JP3813593B2 - トグル式型締装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、射出成形機と組み合わせて用いられるトグル式型締装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
射出成形機は、型閉じされた金型のキャビティ内に溶融した成形材料を高圧で射出することによって、所望の形状の製品を形成するものである。そのため、射出成形機は、高圧の成形材料が金型から漏れ出さないように充分な型締力を加えることのできる型締装置を必要とする。この型締装置には、使用される金型、成形材料、射出条件等によって自在に型締力を変更できる機能が要求され、この型締装置としてはいわゆるトグル式の型締装置が広く用いられている。
【0003】
トグル式型締装置は、比較的小さい駆動力で型締めを行うことができ、また制御性に優れる等の利点を備えている。その構造としては、ダブルトグル式やシングルトグル式のものがある。しかし、ダブルトグル式の型締装置は、構造が複雑である、設置スペースが大きくなるためにそのスペースの確保が困難である、部品点数が多く製造や保守にかかるコストが高い、などの問題がある。そのため、小型の射出成形機には一般的にシングルトグル式の型締装置が用いられる。
【0004】
従来から、射出成形機の駆動源には油圧機が広く用いられてきている。ここで、油圧機を駆動源とする従来のシングルトグル式の型締装置について説明する。図4は油圧機を駆動源とする従来のシングルトグル式の型締装置を示す全体概略図、図5は図4に示した型締装置のX−X線における断面図である。
【0005】
油圧機を駆動源とする従来のシングルトグル式の型締装置は、固定側金型4aが取り付けられている固定盤1と、可動側金型4bが取り付けられている可動盤2と、可動盤2にトグルリンク機構6,7を介して連結されたハウジング3とを有している。固定盤1はベッド(不図示)上に固定されており、可動盤2とハウジング3はそのベッド上を型締装置の長軸方向に移動可能になっている。
【0006】
固定盤1とハウジング3とは、それらの四隅部において4本の平行なタイバー5によって連結されている。それらのタイバー5は、一方の端部が固定盤1に固定され、他方の端部がハウジング3に固定されている。各タイバー5は可動盤2を貫通しており、可動盤2はこれらのタイバー5に沿って自在に摺動できるようになっている。
【0007】
トグルリンク機構は、可動盤2にリンクピン11aを介して回動可能に連結された比較的長い長リンク6と、ハウジング3にリンクピン11cを介して回動可能に連結された比較的短い短リンク7とが中間ピン(リンクピン)11bを介して互いに連結されて構成されている。この中間ピン11bにはヘッドフランジ8が設けられており、トグルリンク機構は、このヘッドフランジ8を型締装置の長軸方向に対して交わる方向に移動させることによって、その長軸方向に屈伸するようになっている。
【0008】
油圧シリンダ15が、ハウジングピン9を介してハウジング3に取り付けられている。油圧シリンダ15は、ハウジングピン9を中心としてハウジング3に対して回動可能である。油圧シリンダ15の先端には上述のヘッドフランジ8が固定されており、ヘッドフランジ8は、油圧シリンダ15の伸縮に伴って型締装置の長軸方向に対して交わる方向に移動する。
【0009】
図5に示すように、長リンク6は中間ピン11bの両端に固定されており、短リンク7とヘッドフランジ8はこの中間ピン11bに対して自在に回動できるように軸支されている。短リンク7とヘッドフランジ8の軸支穴内には、中間ピン11bに対する支持部材であるブッシュ20が設けられている。
【0010】
次に、図4および図6を参照して、上記のシングルトグル式の型締装置の動作について説明する。
【0011】
図6は、図4に示した型締装置の油圧シリンダ15の伸縮部材が伸びた状態を示している。このとき、トグルリンク機構6,7は中間ピン11bを中心として屈曲しており、それに伴って可動盤2がハウジング3側に引き込まれている。そのため、可動側金型4bは固定側金型4a(図4)から離れている。また、この状態では中間ピン11bもハウジング3側に移動するため、油圧シリンダ15はハウジングピン9を中心として傾いている。
【0012】
この状態から、図4に示すように、油圧シリンダ15を縮ませ、可動盤2を固定盤1の方向に移動させて、可動盤2に設けられた可動側金型4bを固定盤1に設けられた固定側金型4aに当接させる。なお、以下では金型4a,4b同士の当接を「タッチ」と称する。
【0013】
このように金型4a,4b同士をタッチさせた状態から油圧シリンダ15をさらに縮ませて、最終的にトグルリンク機構6,7を伸びきった状態にする。この間、固定側金型4aと可動側金型4bとは接触状態にあり、可動盤2の移動は行われず、トグルリンク機構6,7の長手方向の伸びはハウジング3が固定盤1に対して図示左方向に後退することにより吸収される。このとき、4本のタイバー5が、ハウジング3が後退する分だけ伸長する。その結果、その伸長に伴う反力が両金型4a,4bの間に加えられ、金型4a,4bが型締めされる。
【0014】
従来は上記のように射出成形機の駆動源に油圧機が広く用いられてきたが、近年ではその駆動源は電動サーボモータに置き換えられつつある。これは、油圧駆動よりも電動サーボ駆動の方が、エネルギー効率が良く、位置精度、速度、および圧力等に関して再現性に優れるためである。
【0015】
電動サーボモータを駆動源とする従来のシングルトグル式の型締装置は、例えば特許文献1に開示されている。以下に、特許文献1に開示された、電動サーボを駆動源とする従来のシングルトグル式の型締装置について、図7を参照して説明する。
【0016】
図7に示す型締装置は、その駆動源としてサーボモータ10を備えている。サーボモータ10は、ハウジングピン9を介してハウジング3に回動可能に連結されたギアボックス12に取り付けられている。ギアボックス12からは周囲にねじが形成されたボールねじ13が延びている。このボールねじ13は、サーボモータ10の回転駆動力がギアボックス12内のギア(不図示)を介して伝達されて回転駆動させられるようになっている。
【0017】
さらに、ボールねじ13は、短リンク7に回動自在に設けられているナット14にねじ結合している。なお、ナット14が、両リンク6,7を連結する中間ピン11bからずれた位置に設けられているのは、ナット14を貫通するボールねじ13が中間ピン11bと干渉することを防ぐためである。
【0018】
図7に示す型締装置のその他の構成は、図4等に示した型締装置の各構成と同様であるので、これらに関する詳しい説明は省略する。
【0019】
次に、図7に示す型締装置の動作を説明する。
【0020】
サーボモータ10を回転させると、ギアボックス21内のギアを介してボールねじ13が回転し、ボールねじ13にねじ結合しているナット14がボールねじ13上を移動する。ボールねじ13の回転運動は、このようにしてナット14の直線運動に変換される。なお、ナット14がボールねじ13上を移動するのに伴って、ギアボックス12とサーボモータ10で構成される駆動部がハウジングピン9を中心として回動する。
【0021】
ナット14が図7に示す状態からボールねじ13上を下方に移動すると、トグルリンク機構6,7が伸び、可動盤2および可動側金型4bが図の右方に移動し、可動側金型4bが固定盤1に固定された固定側金型4aにタッチする。その後、ボールねじ13をさらに回転させて最終的にトグルリンク機構6,7を伸びきった状態にし、4本のタイバー5の伸長に伴う反力によって両金型4a,4bを型締めする。
【0022】
図7に示す型締装置は、上記のように駆動部がハウジングピン9を中心として回動するように構成されており、両金型4a,4bのタッチ時には、駆動部の慣性力(衝撃力)が型締め速度に応じてボールねじ13に加えられる。その慣性力が大きいと、場合によってはボールねじ13が曲がってしまうおそれがある。
【0023】
電動サーボを駆動源とする場合には、図7に示す型締装置のようにボールねじ13とナット14を用いて駆動力を伝達する構成が一般に用いられるが、リンク6,7を連結する中間ピン11bとボールねじ13とが干渉しないようにナット14を中間ピン11bからずれた位置にピン固定する必要がある。そのため、図7に示す型締装置は、図4に示した油圧式のものに比べてナット14を固定するためのピンやブッシュを別途備える必要があり、部品点数が多くなることからコストが増大してしまう。
【0024】
図8は電動サーボモータを駆動源とする従来の他のシングルトグル式の型締装置を示す図であり、同図(a)はその一部を破断した状態で示す正面図、同図(b)は図(a)に示したY−Y線における断面図である。
【0025】
図8に示す型締装置は、図7に示したものと異なり、ヘッドフランジ8がリンク6,7を連結する中間ピン11bに連結されており、ボールねじ13およびナット14が締結装置の下側に配置されている。ボールねじ13にねじ結合されているナット14は、ヘッドフランジ8の下端にボルトで固定されている。また、ボールねじ13を回転させるサーボモータ10は、ハウジングピン9を介してハウジング3に回動可能に連結された支持ケース12’の下端に取り付けられている。
【0026】
図8に示す型締装置のその他の構成は、図4等に示した型締装置の各構成と同様であるので、これらに関する詳しい説明は省略する。
【0027】
この型締装置は、サーボモータ10を回転駆動させ、ボールねじ13に沿ってナット14およびヘッドフランジ8を移動させることで、トグルリンク機構6,7を屈曲させて可動盤2を型締装置の長手方向に移動させるように構成されている。トグルリンク機構6,7が伸びきった状態になったときに、金型4a,4bの型締めが行われる。
【0028】
図8に示す型締装置は、その構成上、ボールねじ13に対するナット14のストロークSの分だけヘッドフランジ8を長く形成する必要があり、また、ヘッドフランジ8を支持する支持ケース12’の凹部(図8(b)にその凹部の形状が現れている)の深さを深く形成する必要があることから、トグルリンク機構6,7の下方に設けられる駆動部の全長Lが長くなってしまう。そのため、駆動部自身の重量が重くなるとともに、金型4a,4bがタッチする際に駆動部がボールねじに与える慣性力(衝撃力)が大きくなってしまう。そのため、その慣性力によってボールねじ13が曲がってしまうおそれがより一層増すこととなる。
【0029】
また、駆動部の全長Lが長いと、駆動部のためにベッド(不図示)の下に確保すべきスペースが大きくなり、結果として型締装置の設置スペースが大きくなってしまう。この場合、設置スペースの削減を目的としてシングルトグル式の型締装置を導入しても、その設置スペースの削減を図ることはできない。
【0030】
【特許文献1】
特開平5―116195号公報
【0031】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、電動サーボモータを駆動源とする従来のシングルトグル式の型締装置に関し、図7に示した構成のものは、ボールねじ13にねじ結合したナット14が両リンク6,7を連結する中間ピン11bからずれた位置に設けられているので、ナット14を固定するためのピンやブッシュを別途備える必要があり、部品点数が多くなることから、コストが増大してしまうという問題がある。
【0032】
また、図7に示した型締装置は、ナット14が両リンク6,7を連結する中間ピン11bよりも短リンク7のリンクピン11cに近い位置に固定されている。すなわち、ボールねじ13とナット14による駆動力が短リンク7を回転させるように作用する作用点であるナット14の位置が、短リンク7の支点であるリンクピン11cに近くなっている。そのため、駆動力が中間ピン11bの位置に作用する図4に示した型締装置に比べて、短リンク7を回転させるように作用する力(モーメント)が小さくなってしまう。したがって、図7に示す構成の型締装置において、駆動力が中間ピン11bの位置に作用する場合と同様の型締め力を得るには、より駆動トルクが大きいサーボモータ10を使用する必要がある。
【0033】
また、図8に示した構成のものは、ヘッドフランジ8が両リンク6,7を連結する中間ピン11bに連結された構成になっているものの、その構成上、ヘッドフランジ8と支持ケース12’を含む駆動部が大きくなってしまうので、金型4a,4bタッチ時に駆動部が型締装置に与える慣性力でボールねじ13が曲がってしまうおそれがある。また、駆動部の全長Lが長いと、駆動部のためにベッド(不図示)の下に確保すべきスペースが大きくなり、結果として型締装置の設置スペースが大きくなってしまう。
【0034】
そこで本発明は、部品点数を多くすることなく、小型で駆動エネルギー効率が高いトグル式型締装置を構成することを目的とする。
【0035】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明のトグル式型締装置は、固定側金型が取り付けられている固定盤と、可動側金型が取り付けられており、前記固定盤に対して移動可能な可動盤と、該可動盤にトグルリンク機構を介して連結されたハウジングと、サーボモータによって回転駆動させられるボールねじと、該ボールねじに形成されたねじ部分にねじ結合され、前記トグルリンク機構の一部に固定されたナットとを有するトグル式型締装置において、前記トグルリンク機構は、前記可動盤に回動可能に連結されたリンクと前記ハウジングに回動可能に連結されたリンクとが、同軸上に並べられた2つの中間ピンによって互いに回動可能に連結されて構成されており、前記ボールねじは前記2つの中間ピンの間を通って延びるように構成されていることを特徴とする。
【0036】
上記のように構成された本発明の型締装置は、サーボモータに回転駆動されるボールねじがトグルリンク機構の両リンクを連結する中間ピンの位置を通って延びるように構成されているので、ボールねじとナットとによって伝達されるサーボモータの駆動力を上記の中間ピンの位置に作用させることができる。そのため、駆動力がリンクを回転させてトグルリンク機構を屈伸させるように作用する力(モーメント)が最大になるので、サーボモータによる駆動力を型締め動作に最大限有効に利用することができ、駆動エネルギー効率が向上する。
【0037】
また、本発明の型締装置はボールねじが2つの中間ピンの間を通るように構成されているので、図8に示した型締装置のように、ヘッドフランジや支持ケースをボールねじに対するナットのストロークの分だけ長く形成する必要はない。そのため、両リンクの連結部である中間ピンに連結される駆動部の全長を比較的短くでき、型締装置を小型化することができる。
【0038】
さらに、駆動部の全長が比較的短くなれば、駆動部自身の重量が比較的軽量になり、金型同士がタッチする際に駆動部がボールねじに与える慣性力(衝撃力)を小さくできる。そのため、その慣性力によってボールねじが曲がってしまうおそれが低減するので、より細いボールねじを用いることが可能になる。
【0039】
また、前記2つの中間ピンの間には、前記ボールねじが挿通される穴が形成されたヘッドフランジが前記2つの中間ピンに対して回動自在に設けられており、前記ナットは前記ヘッドフランジに固定されている構成としてもよい。
【0040】
この構成によれば、ヘッドフランジに固定されたナットも両リンクを連結する2つの中間ピンによって支持されるため、図7に示した従来の型締装置のように、ナットを支持するために更なるピンやブッシュを設ける必要がない。そのため、本発明のように、ボールねじとナットを用いて駆動力を伝達する型締装置において、両リンクを連結する2つの中間ピンの位置に駆動力を作用させるように構成した場合であっても、部品点数が多くなることはなく、したがってコストが増大してしまうという問題は生じない。
【0041】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0042】
図1は、本発明の型締装置の一実施形態を、一部を破断した状態で示す図である。図2は、図1に示した型締装置におけるリンク機構部分を、一部を破断した状態で示す平面図である。図3は図2に示したA−A線における断面図である。
【0043】
まず、本実施形態の型締装置の構成について説明する。
【0044】
本実施形態の型締装置は、図4等に示した従来の型締装置と同様のシングルトグル式の型締装置である。ただし、本実施形態の型締装置は、電動サーボモータを駆動源としている点において、油圧機を駆動源としている図4等に示した従来の型締装置とは異なっている。
【0045】
図1に示すように、本実施形態の型締装置は、固定側金型4aが取り付けられている固定盤1と、可動側金型4bが取り付けられている可動盤2と、可動盤2にトグルリンク機構6,7を介して連結されたハウジング3とを有している。固定盤1はベッド(不図示)上に固定されており、可動盤2とハウジング3はそのベッド上を型締装置の長軸方向に移動可能になっている。
【0046】
固定盤1とハウジング3とは、それらの四隅部において4本の平行なタイバー5によって連結されている。それらのタイバー5は、一方の端部が固定盤1に固定され、他方の端部がハウジング3に固定されている。各タイバー5は可動盤2を貫通しており、可動盤2はこれらのタイバー5に沿って自在に摺動できるようになっている。
【0047】
図2および図3に示すように、トグルリンク機構は、可動盤2にリンクピン11aを介して回動可能に連結された比較的長い長リンク6と、ハウジング3にリンクピン11cを介して回動可能に連結された比較的短い短リンク7とが、同軸上に並んだ2本の中間ピン(リンクピン)11bを介して互いに連結されて構成されている。また、このトグルリンク機構には、2本の中間ピン11bの間に回動可能に支持されたヘッドフランジ8が設けられており、このヘッドフランジ8の中央には、ボールねじ13が挿通される穴8aが貫通している。
【0048】
各中間ピン11bはそれぞれ長リンク6に固定されており、短リンク7およびヘッドフランジ8は中間ピン11bに対して自在に回動できるように軸支されている。なお、短リンク7およびヘッドフランジ8の軸支穴内には、中間ピン11bに対する支持部材であるブッシュ20が設けられている。
【0049】
ボールねじ13の周囲にはねじが形成されている。また、ヘッドフランジ8には、ボールねじ13にねじ結合されたナット14がボルト等によって固定されている。
【0050】
再び図1を参照すると、ボールねじ13を回転させるサーボモータ10が、ハウジングピン9を介してハウジング3に回動可能に連結された支持ケース12’の下端に取り付けられている。サーボモータ10がボールねじ13を回転させることで、ナット14およびそれが固定されたヘッドフランジ8がボールねじ13の長さ方向に沿って移動し、これによりトグルリンク機構6,7が屈伸するようになっている。
【0051】
次に、本実施形態の型締装置の動作を説明する。
【0052】
図1は、ヘッドフランジ8に固定されたナット14がボールねじ13の先端側に位置している状態を示している。このとき、長リンク6と短リンク7は中間ピン11bを中心として屈曲しており、可動盤2がハウジング3側に引き込まれている。したがって、可動側金型4bは固定側金型4aから離れている。また、この状態では中間ピン11bもハウジング3側に移動しているため、サーボモータ10と支持ケース12’で構成される駆動部がハウジングピン9を中心として傾いている。
【0053】
サーボモータ10を回転駆動させるとボールねじ13が回転し、ボールねじ13にねじ結合しているナット14がボールねじ13上を移動する。ボールねじ13の回転運動は、このようにして、ナット14の直線運動に変換される。なお、ナット14がボールねじ13上を移動すると、トグルリンク機構6,7が屈伸してハウジング3に対する中間ピン11bの距離が変動するので、ナット14がボールねじ13上を移動するのに伴って駆動部(サーボモータ10および支持ケース12’)がハウジングピン9を中心として回動する。
【0054】
ナット14が図1に示す位置からボールねじ13上を下方に移動すると、トグルリンク機構6,7が伸び、可動盤2および可動側金型4bが図の右方に移動し、可動側金型4bが固定盤1に固定された固定側金型4aにタッチする。その後、ボールねじ13をさらに回転させて最終的にトグルリンク機構6,7を伸びきった状態にする。この間、固定側金型4aと可動側金型4bとは接触状態にあり、可動盤2の移動は行われず、トグルリンク機構6,7の長手方向の伸びはハウジング3が固定盤1に対して図示左方向に後退することにより吸収される。このとき、4本のタイバー5が、ハウジング3が後退する分だけ伸長する。その結果、その伸長に伴う反力が両金型4a,4bの間に加えられ、金型4a,4bが型締めされる。
【0055】
また、金型4a,4bを開くときは、サーボモータ10を逆転させてナット14およびヘッドフランジ8をボールねじ13の上方(先端側)に移動させ、図1に示すようにリンク6,7を屈曲させることによって、固定盤1の固定側金型4aから可動盤2の可動側金型4bを離間させる。
【0056】
上記のように、本実施形態の型締装置は、サーボモータ10に回転駆動されるボールねじ13が両リンク6,7を連結する中間ピン11bの位置を通って延びるように構成されているので、ボールねじ13とナット14とによって伝達されるサーボモータ10の駆動力を上記の中間ピン11bの位置に作用させることができる。そのため、駆動力が短リンク7を回転させてトグルリンク機構6,7を屈伸させるように作用する力(モーメント)が最大になるので、サーボモータ10による駆動力を型締め動作に最大限有効に利用することができ、駆動エネルギー効率が向上する。
【0057】
また、本実施形態の型締装置は、上記のようにボールねじ13が2つの中間ピン11bの間を通るように構成されているので、図8に示した型締装置のように、ヘッドフランジ8や支持ケース12’をボールねじ13に対するナット14のストロークの分だけ長く形成する必要はない。そのため、両リンク6,7の連結部である中間ピン11bに連結される駆動部の全長を比較的短くできる。したがって、型締装置を小型化してその設置スペースを小さくすることができ、余ったスペースに例えば金型調温器等を追加することが可能となる。
【0058】
さらに、駆動部の全長が比較的短くなれば、駆動部自身の重量が比較的軽量になり、金型4a,4b同士がタッチする際に駆動部がボールねじ13に与える慣性力(衝撃力)を小さくできる。そのため、その慣性力によってボールねじ13が曲がってしまうおそれが低減するので、より細いボールねじを用いることが可能になる。
【0059】
また、2つの中間ピン11bの間には、ボールねじ13が挿通される穴8aが形成されたヘッドフランジ8が2つの中間ピン11bに対して回動自在に設けられており、ヘッドフランジ8に固定されたナット14も両リンク6,7を連結する2つの中間ピン11bによって支持された状態になっている。そのため、図7に示した従来の型締装置のように、ナット14を支持するために更なるピンやブッシュを設ける必要がない。したがって、本実施形態のように、ボールねじ13とナット14を用いて駆動力を伝達する型締装置において、両リンク6,7を連結する2つの中間ピン11bの位置に駆動力を作用させるように構成した場合であっても、部品点数が多くなることはなく、したがってコストが増大してしまうという問題は生じない。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のトグル式型締装置は、可動盤に回動可能に連結されたリンクとハウジングに回動可能に連結されたリンクとが、同軸上に並べられた2つの中間ピンによって互いに回動可能に連結され、ボールねじが2つの中間ピンの間を通って延びているので、部品点数を多くすることなく、小型でエネルギー効率が高い構成になっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトグル式型締装置の一実施形態を、一部を破断した状態で示す図である。
【図2】図1に示した型締装置におけるリンク機構部分を、一部を破断した状態で示す平面図である。
【図3】図2に示したA−A線における断面図である。
【図4】油圧機を駆動源とする従来のシングルトグル式の型締装置を示す全体概略図である。
【図5】図4に示した型締装置のX−X線における断面図である。
【図6】図4に示した型締装置の油圧シリンダが伸びた状態を示す図である。
【図7】電動サーボモータを駆動源とする従来のシングルトグル式の型締装置を示す図である。
【図8】電動サーボモータを駆動源とする従来の他のシングルトグル式の型締装置を示す図である。
【符号の説明】
1 固定盤
2 可動盤
3 ハウジング
4a 固定側金型
4b 可動側金型
5 タイバー
6 長リンク
7 短リンク
8 ヘッドフランジ
9 ハウジングピン
10 サーボモータ
11a,11c リンクピン
11b 中間ピン(リンクピン)
12 支持ケース
13 ボールねじ
14 ナット
20 ブッシュ
Claims (2)
- 固定側金型(4a)が取り付けられている固定盤(1)と、可動側金型(4b)が取り付けられており、前記固定盤(1)に対して移動可能な可動盤(2)と、該可動盤(2)にトグルリンク機構(6,7)を介して連結されたハウジング(3)と、サーボモータ(10)によって回転駆動させられるボールねじ(13)と、該ボールねじ(13)に形成されたねじ部分にねじ結合され、前記トグルリンク機構(6,7)の一部に固定されたナット(14)とを有するトグル式型締装置において、
前記トグルリンク機構(6,7)は、前記可動盤(2)に回動可能に連結されたリンク(6)と前記ハウジング(3)に回動可能に連結されたリンク(7)とが、同軸上に並べられた2つの中間ピン(11b)によって互いに回動可能に連結されて構成されており、前記ボールねじ(13)は前記2つの中間ピン(11b)の間を通って延びるように構成されていることを特徴とするトグル式型締装置。 - 前記2つの中間ピン(11b)の間には、前記ボールねじ(13)が挿通される穴(8a)が形成されたヘッドフランジ(8)が前記2つの中間ピン(11b)に対して回動自在に設けられており、前記ナット(14)は前記ヘッドフランジ(8)に固定されている、請求項1に記載のトグル式型締装置。
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