JP3813492B2 - 印刷物の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷媒体となる用紙に情報を印字し、この情報が印字された用紙にオーバーコート材であるオーバープリントニス組成物(以下、OPニス組成物と称する)を塗布して印刷物を製造する印刷物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば、横断幕のような長尺のシートや棚札等のように、強度や耐水性が求められる印刷物においては、特殊なフィルム系のシートに情報を印字したり、耐水性を有しない用紙に情報を印字した後、情報が印字された用紙にフィルム系のシートを貼り合わせたり(オーバーラミネート)、情報が印字された用紙をフィルム系のシートで挟み込んだり(パウチ)することにより、強度や耐水性を持たせている。また、その他に、情報が印字される用紙自体に特殊な材料を予め混合させておき、特殊な材料が混合された用紙に情報を印字することも行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような従来のものにおいては以下に記載するような問題点がある。
【0004】
特殊なフィルム系のシートに情報を印字することにより印刷物を製造する印刷物の製造方法においては、情報を印字するための印刷機として、特殊なフィルム系のシート専用のものを使用しなければならず、そのため、耐水性を有しない用紙に情報を印字する印刷機を利用することができないことになり、印刷物の製造コストが増大してしまう。
【0005】
また、耐水性を有しない用紙に情報を印字した後、情報が印字された用紙にフィルム系のシートを貼り合わせることにより製造された印刷物においては、用紙の側面から水分が浸透してしまう虞れがあり、水分が浸透した場合、用紙が側面から剥げてしまう。
【0006】
また、耐水性を有しない用紙に情報を印字した後、情報が印字された用紙をフィルム系のシートによって挟みこむことにより印刷物を製造する印刷物の製造方法においては、長尺のシートをフィルム系のシートによって挟みこむことが困難であり、また、用紙をフィルム系のシートによって挟みこむ処理は、用紙に情報を印字する処理よりもその処理速度が遅いため、印刷処理とは別工程で行わなければならず、複数の工程管理が必要となってしまう。
【0007】
また、情報が印字される用紙自体に特殊な材料を予め混合させておき、特殊な材料が混合された用紙に情報を印字することにより印刷物を製造する印刷物の製造方法においては、製紙の段階で用紙に特殊な材料を混合させる必要があり、そのための用紙を予め製造しておかなければならない。
【0008】
本発明は、上述したような従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、印刷媒体となる用紙に情報を印字し、この情報が印字された用紙の表面にOPニス組成物を塗布して印刷物を製造する印刷物の製造方法であって、さらなる耐水性及び強度を有する印刷物を製造することができる印刷物の製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、
印刷媒体に情報を印字し、前記情報が印字された印刷媒体にオーバーコート材を塗布することにより印刷物を製造する印刷物の製造方法であって、
前記印刷媒体に情報を印字する工程と、
前記情報が印字された印刷媒体の印刷媒体の少なくとも一方の面に微細な凹部を形成する工程と、
前記印刷媒体の前記凹部が形成された面に前記オーバーコート材を塗布する工程と、
前記オーバーコート材を乾燥させる工程とを有することを特徴とする。
【0011】
また、印刷媒体に情報を印字し、前記情報が印字された印刷媒体にオーバーコート材を塗布することにより印刷物を製造する印刷物の製造方法であって、
前記印刷媒体に情報を印字する工程と、
前記情報が印字された印刷媒体の側面に前記オーバーコート材を塗布する工程と、
側面に前記オーバーコート材が塗布された印刷媒体の少なくとも一方の面に前記オーバーコート材を塗布する工程と、
前記オーバーコート材を乾燥させる工程とを有することを特徴とする。
【0018】
(作用)
上記のように構成された本発明においては、まず、印刷媒体に情報を印字し、次に、情報が印字された印刷媒体の少なくとも一方の面に微細な凹部を形成し、その後、印刷媒体の凹部が形成された面にオーバーコート材を塗布し、このオーバーコート材を乾燥させることにより印刷物を製造する。
【0019】
このように製造された印刷物においては、情報が印字された印刷媒体の少なくとも一方の面に微細な凹部が形成されており、また、印刷媒体の凹部が形成された面にオーバーコート材を塗布した場合にこの凹部にオーバーコート材が入り込む構成であるため、印刷媒体の強度が強くなり、また、印刷媒体の凹部が形成された面にオーバーコート材を塗布した場合に、印刷媒体のオーバーコート材に接する面積が増大し、それにより、印刷媒体に浸透するオーバーコート材の量が増え、印刷物の耐水性が向上する。
【0020】
また、印刷媒体の側面にもオーバーコート材を塗布した場合においては、印刷物の側面から水分が浸透してしまうことがなく、印刷物の耐水性が向上する。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0022】
図1は、本発明の、印刷物の製造方法の実施の一形態を説明するための図であり、本形態における印刷物の製造方法を実現するための印刷機の一例を示す。
【0023】
本形態における印刷機は図1に示すように、印刷媒体となる用紙1を供給する給紙機10と、給紙機10から供給された用紙1に対して、外部からの指示に基づく情報を印字する印刷部20と、印刷部20にて情報が印字された用紙1に対して、用紙1の表面及び裏面のうち少なくとも一方の面に微細な凹部が形成されるような圧力を加える型圧機30と、型圧機30にて微細な凹部が形成された用紙1の側面にオーバーコート材であるOPニス組成物2を塗布するニス塗布部40と、ニス塗布部40にて側面にOPニス組成物2が塗布された用紙1の表面及び裏面のうち少なくとも微細な凹部が形成された面にOPニス組成物2を塗布するニス塗布部50と、ニス塗布部40,50にて用紙1に塗布されたOPニス組成物2を乾燥させる乾燥機60と、用紙1を所定の大きさに断裁する断裁機70とから構成されている。
【0024】
以下に、上記のように構成された印刷機を用いた印刷物の製造方法について説明する。
【0025】
給紙機10に巻かれた用紙1が不図示の搬送手段によって搬送されていくと、まず、印刷部20において、外部からの指示に基づく情報が用紙1に印字される。ここで、用紙1に印字される情報においては、外部からの指示によって可変であり、印刷部20に予め与えられ蓄積されている情報が用紙1に印字されたり、印刷部20に接続された入力手段(不図示)を介して入力される情報が用紙1に印字されたりする。
【0026】
次に、型圧機30において、印刷部20にて情報が印字された用紙1に対して、用紙1の表面及び裏面のうち少なくとも一方の面に微細な凹部が形成されるような圧力が加えられる。
【0027】
図2は、図1に示した型圧機30にて圧力が加えられた用紙1の断面図である。
【0028】
図2に示すように、型圧機30にて圧力が加えられた用紙1には、その表裏に微細な凹部3が形成されている。この凹部3は、型圧機30によって圧力が加えられた領域が凹部3として形成されるものであって、型圧機30には、用紙1の表面及び裏面に微細な凹部3を形成するための押圧パターン(不図示)が形成されており、この押圧パターンに基づく形状を有するパターンの凹部3が用紙1の表面及び裏面に形成される。押圧パターンの例としては、針状の凸部が規則正しくあるいは不規則に複数並んだものや、ライン状の山谷が連続して形成されたもの等が考えられるが、その形成密度は高いほど好ましい。また、この凹部3の深さは、用紙1の肉厚に対して30〜70%であることが好ましい。
【0029】
次に、ニス塗布部40において、型圧機30にて表面及び裏面に凹部3が形成された用紙1の側面にOPニス組成物2が塗布される。
【0030】
図3は、図1に示したニス塗布部40にて用紙1の側面にOPニス組成物2が塗布される際の処理を説明するための図である。
【0031】
本形態におけるニス塗布部40は図3に示すように、搬送されていく用紙1の一側面にOPニス組成物2を塗布するために互いに隙間43aを有して設けられたニス塗布ローラ41a,42aと、搬送されていく用紙1の他の側面にOPニス組成物2を塗布するために互いに隙間43bを有して設けられたニス塗布ローラ41b,42bと、ニス塗布ローラ41a,42aによって用紙1の側面にOPニス組成物2が塗布される際に用紙1を押さえるための紙押さえローラ44aと、ニス塗布ローラ41b,42bによって用紙1の側面にOPニス組成物2が塗布される際に用紙1を押さえるための紙押さえローラ44bとから構成されている。
【0032】
上記のように構成されたニス塗布部40においては、型圧機30から搬送されてきた用紙1が、その一側面が、ニス塗布ローラ41aとニス塗布ローラ42aとの間に形成された隙間43aに、ニス塗布ローラ41aとニス塗布ローラ42aとによって表裏から挟みこまれるように入り込み、また、その他の側面が、ニス塗布ローラ41bとニス塗布ローラ42bとの間に形成された隙間43bに、ニス塗布ローラ41bとニス塗布ローラ42bとによって表裏から挟みこまれるように入り込む。この隙間43a,43bには、不図示のニス供給手段からOPニス組成物2が供給されており、また、ニス塗布ローラ41a,41b,42a,42bは、用紙1の搬送方向に従って回転している。
【0033】
これにより、ニス塗布ローラ41aとニス塗布ローラ42aとによって形成された隙間43aにおいて用紙1の一側面にOPニス組成物2が塗布され、また、ニス塗布ローラ41bとニス塗布ローラ42bとによって形成された隙間43bにおいて用紙1の他の側面にOPニス組成物2が塗布されることになる。なお、この際、ニス塗布ローラ41aとニス塗布ローラ42aとの間に形成された隙間43aと、ニス塗布ローラ41bとニス塗布ローラ42bとの間に形成された隙間43bとによって用紙1が挟まれることにより用紙1が盛り上がるように動作するが、紙押さえローラ44a,44bによって用紙1を押さえることにより、用紙1が盛り上がってしまうことが防止されている。
【0034】
次に、ニス塗布部50において、ニス塗布部40にて側面にOPニス組成物2が塗布された用紙1の表面及び裏面にOPニス組成物2が塗布される。
【0035】
図4は、図1に示したニス塗布部50にて用紙1の表面及び裏面にOPニス組成物2が塗布される際の処理を説明するための図である。
【0036】
本形態におけるニス塗布部50は図4に示すように、搬送されていく用紙1の表面に用紙1の搬送方向に従って回転しながら接触することにより用紙1の表面にOPニス組成物2を塗布するためのニス塗布ローラ51aと、ニス塗布ローラ51aにOPニス組成物2を供給するニス供給部52aと、ニス塗布部51aとによって用紙1を表裏から挟むように設けられた紙押さえローラ53aと、搬送されていく用紙1の裏面に用紙1の搬送方向に従って回転しながら接触することにより用紙1の裏面にOPニス組成物2を塗布するためのニス塗布ローラ51bと、ニス塗布ローラ51bにOPニス組成物2を供給するニス供給部52bと、ニス塗布部51bとによって用紙1を表裏から挟むように設けられた紙押さえローラ53bとから構成されている。
【0037】
上記のように構成されたニス塗布部50においては、ニス塗布部40にて側面にOPニス組成物が塗布された用紙1が搬送されてくると、まず、用紙1がニス塗布ローラ51aと紙押さえローラ53aとによって表裏から挟まれる状態となる。ニス塗布ローラ51a及び紙押さえローラ53aは、用紙1の搬送方向に従って回転するため、用紙1はニス塗布ローラ51aと紙押さえローラ53aとに挟まれながら搬送されていく。この際、ニス塗布ローラ51aにはニス供給部52aからOPニス組成物2が供給されるため、ニス塗布ローラ51aに供給されたOPニス組成物2が用紙1の表面に塗布されることになる。
【0038】
次に、表面にOPニス組成物2が塗布された用紙1は、ニス塗布ローラ51bと紙押さえローラ53bとによって表裏から挟まれる状態となる。ニス塗布ローラ51b及び紙押さえローラ53bは、用紙1の搬送方向に従って回転するため、用紙1はニス塗布ローラ51bと紙押さえローラ53bとに挟まれながら搬送されていく。この際、ニス塗布ローラ51bにはニス供給部52bからOPニス組成物2が供給されるため、ニス塗布ローラ51bに供給されたOPニス組成物2が用紙1の裏面に塗布されることになる。
【0039】
図5は、図1に示した印刷機にてOPニス組成物2が塗布された用紙1の断面図である。
【0040】
図5に示すように、本形態における用紙1の表面及び裏面にOPニス組成物2を塗布した場合は、用紙1の表面及び裏面に形成された凹部3にOPニス組成物2が入り込むため、OPニス組成物2の塗布量は、表面が平坦な用紙に塗布する場合と比べて少なくて済み、膜厚で0〜10μmの範囲の程度が好ましい。また、用紙1の表面及び裏面には凹部3がそれぞれ形成されているため、表面が平坦な用紙に比べてOPニス組成物2に接する面積が増大し、それにより、用紙1に浸透するOPニス組成物2の量が増えることになる。
【0041】
ここで、本形態にて用紙1に塗布されるOPニス組成物2について詳細に説明する。
【0042】
本形態に用いられるOPニス組成物2は、各種のものが好適に利用でき、オフセット印刷機、凸版印刷機、グラビア印刷機、専用のニス引き機等によって用紙1の表面及び裏面に塗布される。
【0043】
本形態にて用紙1に塗布されるOPニス組成物2を例示すると、例えば、フェノール樹脂、マレイン酸樹脂、水添ロジンエステル等の樹脂と、アマニ油、シナキリ油、脱水ヒマシ油等の乾性油、さらに、コバルトドライヤ、また必要に応じ、ゲル化剤、体質顔料等の添加剤を加えたもの、また、低重合度の塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂、アクリル酸エステル・スチレン共重合樹脂、さらに、コロイダルディスパージョン、またはエマルジョンの形で使用される各種アクリル共重合樹脂、高酸価のロジンマレイン酸樹脂、セラミック及びその誘導体等の樹脂、アルコール類やセロソルブ類等の補助剤、また必要に応じ、水溶化剤、可塑剤、ワックス、防湿剤等の添加剤を加えたもの、あるいは、ポリイソシアネートポリマーとポリオールからなる熱硬化性のポリウレタン系の熱硬化型OPニス組成物等である。
【0044】
そして、このようなOPニス組成物の中で、最も好ましくは、紫外線硬化型を使用するのがよい。これは、紫外線硬化型インクのビヒクルと同様な組成の紫外線硬化型のOPニス組成物で、紫外線照射により、加熱なしでも乾燥が速く、かつ、用紙に付与する強度、剛度あるいは耐水性を好適に向上できる。
【0045】
また、OPニス組成物2の固形分は、OPニス組成物2に含まれる常温(20℃)で固体の成分であり、より具体的には、ビヒクルとして配合される各種樹脂、乾性油によって構成されるものであって、溶媒成分を除くものである。
【0046】
オフセット印刷方式、グラビア印刷方式もしくはシルクスクリーン方式等で塗工されたOPニス組成物は、乾燥後実質的に無色透明の皮膜を形成する。
【0047】
オフセット印刷方式で塗工する場合、本形態にて用いられるOPニス組成物2は、ロジン変性フェノール樹脂、石油樹脂、アルキッド樹脂、またはこれら乾性油変性樹脂等の樹脂20〜80重量%、あまに油、桐油、大豆油等の乾性油0〜80重量%、ノルマルパラフィン、イソパラフィン、アロマチックハイドロカーボン、ナフテン、α−オレフィンまたはこれらの混合物等の溶剤0〜80重量%、ドライヤー、乾燥抑制剤等の添加剤1〜5重量%からなる(フッ素樹脂粒子を除き、合計100重量%)ことが好ましい。より好ましくは、樹脂1重量部に対して乾性油0.3から4重量部を配合する。
【0048】
グラビア印刷方式で塗工する場合、本形態にて用いられるOPニス組成物2は、アクリル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、塩化ゴム樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリアミド樹脂及びセルロース樹脂からなる群の中から選ばれる少なくとも1種の樹脂20〜50重量%、及びトルエン、酢酸エチル、酢酸イソブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の溶剤50〜80重量%からなることが好ましい。
【0049】
また、本形態にて用いられるOPニス組成物2は、活性エネルギー線硬化型OPニス組成物であってもよい。活性エネルギー線硬化型OPニス組成物において、活性エネルギー線硬化型OPニス組成物は、紫外線あるいは電子線等の活性エネルギー線によって硬化し得るものであり、通常使用されているオフセット印刷用活性エネルギー線硬化型OPニス組成物、シルクスクリーン印刷用活性エネルギー線硬化型OPニス組成物、凸版印刷用等活性エネルギー線硬化型OPニス組成物等を用いることができる。このような活性エネルギー線硬化型OPニス組成物は、基本的に、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーまたはオリゴマーからなる活性エネルギー線硬化性樹脂成分を含有し、必要に応じて、光硬化開始剤、樹脂、増感剤、体質顔料、その他の各種添加剤を含んでいてもよい。エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーまたはオリゴマーからなる活性エネルギー線硬化性樹脂成分の例を挙げると、(メタ)アクリル酸エステル、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(テトラ)(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(ヘキサ)(メタ)アクリレート等の多価アルコールの(メタ)アクリレートである。これら2種以上の混合物も使用できる。エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーまたはオリゴマー葉、活性エネルギー線硬化型OPニス組成物の固形分として5〜100重量%の割合で用いることが好ましい。
【0050】
活性エネルギー線硬化型OPニス組成物に使用され得る光硬化開始剤としては、一般的に市販される光硬化開始剤を使用することができる。そのような光硬化開始剤の例を挙げると、例えば、イルガキュアー651、イルガキュアー184、ダロキュアー1173、イルガキュアー907、イルガキュアー369(以上、チバ・スペシャルティーケミカルズ社製);カヤキュアーDETX、カヤキュアーITX(以上、日本化薬社製);ベンゾフェノン、アセトフェノン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル等であり、これらを単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、光硬化開始剤とともに、増感剤として、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル等の脂肪族アミン、芳香族アミンを併用してもよい。光硬化開始剤、増感剤は、活性エネルギー線硬化型OPニス組成物中に1〜20重量%の割合で使用することができる。
【0051】
本形態の活性エネルギー線硬化型OPニス組成物に配合され得る樹脂は、OPニス組成物皮膜強度の向上、印刷用紙への当該ニスの固着性の向上等の目的で必要に応じて使用されるものである。そのような樹脂としては、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、石油樹脂を用いることができ、さらには、(メタ)アクリル酸で変成された樹脂を用いることもできる。(メタ)アクリル酸変成樹脂としては、一分子内に(メタ)アクリロイル基を有するウレタン系(メタ)アクリレート、エポキシ系(メタ)アクリレート、ポリオール系(メタ)アクリレート等を例示することができる。これら樹脂は、OPニス組成物中に、0〜90重量%の割合で使用することができる。
【0052】
その後、乾燥機60において、用紙1に塗布されたOPニス組成物2に対する乾燥が行われ、さらに、断裁機70において、搬送されてきた用紙1が所定の大きさに断裁される。この際、用紙1の断裁面においては、耐水性を有するテープ等を貼付することにより、断裁面から用紙1に水分が浸透してしまうことを防止することが考えられる。
【0053】
本形態にて製造される印刷物は、用紙1の肉厚が50μm以上であって、長尺タイプのものに好適である。
【0054】
(他の実施の形態)
図6は、本発明の、印刷物の製造方法の他の実施の形態を説明するための図であり、本形態における印刷物の製造方法を実現するための印刷機の一例を示す。
【0055】
本形態における印刷機は図6に示すように、印刷媒体である用紙101を供給する給紙機110と、給紙機110から供給された用紙101に対して、外部からの指示に基づく情報を印字する印刷部120と、印刷部120にて情報が印字された用紙101に対して、用紙101の表面及び裏面のうち少なくとも一方の面に微細な凹部が形成されるような圧力を加える型圧機130と、型圧機130にて微細な凹部が形成された用紙101の搬送方向左右となる側面にオーバーコート材であるOPニス組成物102を塗布するニス塗布部140と、ニス塗布部140にて搬送方向左右となる側面にOPニス組成物102が塗布された用紙102の搬送方向前後となる側面にOPニス組成物102を塗布するニス塗布部180と、ニス塗布部140,180にて側面にOPニス組成物102が塗布された用紙101の表面及び裏面のうち少なくとも微細な凹部が形成された面にOPニス組成物102を塗布するニス塗布部150と、ニス塗布部140,150,180にて用紙101に塗布されたOPニス組成物102を乾燥させる乾燥機160とから構成されている。
【0056】
以下に、上記のように構成された印刷機を用いた印刷物の製造方法について説明する。
【0057】
給紙機110に格納された用紙101が不図示の搬送手段によって1枚ずつ搬送されていくと、まず、印刷部120において、外部からの指示に基づく情報が用紙101に印字される。ここで、用紙101に印字される情報においては、外部からの指示によって可変であり、印刷部120に予め与えられ蓄積されている情報が用紙101に印字されたり、印刷部120に接続された入力手段(不図示)を介して入力される情報が用紙101に印字されたりする。
【0058】
次に、型圧機130において、印刷部120にて情報が印字された用紙101に対して、図2に示した用紙1と同様に、用紙101の表面及び裏面のうち少なくとも一方の面に微細な凹部が形成されるような圧力が加えられ、それにより、用紙101に微細な凹部が形成される。
【0059】
次に、ニス塗布部140において、型圧機130にて凹部が形成された用紙101の搬送方向左右となる側面にOPニス組成物102が塗布される。ここで、本形態におけるニス塗布部140の構成は、図3に示したニス塗布部40の構成と同一であり、図3に示したニス塗布部40における用紙1の側面に対するOPニス組成物2の塗布と同様にして、用紙101の搬送方向左右となる側面にOPニス組成物102が塗布される。
【0060】
次に、ニス塗布部180において、用紙101の搬送方向前後となる側面にニス組成物102が塗布されるが、ニス塗布部180における用紙101に対するニス組成物102の塗布は、例えば、図3に示したようなニス塗布部40を用いて、用紙101の搬送方向を90度変えて行ったり、用紙101の搬送を一旦停止させ、その状態で、用紙101をニス塗布ローラ41a,42aとニス塗布ローラ41b,42bとによって挟むようにして用紙101のニス組成物102が塗布されていない側面にニス組成物102を塗布したりすること等が考えられる。
【0061】
次に、ニス塗布部150において、ニス塗布部140,180にて側面にOPニス組成物102が塗布された用紙101の表面及び裏面にOPニス組成物102が塗布される。ここで、本形態におけるニス塗布部150の構成は、図4に示したニス塗布部50の構成と同一であり、図4に示したニス塗布部50における用紙1の表面及び裏面に対するOPニス組成物2の塗布と同様にして、用紙101の表面及び裏面にOPニス組成物102が塗布される。
【0062】
本形態における用紙101の表面及び裏面にOPニス組成物102を塗布した場合においても、図5に示したものと同様に、用紙101の表面及び裏面に形成された凹部にOPニス組成物102が入り込むため、OPニス組成物102の塗布量は、表面が平坦な用紙に塗布する場合と比べて少なくて済み、膜厚で0〜10μmの範囲の程度が好ましい。また、用紙101の表面及び裏面には凹部がそれぞれ形成されているため、表面が平坦な用紙に比べてOPニス組成物102に接する面積が増大し、それにより、用紙101に浸透するOPニス組成物102の量が増えることになる。
【0063】
その後、乾燥機160において、用紙101に塗布されたOPニス組成物102に対する乾燥が行われる。
【0064】
本形態にて製造される印刷物は、用紙1の肉厚が50μm以上であって、棚札等のようなものに好適である。
【0065】
上述した2つの実施の形態においては、用紙1,101の表面及び裏面に微細な凹部がそれぞれ形成されており、さらに、用紙1,101の表面及び裏面にOPニス組成物2,102を塗布した場合にこの凹部にOPニス組成物2,102が入り込む構成であるため、用紙1,101の強度が強くなり、また、用紙1,101の表面及び裏面にOPニス組成物2,102を塗布した場合に、用紙1,101のOPニス組成物2,102に接する面積が増大し、それにより、用紙1,101に浸透するOPニス組成物2,102の量が増え、用紙1,101の耐水性が向上する。また、用紙1,101の側面にもOPニス組成物2,102が塗布されていることによっても、用紙1,101の耐水性が向上する。
【0066】
また、上述した2つの実施の形態においては、情報が印字された用紙1,101の表面及び裏面のそれぞれに凹部を形成し、さらに、凹部が形成された用紙1,101の表面及び裏面のそれぞれにOPニス組成物2,102を塗布しているが、用紙1,101の片面のみに凹部を形成し、凹部が形成された面のみにOPニス組成物2,102を塗布する構成としてもよい。
【0067】
また、情報が印字された用紙1,101に凹部を形成せずにOPニス組成物2を塗布するだけの構成とした場合においても、用紙1,101の耐水性を向上させることができる。
【0068】
【発明の効果】
以上説明したように本発明においては、印刷媒体に情報を印字する工程と、情報が印字された印刷媒体の少なくとも一方の面に微細な凹部を形成する工程と、印刷媒体の凹部が形成された面にオーバーコート材を塗布する工程と、このオーバーコート材を乾燥させる工程とを順次行うことにより印刷物が製造されるため、このように製造された印刷物においては、情報が印字された印刷媒体の少なくとも一方の面に微細な凹部が形成されており、また、印刷媒体の凹部が形成された面にオーバーコート材を塗布した場合にこの凹部にオーバーコート材が入り込む構成となり、それにより、印刷媒体の強度が強くすることができ、また、印刷媒体の凹部が形成された面にオーバーコート材を塗布した場合に、印刷媒体のオーバーコート材に接する面積が増大し、それにより、印刷媒体に浸透するオーバーコート材の量が増え、印刷物の耐水性を向上させることができる。
【0069】
また、印刷媒体の側面にもオーバーコート材を塗布する工程を行う場合においても、印刷物の側面から水分が浸透することを防止することができ、印刷物の耐水性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の、印刷物の製造方法の実施の一形態を説明するための図である。
【図2】図1に示した型圧機にて圧力が加えられた用紙の断面図である。
【図3】図1に示したニス塗布部にて用紙の側面にOPニス組成物が塗布される際の処理を説明するための図である。
【図4】図1に示したニス塗布部にて用紙の表面及び裏面にOPニス組成物が塗布される際の処理を説明するための図である。
【図5】図1に示した印刷機にてOPニス組成物が塗布された用紙の断面図である。
【図6】本発明の、印刷物の製造方法の他の実施の形態を説明するための図である。
【符号の説明】
1,101 用紙
2,102 OPニス組成物
3 凹部
10,110 給紙機
20,120 印刷部
30,130 型圧機
40,50,140,150,180 ニス塗布部
41a,41b,42a,42b,51a,51b ニス塗布ローラ
43a,43b 隙間
44a,44b,52a,52b 紙押さえローラ
53a,53b ニス供給部
60,160 乾燥機
70 断裁機
Claims (2)
- 印刷媒体に情報を印字し、前記情報が印字された印刷媒体にオーバーコート材を塗布することにより印刷物を製造する印刷物の製造方法であって、
前記印刷媒体に情報を印字する工程と、
前記情報が印字された印刷媒体の少なくとも一方の面に微細な凹部を形成する工程と、
前記印刷媒体の前記凹部が形成された面に前記オーバーコート材を塗布する工程と、
前記オーバーコート材を乾燥させる工程とを有することを特徴とする印刷物の製造方法。 - 印刷媒体に情報を印字し、前記情報が印字された印刷媒体にオーバーコート材を塗布することにより印刷物を製造する印刷物の製造方法であって、
前記印刷媒体に情報を印字する工程と、
前記情報が印字された印刷媒体の側面に前記オーバーコート材を塗布する工程と、
側面に前記オーバーコート材が塗布された印刷媒体の少なくとも一方の面に前記オーバーコート材を塗布する工程と、
前記オーバーコート材を乾燥させる工程とを有することを特徴とする印刷物の製造方法。
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