JP3814047B2 - 燃焼状況検知方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、バーナの燃焼状況を音声信号を基にして検知する燃焼状況検知方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
可燃性の燃料を燃焼させたときの熱量を加熱対象の加熱に用いて工業的な応用に利用する場合には、燃料の燃焼状態を安定化させることが生産効率を向上させる上で重要となっている。ところが、燃料を燃焼させると、バーナへの燃料供給量や空気流量、燃焼に伴う蒸気等の二次生成物量により燃焼状態が不安定化したり、失火状態に陥ることがある。従って、通常、燃料を燃焼させる場合には、バーナの燃焼状況を常時検知し、燃焼状況に応じて燃料供給量や燃料流量、燃料圧力、供給空気量等の燃焼条件を調整して燃焼状態を安定化したり、失火時には即座に再点火制御するようになっている。
【0003】
ところで、バーナの燃焼状況を検知する方法には、燃焼時および失火時の音響や圧力変動を基にして検知する方法がある。一般には、バーナの近傍にマイクを配設して音声信号を獲得し、この音声信号の平均値を所定値と比較することによりバーナの燃焼状況を検知する方法が採用されている。ところが、この方法をバーナの燃焼条件により音響や圧力変動を大きく変動させる条件下において採用すると、音声信号の平均値も燃焼条件に従って大きく変動するため、このような不安定な平均値を所定値と比較しても高い信頼性でもって燃焼状況を検知することができない。
【0004】
そこで、近年においては、特開平9−42665号公報に開示されているように、バーナの近傍に一対のマイクを配設し、これらマイクからそれぞれ得られた音声信号の相関値を基にして燃焼状況を検知する方法が提案されている。そして、この方法によれば、バーナの燃焼条件により音響や圧力変動が大きく変動した場合でも、一対のマイクが同一の変動量で音声信号を出力することによって、これらの音声信号から得られる相関値に影響が及ばないため、常に安定した相関値により高い信頼性でもって燃焼状況を検知することが可能になっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図7に示すように、完全消火工程の消火状態から主バーナ燃焼工程の燃焼状態に至る一連の工程中には、燃焼状態の相関値(0.35 , 0.32 )よりも大きな相関値(0.70 , 0.50 , 0.60)を示す消火状態の工程と、小さな相関値(0.12)を示す消火状態の工程とが存在する。また、失火状態となる形態には、燃焼空気不足による失火と、燃料不足による失火とが存在し、燃焼空気不足による失火状態は、燃焼状態よりも大きな相関値(0.70)を示し、燃料不足による失火状態は、燃焼状態よりも小さな相関値(0.12)を示している。
【0006】
従って、従来のように相関値により燃焼状況を検知する場合において、燃焼状態と非燃焼状態(消火状態、失火状態)とを区別しようとすると、図8に示すように、上限のしきい値と下限のしきい値とを設定することが必要になり、さらに、このしきい値の設定を主バーナ・点火バーナ燃焼工程の相関値(0.35)と2次エア開工程の相関値(0.50)とを区別可能な狭い範囲で行うことが必要になる。これにより、従来の方法では、しきい値の設定作業に手間を要し易いと共に、上限および下限のしきい値で挟まれた燃焼状態の領域を、消火状態における点火バーナ燃焼工程から2次エア全開工程へ移行する際に横切ることになるため、燃焼状態と非燃焼状態(消火状態、失火状態)との判別が複雑化し易いという問題がある。
【0007】
従って、本発明は、しきい値の設定作業を容易化することができると共に、燃焼状態と非燃焼状態(消火状態、失火状態)との判別を簡単化することができる燃焼状況検知方法を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、バーナの燃焼状況を音声信号を基にして検知する燃焼状況検知方法において、前記バーナに対して対をなす複数系統の音声検出手段から音声信号を獲得し、これら音声信号の相関値およびエネルギーを求めた後、該相関値とエネルギーとの乗算値を基にして評価値を求め、該評価値を規定値と比較することによって、前記バーナの燃焼状況を検知することを特徴としている。
【0009】
これにより、評価値が相関値とエネルギーとの乗算値を基にしているため、燃焼状態の評価値と非燃焼状態(消火状態、失火状態)の評価値とを十分に離れた数値に2分することができる。従って、規定値の設定作業が容易化すると共に、燃焼状態と非燃焼状態との判別が簡単化するため、確実に両状態を判別することができる。
【0010】
請求項2の発明は、バーナの燃焼状況を音声信号を基にして検知する燃焼状況検知方法において、前記バーナに対して対をなす複数系統の音声検出手段から音声信号を獲得し、これら音声信号の相関値およびエネルギーを求めた後、所定周波数領域における前記相関値と前記エネルギーとの乗算値を求め、該乗算値の積分値を評価値とし、該評価値を規定値と比較することによって、前記バーナの燃焼状況を検知することを特徴としている。
【0011】
これにより、評価値が相関値とエネルギーとの乗算値を基にしているため、燃焼状態の評価値と非燃焼状態(消火状態、失火状態)の評価値とを十分に離れた数値に2分することができる。従って、規定値の設定作業が容易化すると共に、燃焼状態と非燃焼状態との判別が簡単化するため、確実に両状態を判別することができる。さらに、所定周波数領域における相関値とエネルギーとの乗算値の積分値が評価値とされているため、最も燃焼状態と非燃焼状態とを判別し易い周波数領域における評価値を得ることが可能になり、結果として一層確実に両状態を判別することができる。
【0012】
請求項3の発明は、バーナの燃焼状況を音声信号を基にして検知する燃焼状況検知方法において、前記バーナに対して対をなす複数系統の音声検出手段から音声信号を獲得し、これら音声信号の相関値およびエネルギーを求めた後、所定周波数領域における相関値の積分値と該周波数領域におけるエネルギーの積分値との乗算値を求めて評価値とし、該評価値を規定値と比較することによって、前記バーナの燃焼状況を検知することを特徴としている。
【0013】
これにより、評価値が相関値とエネルギーとの乗算値を基にしているため、燃焼状態の評価値と非燃焼状態(消火状態、失火状態)の評価値とを十分に離れた数値に2分することができる。従って、規定値の設定作業が容易化すると共に、燃焼状態と非燃焼状態との判別が簡単化するため、確実に両状態を判別することができる。さらに、所定周波数領域における相関値の積分値とエネルギーの積分値の乗算値が評価値とされているため、最も燃焼状態と非燃焼状態とを判別し易い周波数領域における評価値を得ることが可能になり、結果として一層確実に両状態を判別することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図1ないし図6に基づいて以下に説明する。
本実施の形態に係る燃焼状況検知方法は、図3に示すように、燃焼状況検知装置により実施されるようになっている。燃焼状況検知装置は、2系統の音声検出部1・1を有している。これらの音声検出部1・1は、音声信号を検出するマイクおよびプローブからなる第1マイクプローブ2aと第2マイクプローブ2bとをそれぞれ有しており、第1および第2マイクプローブ2a・2bは、図2に示すように、火炎発生装置40の火炎37側に先端が位置するように左右一対に配置されている。
【0015】
上記の火炎発生装置40は、火炎37を発生する主バーナ39と、主バーナ39に火炎37を発生させるように点火する点火バーナ36と、主バーナ39に燃焼空気を任意の供給量で供給可能な空気量切換装置41とを有している。そして、第1マイクプローブ2aは、主バーナ39の近傍に配置されており、第2マイクプローブ2bは、点火バーナ36の近傍に配置されている。
【0016】
上記の各マイクプローブ2a・2bを備えた音声検出部1は、図3に示すように、マイクプローブ2により検出された音声信号を増幅するアンプ3と、アンプ3により増幅された音声信号中の高周波成分を通過させるハイパスフィルタ4と、ハイパスフィルタ4を通過した音声信号中の低周波成分を通過させるローパスフィルタ5とを有している。
【0017】
上記のアンプ3およびフィルタ4・5には、それぞれトリマ6が接続されており、各トリマ6を操作することによりアンプ3の増幅率や各フィルタ4・5の周波数が微調整されるようになっている。尚、アンプ3およびフィルタ4・5には、増幅率および周波数を段階的に切り替え可能とするディップスイッチ等の切替器が接続されていることが望ましい。
【0018】
上記の両音声検出部1・1は、音声信号を基にして燃焼状況を判断する演算処理ボード7に接続されている。演算処理ボード7は、音声信号をデジタル値の音声データに変換して取り込むA/D変換部8と、音声データをデータ処理して評価値を求めるCPU(Central Prosessing Unit)部9と、CPU部9と協調してデータ処理中のFFT変換等の演算処理を行うDSP(Digital Signal Prosessor)部10と、外部データがパラレル入力されるPI(Parallel Input)部11と、データ処理後の評価値をパラレル出力するPO(Parallel Output) 部12と、評価値をアナログ値に変換して出力するD/A変換部13とを有している。
【0019】
上記のA/D変換部8には、上述の音声検出部1・1が接続されており、これらの音声検出部1・1から音声信号が入力されるようになっている。そして、A/D変換部8は、音声信号を音声データに変換した後、CPU部9に出力するようになっている。また、PI部11には、ディップスイッチ等の処理切替スイッチ14が接続されており、処理切替スイッチ14は、音声データの処理内容を指定する切替データ信号をPI部11を介してCPU部9に入力するようになっている。
【0020】
上記のA/D変換部8およびPI部11から音声データおよび切替データ信号が入力されるCPU部9は、必要に応じてDSP部10にアクセスして演算処理を行わせながら、音声データを切替データ信号の指定する処理内容でもってデータ処理するようになっている。
【0021】
即ち、CPU部9は、切替データ信号により各種のデータ処理を実行するようになっている。例えば評価値算出処理を実行した場合には、2系統の音声検出部1・1から得られた各音声データをFFT(Fast Fourier Transform)変換してFFTスペクトルデータをそれぞれ求めた後、FFTスペクトルデータを基にして所定周波数領域(或いはデータ領域)における燃焼音等の音の大きさ(エネルギー)を示すパワースペクトルと相関値とを求め、これらのパワースペクトルと相関値との乗算値を積分することにより評価値を求めるようになっている。尚、所定周波数領域は、280〜380Hzの範囲であることが望ましく、この範囲の領域で求めれば、燃焼状態と非燃焼状態とをより確実に判別可能な評価値を得ることができる。
【0022】
上記のCPU部9は、D/A変換部13およびPO部12に接続されており、これらのD/A変換部13およびPO部12に相関値やパワースペクトル、評価値等の処理データをそれぞれ出力するようになっている。D/A変換部13は、2系統のアナログ出力系19・19に接続されており、各出力系19に処理データをアナログ信号に変換して出力するようになっている。各アナログ出力系19は、出力信号を増幅するアンプ15と、アンプ15の増幅率を微調整するトリマ16と、アンプ15から出力された出力信号の電圧値等を表示する表示器17とを備えており、出力状態を表示器17により確認させながら外部に出力するようになっている。一方、PO部12は、4系統のデジタル出力系20…に接続されており、各出力系20に評価値をパラレルのデジタル信号として出力するようになっている。そして、各デジタル出力系20は、ランプ18を備えることによって、出力状態をランプ18により確認させながら外部に出力するようになっている。
【0023】
上記のアナログ出力系19およびデジタル出力系20は、図示しない表示装置や情報処理装置に接続されている。そして、表示装置や情報処理装置は、図1に示すように、アナログ値やデジタル値の形態で入力された評価値等の処理データを画面表示するようになっている。さらに、情報処理装置においては、評価値の画面表示中にしきい値を表示する共に、評価値としきい値とを比較し、評価値がしきい値以上であれば燃焼状態と判定する一方、評価値がしきい値未満であれば非燃焼状態と判定してオペレータに報知するようになっている。
【0024】
上記の構成において、燃焼状況検知装置の動作を通じて燃焼状況検知方法について説明する。
図2の火炎発生装置40が消火状態や燃焼状態、失火状態であった場合において、図3に示すように、各状態における音声が第1および第2マイクプローブ2a・2bにより検知され、電気的な音声信号として音声検出部1・1に取り込まれる。各音声検出部1の音声信号は、アンプ3により増幅された後、ハイパスフィルタ4にて燃焼状態の判定に不要な低域雑音成分(例えば50Hz以下)が遮断され、また、ローパスフィルタ5により、主にエリアシング誤差を低減させることを目的として、高域雑音成分(例えばサンプリング周波数の2倍の周波数以上)が遮断され、下記の処理に供されるべき、実用周波数領域のみの成分とされる。そして、演算処理ボード7のA/D変換部8に出力され、A/D変換部8によりデジタル値の音声データに変換された後、CPU部9に出力される。
【0025】
CPU部9は、音声検出部1・1からの両音声データを取り込むと、処理切替スイッチ14からの切替データ信号により指定された処理内容でもって両音声データをDSP部10と協調しながらデータ処理する。
【0026】
具体的には、例えば切替データ信号が評価値を求めるように評価値算出処理を指定していたとすると、実用周波数領域の音声データがサンプリング周波数ΔfでFFT変換されてN点(例えば1024点)のFFTスペクトルデータがそれぞれ求められる。この後、実用周波数領域のFFTスペクトルデータを基にしてパワースペクトルと相関値とが算出された後、所定周波数領域(例えば280〜380Hz)におけるパワースペクトルと相関値との乗算値を積分した評価値が算出される。
【0027】
ここで、パワースペクトルおよび相関値の算出方法を詳細に説明すると、第1マイクプローブ2aからのFFTスペクトルデータが信号Xk であるとし、第2マイクプローブ2bからのFFTスペクトルデータが信号Yk であるとした場合、Xk およびYk は、(1)式でそれぞれ表現される。尚、Xk およびYk は複素数、kはサンプリングデータ点(1<k<N)、rは実数、iは虚数を意味している。また、以降の説明において、Xk * およびYk * は共役複素数を意味している。
【0028】
【数1】
Figure 0003814047
【0029】
そして、上記のXk を用いてパワースペクトルP(X) =Xk k * を求めると、(2)式の関係が得られることになる。尚、第1マイクプローブ2aにおけるパワースペクトルXk k * を求める理由は、図2に示すように、第1マイクプローブ2aが点火バーナ36よりも離れた位置にあるため、主バーナ39の燃焼音をより反映したパワースペクトルを得ることができるからである。但し、第2マイクプローブ2bにおけるパワースペクトルP(Y) =Yk k * を求めても良いのはもちろんである。
【0030】
【数2】
Figure 0003814047
【0031】
次に、Xk に対しYk が(3)式で与えられたとする。
【0032】
【数3】
Figure 0003814047
【0033】
ここで、Nk は、Xk と相関のない雑音信号成分である。従って、クロスパワースペクトルXk k * は、(4)式で示される。
【0034】
【数4】
Figure 0003814047
【0035】
(4)式のM回平均値は、( )m をm番目のサンプル系列に属するとすると、(5)式で示される。
【0036】
【数5】
Figure 0003814047
【0037】
そして、(5)式における右辺の第2項は、M→∞であったとすると、“0”となる。従って、Mを十分に大きな値にすると、(6)式が得られることになる。尚、数値の上部に付された“─”は、平均値を示している。
【0038】
【数6】
Figure 0003814047
【0039】
また、Vk =Hk k とすると、コヒーレンス値(γ2(k))は、その定義式より(7)式となる。
【0040】
【数7】
Figure 0003814047
【0041】
ここで、(1)式で示したように、Xk =Xr (k) +iXi (k) 、Yk =Yr (k) +iYi (k) である。そして、Xr (k) を簡略化してXr 、同様にYr (k) をYr 、Xi (k) をXi 、Yi (k) をYi で表記すると、分子部分が(8)式で示されると共に、分母部分が(9)式で示されることになる。
【0042】
【数8】
Figure 0003814047
【0043】
【数9】
Figure 0003814047
【0044】
そして、(8)式および(9)式の平均化をさらに進めると、相関値γ2(k)は、(10)式で定義されることになる。
【0045】
【数10】
Figure 0003814047
【0046】
これにより、音声データから求められたFFTスペクトルデータを基にしてXr 、Xi 、Yr 、Yi が求められた後、これらの値が上記の(10)式に代入されることによって、FFTスペクトルデータの相関値γ2(k)が算出されることになる。
【0047】
以上のようにして相関値γ2(k)が算出されると、下記の(11)式に示すように、相関値γ2(k)とパワースペクトルP(X) とが乗算される。そして、上述の所定周波数領域(例えば280〜380Hz)に対応する所定データ領域が求められた後、この所定データ領域(k1 〜k2 )における乗算値の積分値が評価値Rとして求められることになる。
【0048】
【数11】
Figure 0003814047
【0049】
尚、(11)式の代わりに、(12)式のように、所定データ領域(k1 〜k2 )における相関値γ2(k)の積分値とパワースペクトルP(X) の積分値との乗算値が評価値Rとして求められても良い。また、(11)式や(12)式において、所定データ領域(k1 〜k2 )の評価値Rを求める代わりに、所定データ領域(k1 〜k2 )にサンプリング周波数Δfを乗算することによって、f1 〜f2 の所定周波数領域(例えば280〜380Hz)の評価値Rが直接求められても良い。
【0050】
【数12】
Figure 0003814047
【0051】
この後、図3に示すように、上記のようにして求められた評価値RがCPU部9からD/A変換部13およびPO部12を介してアナログ出力系19およびデジタル出力系20に出力され、D/A変換部13でアナログ信号に変換された後、各アナログ出力系19に出力される。一方、PO部12においては、評価値Rがパラレル形式で各デジタル出力系20に出力される。そして、評価値Rがアナログ出力系19やデジタル出力系20を介して図示しない表示装置や情報処理装置に出力されることによって、図1に示すように、評価値を縦軸、時間を横軸としたグラフとして画面表示される。
【0052】
また、情報処理装置においては、一本のしきい値が設定されており、画面表示中にしきい値を表示する共に、評価値としきい値とを比較し、評価値がしきい値以上であれば燃焼状態と判定する一方、評価値がしきい値未満であれば非燃焼状態と判定してオペレータに報知する。
【0053】
以上のように、本実施形態の燃焼状況検知方法は、図3に示すように、主バーナ39に対して対をなす2系統の第1および第2マイクプローブ2a・2bから音声信号を獲得し、これら音声信号の相関値γ2(k)およびパワースペクトルP(X) (エネルギー)を求めた後、相関値γ2(k)とパワースペクトルP(X) との乗算値を基にして評価値Rを求め、評価値Rをしきい値(規定値)と比較することによって、主バーナ39の燃焼状況を検知するようになっている。尚、本実施形態においては、2系統の第1および第2マイクプローブ2a・2bから音声信号を獲得しているが、2系統以上であっても良い。
【0054】
そして、この方法によれば、評価値Rが相関値γ2(k)とパワースペクトルP(X) との乗算値を基にしているため、燃焼状態の評価値Rと非燃焼状態(消火状態、失火状態)の評価値Rとを十分に離れた数値に2分することができる。従って、上述の情報処理装置におけるしきい値の設定作業が容易化すると共に、燃焼状態と非燃焼状態との判別を簡単化することができる。
【0055】
即ち、評価値Rは、図4に示すように、相関値γ2(k)とパワースペクトルP(X) との乗算値である。従って、図7に示すように、完全消火工程の消火状態から主バーナ燃焼工程の燃焼状態に至る一連の工程中に、燃焼状態の相関値(0.35 , 0.32 )よりも大きな相関値(0.70 , 0.50 , 0.60)を示す消火状態の工程と、小さな相関値(0.12)を示す消火状態の工程とが存在していても、図5および図6に示すように、相関値γ2(k)にパワースペクトルP(X) を乗算した評価値Rにすると、消火状態の全工程が4未満の評価値R(3.0 , 2.6 , 3.7 , 3.2 )になると共に、燃焼状態が8以上の評価値R(8.6 , 8.0 )になって、両状態を評価値Rで2分することができる。
【0056】
また、図7に示すように、燃焼空気不足による失火状態が燃焼状態よりも大きな相関値(0.70)を示し、燃料不足による失火状態が燃焼状態よりも小さな相関値(0.12)を示していても、図5および図6に示すように、相関値γ2(k)にパワースペクトルP(X) を乗算した評価値Rにすると、燃焼空気不足および燃料不足による両失火状態が4未満の評価値R(3.0 , 3.2 )になるため、燃焼状態と失火状態とを評価値Rで2分することができる。
【0057】
そして、しきい値を設定可能な最小の範囲を相関値γ2(k)と評価値Rとで比較した場合、主バーナ・点火バーナ燃焼工程の相関値(0.35)と2次エア開工程の相関値(0.50)とが1.6倍の比率であるのに対し、燃焼不足による失火状態の評価値R(3.2 )と主バーナ・点火バーナ燃焼工程の相関値(8.6 )との比率が2.5倍であることから、評価値Rによる方がより広い範囲でしきい値を設定することができる。
【0058】
これにより、図1に示すように、燃焼状態と非燃焼状態(消火状態、失火状態)との判別に用いられるしきい値は、燃焼状態の評価値Rと非燃焼状態の評価値Rとで挟まれた広い領域に1つ設定すれば良いため、設定作業が容易なものとなる。また、相関値γ2(k)で判別していた場合のように、非燃焼状態時に燃焼状態を示すようにしきい値で区切られた領域に進入することがないため、燃焼状態と非燃焼状態との判別を簡単に行うことが可能になる。
【0059】
【発明の効果】
請求項1の発明は、バーナの燃焼状況を音声信号を基にして検知する燃焼状況検知方法において、前記バーナに対して対をなす複数系統の音声検出手段から音声信号を獲得し、これら音声信号の相関値およびエネルギーを求めた後、該相関値とエネルギーとの乗算値を基にして評価値を求め、該評価値を規定値と比較することによって、前記バーナの燃焼状況を検知する構成である。
【0060】
これにより、評価値Rが相関値とエネルギーとの乗算値を基にしているため、燃焼状態の評価値と非燃焼状態(消火状態、失火状態)の評価値とを十分に離れた数値に2分することができる。従って、規定値の設定作業が容易化すると共に、燃焼状態と非燃焼状態との判別が簡単化するため、確実に両状態を判別することができるという効果を奏する。
【0061】
請求項2の発明は、バーナの燃焼状況を音声信号を基にして検知する燃焼状況検知方法において、前記バーナに対して対をなす複数系統の音声検出手段から音声信号を獲得し、これら音声信号の相関値およびエネルギーを求めた後、所定周波数領域における前記相関値と前記エネルギーとの乗算値を求め、該乗算値の積分値を評価値とし、該評価値を規定値と比較することによって、前記バーナの燃焼状況を検知することを特徴としている。
【0062】
これにより、評価値が相関値とエネルギーとの乗算値を基にしているため、燃焼状態の評価値と非燃焼状態(消火状態、失火状態)の評価値とを十分に離れた数値に2分することができる。従って、規定値の設定作業が容易化すると共に、燃焼状態と非燃焼状態との判別が簡単化するため、確実に両状態を判別することができる。さらに、所定周波数領域における相関値とエネルギーとの乗算値の積分値が評価値とされているため、最も燃焼状態と非燃焼状態とを判別し易い周波数領域における評価値を得ることが可能になり、結果として一層確実に両状態を判別することができる。
【0063】
請求項3の発明は、バーナの燃焼状況を音声信号を基にして検知する燃焼状況検知方法において、前記バーナに対して対をなす複数系統の音声検出手段から音声信号を獲得し、これら音声信号の相関値およびエネルギーを求めた後、所定周波数領域における相関値の積分値と該周波数領域におけるエネルギーの積分値との乗算値を求めて評価値とし、該評価値を規定値と比較することによって、前記バーナの燃焼状況を検知することを特徴としている。
【0064】
これにより、評価値が相関値とエネルギーとの乗算値を基にしているため、燃焼状態の評価値と非燃焼状態(消火状態、失火状態)の評価値とを十分に離れた数値に2分することができる。従って、規定値の設定作業が容易化すると共に、燃焼状態と非燃焼状態との判別が簡単化するため、確実に両状態を判別することができる。さらに、所定周波数領域における相関値の積分値とエネルギーの積分値の乗算値が評価値とされているため、最も燃焼状態と非燃焼状態とを判別し易い周波数領域における評価値を得ることが可能になり、結果として一層確実に両状態を判別することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】燃焼状態および非燃焼状態における評価値と時間との関係を示すグラフである。
【図2】燃焼状況検知装置における要部配置図である。
【図3】燃焼状況検知装置のブロック図である。
【図4】音声のエネルギーと相関値との関係を示す説明図である。
【図5】各工程におけるエネルギーおよび相関値の状態を示す説明図である。
【図6】評価値と相関値との関係を示すグラフである。
【図7】各工程におけるエネルギーおよび相関値の状態を示す説明図である。
【図8】燃焼状態および非燃焼状態における相関値と時間との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 音声検出部
2a 第1マイクプローブ
2b 第2マイクプローブ
3 アンプ
4 ハイパスフィルタ
5 ローパスフィルタ
6 トリマ
7 演算処理ボード
8 A/D変換部
9 CPU部
10 DSP部
11 PI部
12 PO部
13 D/A変換部
14 処理切替スイッチ
15 アンプ
16 トリマ
17 表示器
18 ランプ
19 アナログ出力系
20 デジタル出力系
36 点火バーナ
37 火炎
39 主バーナ
40 火炎発生装置
41 空気量切換装置

Claims (3)

  1. バーナの燃焼状況を音声信号を基にして検知する燃焼状況検知方法において、
    前記バーナに対して対をなす複数系統の音声検出手段から音声信号を獲得し、これら音声信号の相関値およびエネルギーを求めた後、該相関値とエネルギーとの乗算値を基にして評価値を求め、該評価値を規定値と比較することによって、前記バーナの燃焼状況を検知することを特徴とする燃焼状況検知方法。
  2. バーナの燃焼状況を音声信号を基にして検知する燃焼状況検知方法において、
    前記バーナに対して対をなす複数系統の音声検出手段から音声信号を獲得し、これら音声信号の相関値およびエネルギーを求めた後、所定周波数領域における前記相関値と前記エネルギーとの乗算値を求め、該乗算値の積分値を評価値とし、該評価値を規定値と比較することによって、前記バーナの燃焼状況を検知することを特徴とする燃焼状況検知方法。
  3. バーナの燃焼状況を音声信号を基にして検知する燃焼状況検知方法において、
    前記バーナに対して対をなす複数系統の音声検出手段から音声信号を獲得し、これら音声信号の相関値およびエネルギーを求めた後、所定周波数領域における相関値の積分値と該周波数領域におけるエネルギーの積分値との乗算値を求めて評価値とし、該評価値を規定値と比較することによって、前記バーナの燃焼状況を検知することを特徴とする燃焼状況検知方法。
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