本発明の方法により製造された焼却灰セメント化物をセメント系特殊固化剤の原料として使用する場合、焼却灰のセメント化と有害重金属安定処理剤による焼却灰の安定無害化は、これまだ困難とされてきた焼却灰に含まれている有害物質が漏出することのない固化生成物を得ることができる。これは金属イオンによる液相反応と固相反応の共有結合によるものと思われる。重金属の含まれている焼却灰を徴粉枠することにより自由エネルギーの変化と、金属表面エネルギーの増加アミノ基導入により化合物を構成するイオンが溶液中で過飽和になり、濃度が過剰に存在することにより鉱物の生成に等しい反応が生まれる。
【0024】
焼却灰セメント化物をセメント系特殊固化剤の原料として使用する場合、得られたセメント系特殊固化剤で固化した生成物の圧縮強度は、ポルトランドセメント及び安定処理剤の比率を調整することにより、任意に変えることもできる。これにより焼却灰は廃棄物ではなくセメントの資材として充分使用できる副産物となる。
【0025】
焼却時における焼却灰は燃焼による酸化作用で水との反応はおこらない。また都市ゴミ焼却灰からダイオキシンや金属塩化物等有害金属類が生成され未燃物の残留炭素、酸化物、塩化物などの反応による有機塩素化合物が生成される。飛灰(フライアッシュ)中に未燃物として含まれる炭素粒子が水(H2O)と二酸化炭素(CO2)までに完全に酸化分解せず部分酸化で止まり、その時に多種多量の化合物を生成する。この反応化合物を抑制する物質として、アミノ基や水酸基を含む化合物、塩基性化合物などが考えられると共に、触媒作用による活性化吸着という現象で表面に分子を取り込んで原子に解離する働きをさせたり、触媒が中間化合物を生成して反応を伝達したりする。これらのことを解決するために、これら未燃カーボン、炭化水素等、含有されているであろう焼却灰を微粉砕して0.074mm(200メッシュ)の微粉体にすることにより、その表面積を1グラム当たり100〜300平方メートルにする。そしてロータリーキルンにより低酸素雰囲気で加熱処理することにより脱塩素化し水素化が図られる。
燃焼用空気の配分、ガス攪拌、混合などによる熱循環などにより燃焼の安定化も図る。その結果、完全燃焼から残された物質は、原子間結合力により、▲1▼金属結合、▲2▼共有結合、▲3▼ファンデルワールス力、▲4▼イオン結合、▲5▼水素結合、それぞれの結合力によって形成される。
【0026】
微粒子による表面の拡大と原子配列の乱れにより、含有重金属は触媒活性が向上し反応の活性化が大となる。次の3点に要約される。1)反応速度や溶解速度を高めること。2)多成分からなる物質を微細化して必要成分の分離を容易にすること。3)多成分の混合度を高め分子間自由エネルギーの増大を計り安定化合物の生成を促進すること。
【0027】
【実施例】
以下に本発明の実施例を示すが、これらの実施例は単に本発明の理解を助けるための手段に過ぎず、これらの実施例によって本発明が何等限定されるものでないことは当然理解されなければならないところである。なお、以下の実施例は大阪市、東京都、宇都宮市、栃木広域行政区、富里町等20ケ町村で実施し、厚生省認定検査機関での試験データによるものである。
【0028】
実施例1
江戸崎衛生組合、三鷹市、二枚橋衛生組合、東京都、大阪市の焼却灰を使用した。100メッシュの焼却灰を600℃のキルンにて約30分間攪拌を行ないながら熱加工し焼却灰のセメント化物を調整した。その際、調整剤として硫酸カリウム(K2SO4)10g、硫酸ナトリウム(Na2SO4)10g、ポルトランドセメント50gを用いた。
【0029】
セメント系特殊固化剤の主原料として、セメント化物を100メッシュに粉砕したものを1000g、ポルトランドセメント200gをよく混合する。
焼却灰が含有している重金属を化学的に処理するために、有害重金属安定処理剤の水溶液を、ケイ酸ナトリウム(Na3SiO3・nH2O)5g、炭酸カルシウム(CaCO3)2g、炭酸ナトリウム(Na2CO3)2g、硫酸カリウム(K2SO4)3g、塩化カリウム(KCl)2g、硫酸ナトリウム(Na2SO4)3g、塩化カルシウム(CaCl2)2g、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)5g、石膏(Ca(OH)22H3O)3g、塩化アンモニウム(NH4Cl)5g、硫化鉄(FeS2)10gに水10リットルを入れてよく攪拌して調製した。
【0030】
ゴミ焼却場より出された焼却灰を100メッシュの粉体にしたものを1000gに、ポルトランドセメント200g、上記のセメント系特殊固化剤の主原料300gと混ぜ合わせ、上記の有害重金属安定処理剤を10倍に希釈してスランプ8cmの水分量で混練し、固化して4週間養生期間を置き溶出試験を行なった。
【0031】
溶出試験は、カドミウム、シアン、有機リン、鉛、六価クロム、ひ素、アルキル水銀について行った。この試験の結果、シアン、有機リン、六価クロム、アルキル水銀については検出されず、鉛は0.5mg/l未満、カドミウム及びひ素は0.05mg/l未満、全水銀は0.0005mg/l未満といずれも有害物の判定基準に達しない値であった。
【0032】
実施例2
東京都のごみ焼却場より出された焼却灰を100メッシュの粉体にしたものを1000gにポルトランドセメント200g、上記のセメント系特殊固化剤の主原料に上記の有害重金属安定処理剤の水溶液とアンモニア水を加えて混練し、実施例1と同様の方法で1週間後に溶出試験を行った。
水銀、カドミウム、鉛、ひ素、シアン、クロムの中、鉛が0.34mg/l未満、クロムが0.06mg/l未満で水銀、カドミウム、ひ素、シアンについては不検出であった。
【0033】
実施例3
宇都宮市焼却場の焼却灰を100メッシュの粉体にしたものを1000gに、ポルトランドセメント200g、上記のセメント系特殊固化剤の主原料に上記の有害重金属安定処理剤の水溶液とアンモニア水を加えて、実施例1と同様の方法で混線し、2週間後に溶出試験を行った。
溶出試験は鉛、カドミウム、ひ素、六価クロム、全水銀、有機リン、全シアンについて行った。この溶出試験の結果は、鉛0.17mg/l未満、カドミウム0.005mg/l未満、ひ素0.02mg/l、六価クロム0.14mg/l未満、全水銀0.0005mg/l未満、有機リンと全シアンは不検出といずれも有害物の判定基準に合格した。
【0034】
実施例4
栃木地区広域行政事務組合焼却場の焼却灰を本発明方法によりセメント化物にしたものを1000gにポルトランドセメント200g、その他は実施例2と同様に固化し、1週間後に溶出試験を実施した。
鉛、カドミウム、ひ素、六価クロム、全水銀、有機リン、全シアンの溶出試験の結果は鉛1.00mg/l、カドミウム0.0005mg/l、ひ素0.02mg/l、六価クロム0.06mg/l、全水銀0.0005mg/l、有機リンと全シアンは不検出で、すべて判定基準に達しない値であった。
【0035】
実施例5
栃木地区広域行政事務組合焼却場の焼却灰を本発明方法によりセメント化物としたものをセメント系特殊固化剤の原料とした。セメント化物1000kgをコンクリート混練機に入れて回転させながらセメント200kgを入れて15分間攪拌し、その後上記の有害重金属安定処理剤の水溶液とアンモニア水18lを10倍の水で希釈して投入し、更に10分間混練した後、スランプl5cmにして圧送ポンプにて廃棄場所に流し込んだ。1週間後にはトラック(10t車)が乗っても崩れない固化物となった。
【0036】
実施例6
兵庫県神戸市のゴミ焼却場より出されたばいじん500gに、有害重金属安定処理剤の水溶液200ccと水200ccを加え、スラリー状として混合した。有害重金属安定処理剤はpH1.9のものを使用した。鉛の抽出に重点をおいた。スラリー状のエマルションに本発明のセメント化物200g、セメント100gを混入し5分聞混練した。スランプ8cm固化生成物を4週問養生溶出試験を行った。
【0037】
【発明の効果】
これまで困難とされてきた一般ゴミ、下水汚泥、ヘドロ、産業廃棄物等を焼却した後に残る有害な重金属類を含む焼却灰をセメントの資材として充分使用できる副産物とすることができる。有害物質が漏出することのない固化生成物を得ることができるセメント系特殊固化剤の原料を提供できる。
Claims (3)
- 焼却灰に調整剤として硫酸カリウム、硫酸ナトリウムおよびポルトランドセメントからなる重金属不溶化剤を添加してロータリーキルンで加熱処理し、その後粉砕機で100メッシュ以下の微粉体にすることを特徴とする焼却灰のセメント化方法。
- 硫酸カリウム、硫酸ナトリウムおよびポルトランドセメントの割合が重量で焼却灰100に対して硫酸カリウム1、硫酸ナトリウム1およびポルトランンドセメント2の割合で用いられる請求項1の焼却灰のセメント化方法。
- 焼却灰が一般ゴミ、下水汚泥、ヘドロおよび/または産業廃棄物を焼却した後に残る有害な重金属類を含む焼却灰である請求項1または2の焼却灰のセメント化方法。
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