JP4013404B2 - 感震器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスメータなどに設置されて地震の振動を検知する感震器に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の感震器は、特開平8−247818号公報のようなものが知られていた。以下、その方法について図10を参照しながら説明する。
【0003】
図10に示すように、地震の振動に応じてアナログ信号を出力する感震センサ1と、ガスの流れを遮断する遮断弁2とがあり、感震センサ1から出力される信号がある設定値以上である時には遮断弁を閉じる制御を行う制御装置3を備えた構成となっていた。ここで、4はインピーダンス変換回路、5は増幅回路、6はフィルタ回路、7はコンパレータ回路、8はインターフェイス回路、9は流量センサである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来技術では、フィルタ回路の特性が明記されておらず、異常を判断する基準が曖昧であった。また、ノイズ除去用の単なるローパスフィルタでは、十分な精度で異常を検出することが困難であった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために、3方向の振動加速度を検出する圧電方式による振動検出手段と、前記圧電方式の振動センサの静電容量と外部抵抗を用いたフィルタ特性と 他のフィルタ回路のフィルタ特性を組み合わせて計測震度のフィルタ特性を擬似的に再現したフィルタ手段と、前記振動検出手段からの出力信号を前記フィルタ手段で濾過した後の信号を検出する信号検出手段と、前記信号検出手段の出力信号により異常か否かを判別する異常判別手段とを備えたものである。
【0006】
上記発明によれば、気象庁の定める計測震度のレベルで異常を検出することができ、特に地震の異常事態を的確に検出することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明は、3方向の振動加速度を検出する圧電方式による振動検出手段と、前記圧電方式の振動センサの静電容量と外部抵抗を用いたフィルタ特性と他のフィルタ回路のフィルタ特性を組み合わせて計測震度のフィルタ特性を擬似的に再現したフィルタ手段と、前記振動検出手段からの出力信号を前記フィルタ手段で濾過した後の信号を検出する信号検出手段と、前記信号検出手段の出力信号により異常か否かを判別する異常判別手段とを備えた。そして、気象庁の定める計測震度のレベルで異常を検出することができ、特に地震の異常事態を的確に検出することができる。
【0008】
また、圧電方式による振動検出手段と、フィルタ手段はローパスフィルタ特性を有するフィルタ回路とからなる構成とした。そして、圧電方式による振動検出手段とすることで、検出回路で低周波数はカットされてハイパスフィルタを構成することができるので、ローパスフィルタ特性のフィルタ回路のみで擬似的な気象庁の計測震度の特性を実現することができる。
【0009】
また、3方向の振動加速度を検出する振動検出手段と、計測震度のフィルタ特性を擬似的に再現したフィルタ手段と、前記振動検出手段からの出力信号を前記フィルタ手段で濾過した後の信号を検出する信号検出手段と、前記信号検出手段の出力信号により異常か否かを判別する異常判別手段とを備え、前記振動検出手段の信号が所定値以上か否かを判定するレベル判定手段と、前記レベル判定手段が所定値以上と判定したときにフィルタ手段を動作可能にする動作制御手段とを備えた構成とした。そして、所定レベル以上の振動が発生した時にフィルター手段を動作させることで、電気の消費量を大幅に低減することができる。
【0010】
また、ローパスフィルタ回路は、第1のカットオフ周波数から−3dB/octの減衰特性を有する第1のローパスフィルタ回路と、第2のカットオフ周波数から−6dB/octの減衰特性を有する第2のローパスフィルタ回路を備えた構成とした。そして、ローパスフィルタ回路を2段にすることで、複雑なフーリエ変換などをせずにより高精度に擬似的な気象庁の計測震度の回路を実現することができる。
【0011】
また、振動検出手段の信号が所定値以上か否か判定するレベル判定手段と、前記レベル判定手段が所定値以上と判定したときにフィルタ手段を動作可能にする動作制御手段を備えた構成とした。そして、所定レベル以上の振動が発生した時にフィルター手段を動作させることで、電気の消費量を大幅に低減することができる。
【0012】
また、一定時間間隔で動作を制御する構成とした。そして、一定時間間隔とすることで、所定周波数以下の振動を見逃すことなく検出することができる。
【0013】
また、電池を電源とした構成とした。そして、電源を電池とすることで、ライフラインの商用電源の供給が閉ざされた場合でも使用することができる。
【0014】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。
【0015】
(実施例1)
図1は本発明の実施例1の感震器を示すブロック図である。図1において、10は3方向の振動加速度を検出する振動検出手段としての圧電方式の振動センサ、11は気象庁の定めた計測震度のフィルタ特性(参考文献;官報第1831号気象庁告示第4号気象業務法施行規則に関する告示)を擬似的に再現したフィルタ手段としてのフィルター回路と、12は振動センサ10の出力信号の一部をフィルタ回路11で濾過した信号を検出する信号検出手段としてのA/D変換器、13はA/D変換器の出力信号により異常か否かを判別する異常判別手段としての地震判別手段とを備えた。
【0016】
ここで、14は振動センサの信号増幅用のアンプ、15は振動センサ10とアンプ14を一体にした振動センサ装置、16はアンプの信号とフィルタ回路の信号を切り替えてA/D変換器に接続する切換器、17は3個のA/D変換器の信号をベクトル合成してレベル換算する合成手段、18は動作制御手段としての電源制御手段、19は振動センサの出力が所定レベル以上か否かを判定するレベル判定手段、20は異常としての地震を報知する報知手段、21はこれらの動作を制御するマイコン、22は電源としての電池、23は地震報知手段によりガスを遮断する遮断弁である。
【0017】
次に動作、作用について図2から図4を用いて説明する。まず、振動センサの信号は、図2に示すように、センサの静電容量Cと外部抵抗Rとを並列にして検出回路のFETに入力して検出するために、CRで構成される時定数のため低周波数がカットされることになる。よって、図3に示すような周波数f0(例えば、0.25Hz)でカットされる−3dB/octのハイパスフィルタの特性となる。
【0018】
また、図4に示すように、ローパスフィルタ回路11は、第1のカットオフ周波数f1(例えば、2.5Hz)から−3dB/octの減衰特性を有する第1のローパスフィルタ回路11Aと、第2のカットオフ周波数f2(例えば、7Hz)から−6dB/octの減衰特性を有する第2のローパスフィルタ回路11Bで構成することで、図5に示すような2種類のローパスフィルタの特性を実現することができる。
【0019】
そして、図3に示す圧電式の振動センサの特性と図5に示す2種類のローパスフィルタの特性を合成することで、図6に示すようなパンドパスフィルタの特性とすることができ、これにより、気象庁の定める計測震度のフィルタ特性を擬似的に実現することができる。ここで、図3、図5及び図6の利得0dBを基準に記載しているが、合成手段において値を換算(例えば、0.68dB増幅)して震度レベルに変換している。
【0020】
また、切換器で通常は振動センサの信号を直接検出し、所定レベル(例えば、80ガル)以上か否かを判別する。そして、振動センサの信号が所定値以上と判定したときに、フィルタ回路を動作可能にする電源制御手段で、フィルター回路を動作させることで、所定レベル以上の時のみに、フィルタ回路を動作させることができるので、電池の消費を大幅に低減することができる。そして、計測した震度階から、震度5強以上となったときに異常を報知してガス遮断弁でガスを遮断することができる。
【0021】
このように、気象庁の定める計測震度を計測するフィルタ特性を圧電式の振動センサと電気回路で構成することで、複雑なフーリエ変換などをせずに簡便に、かつリアルタイムで計測できる計測震度により、異常判断を短時間で行うことができ、特に地震の異常事態を的確に検出することができる。また、圧電方式の振動センサとローパスフィルタ回路との組み合わせにより、擬似的に震度階に使用するフィルター特性を実現することができ、複雑なフーリエ変換の演算処理を必要とせずに震度階を求めることができる。さらに、ローパスフィルタ回路を2段にすることで、より高精度に擬似的な気象庁の計測震度の回路を実現することができる。そして、電源を電池とすることで、ライフラインの商用電源の供給が閉ざされた場合でも使用することができ、かつ、所定レベル以上の振動発生した時にフィルター手段を動作させることで、電池の消費を大幅に低減することができる。そして、フーリエ変換の処理を必要としないために、高速のマイコンなどが不要であり、電池でも充分な長寿命として駆動できるのである。
【0022】
(実施例2)
図7は本発明の実施例2の感震器を示すブロック図である。実施例1と異なる点は、圧電式の振動センサのハイパスフィルタ特性を利用せずに、電気回路でハイパスフィルタとローパスフィルタの両方を実現したフィルタ手段としてのハイパスフィルタ回路24と、ローパスフィルタ回路11を備えたことにある。
【0023】
図8に示すような特性のハイパスフィルタ回路24とローパスフィルタ回路11で気象庁の定める計測震度のフィルタ特性を実現し、複雑なフーリエ変換などをせずに簡便に計測震度を計測することができる。図9にフィルター回路部のブロック図を示す。電気回路でハイパスフィルタを実現するので、圧電方式だけでなく、静電容量式やひずみ抵抗式などの加速度センサを使用してもよい。
【0024】
また、振動センサとフィルタ回路のそれぞれの動作を制御する電源制御手段25を備え、所定の一定時間間隔で動作可能にするように電気を供給する制御を行うこととした。そして、所定レベル以上の振動発生した時にフィルター手段を動作させることで、電気の消費を大幅に低減することができる。
【0025】
このように、一定時間間隔とすることで、所定周波数以下のする振動を見逃すことなく振動を検出することができる。
【0026】
なお、ランダムな時間間隔で動作を制御することによって、一定周期の振動を見逃すことなく振動を検出することもできる。一定周期とランダム周期は、それぞれ使い分けることで的確に振動を検出することができる。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の流量計によれば、次の効果が得られる。
【0028】
本発明は、3方向の振動加速度を検出する振動検出手段と、計測震度のフィルタ特性を擬似的に再現したフィルタ手段と、前記振動検出手段の出力信号の一部を前記フィルタ手段で濾過した信号を検出する信号検出手段と、前記信号検出手段の出力信号により異常か否かを判別する異常判別手段とを備えることで、気象庁の定める計測震度のレベルで異常を検出することができ、特に地震の異常事態を的確に検出することができる。
【0029】
また、圧電方式による振動検出手段と、フィルタ手段はローパスフィルタ特性を有するフィルタ回路とからなる構成にし、圧電方式による振動検出手段とすることで、検出回路で低周波数はカットされてハイパスフィルタを構成することができ、ローパスフィルタ特性のフィルタ回路のみで擬似的な気象庁の計測震度の特性を実現することができる。
【0030】
また、フィルタ手段は、第1のカットオフ周波数を有するハイパスフィルタ回路と、第2のカットオフ周波数を有するローパスフィルタ特性を備えたローパスフィルタを備えた構成とし、電気回路で擬似的な気象庁の計測震度の回路を実現することで複雑なフーリエ変換などをせずに簡便に計測震度により異常判断を行うことができる。
【0031】
また、ローパスフィルタ回路は、第2のカットオフ周波数から−3dB/octの減衰特性を有する第1のローパスフィルタ回路と、第3のカットオフ周波数から−6dB/octの減衰特性を有する第2のローパスフィルタ回路を備えた構成とすることで、複雑なフーリエ変換などをせずにより高精度に擬似的な気象庁の計測震度の回路を実現することができる。
【0032】
また、振動検出手段の信号が所定値以上か否か判定するレベル判定手段と、前記レベル判定手段が所定値以上と判定したときにフィルタ手段を動作可能にする動作制御手段を備え、所定レベル以上の振動発生した時にフィルター手段を動作させることで、電気の消費を大幅に低減することができる。
【0033】
また、振動検出手段とフィルタ手段のそれぞれの動作を制御する動作制御手段を備え、前記動作制御手段は所定の時期にのみ動作可能にするように電気を供給するように制御される構成とし、所定レベル以上の振動が発生した時にフィルター手段を動作させることで、電気の消費を大幅に低減することができる。
【0034】
また、一定時間間隔で動作を制御することで、所定周波数以下のする振動を見逃すことなく振動を検出することができる。
【0035】
また、ランダムな時間間隔で動作を制御することで、一定周期の振動を見逃すことなく振動を検出することができる。
【0036】
また、電池を電源とすることで、ライフラインの商用電源の供給が閉ざされた場合でも使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1の感震器のブロック図
【図2】 同感震器の振動検出手段を示す回路図
【図3】 同感震器の振動センサの動作を示す特性図
【図4】 同感震器のフィルタ回路を示すブロック図
【図5】 同感震器のフィルタ回路の特性図
【図6】 同感震器のフィルタ特性図
【図7】 本発明の実施例2の感震器のブロック図
【図8】 同感震器のフィルタ特性図
【図9】 同感震器のフィルタ回路を示すブロック図
【図10】 従来の感震器を示すブロック図
【符号の説明】
10 振動センサ(振動検出手段)
11、11A、11B ローパスフィルタ回路(フィルタ手段)
12 A/D変換器(信号検出手段)
13 地震判別手段(異常判別手段)
18、25 電源制御手段(動作制御手段)
19 レベル判定手段
22 電池
24 ハイパスフィルタ回路(フィルタ手段)

Claims (6)

  1. 3方向の振動加速度を検出する圧電方式による振動検出手段と、前記圧電方式の振動センサの静電容量と外部抵抗を用いたフィルタ特性と他のフィルタ回路のフィルタ特性を組み合わせて計測震度のフィルタ特性を擬似的に再現したフィルタ手段と、前記振動検出手段からの出力信号を前記フィルタ手段で濾過した後の信号を検出する信号検出手段と、前記信号検出手段の出力信号により異常か否かを判別する異常判別手段とを備えた感震器。
  2. 3方向の振動加速度を検出する振動検出手段と、計測震度のフィルタ特性を擬似的に再現したフィルタ手段と、前記振動検出手段からの出力信号を前記フィルタ手段で濾過した後の信号を検出する信号検出手段と、前記信号検出手段の出力信号により異常か否かを判別する異常判別手段とを備え、前記振動検出手段の信号が所定値以上か否かを判定するレベル判定手段と、前記レベル判定手段が所定値以上と判定したときにフィルタ手段を動作可能にする動作制御手段とを備えた感震器。
  3. フィルタ手段は、第1のカットオフ周波数を有するハイパスフィルタ回路と、第2のカットオフ周波数を有するローパスフィルタ回路とを備えた請求項1または2に記載の感震器。
  4. ローパスフィルタ回路は、第1のカットオフ周波数から−3dB/octの減衰特性を有する第1のローパスフィルタ回路と、第2のカットオフ周波数から−6dB/octの減衰特性を有する第2のローパスフィルタ回路を備えた請求項2または3に記載の感震器。
  5. 動作制御手段は振動検出手段とフィルタ手段のそれぞれの動作を制御すると共に、前記動作制御手段は所定の時期にのみ電気を供給するように制御される請求項2記載の感震器。
  6. 電池を電源とした請求項1から5のいずれか1項記載の感震器。
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