JP3812911B2 - ワックス塗布用ウェットワイパー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、家電製品、スポーツ用品等の表面、特に自動車等の塗装表面にワックスを塗布し、撥水効果を付与するために有用なワックス塗布用ウェットワイパーに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車等のワックス組成物は固形状、柔らかいペースト状、有機溶剤で溶解した液状のもの、あるいは水と有機溶剤、界面活性剤を用いて低粘度のエマルションとしたものが一般的に使用されている。しかしこれらを使用したワックスがけの作業はワックスを塗布するのに相当な力が必要なこと、ワックスがけに時間がかかることなどからかなりの重労働とされてきた。また使用時にワックスを担持させるための担体が別途必要なことも煩わしさの原因になっていた。
【0003】
これらの労力と煩わしさを回避するため、担体にワックス液組成物を含浸させたウェットワイパータイプのものが提案されている。例えば、特開昭62−47331号公報には、ワックスとシリコンオイル、自動車の洗浄剤を吸水性ポリプロピレン繊維に含浸させたものが開示されており、特開平2−280731号公報には、不織布あるいは紙に鉱物性あるいは植物性ワックス、界面活性剤、有機溶剤を含浸させたものが開示されており、特開平5−4563号公報には、エマルションタイプのワックスをロール状の不織布に含浸させたもの等が開示されている。しかし、ワックス液組成物を担持させるために用いる担体については、従来のものはワックス液組成物を担持させる事さえ出来れば何でも良いという考え方であり、比較的コストの安いものや、汎用的に使用されているものから適当に選ばれているのが実状であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ウェットワイパーで拭くだけで労力をかけることなく塗装面に持続性のある撥水性能を付与することができ、さらにワックス液組成物と担体が一体になっているため作業時に別途担体を必要としない簡便性に優れたワックス塗布用ウェットワイパーの提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決するためワックスエマルション液組成物と不織布の関係について研究した結果、ワックスエマルション液組成物と不織布の間には適合性があり、ワックスエマルション液組成物を特定の不織布に含浸させると撥水性、持続性ともに優れた性能が発揮されるということを初めて見出し、本発明をなすに至った。
【0006】
即ち、本発明は下記の通りである。
(1)高級脂肪酸と高級アルコールのエステルワックスを含有するワックスエマルション液組成物が、セルロース系不織布に担持されていることを特徴とするワックス塗布用ウェットワイパー。
(2)ワックスエマルション液組成物が、ワックス分1〜20%、有機溶剤1〜10%、界面活性剤0.1〜5%を含有する水ベースのエマルションであることを特徴とする上記(1)記載のワックス塗布用ウェットワイパー。
【0007】
なお、本発明における「%」は、重量%である。
以下、本発明を詳細に説明する。
ワックスエマルション液組成物を担持させる担体としては、ワックスエマルション液組成物に適合した特定の不織布を使用する。担体は、含浸時にワックスエマルション液組成物を十分に吸収する能力があり、使用時にはワックスエマルション液組成物中のワックス成分を塗装面に対し付着させる必要がある。本発明では水ベースのエステル系ワックスエマルションをワックスエマルション液組成物とし、これを担持させる担体にセルロース系不織布を使用する。セルロース系不織布は、親水基を多く持つため水ベースのワックスエマルション液の吸収能が高く、更に、この不織布は使用時にワックスエマルション中の水分を水素結合によりある程度吸着することが出来るので、ワイパーで拭いた時に疎水性であるワックス成分のみを塗装面に対して薄膜として付与することが出来る。このため塗装面に対して高い撥水性と持続性を与えることが出来る。
【0008】
担体の吸収能が低いと、製造時にワックスエマルション液組成物を含浸し担持させることが困難であり、また、使用時に担体から吸収しきれないワックスエマルション液が吐き出されてしまい、これが疎水性の塗装面上ではじかれ大きな水滴になってしまう。また、担体に保持できないと吐き出し量が多くなってしまい、使用時にウェットワイパーが塗装面上で滑ってしまってワックス成分をしっかりと塗り込んで付着させることが出来ない。また、不織布の構造によってはワックス成分が化学的、あるいは物理的に担体の不織布に吸着してしまい使用時に塗装面上には水ばかりが吐き出されてしまい、ワックス成分が出てこない場合もある。
【0009】
以上の理由より、ワックス塗布用ウェットワイパーにはワックスと不織布の適合性が重要であり、水ベースのエステル系ワックスエマルションをワックス液組成物とした場合、担体としては、セルロース系不織布を使用することが好ましい。セルロース系不織布としては市販されている種々のものが使用可能であり、その具体例として、「ベンリーゼ」(旭化成工業(株)の商品名)、「コットンエース」(ユニチカ(株)の商品名)、「オイコス」(日清紡(株)の商品名)等が挙げられる。なかでも「ベンリーゼ」が好ましい。「ベンリーゼ」は、コットンリンターを使用した湿式スパンボンド法による長繊維不織布でありセルロース100%から成っている。
【0010】
不織布の目付量はある程度の厚みのあることが使い勝手から望ましく、特に25〜100g/m2 であることが望ましい。
本発明に用いるワックスエマルション液組成物について説明する。
使用するワックスとしては、高級脂肪酸と高級アルコールとのエステルワックスが用いられ、その具体例としては、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、木ろう等が挙げられる。この中でもカルナウバワックスを用いることが特に好ましい。カルナウバワックスは、つや、光沢性、強靱性、堅さ、微結晶性などワックス中最高級のものであり、自動車等の塗装面に用いるワックスとして特に優れている。
【0011】
ワックスは少なすぎては性能が出ず、また多すぎると低粘度のエマルションを作成することが困難であるため、上記組成物中のワックス分は1〜20%であることが望ましい。本発明のワックス塗布用ウェットワイパーはワックス成分のみを上手く塗装面に対して塗布することが出来るため、ワックス分が10%以下であっても十分な効果が得られる。このワックスと少量の有機溶剤、界面活性剤を用いて水をベースにした低粘度のエマルションを作成し、これをワックスエマルション液組成物とする。
【0012】
使用する有機溶剤としては、石油系有機溶剤が使用され、例えば、ナフテン系石油溶剤、ノルマルパラフィン系石油溶剤、イソパラフィン系石油溶剤、工業ガソリン、灯油、ミネラルスピリット等が挙げられる。この中でワックスに対して溶解性を持ち、塗装面に対して悪影響を及ぼさない程度の溶解力を持ったナフテン系石油溶剤を使用することが好ましい。有機溶剤量は、少なすぎるとワックスの溶解が十分には出来ず、多いとワックスエマルションの粘度が高くなるので、1〜10%であることが望ましい。
【0013】
乳化に使用する界面活性剤としては、ノニオン界面活性剤、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等、アニオン界面活性剤、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、石鹸等が挙げられる。この中で石鹸(例えば、脂肪酸をアミンでケン化して脂肪酸のアミン塩としたもの)を使用したものが乳化分散性、安定性ともに優れているため好ましい。界面活性剤の量は乳化状態を作るのに必要な量であればよく、多すぎると撥水効果に悪影響を及ぼす場合があるため、0.1〜5%であることが好ましい。
【0014】
ワックスエマルション液組成物を水ベースのエマルションとすることで、作業時の有機溶剤臭を押さえることが出来るため、不快感無く作業をすることが出来る。また人体に対する毒性や引火点の問題も回避することが出来る。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、実施例と比較例により本発明を説明する。
【0016】
【実施例1】
カルナウバワックス5%、ナフテン系石油溶剤「ハイソルベント200」(富士興産(株)の商品名)4%、界面活性剤としてステアリン酸1%およびモルホリン1%、水89%からなる処方のワックスエマルション液組成物を、セルロース系不織布「ベンリーゼ」(15cm×15cm、目付量25g/m2 )に2ml含浸させてワックス塗布用ウェットワイパーを作成する。
【0017】
カチオン電着塗装片面メラミン焼き付け塗装板(JIS G3141(SPcc SD)0.6cm×5cm×15cm)を試験片とし、上記ワックス塗布用ウェットワイパーで試験片を10往復拭きワックスを塗布する。
ワックス塗布直後にこの試験片にラボラトリーウオッシャー(モデル−AW−62 ヤマト化学(株))を使用して5分間シャワーをあてる。試験片を乾燥した後、接触角(°)を接触角計(CA−D型、協和界面化学(株)製、測定条件;23℃)にて測定する。この操作を更に2回繰り返しその都度接触角を測定し、撥水性能とワックスの耐久性について調べる。接触角の大きいもの程撥水性の高いことを表している。結果を表1に記す。
【0018】
【比較例1】
担体として、アクリル系不織布(A)、ポリプロピレン系不織布(B)ポリエステル系不織布(C)、ナイロン系不織布(D)を使用すること以外は、実施例1と同様に行う。結果を表1に記す。
【0019】
【表1】
【0020】
【発明の効果】
本発明のワックス塗布用ウェットワイパーは、塗布面に対して十分な撥水効果と持続性を持たせることが容易に出来、これにより労力が必要であり煩わしかった自動車等の塗装面に対するワックスがけを簡便に行うことが出来る。
Claims (2)
- 高級脂肪酸と高級アルコールのエステルワックスを含有するワックスエマルション液組成物が、セルロース系不織布に担持されていることを特徴とするワックス塗布用ウェットワイパー。
- ワックスエマルション液組成物が、ワックス分1〜20%、有機溶剤1〜10%、界面活性剤0.1〜5%を含有する水ベースのエマルションであることを特徴とする請求項1記載のワックス塗布用ウェットワイパー。
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JPH1024001A JPH1024001A (ja) | 1998-01-27 |
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1996
- 1996-07-11 JP JP18240096A patent/JP3812911B2/ja not_active Expired - Fee Related
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