JP3812935B2 - 液晶表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、カラー表示を行う液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の液晶表示装置の概略構成を図12に示す。この図から明らかな様に、各ソース信号線101と各ゲート信号線102を直交させ、それぞれの交差部位に各画素103を設け、これらの画素103をマトリクス状に配列している。各画素103は、薄膜トランジスタ104(以下TFTと称す)と、このTFT104のドレインに接続された画素容量105及び付加容量106を有する。これらの画素103の画素容量105は、容量配線107を通じて液晶表示装置の対向電極(図示せず)に接続されている。
【0003】
各TFT104は、垂直方向の各列に区別されており、これらの列毎に、1列の各TFT104のソースをソース信号線101に接続している。また、各TFT104は、水平方向の各列に区別されており、これらの列毎に、1列の各TFT104のゲートをゲート信号線102に接続している。
【0004】
ここでは、各走査に同期して、各ゲート信号線102を順次アクティブに設定し、その度に、水平方向1列の各TFT104をオンにしている。また、1列の各TFT104がオンとなる度に、映像信号を各ソース信号線101に割り当てて伝送し、この映像信号を該列の各TFT104の画素容量105に書き込む。これによって、表示画面上の一映像分の映像信号がマトリクス状の全ての各画素容量105に割り当てて書き込まれ、この一映像が表示される。
【0005】
図13は、従来の液晶表示装置における画素を拡大して示している。また、図14は、図13のC’−Cに沿い破断して示す断面図である。
【0006】
図13に示す様に、この液晶表示装置の画素は、TFT104、付加容量電極113及び矩形の画素電極114等を有する。画素電極114の上下両端に沿って、それぞれのゲート信号線102を配置し、画素電極114の左右両端に沿って、それぞれのソース信号線101を配置している。
【0007】
図14から明らかな様に、この液晶表示装置においては、アクティブマトリクス基板116上に、ゲート信号線102並びに付加容量電極113(図14に示さず)を形成し、この上にゲート絶縁膜117を形成する。この後、半導体層118及びチャネル保護層119を形成し、TFT104のソース及びドレインとなるn+Si層120を形成し、ITO膜を成膜してパターニングすることにより、ドレイン信号線112及びソース信号線101を形成する。そして、層間絶縁膜121を積層し、この層間絶縁膜121にコンタクトホール122を形成してから、ITO膜をパターニングしてなる画素電極114を形成し、この画素電極114をコンタクトホール122を介してドレイン信号線112に接続している。更に、この画素電極114上に配向膜123を形成し、この配向膜123にラビング処理を施す。
【0008】
一方、対向基板125の下側面には、感光性カラーレジスト膜126、対向電極127及び配向膜128を順次積層する。
【0009】
最後に、アクティブマトリクス基板116及び対向基板125を対向配置し、これらの間に液晶層124を注入して、この液晶層124を保持する。
【0010】
この様な構成においては、各ソース信号線101並びに各ゲート信号線102と各画素電極114間に、層間絶縁膜121を介在させているので、各信号線101,102と各画素電極114をオーバーラップさせることができ、このために画素の開口率を向上させたり、各信号線に起因する電界を遮蔽して、液晶の配向不良を抑制することが可能となる(特開昭58−172685号公報を参照)。
【0011】
また、対向基板125に感光性カラーレジスト膜126を設ける代わりに、層間絶縁膜121をブラックマスクやカラーフィルタとして併用し、これらをアクティブマトリクス基板116に一体的に形成することができる(特開平6−242433号公報を参照)。この場合、ブラックマスクやカラーフィルタを対向基板125側に設けるのと比較すると、アクティブマトリクス基板116と対向基板125の貼り合わせのときに、アライメント誤差を考慮する必要が無くなり、更には開口率を向上させることも可能となる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、液晶表示装置の各画素のカラーフィルターを形成するには、一般的に、染色法、電着法及び顔料分散法等を適用するが、染色法並びに電着法の場合は、カラーフィルターの耐色性が劣り、色あせが発生し易い。また、顔料分散法の場合は、成膜時にスピン塗布法を適用するため、原材料の無駄が発生し易く、カラーフィルターの低価格化の点で改善の余地がある。
【0013】
更に、アクティブマトリクス基板116の層間絶縁膜121をブラックマスクやカラーフィルターとして併用する場合も、同様のことが言える。その上、画素の全容量(画素容量と付加容量の和)に書き込まれた電位を一定時間(フレーム周期に略相当する)保持せねばならないので、TFT104上にもブラックマトリクスを配置して、このTFT104のフォトコンダクタンスを抑える必要があり、このブラックマトリクスによって層間絶縁膜121に含まれるTFT104の特性が損なわれてはならないことから、この層間絶縁膜121には、カラーフィルター単体のものと比較すると、絶縁性及び非分極特性の点で厳しい性能が求められる。
【0014】
したがって、層間絶縁膜121をブラックマスクやカラーフィルターとして併用する場合は、染色法並びに電着法の適用がより困難であり、顔料分散法を適用するにしても、顔料の選択や顔料によるアクティブマトリクス基板の汚染に対して十分に慎重でなければならない。
【0015】
また、図13に示す様に、画素電極114の縁がゲート信号線102とオーバーラップするので、これらの間の容量による画素容量の電位の引き込みが大きくなる。一方、顔料分散法に基づくスピン塗布法を適用した場合には、層間絶縁膜121の膜厚制御が困難であって、アクティブマトリクス基板116が大型化する程(画面の大型化)、この膜厚制御が極めて困難になり、層間絶縁膜121の膜厚にむらが発生する。そして、この層間絶縁膜121の膜厚の均一性が十分でないと、画素電極114の縁とゲート信号線102間の容量による画素容量の電位の引き込みも均一でなくなって、液晶層の一部分には大きな直流成分が加わり、その部分で表示品位や信頼性を著しく損なう。
【0016】
更に、画素電極114の縁がソース信号線101とオーバーラップする場合は、画素電極114とソース信号線101間の容量が大きくなり、ソース信号線101の映像信号が該容量を通じて画素容量の電位に作用して、この画素容量の電位が変動する。つまり、このソース信号線101に沿ってクロストークが発生し、その結果表示画面上でライン状のノイズが現れる。
【0017】
すなわち、層間絶縁膜121をブラックマスクやカラーフィルターとして併用する場合は、層間絶縁膜121に対して縁性及び非分極特性の点で厳しい性能が求められるために、染色法並びに電着法の適用が非常に困難であって、顔料分散法を適用するしかないものの、この顔料分散法の場合は、層間絶縁膜121の膜厚制御が困難であって、様々な制約を招いた。
【0018】
そこで、この発明は、この様な従来技術の課題を解決するものであって、表示品質の低下を招かずに、層間絶縁膜をブラックマスクやカラーフィルターとして併用することが可能な液層表示装置を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記従来の課題を解決するために、本発明の液晶表示装置は、アクティブマトリクス基板と、このアクティブマトリクス基板に対向配置された対向基板と、アクティブマトリクス基板と対向基板間に介在する液晶層とを備え、アクティブマトリクス基板上に、制御信号を伝送する各ゲート信号線と映像信号を伝送する各ソース信号線を交差させて形成し、これらの信号線の交差部位に各スイッチング素子を割り当ててマトリクス状に配列すると共に、これらの信号線に各スイッチング素子を接続し、各スイッチング素子及び各信号線上に、層間絶縁膜を形成し、この層間絶縁膜上に、各画素電極をマトリクス状に形成した液晶表示装置において、前記層間絶縁膜は、有色有機フィルムのフィルム片を有しており、各フィルム片が、ドライフィルムである有色有機フイルムを前記アクティブマトリクス基板にラミネート法にて貼着して各画素をそれぞれ覆うようにパターニングすることによって形成されていることを特徴とする。
【0020】
この様な構成においては、有色有機フィルムをラミネート法によって貼着して、層間絶縁膜を形成するので、均一な厚みの層間絶縁膜を得ることができる。したがって、層間絶縁膜の厚みのむらに起因する様々な問題が解決される。
【0021】
しかも、アクティブマトリクス基板が大きくなっても、これに合わせて、有色有機フィルムの大きさを変更するだけで良く、層間絶縁膜の厚みの均一性を一切損なわずに済む。
【0022】
これに対して従来の顔料分散法の場合は、先に述べた様にアクティブマトリクス基板が大きくなる程、むらが発生し易く、層間絶縁膜の膜厚制御が困難となる。また、顔料分散法に基づくスピン塗布法では、成膜時に、材料の軟度を確保するために、この材料に一定の水分を含めておく必要があって、成膜後のベーク処理によって、層間絶縁膜が乾燥すると、膜厚が変化してしまう。
【0023】
これに対して、層間絶縁膜として有色有機フィルムを適用すれば、均一な膜厚を容易に実現することができる。また、ドライフィルムであって、微小程度まで重合が進行しているフィルムを適用すれば、バインダ含有量を小さくしておけることから、ベーク処理を施しても、膜厚が殆ど変化せずに済む。
【0024】
前記有色有機フィルムは、感光性を有し、この有色有機フィルムをラミネート法によって貼着してから、露光及び現像によって該有色有機フィルムをパターニングすることにより前記各フィルム片が形成されている。
【0025】
この場合、製造工程が簡単であって、量産性に優れ、コストの低減を図ることができる。
【0026】
前記有色有機フィルムは、非感光性であり、この有色有機フィルムをラミネート法によって貼着してから、フォトレジストの形成、露光及び現像、この有色有機フィルムのエッチングによって該有色有機フィルムをパターニングすることにより前記各フィルム片が形成されている。
【0027】
この場合は、工程数が多いものの、有色有機フィルムを高精度で加工することが可能となる。
【0028】
この発明の有色有機フィルムをラミネート法によって貼着してからパターニングする方法と、従来の顔料分散法に基づくスピン塗布法を比較すると、従来の場合は、樹脂材料を極めて広い範囲で塗布し、この塗布した樹脂材料のうち層間絶縁膜としてアクティブマトリクス基板上に残されるものの割合が少なく、製造コストが高いのに対して、この発明の場合は、無駄となる材料が少なく、製造コストを低くすることができる。
【0029】
前記有色有機フィルムは、原色にそれぞれ着色された複数の透過性有機フィルムによって構成されており、原色の透過性有機フィルム毎に、ラミネート法による前記アクティブマトリクス基板への貼着とその後のパターニングとをそれぞれ繰り返すことによって前記フィルム片が形成されている。
【0030】
有色有機フィルムの各原色フィルム片は、カラーフィルターとしての役目を果たし、各透過性有機フィルムをラミネート法によって貼着してからパターニングして形成される。
【0031】
前記層間絶縁膜は、前記フィルム片が配置されていない部分に設けられた遮光性フィルム片を更に含み、これらの遮光性フィルム片は、遮光性を有する遮光性有機フィルムをラミネート法によって前記アクティブマトリクス基板に貼着してからパターニングすることにより形成されている。
【0032】
これらの遮光性フィルム片は、ブラックマトリクスとしての役目を果たす。例えば、有色有機フィルムの各原色フィルム片は、各画素の境界(例えば各ソース信号線の上方)で境目を有しており、この境目のパターニングの精度が十分でなかったり、各原色フィルム片の縁のテーパー角度制御が困難なときには、この境目で、層間絶縁膜の厚さを十分に確保することができず、光漏れを生じることがある。この様な場合には、各原色フィルム片の境目に各遮光性フィルム片を配置する。
【0033】
なお、請求項5に記載の様に、各原色フィルム片の境目に各遮光性フィルム片を配置する代わりに、各原色フィルム片を各画素の境界で重ね合わせても構わない。この場合、異なる各色に着色された各原色フィルム片を重ねるので、これらの原色フィルム片が重なる部分に遮光性を生じ、各画素の境界で光漏れを生じない。
【0034】
直視透過型の液晶表示装置においては、各原色フィルム片を赤、緑、青に着色し、これらの原色フィルム片を各画素に重ね、これらの画素を除く部分に各遮光フィルム片を重ねる。また、反射型液晶表示装置、もしくは補色を用いる必要がある場合は、赤、緑、青の代わりに、各原色フィルム片をシアン、マゼンダ、イエローに着色する。また、例えば3枚の液層ライトバルブを用いたプロジェクション表示装置においても、シアン、マゼンダ、イエローを採用し、3枚の液層ライトバルブ毎に、有色有機フィルムを単色の透過性有機フィルムから形成するか、又は有色有機フィルムを単色の透過性有機フィルム及び遮光性フィルムから形成する。
【0035】
前記遮光性有機フィルムが感光性を有し、ラミネート法によって前記アクティブマトリクス基板に貼着された該遮光性有機フィルムが、該アクティブマトリクス基板に対する表面からのパターン露光を行った後に、裏面からの一括露光を施して現像することにより前記遮光性フィルム片が形成されていることを特徴とする液晶表示装置。
【0036】
アクティブマトリクス基板の裏面からの一括露光によって、光漏れを生じる全ての部分で、各遮光性フィルムを形成することができる。
【0038】
前記フィルム片上に、感光性を有するオーバーコートフィルムが設けられており、該オーバーコートフィルムが、前記アクティブマトリクス基板上に、ラミネート法によって貼着されて、露光及び現像によるパターニングによって形成されている。
【0039】
この場合、製造工程が簡単であって、量産性に優れ、コストの低減を図ることができる。
【0040】
前記フィルム片上に非感光性のオーバーコートフィルムが設けられており、該オーバーコートフィルムが、前記アクティブマトリクス基板上に、ラミネート法によって貼着されて、フォトレジストの形成、露光及び現像、エッチングによるパターニングによって形成されている。
【0041】
この場合は、工程数が多いものの、各有機フィルムを高精度で加工することが可能となる。
【0042】
このオーバーコートフィルムは、層間絶縁膜上に形成されるので、この層間絶縁膜の凹凸を覆い隠し、その表面が平滑となる。このため、オーバーコートフィルム上の画素電極が切れ難くなって、不良の発生率が低減する。
【0043】
また、層間絶縁膜は、カラーフィルター及びブラックマトリクスとしての役目ばかりでなく、絶縁膜としての役目を十分に果たし、画素電極と、各ソース信号線及び各ゲート信号線間の容量を十分に減少させる。
【0044】
前記フィルム片並びに前記オーバーコートフィルムを形成してから、フォトレジストの形成、露光及び現像、前記フィルム片並びに前記オーバーコートフィルムのエッチングによって、前記画素電極と前記スイッチング素子とを接続するコンタクトホールが形成されている。
【0045】
前記フィルム片並びに前記オーバーコートフィルムを形成してから、ベーク処理を施し、この後にフォトレジストの形成、露光及び現像、前記フィルム片並びに前記オーバーコートフィルムのエッチングによって、前記画素電極と前記スイッチング素子とを接続するコンタクトホールが形成されている。
【0046】
この様にベーク処理を施してからオーバーコートフィルムのエッチングを施すと、有色有機フィルムのベーク処理が事前に行われていても、有色有機フィルムとオーバーコートフィルム間でエッチングレートの差を小さくすることができる。
【0047】
また、コンタクトホールを付加容量の付加容量電極に重なる部位に設けるのが好ましい。このコンタクトホールの部位では、カラーフィルター及びブラックマトリクスの機能が果たされないので、このコンタクトホールを通過する光は、表示画面の表示を損なう。このため、この光を付加容量電極によって遮断する。また、液晶層に接する面には、コンタクトホールを原因とする凹凸が形成され、この凹凸によって液晶分子の配列が乱され、リバースティルトドメインが発生するものの、このドメインの発生部分が付加容量電極によって覆い隠されるので、このドメインの発生部分が表示画面上で視認されることはなく、この表示画面のコントラストが低下せずに済む。
【0048】
コンタクトホールのテーパー角度を45度以下に設定すれば、層間絶縁膜の表面が滑らかとなるので、画素電極が切れ難くなる。
【0049】
前記コンタクトホールの内周壁をオーバーコートフィルムによって覆えば、コンタクトホールの内周壁を滑らかにすることができる。
【0050】
前記コンタクトホールの内周壁に、前記フィルム片の端面、及び前記オーバーコートフィルムの端面が露出しても良い。ただし、この場合は、各フィルムの端面間で段差が生じない様にする。
【0051】
請求項18に記載の様に、画素電極とソース信号線をオーバーラップさせ、このオーバーラップの幅を1μm以上に設定し、ゲート信号線に沿って配列された1列の各スイッチング素子に対して各ソース信号線の映像信号が供給されると、次のゲート信号線に沿って配列された1列の各スイッチング素子に対しては各ソース信号線の映像信号の極性を反転して供給し、各ゲート信号線毎に、各ソース信号線の映像信号の極性を繰り返して反転しても良い。
【0052】
この場合は、画素電極とソース信号線間の容量を通じて、ソース信号線の映像信号が画素容量の電位に作用したとしても、この映像信号の極性が頻繁に変わるので、画素容量の電位の変動が緩和される。つまり、このソース信号線に沿って発生するクロストークが抑制される。
【0053】
請求項19に記載の様に、中間調表示での画素電極による画素容量と付加容量電極による付加容量の和に対する該画素電極とソース信号線間の容量の割合が10パーセント以下であると、先のクロストークの影響が緩和され、良好な表示品質が得られる。
【0054】
前記層間絶縁膜の厚さが2μm以上であれば、先の画素容量と付加容量の和に対する該画素電極とソース信号線間の容量の割合を10パーセント以下に収めることができる。
また、本発明の液晶表示装置は、アクティブマトリクス基板と、このアクティブマトリクス基板に対向配置された対向基板と、アクティブマトリクス基板と対向基板間に介在する液晶層とを備え、アクティブマトリクス基板上に、制御信号を伝送する各ゲート信号線と映像信号を伝送する各ソース信号線を交差させて形成し、これらの信号線の交差部位に各スイッチング素子を割り当ててマトリクス状に配列すると共に、これらの信号線に各スイッチング素子を接続し、各スイッチング素子及び各信号線上に、層間絶縁膜を形成し、この層間絶縁膜上に、各画素電極をマトリクス状に形成した液晶表示装置において、前記層間絶縁膜が、ドライフィルムである有色有機フィルムのフィルム片と、該フィルム片上に設けられたオーバーコートフィルムとからなり、前記有色有機フィルムが、異なる原色にそれぞれ着色された複数の透過性有機フィルムによって構成されており、各透過性有機フィルム毎に、ラミネート法による前記アクティブマトリクス基板への貼着とその後の各画素をそれぞれ覆うようにパターニングすることとをそれぞれ繰り返すことによって前記フィルム片が形成されており、前記オーバーコートフィルムが、前記有色有機フィルム上にラミネート法によって貼着してから、フォトレジストの形成、露光及び現像、エッチングによるパターニングによって形成されていることを特徴とする。
【0055】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態を添付図面を参照して説明する。
【0056】
図1は、この発明の液晶表示装置の第1実施形態における画素を拡大して示している。また、図2は、図1のA’−Aに沿い破断して示す断面図である。この様な液晶表示装置をその製造方法と共に次ぎに述べる。
【0057】
まず、アクティブマトリクス基板1に、ゲート信号線2並びに付加容量電極3を形成し、この上にゲート絶縁膜4を形成する。この後、半導体層5及びチャネル保護層6を形成し、TFT7のソース及びドレインとなるn+Si層8を形成する。
【0058】
これまでの製造工程は、図13及び図14に示す従来のものと同様である。
【0059】
引き続いて、金属層及びITO膜をスパッタ法によって形成し、これらをパターニングすることにより、ドレイン信号線12及びソース信号線13を形成する。ソース信号線13を金属層及びITO膜の二重構造にすることによって、金属層及びITO膜のいずれか一方に欠損があっても、この欠損を他方によって補うことができるので、このソース信号線13の断線率を低下させることができる。
【0060】
次に、図3に示すDFL法による製造工程に従って、層間絶縁膜、つまり有色有機フィルム14を構成する赤色フィルム片14R、緑色フィルム片14G、青色フィルム片14Blue、及び遮光性フィルム片14Blackを順次形成する。
【0061】
まず、図3(a)に示す様に、ドライフィルムであって、赤色の顔料が分散され、感光性(ネガ型)を有する厚さ3μmの透過性有機フィルム21をラミネート法によって貼着し、保護フィルム22を剥離してから、赤色を表示する画素からコンタクトホール16及びTFT7を除いた部分だけを露光し、クッション層23を現像して、この赤色の透過性有機フィルム21をアルカリ性の溶液によって現像し、赤色の画素を覆う赤色フィルム片14Rを形成し、250℃でベーク処理を施す。
【0062】
ここでは、有色有機フィルム14の厚みが3μm(後で述べる様に少なくとも2μm以上を必要とする)に設定されている。また、画素電極15を形成するITO膜がコンタクトホール16の段差部分で切れ易いので、このコンタクトホール16のテーパー角度を45度となる様に制御し、このコンタクトホール16の内周面を緩やかなテーパー形状にしている。これによって、後で形成される画素電極15がコンタクトホール16の段差部位で切れない様にしている。
【0063】
また、ベーク処理は、フォトリソグラフィー法によるパターニングのときに、十分に重合しきれなかった反応基を熱重合させて、液晶表示装置の表示中に有色有機フィルム14から不純物が液晶層や半導体層に溶出して、故障や表示品位の低下を招かない様にする意味合いがあるほか、焼き締めの効果によって、有色有機フィルム14と下地の密着性を増す狙いがある。250℃のベーク処理では、顔料の退色も殆どなく、a−Siに対する影響もない。
【0064】
引き続いて、図3(b)に示す様に、感光性を有する厚さ3μmの緑色の透過性有機フィルムをラミネート法によって貼着し、保護フィルムを剥離してから、緑色を表示する画素からコンタクトホール16及びTFT7を除いた部分だけを露光し、クッション層を現像し、この緑色の透過性有機フィルムをアルカリ性の溶液によって現像し、緑色の画素を覆う緑色フィルム片14Gを形成し、ベーク処理を施す。
【0065】
同様に、図3(c)に示す様に、感光性を有する厚さ3μmの青色の透過性有機フィルムをラミネート法によって貼着し、保護フィルムを剥離し、露光及び現像を行って、青色の画素を覆う青色フィルム片14Blueを形成し、ベーク処理を施す。
【0066】
更に、図3(d)に示す様に、黒色の顔料が分散され、感光性を有する厚さ3μmの遮光性有機フィルムをラミネート法によって貼着し、保護フィルムを剥離し、各色のフィルム片が配置されておらず、かつ下方に金属膜が配置されていない部分、及びTFT7の部分を露光し、クッション層を現像し、この遮光性有機フィルムをアルカリ性の溶液によって現像し、黒色の遮光性フィルム片14Blackを形成する。
【0067】
ここで、TFT7の部分に、遮光性フィルム片14Blackを配置するのは、上方からの入射光がTFT7に達し、光励起によって、このTFT7のオフ電流が増加し、画素電極による電荷の保持が悪化するのを防止するためである。
【0068】
また、各色のフィルム片が配置されておらず、かつ下方に金属膜が配置されていない部分への露光は、アクティブマトリクス基板1の裏面から露光することによりなされ、この部分に遮光性フィルム片14Blackを配置するのは、この部分から表示画面への光漏れを防止するためである。この場合、アクティブマトリクス基板1の表側にマスクを被せて露光するのと比較すると、遮光性フィルム片14Blackのパターニングを高精度で行うことができ、遮光性フィルム片14Blackの占有範囲を無駄に拡げずに、光漏れを確実に防止することができる。また、各色のフィルム片に欠陥があっても、この欠陥にも整合して遮光性フィルム片14Blackが形成されるので、この欠陥が視認し難くなる。
【0069】
ただし、各色のフィルム片に既に形成されている各コンタクトホール16には、遮光性フィルム片14Blackを配置してはならない。
【0070】
また、各色のフィルム片が配置されておらず、かつ下方に金属膜が配置されている部分にも、遮光性フィルム片14Blackを配置しても構わない。この場合は、各色のフィルム片が配置されていない部分の凹みを遮光性フィルム片14Blackによって覆うことになるので、有色有機フィルム14の凹凸を抑制することができ、これによって液晶層19に接する面を滑らかにすることができ、液晶分子の配列の乱れによるリバースティルトドメインを抑制することができる。
【0071】
また、金属膜であるソース信号線13を遮光性フィルム片14Blackによって覆うと、ソース信号線13の光反射率が高くても、このソース信号線13による光反射が遮光性フィルム片14Blackによって遮られるので、表示画面の反射率を抑制して、表示品位を向上させることができる。
【0072】
この遮光性フィルム片14Blackを形成するための露光は、ソース信号線13よりもやや狭い範囲で行い、露光されなかった残りの部分に対しては、アクティブマトリクス基板1の裏面からの露光で補えば、ソース信号線13を覆う遮光性フィルム片14Blackを高精度で形成することができる。
【0073】
どの様な方法にしろ、ソース信号線13を覆う遮光性フィルム片14Blackが大きくても、画素の開口率に大きな影響を与えないので、ソース信号線13を覆う遮光性フィルム片14Blackを形成するための表面からの露光のパターン制御は容易である。
【0074】
更に、ソース信号線13をITO等の透明導電膜によって形成した場合は、アクティブマトリクス基板1の裏面からの露光のみによって、ソース信号線13を覆う遮光性フィルム片14Blackを形成することができる。
【0075】
なお、各色のフィルム片の隙間については、遮光性フィルム片14Blackを配置する代わりに、各色のフィルム片の縁を相互に重ね合わせることによって、遮光を行っても良い。各色のフィルム片が透過光の分光スペクトルとして異なるそれぞれのピークを有し、これらの色の純度が十分な場合は、2色のフィルム片が重なり合う部分の透過率が極めて低く、この部分に十分な遮光性を得ることができる。また、2つのフィルム片の縁は、ソース信号線13の上方で重なり合って、この部分のみで層間絶縁膜が十分に厚くなるので、ソース信号線13と画素電極15が十分に離間し、画素部分の透過率を低下させることなく、後に述べるソース信号線13と画素電極15間のクロストークを低く抑えることができる。
【0076】
こうして有色有機フィルム14を形成すると、図3(e)に示す様に有色有機フィルム14を検査し、図3(f)に示す様に洗浄及び再度のベーク処理を施す。
【0077】
この後、ITO膜をスパッタ法によって形成し、このITO膜をパターニングしてなる画素電極15を形成し、この画素電極15をコンタクトホール16を介してドレイン信号線12に接続する。
【0078】
画素電極15の縁は、ソース信号線13にオーバーラップしており、その幅が1μmである。これによって、画素電極15の面積が増大し、画素の開口率が向上する。また、画素電極15は、ソース信号線13に起因する電界を遮蔽して、液晶の配向不良を抑制する。
【0079】
更に、この画素電極15上に配向膜(図示せず)を形成し、この配向膜にラビング処理を施す。
【0080】
一方、対向基板17の下側面には、対向電極18及び配向膜(図示せず)を順次積層する。
【0081】
最後に、アクティブマトリクス基板1及び対向基板17を対向配置し、これらの間に液晶層19を注入して、この液晶層19を保持する。
【0082】
この様に第1実施形態においては、各透過性有機フィルム及び遮光性有機フィルムをラミネート法によって貼着し、これらの有機フィルムをパターニングすることによって、各フィルム片からなる有色有機フィルム14を形成するので、表示画面の大きさにかかわらず、この有色有機フィルム14の膜厚制御を簡単に行うことができ、層間絶縁膜の厚みのむらに起因する様々な問題が解決される。
【0083】
また、各有機性フィルムとして感光性を有するものを適用しているので、製造工程が簡単であって、量産性に優れ、コストの低減を図ることができる。
【0084】
更に、各有機性フィルムとして、厚さ3μmのものを適用しているので、有色有機フィルム14本来の層間絶縁膜としての特性、つまり絶縁性及び非分極特性を損なうことがない。
【0085】
次に、図1及び図2に示す液晶表示装置を製造するための他の方法を述べる。この他の製造方法では、先に述べた製造方法とは有色有機フィルム14の形成工程のみが異なり、他の工程は全く同様であるため、有色有機フィルム14の形成工程のみを説明する。
【0086】
この有色有機フィルム14は、赤色フィルム片14R、緑色フィルム片14G、青色フィルム片14Blue、及び遮光性フィルム片14Blackから構成される。
【0087】
まず、赤色の顔料が分散され、厚さ3μmの透過性有機フィルムをラミネート法によって貼着する。この透過性有機フィルムは、非感光性である。このため、この透過性有機フィルム上にフォトレジストを形成してから、赤色を表示する画素からコンタクトホール16及びTFT7の部分を除いた部分だけを露光して、このフォトレジストを現像し、この後に透過性有機フィルムにエッチング処理を施して、この透過性有機フィルムをパターニングし、赤色の画素を覆う赤色フィルム片14Rを形成する。そして、赤色フィルム片14Rに対してベーク処理を施して、この赤色フィルム片14Rを固着させる。
【0088】
引き続いて、厚さ3μmの緑色の透過性有機フィルムをラミネート法によって貼着し、この透過性有機フィルム上にフォトレジストを形成し、この後に緑色を表示する画素からコンタクトホール16及びTFT7の部分を除いた部分だけを露光して、このフォトレジストを現像し、この後に透過性有機フィルムにエッチング処理を施して、この透過性有機フィルムをパターニングし、緑色の画素を覆う緑色フィルム片14Gを形成する。
【0089】
同様に、厚さ3μmの青色の透過性有機フィルムをラミネート法によって貼着し、フォトレジストの形成、露光及び現像を行い、この後に透過性有機フィルムのエッチング処理を行って、青色の画素を覆う青色フィルム片14Blueを形成する。
【0090】
更に、黒色の顔料が分散され、厚さ3μmの遮光性有機フィルムをラミネート法によって貼着し、この遮光性有機フィルム上にフォトレジストを形成し、この後に各色のフィルム片が配置されておらず、かつ下方に金属膜が配置されていない部分、及びTFT7の部分を露光して、このフォトレジストを現像し、この後に遮光性有機フィルムにエッチング処理を施して、この遮光性有機フィルムをパターニングし、黒色の遮光性フィルム片14Blackを形成する。
【0091】
この様に非感光性の各有機性フィルムを用いる製造方法の場合、各有機性フィルムのパターニングの度に、フォトレジストの形成、露光及び現像を行う必要があるので、工程数が増加するものの、各有機性フィルムのパターニングを高精度で行うことができる。このため、画素の高い開口率を確実に維持しつつ、この画素を高精度で形成することができる。これに対して、先に述べた感光性の各有機性フィルムを用いる製造方法の場合は、顔料を分散した各有機性フィルムに対して直接露光するので、高い解像度を望むことができず、各有機性フィルムのパターニングの精度が劣る。
【0092】
図4は、この発明の液晶表示装置の第2実施形態における画素を破断して示す断面図である。
【0093】
この液晶表示装置では、層間絶縁膜として、図1及び図2に示す液晶表示装置における有色有機フィルム14の代わりに、有色有機フィルム31並びにオーバーコートフィルム32を適用している。また、この液晶表示装置の製造方法は、先に述べた各製造方法とは有色有機フィルム31及びオーバーコートフィルム32の形成工程のみが異なり、他の工程は全く同様であるため、有色有機フィルム31及びオーバーコートフィルム32の形成工程のみを説明する。
【0094】
有色有機フィルム31は、赤色フィルム片31R、緑色フィルム片31G、青色フィルム片31Blue、及び遮光性フィルム片31Blackから構成される。
【0095】
まず、赤色の顔料が分散され、感光性を有する厚さ1.5μmの透過性有機フィルムをラミネート法によって貼着し、赤色を表示する画素からコンタクトホール33及びTFT7の部分を除いた部分だけを露光して、この赤色の透過性有機フィルムをアルカリ性の溶液によって現像し、赤色の画素を覆う赤色フィルム片31Rを形成し、ベーク処理を施す。
【0096】
同様に、感光性を有する厚さ1.5μmの緑色の透過性有機フィルムをラミネート法によって貼着し、露光及び現像を行って、緑色の画素を覆う緑色フィルム片31Blueを形成し、ベーク処理を施し、更に、感光性を有する厚さ1.5μmの青色の透過性有機フィルムをラミネート法によって貼着し、露光及び現像を行って、青色の画素を覆う青色フィルム片31Blueを形成し、ベーク処理を施す。
【0097】
また、黒色の顔料が分散され、感光性を有する厚さ1.5μmの遮光性有機フィルムをラミネート法によって貼着し、各色のフィルム片が配置されておらず、かつ下方に金属膜が配置されていない部分、及びTFT7の部分を露光して、この遮光性有機フィルムをアルカリ性の溶液によって現像し、黒色の遮光性フィルム片31Blackを形成し、ベーク処理を施す。
【0098】
こうして有色有機フィルム31を形成してから、感光性を有する厚さ1.5μmの透明なオーバーコートフィルム32をラミネート法によって貼着し、各画素のコンタクトホール33を除いた部分だけを露光して、このオーバーコートフィルム32をアルカリ性の溶液によって現像してパターニングし、ベーク処理を施す。
【0099】
なお、各有機フィルム及びオーバーコートフィルム32として、感光性を有するものの代わりに、非感光性のものを適用しても構わない。この場合は、各有機性フィルム及びオーバーコートフィルム32のパターニングの度に、フォトレジストの形成、露光及び現像を行う必要があるので、工程数が増加するものの、各有機性フィルム及びオーバーコートフィルム32のパターニングを高精度で行うことができる。
【0100】
また、各有機性フィルム及びオーバーコートフィルム32のパターニングの度に、各コンタクトホール33を逐一形成せず、この代わりに、各フィルム片31R,31G,31Blue,31Black、及びオーバーコートフィルム32を形成した後に、各フィルム片及びオーバーコートフィルム32を同時に貫く各コンタクトホール33を一括形成しても良い。この場合、少なくともオーバーコートフィルム32には非感光性のものを適用し、このオーバーコートフィルム32のパターニングをフォトレジストを用いて行えば、各コンタクトホール33を高精度に形成することができる。このとき、各有機性フィルム及びオーバーコートフィルム32のエッチング溶液として、両者間のエッチングレートが同等のものを適用すれば、コンタクトホール33の内周壁において、有機性フィルムの端面とオーバーコートフィルム32の端面が滑らかにつながり、この内周壁の面に段差を生ぜずに済む。また、ベーク処理が既に施された各フィルム片上にオーバーコートフィルム32を形成するのであれば、同等のエッチングレートをオーバーコートフィルム32に与えるために、オーバーコートフィルム32の成膜後にベーク処理を施してから、フォトレジストの形成、露光及び現像、エッチング処理を行って、各コンタクトホール33を形成する。
【0101】
ところで、有色有機フィルム31として厚さ1.5μmの薄いものを適用し、この有色有機フィルム31に、厚さ1.5μmのオーバーコートフィルム32を重ねて、有色有機フィルム31並びにオーバーコートフィルム32からなる層の厚さを3.0μmに設定した場合、次の様な優位性がある。
【0102】
例えば、先に述べた様に厚さ3.0μmの有色有機フィルム14を形成する場合、各透過性有機フィルム及び遮光性有機フィルムを順次貼着してパターニングするに際し、2番目以降の有機フィルムについては、既に形成されている各フィルム片の段差に対して、気泡をかませることなく、数μmの近傍まで密着させねばならず、これが極めて困難であって、有色有機フィルム14の剥がれや、この剥がれを原因とする画素電極15とソース信号線13間の信号漏れ、あるいは光漏れが発生する可能性が高まる。
【0103】
これに対して、厚さ1.5μmの薄い有色有機フィルム31を形成する場合、既に形成されている各フィルム片の段差が小さくなるので、2番目以降の有機フィルムを該各フィルム片の段差に対して密着させ易くなる。
【0104】
また、各透過性有機フィルムのパターニングの精度を考えると、各フィルム片31R,31G,31Blue,31Blackの境界部分を平坦にすることは困難であるが、これらの上にオーバーコートフィルム32を積層すれば、その表面が平坦化されるので、オーバーコートフィルム32上の画素電極15が切れ難くなって、不良の発生率が低減する。更に、液晶層に接する面も平坦化されるので、液晶分子の配列の乱れを抑制して、リバースティルトドメインを軽減することができ、このドメインを原因とする表示不良を防止することができる。
【0105】
一方、コンタクトホール33の内周は、先にも述べた様に画素電極15が切れない様に、緩やかなテーパー形状にする必要がある。ここでは、コンタクトホール33を有色有機フィルム31並びにオーバーコートフィルム32に形成しているので、コンタクトホール33の断面構造として、図5(a),(b),(c)に示す様な3つの構造が考えられる。
【0106】
図5(a)に示す様に有色有機フィルム31の端面とオーバーコートフィルム32の端面を滑らかにつなげるのが理想的であるが、製造上、うまくいくとは限らない。少なくとも図5(b)に示す様に両者の端面が上方で拡がってさえいれば、画素電極15の切れを招かずに済む。しかしながら、図5(b)の場合は、コンタクトホール33の開口部が大きくなり過ぎ、このコンタクトホール33の部位で、液晶層19に接する面に大きな凹凸が発生して、液晶分子の配列の乱れによるリバースティルトドメインの領域が拡がってしまう。この様なことから、図5(c)に示す様な構造が好ましい。ここでは、有色有機フィルム31の開口径をオーバーコートフィルム32の開口径よりも十分に小さくし、有色有機フィルム31の端面をオーバーコートフィルム32によって覆っている。この場合、コンタクトホール33の内周をテーパー形状に形成するには、オーバーコートフィルム32のパターニングのみを制御すれば良く、コンタクトホール33の内周に不連続点を生じ得ない。
【0107】
図6は、この発明の液晶表示装置の第3実施形態における画素を拡大して示している。この第3実施形態の装置においては、図1の装置と比較すると、コンタクトホール16の位置が異なり、このコンタクトホール16を付加容量電極3に重なる部位に形成し、画素電極15をコンタクトホール16を介してドレイン信号線12に接続している。
【0108】
なお、この第3実施形態の画素の断面構造は、コンタクトホールの部位を除いて、図2又は第4図に示すものと同様である。
【0109】
ここでは、層間絶縁膜の膜厚が3μmであるから、このコンタクトホール16の深さも3μmあり、液晶のセルの厚みを4.5μmとしても、このコンタクトホール16の深さを無視することはできず、このコンタクトホール16の部位で液晶層19に接する面に凹凸が形成されると、液晶分子の配列の乱れによるリバースティルトドメインが発生する。このため、少なくともコンタクトホール16の開口部全体(内周面を含む)を付加容量電極3に重ねて、このコンタクトホール16付近のリバースティルトドメインの領域を覆い隠している。
【0110】
このリバースティルトドメインの領域においては、液晶分子の配列の乱れているので、光漏れが生じ、表示画面上の色彩の鮮度が低下する。付加容量電極3は、このリバースティルトドメインの領域の光漏れを遮蔽する。
【0111】
図7は、図6の実施形態の変形例を示している。ここでは、隣の画素のゲート信号線2を付加容量電極として併用しており、このゲート信号線2に、コンタクトホール16を重ねて形成し、画素電極15をコンタクトホール16を介してドレイン信号線12に接続している。この場合は、ゲート信号電極2によって、コンタクトホール16付近の光漏れが遮蔽される。
【0112】
ところで、上記各実施形態においては、層間絶縁膜の厚さを3μmに設定しているが、この層間絶縁膜の厚さは、少なくとも2μmが好ましく、その必要性を次に説明する。
【0113】
まず、ソース信号線13と画素電極15をオーバーラップさせているため、これらの間では電界の作用しない液晶部分がなく、かつソース信号線13に遮光性のものを適用すれば、各画素電極15間が遮光されるので、各画素電極15間に遮光幕を配置せずに済み、この結果画素の開口率が向上することは周知である。
【0114】
しかしながら、この様なオーバーラップの製造プロセス上のバラツキを見込むと、このオーバーラップの幅として少なくとも1μmを必要とし、これがソース信号線13と画素電極15間の容量を大きくして、両者間のクロストークが大きくなり、表示品位の低下を招く。
【0115】
特に、ノート型パーソナルコンピュータ用の液晶表示装置においては、各画素を縦方向にストライプ状に配列することが多く、各画素がソース信号線に沿って長い長方形となるため、ソース信号線と画素電極間の容量が極めて大きくなり、両者間のクロストークを原因とする表示品位の低下を無視することができない。
【0116】
この様なソース信号線と画素電極間のクロストークの影響を低減するには、層間絶縁膜を十分に厚くして、両者間の容量を小さくするだけでなく、各ソース信号線の映像信号の極性を頻繁に反転すれば良い。すなわち、ゲート信号線に沿って配列された1列の各スイッチング素子に対して各ソース信号線の映像信号が供給されると、次のゲート信号線に沿って配列された1列の各スイッチング素子に対しては各ソース信号線の映像信号の極性を反転して供給し、各ゲート信号線毎に、各ソース信号線の映像信号の極性を繰り返して反転する(以下1H反転と称す)。図8は、この映像信号線Sを模式的に示す。
【0117】
図9のグラフは、1H反転を行ったときのソース信号線と画素電極間の容量に対する両者間の充電率特性Aを示しており、この特性Aと比べるために、表示画面の各フィールド毎に、各ソース信号線の映像信号を反転させたときの(以下フィールド反転と称す)ソース信号線と画素電極間の容量に対する充電率特性Bを示している。
【0118】
このグラフにおいて、縦軸は、表示画面に中間調を表示したときの中間調の表示部での充電率と、図10に示す様な表示画面34に中間調を背景とする縦方向における占有率33パーセントの黒のウインドーパターンを表示したときの中間調の表示部での充電率との差を比率で示し、横軸は、次式(1)に示す容量比を示し、ソース信号線と画素電極間の容量に起因する画素電極の電圧変動に比例する量を示す。
【0119】
容量比=Csd/(Csd+Cls+Cs)≒Csd/(Cls+Cs) ……(1)
ただし、Csd;ソース信号線と画素電極間の容量
Cls;画素容量(透過率50パーセントの中間調表示)
Cs;付加容量
このグラフから明らかな様に、1H反転を行ったときは、フィールド反転のときよりも、表示画面の表示パターンの変化に対するソース信号線と画素電極間の充電率の変動が小さく、この変動が1/5〜1/10程度に低減されている。これは、1H反転を行ったときは、フィールド反転のときよりも、十分に短い周期で映像信号の極性が反転され、+極性の映像信号と−極性の映像信号による双方の表示への影響がキャンセルされるためである。
【0120】
一方、対角線上の長さが26cmのVGA表示装置では、図9のグラフに示す充電率差が0.6パーセント以上で、クロストークが顕著になり、表示品位を損なうことが判明した。このため、上式(1)の容量比は、略10パーセント以下が好ましい。
【0121】
このVGA表示装置において、層間絶縁膜の厚さをパラメータとして、ソース信号線と画素電極のオーバーラップの幅に対する上式(1)の容量比の変化特性を計算して求めたので、これを図11のグラフに示す。
【0122】
なお、ここでは、層間絶縁膜の比誘電率として、オーバーコートフィルムの比誘電率3.4を適用している。有色有機フィルムの比誘電率は、4.5程度であり、これについても同様の計算を試みたが、ほぼ同じ結果を得たので、比誘電率3.4の場合のみついて述べる。
【0123】
ここで、加工精度を考慮すると、ソース信号線と画素電極のオーバーラップの幅を少なくとも1μmに設定する必要があり、また表示品位を保つための先の充電率差0.6パーセント未満を実現するには、上式(1)の容量比を略10パーセント以下に設定せねばならないので、図11のグラフから明らかな様に、層間絶縁膜の厚さを2.0μm以上に設定する必要がある。
【0124】
すなわち、層間絶縁膜として、有色有機フィルム及びオーバーコートフィルムを適用し、ソース信号線と画素電極のオーバーラップの幅を1μmに設定した場合は、表示品位を保つために、層間絶縁膜の厚さを2μm以上に設定する必要がある。
【0125】
なお、この条件を満たせば、実際上、ソース信号の映像信号の極性を頻繁に反転しなくても、表示画面に縦のクロストークの認められない良好な表示を実現することができる。
【0126】
また、1H反転を行いつつ、ソース信号線の映像信号の反転周期に同期させて、対向電極19を交流電圧(振幅5V)で駆動して、容量比に対する充電率差を求めたので、この特性Cを図9のグラフに示す。この交流駆動の場合、ソース信号線の映像信号の振幅を小さく抑えらえると言う利点がある。この交流駆動によれば、直流駆動の特性Aと比較して、充電率差が10パーセント程度大きくなるものの、フィールド駆動と比較すれば、充電率差が十分に小さくなっており、表示画面に縦のクロストークの認められない良好な表示を実現することができる。
【0127】
【発明の効果】
以上説明した様に、この発明によれば、有色有機フィルムをラミネート法によって貼着して、層間絶縁膜を形成するので、均一な厚みの層間絶縁膜を得ることができる。したがって、層間絶縁膜の厚みのむらに起因する様々な問題が解決される。
【0128】
また、従来の顔料分散法に基づくスピン塗布法と比較すると、従来の場合は、樹脂材料を極めて広い範囲で塗布し、この塗布した樹脂材料のうち層間絶縁膜としてアクティブマトリクス基板上に残されるものの割合が少なく、製造コストが高いのに対して、この発明の場合は、無駄となる材料が少なく、製造コストを低くすることができる。
【0129】
具体的には、従来の顔料分散法に基づくスピン塗布法の場合は、樹脂材料のうちの90パーセント以上を廃棄するのに対して、この発明の場合は、ラミネートを行うときに仮止めされるフィルム部分や切り取られるフィルムの端部を除いて殆ど利用され、また貼着領域に応じてフィルムの大きさを変更すれば良いので、フィルムの有効利用率が極めて高くなる。
【0130】
また、従来の顔料分散法に基づくスピン塗布法の場合は、ベーク処理後の膜厚が3.5μm±8.5パーセントであるのに対して、この発明の場合は、ベーク処理後のフィルムの厚さが3.5μm±3.5パーセント程度であって、最大でも±5.0パーセントに留まり、層間絶縁膜の厚さのバラツキを小さく抑えることができる。
【0131】
また、従来の顔料分散法に基づくスピン塗布法の場合は、層間絶縁膜の膜厚制御が困難であって、この層間絶縁膜の膜厚にむらが発生し、画素電極とゲート信号線の容量による画素容量の電位の引き込みも均一でなくなって、液晶層の一部分には大きな直流成分が加わり、その部分で表示品位や信頼性を著しく損なった。これに対して、この発明の場合は、層間絶縁膜がフィルムであって、その厚さが均一なため、画素容量の電位の引き込みに基づく表示品位や信頼性の低下を十分に改善することができる。
【0132】
更に、従来の対向基板側にカラーフィルターを設ける方法や顔料分散法に基づくスピン塗布法の場合と比較して、この発明の製造方法は、工程数の格別な増加が認められない。
【0133】
また、この発明において、感光性のフィルムを適用した場合は、製造工程が簡単であって、量産性に優れ、コストの低減を図ることができる。
【0134】
あるいは、フィルムを貼着してから、フォトレジストの形成、露光及び現像、このフィルムのエッチングによって該フィルムのパターニングを行う場合は、工程数が多いものの、フィルムを高精度で加工することが可能となる。
【0135】
具体的には、感光性のフィルムは、露光によるパターンの解像度の点で劣り、その解像度が10μm程度である。これに対して、フォトレジストの解像度は、3μm程度であるため、フォトレジストを用いることによって、高精度のパターニングが可能となる。
【0136】
また、この発明においては、有色有機フィルムに各遮光性フィルム片を含む。これらの遮光性フィルム片は、ブラックマトリクスとしての役目を果たす。
【0137】
これらの遮光性フィルム片を形成するために、遮光性有機フィルムをラミネート法によって貼着してから、アクティブマトリクス基板に対する表面からのパターン露光、及び裏面からの一括露光を施す。
【0138】
アクティブマトリクス基板の裏面からの一括露光によって、光漏れを生じる全ての部分で、各遮光性フィルムを形成することができる。
【0139】
ソース信号線として透明導電膜(例えばITO)を適用した場合は、ソース信号線の上方に配置される遮光性フィルム片をパターニングするために、遮光性有機フィルムをラミネート法によって貼着してから、アクティブマトリクス基板に対する裏面からの一括露光を施せば良い。
【0140】
ソース信号線を遮光性フィルム片によって覆うと、ソース信号線の光反射率が高くても、このソース信号線による光反射が遮光性フィルム片によって遮られるので、表示画面の反射率を抑制して、表示品位を向上させることができる。
【0141】
各原色フィルム片の境目に各遮光性フィルム片を配置する代わりに、各原色フィルム片を各画素の境界で重ね合わせても構わない。この場合、異なる各色に着色された各原色フィルム片を重ねるので、これらの原色フィルム片が重なる部分に遮光性を生じ、各画素の境界で光漏れを生じない。しかも、ソース信号線上で、各原色フィルム片を重ね合わせると、層間絶縁膜が十分に厚くなるので、ソース信号線と画素電極間の容量を抑えて、画素部分の透過率を低下させることなく、両者間のクロストークを低く抑えることができる。
【0142】
また、この発明においては、層間絶縁間は、有色有機フィルム及びオーバーコートフィルムを積層してなる。これによって、層間絶縁膜の凹凸が覆い隠され、その表面が平滑となる。このため、オーバーコートフィルム上の画素電極が切れ難くなって、不良の発生率が低減する。
【0143】
有色有機フィルム単体のときよりも、有色有機フィルム及びオーバーコートフィルムを薄くできるので、これらのフィルムを下地の段差に対して気泡をかませることなく数μmの近傍まで密着させることができる。
【0144】
また、この発明においては、有色有機フィルム並びにオーバーコートフィルムを形成してから、フォトレジストの形成、露光及び現像、有色有機フィルム並びにオーバーコートフィルムのエッチングによって、コンタクトホールを形成する。
【0145】
あるいは、有色有機フィルム並びにオーバーコートフィルムを形成してから、ベーク処理を施し、この後にフォトレジストの形成、露光及び現像、有色有機フィルム並びにオーバーコートフィルムのエッチングによって、コンタクトホールを形成する。
【0146】
この様にベーク処理を施してからオーバーコートフィルムのエッチングを施すと、有色有機フィルムのベーク処理が事前に行われていても、有色有機フィルムとオーバーコートフィルム間でエッチングレートの差を小さくすることができる。
【0147】
コンタクトホールを付加容量の付加容量電極に重なる部位に設けるのが好ましい。このコンタクトホールの部位では、カラーフィルター及びブラックマトリクスの機能が果たされないので、この付加容量電極によって、このコンタクトホールを通過する光を遮断することができる。また、液晶層に接する面には、コンタクトホールを原因とする凹凸が形成され、この凹凸によって液晶分子の配列が乱され、リバースティルトドメインが発生するものの、このドメインの発生部分が付加容量電極によって覆い隠されるので、このドメインの発生部分が表示画面上で視認されることはなく、この表示画面のコントラストが低下せずに済む。
【0148】
コンタクトホールのテーパー角度を45度以下に設定すれば、層間絶縁膜の表面が滑らかとなるので、画素電極が切れ難くなる。
【0149】
コンタクトホールの内周壁をオーバーコートフィルムによって覆えば、コンタクトホールの内周壁を滑らかにすることができる。
【0150】
あるいは、コンタクトホールの内周壁に、有色有機フィルムの端面、及びオーバーコートフィルムの端面を露出させ手も良い。ただし、この場合は、各フィルムの端面間で段差が生じない様にする。
【0151】
また、この発明においては、画素電極とソース信号線をオーバーラップさせ、このオーバーラップの幅を1μm以上に設定し、ゲート信号線に沿って配列された1列の各スイッチング素子に対して各ソース信号線の映像信号が供給されると、次のゲート信号線に沿って配列された1列の各スイッチング素子に対しては各ソース信号線の映像信号の極性を反転して供給し、各ゲート信号線毎に、各ソース信号線の映像信号の極性を繰り返して反転している。
【0152】
この場合は、画素電極とソース信号線間の容量を通じて、ソース信号線の映像信号が画素容量の電位に作用したとしても、この映像信号の極性が頻繁に変わるので、画素容量の電位の変動が緩和される。つまり、このソース信号線に沿って発生するクロストークが抑制される。
【0153】
中間調表示での画素電極による画素容量と付加容量電極による付加容量の和に対する該画素電極とソース信号線間の容量の割合が10パーセント以下であると、先のクロストークの影響が緩和され、良好な表示品質が得られる。
【0154】
層間絶縁膜の厚さが2μm以上であれば、先の画素容量と付加容量の和に対する該画素電極とソース信号線間の容量の割合を10パーセント以下に収めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の液晶表示装置の第1実施形態における画素を拡大す平面図
【図2】図1のA’−Aに沿い破断して示す断面図
【図3】図1の液晶表示装置におけるDFL法による有色有機フィルムの製造工程を示しており、(a)は、赤色フィルム片の製造工程を示し、(b)は、緑色フィルム片の製造工程を示し、(c)は、青色フィルム片の製造工程を示し、(d)は、遮光フィルム片の製造工程を示し、(e)は、検査工程を示し、(f)は、洗浄及びベーク処理の工程を示す
【図4】この発明の液晶表示装置の第2実施形態における画素を破断して示す断面図
【図5】図4の液晶表示装置におけるコンタクトホールの断面を示しており、(a)は、有色有機フィルムの端面とオーバーコートフィルムの端面が滑らかにつながるコンタクトホールの断面を示し、(b)は、開口部が大きくなり過ぎたコンタクトホールの断面を示し、(c)は、有色有機フィルムの端面をオーバーコートフィルムによって覆ったコンタクトホールの断面を示す
【図6】この発明の液晶表示装置の第3実施形態における画素を拡大して示す平面図
【図7】図6の実施形態の変形例を示す平面図
【図8】この発明の液晶表示装置における映像信号の一例を模式的に示す図
【図9】この発明の液晶表示装置におけるソース信号線と画素電極間の容量に対する両者間の充電率特性を示すグラフ
【図10】液晶表示装置の表示画面の表示パターンを例示する図
【図11】ソース信号線と画素電極のオーバーラップの幅に対する容量比の特性を示すグラフ
【図12】液晶表示装置の概略構成を示す図
【図13】従来の液晶表示装置における画素を拡大して示す平面図
【図14】図13のC’−Cに沿い破断して示す断面図
【符号の説明】
1 アクティブマトリクス基板
2 ゲート信号線
3 付加容量電極
4 ゲート絶縁膜
5 半導体層
6 チャネル保護層
7 TFT
8 n+Si層
12 ドレイン信号線
13 ソース信号線
14 有色有機フィルム
15 画素電極
16,33 コンタクトホール
17 対向基板
18 対向電極
19 液晶層
31 有色有機フィルム
32 オーバーコートフィルム
Claims (20)
- アクティブマトリクス基板と、このアクティブマトリクス基板に対向配置された対向基板と、アクティブマトリクス基板と対向基板間に介在する液晶層とを備え、アクティブマトリクス基板上に、制御信号を伝送する各ゲート信号線と映像信号を伝送する各ソース信号線を交差させて形成し、これらの信号線の交差部位に各スイッチング素子を割り当ててマトリクス状に配列すると共に、これらの信号線に各スイッチング素子を接続し、各スイッチング素子及び各信号線上に、層間絶縁膜を形成し、この層間絶縁膜上に、各画素電極をマトリクス状に形成した液晶表示装置において、
前記層間絶縁膜は、有色有機フィルムのフィルム片を有しており、各フィルム片が、ドライフィルムである有色有機フイルムを前記アクティブマトリクス基板にラミネート法にて貼着して各画素をそれぞれ覆うようにパターニングすることによって形成されていることを特徴とする液晶表示装置。 - 請求項1に記載の液晶表示装置において、前記有色有機フィルムは、感光性を有し、この有色有機フィルムをラミネート法によって貼着してから、露光及び現像によって該有色有機フィルムをパターニングすることにより前記各フィルム片が形成されていることを特徴とする液晶表示装置。
- 請求項1に記載の液晶表示装置において、前記有色有機フィルムは、非感光性であり、この有色有機フィルムをラミネート法によって貼着してから、フォトレジストの形成、露光及び現像、この有色有機フィルムのエッチングによって該有色有機フィルムをパターニングすることにより前記各フィルム片が形成されていることを特徴とする液晶表示装置。
- 請求項1に記載の液晶表示装置において、前記有色有機フィルムは、原色にそれぞれ着色された複数の透過性有機フィルムによって構成されており、原色の透過性有機フィルム毎に、ラミネート法による前記アクティブマトリクス基板への貼着とその後のパターニングとをそれぞれ繰り返すことによって前記フィルム片が形成されていることを特徴とする液晶表示装置。
- 請求項4に記載の液晶表示装置において、前記各フィルム片の縁が相互に重ね合わされていることを特徴とする液晶表示装置。
- 請求項1に記載の液晶表示装置において、前記層間絶縁膜は、前記フィルム片が配置されていない部分に設けられた遮光性フィルム片を更に含み、これらの遮光性フィルム片は、遮光性を有する遮光性有機フィルムをラミネート法によって前記アクティブマトリクス基板に貼着してからパターニングすることにより形成されていることを特徴とする液晶表示装置。
- 請求項6に記載の液晶表示装置において、前記遮光性有機フィルムが感光性を有し、ラミネート法によって前記アクティブマトリクス基板に貼着された該遮光性有機フィルムが、該アクティブマトリクス基板に対する表面からのパターン露光を行った後に、裏面からの一括露光を施して現像することにより前記遮光性フィルム片が形成されていることを特徴とする液晶表示装置。
- 請求項1乃至7のいずれかに記載の液晶表示装置において、前記フィルム片に形成されたコンタクトホールを介して前記画素電極が前記スイッチグ素子に接続されている液晶表示装置。
- 請求項8に記載の液晶表示装置において、付加容量電極を更に備え、この付加容量電極による付加容量が前記各画素電極による画素容量にそれぞれ並列に接続され、前記コンタクトホールが該付加容量電極に重なる部位に形成されている液晶表示装置。
- 請求項8に記載の液晶表示装置において、前記コンタクトホールのテーパー角度は、45度以下である液晶表示装置。
- 請求項1に記載の液晶表示装置において、前記フィルム片上に、感光性を有するオーバーコートフィルムが設けられており、該オーバーコートフィルムが、前記アクティブマトリクス基板上に、ラミネート法によって貼着されて、露光及び現像によるパターニングによって形成されていることを特徴とする液晶表示装置。
- 請求項1に記載の液晶表示装置において、前記フィルム片上に非感光性のオーバーコートフィルムが設けられており、該オーバーコートフィルムが、前記アクティブマトリクス基板上に、ラミネート法によって貼着されて、フォトレジストの形成、露光及び現像、エッチングによるパターニングによって形成されていることを特徴とする液晶表示装置。
- 請求項11又は12に記載の液晶表示装置において、前記フィルム片並びに前記オーバーコートフィルムを形成してから、フォトレジストの形成、露光及び現像、前記フィルム片並びに前記オーバーコートフィルムのエッチングによって、前記画素電極と前記スイッチング素子とを接続するコンタクトホールが形成されていることを特徴とする液晶表示装置。
- 請求項11又は12に記載の液晶表示装置において、前記フィルム片並びに前記オーバーコートフィルムを形成してから、ベーク処理を施し、この後にフォトレジストの形成、露光及び現像、前記フィルム片並びに前記オーバーコートフィルムのエッチングによって、前記画素電極と前記スイッチング素子とを接続するコンタクトホールが形成されていることを特徴とする液晶表示装置。
- 請求項13又は14に記載の液晶表示装置において、前記コンタクトホールの内周壁は、前記オーバーコートフィルムによって覆われる液晶表示装置。
- 請求項13又は14に記載の液晶表示装置において、前記コンタクトホールの内周壁には、前記フィルム片の端面、及び前記オーバーコートフィルムの端面が露出している液晶表示装置。
- 請求項1乃至16のいずれかに記載の液晶表示装置において、前記画素電極と前記ソース信号線をオーバーラップさせ、このオーバーラップの幅を1μm以上に設定し、前記ゲート信号線に沿って配列された1列の各スイッチング素子に対して各ソース信号線の映像信号が供給されると、次のゲート信号線に沿って配列された1列の各スイッチング素子に対しては各ソース信号線の映像信号の極性を反転して供給し、各ゲート信号線毎に、各ソース信号線の映像信号の極性を繰り返して反転する液晶表示装置。
- 請求項1乃至16のいずれかに記載の液晶表示装置において、付加容量電極を更に備え、この付加容量電極による付加容量を画素電極による画素容量に並列接続し、中間調表示での画素電極による画素容量と付加容量電極による付加容量の和に対する該画素電極とソース信号線間の容量の割合が10パーセント以下である液晶表示装置。
- 請求項1乃至16のいずれかに記載の液晶表示装置において、前記層間絶縁膜の厚さは、2μm以上である液晶表示装置。
- アクティブマトリクス基板と、このアクティブマトリクス基板に対向配置された対向基板と、アクティブマトリクス基板と対向基板間に介在する液晶層とを備え、アクティブマトリクス基板上に、制御信号を伝送する各ゲート信号線と映像信号を伝送する各ソース信号線を交差させて形成し、これらの信号線の交差部位に各スイッチング素子を割り当ててマトリクス状に配列すると共に、これらの信号線に各スイッチング素子を接続し、各スイッチング素子及び各信号線上に、層間絶縁膜を形成し、この層間絶縁膜上に、各画素電極をマトリクス状に形成した液晶表示装置において、
前記層間絶縁膜が、ドライフィルムである有色有機フィルムのフィルム片と、該フィルム片上に設けられたオーバーコートフィルムとからなり、
前記有色有機フィルムが、異なる原色にそれぞれ着色された複数の透過性有機フィルムによって構成されており、各透過性有機フィルム毎に、ラミネート法による前記アクティブマトリクス基板への貼着とその後の各画素をそれぞれ覆うようにパターニングすることとをそれぞれ繰り返すことによって前記フィルム片が形成されており、
前記オーバーコートフィルムが、前記有色有機フィルム上にラミネート法によって貼着してから、フォトレジストの形成、露光及び現像、エッチングによるパターニングによって形成されていることを特徴とする液晶表示装置。
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